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特許拒絶査定不服審判

2023-001042

組み立て式玩具

審判番号
2023-001042
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-111868外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2023年01月20日
審決日
2024年02月27日
公報発行日
2024年05月31日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63H) / P18 .575-Z (A63H)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第5項第1号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

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特願2021-111868「組み立て式玩具」拒絶査定不服審判事件〔令和 5年 1月19日出願公開、特開2023- 8356〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和3年7月6日の出願であって、その手続の経緯の概略は次のとおりである。 令和4年 6月 2日付け:拒絶理由通知書 同年 8月26日 :意見書、手続補正書の提出 同年10月19日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) 令和5年 1月20日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和5年1月20日にされた手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 令和5年1月20日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について 本件補正は、特許請求の範囲を全文にわたって補正をするものであるところ、特許請求の範囲について、下記(1)に示す本件補正前の(すなわち、令和4年8月26日に提出された手続補正書により補正された)特許請求の範囲の請求項1~18を、下記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1~16へと補正するものである。 (1)本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前の、本願出願当初の特許請求の範囲の記載は次のとおりである。 「【請求項1】 第1形態と、前記第1形態とは異なる第2形態と、をとり得る組み立て式玩具であって、 球型形状を成している主部品と、 前記主部品に連結可能であって、内面が前記主部品の外表面に沿うような湾曲面を成している第1副部品と、を備え、 前記主部品は、その上部に開口部が形成され、 前記第1副部品は、前記第1形態において、その内面が前記主部品の外表面の上部に対面することで前記開口部を覆うように前記主部品と連結し、前記主部品の外殻の一部を成し、前記第2形態において、その内面が前記主部品の外表面の下部に対面することで前記下部を覆うように前記主部品と連結し、前記主部品の外殻の一部を成しているように構成されている、 組み立て式玩具。 【請求項2】 請求項1に記載の組み立て式玩具であって、 前記第1副部品は、前記主部品の外表面の下部に対して、その内面が接触又は近接した状態で対面するように構成されている、 組み立て式玩具。 【請求項3】 請求項1又は2に記載の組み立て式玩具であって、 前記第1副部品は、前記第1形態において、前記開口部の全部、及び前記主部品の外表面の一部を覆うように前記主部品と連結可能である、 組み立て式玩具。 【請求項4】 請求項1~3の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 前記第1副部品は、少なくとも一部が平面に形成され、前記第2形態において、前記主部品を支持可能な支持部を成している、 組み立て式玩具。 【請求項5】 請求項1~4の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 前記主部品は、第1部品及び第2部品からなり、 前記第1部品、及び前記第2部品は、互いに連結可能な半球型形状に構成されている、 組み立て式玩具。 【請求項6】 請求項1~5の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 前記主部品は、第1連結部と、第1連結部とは異なる第2連結部とを含み、 前記第1副部品は、第3連結部を含み、 前記第1副部品は、前記第1連結部と前記第3連結部の連結により、前記開口部を覆うように前記主部品と連結可能であり、前記第2連結部と前記第3連結部の連結により、前記開口部を覆わないように前記主部品と連結可能である、 組み立て式玩具。 