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特許拒絶査定不服審判

2025-006471

物品

審判番号
2025-006471
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2024-049814
請求日
2025年04月25日
審決日
2026年07月14日
公報発行日
2026年09月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社バンダイ
審判長/審判官
  • 審判長 一ノ瀬 薫
  • 審判官 佐藤 秀之
  • 審判官 稲葉 大紀
分類
P18 .121-Z (B65D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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特願2024-49814「物品」拒絶査定不服審判事件〔令和7年10月8日出願公開、特開2025-149272〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和6年3月26日の出願であって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。 令和6年10月15日付け:拒絶理由通知 令和6年12月 2日 :意見書、手続補正書の提出 令和7年 1月30日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (令和7年 2月 3日 :原査定の謄本の送達) 令和7年 4月25日 :審判請求書の提出 第2 本願発明について 本願の請求項1~15に係る発明は、令和6年12月2日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 物品供給装置から供給可能な第1形態と、物品供給装置から供給不可能な第2形態とをとり得る物品であって、 前記第1形態において、外部から視認不可能で、前記第2形態において、外部から視認可能で、軟質素材にて構成されている主体部と、 前記第1形態において、複数種類のうちの何れかの前記主体部を挟持可能で、前記第2形態において、前記主体部と分離可能で、不透明かつ軟質素材にて構成され、同一サイズの第1副体部及び第2副体部を含んでいる副体部と、を備え、 前記第1副体部及び前記第2副体部は、前記第1形態において、その境界部にて折り畳まれ、前記境界部を除きその厚みが全域にわたって同じで、その縦及び横の幅が、前記主体部の縦及び横の幅よりも大きく、前記境界部を先頭に物品供給装置から供給されるように前記主体部の供給を補助可能に構成されている、物品。」 第3 拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の概要は、以下の理由を含むものである。 本願の請求項1に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2、3に記載された周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献一覧> 1.特開2009-199555号公報 2.特開2014-114053号公報(周知技術を示す文献) 3.特開2004-189330号公報(周知技術を示す文献) 第4 引用文献の記載及び引用発明 1 引用文献1 (1)引用文献1の記載 引用文献1には以下の記載がある。なお、下線は当審において付したものであり、「・・・」は記載の省略を示す。以下同様。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、例えば薄厚の内容物を厚紙等のシート状素材を少なくとも2つ折りした個装体内に挟み込んでなる商品を商品収納部内に厚み方向に積層して収納し、顧客が所定の商品購入操作を行うことにより、前扉に設けた商品取出開口へと送り出して販売する薄物商品自動販売機に関する。」 「【0013】 自動販売機1は、図1及び図3に示すように、前扉3の前面に硬貨選別ユニット5と商品取出操作機構ユニット6と対向して、料金表示部10、硬貨投入口11、硬貨返却操作レバー12、錠前13、商品取出操作機構ユニット6の商品取出操作ダイヤル(操作ダイヤル)14及び硬貨返却口15が高さ方向に並んで配置される。前扉3には、商品収納部7と対向して商品取出口16が設けられている。自動販売機1は、硬貨投入口11から料金表示部10に表示された硬貨を投入すると操作ダイヤル14のロック状態が解除され、この操作ダイヤル14を回転操作することにより商品送出機構8によって商品収納部7から商品17が商品取出口16に送り出される。 