特許異議申立
2022-701104
口座開設装置、口座開設方法、及びプログラム
- 審判番号
- 2022-701104
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2018-181816
- 登録番号
- 7066588
- 請求日
- 2022年11月11日
- 審決日
- 2023年01月31日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】トッパン・フォームズ株式会社
- 【権利者代理人】及川 周
- 【権利者代理人】大浪 一徳
- 【権利者代理人】萩原 綾夏
- 【異議申立人】藤江 桂子
- 審判長/審判官
- 審判長 ▲吉▼田 耕一
- 審判官 野崎 大進
- 審判官 富澤 哲生
- 分類
- P1651.121-Y (G06Q) / P1651.537-Y (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7066588号発明「口座開設装置、口座開設方法、及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7066588号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7066588号の請求項1-4に係る特許についての出願は,平成30年9月27日を出願日とする特許出願であって,令和4年5月2日に特許権の設定登録がされ,令和4年5月13日に特許掲載公報が発行された。その後,令和4年11月11日に特許異議申立人 藤江 桂子(以下,「申立人」という。)により,特許異議の申立てがなされた。
第2 本件特許発明
特許第7066588号(以下,「本件特許」という。)の請求項1-4の特許に係る発明(以下,それぞれ「本件特許発明1」-「本件特許発明4」という。)は,それぞれ,特許請求の範囲に記載された事項によって特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報を取得する店舗情報取得部と,
口座を開設する手続を行うユーザの居住地域に関するユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と,
前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗が前記店舗情報に存在する場合,前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗を選択し,前記ユーザの居住地域に対応する前記実店舗が前記店舗情報に存在しない場合,前記担当店舗として,仮想店舗を選択する店舗選択部と,
を備える口座開設装置。
【請求項2】
前記店舗情報は,前記実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域の郵便番号を対応付けた情報であり,
前記ユーザ情報は,前記ユーザの居住地域の郵便番号であり,
前記店舗選択部は,前記店舗情報の前記実店舗が担当する担当地域の郵便番号に,前記ユーザの居住地域の郵便番号と一致するものがあるか否かに応じて,前記担当店舗を選択する
請求項1に記載の口座開設装置。
【請求項3】
店舗情報取得部が,実店舗に前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報を取得し,
ユーザ情報取得部が,口座を開設する手続を行うユーザの居住地域に関するユーザ情報を取得し,
店舗選択部が,前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗が前記店舗情報に存在する場合,前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗を選択し,前記ユーザの居住地域に対応する前記実店舗が前記店舗情報に存在しない場合,前記担当店舗として,仮想店舗を選択する,
口座開設方法。
【請求項4】
コンピュータを,請求項1又は請求項2に記載の口座開設装置として動作させるためのプログラムであって,前記コンピュータを前記口座開設装置が備える各部として機能させるためのプログラム。」
第3 申立理由の概要
申立人は,特許異議申立書(以下,「申立書」という。)において,以下の理由1ないし3により,本件特許発明1ないし4についての特許を,取り消すべきである旨主張している。
1 理由1(進歩性)
申立人は,主たる証拠として下記の甲1号証および甲6号証を提出し,従たる証拠として下記の甲2-1号証ないし甲5号証を提出し,請求項1-4に係る発明は,主たる証拠のいずれかに記載された発明及び従たる証拠に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって,請求項1-4に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反して特許査定されたものである旨主張している。(申立書28頁1行~41頁10行)
記
甲1号証:特許第5922194号公報
甲2-1号証:池田泉州銀行「口座開設店はどこですか?」
2018年4月16日,URL:https://faq.sihd-bk.jp/faq/show/1082?back=front%2Fcategory%3Asearch&category_id=1&commit=&keyword=%E5%8F%A3%E5%BA%A7%E9%96%8B%E8%A8%AD%E5%BA%97&page=1&site_domain=default&site_id=1&sort=sort_keyword&sort_order=desc
甲2-2号証:池田泉州銀行「インターネット支店・ダイレクト支店の窓口に行くことはできますか?」,2012年2月9日,
URL:https://faq.sihd-bk.jp/faq/show /249?back=front%2Fcategory%3Asearch&category_id=1&commit=&keyword=%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E6%94%AF%E5%BA%97%E3%83%BB%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88%E6%94%AF%E5%BA%97%E3%81%AE%E7%AA%93%E5%8F%A3&page=1&site_domain=default&site_id=1&sort=sort_keyword&sort_order=desc
甲3-1号証:金融庁「「疑わしい取引の届出手続きと届出にあたってのお願い」について」,2000年12月25日,
URL:https://www.fsa.go.jp/news/newsj/f-20001225-2.html
甲3-2号証:金融庁「疑わしい取引の届出手続きと届出にあたってのお願い」,2000年12月25日,
URL:https://www.fsa.go.jp/news/newsj/f-20001225-2.pdf
甲4号証:特開2015-207048号公報
甲5号証:特開2017-162170号公報
甲6号証:特開2018- 32327号公報
2 理由2(サポート要件)
申立人は,以下のように述べて,請求項1-4に係る特許は特許法第36条第6項第1号の規定を満たしていない旨主張している。
「 本件特許の発明の詳細な説明に記載された発明は,店舗情報取得部及び店選択部を有する口座開設装置である。そして,銀行側においては,任意の支店に口座が開設されると支店の営業担当が顧客を訪問して営業を行うことが困難になり,口座を開設しようとするユーザにおいては,どの支店を選べばよいか判断が難しいという課題を解決するものである(段落番号0004)
これに対して,本件発明における店舗選択部は,店舗情報取得部によって取得された店舗情報において,ユーザの居住地域を担当地域とする実店舗が「存在する場合」と「存在しない場合」とに応じて選択する店舗を変えるものである。すなわち,店舗選択部は,ユーザの居住地域担当地域とする実店舗の存在の有無を判断しているにすぎず,実店舗の担当地域とユーザの居住地域を比較判定するものではない。
また,本件発明における店舗情報取得部は,「実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報」を取得しさえすればよく,実店舗の担当地域とユーザの居住地域を比較判定し,ユーザの居住地域を担当地域とする実店舗の店舗情報を取得するものではない。
そうすると,本件発明は,取得した店舗情報が,ユーザの居住地域を担当地域とするか否かを比較判定する手段を有しない態様を含むことになり,発明の詳細な説明に記載する課題を解決することができない。
よって,本件発明は,発明の課題を解決するための手段が反映されていないため,発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求するものであり,発明の詳細な説明に記載したものということはできない。」(申立書41頁13行~42頁6行)
3 理由3(明確性要件)
申立人は,以下のように述べて,請求項1-4に係る特許は特許法第36条第6項第2号の規定を満たしていない旨主張している。
「 本件発明は,実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報を取得する店舗情報取得部を有する口座開設装置である。
ところで本件発明の「店舗情報取得部」は,「実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報」を取得しさえすればよい。そのため,店舗情報取得部が全ての店舗情報を取得するのか,あるいは実店舗の担当地域とユーザの居住地域を比較判定し,ユーザの居住地域を担当地域とする実店舗の店舗情報を取得するのかについては明確でない。
請求項1~4における「店舗選択部」の記載をみても,「店舗情報取得部」が取得した店舗情報において,ユーザの居住地域を担当地域とする実店舗が存在する場合,当該実店舗を選択することが記載されているにすぎず,「店舗情報取得部」が全ての店舗情報を取得するのか,あるいは実店舗の担当地域とユーザの居住地域を比較判定し,ユーザの居住地域を担当地域とする実店舗の店舗情報を取得するのかを特定し得る記載は見当たらない。
さらに本件特許明細書等をみても,「支店選択部202は,支店情報記憶部204を参照し,支店情報を取得する。」(段落番号0024)と記載するにとどまる。
そうすると,本件発明は,「店舗情報取得部」が取得する「店舗情報」の意味するところが曖昧であり,本件発明の範囲が不明確である。
第4 甲号証
1 甲1号証
(1)甲1号証の記載
甲1号証には,図面とともに以下の記載がある(下線は当審付与。以下同様。)。
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は,金融機関において,新規口座の開設を支援するための口座開設支援方法,口座開設支援プログラム及び口座開設支援サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関において,新たに口座を開設する場合,一般的には,窓口において,必要事項を記載した申込書を提出する。この場合,本人を確認するために,運転免許証等の証明書が必要である。
【0003】
このために,本人確認及び本人を確認する資料の確認を行なうための技術も検討されている(例えば,特許文献1参照)。この文献に記載された技術においては,ホストコンピュータに接続されたホストインターフェイス部と,新規の口座を開設するための申込用紙の記載事項を読み取るイメージ処理文字認識部を備える通帳処理部と,ICカード型身分証明書に格納された情報を読み取るカード・レシート処理部とを有する。そして,申込用紙の記載事項を本人確認情報と照合して本人確認を行なった後,ホストコンピュータに新規の口座を登録する。
【0004】
また,利用者端末において撮影された画像を用いて,ローンの契約を行なうためのローン管理方法も検討されている。(例えば,特許文献2参照)。この文献に記載された技術においては,利用者は,利用者端末を利用してローン条件を設定する。そして,利用者端末に格納された秘密鍵を用いて生成した電子署名を付して送信する。ローン契約を行なう場合,利用者自身の契約画像データ,位置データに対して電子署名を生成する。管理コンピュータは,この電子署名をローン管理データ記憶部に記録する。
【0005】
更に,免許証に記載されている内容を文字認識する技術も検討されている(例えば,非特許文献1参照)。この文献に記載された技術においては,自動車運転免許証をスキャナで読み込み,文字認識を行なう。ここでは,免許証に記載されている氏名,生年月日,本籍,住所,免許証番号,免許種別等を読み取り,テキスト形式への変換を行なう。
