特許異議申立
2022-700937
制御プログラム、制御装置および制御方法、ならびに、視聴質出力プログラム、視聴質出力装置および視聴質出力方法
- 審判番号
- 2022-700937
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-204047
- 登録番号
- 7042543
- 請求日
- 2022年09月27日
- 審決日
- 2024年09月02日
- 公報発行日
- 2024年12月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】TVISION INSIGHTS株式会社
- 【権利者代理人】松野 知紘
- 【異議申立人】奥谷 雅子
- 審判長/審判官
- 審判長 高橋 宣博
- 審判官 畑中 高行
- 審判官 木方 庸輔
- 分類
- P1651.113-YAA(H04N) / P1651.121-YAA(H04N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7042543号発明「制御プログラム、制御装置および制御方法、ならびに、視聴質出力プログラム、視聴質出力装置および視聴質出力方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7042543号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、〔2~3〕、4、5、6、〔7~9〕、10、11、12、13、14、15、〔16~17〕について訂正することを認める。
特許第7042543号の請求項1、〔2~3〕、4、5、6、〔7~9〕、10、11、12、13、14、15、〔16~17〕に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7042543号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~17に係る特許についての出願は、令和2年12月8日に出願された特願2020-203142号の一部を令和3年12月16日に特願2021-204047号として出願したものであって、令和4年3月17日にその特許権の設定登録(特許公報発行日 同年3月28日)がされた。
本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和4年 9月27日:特許異議申立人奥谷雅子により本件の請求項1~17の特許に対する特許異議の申立て及び甲第1号証~甲第7号証の提出
令和5年 3月24日付け:取消理由通知
同年 5月26日付け:特許権者による訂正請求書、訂正特許請求の範囲及び意見書の提出(同年5月29日:特許庁受理)
同年 6月20日付け:手続補正指令
同年 7月 7日付け:前記訂正請求書の手続補正書の提出(同年7月10日:特許庁受理)
令和6年 1月 5日付け:取消理由通知(決定の予告)
同年 3月11日:特許権者による訂正請求書、訂正特許請求の範囲及び意見書の提出
同年 4月12日付け:訂正拒絶理由通知
同年 5月14日付け:意見書、上申書の提出(同年5月15日:特許庁受理)
令和6年3月11日に特許権者よりなされた訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)によって、令和5年5月26日付け(同年5月29日:特許庁受理)でなされ、同年7月7日付け(同年7月10日:特許庁受理)で補正された訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。
なお、令和5年5月26日付け(同年5月29日:特許庁受理)でなされ、同年7月7日付け(同年7月10日:特許庁受理)で補正された上記訂正の請求があった旨の通知書を、同年7月28日付けで特許異議申立人に対して送付したが、これに対して特許異議申立人から意見書等の提出はなされなかった。
第2 訂正の適否についての判断
1 請求の趣旨
本件訂正請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を、本件の訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~14、15、16~17について訂正することを求める、というものである。
2 訂正の内容
本件訂正請求による本件特許の訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。(なお、下線は、訂正箇所を示す。)
(1)一群の請求項1~14に係る訂正
ア 訂正事項1
請求項1の末尾に「視聴質出力プログラム。」とあるのを「視聴質出力プログラム(ただし、視聴質値に加え、テレビのチューナで受信したコンテンツすべての履歴である視聴履歴が属性と関連付けて記憶手段に記憶されており、前記受け付けた属性に関連付けられた前記視聴履歴を取得し、前記視聴履歴に関する情報を出力させるものを除く)。」に訂正する。
イ 訂正事項2
請求項2に「前記記憶手段は、視聴質値をコンテンツおよび属性と関連付けて記憶しており、前記設定受付手段は、属性に加えてコンテンツの設定を受け付け、前記取得手段は、前記記憶手段から、前記受け付けたコンテンツおよび属性に関連付けられた視聴質値を取得する、請求項1に記載の視聴質出力プログラム。」とあるのを「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、前記記憶手段は、視聴質値をコンテンツおよび前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶しており、前記設定受付手段は、視聴者の属性に加えてコンテンツを含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付け、前記取得手段は、前記記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれるコンテンツおよび前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性に関連付けられた視聴質値を取得する、視聴質出力プログラム。」に訂正する(請求項2を引用する請求項3も同様に訂正する。)。
ウ 訂正事項3
請求項4に「前記記憶手段は、視聴質値を放送局および属性と関連付けて記憶しており、前記設定受付手段は、属性に加えて放送局の設定を受け付け、前記取得手段は、前記記憶手段から、前記受け付けた放送局および属性に関連付けられた視聴質値を取得する、請求項1に記載の視聴質出力プログラム。」とあるのを「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、前記記憶手段は、視聴質値を放送局および前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶しており、前記設定受付手段は、視聴者の属性に加えて放送局を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付け、前記取得手段は、前記記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる放送局および前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性に関連付けられた視聴質値を取得する、視聴質出力プログラム。」に訂正する。
エ 訂正事項4
請求項5に「前記視聴質値は、どれほどの視聴者がテレビを注視したかの指標である、請求項1乃至4のいずれかに記載の視聴質出力プログラム。」とあるのを「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、前記視聴質値は、どれほどの視聴者がテレビを注視したかの指標である、視聴質出力プログラム。」に訂正する。
オ 訂正事項5
請求項6に「前記出力制御手段は、第1軸を時間の経過、第2軸を前記取得された視聴質値とするグラフをディスプレイに表示させる、請求項1乃至5のいずれかに記載の視聴質出力プログラム。」とあるのを「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、前記出力制御手段は、第1軸を時間の経過、第2軸を前記取得された視聴質値とするグラフをディスプレイに表示させる、視聴質出力プログラム。」に訂正する。
カ 訂正事項6
