商標異議申立
2025-900061
アライナガサナイインバストリートメント、アライナガサナイ、インバストリートメント、インバス
- 審判番号
- 2025-900061
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2024-051381
- 登録番号
- 6883952
- 請求日
- 2025年03月18日
- 審決日
- 2026年05月15日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【権利者】新倉 明功
- 【異議申立人】花王 株式会社
- 【異議申立人代理人】瀧野 文雄
- 【異議申立人代理人】江成 文恵
- 【異議申立人代理人】今井 貴子
- 【異議申立人】株式会社 マンダム
- 審判長/審判官
- 審判長 根岸 克弘
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T1651.13 -Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6883952号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6883952号商標の商標登録を取り消す。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6883952号商標(以下「本件商標」という。)は、「洗い流さないインバストリートメント」の文字を標準文字で表してなり、令和6年5月15日に登録出願、第3類「ヘアートリートメント」を指定商品として、同年12月13日に登録査定され、同7年1月9日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)登録異議申立人「花王株式会社」(以下「申立人1」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第26号証を提出した。(枝番号を含む。枝番号のすべてを示すときは、枝番号を省略する。また、申立人1の提出に係る証拠を「申立1甲○」のように記載する場合がある。)
ア 「インバス」の文字に関する取引実情
本件商標を構成する「インバス」の「イン」の文字は、「他の外来語の上に付いて、内側の、中へ、中で、などの意を表す。」(出典:デジタル大辞泉 小学館)等の意味を有する語であり(甲2)、「バス」の文字は、「洋式の浴槽。また、浴室。」(同出典)の意味を有する語であるから、「インバス」の文字部分は全体として、「お風呂の中で。浴室で。」ほどの意味合いを容易に認識させる。
また、本件商標の指定商品を取り扱う業界においては、お風呂、浴室で使用する商品について、「インバス」の文字を用いて表記して取引が行われており、商品アイテムの「カテゴリ名」としても表示されている実情がある。
(ア)「ヘアートリートメント」を含むヘアケアについて「インバス」の語を、本件商標の登録査定前に使用する例(甲3~甲8)。
(イ)「ヘアートリートメント」を含むヘアケア商品について「インバス」の語を、商品の「カテゴリ名」として使用する例(甲9、甲10)。
イ 「洗い流さないトリートメント」に関する取引実情
本件商標は、「洗い流さないインバストリートメント」の文字を標準文字で表したものであるところ、「トリートメント」には「洗い流すトリートメント」と「洗い流さないトリートメント」があることは、本件商標の指定商品の業界においては周知の事実である。
(ア)「洗い流さないトリートメント」は、「洗い流すトリートメント」と異なり、「トリートメント」を付けた後に洗い流すことを行わないが、「濡れた髪」、「タオルドライ後」の完全に乾ききった髪ではなく濡れた状態の髪になじませて使用する場合があり、その使用方法が一般に紹介されている(甲11、甲12)。
(イ)申立人1は、本件商標を構成する「インバストリートメント」の文字部分について、「洗い流さないトリートメント」のことであると定義するウェブサイトがあることを認識している。
しかしながら、「インバス」の文字は「お風呂の中で。浴室で。」の意味合いを有し、「洗い流さないトリートメント」は、乾いた髪のみではなく、濡れた髪にも使用されるものである。
また、「洗い流さないインバストリートメント」の文字を一連に使用する例ではないが、本件商標の登録査定前に、「洗い流さないトリートメント」を「お風呂で。浴室で。」の意味合いでインバスに使用できる商品が販売されている事実がある。