【0006】
そして,金融商品の注文内容の不正を検知するための技術も検討されている(例えば,特許文献3参照)。この文献に記載された技術においては,口座開設時に,客先に出向いた営業員の携帯端末装置で顧客の住所,氏名,及び生年月日を入力し,取引管理サーバの顧客情報DBに記憶する。注文時に,携帯端末装置のOCR機能で顧客の提示した運転免許証を読み取り,読み取った顧客の住所,氏名,及び生年月日を取引管理サーバへ送信する。そして,取引管理サーバで,OCR読取による顧客の住所等と,顧客情報DBに記憶された顧客の住所等とを比較し,不一致の場合には,注文をロックする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】 特開2005-165857号公報
【特許文献2】 特開2005-267417号公報
【特許文献3】 特開2013-105287号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】株式会社PFU,公的身分証明書読み取りシステム「免許証OCRシステム」,[online],株式会社PFUホームページ,[平成26年4月16日検索],インターネット<http://www.pfu.fujitsu.com/imaging/solution/necsoft.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように,各種申込の効率化が検討されている。しかしながら,特許文献1では,ICカード等が必要となり,従来の窓口での申込と同様の手続は困難である。特許文献2に記載されているように,利用者が所有するユーザ端末を利用して申込を行なう場合にも,的確に利用者の本人情報や所在を確認する必要がある。また,非特許文献1,特許文献3に記載されている技術を用いる場合にも,個人情報を扱うことになる。この場合,個人情報のセキュリティを考慮する必要がある。
【0010】
本発明は,上記問題点を解決するためになされたものであり,ユーザ端末を利用して,効率的な新規口座の開設を支援するための口座開設支援方法,口座開設支援プログラム及び口座開設支援サーバを提供することにある。」
イ 図1
[図:0001395260000001.jpg]
ウ 「【発明を実施するための形態】
【0021】
以下,口座開設支援方法,口座開設支援プログラム及び口座開設支援サーバを具体化した一実施形態を,図1~図5に従って説明する。本実施形態では,金融機関において,新規口座を開設する場合を想定する。ここでは,図1に示すように,ネットワークを介して接続されたユーザ端末10及び管理サーバ20(口座開設支援サーバ)を用いる。この場合,ユーザ端末10に格納された口座開設支援プログラムを用いる。そして,本人証明書として,自動車の運転免許証を利用する場合を想定する。
(中略)
【0029】
管理サーバ20は,新規口座の開設を管理するコンピュータシステムである。この管理サーバ20は,制御部21,基本情報記憶部22,申込情報記憶部23,状況情報記憶部24を備えている。
【0030】
基本情報記憶部22には,新規口座開設を支援する場合に用いる基本情報が記録されている。本実施形態では,基本情報として,口座開設支援プログラムのバージョン情報,店舗情報が記録される。バージョン情報としては,口座開設支援プログラムの最新バージョンのバージョン管理コードに関するデータを保持している。このバージョン管理コードは,口座開設支援プログラムが更新された場合に記録される。
【0031】
店舗情報としては,口座開設が可能な店舗について,最新の店舗リストが記録される。この店舗リストは,新規出店や既存店見直しがあった場合に記録される。この店舗リストには,金融機関の各店舗に関する情報(店舗コードや店舗名,住所)に関するデータが記録される。
【0032】
申込情報記憶部23には,ユーザ端末10から取得した新規口座開設の申込についての申込管理レコードが記録される。申込管理レコードは,新規口座開設の申込を受け付けた場合に記録される。この申込管理レコードには,申込管理コード,申込受付日時,顧客情報,支店情報,免許証画像,追跡番号に関するデータが記録される。なお,本実施形態では,顧客情報及び免許証画像は,暗号化によりマスキングされて記録される。
【0033】
申込管理コードデータ領域には,各申込を識別するための識別子に関するデータが記録される。
申込受付日時データ領域には,この申込を受け付けた年月日及び時刻に関するデータが記録される。
【0034】
顧客情報データ領域には,新規口座開設の申込者の属性に関するデータが記録される。本実施形態では,顧客属性として,氏名,住所,性別,電話番号,メールアドレス,職業,勤務先,口座開設の目的等に関するデータが記録される。
【0035】
支店情報データ領域には,口座開設を希望する支店を特定するための識別子(店舗コード)に関するデータが記録される。
免許証画像データ領域には,本人確認のための運転免許証の撮影画像に関するデータが記録される。本実施形態では,運転免許証の表面及び裏面の撮影画像が記録される。
【0036】
追跡番号データ領域には,この新規口座開設申込に基づいて開設された口座の通帳を送付した郵便物の配達状況を管理するための識別子(追跡番号)に関するデータが記録される。
【0037】
状況情報記憶部24には,受け付けた申込の進捗状況に関する状況管理レコードが記録される。この状況管理レコードは,新規口座開設の申込を受け付けた場合に登録され,新規口座開設のための手続の進捗があった場合には,更新される。この状況管理レコードには,進捗状況及び更新日時に関するデータが記録される。
【0038】
進捗状況データ領域には,受け付けた申込の進捗状況を特定するためのフラグが記録される。本実施形態では,「仮登録」,「メール送信」,「登録内容確認」,「申込書印刷」,「口座開設」,「通帳送付」,「受取完了」を特定するためのフラグが記録される。
更新日時データ領域には,各進捗状況を取得した年月日及び時刻に関するデータが記録される。
【0039】
制御部21は,制御手段(CPU,RAM,ROM等)を備え,後述する処理(証明書認識段階,証明書確認段階,印刷制御段階,配送状況確認段階等の各処理等)を行なう。そのための口座開設管理プログラムを実行することにより,制御部21は,図1に示すように,申込受付部211,証明書認識部212,証明書確認部213,印刷制御部214,配送状況確認部215として機能する。
【0040】
申込受付部211は,ユーザ端末10において入力された申込を受け付ける処理を実行する。この申込受付部211は,受け付けた新規口座開設情報に含まれる一部の項目(マスキング対象項目)の内容を暗号化する。
【0041】
証明書認識部212は,免許証画像に含まれる各項目を特定する処理を実行する。そして,証明書認識部212は,氏名及び住所の各領域の文字認識によりテキスト化する処理を実行する。更に,証明書認識部212は,免許証画像において本人写真画像を取得する処理を実行する。このため,証明書認識部212は,免許証テンプレート(表面,裏面)を保持している。この免許証テンプレートを用いることにより,運転免許証の表面,裏面の識別,氏名欄,住所欄,本人写真欄の各領域を特定することができる。」
エ 図3
[図:0001395260000002.jpg]
オ 「【0069】
次に,図3を用いて,免許証チェックの完了後の処理を説明する。
ここでは,まず,ユーザ端末10の制御部11は,認識結果の出力処理を実行する(ステップS3-1)。具体的には,制御部11の申込支援部111は,タッチパネルディスプレイ14に,口座開設申込画面を出力する。この口座開設申込画面には,管理サーバ20から取得したチェック結果に含まれるテキスト(氏名,住所)を,プリセットしておく。
【0070】
次に,ユーザ端末10の制御部11は,申込情報の入力処理を実行する(ステップS3-2)。具体的には,利用者は,口座開設申込画面において,新規口座開設に必要な情報(店舗情報や顧客情報)を入力する。
【0071】
新規口座を開設する支店を選択する場合には,支店検索ボタンを選択する。この場合,制御部11の申込支援部111は,支店検索要求を管理サーバ20に送信する。この支店検索要求には,口座開設申込画面に設定された住所に関する情報を含める。なお,支店検索要求には,利用者が任意に設定した検索キーワードを含めるようにしてもよい。
【0072】
この場合,管理サーバ20の制御部21は,支店情報の提供処理を実行する(ステップS4-1)。具体的には,制御部21の申込受付部211は,基本情報記憶部22の店舗リストから,支店検索要求に含まれる住所から所定範囲に所在する店舗を支店候補として取得する。そして,申込受付部211は,ユーザ端末10に,支店候補を送信する。
【0073】
この場合,ユーザ端末10の制御部11は,口座開設申込画面において支店候補を出力する。利用者は,この支店候補の中で,新規口座を開設する支店を選択する。
また,利用者は,口座開設申込画面において,口座開設に必要な顧客情報を入力する。例えば,性別,電話番号,メールアドレス,職業,勤務先,口座開設の目的等,運転免許証において特定できない情報を入力する。」
(2)甲1号証記載発明
上記(1)の記載から,特に下線部に着目すると,甲1号証には以下の発明(以下,「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「 金融機関において,新規口座を開設する管理サーバ20であり,
管理サーバ20は,新規口座の開設を管理するコンピュータシステムであり,制御部21,基本情報記憶部22,申込情報記憶部23,状況情報記憶部24を備えており,
基本情報記憶部22には,新規口座開設を支援する場合に用いる基本情報が記録されており,基本情報として,店舗情報が記録されており,店舗情報としては,口座開設が可能な店舗について,最新の店舗リストが記録されており,この店舗リストには,金融機関の各店舗に関する情報(店舗コードや店舗名,住所)に関するデータが記録されており,
申込情報記憶部23には,ユーザ端末10から取得した新規口座開設の申込についての申込管理レコードが記録されており,この申込管理レコードには,申込管理コード,申込受付日時,顧客情報,支店情報,免許証画像,追跡番号に関するデータが記録されており,
顧客情報データ領域には,新規口座開設の申込者の属性に関するデータが記録され,顧客属性として,氏名,住所,性別,電話番号,メールアドレス,職業,勤務先,口座開設の目的等に関するデータが記録されており,
制御部21は,制御手段(CPU,RAM,ROM等)を備え,証明書認識段階,証明書確認段階,印刷制御段階,配送状況確認段階等の各処理等を行なうための口座開設管理プログラムを実行することにより,申込受付部211,証明書認識部212,証明書確認部213,印刷制御部214,配送状況確認部215として機能しており,
証明書認識部212は,免許証画像に含まれる各項目を特定する処理を実行し,氏名及び住所の各領域の文字認識によりテキスト化しており,
ユーザ端末10は,新規口座を開設する支店を選択する場合に,支店検索要求を管理サーバ20に送信し,この支店検索要求には,口座開設申込画面に設定された住所に関する情報を含めており,
管理サーバ20の制御部21は,支店情報の提供処理を実行し,具体的には,基本情報記憶部22の店舗リストから,支店検索要求に含まれる住所から所定範囲に所在する店舗を支店候補として取得しており,
申込受付部211は,ユーザ端末10に,支店候補を送信しており,
ユーザ端末10は,口座開設申込画面において支店候補を出力し,利用者は,この支店候補の中で,新規口座を開設する支店を選択する
管理サーバ20。」
2 甲6号証
(1)甲6号証の記載
甲6号証には,図面とともに以下の記載がある。
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は,情報処理装置,情報処理方法,およびプログラムに関する。特に,直接的な通信およびネットワークを介した通信によって情報を送受信する情報処理装置,情報処理方法,およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来,銀行口座の開設には印鑑が必要だった。しかし,3Dプリンタの普及によって印鑑のセキュリティが脆弱になりつつある。そこで,銀行口座の開設において印鑑に代わる本人認証方法が検討されている。印鑑に代わる本人認証方法の一つとして,運転免許証または個人番号カード(マイナンバーカード)に内蔵されたICチップと,これらのカード表面にプリントされた本人の顔写真とを用いた本人認証方法が検討されている。
【0003】
