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特許異議申立

2022-701256

コイル装置

審判番号
2022-701256
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2017-173412
登録番号
7091622
請求日
2022年12月16日
審決日
2023年09月25日
公報発行日
2023年12月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】TDK株式会社
  • 【権利者代理人】前田・鈴木国際特許弁理士法人
  • 【異議申立人】青木 耕一
審判長/審判官
  • 審判長 千葉 輝久
  • 審判官 渡辺 努
  • 審判官 高橋 宣博
分類
P1652.113-YAA(H01F) / P1652.121-YAA(H01F) / P1652.537-YAA(H01F) / P1652.851-YAA(H01F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第4項、特許法第126条第5項、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第126条第6項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7091622号発明「コイル装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7091622号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、4~9、11〕について訂正することを認める。 特許第7091622号の請求項1、4~9、11に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7091622号の請求項1~12に係る特許についての出願は、平成29年9月8日に出願され、令和4年6月20日にその特許権の設定登録(特許掲載公報発行日 令和4年6月28日)がされた。 その後、令和4年12月19日に特許異議申立人青木耕一(以下、「特許異議申立人」という。)により本件の請求項1、4~9、11に係る特許に対する特許異議の申立てがなされ、甲第1号証ないし甲第16号証が提出された。 当審は、令和5年4月21日付けで取消理由を通知し、特許権者は、令和5年6月26日に訂正請求書及び意見書の提出を行った。 当審は、令和5年7月6日付けで特許異議申立人に対して訂正請求があった旨の通知をし、特許異議申立人は、令和5年7月28日に意見書の提出を行った。 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 令和5年6月26日の訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)は、特許第7091622号(以下、「本件特許」という。)の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、4~9、11について訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は、以下の訂正事項のとおりである(なお、下線は訂正部分を示す。)。 (1)訂正事項1 請求項1において、 「ボビンと、コア本体と、ワイヤと、複数の端子とを有するコイル装置であって、 前記ボビンは、 前記コア本体の巻芯部の両側に近接して配置され、前記巻芯部と共に前記ワイヤが巻回される一対の連結側部と、 前記連結側部の両端に設けられ、それぞれ前記端子が前記ワイヤの巻回軸に沿って外側に飛び出すように取り付けられる一対の端子台部と、を有し、 前記コア本体は、 前記巻芯部の前記巻回軸に沿って両端に具備される一対の鍔部を有し、 それぞれの前記端子台部には、前記鍔部が収容される鍔収容凹部が形成してあり、 一対の前記端子台部は、一対の前記連結側部と共に一体的に成形してあり、 前記ボビンは、一対の前記連結側部を一体化して前記巻芯部の下面を覆う底壁をさらに有し、 一対の前記連結側部と、前記底壁と、前記巻芯部の上面とに接触するように、前記ワイヤが連続して巻回してあるコイル装置。」 とあるのを、 「ボビンと、コア本体と、ワイヤと、複数の端子とを有するコイル装置であって、 前記ボビンは、 前記コア本体の巻芯部の両側に近接して配置され、前記巻芯部と共に前記ワイヤが巻回される一対の連結側部と、 前記連結側部の両端に設けられ、それぞれ前記端子が前記ワイヤの巻回軸に沿って外側に飛び出すように取り付けられる一対の端子台部と、を有し、 前記コア本体は、 前記巻芯部の前記巻回軸に沿って両端に具備される一対の鍔部を有し、 それぞれの前記端子台部には、前記鍔部が収容される鍔収容凹部が形成してあり、 一対の前記端子台部は、一対の前記連結側部と共に一体的に成形してあり、 前記ボビンは、一対の前記連結側部を一体化して前記巻芯部の下面を覆う底壁をさらに有し、 一対の前記連結側部と、前記底壁と、前記巻芯部の上面とに接触するように、前記ワイヤが連続して巻回してあり、 それぞれの前記端子台部には、前記巻芯部と前記鍔部との境界部分が差し込まれる切り欠きが形成してあり、 それぞれの前記切り欠きの上部には、前記コア本体とは別の平板部の両端がそれぞれ差し込まれるコイル装置。」 に訂正する。 (2)訂正事項2 請求項8において、 「それぞれの前記端子台部には、前記巻芯部と前記鍔部との境界部分が差し込まれる切り欠きが形成してある請求項1~7のいずれかに記載のコイル装置。」 とあるのを、 「それぞれの前記端子台部には、前記巻芯部と前記鍔部との境界部分が差し込まれる切り欠きが形成してある請求項2または3に記載のコイル装置。」 に訂正する。 2 訂正の適否についての判断 (1)一群の請求項 訂正前の請求項4~9、11は、訂正前の請求項1を直接もしくは間接に引用しており、訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 また、訂正前の請求項9、11は、訂正前の請求項8を直接もしくは間接に引用しており、訂正事項2によって訂正される請求項8に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項1、4~9、11に対応する訂正後の請求項1、4~9、11は、特許法第120条の5第4項に規定される一群の請求項である。 (2)訂正事項1について ア 訂正の目的 訂正事項1は、訂正前の請求項1の「端子台部」について、「それぞれの前記端子台部には、前記巻芯部と前記鍔部との境界部分が差し込まれる切り欠きが形成してあり、それぞれの前記切り欠きの上部には、前記コア本体とは別の平板部の両端がそれぞれ差し込まれる」ように限定したものである。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、訂正前の請求項1について、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 また、当該訂正事項1に係る訂正は、訂正前の請求項4~9、11についても同様のことがいえる。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 明細書の【0021】、【0022】、【0038】、【0039】には、以下のような記載がある。 