a 甲第13号証におけるウェブサイトは、「インバス」、すなわち「お風呂の中」又は「浴室」で使用する「洗い流さないから効くトリートメント」が、本件商標が登録査定される前である2021年11月17日から販売が開始され流通している事実を示すものである。
また、上記ウェブサイトのトリートメントについて、ブランド名の他に「流さないインバストリートメント」とも記載されており、「インバス」、「洗いながさないから効くトリートメント」、「流さないインバストリートメント」の各語は、「お風呂の中又は浴室で使用する」「洗い流さないで使用するトリートメント」という商品の品質・効能・特徴を表す意味合いで使用されていることを示すものである。
b 甲第14号証におけるウェブサイトは、「インバス」又は「アウトバス」で使用することができ、すすぎの必要がないトリートメントが、本件商標が登録査定前である2023年7月18日から発売され流通している事実を示すものである。
上記ウェブサイトにおける「インバス」、「すすぎの必要はありません」の語の各語は、「お風呂の中又は浴室で使用する」「すすぎの必要のない、すなわち、洗い流さないで使用するトリートメント」という商品の品質・効能・特徴を表す意味合いで使用されていることを示すものである。
c 甲第15号証におけるウェブサイトは、「インバス」とは「お風呂の中で使うという意味」であることを毛髪診断士が明示したことを示し、インバストリートメントの中には、洗い流さないタイプがあることを、本件商標の登録査定前に紹介され、当該ウェブサイトにおける「インバス」「洗い流さない」の各語は、「お風呂の中で使用する」「洗い流さないで使用するトリートメント」という商品の品質・効能・特徴を表す意味合いで使用されていることを示すものである。
d 甲第16号証におけるウェブサイトは、毛髪に関する化粧品を扱う取引者や、毛髪診断士等の毛髪の専門家のウェブサイトではないところ、上記ウェブサイトは、「お風呂を出る前に」、すなわち「お風呂の中で」「流さないトリートメント」を付けるというヘアケア方法が、遅くとも2022年以前に紹介されている事実を示すものである。
(ウ)また、本件商標を構成する「洗い流さないインバストリートメント」の文字を一連に使用する例がなくとも、「ヘアートリートメント」と需要者の範囲、販売場所等が同じである商品について、「インバス」の文字が「お風呂の中で。浴室で。」の意味合いで使用され、洗い流さない商品が販売されている事実がある。
甲第17号証ないし甲第25号証において、本件商標の登録査定前、査定後の双方の例を示す。
従前はアウトバス(お風呂の外)で使用するのが一般的である商品をインバス(お風呂の中、浴室)で使用する商品が、本件商標の登録査定前(甲17~甲22)から流通しており、また、その査定後(甲23~甲25)においても流通している実情より、お風呂の中等で使用する商品が流通していることを、「ヘアートリートメント」の需要者は充分に認識しているものと推認できる。
(エ)「ウォーターレスビューティー」の取り組み
昨今、「ウォーターレスビューティー」と称し、肌や環境に配慮した化粧品が流通するところ、「ウォーターレスビューティーの定義」として、「ウォーターレスビューティーでは、水不足の解消や水資源の保護に着目しています。1、原材料に水を使わない 2、製造過程での水の量を減らす 3、製品を使用する際の必要な水の景を減らす」「単に化粧品やコスメの原材料を「ウォーターレス」にするだけの取り組みではなく、製品の製造過程はもちろん、顔を洗ったり、シャンプーしたりする際に使う水の量さえもできるだけ減らしていこうというのが、ウォーターレスビューティーの考え方です。」と「SDGs投稿記事」(2023年12月13日)のウェブサイトに記載されている(甲26)。
この点について、「[ピュア&ロートリートメントLEAVE IT]」のプレスリリースにおいて(甲13の3)、「「ヒトにも環境にも優しい」を追求した結果、“流さないインバストリートメント”に。少量でツルツル、コスパもよく、頭皮にも髪にも優しいトリートメントです。」と記載されており、「お風呂の中で」又は「浴室で」使用する「インバストリートメント」においても、「洗い流さない」ことにより環境に優しいという「ウォーターレスビューティー」の取り組みが行われている事実がある。このような化粧品を取り巻く動向を考慮すると、今後、お風呂で使用する「洗い流す商品」であっても、「洗い流さない商品」が多く流通する可能性は充分にあると考えられる。