【請求項7】 請求項6に記載の組み立て式玩具であって、 前記主部品は、第1部品及び第2部品からなり、 前記第1部品、及び前記第2部品は、互いに連結可能な半球型形状に構成され、 前記第1連結部は、前記開口部の内周縁部であって、前記第1部品と前記第2部品の接合部に形成されている、 組み立て式玩具。 【請求項8】 請求項7に記載の組み立て式玩具であって、 前記第1部品、及び前記第2部品の縁部には、切り欠きが形成され、 前記第2連結部は、前記切り欠きにより構成されている孔部である、 組み立て式玩具。 【請求項9】 請求項6~8の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 前記第1連結部と前記第2連結部は、各々、前記主部品における対極の位置に形成されている、 組み立て式玩具。 【請求項10】 請求項1~9の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 前記開口部の縁部には、複数の凹凸が形成されている、 組み立て式玩具。 【請求項11】 請求項1~10の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 さらに第2副部品と第3副部品を備え、 前記第1形態及び前記第2形態とは異なる第3形態において、前記第1副部品は、前記開口部の上端にて前記開口部を覆うように構成され、前記第2副部品は、前記開口部の下端にて前記開口部を覆うことが可能、かつ前記第3副部品を支持可能に構成されている、 組み立て式玩具。 【請求項12】 請求項11に記載の組み立て式玩具であって、 前記主部品は、前記開口部の開口内周縁から開口中央に向かって突出した突出部を含み、 前記第2副部品は、前記突出部上に載置されることで、前記開口部を覆う位置に支持される、 組み立て式玩具。 【請求項13】 請求項12に記載の組み立て式玩具であって、 前記第2副部品は、その外周縁に肉厚の周縁部を含む円板型形状を成し、前記開口部を覆う位置に組み込まれた状態において、前記周縁部が前記突出部に接触している、 組み立て式玩具。 【請求項14】 請求項12又は13に記載の組み立て式玩具であって、 前記第2副部品は、前記突出部上に載置された状態において、回転可能に構成されている、 組み立て式玩具。 【請求項15】 請求項11~14の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 前記開口部の縁部には、複数の凹凸が形成されており、 前記主部品は、前記開口部の開口内周縁から開口中央に向かって突出した突出部を含み、 前記上端の位置は、前記複数の凹凸を形成している部位の凸部の先端の高さ位置であり、前記下端の位置は、前記凸部よりも前記主部品の内方側で前記突出部が形成されている高さ位置である、 組み立て式玩具。 【請求項16】 請求項11~15の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 前記主部品は、前記第1形態において、前記主部品の内部に前記第2副部品、及び前記第3副部品を収容可能に構成されている、 組み立て式玩具。 【請求項17】 請求項11~16の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 前記主部品を含む構成部材は、前記第1形態において、物品供給装置から供給可能に構成され、前記第3形態において、物品供給装置から供給不可能に構成されている、 組み立て式玩具。 【請求項18】 請求項11~17の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 前記主部品は、花冠を模し、前記第1副部品は、ガクを模し、前記第3副部品は、キャラクターを模している、 組み立て式玩具。」 (2)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。 「【請求項1】 転動可能な第1形態と、前記第1形態とは異なる第2形態と、をとり得る組み立て式玩具であって、 球型形状を成している主部品と、 前記主部品に連結可能であって、内面が前記主部品の外表面に沿うような湾曲面を成している第1副部品と、を備え、 前記主部品は、縁部に複数の凹凸が形成されている開口部が形成され、 前記第1副部品は、前記第1形態において、その内面が前記主部品の外表面の上部に対面することで前記開口部の全部、及び前記主部品の外表面の一部を覆うように前記主部品と連結し、前記主部品の外殻の一部を成し、前記第2形態において、その内面が前記主部品の外表面の下部に対面することで前記下部を覆うように前記主部品と連結し、前記主部品の外殻の一部を成し、前記主部品を支持するように構成されている、 組み立て式玩具。 【請求項2】 請求項1に記載の組み立て式玩具であって、 前記第1副部品は、前記主部品の外表面の下部に対して、その内面が接触又は近接した状態で対面するように構成されている、 組み立て式玩具。 【請求項3】 請求項1又は2に記載の組み立て式玩具であって、 前記第1副部品は、少なくとも一部が平面に形成されている、 組み立て式玩具。 【請求項4】 請求項1~3の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 前記主部品は、第1部品及び第2部品からなり、 前記第1部品、及び前記第2部品は、互いに連結可能な半球型形状に構成されている、 組み立て式玩具。 