例えば,特許文献1には,運転免許証の固有ID情報および本人の顔写真をサーバに送信することで本人を認証する技術が記載されている。特許文献1において,運転免許証の固有ID情報は,運転免許証に搭載されたICチップ内に登録されており,スマートフォンに搭載された近距離無線通信(Near field radio communication;NFC)を用いて読み取られる。本人の顔写真は,スマートフォンに搭載されたカメラを用いて運転免許証の表面にプリントされた本人の顔写真を撮影することで得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開2004-303057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,特許文献1によると,まずNFCを用いてICチップの固有ID情報を読み取り,続いてカメラを用いて顔写真を撮影する必要があり,銀行口座の開設においてユーザの操作負担となっていた。また,ユーザは,銀行口座を開設する支店を自分で検索して設定する必要があり,これも銀行口座の開設においてユーザの操作負担となっていた。
【0006】
本発明の一実施形態は,そのような課題に鑑みてなされたものであり,ユーザの操作負担を軽減する情報処理装置,情報処理方法,およびプログラムを実現することを目的とする。」
イ 「【0034】
〈第1実施形態〉
図1~図15を用いて,本発明の第1実施形態に係る情報処理システム10ならびに情報処理システムに用いるサーバ100,通信端末200,運転免許証300,およびこれらを動作させるためのプログラムについて詳細に説明する。第1実施形態に示す情報処理システム10は,通信端末200と運転免許証300との通信によって得られた情報,および通信端末200による運転免許証300の写真撮影によって得られた情報を用いて,ユーザに適した契約支店を提供する。
【0035】
なお,本実施形態において,情報処理システム10は運転免許証300を用いてユーザの銀行口座の開設に適した契約支店を提供する構成を例示するが,この構成に限定されない。例えば,運転免許証300は,マイナンバーカードなど,カード保有者の情報が記録されたICチップ,ならびにカード保有者の情報およびカード保有者の顔写真がプリントされたものに置き換えることができる。同様に,ユーザの銀行口座の開設に適した契約支店を提供する代わりに,クレジットカードの申し込みなど本人確認が必要なサービスへの申し込みなどに適用することができる。」
ウ 図1
[図:0001395260000003.jpg]
エ 「[提供システムの概要]
図1は,本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概要を示す図である。図1に示すように,本発明に係る情報処理システム10は,サーバ100,通信端末200,および運転免許証300を有する。サーバ100を「情報処理装置」という場合がある。運転免許証300にはユーザの固有情報が記録され,他の通信機器との通信が可能なICチップが搭載されているため,「通信可能な記録媒体」という場合がある。」
オ 図2
[図:0001395260000004.jpg]
カ 「【0038】
図2は,本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概要を示すブロック図である。図2に示すように,サーバ100はデータベース102に接続されている。サーバ100はネットワーク400を介して通信端末200に接続されている。図2では,データベース102がサーバ100を介してネットワーク400に接続された構成を例示したが,この構成に限定されない。例えば,データベース102が直接ネットワーク400に接続されていてもよい。ネットワーク400は,一般的なWorld Wide Web(WWW)であってもよく,社内LANなどのローカルネットワークであってもよい。
【0039】
データベース102は,第1情報,第2情報,および通信端末情報などの情報を有する。第1情報は,運転免許証300を所有するユーザの個人情報であり,例えば,氏名,住所,顔写真データ,勤務地住所,運転免許証交付日,運転免許証有効期限,運転免許証番号,および運転免許証に搭載されたICチップの固有ID情報などの情報を含む。第2情報は,銀行口座を開設可能な支店情報であり,例えば,支店名,支店番号,および支店住所などの情報を含む。通信端末情報は,通信端末200の機器固有のID情報である通信端末ID情報,通信端末200を所有するユーザのユーザ情報などの情報を含む。通信端末情報に含まれるユーザ情報は,上記第1情報におけるユーザの個人情報と同じ情報を含んでもよい。第1情報および第2情報は互いに関連付けられて記録されている。第1情報および第2情報に含まれる全ての情報が関連付けられている必要はなく,第1情報および第2情報の少なくとも一部の情報が互いに関連付けられていればよい。例えば,第1情報に含まれるユーザの住所,顔写真データ,および勤務地住所と,第2情報に含まれる支店名および支店住所とが互いに関連付けられて記録される。」
キ 図6
[図:0001395260000005.jpg]
ク 「【0059】
[サーバ100の機能構成]
図6は,本発明の一実施形態に係る情報処理システムに用いられるサーバの機能構成を示すブロック図である。図6に示すように,サーバ100は,受信部140,抽出部142,送信部144,関連度算出部146,および登録部148を有する。上記の各機能部の機能は,サーバ100のサーバ制御部110がサーバ記録部120に記録されたプログラムをCPUによって実行することで実現される。
【0060】
受信部140は,通信端末200と運転免許証300(通信可能な記録媒体)との通信によって,通信端末200が運転免許証300から読み取った第1情報を,ネットワーク400を介して受信する。第1情報は,上記のように,運転免許証300の所有者の氏名,住所,顔写真データ,勤務地住所,運転免許証交付日,運転免許証有効期限,運転免許証番号,および運転免許証に搭載されたICチップ310の固有ID情報などの情報を含む。なお,受信部140は,後述する送信部144によって送信された第2情報のうち,通信端末200によって選択された1の第2情報を受信する。
【0061】
抽出部142は,受信部140が受信した第1情報に基づいて第2情報を抽出する。第2情報は,上記のように,支店名,支店番号,および支店住所などの情報を含む。以下に詳細を説明するが,抽出部142は,受信部140が受信した第1情報に含まれるユーザの住所に基づいて,第2情報に含まれる支店の中から,ユーザの住所に近い複数の支店を抽出する。抽出部142は,地図データ上において,第1情報に含まれるユーザの住所と,第2情報に含まれる複数の支店住所の各々との間の直線距離または道路上の最短経路を計算し,ユーザの住所に近い複数の支店を抽出する。なお,本実施形態では,第2情報としてユーザの住所に近い複数の支店を抽出する構成を例示するが,抽出する支店は1つであってもよい。
【0062】
送信部144は,抽出部142が抽出した第2情報を通信端末200に送信する。例えば,送信部144は,上記のように抽出部142によって抽出されたユーザの住所に近い複数の支店情報を通信端末200に送信する。送信部144は,以下の関連度を第2情報に付与して通信端末200に送信してもよい。
【0063】
関連度算出部146は,受信部140が受信した第1情報と,抽出部142が抽出した第2情報との関連度を算出する。例えば,上記のように,関連度算出部146は,第1情報に含まれるユーザの住所と第2情報に含まれる複数の支店の各々との間の距離を算出する。算出される距離は,地図データ上においてユーザの住所から支店住所までの直線距離であってもよく,道路経路上の最短距離であってもよい。なお,関連度算出部146によって算出された関連度は,送信部144によって送信される第2情報に付与され,第2情報とともに通信端末200に送信される。例えば,送信部144によって送信される複数の支店情報の各々に対して,ユーザの住所からの距離情報を付与してもよい。つまり,通信端末200には,支店名およびユーザの住所から当該支店までの距離が表示されてもよい。
【0064】
関連度算出部146は,ユーザの住所と,データベース102に格納された全ての支店住所との間の距離を計算してもよいが,距離の計算の前に距離を計算する対象の絞り込みを行ってもよい。例えば,ユーザの住所の同一県内の支店に対して距離の計算を行ってもよい。ユーザの住所の同一市内の支店に対して距離の計算を行ってもよい。ユーザの住所の同一市内およびその市に隣接する市内の支店に対して距離の計算を行ってもよい。
【0065】
登録部148は,送信部144によって送信された第2情報のうち,通信端末200によって選択された1つの第2情報を受信部140が受信すると,その1つの第2情報と通信端末200から受信した第1情報とを関連付けてデータベース102に登録する。詳細に説明すると,送信部144が第2情報を通信端末200に送信すると,通信端末200には第2情報が表示される。ユーザは通信端末200を用いて表示された第2情報から,ユーザの希望する1つの第2情報を選択し,サーバ100に送信する。ユーザによって選択された第2情報がサーバ100によって受信されると,サーバ100は受信部140によって受信された第1情報とユーザによって選択された第2情報とを関連付けてデータベース102に登録する。」
(2)甲6号証記載発明
上記(1)の記載から,特に下線部に着目すると,甲6号証には以下の発明(以下,「甲6発明」という。)が記載されていると認められる。
「通信端末200による運転免許証300の写真撮影によって得られた情報を用いて,ユーザに適した契約支店を提供する情報処理システム10であって,
情報処理システム10は,サーバ100,通信端末200,および運転免許証300を有しており,
サーバ100を「情報処理装置」といい,
サーバ100はデータベース102に接続されており,
データベース102は,第1情報,第2情報,および通信端末情報などの情報を有しており,
第1情報は,運転免許証300を所有するユーザの個人情報であり,例えば,氏名,住所,顔写真データ,勤務地住所,運転免許証交付日,運転免許証有効期限,運転免許証番号,および運転免許証に搭載されたICチップの固有ID情報などの情報を含んでおり,
第2情報は,銀行口座を開設可能な支店情報であり,例えば,支店名,支店番号,および支店住所などの情報を含んでおり,
通信端末情報は,通信端末200の機器固有のID情報である通信端末ID情報,通信端末200を所有するユーザのユーザ情報などの情報を含んでおり,
サーバ100は,受信部140,抽出部142,送信部144,関連度算出部146,および登録部148を有しており,各機能部の機能は,サーバ100のサーバ制御部110がサーバ記録部120に記録されたプログラムをCPUによって実行することで実現されるものであり,
受信部140は,通信端末200が運転免許証300から読み取った第1情報を,ネットワーク400を介して受信するものであり,
抽出部142は,受信部140が受信した第1情報に含まれるユーザの住所に基づいて,第2情報に含まれる支店の中から,ユーザの住所に近い複数の支店を抽出するものであり,地図データ上において,第1情報に含まれるユーザの住所と,第2情報に含まれる複数の支店住所の各々との間の直線距離または道路上の最短経路を計算し,ユーザの住所に近い複数の支店を抽出しており,
送信部144は,上記のように抽出部142によって抽出されたユーザの住所に近い複数の支店情報を通信端末200に送信しており,
ユーザは通信端末200を用いて表示された第2情報から,ユーザの希望する1つの第2情報を選択し,サーバ100に送信し,
ユーザによって選択された第2情報がサーバ100によって受信されると,サーバ100は受信部140によって受信された第1情報とユーザによって選択された第2情報とを関連付けてデータベース102に登録する
情報処理システム10。」
3 甲2-1号証および甲2-2号証
(1)甲2-1号証
甲2-1号証には,以下の記載がある。
[図:0001395260000006.jpg]
(2)甲2-2号証
甲2-2号証には,以下の記載がある。
[図:0001395260000007.jpg]
4 甲3-1号証および甲3-2号証
(1)甲3-1号証
甲3-1号証には,以下の記載がある。
[図:0001395260000008.jpg]
(2)甲3-2号証
甲3-2号証には,以下の記載がある。
ア (冒頭部分)
[図:0001395260000009.jpg]
イ (別添)疑わしい取引の参考事例
「第2 口座開設に係る事例
(中略)
12 当該支店で取引をすることについて明らかな理由がない顧客に係る取引。例えば、顧客が自宅付近の支店でも同種の取引が可能であるにもかかわらず、殊更遠方の支店において取引を行う場合。」
5 甲4号証
甲4号証には,図面とともに以下の記載がある。