(オ)小括
本件商標が自他商品識別力を有するか否かを判断するには、査定時における取引実情を考慮すべきであるところ、本件商標の登録査定前に、「洗い流さないトリートメント」をインバスである「お風呂の中で。浴室で。」使用する商品が販売されている事実、インバスで使用する洗い流さないトリートメントを紹介する例、お風呂の中で流さないトリートメントを付けるというヘアケア方法が、本件商標の指定商品の業界のみならず、毛髪診断士、婚活に関する総合情報サイト等複数の業界において紹介されており、「ヘアートリートメント」の一般的な需要者がこれらの情報に接する機会は少なくないものである。
特に、商品「イグニス イオ マルチプル チョイス ヘアトリートメント」は、「ヘアートリートメント」を含む化粧品の需要者の多くが検索する「@cosme」(甲14の2)に登録されており、当該ウェブサイトに需要者が接する機会は多いものと推認できる。
また、「インバス」の文字が「お風呂で、浴室で。」の意味合いで一般に知られ、「ヘアートリートメント」と需要者の範囲、販売場所を共通にする「乳液」等の商品について、「お風呂の中で」等の意味合いで「インバス」の文字を使用し、洗い流さない商品が販売されている事実がある他、「美容液」のような、一般に浴室の外で使用する商品が、浴室で使用する仕様の商品として流通している。
さらに、「ウォーターレスビューティー」の観点から、「ヒトにも環境にも優しい」を追求した結果、「流さないインバストリートメント」が販売されている事実がある。
そして、本件商標である「洗い流さないインバストリートメント」の文字を一連に使用する例がなくとも、「商標法第3条第1項第3号」の審査基準においては、「一般に認識する場合とは、商標が商品又は役務の特徴等を表示するものとして、現実に用いられていることを要するものではない。」と明示されており、上記の取引実情に鑑みると、本件商標である「洗い流さないインバストリートメント」の文字を「ヘアートリートメント」に使用した場合、需要者は、「洗い流さないタイプのお風呂の中又は浴室で使用するトリートメント」であると、すなわち、単に商品の品質・効能・特徴を普通に用いられる方法で表示したものと一般的に認識するにとどまるものであり、本件商標は、自他商品識別標識として機能を有するとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)登録異議申立人「株式会社マンダム」(以下「申立人2」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。(以下、申立人2の提出に係る証拠を「申立2甲○」のように記載する場合がある。)
ア 取引の実情について
(ア)「洗い流さない」の文字について
本件商標を構成する「洗い流さない」の文字は、「水やお湯を使って流し落とさない」ことを意味するものであり、本件商標の指定商品を取り扱う業界においては、浴室で使用する商品について、「インバス」の文字を用いて「【ランキング】ヘアケアには欠かせない!インバス「ヘアトリートメント」TOP5☆」(甲2)のように、本件商標の指定商品である「トリートメント」の使用用途として使用されている。
そして、商標「洗い流さない/トリートメント」(「/」は改行を表す。以下同じ。)(商願2013-79118)が商標法第3条第1項第3号(品質表示)及び同法第4条第1項第16号(品質等誤認)に該当するとして拒絶されている。
(イ)「インバス」の文字について
本件商標を構成する「インバス」の文字は、「お風呂の中で」を意味するものであり、指定商品を取り扱う業界においては、浴室で使用する商品について、「インバス」の文字を用いて「【ランキング】ヘアケアには欠かせない!インバス「ヘアトリートメント」TOP5☆」(甲2)のように、「トリートメント」の使用用途として使用されている。
そして、商標「インバス」(商願2020-67745)が商標法第3条第1項第3号(品質等表示)及び第4条第1項第16号(品質等誤認)に該当するとして拒絶されてもいる。
(ウ)「トリートメント」の文字について