【0014】 自動販売機1は、硬貨投入口11から例えば2枚の100円硬貨が投入されると、図4に示す薄物の商品17を1個ずつ販売する。商品17は、薄厚で柔軟性や凹凸のある複雑な形状等の各種内容物(実際の商品)18を、例えば厚紙等からなるシート状素材を2つ折りして構成した個装体19内に挟み込んで簡易包装してなり、全体が薄い略紡錘形状を呈している。商品17は、個装体19が、厚紙のままであってもよく、またその表裏主面に適宜の装飾図案或いは内容物18の内容説明や取扱い説明等を印刷したものであってもよい。 【0015】 商品17は、従来のカプセルと比較して個装体19が極めて廉価であり、この個装体19を展開した状態で内容物18を置いて中央部から2つ折りして突き合わせ部位をシール20で止める簡易な作業により効率よく包装が行われる。商品17は、低コストの個装体19を用いるとともに、包装作業の効率化によりコスト低減が図られる。商品17は、販売後に小さな子供でもシール20を剥がして内容物18の取り出しが可能であり、不要な個装体19がそのまま捨てられても従来のカプセルのように壊されることにより鋭い破片が飛び散るといった危険も無い。商品17は、全体が薄型であることから運搬や保管等に際して嵩張らず取扱いが容易である。 【0016】 商品17は、様々な内容物18として、厚みが多少異なるものであってもよいが、規定の個装体19を用いて包装することが可能なものとされ、幅寸法や奥行き寸法がほぼ同一とされる。商品17は、内容物18の厚みにより、厚み寸法が多少異なるものであってもよいが、商品取出口16の開口寸法よりも小さいことが条件となる。自動販売機1は、後述するように商品収納部7が内部空間(商品収納空間部31)の大きさを簡易な操作により変えることが可能とされることにより、幅寸法や奥行き寸法或いは厚み寸法を異にする商品17について互換性を有して販売することが可能である。 【0017】 なお、商品17は、個装体19内に内容物18とともに取扱説明書等を収納するようにしてもよい。勿論、商品17は、かかる内容物18や個装体19に限定されず、内容物として例えば折れ曲がりや破損が生じやすい各種カード、従来のカプセル型自動販売機でも販売されているような各種小物類等であってもよい。商品17は、個装体19も、例えば簡易な紙箱や2つ折りした後に両側の襠を折り込んだもの等を用いることが可能であり、ある程度の薄物として構成されればよい。」 「【0028】 ・・・商品送出カム部材25は、顧客が操作ダイヤル14を回転操作すると、図6矢印で示すように・・・最下段に積層された商品(以下、最下段商品と称する。)17Aと圧接して前方へと移動させる送り出し動作を行い、この最下段商品17Aのみを商品取出口16まで送り出した状態で最下段商品17Aから離れて待機状態へと復帰する。」 「【図4】 [図:0001438973000001.jpg] 」 「【図6】 [図:0001438973000002.jpg] 」 (2)引用文献1に記載された発明 上記(1)を参照すると、引用文献1には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、カッコ内は特に参照した箇所を示す。 「自動販売機1により販売される薄物の商品17であって、 商品17は、薄厚で柔軟性や凹凸のある複雑な形状等の各種内容物18を、厚紙からなるシート状素材を2つ折りして構成した個装体19内に挟み込んで簡易包装してなり、全体が薄い略紡錘形状を呈しており、(【0014】) 商品17は、個装体19を展開した状態で内容物18を置いて中央部から2つ折りして突き合わせ部位をシール20で止める簡易な包装となっており、販売後に小さな子供でもシール20を剥がして内容物18の取り出しが可能である、(【0015】) 商品17。」 2 引用文献2、3 (1)引用文献2の記載 「【技術分野】 【0001】 本発明は、新規な封筒に関し、より詳細には展開自在かつ封筒の内容物のスタンドに変形可能な封筒に関する。」 「【0011】 前記内容物は、例えば、カレンダー、メッセージカード、はがき、絵画及び写真からなる群から選ばれる少なくも一種である。」 「【0019】 以下に、本発明の封筒の一実施態様を、添付の図面を用いてより詳細に説明する。本発明の封筒1は、図1に示すように、展開自在であり、すなわち、封筒には接着剤等の糊代がない。封筒の材質は、特に制限されないが、通常、紙、板紙、プラスチック等であり得る。好ましくは、郵送時に重量をとらない軽質の紙やプラスチックである。展開状態の面体は、通常、均質であるが、一部を厚化する、二重化するなどの補強がされてもよい。」 