特許異議申立
2022-701023
水中油型乳化組成物
- 審判番号
- 2022-701023
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2017-253525
- 登録番号
- 7057127
- 請求日
- 2022年10月17日
- 審決日
- 2024年01月25日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】花王株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人アルガ特許事務所
- 【異議申立人】石井 悠太
- 審判長/審判官
- 審判長 藤原 浩子
- 審判官 岩下 直人
- 審判官 渕野 留香
- 分類
- P1651.113-YAA(A61K) / P1651.121-YAA(A61K) / P1651.536-YAA(A61K) / P1651.537-YAA(A61K) / P1651.841-YAA(A61K) / P1651.851-YAA(A61K) / P1651.854-YAA(A61K) / P1651.855-YAA(A61K)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第4項第1号、特許法第120条の8第1項、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7057127号発明「水中油型乳化組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7057127号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~12〕について訂正することを認める。
特許第7057127号の請求項1~5、7~9に係る特許を維持する。
特許第7057127号の請求項6、10~12に係る特許についての申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件特許(特許第7057127号)に係る特許出願(特願2017-253525号)は、平成29年12月28日に出願され、令和4年4月11日に設定の登録(請求項の数12)がされ、同年4月19日に特許掲載公報が発行され、その後、同年10月17日に、請求項1~12に係る特許に対し、特許異議申立人 石井悠太(以下「申立人」という。)により、特許異議の申立てがなされた。以後の主な経緯は、次のとおりである。
令和 5年 1月12日付け:取消理由通知書
同年 3月20日 :訂正請求書及び意見書の提出(特許権者)
同年 5月 8日 :意見書の提出(申立人)
同年 7月26日付け:取消理由通知書(決定の予告)
同年 9月13日 :訂正請求書及び意見書の提出(特許権者)
令和5年9月28日付けで、申立人に対し期間を指定して訂正の請求があった旨の通知をしたが(特許法120条の5第5項)、期間内に申立人からの応答はなかった。
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
令和5年9月13日にされた訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)は、一群の請求項である請求項1~12について請求するものであって、次の訂正事項1~7からなるものである(なお、下線は訂正箇所を示す。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「以下の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含有する水中油型乳化組成物。
(A)プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル 0.05質量%以上0.6質量%以下
(B)疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.01質量%以上0.5質量%以下
(C)油剤
(D)界面活性剤
(E)水」と記載されているのを、
「以下の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(G)を含有し、成分(C)が、液状油及び炭素数16~18の脂肪族アルコールを含有し、成分(G)が、セラミド類を含有し、且つ25℃におけるpHが3.5~5.0である水中油型乳化組成物。
(A)プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル 0.05質量%以上0.6質量%以下
(B)疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.01質量%以上0.5質量%以下
(C)油剤
(D)界面活性剤
(E)水
(G)両親媒性成分」と訂正する。
(訂正される請求項1を引用する請求項2~5、7~9についても同様に訂正される。)