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は,来店予約による業務効率化システムおよび方法に関し,より詳細には,来店予約時に指定した情報を,各種業務システムと連携させ,顧客に提示可能な関連情報の事前抽出を行い,また,対応要員の自動的なスケジュール確保を行うことにより,業務の効率化および営業活動の円滑化を図るための,来店予約による業務効率化システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,銀行や信用金庫などの金融機関において,事前に窓口での取引を予約しておき,来店時における待ち時間および事務処理時間を減らすための試みがなされている。特許文献1および2には,来店目的および顧客識別情報を入力すると,予めデーターベースなどに格納された顧客に関するデータに基づき,必要書類に印字させた状態で顧客に提供し,窓口業務の効率化および迅速化さらには顧客の満足度を高めるためのシステムが開示されている。
【0003】
特許文献1および2に記載されたシステムはいずれも,予め顧客の入力した情報に基づき,来店時における業務内容を予測し,必要書類を用意するという点においては,業務の効率化および迅速化を図るという目的にかなうものである。また,顧客側にとっても,待ち時間が短縮され,サービス向上にもつながる。
【0004】
しかしながら,特許文献1および2に記載されたシステムはいずれも,事前に顧客がある目的のために来店するという貴重な情報を得ていながら,顧客獲得のための営業活動や,顧客支援のための人員配置のためにその貴重な情報を活用することを前提に構築されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特開2003-337891号公報
【特許文献2】 特開2006-92411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年においては,インターネットなどの発達により,顧客はオンラインで取引,支払,各種振込などを行うため,銀行などの企業においては,顧客に直接会ってビジネスを行う,いわゆる対面ビジネスの機会が減少している。銀行などの企業は,インターネットやメールなどを通じた広告に費用を投じ,顧客獲得に努めている。しかしながら,顧客と対面し,直接個々の顧客のニーズを聞きながらビジネスを行うことは,多種多様,且つ,多額の商品を扱う銀行などにとっては特に,契約に直結しやすく,非常に重要なビジネスの機会となる。
【0007】
来店予約システムとはすなわち,顧客が,いつ,何処で,どのような用件で,どのような人物が来店するということの予見を可能とし,且つ,顧客と直接会って,顧客が関心を持つであろう商品内容を提案する機会を得るという点で,非常に有用なシステムである。
【0008】
一方,銀行業・保険業・証券の各代理業解禁など規制緩和の進行に伴い,銀行業務は多様化し,近年では銀行は多種多様なサービスを取り扱っている。しかしながら,その多種
多様なサービスに対応可能な人材は銀行内においても限られており,銀行内の人員配置不足により,そのビジネスチャンスを逸する機会も多い。
【0009】
本発明は,既存の来店予約システムで考慮されていなかった,いつ,何処で,どのような用件で,どのような人物が来店するという情報を,顧客獲得のための営業活動や,円滑な顧客支援のための人員配置のために活用するシステムおよび方法を提供することを目的とする。」
イ 図2
[図:0001395260000010.jpg]
ウ 「【0034】
図2および図3は,本発明の一実施形態に係る,本システムが提供する窓口予約サービス画面の一例である。顧客端末1におけるブラウザや,スマートフォンなどで実行される専用アプリケーションなど,多種多様なソフトウェアを通じて,表示可能な設計としてもよい。顧客は,図2の画面2100において,店番号,店名,郵便番号,土日営業店,住所などの情報を指定することにより,対象店舗を検索することが可能である。対象店舗を検索して選択すると,図3の画面2101に進み,来店を希望する日付,時間,予約に使用する名前,パスワード,来店目的業務などを入力し,送信ボタンを押すことで,これらの情報が予約受付インターフェースサーバー210に送信される。なお,下記に詳説するが,銀行システム2に登録されている既存ユーザーである場合は,当画面に遷移する前に,ログイン処理を行うことを促し,ログイン処理完了後には,名前,パスワードの入力は不要としてもよい。」
6 甲5号証
甲5号証には,以下の記載がある。
「【技術分野】
【0001】
本発明は,自動取引装置,予約システム,予約方法および予約プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関等では自動取引装置(ATM;Automated Teller Machine)が設置され,顧客は,ATMを用いて入金や出金等の取引を行うことができる。
また,ATMにおいて,顧客にセールスすべき商品(住宅ローンの申し込み等)を表示するセールス画面や商品の提供元となる近隣の店舗案内の画面を表示する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2007-172069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では,住宅ローン等のために来店する顧客に対し,ATMの設置場所の郵便番号に基づき近隣の店舗を選択できる選択画面を提供することに留まっていた。
金融機関で扱う商品は,顧客の信用情報などの審査条件に応じて提供できるか否かが決定されるものであるため,来店を予約した全ての顧客に同一の商品が提供できるとは限らない。このような事情に伴い,金融機関においては,顧客に応じた審査や説明等が必要であり,顧客に商品の提供をするための窓口の予約の受け付けに関しても係員の労力が費やされていた。
【0005】
一側面では,本発明は,顧客に応じた予約対応が可能となる自動取引装置,予約システム,予約方法および予約プログラムを提供することを目的とする。」
第5 当審の判断
1 甲1発明に基づく進歩性
申立人は,甲1号証を主たる証拠とする進歩性欠如を主張しているので,以下検討する。
(1)本件特許発明1について
ア 対比
(ア)甲1発明において,「基本情報記憶部22には,新規口座開設を支援する場合に用いる基本情報が記録されており,基本情報として,店舗情報が記録されており,店舗情報としては,口座開設が可能な店舗について,最新の店舗リストが記録されており,この店舗リストには,金融機関の各店舗に関する情報(店舗コードや店舗名,住所)に関するデータが記録されており,」「管理サーバ20の制御部21は,支店情報の提供処理を実行し,具体的には,基本情報記憶部22の店舗リストから,支店検索要求に含まれる住所から所定範囲に所在する店舗を支店候補として取得して」いるとされている。
ここで,甲1発明の「店舗」は,本件特許発明1の「実店舗」に相当するといえる。
また,甲1発明の「店舗情報として」の「店舗リスト」は,「支店情報の提供処理を実行」する際に,「基本情報記憶部22」から,取得されるものであり,「店舗コードや店舗名,住所」が対応付けられているから,甲1発明も,本件特許発明1と同様に,「実店舗」(店舗コード)「に,」(「実店舗」が存在する)「地域」(支店の住所)「を対応付けた店舗情報」(店舗リスト)「を取得」しているといえる。
したがって,本件特許発明1と,甲1発明とは,「実店舗に,」「地域」「を対応付けた店舗情報を取得する店舗情報取得部」を備える「口座開設装置」である点で共通している。
しかし,本件特許発明1の「店舗情報」は,「実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた」ものであるのに対し,甲1発明の「店舗情報」は,実店舗に,前記実店舗が存在する地域を対応付けたものである点で相違している。
(イ)甲1発明において,「顧客情報データ領域には,新規口座開設の申込者の属性に関するデータが記録され,顧客属性として,氏名,住所,性別,電話番号,メールアドレス,職業,勤務先,口座開設の目的等に関するデータが記録されており,」「ユーザ端末10は,新規口座を開設する支店を選択する場合に,支店検索要求を管理サーバ20に送信し,この支店検索要求には,口座開設申込画面に設定された住所に関する情報を含めており,」「管理サーバ20の制御部21は,支店情報の提供処理を実行し,具体的には,基本情報記憶部22の店舗リストから,支店検索要求に含まれる住所から所定範囲に所在する店舗を支店候補として取得して」いるとされている。
ここで,甲1発明の「新規口座開設の申込者」,「支店検索要求に含まれる住所」は,それぞれ,本件特許発明1の「口座を開設する手続を行うユーザ」,「居住地域」に相当するといえる。
また,甲1発明において,「支店情報の提供処理を実行」する際に,報の提供処理を実行し,具体的には,基本情報記憶部22の店舗リストから,「支店検索要求に含まれる住所から所定範囲に所在する店舗を支店候補として取得して」いるから,甲1発明も,本件特許発明1と同様に,「口座を開設する手続を行うユーザの居住地域に関するユーザ情報を取得」しているといえる。
したがって,本件特許発明1と,甲1発明とは,「口座を開設する手続を行うユーザの居住地域に関するユーザ情報を取得するユーザ情報取得部」を備える「口座開設装置」である点で共通している。
(ウ)甲1発明において,「管理サーバ20の制御部21は,支店情報の提供処理を実行し,具体的には,基本情報記憶部22の店舗リストから,支店検索要求に含まれる住所から所定範囲に所在する店舗を支店候補として取得して」いるとされている。
ここで,甲1発明の「支店検索要求に含まれる住所」は,本件特許発明1の「ユーザの居住地域」に対応する。
また,甲1発明において,「支店候補」を取得する際に,「支店検索要求に含まれる住所から所定範囲に所在する店舗を」取得していることは,「ユーザの口座を担当する担当店舗として」,「ユーザの居住地域」から所定範囲に所在する実店舗を(支店候補として)「選択」することに他ならないから,甲1発明は,本件特許発明1と同様に,「ユーザの口座を担当する担当店舗として」「ユーザの居住地域」に基づいて「実店舗を選択」しているといえる。
したがって,本件特許発明1と,甲1発明とは,「ユーザの口座を担当する担当店舗として」「ユーザの居住地域」に基づいて「実店舗を選択」する「店舗選択部」を備える「口座開設装置」である点で共通している。
しかし,本件特許発明1の「店舗選択部」は,「前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗が前記店舗情報に存在する場合,前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗を選択し,前記ユーザの居住地域に対応する前記実店舗が前記店舗情報に存在しない場合,前記担当店舗として,仮想店舗を選択し」ているのに対し,甲1発明の店舗選択部は,ユーザの居住地域から所定範囲に所在する実店舗を選択している点で相違している。
イ 一致点・相違点
上記アより,本件特許発明1と甲1発明とは,以下(ア)の点で一致し,また,以下(イ)の点で相違しているといえる。
(ア)一致点
「実店舗に,地域を対応付けた店舗情報を取得する店舗情報取得部と,
口座を開設する手続を行うユーザの居住地域に関するユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と,
前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域に基づいて,前記実店舗を選択する店舗選択部と,
を備える口座開設装置。」
(イ)相違点
a <相違点1-1>
本件特許発明1の「店舗情報」は,「実店舗」に,「前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた」ものであるのに対し,甲1発明の店舗情報は,実店舗に,前記実店舗が存在する地域を対応付けたものである点。
b <相違点1-2>
本件特許発明1の「店舗選択部」は,「前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗が前記店舗情報に存在する場合,前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗を選択し,前記ユーザの居住地域に対応する前記実店舗が前記店舗情報に存在しない場合,前記担当店舗として,仮想店舗を選択し」ているのに対し,甲1発明の店舗選択部は,ユーザの居住地域から所定範囲に所在する実店舗を選択している点。
ウ 相違点の判断
(ア)<相違点1-1>について
甲1号証ないし甲5号証のいずれにも,「店舗情報」として,「実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた」ものを取得する上記<相違点1-1>に係る構成が記載も示唆もされておらず,当該構成が本件特許出願前に周知であったとも認められないから,上記<相違点1-1>に係る構成は,甲1発明および甲2-1号証ないし甲5号証に記載の技術的事項に基づいて,当業者が容易に想到し得たものではない。