【請求項5】 請求項1~4の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 前記主部品は、第1連結部と、第1連結部とは異なる第2連結部とを含み、 前記第1副部品は、第3連結部を含み、 前記第1副部品は、前記第1連結部と前記第3連結部の連結により、前記開口部を覆うように前記主部品と連結可能であり、前記第2連結部と前記第3連結部の連結により、前記開口部を覆わないように前記主部品と連結可能である、 組み立て式玩具。 【請求項6】 請求項5に記載の組み立て式玩具であって、 前記主部品は、第1部品及び第2部品からなり、 前記第1部品、及び前記第2部品は、互いに連結可能な半球型形状に構成され、 前記第1連結部は、前記開口部の内周縁部であって、前記第1部品と前記第2部品の接合部に形成されている、 組み立て式玩具。 【請求項7】 請求項6に記載の組み立て式玩具であって、 前記第1部品、及び前記第2部品の縁部には、切り欠きが形成され、 前記第2連結部は、前記切り欠きにより構成されている孔部である、 組み立て式玩具。 【請求項8】 請求項5~7の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 前記第1連結部と前記第2連結部は、各々、前記主部品における対極の位置に形成されている、 組み立て式玩具。 【請求項9】 請求項1~8の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 さらに第2副部品と第3副部品を備え、 前記第1形態及び前記第2形態とは異なる第3形態において、前記第1副部品は、前記開口部の上端にて前記開口部を覆うように構成され、前記第2副部品は、前記開口部の下端にて前記開口部を覆うことが可能、かつ前記第3副部品を支持可能に構成されている、 組み立て式玩具。 【請求項10】 請求項9に記載の組み立て式玩具であって、 前記主部品は、前記開口部の開口内周縁から開口中央に向かって突出した突出部を含み、 前記第2副部品は、前記突出部上に載置されることで、前記開口部を覆う位置に支持される、 組み立て式玩具。 【請求項11】 請求項10に記載の組み立て式玩具であって、 前記第2副部品は、その外周縁に肉厚の周縁部を含む円板型形状を成し、前記開口部を覆う位置に組み込まれた状態において、前記周縁部が前記突出部に接触している、 組み立て式玩具。 【請求項12】 請求項10又は11に記載の組み立て式玩具であって、 前記第2副部品は、前記突出部上に載置された状態において、回転可能に構成されている、 組み立て式玩具。 【請求項13】 請求項9~12の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 前記開口部の縁部には、複数の凹凸が形成されており、 前記主部品は、前記開口部の開口内周縁から開口中央に向かって突出した突出部を含み、 前記上端の位置は、前記複数の凹凸を形成している部位の凸部の先端の高さ位置であり、前記下端の位置は、前記凸部よりも前記主部品の内方側で前記突出部が形成されている高さ位置である、 組み立て式玩具。 【請求項14】 請求項9~13の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 前記主部品は、前記第1形態において、前記主部品の内部に前記第2副部品、及び前記第3副部品を収容可能に構成されている、 組み立て式玩具。 【請求項15】 請求項9~14の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 前記主部品を含む構成部材は、前記第1形態において、物品供給装置から供給可能に構成され、前記第3形態において、物品供給装置から供給不可能に構成されている、 組み立て式玩具。 【請求項16】 請求項9~15の何れか一項に記載の組み立て式玩具であって、 前記主部品は、花冠を模し、前記第1副部品は、ガクを模し、前記第3副部品は、キャラクターを模している、 組み立て式玩具。」 (3)本件補正の内容 本件補正は、次の補正事項からなるものである。 補正事項1:本件補正前の請求項1の「第1形態」という記載を、「転動可能な第1形態」と補正する。 補正事項2:本件補正前の請求項1の「開口部」という記載を、「縁部に複数の凹凸が形成されている開口部」と補正する。 補正事項3:本件補正前の請求項1の「開口部を覆うように」という記載を、「開口部の全部、及び前記主部品の外表面の一部を覆うように」と補正する。 補正事項4:本件補正前の請求項1の「第1副部品」が「第2形態において」、「主部品の外殻の一部を成しているように構成されている」という記載を、「第1副部品」が「第2形態において」、「主部品の外殻の一部を成し、前記主部品を支持するように構成されている」と補正する。 補正事項5:本件補正前の請求項3を削除する補正。 補正事項6:本件補正前の請求項4の項番を1つ繰り上げ、本件補正後の請求項3とし、本件補正前の請求項4の発明特定事項の一部である「第1副部品」は、「前記第2形態において、前記主部品を支持可能な支持部を成している」という事項を削除する補正。 補正事項7:本件補正前の請求項3の削除に伴い、本件補正前の請求項5~9の項番を1つ繰り上げる補正。 