商標拒絶査定不服審判
2024-010116
キューシューチクホーラーメンヤマゴヤ、ヤマゴヤ、セー、ショー、タダ、マサ、キューシューチクホーラーメン、チクホーラーメン、キューシューラーメン
- 審判番号
- 2024-010116
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-032354
- 請求日
- 2024年06月18日
- 審決日
- 2025年05月09日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ワイエスフード株式会社
- 【請求人代理人】宇都宮 将之
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .261-Z (W29303543) / T18 .262-Z (W29303543) / T18 .263-Z (W29303543)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 32354拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年3月27日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 7月18日付け:拒絶理由通知書
令和5年10月30日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 3月 4日付け:拒絶査定
令和6年 6月18日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和6年 6月20日 :手続補足書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第29類、第30類、第35類及び第43類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願され、その後、本願の指定商品及び指定役務は、原審及び当審における上記1の手続補正書により、最終的に、第29類「食肉,肉製品,焼豚,煮豚,鶏の唐揚げ,冷凍調理済みの鶏の唐揚げ,唐揚げ用に衣をつけた鶏肉,ふりかけ,煮玉子,キムチ,高菜の漬物,しょうがの漬物,ニンニクの漬物,動物性油脂,ニンニク味の豚の背脂,めんま,こがしニンニク油,香味食用油」、第30類「調理済みのラーメン,ラーメン用のスープ,ラーメンの麺,ラーメンスープ及びかやく類付きのラーメンのめん,即席ラーメン,餃子,冷凍餃子,チャーハン,冷凍チャーハン,肉まんじゅう,冷凍肉まんじゅう,調味料,香辛料,豆板醤,調味料としてのラー油,調味料としてのマー油,味付け醤油タレ,焼肉のタレ,からあげ味付けタレ,煮玉子のタレ,坦々麺のタレ,まぜそばのタレ,冷やし中華のタレ,餃子のつけダレ,こがしニンニクと油を使用した調味料」、第35類「ラーメン用麺・ラーメン用スープ及びラーメン調理用詰合せ材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,餃子及び冷凍餃子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第43類「飲食物の提供,ラーメンを主とする飲食物の提供」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第2339404号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和63年12月16日登録出願、第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年9月30日に設定登録され、その後、同14年3月20日に指定商品を第29類ないし第32類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として書換登録された後、同23年11月1日に、指定商品を第29類「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」及び第30類「コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす」とする更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、赤色の長方形を背景にして、上段に「九州」の文字をオレンジ色の長方形内に、その右側に「筑豊ラーメン」の文字をそれぞれ配置し、下段に「山小屋」の文字を筆文字風の太い文字で顕著に表し、その右下に「正」の文字を正方形で囲った落款のような小さな図形(以下「図形部分」という。)を配置した構成よりなるものである。
そして、その構成中、筆文字風の太い文字で顕著に表された「山小屋」の文字部分は、外観上、最も強く看者の注意を引くものであり、当該文字は「登山者の休憩・宿泊または避難に当てるために、登山路沿いや山頂近くに建てた小屋。」(出典:株式会社岩波書店「広辞苑第七版」)の意味を有し、本願の指定商品及び指定役務との関係において、商品の品質又は役務の質を表示する等の格別な事情は見いだせないことから、該文字部分は、自他商品及び役務の識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。
加えて、「山小屋」の文字の右下に配置された図形部分は、「山小屋」の文字部分と一体となって特定の文字又は事物を表すものと認識されるというべき事情は認められないものである。
また、上段の「九州」の文字は、「西海道の九つの国。筑前・筑後・肥前・肥後・豊前・豊後・日向・大隅・薩摩の総称。現在は福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島の7県の総称。」を、「筑豊」の文字は、「筑前と豊前。」を、「ラーメン」の文字は、「中華そば。」をそれぞれ表すものであり(出典:前掲書)、これらの上段の文字部分は、「九州に位置する筑豊地域のラーメン」程の意味合いを容易に想起させるものであるから、本願の指定商品及び指定役務との関係においては、商品の品質又は役務の質を表すにすぎず、自他商品及び役務の識別標識としての機能がないか、極めて弱いものといえるものであって、出所識別標識としての称呼及び観念を生じないものというのが相当である。
