商標拒絶査定不服審判
2023-001654
ゴチソウヤキムスビオニマル、ゴチソーヤキムスビオニマル、ゴチソーヤキムスビ、ゴチソー、ヤキムスビオニマル、オニマル
- 審判番号
- 2023-001654
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-077090
- 請求日
- 2023年01月31日
- 審決日
- 2024年01月23日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社マリノ
- 【請求人代理人】石黒 修
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T18 .261-Z (W3043) / T18 .262-Z (W3043) / T18 .263-Z (W3043)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-77090拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年7月4日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年10月12日付け:拒絶理由通知書
令和4年10月24日 :意見書の提出
令和4年11月10日付け:拒絶査定
令和5年 1月31日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第30類「コーヒー及びココア,おにぎり,スパゲッティのめん,マカロニ,その他の穀物の加工品,おにぎり入りべんとう,その他のべんとう,調理済みスパゲッティ,冷凍調理済みスパゲッティ,調味料」及び第43類「飲食物の提供,宿泊施設の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の2件であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらの登録商標をまとめていうときは、「引用商標」という。)。
(1)登録第6411756号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第30類「茶,コーヒー,ココア,菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,香辛料,穀物の加工品,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,食用粉類」
登録出願日 令和2年12月17日
設定登録日 令和3年7月6日
(2)登録第6415915号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定役務 第43類「宿泊施設の提供,飲食物の提供,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用調理台の貸与,業務用流し台の貸与,家庭用加熱器(電気式のものを除く。)の貸与,家庭用調理台の貸与,家庭用流し台の貸与,食器の貸与」
登録出願日 令和2年12月17日
設定登録日 令和3年7月14日
4 当審の判断
(1)本願商標
ア 本願商標は、別掲1のとおり、円図形内に稲穂等と思しき図形を配した藍色の図形(以上の構成要素をまとめて、以下「図形部分」という。)と、その右側に、「ごちそう」、「焼むすび」及び「おにまる」の黒色の文字(以上の構成要素をまとめて、以下「文字部分」という場合がある。)を三段に横書きしてなる構成からなる。
そして、本願商標の構成において、図形部分と文字部分とは、相互に一定の間隔を空けて、重なり合うこともなく配置され、各構成部分は、それぞれが独立したものであるとの印象を与えることから、視覚上分離して認識されるものである。
イ 本願商標の構成中の図形部分は、我が国において特定の事物を表したもの、又は何らかの意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないことから、特定の称呼及び観念は生じない。
また、本願商標の構成中の文字部分は、上段に「豪華な食事。うまい食べ物。」等の意味を有する「ごちそう」の文字を小さく、中段に「握り飯の表面を焼き焦がしたもの。焼結び。」の意味を有する「焼飯(やきめし)」と同義の「焼結び(やきむすび)」に通じる「焼むすび」の文字(いずれも「広辞苑 第七版」岩波書店)を大きく表してなるところ、これらの文字は、本願の指定商品中「おにぎり,おにぎり入りべんとう」及び指定役務中「飲食物の提供」との関係において、商品又は提供される料理として認識されるもの(焼むすび)やそれを形容する語(ごちそう)と認識されるものであるから、自他商品役務の識別標識として機能しないもの又はその機能が極めて弱いものである。
一方、本願商標の構成中の文字部分において、下段に小さく表された「おにまる」の文字は、「足利氏重代の太刀。粟田口国綱の作。北条時頼の愛刀。足利義昭から豊臣秀吉に伝え、今は御物。」等の意味を有する「鬼丸(おにまる)」に通じる語(前掲書)であるものの、本願の指定商品中「おにぎり,おにぎり入りべんとう」及び指定役務中「飲食物の提供」の需要者である一般消費者の間において、慣れ親しまれた語とはいい難いことから、特定の意味合いを認識させない造語を表してなると理解されるものであって、本願の上記指定商品及び指定役務との関係において、商品の品質又は役務の質を表示する等の格別な事情も見当たらないことから、当該文字部分は、自他商品役務の識別標識として、取引者、需要者に強い印象を与えるものである。
そうすると、本願商標の構成中の文字部分において、「おにまる」の文字は、これを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものということはできず、当該文字を引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきであるから、構成文字に相応した「オニマル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 以上からすると、本願商標は、その構成中の「おにまる」の文字が、独立して自他商品役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、当該文字部分に着目して、取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当であるから、当該文字に相応して、「オニマル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1は、別掲2のとおり、「鬼丸」の漢字と「ONIMARU」の欧文字とを上下二段に表してなるところ、下段の欧文字は、上段の漢字の読みを表したものと理解されるものである。