請求項7に「前記出力制御手段は、第1方向に曜日が設定され、前記第1方向と直交する第2方向に時間軸が設定され、各曜日および各時間帯に対応する位置の表示態様が視聴質値に関する情報を示す視聴質情報をディスプレイに表示させる、請求項1乃至5の何れかに記載の視聴質出力プログラム。」とあるのを「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、前記出力制御手段は、第1方向に曜日が設定され、前記第1方向と直交する第2方向に時間軸が設定され、各曜日および各時間帯に対応する位置の表示態様が視聴質値に関する情報を示す視聴質情報をディスプレイに表示させる、視聴質出力プログラム。」に訂正する(請求項7を引用する請求項8及び請求項9も同様に訂正する。)。
キ 訂正事項7
請求項10に「前記出力制御手段は、前記取得された視聴質値を含む電子ファイルを生成する、請求項1乃至9のいずれかに記載の視聴質出力プログラム。」とあるのを「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、前記出力制御手段は、前記取得された視聴質値を含む電子ファイルを生成する、視聴質出力プログラム。」に訂正する。
ク 訂正事項8
請求項11に「前記属性は、嗜好、性別、年齢および収入を含む、請求項1乃至10のいずれかに記載の視聴質出力プログラム。」とあるのを「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入を含む、視聴質出力プログラム。」に訂正する。
ケ 訂正事項9
請求項12に「前記設定受付手段は、選択肢の中から属性の設定を受け付ける、請求項1乃至10のいずれかに記載の視聴質出力プログラム。」とあるのを「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、前記設定受付手段は、選択肢の中から視聴者の属性の設定を受け付ける、視聴質出力プログラム。」に訂正する。
コ 訂正事項10
請求項13に「前記記憶手段に記憶されている視聴質値は、顔認識に基づいて取得されたものである、請求項1乃至12のいずれかに記載の視聴質出力プログラム。」とあるのを「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、前記記憶手段に記憶されている視聴質値および前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性は、顔認識に基づいて取得されたものである、視聴質出力プログラム。」に訂正する。
サ 訂正事項11
請求項14に「前記記憶手段に記憶されている視聴質値は、テレビからの音声に基づいて取得されたものである、請求項1乃至13のいずれかに記載の視聴質出力プログラム。」とあるのを「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、前記記憶手段に記憶されている視聴質値は、テレビからの音声に基づいて取得されたものである、視聴質出力プログラム。」に訂正する。
(2)請求項15に係る訂正
ア 訂正事項12
請求項15に「入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、を備え、前記属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、視聴質出力装置。」とあるのを「入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、を備え、前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、視聴質出力装置。」に訂正する。
(3)一群の請求項16~17に係る訂正
ア 訂正事項13
請求項16に「設定受付手段が、入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付けるステップと、取得手段が、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得するステップと、出力制御手段が、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させるステップと、を備え、前記属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、視聴質出力方法。」とあるのを「設定受付手段が、入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付けるステップと、取得手段が、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得するステップと、出力制御手段が、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させるステップと、を備え、前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、視聴質出力方法。」に訂正する(請求項16を引用する請求項17も同様に訂正する。)。
イ 訂正事項14
請求項17に「顔認識を行って視聴者を検知」及び「前記特定された属性に基づいて、視聴質値を属性と関連付けて」とあるのをそれぞれ「顔認識を行って前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみを検知」及び「前記特定された前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性に基づいて、視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて」に訂正する。
3 訂正の適否についての判断
(1)一群の請求項について
訂正前の請求項1~14について、請求項2~14は、それぞれ請求項1の記載を引用しており、上記訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~14に対応する訂正後の請求項1~14は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
また、訂正前の請求項16~17について、請求項17は、請求項16の記載を引用しており、上記訂正事項13によって記載が訂正される請求項16に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項16~17に対応する訂正後の請求項16~17は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
(2)訂正の適否について
(2-1)一群の請求項1~14に関する訂正について
ア 訂正事項1
a 訂正の目的について
訂正事項1の訂正前の請求項1は、
「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、視聴質出力プログラム。」
との記載で訂正事項1の訂正前の請求項1に係る特許発明を特定していた。
これに対して、訂正事項1の訂正後の請求項1は、
「視聴質出力プログラム。」とあるのを、「視聴質出力プログラム(ただし、視聴質値に加え、テレビのチューナで受信したコンテンツすべての履歴である視聴履歴が属性と関連付けて記憶手段に記憶されており、前記受け付けた属性に関連付けられた前記視聴履歴を取得し、前記視聴履歴に関する情報を出力させるものを除く)。」
と記載することによって、「視聴質出力プログラム」を限定することで、
訂正事項1の訂正前の請求項1に係る特許発明を限定するものである。
したがって、訂正事項1の訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記aから明らかなように、訂正事項1の訂正は、「視聴質出力プログラム」に関して、視聴質値に加え、テレビのチューナで受信したコンテンツすべての履歴である視聴履歴が属性と関連付けて記憶手段に記憶されており、前記受け付けた属性に関連付けられた前記視聴履歴を取得し、前記視聴履歴に関する情報を出力させるものを除くことにより、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
c 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