本件商標を構成する「トリートメント」の文字は、Goo辞書においては、「手当て、治療。特に、傷んだ髪の手入れ。ヘアートリートメント」(甲3)を意味するとされており、本件商標の指定商品を取り扱う業界においては、商品の使用用途に用いられる語として広く認識されており、本件商標の指定商品である「トリートメント」において多用されている。
(エ)「インバストリートメント」の文字について
本件商標を構成する「インバストリートメント」の文字は、「お風呂の中で行うヘアートリートメント」を意味するものであり、本件商標の指定商品を取り扱う業界においては、浴室で使用する商品のカテゴリーを名称として、「インバストリートメント」の文字を用いて「【インバストリートメント】検索結果ページ」(甲4)等のように汎用的に本件商標の指定商品である「トリートメント」の使用用途として使用されている。
(オ)「浴室で使用するヘアートリートメント商品」の市場状況について
浴室で使用するヘアートリートメントの多くは洗い流すヘアートリートメント商品であるが、浴室で使用する又は浴室でも使用できる洗い流さないヘアートリートメント商品も少数派ながら存在する(甲5~甲9)。
イ 総合的な判断
したがって、仮に、現時点においては「洗い流さないインバストリートメント」の文字が、「洗い流さないお風呂の中で使うヘアートリートメント」という商品の品質を表示する文字として使用されている事実がないとしても、本件商標は、その指定商品の「ヘアートリートメント」との関係で商品の品質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本件商標が当該指定商品に使用された場合に、需要者等によって、将来を含め、商品の品質を表示したものとして一般に認識されるものである。
そして、このような場合は知的財産高等裁判所判決において、必ずしも当該商標が現実に当該商品及び役務に使用されていることを要しないと解されている(令和3年(行ケ)10100号、平成25年(行ケ)10142号参照)。
ウ 結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
3 取消理由の通知
当審おいて、本件商標の商標権者に対し、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、同法第43条の3第2項の規定に基づいて、本件商標の登録を取り消すべきである旨の取消理由を令和8年2月3日付けで通知し、相当の期間を指定して意見を求めた。
4 商標権者の意見
商標権者は、上記3の取消理由の通知に対し、何ら意見を述べるところはない。
5 当審の判断
(1)「洗い流さないトリートメント」、「インバス」及び「インバストリートメント」の文字について
本件商標に係る申立人1及び申立人2の提出に係る甲各号証並びに職権調査によれば、以下のとおりである。
ア 「洗い流さないトリートメント」の文字について
(ア)「ラサーナブランドサイト」のウェブサイトにおいて、「洗い流さないトリートメント、どう使えば良いの?」(2021年9月30日)の見出しの下、「洗い流さないトリートメントとは?」、「トリートメントに「洗い流すタイプ」と「洗い流さないタイプ」があるのをご存知でしょうか。」の記載がある(申立1甲11)。
(イ)「マイベストアプリ」のウェブサイトにおいて、「売れ筋/洗い流さない/トリートメント/比較ランキング」の見出しの下、「【徹底比較】洗い流さないトリートメントのおすすめ人気ランキング【美容師が選び方監修|2025年】」(2025年3月7日更新)の目次として「洗い流さないトリートメントとは?オイル・ミルク・クリームの違いは?」、「洗い流さないトリートメントの選び方」等の記載がある(申立2甲1)。
(ウ)新聞記事情報(職権調査)
a 2019年4月12日付け化学工業日報(8ページ)において、「ヘンケル、洗い流さないトリートメント発売、ハリ・コシのある髪質に」の見出しの下、「ヘンケルジャパンは、毛髪強化システム「ファイバープレックス」のホームケアシリーズとして「ファイバープレックスNo.4ボンドセラム(洗い流さないトリートメント)」を15日から全国のサロン向けに発売する。」の記載がある。
b 2019年4月27日付け中国新聞セレクト(2ページ)において、「[わが社の流儀]自社内に多様な職種 ヤマサキ(広島市中区) 品質保証課長兼企業PR担当 山上陽市郎さん(40) 顧客の感動・満足 従業員に責任感」の見出しの下、「中でも主力商品である、お風呂上がりのぬれた髪に使う洗い流さないトリートメント「ラサーナ 海藻ヘアエッセンス」は、このジャンルでは10年連続で国内売上第1位を獲得しています(富士経済新調べ)」の記載がある。