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項6を削除する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項7に「請求項1~6のいずれか1項記載の」と記載されているのを、「請求項1~5のいずれか1項記載の」と訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項8に「請求項1~7のいずれか1項記載の」と記載されているのを、「請求項1~5及び7のいずれか1項記載の」と訂正する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項10を削除する。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項11を削除する。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項12を削除する。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
訂正事項1のうち、訂正前の請求項1において、「(G)を含有し、」「成分(G)が、セラミド類を含有し、」「(G)両親媒性成分」を追加する訂正は、願書に添付した明細書(以下「本件明細書」という。)の【0026】【0027】の記載に基づいて、水中油型乳化組成物について、セラミド類を含有する(G)両親媒性成分を含有することを限定するものである。
訂正事項1のうち、訂正前の請求項1において、「成分(C)が、液状油及び炭素数16~18の脂肪族アルコールを含有し、」を追加する訂正は、本件明細書の【0019】~【0021】の記載に基づいて、(C)油剤を限定するものである。
訂正事項1のうち、訂正前の請求項1において、「且つ25℃におけるpHが3.5~5.0」を追加する訂正は、本件明細書の【0016】の記載に基づいて、水中油型乳化組成物について、25℃におけるpHを限定するものである。
したがって、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
請求項1を引用する請求項2~5、7~9についても同様である。
(2)訂正事項2、5~7について
訂正事項2、5~7は、それぞれ、請求項6、10~12を削除するというものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(3)訂正事項3、4について
訂正事項3、4は、いずれも引用する請求項を減少させるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
なお、本件特許異議の申立てにおいては、訂正前の請求項1~12について特許異議の申立てがされているので、訂正事項1~7による訂正については、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
3 訂正についてのまとめ
上記のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~12〕について訂正することを認める。
第3 本件発明
本件訂正は、上記第2のとおり認められるので、請求項1~12に係る発明(以下、請求項の番号に従い「本件発明1」などという。)は、令和5年9月13日提出の訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~12に記載された次の事項により特定されるとおりのものである(なお、下線は訂正箇所を示す。)。
「【請求項1】
以下の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(G)を含有し、成分(C)が、液状油及び炭素数16~18の脂肪族アルコールを含有し、成分(G)が、セラミド類を含有し、且つ25℃におけるpHが3.5~5.0である水中油型乳化組成物。
(A)プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル 0.05質量%以上0.6質量%以下
(B)疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.01質量%以上0.5質量%以下
(C)油剤
(D)界面活性剤
(E)水
(G)両親媒性成分
【請求項2】
成分(A)の含有量が、0.1質量%以上0.2質量%以下である請求項1記載の水中油型乳化組成物。
【請求項3】
成分(B)が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースC8-C24アルキルエーテルである請求項1又は2記載の水中油型乳化組成物。
【請求項4】
成分(B)の0.5%の水/2-プロパノール(119/80(wt/wt))混合溶液の25℃における粘度が72~240mm2/sである請求項1~3のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
【請求項5】
成分(B)の含有量が、0.15質量%以上0.25質量%以下である請求項1~4のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
【請求項6】(削除)
【請求項7】
成分(D)が、2種以上の非イオン性界面活性剤を含有する、又は非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤を含有する請求項1~5のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
【請求項8】