「【0021】 好ましくは、それぞれの前記端子台部には、前記巻芯部と前記鍔部との境界部分が差し込まれる切り欠きが形成してある。(以下略)」 「【0022】 好ましくは、それぞれの前記切り欠きの上部には、前記コア本体とは別の平板部の両端がそれぞれ差し込まれる。(以下略)」 「【0038】 図5に示すように、ボビン20の各端子台22,23のX軸方向の内壁には、切り欠き27が形成してある。(以下略)」 「【0039】 各切り欠き27を通して、コア本体40の巻芯部42と鍔部44との境界部分が差し込まれ、鍔部44が鍔収容凹部24,25の内部に収容され、巻芯部42が一対の連結側部26,26の間に配置される。また、各切り欠き27の上部には、コア本体40とは別の平板部50の両端がそれぞれ差し込まれ、図2に示すように、平板部50の上面は、各端子台22,23の上面からZ軸上方に所定高さZ3で飛び出すようになっている。(以下略)」 また、訂正前の【請求項8】及び【請求項9】には、以下のような記載がある。 「【請求項8】 それぞれの前記端子台部には、前記巻芯部と前記鍔部との境界部分が差し込まれる切り欠きが形成してある請求項1~7のいずれかに記載のコイル装置。 【請求項9】 それぞれの前記切り欠きの上部には、前記コア本体とは別の平板部の両端がそれぞれ差し込まれる請求項8に記載のコイル装置。」 以上の記載より、当該訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記アから明らかなように、訂正事項1に係る訂正は、発明特定事項を限定するものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 また、訂正事項1は、訂正前の請求項1の記載以外に、訂正前の請求項4~9、11の記載について訂正するものではなく、請求項4~9、11のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 (3)訂正事項2について ア 訂正の目的 多数項を引用している請求項8の引用請求項を一部削除する(「請求項1~7」から「請求項2または3」とする)訂正である訂正事項2に係る訂正は、訂正前の請求項8について、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 また、当該訂正事項2に係る訂正は、訂正前の請求項9、11についても同様のことがいえる。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること及び実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項2は、引用請求項を一部削除する訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 また、訂正事項2は、訂正前の請求項8の記載以外に、訂正前の請求項9、11の記載について訂正するものではなく、請求項9、11のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 (4)まとめ 以上のとおり、訂正前の請求項〔1、4~9、11〕に対応する訂正後の請求項〔1、4~9、11〕は、特許法第120条の5第4項に規定される「一群の請求項」である。 また、本件訂正請求の訂正事項1、2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであって、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 したがって、特許請求の範囲を、訂正事項1、2のとおり、訂正後の請求項〔1、4~9、11〕について訂正することを認める。 第3 訂正後の請求項1、4~9、11に係る発明 本件訂正請求により訂正された請求項1、4~9、11に係る発明(以下、「本件発明1」などという。)は、その特許請求の範囲の請求項1、4~9、11に記載された事項により特定される以下のとおりのものである(なお、説明のために、本件発明1における各構成にA~Dの符号を当審で付した。以下、「構成A」~「構成D」という。)。 【請求項1】(本件発明1) A ボビンと、コア本体と、ワイヤと、複数の端子とを有するコイル装置であって、 B 前記ボビンは、 B1 前記コア本体の巻芯部の両側に近接して配置され、前記巻芯部と共に前記ワイヤが巻回される一対の連結側部と、 B2 前記連結側部の両端に設けられ、それぞれ前記端子が前記 ワイヤの巻回軸に沿って外側に飛び出すように取り付けられる一対の端子台部と、を有し、 C 前記コア本体は、 C1 前記巻芯部の前記巻回軸に沿って両端に具備される一対の鍔部を有し、 B21 それぞれの前記端子台部には、前記鍔部が収容される鍔収容凹部が形成してあり、 B22 一対の前記端子台部は、一対の前記連結側部と共に一体的に成形してあり、 B3 前記ボビンは、一対の前記連結側部を一体化して前記巻芯部の下面を覆う底壁をさらに有し、 D 一対の前記連結側部と、前記底壁と、前記巻芯部の上面とに接触するように、前記ワイヤが連続して巻回してあり、 B23 それぞれの前記端子台部には、前記巻芯部と前記鍔部との境界部分が差し込まれる切り欠きが形成してあり、 B231 それぞれの前記切り欠きの上部には、前記コア本体とは別の平板部の両端がそれぞれ差し込まれる A コイル装置。 【請求項4】(本件発明4) 前記ワイヤは、外周面に絶縁被膜が形成された導電性線材である請求項1~3のいずれかに記載のコイル装置。 【請求項5】(本件発明5) それぞれの前記端子は、 前記ワイヤのリード端が接続されるように前記端子台部から突出している継線部と、 前記継線部に一体的に形成されて前記端子台部に埋め込まれる埋込部と、 前記埋込部に一体的に形成されて前記継線部とは別の位置から前記端子台部から突出している実装部と、を有する請求項1~4のいずれかに記載のコイル装置。 【請求項6】(本件発明6) 前記継線部と前記実装部とは、前記コイル装置の高さ方向から見て、位置ずれにして、前記端子台部から外側に飛び出すように配置してある請求項5に記載のコイル装置。 【請求項7】(本件発明7) 前記連結側部の前記巻回軸に沿って中間位置には仕切壁が形成してあり、前記連結側部が、前記巻回軸に沿って分割され、分割された領域に、相互に異なる前記ワイヤが巻回してある請求項1~6のいずれかに記載のコイル装置。 【請求項8】(本件発明8) それぞれの前記端子台部には、前記巻芯部と前記鍔部との境界部分が差し込まれる切り欠きが形成してある請求項2または3のいずれかに記載のコイル装置。 【請求項9】(本件発明9) それぞれの前記切り欠きの上部には、前記コア本体とは別の平板部の両端がそれぞれ差し込まれる請求項8に記載のコイル装置。 【請求項11】(本件発明11) 前記鍔収容凹部の開口部とは反対側に位置する前記端子台部の底面に、前記ワイヤのリード部が通過して前記端子に向かう導電経路が形成してある請求項1~10のいずれかに記載のコイル装置。 第4 取消理由通知に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 令和5年4月21日付け取消理由通知に記載した取消理由の概要は、次のとおりである。 (1)(新規性)下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 記 ・請求項1、4、8、11に対して、引用文献1 (2)(進歩性)下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 記 ・請求項1、4、8、11に対して、引用文献1 ・請求項5、6に対して、引用文献1~4 ・請求項7に対して、引用文献1~6 <引用文献一覧> 1.特開2009-302321号公報(甲第1号証) 2.実願平2-83613号(実開平4-42716号)のマイクロフィルム(甲第5号証) 3.実願平2-116199号(実開平4-72605号)のマイクロフィルム(甲第6号証) 4.特開2008-166302号公報(甲第7号証) 5.特開2002-43142号公報(甲第8号証) 6.特開2009-38244号公報(甲第9号証) 2 各引用文献について (1)引用文献1(甲第1号証) ア 引用文献1に記載された事項 引用文献1には、以下の記載がある。なお、下線は、当審にて付した。 「【0021】 図1及び図2に示すように、本実施形態によるコイル部品10は、ドラムコア11と、ドラムコア11の上部に設けられた板状コア12と、ドラムコア11に巻回された巻線13と、ドラムコア11を収容する樹脂カバー14とを含んで構成されている。ドラムコア11は、巻芯部11aと、巻芯部11aの両端に形成された鍔部11b1,11b2を有し、巻線13はドラムコア11の巻芯部11aに巻回されている。」 「【0023】 板状コア12は、ドラムコア11の鍔部11b1,11b2を跨ぐようにして、板状コアの裏面(接触面)12sの両端部が鍔部11b1,11b2の上面(接触面)11s1,11s2と面接触している。 【0024】 ここで、ドラムコア11の鍔部11b1,11b2と板状コア12とを密着させるために、これらに持たせた特徴的な構成について説明する。 【0025】 ドラムコア11の鍔部11b1,11b2の上面11s1,11s2には、図2に示すように、それぞれ複数の溝15c,15eが形成されている。溝15c,15eは、鍔部11b1,11b2の短辺方向に延在しており、鍔部11b1,11b2それぞれに3本ずつ設けられている。複数の溝のうち、鍔部11b1,11b2の略中央部に形成された溝15cは、溝15cの長手方向と平行な両側面が塞がれた状態となっている。これに対し、鍔部11b1,11b2の両端部に形成された溝15eは、その長手方向と平行な一方の側面が開放された形状となっている。」 「【0028】 上述のとおり、鍔部11b1側の接触面11s1と板状コア12側の接触面12sはいずれも鏡面加工されているので、互いに密着しており、間に接着剤の入る余地が少ない。そこで、接触面11s1には溝15c,15eが刻まれている。そして、その中に接着剤16としてエポキシ樹脂が充填されている。この溝15c,15e内に充填された接着剤16により、コア同士を確実に固着させることが可能となっている。なお、接触面11s1及び12sの表面は、上述のとおり、接触面以外の部分に比べて平滑になっており、その表面粗さは、接着剤であるエポキシ樹脂に含まれるフィラーの平均粒径よりも小さいことが好ましい。具体的には、上記各接触面の表面粗さRaを1μm以下とするのが好適である。」 「【0031】 また、溝の数については、接着強度によって、数を多くしても少なくしても構わない。接着強度が十分にとれる場合は、例えば図7に示すように、接触面11s1,11s2(あるいは12s)の中央1箇所のみに溝15cを設けるようにしてもよい。しかしながら、溝15cを接触面の中央のみに設けた場合、接着剤16が溝15cの奥まで到達しているかを判断することは難しい。そこで、形成する溝のうち、少なくとも1つは、溝の長手方向と平行な一方の側面が開放されるように配置するのが好ましい。すなわち、図3、図5及び図6に示すように、3つの溝のうち少なくとも1つの溝15eを端部に配置することにより、図における左右の隙間から、接着剤16の進入具合を目視により確認することができる。また、両端の溝15e内の接着剤の様子から、側面が完全に閉じた中央の溝15cについても、接着剤の進入具合を予測することが可能となる。」 「【0033】 図1及び図2に示すように、樹脂カバー14は、その外底面に複数の端子電極14tを備えている。さらに、樹脂カバー14は、中央に巻芯部14aを備えており、その両端には鍔部14b1,14b2が設けられている。樹脂カバー14はドラムコア11よりも一回り大きく、ドラムコア11を収納可能に構成されている。図1には、ドラムコア11を樹脂カバー14内に収納した状態を示している。同図に示すように、収納状態でもドラムコア11の鍔部11b1,11b2の一部は樹脂カバー14上に露出している。これは、鍔部11b1,11b2の高さが樹脂カバー14の鍔部14b1,14b2の内側の高さ(深さ)よりも高いためである。これに対し、巻芯部11aの高さは、図8に示すように、巻芯部14aの内側の高さよりも低く、したがって巻芯部11aは巻芯部14a内に完全に収納されている。 【0034】 ドラムコア11の巻芯部11aには、樹脂カバー14の巻芯部14aを介して巻線13が巻回されている。巻線13は、図8に示すように直接的には樹脂カバー14上に巻回され、巻芯部11aとは直接接触しないようになっている。そして、巻線13の端部13eは、図1(b)に示すように、それぞれ端子電極14tに接続されている。」 「【0038】 図10に示すように、ドラムコア11の巻芯部11aの底面11uは、樹脂カバー14の巻芯部14aの内底面14uと直接接している。また、ドラムコア11の巻芯部11aの高さは、樹脂カバー14の巻芯部14aの内側の高さ(深さ)よりも少し高く構成されている。そして、本例では、被覆された巻線13cがドラムコア11の巻芯部11aの側面及び底面においては樹脂カバー14の巻芯部14aを介して巻回され、巻芯部11aの上面においては巻芯部11a上に直接巻回されている。このような構成により、ドラムコア11の底面11u(鍔部11b1,11b2の底面も含む)と樹脂カバー14の内底面14u(鍔部14b1,14b2の内底面も含む)との間に接着剤を設けることなく、樹脂カバー14とドラムコア11とを固定することが可能となる。」 「【図1】 [図:0001404788000001.jpg] 」 「【図2】 [図:0001404788000002.jpg] 」 「【図3】 [図:0001404788000003.jpg] 」 「【図5】 [図:0001404788000004.jpg] 」 「【図6】 [図:0001404788000005.jpg] 」 「【図7】 [図:0001404788000006.jpg] 」 「【図10】 [図:0001404788000007.jpg] 」 【図2】をみるに、樹脂カバー14の巻芯部14aと鍔部14b1、14b2とは、ドラムコア11の巻芯部11aと鍔部11b1、11b2とがそれぞれ収納可能な凹部として構成され、また、樹脂カバー14の巻芯部14aと鍔部14b1、14b2とは、一体的に形成されていることが見て取れる。 【図1】、【図2】をみるに、端子14tは、巻線13が巻回される巻芯部14aの軸に沿った方向に飛び出すように、樹脂カバー14の鍔部14b1、14b2に取り付けられていることが見て取れる。 【図2】及び【図10】をみるに、樹脂カバー14の巻芯部14aは、内底面14uと、内底面14uから直立した一対の側部からなる構成であることが見て取れる。 【図2】をみるに、樹脂カバー14の鍔部14b1、14b2には、ドラムコア11の巻芯部11aと鍔部11b1、11b2との境界部分が差し込まれる部分が形成されていることが見て取れる。 