「【0034】 次に、封筒1の展開状態からの封筒の形成方法を、図2を用いて説明する。まず、左右ガイド片40、50を天地面10上に折返す。これにより、封筒の左右側方が封止される。次に、折り返された左右ガイド片上に、折返し部30を折返す。これにより封筒の底辺が封止される。適宜、内容物Xを封筒1に挿入後、折り返された折返し部30の上にベロ部20を折返す。これにより封筒1の上辺が封止される。最後に、ベロ部20から突出した係合片21を第二切開部32内に挿入する。これより、封筒が完全に封止される。 【0035】 次に、封筒の展開状態からのスタンドの形成方法を、図3を用いて説明する。まず、封筒形成方法と同様に、天地面10上に左右ガイド片40、50を折返す。折り返された左右ガイド片とは反対側(すなわち、天地面の裏側)に、折返し部30を第二基準線31より巻き込むように折返す。これにより折返し部30の底辺が天地面の第一基準線に裏側から突き当たる様相で三角柱60が形成される。このとき、第二基準線より上段33は、三角柱の背面61を形成する。 【0036】 次いで、上記三角柱上に天地面の第一基準線より上段13及びベロ部20を第一基準線11より三角柱60を巻き込むように折返す。これにより、天地面の第一基準線より上段13は、折返し部の第二基準線より下段34と密着して、スタンド2の三角柱の正面62を補強する。一方、ベロ部20は、折返し部の第二基準線より上段33と密着して、三角柱の背面61を補強する。 【0037】 最後に、係合片21を第一切開部12内に挿入することにより、三角柱を固定化する。これにより、三角柱からなるスタンド2が完成する。完成したスタンド2の正面左右コーナー部64、65に形成されたポケットに、カレンダー等の内容物Xを挿し込んで、卓上カレンダー等の各種用途に供する。」 「【図2】 [図:0001438973000003.jpg] 【図3】 [図:0001438973000004.jpg] 」 (2)引用文献3の記載 引用文献3には以下の記載がある。 「【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、例えば冊子型カレンダー、ダイアリー、カード等の商品を包装する際のパッケージとして機能するとともに、開封後これら被収納体を取り出した後に、このパッケージを被収納体のスタンドとして再利用できる展示保持機能をも奏する、卓上スタンド機能を具えた収納体に関するものである。」 「【0013】 【発明の実施の形態】 以下本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。本発明の収納体1は、例えば店頭等において商品となる被収納体Aのイメージアップや消費者の購買意欲を高める目的で施されるパッケージであるが、これを開封し被収納体Aを取り出した後は、この収納体1をスタンドとして再利用し、被収納体Aを展示状態で保持できるものである。因みに、被収納体Aを収納体1に収容したパッケージ状態を、一例として図1(a)に示すものであり、また収納体1をスタンドとして再利用し、冊子型カレンダー等の被収納体Aを傾斜状態(立て掛け状態)で保持した展示保持状態を図1(b)に示すものである。なお収納体1は、図1(a)のパッケージ状態で、被収納体Aを郵便小包や宅配によって配送する際の配送筐体としても使用できる。このように本発明の収納体1は、パッケージ機能と、展示保持機能とを併せ持つものである。」 「【0016】 〔1〕ブランクシート 収納体1は、上述したように、予め一定形状に打ち抜かれた紙製や樹脂製のブランクシートを出発素材とするため、まずこのブランク材Bについて説明する。・・・」 「【図1】 [図:0001438973000005.jpg] 」 (3)引用文献2、3に記載された周知技術 上記(1)、(2)を参照すると、以下の事項は本願出願時における周知技術(以下、単に「周知技術」という。)であると認められる。 「カード等の被収納体を、紙やプラスチックからなる、被収納体のスタンドに転用可能な薄厚形状のパッケージに収納した状態で、1つの商品とすること。」 第5 対比 本願発明と引用発明を対比する。 引用発明の「自動販売機1」、「商品17」、「内容物18」、「個装体19」はそれぞれ、本願発明の「物品供給装置」、「物品」、「主体部」、「副体部」に相当する。 引用発明の、「商品17」が「内容物18を、厚紙からなるシート状素材を2つ折りして構成した個装体19内に挟み込んで簡易包装してな」る状態は、本願発明の「物品供給装置から供給可能な第1形態」に相当するとともに、「主体部」が「前記第1形態において、外部から視認不可能」であることを満たす。 