さらに、成分(F)として、多価アルコールを含有する請求項1~5及び7のいずれか1項記載の水中油型乳化組成物。
【請求項9】
前記多価アルコールとしてグリセリンを含有する請求項8記載の水中油型乳化組成物。
【請求項10】(削除)
【請求項11】(削除)
【請求項12】(削除)」
第4 特許異議の申立ての理由、及び取消理由の概要
1 特許異議の申立ての理由(以下「申立理由」という。また、特許異議申立書における「取消理由1」~「取消理由6」を「申立理由1」~「申立理由6」という。)は、概略、次のとおりである(なお、甲号証については、下記「3」を参照。)。
●申立理由1(特許法第29条第1項第3号違反(甲第1号証の請求項1を引用する請求項7を引用する請求項8に記載された発明に基づく新規性欠如))
対象:請求項1~9及び12
証拠:甲第1号証、甲第4号証及び甲第5号証
●申立理由2(特許法第29条第2項違反(甲第1号証の請求項1を引用する請求項7を引用する請求項8に記載された発明に基づく進歩性欠如))
対象:請求項1~12
証拠:甲第1号証~甲第8号証
●申立理由3(特許法第29条第2項違反(甲第1号証の製剤処方例1に基づく進歩性欠如))
対象:請求項1~12
証拠:甲第1号証~甲第8号証
●申立理由4(特許法第29条第2項違反(甲第1号証の製剤処方例4に基づく進歩性欠如))
対象:請求項1~12
証拠:甲第1号証~甲第8号証
●申立理由5(特許法第36条第6項第1号非充足(サポート要件非充足))
対象:請求項1~12
証拠:甲第2号証、甲第3号証、甲第9号証
●申立理由6(特許法第36条第4項第1号非充足(実施可能要件非充足))
対象:請求項1~12
証拠:甲第2号証、甲第3号証、甲第9号証
2 先に通知した取消理由
本件訂正前の特許請求の範囲に係る発明について令和5年1月12日付けで通知した取消理由、及び同年3月20日提出の訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲について同年7月26日付けで通知した取消理由(決定の予告)は、概略、次のとおりである(なお、甲号証については、下記「3」を参照。)。
(1)令和5年1月12日付けで通知した取消理由
●取消理由1(特許法第29条第2項違反(甲第1号証の製剤処方例4に基づく進歩性欠如))
対象:請求項1~12
証拠:甲第1号証~甲第8号証、文献A~文献D
(2)令和5年7月26日付けで通知した取消理由(決定の予告)
●取消理由1(特許法第29条第2項違反(甲第1号証の製剤処方例4に基づく進歩性欠如))
対象:請求項12
証拠:甲第1号証~甲第5号証、文献A~文献D
3 申立人が提出した甲号証、及び職権探知により追加した文献
[申立人が提出した甲号証]
・甲第1号証:特開2017-171628号公報
・甲第2号証:安鋼、平成28年度 埼玉工業大学大学院工学研究科 博士研究論文「新規機能性材料を用いた育毛剤の開発と皮膚改善への応用に関する研究」、提出日:平成29年3月17日
・甲第3号証:国立国会図書館オンライン、安鋼による平成28年度埼玉工業大学大学院工学研究科博士研究論文「新規機能性材料を用いた育毛剤の開発と皮膚改善への応用に関する研究」の検索結果(https://id.ndl.go.jp/digimeta/10371948)
・甲第4号証:島本敏夫ら、「医薬品・化粧品用添加剤サンジェロースの特性とその応用」、製剤機械技術研究会誌 第70号、2010年、Vol.19、No.3、47~55頁
・甲第5号証:大同化成工業株式会社、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースサンジェロース(登録商標)のカタログ、2004年
・甲第6号証:特開2017-81895号公報
・甲第7号証:特開2009-275017号公報
・甲第8号証:特開2009-46472号公報
・甲第9号証:日座和典、「品質工学の立場から見た官能評価実験の課題」、品質工学、2005年12月、Vol.13、No.6、88~94頁
以下、申立人が提出した甲第1号証~甲第9号証を、甲号証の番号に従い、それぞれ甲1~甲9ともいう。
[職権探知により追加した文献]
・文献A:特表2011-511824号公報
・文献B:特開2012-140334号公報
・文献C:特開2017-210408号公報
・文献D:特開平9-87130号公報
・文献E:特開2008-297212号公報(なお、文献Eはなお書きにおいて使用した文献である。)
第5 当審の判断
1 令和5年1月12日付けで通知した取消理由(取消理由1(甲1の製剤処方例4に基づく進歩性欠如))について
本件発明1~5、7~9が、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるか否かについて検討する。
・請求項1~5、7~8についての文献:甲1~甲5、文献A~文献D
・請求項9についての文献:甲1~甲7、文献A~文献D
(1)甲1に記載された発明(下線は当審による。以下同様。)
甲1には、
「<製剤処方例4:乳化系ローション剤>
(1)イオン交換水 残余
(2)プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル 0.15重量%
(3)アラントイン 0.2重量%
(4)ジプロピレングリコール 3重量%
(5)ジグリセリン 1重量%
(6)軽質流動パラフィン 1.5重量%
(7)パルミチン酸イソプロピル 0.5重量%