「明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「明細書等」という。)に記載した事項」とは、技術的思想の高度の創作である発明について、特許権による独占を得る前提として、第三者に対して開示されるものであるから、ここでいう「事項」とは明細書等によって開示された発明に関する技術的事項であることが前提となるところ、「明細書等に記載した事項」とは、当業者によって、明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項であり、補正が、このようにして導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるときは、当該補正は、「明細書等に記載した事項の範囲内において」するものということができる。
そして、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)に記載されていない事項についても、そのような事項を除く訂正が直ちに認められるというわけではなく、当業者によって、明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項であり、当該訂正が、このようにして導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものかどうかについて検討する必要があるものといえる。
そこで、本件特許明細書等について検討する。
本件特許明細書の【0055】~【0085】には、VI値及びAI値を取得するにあたり、視聴質の例として、
・どれほどの視聴者がテレビを視聴可能であったかの指標であって、視聴者の滞在度合いを示しており、高ければ高いほど、1台のテレビにつき、より多くの視聴者がテレビの前に位置したことを示す指標VI値、
及び
・どれほどの視聴者がテレビを注視したかの指標であって、視聴者の注視度合いを示しており、高ければ高いほど、その視聴率において、より多くの視聴者がテレビのコンテンツに注視したことを示す指標AI値、
があり、最終的にVI値及びAI値を取得するにあたり、本件特許明細書の【0085】には、
・VI値算出部が各視聴情報取得装置からの滞在者情報に基づいて、滞在者数を集計し、放送局および日時ごと(あるいはコンテンツごと)に視聴者の属性と関連付けてVI値を算出し、
・AI値算出部が各視聴情報取得装置からの注視者情報に基づいて、注視者数を集計し、放送局および日時ごとに視聴者の属性と関連付けてAI値を算出する、
ことが記載されている。
上記記載から、VI値及びAI値を算出する直前までの工程における処理は共通のものであり、VI値及びAI値を算出する工程における処理だけが異なるといえる。
一方、AI値を取得するにあたっては当該コンテンツについての視聴率が必要であるところ、視聴率を取得するには、視聴履歴を取得することが必要であることは、出願当時の技術水準から明らかであり(例えば、特開2019-146098号公報の【0031】の「ストレージ15は、インターネット又は視聴率分析業者のネットワーク上に配置され、属性別視聴履歴と、注視領域遷移情報の格納先として使用される。・・・ストレージ15に蓄積されたデータは、所定の分析サーバ等の外部ノードに提供されて、視聴率分析に用いられる。」という記載を参照。)、VI値を取得するにあたっても、VI値を算出する直前の工程までは視聴履歴を取得しているといえる。
さらに、視聴質として、本件特許明細書には、「上述した第2の実施形態は、主に視聴質としてVI値およびAI値を例示したが、他の指標を用いてもよい。例えば、次に述べる注視者数(ユニークリーチ数)、注視率(ユニークリーチ率)、累積注視(Gross Attention)数、累積注視率、注視含有率、注視回数についての指標の少なくとも1つを視聴質として用いてもよい。」(【0127】)、「注視含有率は、複数回再生されるコンテンツにおいて、各コンテンツの視聴率を累積した値に対する累積注視率である。」(【0130】)、「例えば、出力制御部55は、横軸をGRP(特定のコンテンツ等が表示された時の視聴率を積算した値(累積視聴率))とし、縦軸を視聴質値(例えばAI値)とする線グラフを表示させてもよい。」(【0137】)という記載があることから、視聴質値の中には、AI値や注視含有率のように、視聴率を取得することを前提とするもの、すなわち、視聴履歴を取得することを前提とし、かつ視聴履歴に関する情報を出力するものが存在するといえる。
一方、視聴質値の中には、VI値のように、視聴履歴に関する情報の出力を伴わず、最終的に視聴質値を算出するにあたり、視聴率の取得を必要としないものがあることもいえる。
ここで、訂正事項1の訂正について検討すると、訂正事項1の訂正は、「視聴履歴と属性とを関連付けて記憶しない」ことで、「視聴率の取得及び視聴質の分析にあたっては不必要な情報を記憶・処理しないようにする」というものではなく、むしろ、VI値のように、最終的に視聴質値を算出するにあたり、視聴履歴を必要とはせず、その結果、視聴質値のうち、視聴履歴に関する情報の出力を伴わないものだけを選択して請求するように、特許請求の範囲の記載を訂正したものということができる。
以上を総合すると、訂正事項1の訂正は、本件特許の願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
d 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
本件特許異議の申立てにおいては、訂正前のすべての請求項1~17について特許異議の申立てがされていることから、訂正事項1の訂正前の請求項1~17に係る訂正事項に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
イ 訂正事項2
a 訂正の目的について
訂正事項2の訂正前の請求項2及び請求項2を引用する請求項3は、訂正事項1の訂正前の請求項1である、
「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、視聴質出力プログラム。」を引用し、
・請求項2において「前記記憶手段は、視聴質値をコンテンツおよび属性と関連付けて記憶しており、前記設定受付手段は、属性に加えてコンテンツの設定を受け付け、前記取得手段は、前記記憶手段から、前記受け付けたコンテンツおよび属性に関連付けられた視聴質値を取得する、請求項1に記載の視聴質出力プログラム。」との記載で訂正事項2の訂正前の請求項2に係る特許発明を特定し、
・請求項2を引用する請求項3において「前記コンテンツは、CMである、請求項2に記載の視聴質出力プログラム。」との記載で訂正事項2の訂正前の請求項3に係る特許発明を特定していた。
これに対して、訂正事項2の訂正後の請求項2及び請求項2を引用する請求項3は、訂正前の請求項2を請求項1の記載を引用しないものとするとともに、
・「入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段」、「前記属性は」及び「前記設定受付手段は、属性に加えてコンテンツの設定を受け付け」とあるのを、それぞれ「入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段」、「前記視聴者の属性は」及び「前記設定受付手段は、視聴者の属性に加えてコンテンツを含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付け」と記載することによって「属性」及び「設定受付手段」を限定し、
・「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段」及び「前記記憶手段は、視聴質値をコンテンツおよび属性と関連付けて記憶しており」とあるのを、それぞれ「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段」及び「前記記憶手段は、視聴質値をコンテンツおよび前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶しており」と記載することによって「記憶手段」を限定し、
・「前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段」及び「前記取得手段は、前記記憶手段から、前記受け付けたコンテンツおよび属性に関連付けられた視聴質値を取得する」とあるのを、それぞれ「前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段」及び「前記取得手段は、前記記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれるコンテンツおよび前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性に関連付けられた視聴質値を取得する」と記載することによって「取得手段」を限定することで、
訂正事項2の訂正前の請求項2及び請求項2を引用する請求項3に係る特許発明を限定するものである。