補正事項8:本件補正前の請求項10を削除する補正。 補正事項9:本件補正前の請求項3、10の削除に伴い、本件補正前の請求項11~18の項番を2つ繰り上げる補正。 2 本件補正の適否 (1)補正の目的 ア 補正事項1~4 補正事項1は、本件補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項である「第1形態」について、「転動可能」であるものに限定し、補正事項2は、本件補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項である「開口部」について、「縁部に複数の凹凸が形成されている」ものに限定し、補正事項3は、本件補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項である「開口部を覆う」構成について、「開口部の全部、及び前記主部品の外表面の一部を覆う」構成に限定し、補正事項4は、本件補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項である「第1副部品」について、「第1副部品」が「第2形態において」、「前記主部品を支持するように構成されている」点にそれぞれ限定するものである。 また、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 したがって、補正事項1~4は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 補正事項5及び7~9 補正事項5及び8は、それぞれ、本件補正前の請求項3及び10を削除する補正である。 また、補正事項7及び9は、本件補正前の請求項3及び10が削除されたことに伴い項番が繰り上げられたものである。 したがって、補正事項5及び7~9は、特許法第17条の2第5項第1号に掲げる「請求項の削除」を目的とするものに該当する。 ウ 補正事項6 本件補正後の請求項3は、請求項1を引用しているところ、本件補正後の請求項1には、本件補正前の請求項4の発明特定事項である「第2形態において、主部品を支持する」と特定されている。 そうすると、本件補正後の請求項3は、本件補正前の請求項4と比較して、「前記第2形態において、前記主部品を支持可能な支持部を成している」との特定事項が削除されているが、本件補正後の請求項1を引用する請求項3と、本件補正前の請求項1を引用する請求項4とを比較すると、両者は、補正事項1~3以外に、実質的な差異はない。 そうすると、補正事項6は、補正事項4及び補正事項5に伴い項番が繰り上がったものと解することができるから、補正事項6は、特許法第17条の2第5項第1号に掲げる「請求項の削除」を目的とするものに該当する。 (2)新規事項 ア 補正事項1は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)における段落【0026】の「第1形態1Fにおいては、玩具自体が転動することができる」との記載に基づいている。 イ 補正事項2は、当初明細書等における段落【0011】の「この開口部10oを構成する縁部は、側面視で円弧状に湾曲しかつ外側に若干反り返る凹凸10eが形成されている」との記載に基づいている。 ウ 補正事項3は、当初明細書等における段落【0027】の「第1形態1Fにおいて、第1副部品31は、開口部10oの全部を覆うので、開口部10oを完全に閉じることができ、さらに、第1副部品31は、主部品10の外表面10sの一部に覆い被さるように接触できるので、安定して保持・配置が可能である」との記載に基づいている。 エ 補正事項4は、当初明細書等における段落【0032】の「第1副部品31は、その外表面31sに平坦な平坦面部31fが形成されているので、第2形態2F及び第3形態3Fにおいて、平坦面部31fを利用して、主部品10を支持した展示状態とすることができる」との記載に基づいている。 オ 補正事項5~9は、上記2(1)イのとおり、「請求項の削除」による補正事項であるので、新たな技術事項を導入するものではない。 したがって、補正事項1~9は、新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。 3 独立特許要件について 上記2(1)のとおり、本件補正による請求項1についての補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであるので、本件補正後の請求項1に係る発明(令和5年1月20日に提出された手続補正書の特許請求の範囲に記載された事項により特定される、上記「1 (2)本件補正後の特許請求の範囲」の【請求項1】(以下「本件補正発明」という。))が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、検討する。 (1)本件補正後の請求項1に係る発明 本件補正発明は 、前記1(2)に示した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるものと認められる。 (2)引用文献1の記載事項及び引用発明の認定 ア 引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用され、本願の出願前に電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった、「タイトル:ガシャポン ディズニー カプキャラヒロインドール ストーリーズ2、YouTube [online] [video]、2020年4月21日、インターネット <URL: https://www.youtube.com/watch?v=-BC5HGdiDes>」(以下、「引用文献1」という。)の動画からは、以下の事項が看取できる。(下線は、当審で付した。) (ア)<3分49秒> 動画が表示される画面(以下、「画面」という。)から、透明フィルムでラッピングされた球型形状の金色の物体が看取できる。 ここで、「<3分49秒>」は、引用文献1の再生開始からの経過時間を示すものであり、以下の同様の「分秒」に係る記載も同じである。また、表示される画面は、ある一定時間表示されるものもあるが、この審決の認定において、必ずしも最初に表示された時点での経過時間に対応させて認定しているものではなく、当審で適切であると認定したタイミングに対応させて認定したものである。さらに、認定した事項は、瞬間的な画面の表示内容以外にも、画面の表示内容の変化(時系列を伴うもの)も含まれる。 (イ)<3分59秒~4分2秒> 画面から、金色の物体をラッピングしていた透明フィルムが剥がされること、球型形状の金色の物体が頂部に円形開口部を有する球型形状の部品(以下、「部品1」という。)と、球型湾曲した皿形状の部品(以下、「別の部品」という。)とに分割されること、そして、別の部品の内面が部品1の頂部に対面し円形開口部を覆っていたことが看取できる。 (ウ)<3分59秒> 画面から、別の部品の縁部は、部品1の外表面を隙間なく覆っていることが看取できる。 (エ)<4分00秒> 画面から、球型形状の金色の物体を、部品1を鉛直方向上側にして把持して、別の部品が鉛直方向下側になるように部品1のみを右手で把持したときに、部品1と別の部品が一体のまま保持されている様子が看取できる。 (オ)<4分2秒> 画面から、部品1に直接接している側の別の部品の内面の湾曲度が部品1の外表面の湾曲度と同等である点、及び部品1には円形開口部が形成されている点が看取できる。 (カ)<4分29秒~4分32秒> 画面から、部品1から取り外された別の部品が、さらに大小異なる2つ径の球型湾曲した皿形状部品(以下、部品1に直接接していた大径部品を「部品2」、小径部品を「部品3」という。)に分解される様子が看取できる。 (キ)<4分32秒~4分37秒> 画面から、部品1の外表面の下部に、部品2の湾曲外面を対向させ、部品1の下部に形成された凹部に部品2の外面に形成された突起部を挿入して部品1と部品2とを連結している様子が看取できる。 (ク)<4分43秒~5分14秒> 画面から、ランプの本体部となる部品1に、脚部となる部品2及び蓋となる部品3を連結し、部品3の頂部に棒状の部品を、部品1の側部に注ぎ口状の部品及び取っ手状の部品を取り付けてランプの形状に組み立てられた物体が看取できる。また、組み立てられた物体が自立している様子が看取できる。 引用文献1のタイトル、及び前記事項(ア)~(ク)より、以下の事項が認定できる。 (ケ)引用文献1のタイトルは「ガシャポン ディズニー カプキャラ ヒロインドール ストーリーズ2」であるところ、「ガシャポン」とは、自動販売機で販売されるカプセル型玩具であることは、当該技術分野において技術常識であるので、引用文献1の金色の物体はカプセル型玩具であり、カプセル型であることから、販売時の形態は転動可能な形態であると認められる。そして、前記(ア)、(イ)から、部品1、部品2及び部品3に分割されるまでの球型形状である金色の物体は、転動可能な形態であり、販売時における形態であると認められる。 (コ)前記(エ)より、部品1、部品2及び部品3が下側に位置した際に、一体で保持されている点、及び前記(カ)より、部品1に直接接していたのは部品2である点、前記(ケ)より、金色の物体は販売時における形態である点から、販売時における形態において、部品1、部品2及び部品3は連結されている状態であることが認められる。 (サ)前記(イ)の「別の部品の内面が部品1の頂部に対面し円形開口部を覆っていた」点、前記(ウ)の「別の部品の縁部は、部品1の外表面を隙間なく覆っている」点、前記(コ)の部品1に直接取り付けられていたのは部品2である点から、部品2は、その内面が部品1の頂部に対面し、円形開口部の全部と、部品1の円形開口部の外表面の一部を覆っているところ、部品2及び部品3とで外表面の一部を覆っていることで、部品1の外殻の一部を成しており、前記(ケ)より、この状態は販売時の形態であると認められる。 (シ)前記(ウ)の「別の部品の縁部は、部品1の外表面を隙間なく覆っている」点、前記(オ)の「部品1に直接接している側の別の部品の内面の湾曲度が部品1の外表面の湾曲度と同等である点」、及び前記(コ)の部品1に直接連結していたのは部品2である点から、部品2は、部品1に連結されその内面が部品1の外表面に沿うような湾曲面をなしていると認められる。 (ス)前記(ク)、(ケ)より、カプセル型玩具である金色の物体は、部品1に、脚部となる部品2、蓋となる部品3、及び取っ手等の部品を取り付けて組み立てるものであるから、組み立て式玩具であると認められる。 (セ)前記(ク)より、部品1の下部に部品2を連結した状態でランプの形状に組み立てられた物体は自立しているので、部品2は部品1を支持するように構成されていると認められる。また、ランプの形状に組み立てられた物体は自立することで、そのまま展示することが可能であり販売時の形態とは異なる展示形態をとり得ると認められる。 (ソ)前記(キ)の様子は、前記(セ)より、展示形態時の様子であると認められる。 イ 引用文献1に記載された発明 前記3(2)アより、引用文献1には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「転動可能な販売時における形態と、販売時の形態とは異なる組み立て後の展示形態とをとる組み立て式玩具であって、 球型形状の部品1と、 部品1に連結され、内面が部品1の外表面に沿うような湾曲面をなしている部品2とを備え、 部品1には、円形開口部が形成され、 部品2は、販売時における転動可能な形態において、その内面が部品1の外表面の上部に対面することで、円形開口部の全部と、部品1の円形開口部周辺の外表面の一部を覆って、部品1と連結され、部品1の外殻の一部と成し、組み立て後の展示形態において、部品2の湾曲外面を部品1の外表面の下部に対向させることで、部品1の下部に部品2を連結し、部品1を支持するように構成されている組み立て式玩具。」 (3)対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「販売時における形態」、「組み立て後の展示形態」、「組み立て式玩具」、「部品1」、「部品2」は、本件補正発明の「第1形態」、「第2形態」、「組み立て式玩具」、「主部品」、「第1副部品」にそれぞれ相当する。 イ 引用発明の「転動可能な販売時における形態」は、本件補正発明の「転動可能な第1形態」に相当する。 ウ 引用発明の「販売時の形態とは異なる組み立て後の展示形態」は、本件補正発明の「第1形態とは異なる第2形態」に相当する。 エ 引用発明の「球型形状の部品1」は、本件補正発明の「球型形状を成している主部品」に相当する。 オ 引用発明の「部品1に連結され、内面が部品1の外表面に沿うような湾曲面をなしている部品2」は、本件補正発明の「主部品に連結可能であって、内面が前記主部品の外表面に沿うような湾曲面を成している第1副部品」に相当する。 カ 引用発明の「部品1」には、「円形開口部が形成され」ていることから、本件補正発明の「主部品」と引用発明の「部品1」とは開口部が形成されている点で一致する。 キ 引用発明の「部品2」は、「販売時の形態」において、「その内面が部品1の外表面の上部に対面することで、開口部の全部と、部品1の開口部周辺の外表面の一部を覆って、部品1と連結され、部品1の外殻の一部と成し」ているものであるから、本件補正発明の「第1副部品」と、引用発明の「部品2」とは、「第1形態において、その内面が前記主部品の外表面の上部に対面することで前記開口部の全部、及び前記主部品の外表面の一部を覆うように前記主部品と連結し、前記主部品の外殻の一部を成し」ているとの概念で一致する。 ク 引用発明の「部品2」は、「組み立て後の展示形態」において、「部品1」の外表面の下部に連結し、「部品1を支持するように構成されている」ものであるから、本件補正発明の「第1副部品」と、引用発明の「部品2」とは、「第2形態において、前記主部品の外表面の下部に前記主部品と連結し、前記主部品を支持するように構成されている」との概念で一致する。 ケ 前記ア~クより、本件補正発明と引用発明とは、 「転動可能な第1形態と、前記第1形態とは異なる第2形態と、をとり得る組み立て式玩具であって、 球型形状を成している主部品と、 前記主部品に連結可能であって、内面が前記主部品の外表面に沿うような湾曲面を成している第1副部品と、を備え、 前記主部品は、開口部が形成され、 前記第1副部品は、前記第1形態において、その内面が前記主部品の外表面の上部に対面することで前記開口部の全部、及び前記主部品の外表面の一部を覆うように前記主部品と連結し、前記主部品の外殻の一部を成し、前記第2形態において、前記主部品の外表面の下部に前記主部品と連結し、前記主部品を支持するように構成されている、 組み立て式玩具」 である点で一致し、次の点で相違する。 相違点1:本件補正発明では、「主部品」の「開口部」の「縁部に複数の凹凸が形成されている」のに対して、引用発明の部品1の開口部は、そのような構成を有していない点。 相違点2:第2形態において、本件補正発明では、第1副部品の内面が主部品の外表面の下部に対面し、主部品の外殻の一部を成しているのに対して、引用発明では、部品2の湾曲外面を部品1の外表面の下部に対向し、部品2の外殻の一部を成していない点。 (4)相違点1の容易想到性について 本件補正発明の「主部品」の「開口部」は、第1形態では「第1副部品」によって覆われ、「第1副部品」が「主部品」を支持する第2形態では露出されている点と、本件明細書の段落【0028】の「本実施形態の玩具1において、主部品10に形成された開口部10oは、第1副部品31により主部品10の外表面10sに沿うような略球形状(第1副部品31が主部品10の外殻の一部を成すようにして)に覆われるので、玩具1は、第1形態1Fにおいて全体的に球形が維持される。さらに、第1副部品31は、展示形態である第2形態2F、及び第3形態3Fにおいて、開口部10oを覆わないようにしかつ主部品10と連結するので、第2形態2Fにおいて、開口部10o及び第1副部品31を用いた演出が可能である。」