(イ)<相違点1-2>について
<相違点1-2>に係る構成の内,特に,「前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗が前記店舗情報に存在する場合,前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗を選択」する構成は,上記<相違点1-1>に係る構成を前提としており,上記(ア)で述べたように,上記<相違点1-1>に係る構成は,甲1号証ないし甲5号証のいずれにも,記載も示唆もされておらず,当該構成が本件特許出願前に周知であったとも認められないから,上記<相違点1-2>に係る構成は,甲1発明および甲2-1号証ないし甲5号証に記載の技術的事項に基づいて,当業者が容易に想到し得たものではない。
(ウ)作用効果について
本件特許明細書の段落0004には,「発明が解決しようとする課題」として,以下の記載がある。
「銀行業務においては営業を行う範囲が特定されており,特に,地方銀行においては,支店ごとに営業担当が顧客を訪問するような場合が多く,各支店が担当する地域で営業が行われることが多い。この場合,ネットワークを介して口座開設の申込みが行われ,任意の支店に口座が開設されると,口座を開設した顧客の住所が営業地域から外れてしまうことが考えられる。このような場合,支店の営業担当が顧客を訪問して営業を行うことが困難になるという問題がある。」
本件特許発明1は,「実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報を取得」し(<相違点1-1>に係る構成),「前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗が前記店舗情報に存在する場合,前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗を選択」する(<相違点1-2>に係る構成)ことにより,「営業地域」(担当地域)を考慮した「支店に口座が開設される」こととなり,上記課題を解決することが可能となるといえる。
一方,甲1発明では,「支店検索要求に含まれる住所から所定範囲に所在する店舗を支店候補として取得して」いるため,口座を開設した顧客の住所が営業地域から外れてしまうことが起こりうるといえる。
したがって,本件特許発明1は,甲1発明では得られない作用効果を有しているといえる。
また,本件特許発明1の上記作用効果は,甲1号証ないし甲5号証のいずれからも予測できないものであるといえる。
(エ)申立人の主張について
a 申立人は,申立書において,<相違点1-1>に係る構成について以下のように主張している。
「甲1発明の申込受付部は,基本情報記憶部に記録された店舗リストより,利用者の住所から所定範囲に所在する店舗を支店候補として取得する。ここで「利用者の住所から所定範囲に所在する店舗を支店候補とする」ことは,すなわち店舗から所定範囲の地域に住所のある利用者だけが当該店舗を支店候補にできるということであるから,店舗から「所定範囲」の地域は店舗の「担当地域」といえる。
甲1発明における申込受付部は,所定範囲(「担当地域」に相当)に関する情報を当然に有しており(有していなければ,利用者から所定範囲に所在する店舗を特定できない),店舗(「実店舗」に相当)および所定範囲(「担当地域」に相当)に関する情報に基づいて支店候補を抽出しているのであるから,「実店舗に,実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報を取得する」ものである。
それ故,甲1発明における「申込受付部」は,本件第1発明における「店舗情報取得部」に相当する。」(申立書30頁下から10行~31頁4行)
b 以下では,申立人の上記主張について検討する。
申立人は,甲1発明における申込受付部は,所定範囲(「担当地域」に相当)に関する情報を当然に有しており(有していなければ,利用者から所定範囲に所在する店舗を特定できない),店舗(「実店舗」に相当)および所定範囲(「担当地域」に相当)に関する情報に基づいて支店候補を抽出しているのであるから,「実店舗に,実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報を取得する」ものである旨主張しているが,甲1号証には,店舗からの所定範囲に関する情報を各店舗に対応付けて記憶した店舗情報について記載も示唆もない。
また,利用者の住所から所定範囲に所在する店舗を特定する際には,店舗ごとに当該店舗からの所定範囲を予め設定することなく,各店舗が利用者の住所を起点として,共通の所定範囲内であるか否かを距離演算の際に判定すれば十分,店舗の特定が可能であるから,所定範囲(「担当地域」に相当)に関する情報を当然に有しており,有していなければ,利用者の住所から所定範囲に所在する店舗を特定できないとはいえない。
したがって,申立人の上記主張は,甲1号証に記載された発明の認定を誤り,上記<相違点1-1>を看過し,<相違点1-1>に係る構成を一致点としたものであるから採用できない。
エ 本件特許発明1の進歩性のまとめ
以上のとおりであるから,本件特許発明1は,甲1発明および甲2-1号証ないし甲5号証に記載の技術的事項に基づいて,当業者が容易に想到し得たものではない。
(2)本件特許発明2について
本件特許の請求項2は,請求項1の記載を引用する形式で記載されたものであって,本件特許発明2は,本件特許発明1の全発明特定事項を具備し,これにさらに限定を加えたものに該当するところ,上記(1)で述べたとおり,本件特許発明1が,甲1発明および甲2-1号証ないし甲5号証に記載の技術的事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない以上,本件特許発明2についても,同様の理由で,甲1発明および甲2-1号証ないし甲5号証に記載の技術的事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)本件特許発明3について
本件特許の請求項3は,本件特許発明1の発明のカテゴリを,単に,口座開設装置の発明から,口座開設方法の発明に変更したものであって,本件特許発明3は,本件特許発明1と同様の発明特定事項を具備したものに該当するところ,上記(1)で述べたとおり,本件特許発明1が,甲1発明および甲2-1号証ないし甲5号証に記載の技術的事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない以上,本件特許発明3についても,同様の理由で,甲1発明および甲2-1号証ないし甲5号証に記載の技術的事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(4)本件特許発明4について
本件特許の請求項4は,請求項1または2の記載を引用する形式で記載されたものであって,本件特許発明4は,本件特許発明1の全発明特定事項を具備し,これにさらに限定を加えたものに該当するところ,上記(1)で述べたとおり,本件特許発明1が,甲1発明および甲2-1号証ないし甲5号証に記載の技術的事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない以上,本件特許発明4についても,同様の理由で,甲1発明および甲2-1号証ないし甲5号証に記載の技術的事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(5)小括
以上から,本件特許発明1ないし4は,いずれも,甲1発明,および,文献2~5記載の技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではないから,申立人の申立ての理由1(甲1発明に基づく進歩性)によって,本件特許発明1ないし4についての特許を取り消すことはできない。
2 甲6発明に基づく進歩性
申立人は,甲6号証を主たる証拠とする進歩性欠如を主張しているので,以下検討する。
(1)本件特許発明1について
ア 対比
甲6発明は,「サーバ100,通信端末200,および運転免許証300を有し」た「情報処理システム10」であるところ,甲6発明の「サーバ100」(「情報処理装置」)が,本件特許発明1の「口座開設装置」に対応するから,以下では,本件特許発明1と,甲6発明の「サーバ100」(「情報処理装置」)とを対比する。
(ア)甲6発明の「サーバ100」は「サーバ100はデータベース102に接続されており,データベース102は,第1情報,第2情報,および通信端末情報などの情報を有しており,」「第2情報は,銀行口座を開設可能な支店情報であり,例えば,支店名,支店番号,および支店住所などの情報を含んでおり,」「サーバ100は,受信部140,抽出部142,送信部144,関連度算出部146,および登録部148を有しており,」「抽出部142は,受信部140が受信した第1情報に含まれるユーザの住所に基づいて,第2情報に含まれる支店の中から,ユーザの住所に近い複数の支店を抽出する」とされている。
ここで,甲6発明の「支店」は,本件特許発明1の「実店舗」に相当するといえる。
また,甲6発明の「第2情報」の「銀行口座を開設可能な支店情報」は,「第1情報」と同様に,「データベース102」から,受信されるものであり,「支店名,支店番号,および支店住所などの情報を含んで」おり,「実店舗」(支店名,支店番号)に,「実店舗」が存在する「地域」(支店住所)「を対応付けた店舗情報」であるといえるから,甲6発明も,本件特許発明1と同様に,「実店舗」(支店名,支店番号)「に,」「地域」(支店住所)「を対応付けた店舗情報」(銀行口座を開設可能な支店情報)「を取得」しているといえる。
したがって,本件特許発明1と,甲6発明とは,「実店舗に,」「地域」「を対応付けた店舗情報を取得する店舗情報取得部」を備える「口座開設装置」である点で共通している。
しかし,本件特許発明1の「店舗情報」は,実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けたものであるのに対し,甲6発明の店舗情報は,実店舗に,前記実店舗が存在する地域を対応付けたものである点で相違している。
(イ)甲6発明の「サーバ100」は「サーバ100はデータベース102に接続されており,データベース102は,第1情報,第2情報,および通信端末情報などの情報を有しており,第1情報は,運転免許証300を所有するユーザの個人情報であり,例えば,氏名,住所,顔写真データ,勤務地住所,運転免許証交付日,運転免許証有効期限,運転免許証番号,および運転免許証に搭載されたICチップの固有ID情報などの情報を含んでおり,」「サーバ100は,受信部140,抽出部142,送信部144,関連度算出部146,および登録部148を有しており,」「抽出部142は,受信部140が受信した第1情報に含まれるユーザの住所に基づいて,第2情報に含まれる支店の中から,ユーザの住所に近い複数の支店を抽出する」とされている。
ここで,甲6発明の「ユーザ」,「第1情報に含まれるユーザの住所」は,それぞれ,本件特許発明1の「口座を開設する手続を行うユーザ」,「居住地域」に相当するといえる。
また,甲1発明において,「支店情報の提供処理を実行」する際に,報の提供処理を実行し,具体的には,基本情報記憶部22の店舗リストから,「支店検索要求に含まれる住所から所定範囲に所在する店舗を支店候補として取得して」いるから,甲6発明も,本件特許発明1と同様に,「口座を開設する手続を行うユーザの居住地域に関するユーザ情報を取得」しているといえる。
したがって,本件特許発明1と,甲6発明とは,「口座を開設する手続を行うユーザの居住地域に関するユーザ情報を取得するユーザ情報取得部」を備える「口座開設装置」である点で共通している。
(ウ)甲6発明の「サーバ100」の「抽出部142は,受信部140が受信した第1情報に含まれるユーザの住所に基づいて,第2情報に含まれる支店の中から,ユーザの住所に近い複数の支店を抽出するものであり,地図データ上において,第1情報に含まれるユーザの住所と,第2情報に含まれる複数の支店住所の各々との間の直線距離または道路上の最短経路を計算し,ユーザの住所に近い複数の支店を抽出して」いるとされている。
ここで,甲6発明の「第1情報に含まれるユーザの住所」は,本件特許発明1の「ユーザの居住地域」に対応する。
また,甲6発明において,「支店」を抽出する際に,「第1情報に含まれるユーザの住所と,第2情報に含まれる複数の支店住所の各々との間の直線距離または道路上の最短経路を計算し,ユーザの住所に近い複数の支店を抽出して」いることは,「ユーザの口座を担当する担当店舗として」「ユーザの居住地域」に基づいて「実店舗を選択」(支店を抽出)することに他ならないから,甲6発明は,本件特許発明1と同様に,「ユーザの口座を担当する担当店舗として」「ユーザの居住地域」に基づいて「実店舗を選択」しているといえる。