したがって、訂正事項2の訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするとともに、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2の訂正は、請求項間の引用関係を解消するとともに、「属性」、「設定受付手段」、「記憶手段」及び「取得手段」に関する発明特定事項を概念的により下位の構成にするものであるが、上記aから明らかなように、訂正後の請求項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、訂正前の請求項2との関係で、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
また、訂正事項2の訂正については、訂正前の請求項2の記載以外に、訂正前の請求項3の記載について訂正するものではなく、請求項3のカテゴリーや対象、目的を変更するものでもない。
したがって、訂正事項2の訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
c 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2の訂正について、「上述した第1の実施形態の一部または全部を第2の実施形態に組み込んでもよいし、第2の実施形態の一部または全部を第1の実施形態に組み込んでもよい。」(【0138】)との記載により、本件特許明細書の【0052】以降に記載される、「視聴質をより分かりやすく提示できるようにするものである」「第2実施形態」(【0055】)に、第1の実施形態が組み込まれ得ることがいえる。
そして、本件特許明細書の【0036】~【0051】に記載される第1の実施形態において、
「図2は、第1の実施形態に係る制御システムの概略構成を示すブロック図である。本制御システムにおける制御装置23は、・・・視聴者検知部232と、・・・を備える。」(【0038】)、
「視聴者検知部232は、カメラ21からの映像から顔認識を行うなどにより、視聴エリア内にいる視聴者・・・を特定する。」(【0040】)、
「視聴者検知部232は特定された各視聴者の属性(性別、年齢など)・・・を検知してもよい。」(【0041】)
という記載があり、
第2の実施形態において、
「第2の実施形態では、視聴質を視聴質値として定量化する。視聴質の例として、どれほどの視聴者がテレビを視聴可能であったかの指標(Viewability Index、以下「VI値」という)と、どれほどの視聴者がテレビを注視したかの指標(Attention Index、「以下「AI値」という)を用いる。」(【0056】)、
「視聴者の属性と関連付けてVI値を算出する。・・・視聴者の属性と関連付けてAI値を算出する。データベース書き込み部35は、放送局および日時ごとに、視聴者の属性と関連付けてVI値およびAI値を視聴質データベース37に書き込む。」(【0085】)、
「設定受付部53は、どのような視聴質を表示させるか(すなわち、表示させる視聴質の対象)の設定を、入力インターフェース51を介してユーザから受け付ける。この設定は、例えば、放送局、期間、番組、視聴者の属性、集計時間の少なくとも1つを含み得る。」(【0090】)、
「視聴質取得部54は、視聴質データベース37にアクセスし、設定受付部53が受け付けた設定に応じた視聴質値を取得する。」(【0090】)、
「出力制御部55は、視聴質値を示す情報をディスプレイ52に表示させてもよい」(【0091】)
という記載がある。
ここで、上記【0040】、【0041】、【0056】、【0085】の記載を総合すると、視聴エリア内にいる視聴者の属性と視聴質値とを関連付けて視聴質データベースに書き込むことがいえ、逆に、視聴エリア内にいない視聴者の属性と視聴質値とを関連付けて視聴質データベースに書き込むことはないことがいえる。
そして、上記のように視聴エリア内にいる視聴者の属性と視聴質値とを視聴質データベースに書き込んだ結果、視聴質データベースには、上記視聴者の属性と視聴質値とが記憶されるから、上記視聴質データベースは、記憶手段であるといえる。
これらを総合すると、本件特許明細書には、
・「視聴者検知部」は、「顔認識を行う」ことにより「視聴エリア内にいる視聴者」を「特定」し、「特定された視聴者の属性」を「検知」すること(【0040】、【0041】)、
・「視聴質データベース」は、「視聴質値」を「テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて」記憶する記憶手段であること(上記のとおり、【0040】、【0041】、【0056】、【0085】を総合した結果)
・「属性」とは、「視聴者の属性」であること(【0041】、【0085】)、
・「書き込み部」は、「視聴者の属性と関連付けて」、「視聴質の例」である「VI値およびAI値を視聴質データベースに書き込む」こと(【0056】、【0085】)、
・「設定受付部」は、「どのような視聴質を表示させるか」の「設定」を「受け付け」、「この設定」は、「放送局、・・・番組、視聴者の属性」の「少なくとも1つを含み得る」こと(【0090】)、
・「視聴質取得部」は、「視聴者の属性と関連付けて」「視聴質の例」である「VI値およびAI値」を「書き込」んだ「視聴質データベース」に「アクセス」し、「設定受付部」が「受け付けた設定に応じた視聴質値を取得する」こと(【0056】、【0085】、【0090】)、
・「出力制御部は、視聴質値を示す情報をディスプレイに表示」すること(【0091】)、
について記載されているといえる。
以上から、訂正事項2の訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
d 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項2については、上記アdの訂正事項1と同様の理由により、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
ウ 訂正事項3
a 訂正の目的について
訂正事項3の訂正前の請求項4は、訂正事項1の訂正前の請求項1である、
「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、視聴質出力プログラム。」を引用し、
請求項4において「前記記憶手段は、視聴質値を放送局および属性と関連付けて記憶しており、前記設定受付手段は、属性に加えて放送局の設定を受け付け、前記取得手段は、前記記憶手段から、前記受け付けた放送局および属性に関連付けられた視聴質値を取得する、請求項1に記載の視聴質出力プログラム。」との記載で訂正事項3の訂正前の請求項4に係る特許発明を特定していた。
これに対して、訂正事項3の訂正後の請求項4は、訂正前の請求項4を請求項1の記載を引用しないものとするとともに、
・「入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段」、「前記属性は」及び「前記設定受付手段は、属性に加えて放送局の設定を受け付け」とあるのを、それぞれ「入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段」、「前記視聴者の属性は」及び「前記設定受付手段は、視聴者の属性に加えて放送局を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付け」と記載することによって「属性」及び「設定受付手段」を限定し、
・「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段」及び「前記記憶手段は、視聴質値を放送局および属性と関連付けて記憶しており」とあるのを、それぞれ「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段」及び「前記記憶手段は、視聴質値を放送局および前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶しており」と記載することによって「記憶手段」を限定し、
・「前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段」及び「前記取得手段は、前記記憶手段から、前記受け付けた放送局および属性に関連付けられた視聴質値を取得する」とあるのを、それぞれ「前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段」及び「前記取得手段は、前記記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる放送局および前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性に関連付けられた視聴質値を取得する」と記載することによって「取得手段」を限定することで、