c 2019年7月11日付け化学工業日報(10ページ)において、「花王、くせ・うねり髪まとまるヘアケア新製品、ストレスから解放」の見出しの下、「市場想定価格は、シャンプー、トリートメント(各500ミリリットル)が各1000円前後、洗い流さないトリートメントのセラム(120ミリリットル)が1350円前後となっている。」の記載がある。
d 2019年8月6日付け産経新聞 東京朝刊(14ページ)及び大阪朝刊(13ページ)において、「【加藤智一の好印象レッスン】洗い流さずにまとまる」の見出しの下、「そんなうねり毛をまとめやすくするために活用したいのが、洗い流さないトリートメントです。」の記載がある。
e 2019年11月23日付け静岡新聞朝刊(6ページ)において、「新商品クリップ=洗い流さないトリートメント」の見出しの下、「プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&Gジャパン 神戸市)は、洗い流さないヘアトリートメント「パンテーン リペアー ゴールデン カプセル ミルク」を発売。」の記載がある。
f 2024年8月30日付け朝日新聞夕刊(4ページ)において、「食品・グッズ プレゼント マリオン」の見出しの下、「NAKAGAWAが、「プロミルカルテ ヘアリペアオイル」(100ml、3300円)を5人に。髪のダメージケアに特化した、オイルタイプの洗い流さないヘアトリートメント。」の記載がある。
g 2024年11月13日付け日経MJ(流通新聞)(5ページ)において、「入浴中にも使えるヘアオイル、イオンレーヴコスメ(新製品)」の見出しの下、「浴室では頭皮ケア、入浴後は洗い流さないヘアトリートメントと2通りの使い方ができる。」の記載がある。
イ 「インバス」の文字について
(ア)2023年5月31日付け「Oggi.jp」のウェブサイトにおいて、「くせ毛におすすめのトリートメント11選|インバス&アウトバスで徹底ケア」の見出しの下、「【インバス】くせ毛・うねり髪に使いたいトリートメント」の説明に「シャンプーで髪の汚れをしっかり落としたら、お風呂の中でもしっかり髪を保湿しながら栄養補給を。インバスケアに取り入れたいトリートメントを紹介します。」の記載がある(申立1甲8)。
(イ)2021年12月1日付け「PRTIMES」のウェブサイトにおいて、「化粧品および原料開発で第一次産業をサポートするBlue Knot株式会社が徳島県産の藍を配合したヘアケア/スキンケアプロダクツをローンチ。」の見出しの下、「ピュア&ロートリートメントLEAVE IT」の商品説明に「[蓼藍]、[黄檗]に加え[フムスエキス]や[エルカラクトン]を配合した濃縮タイプのインバストリートメント/「ヒトにも環境にも優しい」を追求した結果、“流さないインバストリートメント”に。少量でツルツル、コスパもよく、頭皮にも髪にも優しいトリートメントです。」の記載がある(申立1甲13の3)。
(ウ)「@cosme」のウェブサイトにおいて、以下の記載がある。
a 「イグニス イオ マルチプル チョイス ヘアトリートメント」(発売日:2023/7/18)の見出しの下、商品説明に「シーンに合わせてインバス、アウトバスなど自由に使用できます。」の記載がある(申立1甲14の2)。
b 「【ランキング】ヘアケアには欠かせない!インバス「ヘアートリートメント」TOP5」の見出しの下、「今、コレが売れています!!/ここ1ケ月で売れた人気のインバス「ヘアトリートメント」TOP5をご紹介」の記載がある(申立2甲2)。
(エ)「yourSELECT」のウェブサイトにおいて、「UPDATE:2024-10-28」、「【毛髪診断士監修】くせ毛トリートメントおすすめ10選|効果や選び方を徹底解説」の見出しの下、「市販のトリートメントの仕組み」の項に「市販のくせ毛トリートメントには、「インバス」用と「アウトバス」用の2種類があります。インバスとはお風呂の中で使うという意味。インバストリートメントの多くが洗い流すタイプですが、中には洗い流さないタイプもあるようです。」の記載がある(申立1甲15)。