(8)モノステアリン酸ソルビタン 0.5重量%
(9)ポリソルベート60 1.5重量%
(10)パラベン 0.2重量%
(11)エデト酸2ナトリウム 0.05重量%
(12)カルボキシビニルポリマー 0.2重量%
(13)トリエタノールアミン 0.3%重量%
(14)無水エタノール 5重量%
常法に従い、上記の各成分を配合した処方を調製する。調製した処方を、軟質多孔性材料(天然ゴム発泡体)で形成された塗布部を有する容器に充填することで、本実施形態の乳化系ローション剤を製造することができる。」(【0103】)、「増粘剤としては、本発明による効果をより一層顕著に得られ易いという観点から、セルロース系増粘剤、…(略)…が好ましく、…(略)…、カルボキシビニルポリマー、…(略)…がより好ましく、…(略)…、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、…(略)…が更に好ましい。」(【0054】)、「本実施形態に係る頭皮用外用組成物における増粘剤の含有量は特に限定されず、増粘剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、外用組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。増粘剤の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、外用組成物の総量を基準として、増粘剤の総含有量が、0.01~3.0w/w%であることが好ましく、0.05~2.5w/w%であることがより好ましく、0.05~2.0w/w%であることが更に好ましく、0.1~1.5w/w%であることが特に好ましい。」(【0056】)、「本実施形態に係る頭皮用外用組成物の剤型は、頭皮用外用組成物の用途等に応じて任意に選択することができ、例えば、外用液剤、リニメント剤、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤等とすることができる。これらの剤型には、公知の方法に従って製剤化することができる。本実施形態に係る頭皮用外用組成物の剤型は、外用液剤、ローション剤、ゲル剤であることが好ましく、外用液剤、ローション剤であることがより好ましい。」(【0072】)との記載がある。
そうすると、甲1には、製剤処方例4の記載から、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「以下の成分(1)~(14)を含有する乳化系ローション剤。
(1)イオン交換水 残余
(2)プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル 0.15重量%
(3)アラントイン 0.2重量%
(4)ジプロピレングリコール 3重量%
(5)ジグリセリン 1重量%
(6)軽質流動パラフィン 1.5重量%
(7)パルミチン酸イソプロピル 0.5重量%
(8)モノステアリン酸ソルビタン 0.5重量%
(9)ポリソルベート60 1.5重量%
(10)パラベン 0.2重量%
(11)エデト酸2ナトリウム 0.05重量%
(12)カルボキシビニルポリマー 0.2重量%
(13)トリエタノールアミン 0.3%重量%
(14)無水エタノール 5重量%」
(2)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と引用発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「以下の成分(A)、(C)、(D)及び(E)を含有する乳化組成物。
(A)プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル 0.15質量%
(C)油剤
(D)界面活性剤
(E)水」
<相違点1>
本件発明1には、「(B)疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース」を「0.01質量%以上0.5質量%以下」の含有量で含むことが特定されているのに対して、引用発明にはそのような特定がなされていない点。
<相違点2>
本件発明1には、「乳化組成物」の型が「水中油型」であることが特定されているのに対して、引用発明にはそのような特定がなされていない点。
<相違点3>
本件発明1には、「25℃におけるpHが3.5~5.0である」ことが特定されているのに対して、引用発明にはそのような特定がなされていない点。
<相違点4>
本件発明1には、「セラミド類」を含む(G)両親媒性成分を含有することが特定されているのに対して、引用発明にはそのような特定がなされていない点。
<相違点5>
本件発明1には、「成分(C)が、液状油及び炭素数16~18の脂肪族アルコールを含有」することが特定されているのに対して、引用発明にはそのような特定がなされていない点。
イ 判断
相違点5に関し、甲1には、引用発明の乳化系ローション剤を含め、頭皮用外用組成物に含有され得る基剤又は担体が、【0058】に多数列記されており、その中には、液状油に相当する軽質流動パラフィンのみならず、炭素数18の脂肪族アルコールに相当するステアリルアルコールも列記されているが、甲1には、多数列記される中から、液状油及び炭素数16~18の脂肪族アルコールに相当する成分という2種類の成分を選択し、これらを組み合わせて含有することを動機付ける記載はなく、引用発明の乳化系ローション剤において、液状油に相当する軽質流動パラフィンと炭素数16~18の脂肪族アルコールを併用して相違点5に係る本件発明1の構成を備えたものとすることを当業者が動機付けられるとはいえない。