訂正事項3の訂正前の請求項4に係る特許発明を限定するものである。
したがって、訂正事項3の訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするとともに、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項3の訂正は、請求項間の引用関係を解消するとともに、「属性」、「設定受付手段」、「記憶手段」及び「取得手段」に関する発明特定事項を概念的により下位の構成にするものであるが、上記aから明らかなように、訂正後の請求項4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、訂正前の請求項4との関係で、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項3の訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
c 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項3の訂正は、訂正事項2と同様の訂正であるから、上記イcと同様の理由により、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
d 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項3については、上記アdの訂正事項1と同様の理由により、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
エ 訂正事項4~訂正事項7、訂正事項11
a 訂正の目的について
訂正事項4~訂正事項7、訂正事項11の訂正前の請求項5~7、10及び14並びに請求項7を引用する請求項8及び9は、訂正事項1の訂正前の請求項1である、
「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、視聴質出力プログラム。」を引用し、
・請求項5において「前記視聴質値は、どれほどの視聴者がテレビを注視したかの指標である、請求項1乃至4のいずれかに記載の視聴質出力プログラム。」と、
・請求項6において「前記出力制御手段は、第1軸を時間の経過、第2軸を前記取得された視聴質値とするグラフをディスプレイに表示させる、請求項1乃至5のいずれかに記載の視聴質出力プログラム。」と、
・請求項7において「前記出力制御手段は、第1方向に曜日が設定され、前記第1方向と直交する第2方向に時間軸が設定され、各曜日および各時間帯に対応する位置の表示態様が視聴質値に関する情報を示す視聴質情報をディスプレイに表示させる、請求項1乃至5のいずれかに記載の視聴質出力プログラム。」と、
・請求項10において「前記出力制御手段は、前記取得された視聴質値を含む電子ファイルを生成する、請求項1乃至9のいずれかに記載の視聴質出力プログラム。」と、
・請求項14において「前記記憶手段に記憶されている視聴質値は、テレビからの音声に基づいて取得されたものである、請求項1乃至13のいずれかに記載の視聴質出力プログラム。」と
の記載でそれぞれ訂正事項4~訂正事項7、訂正事項11の訂正前の請求項5~7、10、14に係る特許発明を特定し、
・請求項7を引用する請求項8及び9において、それぞれ「各曜日および各時間帯に対応する位置は、視聴質値が高いほど色が濃い、あるいは、視聴質値に応じた色である、請求項7に記載の視聴質出力プログラム。」及び「前記出力制御手段は、全放送局のそれぞれについて、前記視聴質情報をディスプレイに表示させる、請求項7または8に記載の視聴質出力プログラム。」との記載でそれぞれ訂正事項6の訂正前の請求項8及び9に係る特許発明を特定していた。
これに対して、訂正事項4~訂正事項7、訂正事項11の訂正後の請求項5~7、10及び14並びに請求項7を引用する請求項8及び9は、訂正前の対応する請求項について、請求項1の記載を引用しないものとするとともに、
・「入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段」及び「前記属性は」とあるのを、それぞれ「入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段」及び「前記視聴者の属性は」と記載することによって「属性」及び「設定受付手段」を限定し、
・「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段」とあるのを、「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段」と記載することによって「記憶手段」を限定し、
・「前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段」とあるのを、「前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段」と記載することによって「取得手段」を限定することで、
訂正前の請求項5~7、10及び14並びに請求項7を引用する請求項8及び9に係る特許発明を限定するものである。
したがって、訂正事項4~訂正事項7、訂正事項11の訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするとともに、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4~訂正事項7、訂正事項11の訂正は、請求項間の引用関係を解消するとともに、「属性」、「設定受付手段」、「記憶手段」及び「取得手段」に関する発明特定事項を概念的により下位の構成にするものであるが、上記aから明らかなように、訂正後の請求項5~7、10、14は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、訂正前の請求項5~7、10、14との関係で、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
また、訂正事項6の訂正については、訂正前の請求項7の記載以外に、訂正前の請求項8及び9の記載について訂正するものではなく、請求項8及び9のカテゴリーや対象、目的を変更するものでもない。
したがって、訂正事項4~訂正事項7、訂正事項11の訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
c 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項4~訂正事項7、訂正事項11の訂正は、訂正事項2の訂正の一部と同様の訂正であるから、上記イcにおける当該同様の訂正に対する理由と同様の理由により、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
d 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項4~訂正事項7、訂正事項11については、上記アdの訂正事項1と同様の理由により、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
オ 訂正事項8
a 訂正の目的について
訂正事項8の訂正前の請求項11は、訂正事項1の訂正前の請求項1である、
「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、視聴質出力プログラム。」を引用し、
請求項11において「前記属性は、嗜好、性別、年齢および収入を含む、請求項1乃至10のいずれかに記載の視聴質出力プログラム。」との記載で訂正事項8の訂正前の請求項11に係る特許発明を特定していた。
これに対して、訂正事項8の訂正後の請求項11は、訂正前の請求項11を請求項1の記載を引用しないものとするとともに、
・「入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段」及び「前記属性は」とあるのを、それぞれ「入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段」及び「前記視聴者の属性は」と記載することによって「属性」及び「設定受付手段」を限定し、