イ 引用文献1に記載された発明 上記アより、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。 なお、記号a~mは分説するために当審にて付した。以下、「構成a」~「構成m」という。また、各構成の末尾の括弧内は、上記アで摘出した関連する記載である。 (引用発明1) a ドラムコア11と、ドラムコア11の上部に設けられた板状コア12と、ドラムコア11の巻芯部11aに巻回された巻線13と、ドラムコア11を収容し外底面に複数の端子電極14tを備えている樹脂カバー14とを含んで構成されているコイル部品10であって、(【0021】、【0033】) b 板状コア12は、ドラムコア11の鍔部11b1,11b2を跨ぐようにして、板状コアの裏面(接触面)12sの両端部が鍔部11b1,11b2の上面(接触面)11s1,11s2と面接触しており、(【0023】) c ドラムコア11の鍔部11b1,11b2と板状コア12とを密着させるために、ドラムコア11の鍔部11b1,11b2の上面11s1,11s2には、鍔部11b1,11b2の略中央部に形成された溝15cと、鍔部11b1,11b2の両端部に形成された溝15eが形成され、溝15c,15eの中に接着剤16としてエポキシ樹脂が充填され、溝15c,15e内に充填された接着剤16により、コア同士を確実に固着させることが可能となり、(【0024】、【0025】、【0028】) d 接触面11s1,11s2(あるいは12s)の中央1箇所のみに溝15cを設けるようにしてもよいが、溝15cを接触面の中央のみに設けた場合、接着剤16が溝15cの奥まで到達しているかを判断することは難しいので、形成する溝のうち、少なくとも1つは、溝の長手方向と平行な一方の側面が開放されるように配置することにより、左右の隙間から、接着剤16の進入具合を目視により確認することができ、(【0031】) e 前記樹脂カバー14は、中央に巻芯部14aを備え、その両端に鍔部14b1、14b2を設け、巻芯部14aと鍔部14b1、14b2とは、ドラムコア11の巻芯部11aと鍔部11b1、11b2とがそれぞれ収納可能な凹部として構成され、(【0033】、【図2】) f 鍔部11b1,11b2の高さが樹脂カバー14の鍔部14b1,14b2の内側の高さ(深さ)よりも高いため、ドラムコア11を樹脂カバー14内に収納した状態でもドラムコア11の鍔部11b1,11b2の一部は樹脂カバー14上に露出するのに対し、巻芯部11aの高さは、巻芯部14aの内側の高さよりも低く、巻芯部11aは巻芯部14a内に完全に収納され、(【0033】) g ドラムコア11の巻芯部11aには、樹脂カバー14の巻芯部14aを介して巻線13が巻回され、巻線13は、直接的には樹脂カバー14上に巻回され、巻芯部11aとは直接接触しないようになっており、被覆された巻線13cがドラムコア11の巻芯部11aの側面及び底面においては樹脂カバー14の巻芯部14aを介して巻回され、巻芯部11aの上面においては巻芯部11a上に直接巻回され、(【0034】、【0038】) h ドラムコア11の巻芯部11aの底面11uは、樹脂カバー14の巻芯部14aの内底面14uと直接接し、(【0038】) i 前記ドラムコア11は、前記巻芯部11aの両端に形成された鍔部11b1、11b2を有し、(【0021】) j 前記樹脂カバー14の巻芯部14aと鍔部14b1、14b2とは、一体的に形成され、(【図2】) k 樹脂カバー14の巻芯部14aは、内底面14uと、内底面14uから直立した一対の側部からなり、(【図2】、【図10】) l 端子14tは、巻線13が巻回される巻芯部14aの軸に沿った方向に飛び出すように、樹脂カバー14の鍔部14b1、14b2に取り付けられ、(【図1】、【図2】) m 樹脂カバー14の鍔部14b1、14b2には、ドラムコア11の巻芯部11aと鍔部11b1、11b2との境界部分が差し込まれる部分が形成されている(【図2】) a コイル部品10。 (2)引用文献2(甲第5号証) 引用文献2には、以下の記載がある。 「そこで例えばトランスにおいては、第1図に示す如き構成をもつものが提案されている。即ち中心軸方向に例えばコア差込み用の中空部(1a)を有する巻線部(1)と、その下部において巻線部(1)の中心軸方向の左右に突出した巻線部(1)と一体の台座部(2)と、この台座部(2)の側面から水平方向に突出した巻線端をからげ接続部(3a)、および台座部(2)の下面と平行に突出した台座部(2)外に突出しない長さをもつと共に、からげ接続部(3a)とこれと一体の半田付け部(3b)とが、千鳥形配置となるように台座部(2)に固定した接続端子部(3)を備えたボビン(4)を作る。そして、巻線部(1)に例えばトランスの1次、2次、3次などの巻線(5)を巻いたのち、それぞれの巻線端をからげ接続部(3a)にからげて接続した構造をもつものである。」(2頁11行~3頁5行) 「 [図:0001404788000008.jpg] 」 (3)引用文献3(甲第6号証) 引用文献3には、以下の記載がある。 「また、他の構造としては第6図に示すように、リード線からげ用の端子部2aとプリント基板の表面に実装される外部接続用の端子部2bとを有する複数のリード端子を基台1の側面に配置し、上部側をリード線からげ用端子部2aとし、基台1の下部側を外部接続用端子部2bとし、両者を基台1の上下に千鳥に配置した構造がある。」(2頁18行~3頁4行) 「 [図:0001404788000009.jpg] 」 (4)引用文献4(甲第7号証) 引用文献4には、以下の記載がある。 「【0015】 ボビン14は、筒状の巻胴部10の両端に巻枠20を形成し、該巻枠20の下方に連続して端子保持部12が形成されている構造である。巻胴部10は、前記E型コア16の中脚部が丁度嵌入可能な四角筒状であり、両方の外脚部が巻線部の外側を取り囲むように配置される構造である。端子保持部12の側面から横方向に突設されている複数の端子は、クランク状の折れ曲がっている長い端子と水平に突出しているだけの短い端子の2種類がある。長い端子は、1次巻線用、固定専用、2次巻線用の実装端子22であり、短い端子は2次巻線の絡げ端子24である。図1のAでは、右側の長い実装端子22が1次巻線用と固定専用、左側の長い実装端子22が2次巻線用(絡げ端子24の隣りの端子)と固定専用である。なお、短い絡げ端子24は、その隣りの長い2次巻線用の実装端子22と連続一体の金属部材であり、それらの連続部分で端子保持部12により保持されている。 【0016】 巻胴部10には1次巻線と2次巻線が巻き付けられる。巻胴部10に複数のセパレータ26を配設し、巻線領域を区分している。例えば、1次巻線としてφ0.35mmのポリウレタン被覆電線(撚り線)を用い、2次巻線にはφ0.03mmのポリウレタン被覆電線(単線)を用いる。太線である1次巻線の端末は、1次巻線用の実装基板端子の基部に直接絡げて半田上げされる。他方、2次巻線の端末は、絡げ端子24に絡げて半田上げされる。」 「【図2】 [図:0001404788000010.jpg] 」 (5)引用文献5(甲第8号証) 引用文献5には、以下の記載がある。 「【0009】図1は、チョークコイル10の分解斜視図である。チョークコイル10は、磁性体ボビン12と巻線26,28と磁性体連結部材34とを備えている。磁性体ボビン12は、図2に示すように、四角柱状の巻装部14を有している。この巻装部14の両端部には、それぞれ矩形状の端フランジ部16,18が形成されている。