一方、本件明細書の【0021】には、「本発明においては、水中油型乳化組成物がラメラ状のα-ゲル構造を形成させ、より優れた使用感(なめらかさ、べたつきのなさ)を奏させる観点から、油剤として液状油と高級アルコール(当審注:炭素数16~18の脂肪族アルコールもこれに相当する。)を併用するのがより好ましい。」とも記載され、該効果は当業者が予測し得るものでもない。
また、甲2~甲5、及び文献A~文献Dにも、液状油及び炭素数16~18の脂肪族アルコールに相当する成分という2種類の成分を組み合わせることについて記載も示唆もない。
そうすると、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明、甲1~甲5、及び文献A~文献Dに記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
請求項1を直接又は間接的に引用する請求項に係る本件発明2~5、7~9についても同様である。
(3)申立人の主張について
申立人は、甲1の頭皮用外用組成物は、増粘剤として疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み得るところ、甲1には、炭素数16のセタノールや炭素数18のステアリルアルコールといった固形油を配合することが開示されており(【0058】)、また、文献Cの実施例18には、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース(サンジェロース60M)とステアリルアルコールとを含有する具体例が開示されているから、甲1の頭皮用外用組成物において、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースとともに、炭素数16~18の脂肪族アルコールを含有させることは容易である旨を主張する(特許異議申立書15頁下から2行~16頁8行、意見書4頁(5))。
しかしながら、甲1の【0058】における、セタノールやステアリルアルコールの記載はあくまで例示にとどまるものであるし、また、上記(2)イのとおり、液状油及び炭素数16~18の脂肪族アルコールを組み合わせて含有することを動機付ける記載はなく、本件発明の効果は当業者が予測し得るものではないから、申立人の主張を採用することができない。
(4)小括
以上述べたとおり、本件発明1~5、7~9は、引用発明、甲1~甲7、及び文献A~文献Dに記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。したがって、請求項1~5、7~9に係る特許は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明に対してなされたものでないから、上記の取消理由により取り消されるべきものでない。
2 令和5年7月26日付けで通知した取消理由(決定の予告)(取消理由1(甲1の製剤処方例4に基づく進歩性欠如))について
当該取消理由1は、令和5年3月20日提出の訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項12を対象とする取消理由であったが、令和5年9月13日提出の訂正請求書による本件訂正により、請求項12は削除され、請求項12に係る特許についての特許異議の申立は、特許法第120条の8第1項において準用する同法第135条の規定により却下されたため、当該取消理由1については、判断を要しない。
第6 申立理由1~6についての当審の判断
1 申立理由1、2(新規性欠如・進歩性欠如)について
申立理由1及び2は、甲1を主引例とする点で、令和5年1月12日付けで通知した取消理由(取消理由1(甲1の製剤処方例4に基づく進歩性欠如))と同旨であるが、甲1の請求項1を引用する請求項7を引用する請求項8に記載された発明に基づく理由である点で異なっている。
(1)甲1に記載された発明
甲1には、
「【請求項1】
低級アルコールを含有し、軟質多孔性材料で形成された塗布部を備える容器に収容されてなる頭皮用外用組成物。」、
「【請求項7】
ステロイド、モノテルペン、及び抗ヒスタミン成分からなる群より選択される少なくとも1種を更に含有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の頭皮用外用組成物。」、
「【請求項8】
増粘剤を更に含有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の頭皮用外用組成物。」との記載がある。
そうすると、甲1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているといえる。
「ステロイド、モノテルペン、及び抗ヒスタミン成分からなる群より選択される少なくとも1種、増粘剤、並びに低級アルコールを含有し、軟質多孔性材料で形成された塗布部を備える容器に収容されてなる頭皮用外用組成物。」
(2)本件発明1について
ア 対比
引用発明1の「低級アルコール」は、アルコールである限度で、本件発明1の「炭素数16~18の脂肪族アルコール」と一致するといえる。