(オ)「amazon」のウェブサイトにおいて、取扱い開始日を2019年10月29日とする「LUXEASEラクシーズ インバスオールインワンジェル ラベンダーの香り120mL」が掲載され、その商品説明に「お風呂場で、濡れたお肌に使用する多機能オールワンジェルです。/洗い流し不要、ぬりっぱなしでOK!保湿成分が水滴とともにじんわり浸透※1します。」の記載がある(申立1甲17)。
ウ 「インバストリートメント」の文字について
(ア)「Cancam.jp」のウェブサイトにおいて、2021年3月25日の記事として、「人気のない洗い流さないトリートメントでサラつや美髪に!おすすめをご紹介」の見出しの下、「トリートメントの効果的な使い方とは」の項目中に、「Q.トリートメントって、実際どんな役割があるんですか?/インバストリートメント(お風呂の中で使うトリートメント):主に洗髪中や、ドライヤーなど乾燥中に起きる髪のダメージをケアし、髪の質感を良くします。」の記載がある(申立1甲4)。
(イ)「KYOGOKU」のウェブサイトにおいて、2022年10月4日の記事として、「【トリートメントの種類と選び方】KYOGOKUおすすめインバス・アウトバストリートメントをご紹介」の見出しの下、「トリートメントの種類とは」の項目中に、「お風呂場で使うものがその名の通り「インバストリートメント」です。」の記載があり、また、「インバストリートメント」の項目中に、「シャンプー後に使うインバストリートメント。」の記載がある(申立1甲6)。
(ウ)「VoCE」のウェブサイトにおいて、公開日を2022年1月27日とする記事として、「お風呂ベスコス2022」パサついた髪がまとまる!【インバストリートメント】TOP3」の見出しの下、「美容のプロが本当に愛用している、お風呂にまつわるベストコスメを大発表! お風呂の中で使うトリートメントをご紹介します。」の記載、「インバストリートメント部門◆3位」と記載とともに、商品の写真を掲載している(申立1甲7)。
(エ)2023年5月31日付けの「Oggi.jp」のウェブサイトにおいて、「くせ毛におすすめのトリートメント11選|インバス&アウトバス徹底ケア」の見出しの下、「くせ毛の悩みを減らすおすすめトリートメントは?/くせ毛のうねりの強い髪の毛は、湿気の多い日は特に広がってストレス満載。・・・・正しいインバストリートメントの使い方もおさらいして、本気のケアを始めましょう。」の記載がある(申立1甲8)。
(2)商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は、上記1のとおり、「洗い流さないインバストリートメント」の文字を標準文字で表してなり、その指定商品を「ヘアートリートメント」とするものである。
そして、上記(1)アのとおり、「使用後に洗い流す必要がないヘアートリートメント」が一般に製造、販売され、「洗い流さないトリートメント」と称されている事実が認められる。
また、上記(1)イのとおり、本件商標の指定商品を取り扱う業界においては、「浴室内で使用するヘアートリートメント」が一般に製造、販売され、「浴室内で使用する」という意味で、「インバス」の文字が使用されている事実が認められる。
さらに、上記(1)ウのとおり、「浴室内で使用するヘアートリートメント」について、「インバストリートメント」として販売されている事実がある。
加えて、上記(1)イ(イ)のように、洗い流さないタイプの「インバストリートメント」の商品事例も見受けられる。
そうすると、本件商標の「洗い流さないインバストリートメント」の文字は、これらを構成する各文字の使用例及びその文字の意味合いからすれば、「使用後に洗い流す必要がない、浴室内(インバス)で使用するヘアートリートメント」の意味合いを認識、理解するにとどまり、商品の使用方法、商品の使用場所等の商品の品質を表したものというべきである。
また、本件商標は、標準文字で表してなるものであるから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。
したがって、本件商標は、その指定商品である「ヘアートリートメント」に使用するときは、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものであるから、同法43条の3第2項の規定により、その登録は、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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2025-900061