との記載を参酌すると、「開口部」を主部品で覆わないことにより、演出を可能としている。 そうすると、本件補正発明の「開口部」の「縁部」に形成されている「複数の凹凸」とは、演出に供するためのデザインであると解することができる。 引用発明において、展示形態時における組み立てられた玩具は、「ランプ」を模しており、「部品1」はランプの本体部を模したものであり、「開口部」は、蓋となる「部品3」で覆われ、演出上の事項であり、デザインのためだけに存在しているものである(前記3(2)ア(ス))。 そうすると、引用発明において、「部品1」の「開口部」には上述の通りの演出がなされているところ、引用発明が「組み立て式玩具」であることを勘案すると、開口部の縁部を含めた外観形状にどのような装飾を施すかは、組み立てる玩具のデザイン、キャラクター等を考慮して、当業者が適宜決定し得る事項であると認める。 したがって、引用発明において、「部品1」の「開口部」の縁部に複数の凹凸が形成」する構成とすること、すなわち、相違点1に係る本件補正発明の発明特定事項に相当する構成を具備したものとすることは、当業者が適宜なし得る事項である。 なお、引用発明の「部品1」の「開口部」の縁部にどのような装飾を施したとしても、販売時における形態において、引用発明の「部品1」の「開口部」は「部品2」によって覆われる構成とすることで、転動性を失われることはない。 (5)相違点2の容易想到性について 本件補正発明「主部品」の「外表面」は、第2形態では「第1副部品」に対面することで覆うように連結され、「第1副部品」が「主部品」の外郭の一部を成し、「主部品」を支持している点と、本件明細書の段落【0019】の「したがって、第1副部品31が、主部品10の下部10jに連結された状態は、外観的には、図10に示すように、第2形態2Fとして展示される。この場合、図10(a)に示すように、主部品10の開口部10oは、第2副部品32により閉じられている。また、側面視では、図10(b)に示すように、第1副部品31は、その内面31isが主部品10を下側から支えるような形状、すなわち、花冠(主部品10)をガク(第1副部品31)が支えるような形状となっている。また、第1副部品31は、外表面31sに形成された平坦面部31fが載置部60に接触している。これにより、第2形態2Fは、載置部60と平坦面部31fとの平坦面同士の接触によって安定した保持状態となっている。」との記載を参酌すると、外表面の下部で外郭の一部を成し、支持することにより、演出を可能としている。 一方、引用発明において、展示形態時における「部品2」の外面が「部品1」の下部に対向させることで、連結する構成は、「部品1」がランプの本体部を、「部品2」がランプの脚部を模して、全体としてランプの形状を模した構造は、演出上の事項である(前記3(2)ア(ス))。 また、引用発明においても、本件補正発明と同様に、「部品2」は、「部品1」を支持している構造を有している。 引用発明において、「部品1」を「部品2」が支持する構造であればよく、「部品1」の下部に「部品2」をどのように連結するかは、組み立てる玩具のデザイン、キャラクター等を考慮して、当業者が適宜決定すれば足りる演出上の事項にすぎない。 そうすると、引用発明において、「部品2」の内面を「部品1」の外表面の下部に対面させ、主部品の外殻の一部を成す構成とすること、すなわち、相違点2に係る本件補正発明の発明特定事項に相当する構成を具備したものとすることは、当業者が適宜なし得る事項である。 (6)効果について 本件補正発明が有する効果は、引用発明に基づいて、当業者が予測できた程度のものである。 (7)小括 以上のとおり、本件補正発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、〔補正却下の決定の結論〕のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和4年8月26日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、本願発明は、その出願日前に日本国内又は外国において電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものを含むものである。 3 引用文献の記載事項及び引用発明の認定 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載及び引用発明については、前記第2[理由]3(2)ア及びイで認定したとおりである。 4 対比・判断 本件補正発明は、前記第2[理由]3のとおり、実質上、本願発明の発明特定事項を限定したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに限定を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2[理由]3(7)で述べたとおり、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-001042

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