引用発明の「内容物18」は「薄厚で柔軟性や凹凸のある複雑な形状等の各種内容物18」であるから、本願発明の「軟質素材にて構成されている主体部」であること及び「複数種類のうちの何れかの前記主体部」であることを満たす。 引用発明の「商品17」は「販売後に小さな子供でもシール20を剥がして内容物18の取り出しが可能である」から、シール20を剥がして内容物18を取り出した状態は、内容物18を個装体19内に挟み込んで外部から視認不可能な状態(第1形態)とは異なる形態であるという意味において、本願発明の「第2形態」に相当するとともに、「主体部」が「前記第2形態において、外部から視認可能」であることを満たす。 引用発明の「個装体19」は、「厚紙からなるシート状素材を2つ折りして」「各種内容物18を」「挟み込んで簡易包装してな」るものであるから、折り曲げた部分は本願発明の「境界部」に相当し、本願発明の「不透明且つ軟質素材にて構成され」ていることを満たし、2つ折りした両側部分はそれぞれ、本願発明の「同一サイズの第1副体部及び第2副体部」に相当する。そうすると、引用発明の「個装体19」は、本願発明の「前記第1形態において、複数種類のうちの何れかの前記主体部を挟持可能で、前記第2形態において、前記主体部と分離可能で、不透明かつ軟質素材にて構成され、同一サイズの第1副体部及び第2副体部を含んでいる副体部」であることを満たすとともに、「前記第1副体部及び前記第2副体部は、前記第1形態において、その境界部にて折り畳まれ」ていることを満たす。 引用発明において、商品17は、「薄厚で柔軟性や凹凸のある複雑な形状等の各種内容物18を、厚紙からなるシート状素材を2つ折りして構成した個装体19内に挟み込んで簡易包装してな」ることにより自動販売機1で販売できることが明らかであるから、本願発明の「前記第1副体部及び前記第2副体部は、前記第1形態において、その境界部にて折り畳まれ」ることで「物品供給装置から」の「前記主体部の供給を補助可能に構成されている」ことを満たす。 以上を総合すると、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は以下のとおりである。 [一致点] 「物品供給装置から供給可能な第1形態と、第2形態とをとり得る物品であって、 前記第1形態において、外部から視認不可能で、前記第2形態において、外部から視認可能で、軟質素材にて構成されている主体部と、 前記第1形態において、複数種類のうちの何れかの前記主体部を挟持可能で、前記第2形態において、前記主体部と分離可能で、不透明かつ軟質素材にて構成され、同一サイズの第1副体部及び第2副体部を含んでいる副体部と、を備え、 前記第1副体部及び前記第2副体部は、前記第1形態において、その境界部にて折り畳まれるように前記主体部の供給を補助可能に構成されている、物品。」 [相違点1] 本願発明では、物品が、第2形態において、「物品供給装置から供給不可能」な状態になるのに対し、引用発明では、商品17が、シール20を剥がして内容物18を取り出した状態において、自動販売機1から供給不可能な状態であるか否かが不明な点。 [相違点2] 本願発明では、「前記第1副体部及び前記第2副体部は、」「前記境界部を除きその厚みが全域にわたって同じ」であるのに対し、引用発明では、「厚紙からなるシート状素材を個装体19の2つ折り」した両側部分の厚みが全域にわたって同じか否か不明な点。 [相違点3] 本願発明では、「前記第1副体部及び前記第2副体部は、」「その縦及び横の幅が、前記主体部の縦及び横の幅よりも大き」いのに対し、引用発明では、個装体19の2つ折りした両側部分の縦と横の幅が内容物18の縦と横の幅より大きいか否か不明な点。 [相違点4] 本願発明では、「前記境界部を先頭に物品供給装置から供給される」のに対し、引用発明では、商品17がそのような向きに自動販売機1から供給されるか否か不明な点。 第6 判断 上記各相違点について検討する。 1 相違点1について 引用発明に係る商品17は、自動販売機1により販売される「薄厚」の「各種内容物18」を簡易包装してなるものであるとともに、当該内容物18は、引用文献1の【0016】に「商品17は、様々な内容物18として、厚みが多少異なるものであってもよい」と記載されているように、販売したい商品のバリエーション等に応じて適宜選択ないし入れ替え可能なものである。 そして、引用発明における具体的な内容物18である薄厚の商品として、上記第4の2(3)に周知技術として示した、カード等の被収納体を、紙やプラスチックからなる、被収納体のスタンドに転用可能な薄厚形状のパッケージに収納した状態で、1つの商品としたものを採用することにより、相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 2 相違点2について 本願発明において、「前記境界部を除きその厚みが全域にわたって同じ」であることが特定されているのは、その文理上、「前記第1副体部及び前記第2副体部」である。