また、巻装部14の中央部には、中央フランジ部20が形成されている。この中央フランジ部20は、端フランジ部16,18より若干小さい矩形状のものであって、隣接する二つの角部に傾斜部20aを有している。この傾斜部20aは、巻線26,28が中央フランジ部20からはみ出さないようにしながら、中央フランジ部20の上端の幅dを狭く、傾斜部20aの高さhを大きくすることで、ノーマルモードのノイズ電流による磁気抵抗を大きくするためのものである。従って、傾斜部20aの上端29aの位置は、巻線26の側面26aの位置よりも内側で、かつ、傾斜部20aの下端29bの位置は、巻装部14の巻芯の上面14aの位置より下側になるように設定されるのが好ましい(図5参照)。」 「【0011】図1に示すように、端フランジ部16と中央フランジ部20との間の巻装部14には、巻線26が巻回されている。巻線26の両端は、電極22a,22bに接続される。さらに、端フランジ部18と中央フランジ部20との間の巻装部14には、巻線28が巻回されている。巻線28の両端は、電極24a,24bに接続される。巻線26は、端フランジ部16側からみて、例えば、電極22a側から電極22b側に向かって左回りとなるように形成される。このとき、巻線28は、端フランジ部18側からみて、電極24b側から電極24a側に向かって右回りとなるように形成される。」 「【図1】 [図:0001404788000011.jpg] 」 (6)引用文献6(甲第9号証) 引用文献6には、以下の記載がある。 「【0013】 図2は、電流共振電源用トランス10の図1におけるAA線断面図である。図2に示すように、電流共振電源用トランス10は、磁性体によって形成されたコア11と、コア11の一部が挿入されるボビン15と、ボビン15に巻回された1次巻線13A及び2次巻線13Bと、ボビン15の1次巻線13Aと2次巻線13Bの間に、積層された1次巻線13Aと2次巻線13Bの積層厚Tの厚さと等しいかそれ以上の厚さに絶縁テープを巻回して積層した絶縁テープ積層部12と、を備える。」 「【図1】 [図:0001404788000012.jpg] 」 「【図2】 [図:0001404788000013.jpg] 」 3 取消理由通知において、引用文献として採用しなかった甲号証について (1)甲第2号証 甲第2号証には、以下の記載がある。 「【0043】 このように、本実施形態によるコイル部品1の製造方法は、第1線材W1及び第2線材W2の第1ターンを巻芯部11の表面にこの順で並列に巻回して1層目の巻線層を形成し、第2線材W2の第2ターンを第1線材W1の第2ターンに先行して第2線材W2の第1ターンと接するように巻回して1層目の巻線層をさらに形成し、次に第1線材W1の第2ターンを第2線材W2の第2ターンと第1ターンとで形成される1層目の巻線層の谷間に重ねて巻回して2層目の巻線層に形成し、第3ターン以降も第2線材W2は1層目に形成し、第1線材W1は2層目に形成するので、スピンドル巻線機を用いて第1線材W1及び第2線材W2をほぼ同時に巻回することができ、巻き崩れや巻き乱れがない高品質且つ高性能なコイル部品1を効率良く製造することができる。」 「【図2】 [図:0001404788000014.jpg] 」 「【図5】 [図:0001404788000015.jpg] 」 「【図6】 [図:0001404788000016.jpg] 」 (2)甲第3号証 甲第3号証には、以下の記載がある。 「【図1】 [図:0001404788000017.jpg] 」 (3)甲第4号証 甲第4号証には、以下の記載がある。 「【図1】 [図:0001404788000018.jpg] 」 (4)甲第10号証 甲第10号証には、以下の記載がある。 「(前略)各鍔部2bには割溝2cに連続するようにしてホルダ係止用凹部2dが設けられ、凹部2dの近傍には軸線方向の外方に突出するホルダ係止用突起2e、2eが設けられている。また、胴部2a及び鍔部2b、2bを割溝2cの両側に開くのを容易にするため、各鍔部2bの凹部2dと反対の部分にT字状のスロット2fが設けられている。 上記の巻枠2は、その胴部32b、2bが鉄心1の胴部に嵌合され、鍔部2b、2bが鉄心1の磁極部1a、1aの内側端面に当接されて位置決めされる。(後略)」(4頁10~20行) 「(前略)このホルダは、鍔部2b、2bの外端面に係接する側板部9a、9aと、両側板部間を連結するようにコイルの軸線方向に延びる平坦部9bとからなり、図示の例では平坦部9bが板面と平行な方向に台形状に折曲つた形状に形成されている。各側板部9aには孔9c、9cが設けられ、これらの孔が巻枠の鍔部2bのホルダ係止用突起2eに嵌合される。また平坦部9bには、軸線方向のスリット9dを有する略円筒状の電線保持部9eが設けられ、この電線保持部が高圧電線7の絶縁被膜の外周に嵌合して電線を保持するようになつている。 上記のホルダ9は、その平坦部9bが巻枠の鍔部2bに設けたホルダ係止用凹部2dに嵌合されると共に側板部9aの孔9cが巻枠の鍔部2bのホルダ係止用突起2eに嵌合されて鍔部2b、2bに係止される。」(5頁13行~6頁9行) 「 [図:0001404788000019.jpg] 」 (5)甲第11号証 甲第11号証には、以下の記載がある。 「【図10】 [図:0001404788000020.jpg] 」 「【図16】 [図:0001404788000021.jpg] 」 (6)甲第12号証 甲第12号証には、以下の記載がある。 「【図4】 [図:0001404788000022.jpg] 」 「【図5】 [図:0001404788000023.jpg] 」 (7)甲第13号証 甲第13号証には、以下の記載がある。 「[0054] In yet other embodiments of components made in accordance with the invention, cores and top portions of a variety of different configurations may be used. For example, in FIGS. 8A-D, a variety of core/top portion configurations are illustrated. In FIG. 8A, a lip is used on the top surface of the core to capture the top portion of the component. To further aid in the assembly of the component, the configuration of the core and top portion may be formed in a way that aids in the assembly of the component. For example, the configuration of FIG. 8A provides a means for positioning the top portion over the core so that the top portion is captured in one dimension. In FIG. 8B, a core lip similar to that in FIG. 8A is used, however, with this configuration the core is captured in