・「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段」とあるのを、「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段」と記載することによって「記憶手段」を限定し、
・「前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段」とあるのを、「前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段」と記載することによって「取得手段」を限定することで、
訂正事項8の訂正前の請求項11に係る特許発明を限定するものである。
したがって、訂正事項8の訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするとともに、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項8の訂正は、請求項間の引用関係を解消するとともに、「属性」、「設定受付手段」、「記憶手段」及び「取得手段」に関する発明特定事項を概念的により下位の構成にするものであるが、上記aから明らかなように、訂正後の請求項11は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、訂正前の請求項11との関係で、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項8の訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
c 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項8の訂正は、訂正事項2の訂正の一部と同様の訂正であるから、上記イcにおける当該同様の訂正に対する理由と同様の理由により、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
d 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項8については、上記アdの訂正事項1と同様の理由により、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
カ 訂正事項9
a 訂正の目的について
訂正事項9の訂正前の請求項12は、訂正事項1の訂正前の請求項1である、
「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、視聴質出力プログラム。」を引用し、
請求項12において「前記設定受付手段は、選択肢の中から属性の設定を受け付ける、請求項1乃至10のいずれかに記載の視聴質出力プログラム。」との記載で訂正事項9の訂正前の請求項12に係る特許発明を特定していた。
これに対して、訂正事項9の訂正後の請求項12は、訂正前の請求項12を請求項1の記載を引用しないものとするとともに、
・「入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段」、「前記属性は」及び「選択肢の中から属性の設定を受け付ける」とあるのを、それぞれ「入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段」、「前記視聴者の属性は」及び「選択肢の中から視聴者の属性の設定を受け付ける」と記載することによって「属性」及び「設定受付手段」を限定し、
・「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段」とあるのを、「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段」と記載することによって「記憶手段」を限定し、
・「前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段」とあるのを、「前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段」と記載することによって「取得手段」を限定することで、
訂正事項9の訂正前の請求項12に係る特許発明を限定するものである。
したがって、訂正事項9の訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするとともに、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項9の訂正は、請求項間の引用関係を解消するとともに、「属性」、「設定受付手段」、「記憶手段」及び「取得手段」に関する発明特定事項を概念的により下位の構成にするものであるが、上記aから明らかなように、訂正後の請求項12は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、訂正前の請求項12との関係で、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項9の訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
c 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項9の訂正は、訂正事項2の訂正の一部と同様の訂正であるから、上記イcにおける当該同様の訂正に対する理由と同様の理由により、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
d 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項9については、上記アdの訂正事項1と同様の理由により、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
キ 訂正事項10
a 訂正の目的について
訂正事項10の訂正前の請求項13は、訂正事項1の訂正前の請求項1である、
「コンピュータを、入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、前記属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、視聴質出力プログラム。」を引用し、
請求項13において「前記記憶手段に記憶されている視聴質値は、顔認識に基づいて取得されたものである、請求項1乃至12のいずれかに記載の視聴質出力プログラム。」との記載で訂正事項10の訂正前の請求項13に係る特許発明を特定していた。
これに対して、訂正事項10の訂正後の請求項13は、訂正前の請求項13を請求項1の記載を引用しないものとするとともに、
・「入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段」及び「前記属性は」とあるのを、それぞれ「入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段」及び「前記視聴者の属性は」と記載することによって「属性」及び「設定受付手段」を限定し、
・「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段」とあるのを、「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段」と記載することによって「記憶手段」を限定するとともに、「記憶手段」に記憶されている内容を、「前記記憶手段に記憶されている視聴質値および前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性は、顔認識に基づいて取得されたものである」との記載により限定し、
・「前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段」とあるのを、「前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段」と記載することによって「取得手段」を限定することで、
訂正事項10の訂正前の請求項13に係る特許発明を限定するものである。