したがって,本件特許発明1と,甲6発明とは,「ユーザの口座を担当する担当店舗として」「ユーザの居住地域」に基づいて「実店舗を選択」する「店舗選択部」を備える「口座開設装置」である点で共通している。
しかし,本件特許発明1の「店舗選択部」は,「前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗が前記店舗情報に存在する場合,前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗を選択し,前記ユーザの居住地域に対応する前記実店舗が前記店舗情報に存在しない場合,前記担当店舗として,仮想店舗を選択し」ているのに対し,甲6発明の店舗選択部は,「第1情報に含まれるユーザの住所と,第2情報に含まれる複数の支店住所の各々との間の直線距離または道路上の最短経路を計算し,ユーザの住所に近い複数の支店を抽出して」いる点で相違している。
イ 一致点・相違点
上記アより,本件特許発明1と甲6発明とは,以下(ア)の点で一致し,また,以下(イ)の点で相違しているといえる。
(ア)一致点
「実店舗に,地域を対応付けた店舗情報を取得する店舗情報取得部と,
口座を開設する手続を行うユーザの居住地域に関するユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と,
前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域に基づいて前記実店舗を選択する店舗選択部と,
を備える口座開設装置。」
(イ)相違点
a <相違点6-1>
本件特許発明1の「店舗情報」は,実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けたものであるのに対し,甲6発明の店舗情報は,実店舗に,前記実店舗が存在する地域を対応付けたものである点。
b <相違点6-2>
本件特許発明1の「店舗選択部」は,「前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗が前記店舗情報に存在する場合,前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗を選択し,前記ユーザの居住地域に対応する前記実店舗が前記店舗情報に存在しない場合,前記担当店舗として,仮想店舗を選択」しているのに対し,甲6発明の店舗選択部は,「第1情報に含まれるユーザの住所と,第2情報に含まれる複数の支店住所の各々との間の直線距離または道路上の最短経路を計算し,ユーザの住所に近い複数の支店を抽出して」いる点。
ウ 相違点の判断
(ア)<相違点6-1>について
甲2-1号証ないし甲6号証のいずれにも,「店舗情報」として,「実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた」ものを取得する上記<相違点6-1>に係る構成が記載も示唆もされておらず,当該構成が本件特許出願前に周知であったとも認められないから,上記<相違点6-1>に係る構成は,甲6発明および甲2-1号証ないし甲5号証に記載の技術的事項に基づいて,当業者が容易に想到し得たものではない。
(イ)<相違点6-2>について
<相違点6-2>に係る構成の内,特に,「前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗が前記店舗情報に存在する場合,前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗を選択」する構成は,上記<相違点6-1>に係る構成を前提としており,上記(ア)で述べたように,上記<相違点6-1>に係る構成は,甲2-1号証ないし甲6号証のいずれにも,記載も示唆もされておらず,当該構成が本件特許出願前に周知であったとも認められないから,上記<相違点6-2>に係る構成は,甲6発明および甲2-1号証ないし甲5号証に記載の技術的事項に基づいて,当業者が容易に想到し得たものではない。
(ウ)作用効果について
本件特許明細書の段落0004には,「発明が解決しようとする課題」として,以下の記載がある。
「銀行業務においては営業を行う範囲が特定されており,特に,地方銀行においては,支店ごとに営業担当が顧客を訪問するような場合が多く,各支店が担当する地域で営業が行われることが多い。この場合,ネットワークを介して口座開設の申込みが行われ,任意の支店に口座が開設されると,口座を開設した顧客の住所が営業地域から外れてしまうことが考えられる。このような場合,支店の営業担当が顧客を訪問して営業を行うことが困難になるという問題がある。」
本件特許発明1は,「実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報を取得」し(<相違点6-1>に係る構成),「前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗が前記店舗情報に存在する場合,前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗を選択」する(<相違点6-2>に係る構成)ことにより,「営業地域」(担当地域)を考慮した「支店に口座が開設される」こととなり,上記課題を解決することが可能となるといえる。
一方,甲6発明では,「第1情報に含まれるユーザの住所と,第2情報に含まれる複数の支店住所の各々との間の直線距離または道路上の最短経路を計算し,ユーザの住所に近い複数の支店を抽出して」いるため,口座を開設した顧客の住所が営業地域から外れてしまうことが起こりうるといえる。
したがって,本件特許発明1は,甲6発明では得られない作用効果を有しているといえる。
また,本件特許発明1の上記作用効果は,甲2-1号証ないし甲6号証のいずれからも予測できないものであるといえる。
(エ)申立人の主張について
a 申立人は,申立書において,<相違点6-1>に係る構成について以下のように主張している。
「甲6発明における「抽出部」は,ユーザの住所に近い住所にある複数の支店名および住所に関する支店情報(第2情報)を抽出する。ここで「ユーザの住所に近い住所にある複数の支店名および住所に関する支店情報(第2情報)を口座を開設する支店として抽出することは,すなわち支店に近い住所を持つユーザだけが当該支店候補にできるということであるから,支店に「近い」地域は支店の「担当地域」といえる。
甲6発明における抽出部は,近さ(「担当地域」に相当)に関する情報を当然に有しており(有していなければ,ユーザの住所に近い住所の支店を特定できない),支店(「実店舗」に相当)及び近さ(「担当地域」に相当)に関する情報に基づいて支店候補を抽出しているのであるから,「実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報を取得する」ものである。
それ故,甲6発明における「抽出部」は,本件第1発明における「店舗情報取得部」に相当する。」(申立書36頁下から8行~37頁6行)
b 以下では,申立人の上記主張について検討する。
申立人は,甲6発明における抽出部は,近さ(「担当地域」に相当)に関する情報を当然に有しており(有していなければ,ユーザの住所に近い住所の支店を特定できない),支店(「実店舗」に相当)及び近さ(「担当地域」に相当)に関する情報に基づいて支店候補を抽出しているのであるから,「実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報を取得する」ものである旨主張しているが,甲6号証には,支店からの近さに関する情報を各支店に対応付けて記憶していることの記載も示唆もない。
また,ユーザの住所に近い住所の支店を特定する際には,支店ごとに当該支店からの近さの情報を予め設定することなく,各支店がユーザの住所から近いか否かを距離演算の際に判定すれば十分,支店の特定が可能であるから,近さに関する情報を当然に有しており,有していなければ,ユーザの住所に近い住所の支店を特定できないとはいえない。
したがって,申立人の上記主張は,甲6号証に記載された発明の認定を誤り,上記<相違点6-1>を看過し,<相違点6-1>に係る構成を一致点としたものであるから採用できない。
エ 本件特許発明1の進歩性のまとめ
以上のとおりであるから,本件特許発明1は,甲6発明,および,甲2-1号証ないし甲5号証記載の技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件特許発明2について
本件特許の請求項2は,請求項1の記載を引用する形式で記載されたものであって,本件特許発明2は,本件特許発明1の全発明特定事項を具備し,これにさらに限定を加えたものに該当するところ,上記(1)で述べたとおり,本件特許発明1が,甲6発明,および,甲2-1号証ないし甲5号証記載の技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない以上,本件特許発明2についても,同様の理由で,甲6発明,および,甲2-1号証ないし甲5号証記載の技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)本件特許発明3について
本件特許の請求項3は,本件特許発明1の発明のカテゴリを,単に,口座開設装置の発明から,口座開設方法の発明に変更したものであって,本件特許発明3は,本件特許発明1と同様の発明特定事項を具備したものに該当するところ,上記(1)で述べたとおり,本件特許発明1が,甲6発明,および,甲2-1号証ないし甲5号証記載の技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない以上,本件特許発明3についても,同様の理由で,甲6発明,および,甲2-1号証ないし甲5号証記載の技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(4)本件特許発明4について
本件特許の請求項4は,請求項1または2の記載を引用する形式で記載されたものであって,本件特許発明4は,本件特許発明1の全発明特定事項を具備し,これにさらに限定を加えたものに該当するところ,上記(1)で述べたとおり,本件特許発明1が,甲6発明,および,甲2-1号証ないし甲5号証記載の技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない以上,本件特許発明4についても,同様の理由で,甲6発明,および,甲2-1号証ないし甲5号証記載の技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(5)小括
以上から,本件特許発明1ないし4は,いずれも,甲6発明,および,甲2-1号証ないし甲5号証記載の技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではないから,申立人の申立ての理由1(甲6発明に基づく進歩性)によって,本件特許発明1ないし4についての特許を取り消すことはできない。
3 サポート要件
申立人は,理由2において,本件特許発明1ないし4に係る特許のサポート要件違反を主張しているので,以下検討する。
(1)本件特許発明1について
ア サポート要件の判断枠組み
特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するか否かは,特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し,特許請求の範囲に記載された発明が,発明の詳細な説明に記載された発明で,発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できる範囲のものであるか否か,また,発明の詳細な説明に記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
以下,上記観点に立って,本件特許の特許請求の範囲の請求項1の記載がサポート要件に適合するか否かについて検討する。
イ 請求項1の記載
本件特許の特許請求の範囲の請求項1の記載は,上記第2に記載のとおりである。
ウ 発明の詳細な説明に記載された課題
本件特許明細書には,発明が解決しようとする課題に関して,以下の記載がある。(下線は当審が付加した。以下同様。)
「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,銀行業務においては営業を行う範囲が特定されており,特に,地方銀行においては,支店ごとに営業担当が顧客を訪問するような場合が多く,各支店が担当する地域で営業が行われることが多い。この場合,ネットワークを介して口座開設の申込みが行われ,任意の支店に口座が開設されると,口座を開設した顧客の住所が営業地域から外れてしまうことが考えられる。このような場合,支店の営業担当が顧客を訪問して営業を行うことが困難になるという問題がある。