two dimensions. In FIG. 8C, a shaped top portion is used in order to align the top portion over the core and allow the core to capture the top portion in two dimensions. In FIG. 8D, inserts are located within the bottom surface of the top portion for receiving the corresponding lip portions of the core. Such a configuration aids in the assembly of the component by providing a structure and means for positioning the top portion on the core and for capturing the top portion in at least one dimension.」 「 [図:0001404788000024.jpg] 」 (8)甲第14号証 甲第14号証には、以下の記載がある。 「【0037】 そして、ケース26の底面部29に、ケース26の開口部31から開口部31と対向する側面の方向にスリット32を設け、引出し線24を、スリット32を通してケース26の外方に引出すとともに底面部29の下面を沿うように引き廻して端子27に接続しているので、リフロー半田槽の赤外線等の熱線が引出し線24に直接照射されることがなくなり、引出し線24の絶縁被膜が劣化して、巻線23と引出し線24との絶縁劣化を防止することができる。」 「【図1】 [図:0001404788000025.jpg] 」 (9)甲第15号証 甲第15号証には、以下の記載がある。 「【0018】前記端子11の端子本体部12がボビン本体5にインサートされ、巻線処理端子部13はボビン本体5の外側面に位置し、基板実装端子部14は外側面から底面に沿って折曲している。さらに、ボビン本体5の底面には各巻線処理端子部13に個数に対応してコイル挿通溝15がボビン本体5を横断するように設けられている。」 「【0024】最後に、各コイル17の巻き始め端末17a及び巻き終り端末17aをボビン本体5の底面に設けたコイル挿通溝15に挿通し、ボビン本体5の外側で巻線処理端子部13にからげて、半田付けまたはアーク溶接することにより、完成する。」 「【図1】 [図:0001404788000026.jpg] 」 (10)甲第16号証 甲第16号証には、以下の記載がある。 「【0021】 (組み立て) 次に、トランス10の組み立てについて説明する。 まず、内側ボビン14について説明すると、内側ボビン14の筒部28に第1の巻線2が巻回されることで巻回部2Aが形成される。 図5、図6に示すように、巻回部2Aのうち筒部28の基端側から引き出された引き出し線部2Bは、内側ボビン端子台24の下面および凹部2840に沿って配置され、第1の端子26に接続される。 巻回部2Aのうち筒部28の先端側から引き出された引き出し線部2Bは、筒部28の側面2820(2822)に位置するガイド突起3830で屈曲されたのち、側面2820(2822)に位置する巻回部2B上を筒部28の軸線方向に引き回され、さらに筒部28の基端側寄りの箇所から、内側ボビン端子台24の下面および凹部2840に沿って配置され、第1の端子26に接続される。 これにより、内側ボビン本体部20が構成される。」 「【図5】 [図:0001404788000027.jpg] 」 「【図6】 [図:0001404788000028.jpg] 」 3 取消理由についての当審の判断 新規性、進歩性についてまとめて判断する。 (1)本件発明1について ア 本件発明1と引用発明1との対比 本件発明1と引用発明1とを対比する。 (ア)構成Aについて 構成aより、引用発明1のコイル部品10は、樹脂カバー14と、ドラムコア11と、巻線13と、複数の端子電極14tとを有するといえる。 そして、引用発明1の「樹脂カバー14」、「ドラムコア11」、「巻線13」、「複数の端子電極14t」、「コイル部品10」は、それぞれ、本件発明1の「ボビン」、「コア本体」、「ワイヤ」、「複数の端子」、「コイル装置」に相当する。 したがって、引用発明1と本件発明1とは、「ボビンと、コア本体と、ワイヤと、複数の端子とを有するコイル装置」である点で一致する。 (イ)構成B、B1について 構成e、構成kより、引用発明1の樹脂カバー14の巻芯部14aは、内底面14uと、内底面14uから直立した一対の側部からなる構成であり、ドラムコア11の巻芯部11aが収納可能な凹部として構成され、さらに、構成gより、巻線13cがドラムコア11の巻芯部11aの側面及び底面においては樹脂カバー14の巻芯部14aを介して巻回される構成である。 そうすると、引用発明1の樹脂カバー14の巻芯部14aの一対の側部は、ドラムコア11の巻芯部11aに近接して配置され、巻芯部11aと共に巻線13cが巻回されるものといえ、引用発明1の「ドラムコア11の巻芯部11a」、「一対の側部」は、本件発明1の「コア本体の巻芯部」、「一対の連結側部」に相当する。 したがって、引用発明1と本件発明1とは、「前記ボビンは、前記コア本体の巻芯部の両側に近接して配置され、前記巻芯部と共に前記ワイヤが巻回される一対の連結側部」を有する点で一致する。 (ウ)構成B、構成B2について 構成e、構成kより、樹脂カバー14の鍔部14b1、14b2は、巻芯部14aの側部の両端に設けられているといえる。 また、構成lより、引用発明1の端子14tは、巻線13が巻回される巻芯部14aの軸に沿った方向に飛び出すように、樹脂カバー14の鍔部14b1、14b2に取り付けられている。 そうすると、引用発明1の「樹脂カバー14の鍔部14b1、14b2」は、本願発明1の「一対の端子台部」に相当する。 したがって、引用発明1と本件発明1とは、「前記ボビンは、」「前記連結側部の両端に設けられ、それぞれ前記端子が前記ワイヤの巻回軸に沿って外側に飛び出すように取り付けられる一対の端子台部」を有する点で一致する。 (エ)構成C、C1について 構成iより、引用発明1のドラムコア11は、前記巻芯部11aの両端に形成された鍔部11b1、11b2を有するものである。 そうすると、引用発明1のドラムコア11の「鍔部11b1、11b2」は、本願発明1のコア本体の「一対の鍔部」に相当する。 したがって、引用発明1と本件発明1とは、「前記コア本体は、前記巻芯部の前記巻回軸に沿って両端に具備される一対の鍔部」を有する点で一致する。 (オ)構成B21について 構成eより、引用発明1の樹脂カバー14の鍔部14b1、14b2は、ドラムコア11の鍔部11b1、11b2が収納可能な凹部として構成されている。 したがって、引用発明1と本件発明1とは、「それぞれの前記端子台部には、前記鍔部が収容される鍔収容凹部が形成」してある点で一致する。 (カ)構成B22について 構成j、構成kより、引用発明1の樹脂カバー14の巻芯部14aの一対の側部と鍔部14b1、14b2とは、一体的に形成されている。 したがって、引用発明1と本件発明1とは、「一対の前記端子台部は、一対の前記連結側部と共に一体的に成形」してある点で一致する。 (キ)構成B3について 構成hより、引用発明1のドラムコア11の巻芯部11aの底面11uは、樹脂カバー14の巻芯部14aの内底面14uと直接接しているから、樹脂カバー14は、ドラムコア11の巻芯部11aの底面11uを覆う内底面14uを有しているといえる。 また、構成kより、樹脂カバー14の巻芯部14aは、内底面14uと、内底面14uから直立した一対の側部からなるものであるから、樹脂カバー14は、一対の側部と一体化している内底面14uを有しているといえる。 そうすると、引用発明1の「内底面14u」は、本願発明1の「底壁」に相当する。 したがって、引用発明1と本件発明1とは、「前記ボビンは、一対の前記連結側部を一体化して前記巻芯部の下面を覆う底壁」をさらに有する点で一致する。 (ク)構成Dについて 構成gより、引用発明1と本件発明1とは、「一対の前記連結側部と、前記底壁と、前記巻芯部の上面とに接触するように、前記ワイヤが連続して巻回してある」点で一致する。 (ケ)構成B23について 構成mより、引用発明1と本件発明1とは、「それぞれの前記端子台部には、前記巻芯部と前記鍔部との境界部分が差し込まれる部分が形成してある」点で共通する。 しかし、本件発明1は、「前記巻芯部と前記鍔部との境界部分が差し込まれる部分」が「切り欠き」であるのに対し、引用発明1は、「切り欠き」であるか明らかでない点で相違する。 (コ)構成B231について 構成aの「板状コア12」は、本件発明1の「コア本体とは別の平板部」に相当する。 しかし、本件発明1は、「それぞれの前記切り欠きの上部には、前記コア本体とは別の平板部の両端がそれぞれ差し込まれる」構成であるのに対し、引用発明1の板状コア12は、切り欠きの上部に差し込まれる構成ではない点で相違する。 イ 一致点・相違点 以上より、本件発明1と引用発明1との一致点・相違点は、以下のとおりである。 (一致点) A ボビンと、コア本体と、ワイヤと、複数の端子とを有するコイル装置であって、 B 前記ボビンは、 B1 前記コア本体の巻芯部の両側に近接して配置され、前記巻芯部と共に前記ワイヤが巻回される一対の連結側部と、 B2 前記連結側部の両端に設けられ、それぞれ前記端子が前記 ワイヤの巻回軸に沿って外側に飛び出すように取り付けられる一対の端子台部と、を有し、 C 前記コア本体は、 C1 前記巻芯部の前記巻回軸に沿って両端に具備される一対の鍔部を有し、 B21 それぞれの前記端子台部には、前記鍔部が収容される鍔収容凹部が形成してあり、 B22 一対の前記端子台部は、一対の前記連結側部と共に一体的に成形してあり、 B3 前記ボビンは、一対の前記連結側部を一体化して前記巻芯部の下面を覆う底壁をさらに有し、 D 一対の前記連結側部と、前記底壁と、前記巻芯部の上面とに接触するように、前記ワイヤが連続して巻回してあり、 B23 それぞれの前記端子台部には、前記巻芯部と前記鍔部との境界部分が差し込まれる部分が形成してある A コイル装置。 (相違点) (相違点1) 本件発明1は、「前記巻芯部と前記鍔部との境界部分が差し込まれる部分」が「切り欠き」であるのに対し、引用発明1は、「切り欠き」であるか明らかでない点。 (相違点2) 本件発明1は、「それぞれの前記切り欠きの上部には、前記コア本体とは別の平板部の両端がそれぞれ差し込まれる」構成であるのに対し、引用発明1の板状コア12は、切り欠きの上部に差し込まれる構成ではない点。 ウ 新規性に関する検討 上記イより、本件発明1と引用発明1とを対比すると相違点を有するものであるから、請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明ではない。 エ 進歩性に関する検討 相違点1、2についてまとめて検討する。 構成b、fより、引用発明1の板状コア12の裏面(接触面)12sの両端部は、ドラムコア11を樹脂カバー14内に収納した状態でも樹脂カバー14上に露出したドラムコア11の鍔部11b1,11b2の上面(接触面)11s1,11s2と面接触している構成である。 また、構成cより、鍔部11b1,11b2の略中央部に形成された溝15cと、両端部に形成された溝15eの中に接着剤16を充填して、ドラムコア11の鍔部11b1,11b2と板状コア12とを密着させるものであるから、板状コア12の幅は、鍔部11b1,11b2の両端部まで延びているものといえる。 なお、構成dには、「接触面11s1,11s2(あるいは12s)の中央1箇所のみに溝15cを設けるようにしてもよい」との記載もあるが、当該構成に対応する【図7】でも、板状コア12の幅は、鍔部11b1,11b2の両端部まで延びていることが見て取れるし、そもそも、【図3】、【図5】、【図6】のような、中央部に形成された溝15cと、両端部に形成された溝15eの中に接着剤16を充填する構成に代えて、【図7】のような中央1箇所のみに溝15cを設ける構成としたものであるから、引用発明1の板状コア12の幅は、鍔部11b1,11b2の両端部まで延びている構成を前提としたものといえる。 そうすると、引用発明1において、「前記巻芯部と前記鍔部との境界部分が差し込まれる部分」が仮に「切り欠き」であるとしても、上記相違点2に係る構成(「切り欠き」の上部に、前記コア本体とは別の平板部の両端がそれぞれ差し込まれる構成)とするためには、樹脂カバー14の高さをドラムコア11よりも高くして、ドラムコア11の鍔部11b1,11b2が樹脂カバー14上に露出しないようにし、なおかつ、板状コアの幅を巻芯部14aの幅にする必要がある。 ここで、甲第10号証~甲第13号証の記載から、本体が切り欠きに差し込まれ、さらに別の平板の両端が差し込まれる構成が周知であったとしても、構成dより、左右の隙間から、接着剤16の進入具合を目視により確認することができることを特徴としている引用発明1において、接着剤16の進入具合を目視により確認しにくくなるような、樹脂カバー14の高さをドラムコア11よりも高くして、ドラムコア11の鍔部11b1,11b2が樹脂カバー14上に露出しないようにし、なおかつ、板状コアの幅を巻芯部14aの幅にする構成にしようとする動機がなく、阻害要因があるものである。 また、引用文献2~4より、コイルの端子が、ワイヤのリード端が接続されるように端子台部から突出している継線部と、継線部に一体的に形成されて端子台部に埋め込まれる埋込部と、埋込部に一体的に形成されて継線部とは別の位置から端子台部から突出している実装部とを有し、継線部と実装部とは、コイル装置の高さ方向から見て、位置ずれにして、端子台部から外側に飛び出すように配置した構成が周知技術であり、引用文献4~6より、コイルの連結側部の巻回軸に沿って中間位置には仕切壁が形成してあり、連結側部が、巻回軸に沿って分割され、分割された領域に、相互に異なるワイヤが巻回してある構成が周知技術であるとしても、上記相違点2に係る構成は容易に想到しうるものではない。 さらに、取消理由通知において、引用文献として採用しなかった甲第2号証~甲第4号証、甲第14号証~甲第16号証をみても、上記相違点2に係る構成は容易に想到しうるものではない。 したがって、請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえず、周知技術を勘案しても同様である。 オ 特許異議申立人の意見書における主張について 特許異議申立人は、令和5年7月28日に提出した意見書において、以下のような主張をしている。 「甲第10号証には、(中略)「y それぞれの前記切り欠きの上部には、前記コア本体とは別の平板部の両端がそれぞれ差し込まれる」について記載されていると言えます。」(5頁14~16行) 「本件訂正発明1、甲第1発明および甲第10発明は(中略)互いに共通の技術分野に属しています。