そうすると、本件発明1と引用発明1の一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「アルコールを含有する組成物。」
<相違点1>
本件発明1には、「(A)プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル」を「0.05質量%以上0.6質量%以下」の含有量で含むことが特定されているのに対して、引用発明1にはそのような特定がなされていない点。
<相違点2>
本件発明1には、「(B)疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース」を「0.01質量%以上0.5質量%以下」の含有量で含むことが特定されているのに対して、引用発明1にはそのような特定がなされていない点。
<相違点3>
本件発明1には、「液状油及び炭素数16~18の脂肪族アルコールを含有」する「(C)油剤」を含むことが特定されているのに対して、引用発明1にはそのような特定がなされていない点。
<相違点4>
本件発明1には、「(D)界面活性剤」を含むことが特定されているのに対して、引用発明1にはそのような特定がなされていない点。
<相違点5>
本件発明1には、「(E)水」を含むことが特定されているのに対して、引用発明1にはそのような特定がなされていない点。
<相違点6>
本件発明1には、「乳化組成物」の型が「水中油型」であることが特定されているのに対して、引用発明1にはそのような特定がなされていない点。
<相違点7>
本件発明1には、「25℃におけるpHが3.5~5.0である」ことが特定されているのに対して、引用発明1にはそのような特定がなされていない点。
<相違点8>
本件発明1には、「セラミド類」を含む(G)両親媒性成分を含有することが特定されているのに対して、引用発明1にはそのような特定がなされていない点。
イ 判断
(ア)新規性について
相違点1~8は、実質的な相違点であるから、本件発明1について、引用発明1であるとはいえず、本件発明1は、甲1に記載された発明であるとはいえない。
請求項1を直接又は間接的に引用する請求項に係る本件発明2~5、7~9についても同様である。
したがって、申立理由1には理由がない。
(イ)進歩性について
相違点3に関し、上記第5の1(2)で述べたように、申立人が提出したいずれの文献にも、液状油及び炭素数16~18の脂肪族アルコールという2種類の成分を選択して組み合わせることについて記載も示唆もない。
そうすると、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明1、申立人が提出した文献に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
請求項1を直接又は間接的に引用する請求項に係る本件発明2~5、7~9についても同様である。
したがって、申立理由2には理由がない。
2 申立理由3(進歩性欠如)について
申立理由3は、甲1を主引例とする点で、令和5年1月12日付けで通知した取消理由(取消理由1(甲1の製剤処方例4に基づく進歩性欠如))と同旨であるが、甲1の製剤処方例1に基づく進歩性欠如の理由である点で、異なっている。
(1)甲1に記載された発明(下線は当審による。以下同様。)。
甲1には、「<製剤処方例1:ローション剤>
(1)イオン交換水 残余
(2)プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル 0.15重量%
(3)l-メントール 3.5重量%
(4)1,3-ブチレングリコール 5重量%
(5)パラベン 0.1重量%
(6)エデト酸2ナトリウム 0.05重量%
(7)疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.1重量%
(8)無水エタノール 45重量%
常法に従い、上記の各成分を配合した処方を調製する。調製した処方を、軟質多孔性材料(天然ゴム発泡体)で形成された塗布部を有する容器に充填することで、本実施形態のローション剤を製造することができる。」(【0100】)、「本実施形態に係る頭皮用外用組成物は、例えば、可溶化系、乳化系又は粉末分散系の組成物であってよい。本発明による効果をより顕著に奏する観点から、頭皮用外用組成物は、可溶化系の組成物であることが好ましい。本明細書において可溶化系とは、水と油とが相分離せずに均一で透明の外観を呈し、熱力学的にも安定な一相系の状態を指す。すなわち、可溶化系とは、乳化系又は粉末分散系を除く状態である。」(【0071】)との記載がある。
そうすると、甲1には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているといえる。
「以下の成分(1)~(8)を含有するローション剤。
(1)イオン交換水 残余
(2)プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル 0.15重量%
(3)l-メントール 3.5重量%
(4)1,3-ブチレングリコール 5重量%
(5)パラベン 0.1重量%
(6)エデト酸2ナトリウム 0.05重量%
(7)疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.1重量%
(8)無水エタノール 45重量%」