また,ネットワークを介して口座開設の申込みが行われ,顧客の住所の近くに支店があるにも拘らず,遠方の支店やインターネット支店に口座が開設されてしまうと,口座を開設した顧客の住所が営業地域から外れてしまう。このような場合,支店の営業担当が顧客を訪問して営業を行うことが困難になるという問題がある。
また,口座を開設しようとするユーザにとって,多数の支店があると,どの支店を選べばよいか判断が難しいという問題があった。
【0005】
本発明は,このような事情に鑑みてなされたもので,その目的は,銀行側にとっては営業が行い易くなるように,顧客側にとっては店舗が選択し易くなるように,口座を担当する店舗を案内することができる口座開設装置,口座開設方法,及びプログラムを提供することにある。」
申立人は,上記課題の内,特に下線が付加された部分の課題を解決しない発明が,本件特許発明1に含まれているから,サポート要件を満たしていない旨主張している。
エ 本件特許発明1に対応する発明の詳細な説明の記載
(ア)「店舗情報取得部」について
本件特許明細書の発明の詳細な説明には,本件特許発明1の「実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報を取得する店舗情報取得部」に対応して,以下のような記載がある。
a「【0024】
支店選択部202は,ユーザが開設する口座を担当する担当支店の候補となる支店を選択する。
支店選択部202は,支店情報記憶部204を参照し,支店情報を取得する。つまり,支店選択部202は,「店舗情報取得部」の一例である。
また,支店選択部202は,ユーザ情報記憶部205を参照し,ユーザ情報を取得する。つまり,支店選択部202は「ユーザ情報取得部」の一例である。」
b 図2
[図:0001395260000011.jpg]
c 「【0027】
ここで,支店情報について,図2を用いて説明する。
図2は,実施形態による支店情報の構成例を示す図である。
図2に示すように,支店情報は,例えば,支店名称,及び対応地域等の項目を備える。支店名称には支店の名称が示される。対応地域には,支店が対応する地域が示され,この例では,支店が対応する地域の郵便番号が示されている。この例では,「○○中央支店」の担当地域は,郵便番号が「123-4567」,及び「234-5678」の地域である。また,「○○駅南口支店」の担当地域は,郵便番号が「123-4567」,及び「345-6789」の地域であることを示している。」
d 図6
[図:0001395260000012.jpg]
e 「【0032】
図6は,口座開設サーバ20の動作を説明するフローチャートである。
口座開設サーバ20の支店選択部202は,支店情報記憶部204を参照し,支店情報を取得する(ステップS1)。
支店選択部202は,ユーザ情報記憶部205を参照し,通信部201を介して端末装置10から受信されたユーザ情報を取得する(ステップS2)。
支店選択部202は,支店情報にある支店の担当地域の郵便番号に,ユーザ情報に含まれるユーザの郵便番号と一致するものがあるか否かを判定する(ステップS3)。
支店選択部202は,支店情報にある支店の担当地域の郵便番号に,ユーザ情報に含まれるユーザの郵便番号と一致するものがある場合,その担当地域の郵便番号がユーザの郵便番号と一致する実支店を候補として選択する(ステップS4)。
一方,支店選択部202は,支店情報にある支店の担当地域の郵便番号に,ユーザ情報に含まれるユーザの郵便番号と一致するものがない場合,仮想支店を候補として選択する(ステップS5)。」
本件特許発明1の「実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報を取得する店舗情報取得部」は,本件特許明細書等の上記a~eに記載されたものであり,上記a~eの特に下線部の記載に着目すると,支店情報記憶部204を参照し,支店情報(例えば,図2のような,支店名称,及び対応地域等の項目を備え,支店名称には支店の名称が示され,対応地域には,支店が対応する地域(支店が対応する地域の郵便番号)が示されている。)を,支店情報記憶部204から取得する(図6 ステップS1)ものとして記載されているといえる。
(イ)「店舗選択部」について
本件特許明細書の発明の詳細な説明には,本件特許発明1の「前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗が前記店舗情報に存在する場合,前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗を選択し,前記ユーザの居住地域に対応する前記実店舗が前記店舗情報に存在しない場合,前記担当店舗として,仮想店舗を選択する店舗選択部」に対応して,以下のような記載がある。
a「【0022】
口座開設サーバ20は,例えば,通信部201,支店選択部202,制御部203,支店情報記憶部204,及びユーザ情報記憶部205を備える。ここで,支店選択部202は,「店舗選択部」の一例である。」
b「【0025】
支店選択部202は,ユーザの居住地域を担当地域とする実支店が支店情報に存在する場合,担当支店として,そのユーザの居住地域を担当地域とする実支店を選択する。
一方,支店選択部202は,ユーザの居住地域に対応する実支店が支店情報に存在しない場合,担当支店として仮想支店を選択する。
具体的に,支店選択部202は,支店情報にある実支店が担当する担当地域の郵便番号に,ユーザの居住地域の郵便番号と一致するものがあるか否かを判断する。支店選択部202は,一致する郵便番号がある場合,その郵便番号に対応する地域を担当地域とする支店を,候補とする。
一方,支店選択部202は,一致する郵便番号がない場合,仮想支店を候補とする。」
本件特許発明1の「前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗が前記店舗情報に存在する場合,前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗を選択し,前記ユーザの居住地域に対応する前記実店舗が前記店舗情報に存在しない場合,前記担当店舗として,仮想店舗を選択する店舗選択部」は,本件特許明細書等の上記aおよびbに記載されたものであり,上記aおよびbの特に下線部の記載に着目すると,ユーザの居住地域を担当地域とする実支店が支店情報に存在する場合,担当支店として,そのユーザの居住地域を担当地域とする実支店を選択し,存在しない場合,担当支店として仮想支店を選択するものであり,具体的には,支店情報にある実支店が担当する担当地域の郵便番号に,ユーザの居住地域の郵便番号と一致するものがあるか否かを判断し,一致する郵便番号がある場合,その郵便番号に対応する地域を担当地域とする支店を候補とし,一致する郵便番号がない場合,仮想支店を候補とするものとして記載されているといえる。
オ 課題の解決について
本件特許明細書の段落0004には,「発明が解決しようとする課題」として,以下の記載がある。
「銀行業務においては営業を行う範囲が特定されており,特に,地方銀行においては,支店ごとに営業担当が顧客を訪問するような場合が多く,各支店が担当する地域で営業が行われることが多い。この場合,ネットワークを介して口座開設の申込みが行われ,任意の支店に口座が開設されると,口座を開設した顧客の住所が営業地域から外れてしまうことが考えられる。このような場合,支店の営業担当が顧客を訪問して営業を行うことが困難になるという問題がある。」
本件特許発明1は,「店舗情報取得部」が「実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報を取得」し,「店舗選択部」が「前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗が前記店舗情報に存在する場合,前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗を選択」することにより,「営業地域」(担当地域)を考慮した「支店に口座が開設される」こととなり,特許請求の範囲の請求項1に記載された発明が上記課題を解決しているといえる。
また,本件特許明細書の下記記載を参照しても,上記課題を解決していることは明らかであるといえる。
「【0034】
例えば,ユーザが,ユーザの居住地域に関わらず任意に支店を選ぶ場合,ある支店の担当地域に住むユーザであっても遠方の支店やインターネット支店を選んでしまうことが考えられる。この場合には各々の支店が担当地域外に訪問して営業を行うこととなり,営業がし難くなる。
これに対し,本実施形態の口座開設サーバ20は,ユーザの居住地域を担当地域とする実支店がある場合にはその実支店を選択するため,ユーザは選択された実店舗の中から支店を選ぶことができ,ユーザの居住地域を担当地域とする実支店が,当該ユーザの口座を担当することで顧客への訪問が容易となる。
また,ユーザにとっては,口座開設サーバ20により口座を担当する支店の候補が選択され,多くの支店の中から担当支店を選ぶ必要がないため,支店を選択し易くなる。
【0035】
また,訪問のし易さのみを考慮して,インターネット支店があるにも関わらず,画一的に,ユーザの居住地域に近い実支店が,当該ユーザの口座を担当するようにした場合,特定の支店に,遠方の地域に住む顧客の口座が集中してしまうことが考えられる。例えば,千葉県にのみ支店がある銀行の場合,東京在住の顧客の口座は,全て,千葉県内で最も東京寄りにある支店が担当することになる。このような場合,遠方の地域に住むユーザの口座が集中した支店の業務がひっ迫してしまう。また,業務がひっ迫してしまうと,その支店の担当地域に住む顧客への対応が不十分なものとなり,十分な営業活動を行うことができないために顧客の満足度が低下し,顧客獲得の機会を失ってしまう可能性がある。
これに対し,実施形態の口座開設サーバ20は,ユーザの居住地域を担当地域とする実支店がない場合にはインターネット支店を選択させることができ,支店の担当地域に住む顧客への営業活動を十分なものとし,尚且つ,訪問することが困難な地域の顧客に対しては,例えば電子メールなどを用いた形態に特化した,訪問とは異なる営業活動を行うことができる。」
さらに,上記エ(ア),および,上記エ(イ)から,本件特許発明1の「実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報を取得する店舗情報取得部」および「前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗が前記店舗情報に存在する場合,前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗を選択し,前記ユーザの居住地域に対応する前記実店舗が前記店舗情報に存在しない場合,前記担当店舗として,仮想店舗を選択する店舗選択部」は,それぞれ,本件特許明細書等に記載された発明であるといえる。
カ 小括
以上から,本件特許発明1は,発明の詳細な説明に記載された発明であり,発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できる範囲のものであるといえるから,サポート要件を満たしているといえる。
キ 申立人の主張について
申立人は,「本件発明における店舗選択部は,店舗情報取得部によって取得された店舗情報において,ユーザの居住地域を担当地域とする実店舗が「存在する場合」と「存在しない場合」とに応じて選択する店舗を変えるものである。すなわち,店舗選択部は,ユーザの居住地域担当地域とする実店舗の存在の有無を判断しているにすぎず,実店舗の担当地域とユーザの居住地域を比較判定するものではない。」と主張しているところ,本件特許発明1の「店舗選択部」は,「前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗が前記店舗情報に存在する場合,前記ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗を選択し,前記ユーザの居住地域に対応する前記実店舗が前記店舗情報に存在しない場合,前記担当店舗として,仮想店舗を選択する店舗選択部」と規定されており,「ユーザの居住地域担当地域とする実店舗の存在の有無を判断している」だけでなく,「ユーザの口座を担当する担当店舗として前記ユーザの居住地域を前記担当地域とする前記実店舗を選択し」ているから,当該申立人の主張は,本件特許発明1の「店舗選択部」の認定を誤ったものであるから採用できない。