したがって、訂正事項10の訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするとともに、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項10の訂正は、請求項間の引用関係を解消するとともに、「属性」、「設定受付手段」、「記憶手段」、「記憶手段」に記憶されている内容及び「取得手段」に関する発明特定事項を概念的により下位の構成にするものであるが、上記aから明らかなように、訂正後の請求項13は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、訂正前の請求項13との関係で、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項10の訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
c 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項10の訂正は、訂正事項2の訂正の一部と同様の訂正であるから、上記イcにおける当該同様の訂正に対する理由と同様の理由により、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
d 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項10については、上記アdの訂正事項1と同様の理由により、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(2-2)請求項15に関する訂正について
ア 訂正事項12
a 訂正の目的について
訂正事項12の訂正前の請求項15は、
「入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段と、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、を備え、前記属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、視聴質出力装置。」
との記載で訂正事項12の訂正前の請求項15に係る特許発明を特定していた。
これに対して、訂正事項12の訂正後の請求項15は、
・「入力インターフェースを介してユーザから属性を受け付ける設定受付手段」及び「前記属性は」とあるのを、ぞれぞれ「入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段」及び「前記視聴者の属性は」と記載することによって「属性」及び「設定受付手段」を限定し、
・「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段」とあるのを、「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段」と記載することによって「記憶手段」を限定し、
・「前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段」とあるのを、「前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段」と記載することによって「取得手段」を限定することで、
訂正事項12の訂正前の請求項15に係る特許発明を限定するものである。
したがって、訂正事項12の訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項12の訂正は、「属性」、「設定受付手段」、「記憶手段」及び「取得手段」に関する発明特定事項を概念的により下位の構成にするものであるが、上記aから明らかなように、訂正後の請求項15は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、訂正前の請求項15との関係で、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項12の訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
c 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項12の訂正は、訂正事項2の訂正の一部と同様の訂正であるから、上記(2-1)イcにおける当該同様の訂正に対する理由と同様の理由により、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
d 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項12については、上記(2-1)アdの訂正事項1と同様の理由により、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(2-3)一群の請求項16~17に関する訂正について
ア 訂正事項13
a 訂正の目的について
訂正事項13の訂正前の請求項16は、
「設定受付手段が、入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付けるステップと、取得手段が、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得するステップと、出力制御手段が、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させるステップと、を備え、前記属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、視聴質出力方法。」
との記載で訂正事項13の訂正前の請求項16に係る特許発明を特定していた。
これに対して、訂正事項13の訂正後の請求項16は、
・「設定受付手段が、入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付け」及び「前記属性は」とあるのを、それぞれ「設定受付手段が、入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付け」及び「前記視聴者の属性は」と記載することによって「属性」及び「設定受付手段」を限定し、
・「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段」とあるのを、「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段」と記載することによって「記憶手段」を限定し、
・「取得手段が、・・・前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する」とあるのを、「取得手段が、・・・前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する」と記載することによって「取得手段」を限定することで、
訂正事項13の訂正前の請求項16に係る特許発明を限定するものである。
また、訂正事項13の訂正については、訂正前の請求項16の記載以外に、訂正前の請求項17の記載について訂正するものではない。
したがって、訂正事項13の訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項13の訂正は、「属性」、「設定受付手段」、「記憶手段」及び「取得手段」に関する発明特定事項を概念的により下位の構成にするものであるが、上記aから明らかなように、訂正後の請求項16は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、訂正前の請求項16との関係で、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
また、訂正事項13の訂正については、訂正前の請求項16の記載以外に、訂正前の請求項17の記載について訂正するものではなく、請求項17のカテゴリーや対象、目的を変更するものでもない。
したがって、訂正事項13の訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
c 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項13の訂正は、訂正事項2の訂正の一部と同様の訂正であるから、上記(2-1)イcにおける当該同様の訂正に対する理由と同様の理由により、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
d 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項13については、上記(2-1)アdの訂正事項1と同様の理由により、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
イ 訂正事項14
a 訂正の目的について