(2)本件発明1について
ア 対比
(ア)引用発明2の「イオン交換水」は、本件発明1の「水」に相当する。
(イ)引用発明2における「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル」の含有量は0.15重量%であり、本件発明1における含有量の範囲内である。
(ウ)引用発明2の「疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース」は、本件発明1の「疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース」に相当する。
(エ)引用発明2における「疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース」の含有量は0.1重量%であり、本件発明1における含有量の範囲内である。
(オ)引用発明2の「ローション剤」は、本件発明1の「組成物」に相当する。
上記(ア)~(オ)から、本件発明1と引用発明2の一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「以下の成分(A)、(B)及び(E)を含有する組成物。(A)プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル 0.15質量% (B)疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.1質量%(E)水」
<相違点1>
本件発明1には、「水中油型乳化組成物」であることが特定されているのに対して、引用発明2にはそのような特定がなされていない点。
<相違点2>
本件発明1には、「液状油及び炭素数16~18の脂肪族アルコールを含有」する「(C)油剤」を含むことが特定されているのに対して、引用発明2にはそのような特定がなされていない点。
<相違点3>
本件発明1には、「(D)界面活性剤」を含むことが特定されているのに対して、引用発明2にはそのような特定がなされていない点。
<相違点4>
本件発明1には、「25℃におけるpHが3.5~5.0である」ことが特定されているのに対して、引用発明2にはそのような特定がなされていない点。
<相違点5>
本件発明1には、「セラミド類」を含む(G)両親媒性成分を含有することが特定されているのに対して、引用発明2にはそのような特定がなされていない点。
イ 判断
相違点2に関し、上記第5の1(2)で述べたように、申立人が提出したいずれの文献にも、液状油及び炭素数16~18の脂肪族アルコールという2種類の成分を選択して組み合わせることについて記載も示唆もない。
そうすると、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明2、申立人が提出した文献に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
請求項1を直接又は間接的に引用する請求項に係る本件発明2~5、7~9についても同様である。
したがって、申立理由3には理由がない。
3 申立理由4(進歩性欠如)について
当該申立理由4は、上記第5の1で検討した、令和5年1月12日付けで通知した取消理由(取消理由1(甲1の製剤処方例4に基づく進歩性欠如))と同旨であるところ、取消理由1において検討した文献に加え、申立人が提出した他の文献の記載を考慮しても、申立理由4には理由がない。
4 申立理由5(サポート要件非充足)について
(1)サポート要件の充足について
ア 判断基準
特許請求の範囲の記載が明細書のサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
そこで、以下、検討する。
イ 本件発明の課題
発明の詳細な説明の記載から、本件発明が解決しようとする課題は、「有効成分であるステロイド系抗炎症剤を長期間安定に製剤中に保持でき、乳化安定性にも優れ、かつ塗布時になめらかで、べたつきがない等の優れた感触を示す水中油型乳化組成物を提供すること」であると解される(【0005】)。
ウ 判断
発明の詳細な説明には、本件発明の水中油型乳化組成物について、各配合成分の具体例や配合割合、組成物の製造方法が記載され、所望の安定性や使用感が得られることが具体的に記載されている(【0010】~【0038】、【実施例】)。
このような発明の詳細な説明の記載を考慮すれば、上記イの本件発明の課題を解決できることを当業者が認識できるといえる。
したがって、本件発明は、発明の詳細な説明に記載したものであるといえる。
(2)特許異議申立書における申立人の主張について
ア 実施例の開示について
本件明細書の発明の詳細な説明の実施例において、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル0.15質量%又は0.3質量%に対し、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.1質量%、0.2質量%又は0.3質量%含む水中油型乳化組成物についての試験が行われているものの、実施例以外のプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルの濃度(0.05質量%以上0.6質量%以下)及び疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースの濃度(0.01質量%以上0.5質量%以下)においても同様の効果が得られるか否かについては検証されていない旨を申立人は主張する。