また,申立人は,「本件発明における店舗情報取得部は,「実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報」を取得しさえすればよく,実店舗の担当地域とユーザの居住地域を比較判定し,ユーザの居住地域を担当地域とする実店舗の店舗情報を取得するものではない。」と主張しているところ,本件特許発明1の「店舗情報取得部」は,「店舗選択部」における店舗選択の前段で,「実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報」を取得するものであるから,本件特許発明1の「店舗情報取得部」単独で,実店舗の担当地域とユーザの居住地域を比較判定し,ユーザの居住地域を担当地域とする実店舗の店舗情報を取得する必要がある旨の申立人の主張は,本件特許発明1全体の構成に基づいていない点で,本件特許発明1の認定を誤ったものであるから,採用できない。
(2)本件特許発明2について
ア 本件特許発明2に対応する発明の詳細な説明の記載は,上記(1)エで摘記したとおりであるから,特許請求の範囲の請求項2に記載された本件特許発明2は,発明の詳細な説明に記載された発明であるといえる。
イ 本件特許の請求項2は,請求項1を引用するものであるから,本件特許発明2は,本件特許発明1の発明特定事項をすべて備えている。
上記(1)オで述べたように,本件特許発明1は,発明の課題を解決できる範囲のものであるといえるから,本件特許発明1の発明特定事項をすべて備えた本件特許発明2も,本件特許発明1と同様に,発明の課題を解決できる範囲のものであるといえる。
ウ したがって,本件特許発明2は,発明の詳細な説明に記載された発明であり,発明の詳細な説明の記載により当業者が本件特許発明の課題を解決できる範囲のものであるといえるから,本件特許発明2についての特許は,サポート要件を満たしているといえる。
(3)本件特許発明3について
ア 本件特許発明3は,本件特許発明1の発明のカテゴリを,単に,口座開設装置の発明から,口座開設方法の発明へと変更したものであって,本件特許発明1と同様の発明特定事項を備えており,これら発明特定事項に対応する発明の詳細な説明の記載は,上記(1)エで摘記したとおりであるから,特許請求の範囲の請求項3に記載された本件特許発明3は,発明の詳細な説明に記載された発明であるといえる。
イ 本件特許発明3は,上述したように,本件特許発明1と同様の発明特定事項をすべて備えている。
上記(1)オで述べたように,本件特許発明1は,発明の課題を解決できる範囲のものであるといえるから,本件特許発明1と同様の発明特定事項をすべて備えた本件特許発明3も,本件特許発明1と同様に,発明の課題を解決できる範囲のものであるといえる。
ウ したがって,本件特許発明3は,発明の詳細な説明に記載された発明であり,発明の詳細な説明の記載により当業者が本件特許発明の課題を解決できる範囲のものであるといえるから,本件特許発明3についての特許は,サポート要件を満たしているといえる。
(4)本件特許発明4について
ア 本件特許の請求項4は,請求項1または2を引用するものであり,請求項1または2に記載の口座開設装置として動作させるためのプログラムの発明であって,本件特許発明4に対応する発明の詳細な説明の記載は,上記(1)エで摘記したとおりであるから,特許請求の範囲の請求項4に記載された本件特許発明4は,発明の詳細な説明に記載された発明であるといえる。
イ 本件特許の請求項4は,請求項1または2を引用するものであるから,本件特許発明4は,本件特許発明1の発明特定事項をすべて備えている。
上記(1)オで述べたように,本件特許発明1は,発明の課題を解決できる範囲のものであるといえるから,本件特許発明1の発明特定事項をすべて備えた本件特許発明4も,本件特許発明1と同様に,発明の課題を解決できる範囲のものであるといえる。
ウ したがって,本件特許発明4は,発明の詳細な説明に記載された発明であり,発明の詳細な説明の記載により当業者が本件特許発明の課題を解決できる範囲のものであるといえるから,本件特許発明4についての特許は,サポート要件を満たしているといえる。
(5)小括
以上のように,特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された本件特許発明1ないし4は,いずれも,発明の詳細な説明に記載された発明であって,発明の詳細な説明の記載により当業者が本件特許発明の課題を解決できる範囲のものであり,本件特許発明1ないし4はついての特許は,いずれも,サポート要件を満たしているといえるから,申立人主張の理由2(サポート要件)によって,本件特許発明1ないし4についての特許を取り消すことはできない。
4 明確性要件
申立人は,理由3において,本件特許発明1ないし4に係る特許の明確性要件違反を主張しているので,以下検討する。
(1)本件特許発明1について
ア 明確性要件の判断枠組み
特許を受けようとする発明が明確であるか否かは,特許請求の範囲の記載だけではなく,願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し,また,当業者の出願当時における技術常識を基礎として,特許請求の範囲の記載が,第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。
以下,上記観点に立って,本件特許発明1が明確であるか否かについて検討する。
イ 本件特許発明1に対応する発明の詳細な説明の記載
本件特許発明1に対応する願書に添付した明細書の記載及び図面の記載は,上記3(1)エで摘記したとおりである。
ウ 「店舗情報取得部」について
本件特許発明1に対応する願書に添付した明細書の記載及び図面の記載を考慮すれば,上記3(1)エ(ア)の末尾で述べたように,「店舗情報取得部」は,支店情報記憶部204を参照し,支店情報(例えば,図2のような,支店名称,及び対応地域等の項目を備え,支店名称には支店の名称が示され,対応地域には,支店が対応する地域(支店が対応する地域の郵便番号)が示されている。)を,支店情報記憶部204から取得する(図6 ステップS1)ものであるといえる。
また,本件特許発明1に対応する願書に添付した明細書の記載及び図面の記載を考慮すれば,上記3(1)エ(イ)の末尾で述べたように,「店舗選択部」は,ユーザの居住地域を担当地域とする実支店が支店情報に存在する場合,担当支店として,そのユーザの居住地域を担当地域とする実支店を選択するものであり,具体的には,支店情報にある実支店が担当する担当地域の郵便番号に,ユーザの居住地域の郵便番号と一致するものがあるか否かを判断し,一致する郵便番号がある場合,その郵便番号に対応する地域を担当地域とする支店を,候補とするものであるといえる。
ここで,「支店情報にある実支店が担当する担当地域の郵便番号に,ユーザの居住地域の郵便番号と一致するものがあるか否かを判断」する際には,すべての支店のすべての担当地域(の郵便番号)と,ユーザの居住地域(の郵便番号)とを比較する必要があることは,本件特許出願当時の技術常識であるといえるから,本件特許発明1の「店舗情報取得部」が(支店情報記憶部204から)取得する「店舗情報」には,すべての実店舗のすべての担当地域(の郵便番号)が含まれているといえる。
以上から,願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し,当業者の出願当時における技術常識を基礎とすれば,特許請求の範囲の請求項1の記載は,第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえないから,本件特許発明1は,明確性要件を満たしているといえる。
エ 申立人の主張について
申立人は,「本件発明の「店舗情報取得部」は,「実店舗に,前記実店舗が担当する担当地域を対応付けた店舗情報」を取得しさえすればよい。そのため,店舗情報取得部が全ての店舗情報を取得するのか,あるいは実店舗の担当地域とユーザの居住地域を比較判定し,ユーザの居住地域を担当地域とする実店舗の店舗情報を取得するのかについては明確でない。」と主張しているところ,上記ウで述べたように,店舗情報取得部が全ての店舗情報を取得することは,本件特許発明1に対応する願書に添付した明細書の記載及び図面の記載を考慮し,当業者の出願当時における技術常識を基礎とすれば,明確であるから,上記申立人の主張は採用できない。
(2)本件特許発明2について
ア 本件特許の請求項2は,請求項1を引用するものであるから,本件特許発明2は,本件特許発明1の発明特定事項をすべて備えている。
イ 上記(1)ウで述べたように,本件特許発明1に対応する願書に添付した明細書の記載及び図面の記載を考慮し,当業者の出願当時における技術常識を基礎とすれば,本件特許発明1の「店舗情報取得部」が(支店情報記憶部204から)取得する「店舗情報」には,すべての実店舗のすべての担当地域(の郵便番号)が含まれていることが明確であるから,本件特許発明1の発明特定事項をすべて備えた本件特許発明2も,本件特許発明1と同様に,明確であるといえる。
ウ したがって,本件特許発明に対応する願書に添付した明細書の記載及び図面の記載を考慮し,当業者の出願当時における技術常識を基礎とすれば,特許請求の範囲の請求項2の記載は,第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえないから,本件特許発明2は,明確性要件を満たしているといえる。
(3)本件特許発明3について
ア 本件特許発明3は,本件特許発明1の発明のカテゴリを,単に,口座開設装置の発明から,口座開設方法の発明へと変更したものであって,本件特許発明1と同様の発明特定事項をすべて備えている。
イ 上記(1)ウで述べたように,本件特許発明に対応する願書に添付した明細書の記載及び図面の記載を考慮し,当業者の出願当時における技術常識を基礎とすれば,本件特許発明1の「店舗情報取得部」と同様の本件特許発明3の「店舗情報取得部」においても,(支店情報記憶部204から取得する)「店舗情報」には,すべての実店舗のすべての担当地域(の郵便番号)が含まれていることが明確であるから,本件特許発明3も,本件特許発明1と同様に,明確であるといえる。
ウ したがって,本件特許発明に対応する願書に添付した明細書の記載及び図面の記載を考慮し,当業者の出願当時における技術常識を基礎とすれば,特許請求の範囲の請求項3の記載は,第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえないから,本件特許発明3は,明確性要件を満たしているといえる。
(4)本件特許発明4について
ア 本件特許の請求項4は,請求項1または2を引用するものであり,請求項1または2に記載の口座開設装置として動作させるためのプログラムの発明であって,本件特許発明4に対応する発明の詳細な説明の記載は,上記(1)エで摘記したとおりであるから,特許請求の範囲の請求項4に記載された本件特許発明4は,本件特許発明1の発明特定事項をすべて備えている。
イ 上記(1)ウで述べたように,本件特許発明に対応する願書に添付した明細書の記載及び図面の記載を考慮し,当業者の出願当時における技術常識を基礎とすれば,本件特許発明1の「店舗情報取得部」を引用する本件特許発明4の「店舗情報取得部」においても,(支店情報記憶部204から取得する)「店舗情報」には,すべての実店舗のすべての担当地域(の郵便番号)が含まれていることが明確であるから,本件特許発明4も,本件特許発明1と同様に,明確であるといえる。
ウ したがって,本件特許発明に対応する願書に添付した明細書の記載及び図面の記載を考慮し,当業者の出願当時における技術常識を基礎とすれば,特許請求の範囲の請求項4の記載は,第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえないから,本件特許発明4は,明確性要件を満たしているといえる。
(5)小括
以上により,特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された本件特許発明1ないし4は,いずれも,本件特許発明に対応する願書に添付した明細書の記載及び図面の記載を考慮し,当業者の出願当時における技術常識を基礎とすれば,その特許請求の範囲の記載が,第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえないから,申立人主張の理由3によって,本件特許発明1ないし4についての特許を取り消すことはできない。
第6 むすび
以上のとおり,特許異議の申立ての理由1ないし理由3によっては,特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された本件特許発明1ないし4に係る特許を取り消すことはできない。
また,他に請求項1ないし4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり決定する。
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2022-701104