商標拒絶査定不服審判
2023-000517
エルポケット、ポケット、エル
- 審判番号
- 2023-000517
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-154180
- 請求日
- 2023年01月12日
- 審決日
- 2024年03月18日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社LIXIL
- 【請求人代理人】及川 周
- 【請求人代理人】川渕 健一
- 【請求人代理人】眞島 竜一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 藤村 浩二
- 分類
- T18 .261-Z (W0942) / T18 .262-Z (W0942) / T18 .263-Z (W0942)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-154180拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年12月10日に出願されたものであり、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年5月2日付け :拒絶理由通知書
令和4年6月17日 :意見書の提出
令和4年10月7日付け:拒絶査定
令和5年1月12日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり(以下、まとめて「引用商標」という。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4333728号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:平成7年4月4日
設定登録日:平成11年11月12日
指定商品 :第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,火災報知機,盗難警報器」を含む第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
(2)登録第5903544号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:ポケット(標準文字)
登録出願日:平成28年5月2日
設定登録日:平成28年12月9日
指定役務 :第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,コンピュータ通信ネットワークを介した電子掲示板・電子会議室・チャットルーム用のサーバのエリア貸与,ウェブサイトのホスティング,クラウドコンピューティング」を含む第41類、第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 商標の類否
(ア)本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるものであり、灰色の四角形の内部に、上段には、略縦長の長方形を中抜きで表し、その下部より右上の方向に伸びた灰色の矢印、及び当該矢印の先端の右側に比較的小さい平行四辺形からなる図形を中抜きで表し(以下、それらの図形をまとめて「図形部分」という。)、下段には、「ポケット」の片仮名を中抜きで横書きしてなるもの(以下「文字部分」という。)である。
本願商標の全体を観察すると、図形部分と文字部分はそれぞれの大きさが明瞭に異なるとともに、図形部分と文字部分とが重なり合うことなく、それぞれ視覚的に分離、独立した印象を与えるものといえる。そして、本願商標の図形部分は、全体として一見して何を表すものであるか看取することは困難であり、直ちに特定の観念及び呼称が生じると認めることはできない一方、本願商標の文字部分は、「洋服につけた小さな物入れの袋。」等(広辞苑第七版、岩波書店)の意味を有し、「ポケット型」、「ポケットサイズ」等と使用されている一般的な言葉であるところ、図形部分と文字部分とに観念上の繋がりはないものであり、その他の要素を鑑みても、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているものとは認められない。
加えて、本願商標の指定商品との関係で「ポケット」の文字が自他商品識別標識としての機能を果たさないという事情は見つからないことからすると、本願商標は、「ポケット」の文字部分も独立して出所識別標識としての機能を果たし得るものといえ、そうすると、当該文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その構成中の「ポケット」の文字部分に相応して、「ポケット」の称呼及び観念を生じるものである。
(イ)引用商標
引用商標1は、別掲3のとおり、多少デザイン化されてはいるものの、「POCKET」の欧文字を表してなるものである。また、当該文字に施されたデザインは特殊な態様とはいえず、その称呼や観念には影響を与えないものであることから、引用商標1は、その構成文字に相応して「ポケット」の称呼及び観念を生じるものである。
また、引用商標2は、「ポケット」の片仮名を標準文字で表してなるところ、当該文字に相応して「ポケット」の称呼及び観念を生じるものである。
(ウ)本願商標と引用商標との類否
a 本願商標と引用商標1は、それぞれ上記(ア)及び(イ)のとおりの構成からなるところ、外観において比較すると、全体の構成において異なるとともに、本願商標の要部となり得る文字部分と引用商標1との比較においても、片仮名と欧文字との文字種の相違及び文字のデザイン化の有無により、異なるものである。しかしながら、商標の使用において、商標の構成文字を同一の称呼及び観念が生じる範囲内で片仮名と欧文字とを相互に変更したり、又は商標の構成文字をデザイン化することは、ごく普通に行われていることを考慮すると、片仮名と欧文字の文字種の相違及びデザイン化の有無による外観の差異は、本願商標及び引用商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、その商品の出所が別異のものであると認識させるほど強い印象を与えるものではない。
また、称呼及び観念においては、本願商標と引用商標1は、いずれも「ポケット」の称呼及び観念を生じる。
そうすると、本願商標と引用商標1は、称呼及び観念を同一にし、外観における差異についても、強い印象を与えるものではないことから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
b 本願商標と引用商標2は、それぞれ上記(ア)及び(イ)のとおりの構成からなるところ、外観において比較すると、全体の構成において異なるものの、本願商標の要部となり得る文字部分と引用商標2とを比較すると、書体は異なるものの、共に「ポケット」の構成文字を同じくするものであるから、両者は近似した印象を与えるものといえる。また、両商標とも、「ポケット」の称呼及び観念を生じる。
そうすると、本願商標と引用商標2は、称呼及び観念を同一にし、外観においても近似した印象を与えるものであることから、外観、称呼及び観念のいずれにおいても互いに紛らわしい類似の商標というべきである。
c 上記a及びbのとおり、本願商標と引用商標とは類似の商標である。
イ 本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務の類否
(ア)本願商標の指定商品及び指定役務は、引用商標1の指定商品中、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,火災報知機,盗難警報器」と同一又は類似の商品を含むものである。
(イ)本願商標の指定商品及び指定役務は、引用商標2の指定役務中、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,コンピュータ通信ネットワークを介した電子掲示板・電子会議室・チャットルーム用のサーバのエリア貸与,ウェブサイトのホスティング,クラウドコンピューティング」と同一又は類似の役務を含むものである。
(ウ)上記(ア)及び(イ)のとおり、本願商標の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品及び役務である。
ウ 小括
上記ア及びイによれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願商標の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品及び役務である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張
請求人は、本願商標の上段部分を単なる幾何学図形と捉えたり、下段の文字「ポケット」のみを分離して称呼したりすることは想起し難いものであり、本願商標は、黒色正方形の中に「L―ポケット」の文字を2段書きしたものである旨主張する。
しかしながら、本願商標の上部に示された図形部分の構成をみると、欧文字「L」を想起させる特徴的な要素を有するものとは認められず、また、下部に書された「ポケット」の文字との関係をみても、既成語を構成する等、当該部分を「L」の欧文字を表したものと認識させる特段の事情は見当たらないものである。そうすると、本願商標に接する需要者、取引者は、当該図形部分について全体として一見して何を表すものであるか看取することは困難であり、特定の意味を有しない図形としてみるというのが相当である。
したがって、請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標は、類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務とは、同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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