しかしながら、本件発明の有効成分の長期安定性、乳化安定性、なめらかさ、べたつきのなさといった作用効果は、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースの寄与によるところが大きいと考えられるところ(甲2:126頁)、例えば、実施例の10分の1の濃度の疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース(0.01質量%)であったとしても、本件発明の所望の効果をある程度奏することは理解できる。
また、申立人は、実施例以外のプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルの濃度(0.05質量%以上0.6質量%以下)及び疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースの濃度(0.01質量%以上0.5質量%以下)においては、実施例と同様の効果が得られないことについて具体的な根拠を示していない。
したがって、申立人の上記主張は採用できない。
イ 官能評価について
申立人は、官能評価は、基準サンプルを設定し、差としての相対評価をすべきであるところ(甲9)、本件明細書の実施例における官能評価は、何を基準として「良好(良い)」などとするのかという評価基準が不明であり、パネラーの専門性も不明であるから、当該官能評価が合理的であったと当業者が推認できない旨を主張する。
しかしながら、発明の詳細な説明の実施例には、官能評価をしたパネラーについて、「10名のにおい判定専門パネラー」(【0045】)、「10名の専門パネラー」(【0047】、【0048】)と記載されていることから、パネラーは官能評価の手法について精通した者であり、また、甲2(129頁~130頁)に記載されるように、本件発明の属する技術分野において、具体的な基準サンプルを設定せずに官能評価を行うことも一般的であるから、実施例の評価手法に特段の不適切な点は見いだせない。
したがって、申立人の上記主張は採用できない。
ウ 「界面活性剤」(本件発明1)、「多価アルコール」(本件発明8)との特定について
特許請求の範囲において、「界面活性剤」(本件発明1)、「多価アルコール」(本件発明8)と記載されており、これらについて具体的な化合物及び濃度(量)は特定されていない旨を申立人は主張する。
しかしながら、本件発明の有効成分の長期安定性、乳化安定性、なめらかさ、べたつきのなさといった作用効果は、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースの寄与によるところが大きいと考えられるところ(甲2:126頁)、そのような作用効果を奏する範囲で、「界面活性剤」、「多価アルコール」については多様なものを適当な量で配合することが可能であると解され、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースが所定量配合されていれば、本件発明の所望の効果をある程度奏することは理解できる。
したがって、申立人の上記主張は採用できない。
(3)小括
以上述べたとおり、申立理由5には理由がない。
5 申立理由6(実施可能要件非充足)について
本件特許が、特許法第36条第4項第1号の要件を満たすというためには、発明の詳細な説明が、本件発明の乳化組成物を製造し使用することができる程度に明確かつ十分に記載したものであることを要するところ、上記4に示した本件明細書の記載を考慮すれば、本件発明の乳化組成物が製造できることは明らかであるし、また、成分組成からみて皮膚外用剤として使用できることも明らかであるといえる。
したがって、発明の詳細な説明は、本件発明を製造し使用することができる程度に明確かつ十分に記載したものである。
申立人は、特許異議申立書3.(4)(4-7)において、同(4-5)イ.~エ.を援用して(当審注:(4-7)における「(4-6)」は正しくは「(4-5)」を意味すると解釈した。)、本件特許が、特許法第36条第4項第1号の要件を満たすとはいえないことを主張しているが、上記「4 申立理由5(サポート要件非充足)について」で述べたのと同様の理由により、申立人の主張は採用できない。
したがって、申立理由6には理由がない。
第7 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正後の請求項1~5、7~9に係る特許は、令和5年1月12日付けで通知した取消理由、及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によって取り消すことはできない。また、他に本件訂正後の請求項1~5、7~9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
さらに、請求項6、10~12に係る特許についての特許異議の申立ては、請求項6、10~12が本件訂正により削除され、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項において準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-701023