そうすると、本願商標は、その構成中の下段の「山小屋」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきであり、要部である「山小屋」の文字部分(以下「本願商標の要部」という。)に相応して、「ヤマゴヤ」の称呼を生じ、「登山者の休憩・宿泊または避難に当てるために、登山路沿いや山頂近くに建てた小屋。」程の観念を生じるものである。
イ 引用商標について
引用商標は、「山小屋」の文字をややデザイン化された書体で横書きしてなるところ、「山小屋」の文字に相応して、「ヤマゴヤ」の称呼を生じ、上記アの本願商標と同様に、「登山者の休憩・宿泊または避難に当てるために、登山路沿いや山頂近くに建てた小屋。」程の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標は、それぞれ上記ア及びイのとおりであるところ、両者は、外観において、全体の構成は相違するとしても、書体が異なるものの「山小屋」の文字を共通にすることから近似するものであり、また、両者は、本願商標の要部及び引用商標から生じる称呼及び観念において、「ヤマゴヤ」の称呼及び「登山者の休憩・宿泊または避難に当てるために、登山路沿いや山頂近くに建てた小屋。」程の観念を、それぞれ共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において近似するものであり、本願商標の要部から生じる称呼及び観念と引用商標から生じる称呼及び観念を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
エ 本願の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品及び指定役務中の第29類「食肉,肉製品,焼豚,煮豚,鶏の唐揚げ,冷凍調理済みの鶏の唐揚げ,唐揚げ用に衣をつけた鶏肉,ふりかけ,煮玉子,キムチ,高菜の漬物,しょうがの漬物,ニンニクの漬物,めんま,」、第30類「調理済みのラーメン,ラーメンの麺,ラーメンスープ及びかやく類付きのラーメンのめん,即席ラーメン,餃子,冷凍餃子,チャーハン,冷凍チャーハン,肉まんじゅう,冷凍肉まんじゅう」及び第35類「ラーメン用麺・ラーメン用スープ及びラーメン調理用詰合せ材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,餃子及び冷凍餃子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標の指定商品中の第29類「食肉,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,加工卵,お茶漬けのり,ふりかけ」及び第30類「穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」と同一又は類似の商品及び役務を含むものである。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものを含むものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、長方形状の赤い背景に、オレンジ色の枠内に「九州」の文字、デザイン性を施した「筑豊ラーメン」からなる文字、デザイン性を施した「山小屋」からなる文字、その右下に「正」の字を四角形状で囲んだマークからなるデザイン性を施した文字で横一列に統一的に記載された商標であることから、当該商標から「山小屋」のみが独立して観察されることは妥当でない旨主張する。
しかしながら、上記(1)で述べたとおり、本願商標の構成のうち、「山小屋」の文字部分は、外観上、最も強く看者の注意を引くものであり、自他商品及び役務の識別標識として強く支配的な印象を与えるものである上、その右下に配置された落款のような図形部分は、「山小屋」の文字部分と一体となって特定の文字又は事物を表すものと認識されるというべき事情は認められないものである。また、本願商標の文字部分のうち、「九州」及び「筑豊ラーメン」の文字部分は、本願の指定商品及び指定役務との関係においては、商品の品質又は役務の質を表すにすぎず、自他商品及び役務の識別標識としての機能がないか、極めて弱いものといえるものであるから、本願商標は、その構成中の「山小屋」の文字を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
イ 請求人は、本願商標に使用される「筑豊ラーメン」の文字は、請求人の主な商品を表すものであり、九州北部では馴染みのあるラーメンの一種類である一方、全国的にはそこまで広く知られてはいない種類のラーメンであると述べ、請求人は、この「筑豊ラーメン」を創業当時から50年以上提供し、国内80店舗以上、海外27店舗以上を構えるブランドとして成長しているから、九州北部では筑豊ラーメンから請求人を認識する程度に広まっている旨主張する。また、請求人が営業する店舗の来客数と売上をまとめた資料、広告宣伝に関する資料及び九州ラーメンの食文化史に関する書籍等の資料を提出し、請求人が福岡県のみならず、全国的に店舗を有しており、かつ、世界的にも店舗を有する企業であり、福岡県においては、広く需要者から認識されている飲食店である旨主張する。
しかしながら、上記(1)で述べたとおり、本願商標は、その構成より、「山小屋」の文字を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきであり、本願商標の要部と引用商標の比較において、両者は互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当であるから、商標法第4条第1項第11号に該当すると認定、判断したものである。そうすると、請求人による主張、つまり、本願商標の構成のうち、「筑豊ラーメン」の文字部分は、九州北部では馴染みのあるラーメンの一種類で、請求人の主な商品を表すものである旨及び請求人の店舗が福岡県において広く需要者から認識されている飲食店である旨の主張をもって、本願商標から「山小屋」の文字部分が要部として抽出されることが否定されるものではなく、上記(1)の判断を左右するものともいえない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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