(中略)当業者が甲第10発明を甲第1発明に適用する動機付けは十分にあるといえます。 また、甲第1発明に甲第10発明を適用する上で阻害要因は見当たりません。」(5頁22~30行) 「甲第10発明を甲第1発明に適用して生じた引用発明は(中略)本件訂正発明1と相違ありません。そのため、本件訂正発明1は進歩性を有しません。 なお、仮に甲第10発明における切り欠きが本件訂正発明1および甲第1発明における切り欠きと実質的に同位置に形成されたとは言えないとしても、切り欠きを端子台部に形成することは甲第1号証や甲第11号証から当業者が容易に想到できることであるため本件訂正発明1は進歩性を有しません。」(5頁37行~6頁7行) 上記主張について検討する。 上記エで検討したように、甲第10号証及び甲第11号証において、切り欠きの上部に、本体とは別の平板部の両端がそれぞれ差し込まれる構成が開示されているとしても、左右の隙間から、接着剤16の進入具合を目視により確認することができることを特徴としている引用発明1(甲第1号証)において、接着剤16の進入具合を目視により確認しにくくなるような、樹脂カバー14の高さをドラムコア11よりも高くして、ドラムコア11の鍔部11b1,11b2が樹脂カバー14上に露出しないようにし、なおかつ、板状コアの幅を巻芯部14aの幅にする構成にしようとする動機がないものであるし、引用発明1を相違点2に係る構成とすることに阻害要因がある。 したがって、進歩性に関する特許異議申立人の主張を採用することはできない。 (2)本件発明4、11について 上記(1)のとおり、本件発明1が新規性及び進歩性を有するものであり、また、本件発明2または3は異議申立の対象でなく、新規性及び進歩性についての取り消すべき理由を発見しない以上、本件発明1~3のいずれかを直接若しくは間接に引用する本件発明4、11は、新規性及び進歩性を有するものである。 (3)本件発明5~7について 上記(1)のとおり、本件発明1が進歩性を有するものであり、また、本件発明2または3は異議申立の対象でなく、進歩性についての取り消すべき理由を発見しない以上、本件発明1~3のいずれかを直接若しくは間接に引用する本件発明5~7は、進歩性を有するものである。 (4)本件発明8について 訂正により、本件発明8は、請求項2または3を引用する発明となった。 そして、本件発明2または3は異議申立の対象でなく、新規性及び進歩性についての取り消すべき理由を発見しない以上、本件発明2または3のいずれかを引用する本件発明8は、新規性及び進歩性を有するものである。 4 取消理由についてのまとめ したがって、取消理由通知書に記載した取消理由により、請求項1、4~8、11に係る特許を取り消すことはできない。 第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要は次のとおりである。 (1)進歩性 請求項9に係る発明は、甲第1号証に記載された発明および周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項9に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 (2)明確性違反 請求項8および請求項9の記載は不明確であり、特許法第36条第6項第2号の拒絶理由を有している。 2 当審の判断 (1)進歩性について 請求項9に係る発明は、「それぞれの前記切り欠きの上部には、前記コア本体とは別の平板部の両端がそれぞれ差し込まれる請求項8に記載のコイル装置。」である。 そうすると、請求項9に係る発明と甲第1号証に記載された発明(引用発明1)との相違点は、少なくとも、上記第4の3(1)イの(相違点2)と同様の相違点を含むものである。 しかし、上記第4の3(1)エで検討したように、周知技術を勘案しても上記相違点2に係る構成は容易に想到しうるものではなく、請求項9に係る発明は、甲第1号証に記載された発明(引用発明1)および周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえない。 したがって、特許異議申立人の主張する請求項9の進歩性に関する特許異議申立理由によっては、請求項9に係る特許を取り消すことはできない。 (2)明確性違反に関して 請求項8は、「それぞれの前記端子台部には、前記巻芯部と前記鍔部との境界部分が差し込まれる切り欠きが形成してある」との構成に限定するものである。 ここで、「切り欠き」とは、以下の意味である。 部材接合のため切り取った部分。(広辞苑) 構造材の組み合わせのために、材料面を横断して細長く切り取った溝状の部分。(精選版 日本国語大辞典) 組み合わせるために部材を細長く切り取った溝状の部分。(デジタル大辞泉) すなわち、「切り欠き」とは、接合や組み合わせのために切り取った部分を指すものである。 そうすると、請求項8で限定された構成は、コア本体の巻芯部と鍔部との境界部分が差し込まれるように切り取った部分が端子台部に形成されている構成であり、当該記載自体は明確である。 特許異議申立人は、特許異議申立書において、以下のような主張をしている。 「請求項1を引用する本件特許発明8においては、明細書および図面の記載並びに技術常識を考慮しても、請求項に記載された「切り欠き」の用語の意味内容を当業者が理解できないからである。」(18頁17~19行) 「ここで、本件特許発明8に含まれる態様のうち、コア本体が鍔翼部を有しない態様におけるコア本体およびボビンの最も代表的と考えられる一例を下の参考図3に示す。(中略) このような最も代表的な本件特許発明8の態様においてすら、コア本体の鍔部と巻芯部との境界部分が差し込まれる端子台部における連結側部側の空間(参考図3中に赤点線で示した領域)が本件特許発明8の「切り欠き」に含まれるか当業者にとって不明である。」(19頁14~26行) また、意見書において、以下のような主張をしている。 「依然として本件訂正発明1にかかる「切り欠き」は明確とは言えず、本件訂正発明1は特許法第36条第6項第2号の規定によっても特許を受けることができないものと考えます。」(8頁5~7行) 上記主張について検討する。 先に検討したように、「切り欠き」とは、接合や組み合わせのために切り取った部分を指すものであるから、訂正後の請求項1もしくは請求項8に係る発明は、コア本体の巻芯部と鍔部との境界部分が差し込まれるように切り取った部分が端子台部に形成されている構成であり、その記載自体は明確なものである。 したがって、明確性違反に関する特許異議申立人の主張を採用することはできない。 3 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由についてのまとめ したがって、取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由を採用することはできない。 第6 むすび 以上より、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、請求項1、4~9、11に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1、4~9、11に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-701256

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