商標拒絶査定不服審判
2024-012432
マルフク、フク
- 審判番号
- 2024-012432
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-047384
- 請求日
- 2024年07月30日
- 審決日
- 2025年05月14日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社物語コーポレーション
- 【請求人代理人】弁理士法人真明センチュリー
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 目黒 潤
- 分類
- T18 .261-Z (W3043) / T18 .262-Z (W3043) / T18 .263-Z (W3043)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-47384拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年4月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 8月29日付け:拒絶理由通知書
令和5年11月13日 :意見書の提出
令和6年 1月22日付け:通知書
令和6年 4月19日付け:拒絶査定
令和6年 7月30日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第30類「弁当,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,ラビオリ,菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5861543号(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成28年 1月 8日
設定登録日:平成28年 6月24日
指定役務:第43類「コーヒーを主とする飲食物の提供」
(2)登録第6668114号(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「MARUFUKU」(標準文字)
登録出願日:令和 4年11月 4日
設定登録日:令和 5年 2月 1日
指定商品:「調理済みラーメン,米を主材とする凍結乾燥した惣菜,調理済み麺類,ぎょうざ,弁当,たこ焼き,しゅうまい,おにぎり,即席米飯」を含む第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、赤色で塗りつぶした円形内に、白抜きで円周の内側に沿って線を施し、中央に「福」の文字をモチーフにしたと思しき図形(以下「本願図形部分」という。)を配し、その右側に「丸福」の文字(以下「本願文字部分」という。)を表してなるところ、その構成中、本願図形部分と本願文字部分は、それぞれ重なり合うことなく、独立して表されていることから、視覚上、明確に分離して看取し得るものである。
そして、本願図形部分は、「福」の文字をモチーフに図案化したものととらえる場合があるとしても、特定の意味合いを直ちに想起させることのない図形を表したものとみるのが相当であり、特定の称呼及び観念を生じないものである。
また、本願文字部分である「丸福」の文字は、一般的な辞書に載録がなく、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものであるから、本願の指定商品及び指定役務との関係で、本願文字部分が自他商品役務の識別標識としての機能を有しないという理由は見いだせない。
そうすると、本願図形部分と本願文字部分の間には、称呼及び観念上のつながりを見いだせず、両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないから、本願商標は、その構成中の本願図形部分と本願文字部分が、それぞれ独立して出所識別機能を有する要部となり得るものであり、本願文字部分の「丸福」を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その要部である「丸福」の文字部分(以下「本願商標の要部」という。)に相応して、「マルフク」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものといえる。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1について
引用商標1は、別掲2のとおり、「丸福珈琲店」の文字を横書きしてなるところ、その構成中、「珈琲店」の文字部分については、「珈琲を商う店」ほどの意味合いを表す語であって、引用商標1の指定役務との関係において、役務の提供場所を表示したものであり、それ自体、役務の出所識別標識としての称呼、観念が生じるということはできない。一方、「丸福」の文字部分については、上記アのとおり、一般的な辞書に載録がなく、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものであるから、引用商標1の指定役務との関係において、例えば、役務の質を表すなど、自他役務の識別標識としての機能を有しないという理由は見いだせない。
そうすると、引用商標1は、これをその指定役務について使用するときは、その構成中「丸福」の文字部分が、取引者、需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができるから、該文字部分を抽出し、他人の商標と比較することが許されるものというべきである(以下「丸福」の文字部分について「引用商標1の要部」という。)。
したがって、引用商標1は、その構成全体の文字部分から「マルフクコーヒーテン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないとともに、引用商標1の要部である「丸福」の文字部分に相応して、「マルフク」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものといえる。
(イ)引用商標2について
引用商標2は、「MARUFUKU」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して、「マルフク」の称呼を生じ、該文字は一般的な辞書に載録がなく、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものであるから、特定の観念を生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標1及び引用商標2の類否について
(ア)本願商標と引用商標1の類否について
本願商標と引用商標1は、それぞれ上記ア及び上記イ(ア)のとおりの構成よりなり、両者は、全体の外観において、「丸福」の文字を共通にするから近似した印象を与え、本願商標の要部と引用商標1の要部の比較においては、それぞれを構成する「丸福」の文字を共通にし、「マルフク」の称呼をも共通にするものである。
さらに、本願商標の要部と引用商標1の要部の観念を比較すると、ともに造語であるから、比較することはできない。
そうすると、本願商標と引用商標1とは、全体の外観において近似した印象を与え、本願商標の要部と引用商標1の要部との比較においては、観念において比較できないものの、外観においては構成文字を同一にし、「マルフク」の称呼を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標1は、商品及び役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
(イ)本願商標と引用商標2の類否について
本願商標と引用商標2は、それぞれ上記ア及び上記イ(イ)のとおりの構成よりなり、それぞれの商標は、全体の外観において、構成文字の差異や図形部分の有無等を有することから区別できるとしても、本願商標の要部との比較においては、本願商標の要部が漢字のみからなるのに対し、引用商標2はローマ字のみからなるところ、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
そして、本願商標と引用商標2は、称呼において、「マルフク」の称呼を共通にするものであり、観念において、いずれも特定の観念を生じないものであるから比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標2とは、全体の外観においては相違があるものの、本願商標の要部と引用商標2との比較において、観念において比較できないものの、外観上の差異が顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず、「マルフク」の称呼も共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、商品及び役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願の指定商品及び指定役務と、引用商標1の指定役務及び引用商標2の指定商品との類否について
(ア)本願の指定商品及び指定役務中、第43類「飲食物の提供」は、引用商標1の指定役務である第43類「コーヒーを主とする飲食物の提供」と同一又は類似する役務である。
(イ)本願の指定商品及び指定役務中、第30類「弁当,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,ラビオリ」は、引用商標2の指定商品中、第30類「調理済みラーメン,米を主材とする凍結乾燥した惣菜,調理済み麺類,ぎょうざ,弁当,たこ焼き,しゅうまい,おにぎり,即席米飯」と同一又は類似の商品である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は引用商標1及び引用商標2と類似する商標であり、かつ、その指定商品及び指定役務も、引用商標1の指定役務及び引用商標2の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、情報通信技術が発達した今日では、飲食店の予約や注文においても、インターネットなどを活用した電子的な商取引が中心となっており、電話等の口頭取引が一部存続しているとしても、称呼を頼りとする口頭取引はあくまで電子的な商取引を補足するものであって、商取引の一形態にすぎず、チラシやウェブサイト上に表示される視覚的な情報を見て予約または注文することが主流となっている商取引において、商標の類否判断における称呼の重要性は低く、外観の重要性が高いものである旨主張している。
しかしながら、外観の類否については、本願商標と引用商標1の比較において、それぞれを構成する「丸福」の文字を共通にするものであるから、両者は外観上、近似する印象を与えるものであり、また、本願商標の要部と引用商標2の比較において、商標の使用の際に、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われている取引の実情を考慮すれば、文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえないと判断するのが相当であることは、上記(1)ウで述べたとおりである。
イ 請求人は、過去の登録例及び審決例を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げる登録例及び審決例と本願商標とは、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標1及び引用商標2の類否については上記(1)ウのとおりであるから、これらの登録例及び審決例をもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2024-012432