そうすると、引用発明において、「個装体19」は「厚紙からなるシート状素材を2つ折りして構成した」ものであるから、2つ折りした両側部分(本願発明の「第1副体部」及び「第2副体部」に相当)は、その全域にわたって同じ厚さであるといえる。そうすると、相違点2は実質的な相違点ではない。仮にそうではないとしても、その全域にわたって同じ厚さとすることは、当業者が適宜なし得たことである。 また、本願明細書の【0026】の「第1副体部41と第2副体部42とが同一サイズの場合には、その厚みが副体部全域にわたって同じにでき、副体部40を多数積層した状態を安定させることができる。」との記載及び意見書での「第1副体部と第2副体部が同一サイズであり厚みが副体部全域にわたって同じであることで、物品供給装置内にて副体部が多数積層した場合でも安定した積層状態を保つことができるという効果を有します。」との主張を参酌して、相違点2の厚みに係る構成が、主体部を挟持した状態の物品全体の厚みであると解釈したとしても、引用発明の個装体19が挟持する内容物18として、周知技術のような薄厚形状の商品を選択した場合においては、当該内容物18を挟持した状態の商品17全体の厚みも、全域にわたって同程度になると考えられる。 仮にそうではなかったとしても、引用文献1には、引用発明に係る商品17を「商品収納部内に厚み方向に積層して収納し」(【0001】)てなることが記載されているから、積層した状態の安定性等を考慮して、全域にわたって同程度の厚みとする程度のことは、当業者が適宜なし得たことである。 そして、引用発明に係る商品17は、「全体が薄い略紡錘形状を呈して」いるものの、引用文献1の記載全体を参酌しても、紡錘形状とする技術的意義は記載されていないから、上記判断を左右するものではない。 3 相違点3について 引用発明に係る商品17は自動販売機1により販売されるものであるから、自動販売機1内での供給経路上において商品17の引っかかり等を防止するという自明の課題に鑑みて、個装体19から内容物18がはみ出さない寸法関係を持たせることは、当業者が適宜なし得たことである。 さらに、引用文献1には「商品17は、様々な内容物18として、厚みが多少異なるものであってもよいが、規定の個装体19を用いて包装することが可能なものとされ」(【0016】)と記載されているように、既定の個装体19を用いて各種内容物18に対応するものであるから、内容物18の種々の大きさに対応できるように、個装体19の規定の縦及び横の寸法を内容物18の縦及び横の寸法よりも大きくしておくことは、当業者が適宜なし得たことである。 4 相違点4について 引用文献1の【0015】には「商品17は、・・・個装体19を展開した状態で内容物18を置いて中央部から2つ折りして突き合わせ部位をシール20で止める簡易な作業により効率よく包装が行われ・・・販売後に小さな子供でもシール20を剥がして内容物18の取り出しが可能であ」ることが記載されており、薄物商品自動販売機から供給される際に、商品17のどの部分から供給されるようにするかは、当業者が適宜選択し得ることであり、折り目側から供給されるようにした場合においても、「個装体19」が「内容物18」の供給を補助可能であることは、明らかである。 5 効果の予測性について これらの相違点1~4を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 6 請求人の主張について 請求人は、審判請求書において「審査官は、・・・「第1副体部及び第2副体部は、その縦及び横の幅が、前記主体部の縦及び横の幅よりも大きい」については言及しておらず、本相違点により、主体部がはみ出さないように第1副体部及び第2副体部により挟持されていることで、物品供給装置から排出される時に確実に保護されるだけでなく、シールが不要であり、開くだけで容易に取出可能である、という効果を有します。」と主張する。 しかしながら、かかる主張については、上記3のとおりである。また、本願発明においてシールがないことについては何ら特定されていない。 したがって、請求人の上記主張は採用できない。 7 小括 よって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2、3に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2025-006471

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