そして、上記(1)と同様に、「鬼丸」の文字は、引用商標の指定商品中「弁当」等の需要者である一般消費者の間において、慣れ親しまれた語とはいい難いことから、特定の意味合いを認識させない造語を表してなると理解されるものである。
そうすると、引用商標1は、その構成全体に相応して、「オニマル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2は、別掲3のとおり、円図形内に「元祖」及び「からつ辛麺」の文字並びに曲線図形を配した図形(以上の構成要素をまとめて、以下「引用2図形部分」という。)と、その右側に、「鬼丸」の漢字と「ONIMARU」の欧文字とを上下二段に表してなるところ、下段の欧文字は、上段の漢字の読みを表したものと理解されるものである。また、引用商標2の構成において、引用2図形部分と「鬼丸」及び「ONIMARU」の文字とは、相互に一定の間隔を空けて、重なり合うこともなく配置され、各構成部分は、それぞれが独立したものであるとの印象を与えることから、視覚上分離して認識されるものである。
そして、上記(1)と同様に、「鬼丸」の文字は、引用商標の指定役務中「飲食物の提供」等の需要者である一般消費者の間において、慣れ親しまれた語とはいい難いことから、特定の意味合いを認識させない造語を表してなると理解されるものである。
そうすると、引用商標2は、その構成中の「鬼丸」及び「ONIMARU」の文字に相応して、「オニマル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否
本願商標と引用商標との類否について検討すると、本願商標の構成中、自他商品役務の識別標識として、取引者、需要者に強い印象を与える「おにまる」の文字と、引用商標の構成中の「鬼丸」及び「ONIMARU」の文字とは、平仮名と漢字及び欧文字であって文字種を異にするものの、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記したり、デザイン化したりすることが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
そして、両商標は、称呼においては、「オニマル」の称呼を同一とし、観念においては、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず、称呼を同一とするものであるから、外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考察すれば、両者は互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品又は指定役務との類否
本願の指定商品中「おにぎり,おにぎり入りべんとう」は、引用商標1の指定商品中「弁当」と同一又は類似の商品であり、本願の指定役務中「飲食物の提供」は、引用商標2の指定役務中「飲食物の提供」と同一の役務である。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品及び指定役務も引用商標1の指定商品及び引用商標2の指定役務と同一又は類似の商品及び役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標について、占有領域の大きさから「焼むすび」の存在が無視される可能性は低く、本願商標は全体として「ゴチソウヤキムスビ」、「ゴチソウヤキムスビオニマル」、又は「ヤキムスビオニマル」と称呼される可能性が高いと述べると共に、本願商標の図形部分、「ごちそう」及び「焼むすび」の文字は、観念上「米」を通じて密接に連関しており、これらは密接不可分であるため、図形部分も含めた本願商標全体として、商標間の類否判断を行う必要がある旨主張する。
しかしながら、本願商標の構成中の文字部分において、「焼むすび」の文字が大きく表されているとしても、当該文字は、本願の指定商品中「おにぎり,おにぎり入りべんとう」及び指定役務中「飲食物の提供」との関係において、商品又は提供される料理として認識されるものであるから、自他商品役務の識別標識として機能しないもの又はその機能が極めて弱いものである。加えて、本願商標の文字部分は、異なる大きさの文字で三段に表されているから、視覚的にも分離して看取、把握される外観を有している。また、本願商標は、外観上、図形部分と文字部分とに分離して認識される上、両者の観念上のつながりもなく、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとは認められない。
イ 請求人は、「おにぎり」に詳しくない需要者においては、「焼むすび」が現在一般的に多用されている「焼おにぎり」を表すものであるとは瞬時に理解できず、「焼むすび」は一定の識別力を有していること、また、「握り飯の表面を焦がしたもの」は、「焼おにぎり」と称されることが現代では一般的であると考えられ、「焼むすび」と称されることは絶無とは言えないまでも極めて稀である旨主張する。
しかしながら、別掲4のとおり、本願の指定商品中「おにぎり,おにぎり入りべんとう」及び指定役務中「飲食物の提供」を取り扱う業界において、「焼むすび」の文字が、「握り飯の表面を焼き焦がしたもの」を表示するものとして一般に使用されている実情が見受けられることから、これに接する取引者、需要者においても、「焼むすび」の文字から上記意味合いを無理なく理解できるといえる。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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