訂正事項14の訂正前の請求項17は、訂正事項13の訂正前の請求項16である、
「設定受付手段が、入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付けるステップと、取得手段が、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得するステップと、出力制御手段が、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させるステップと、を備え、前記属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、視聴質出力方法。」を引用し、
請求項17において「各世帯に設置されたカメラが、視聴エリア内を撮影するステップと、視聴者検知手段が、前記カメラからの映像から顔認識を行って視聴者を検知し、検知した視聴者の属性を特定するステップと、書き込み手段が、前記特定された属性に基づいて、視聴質値を属性と関連付けて前記記憶手段に書き込むステップと、を備える、請求項16に記載の視聴質出力方法。」
との記載で訂正事項13及び訂正事項14の訂正前の請求項17に係る特許発明を特定していた。
これに対して、訂正事項14の訂正後の請求項17は、
・「視聴者検知手段が、前記カメラからの映像から顔認識を行って視聴者を検知し」及び「書き込み手段が、前記特定された属性に基づいて、視聴質値と属性と関連付けて前記記憶手段に書き込む」とあるのを、それぞれ「視聴者検知手段が、前記カメラからの映像から顔認識を行って前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみを検知し」及び「書き込み手段が、前記特定された前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性に基づいて、視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて前記記憶手段に書き込む」と記載することによって「視聴者検知手段」、「書き込み手段」を限定することで、
訂正事項13及び訂正事項14の訂正前の請求項17に係る特許発明を限定するものである。
したがって、訂正事項14の訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項14の訂正は、「視聴者検知手段」及び「書き込み手段」に関する発明特定事項を概念的により下位の構成にするものであるが、上記aから明らかなように、訂正後の請求項17は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、訂正前の請求項17との関係で、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
したがって、訂正事項14は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
c 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項14の訂正は、訂正事項2の訂正の一部と同様の訂正であるから、上記(2-1)イcにおける当該同様の訂正に対する理由と同様の理由により、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
d 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項14については、上記アdの訂正事項1と同様の理由により、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
4 まとめ
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正した特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、〔2~3〕、4、5、6、〔7~9〕、10、11、12、13、14、15、〔16~17〕について訂正することを認める。
第3 本件訂正発明
訂正後の本件特許の請求項1~請求項17に係る発明(以下、「本件訂正発明1」~「本件訂正発明17」という。また、本件訂正発明1~本件訂正発明17を総称して「本件訂正発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~請求項17に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。(下線は訂正箇所を示す。以下、第6の「当審の判断」についても同様である。また、符号1A~17Gは合議体が付した。以下、「構成1A」~「構成17G」という。)
【請求項1】
1A コンピュータを、
1B 入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段と、
1C テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、
1D 前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、
1C1 前記属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、
1A 視聴質出力プログラム
1X (ただし、視聴質値に加え、テレビのチューナで受信したコンテンツすべての履歴である視聴履歴が属性と関連付けて記憶手段に記憶されており、前記受け付けた属性に関連付けられた前記視聴履歴を取得し、前記視聴履歴に関する情報を出力させるものを除く)。
【請求項2】
2A コンピュータを、
2B 入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、
2C テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、
2D 前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、
2C1 前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、
2C2 前記記憶手段は、視聴質値をコンテンツおよび前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶しており、
2B2 前記設定受付手段は、視聴者の属性に加えてコンテンツを含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付け、
2C3 前記取得手段は、前記記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれるコンテンツおよび前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性に関連付けられた視聴質値を取得する、
2A 視聴質出力プログラム。
【請求項3】
前記コンテンツは、CMである、請求項2に記載の視聴質出力プログラム。
【請求項4】
4A コンピュータを、
4B 入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、
4C テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、
4D 前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、
4C1 前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、
4C2 前記記憶手段は、視聴質値を放送局および前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶しており、
4B2 前記設定受付手段は、視聴者の属性に加えて放送局を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付け、
4C3 前記取得手段は、前記記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる放送局および前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性に関連付けられた視聴質値を取得する、
4A 視聴質出力プログラム。
【請求項5】
5A コンピュータを、
5B 入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、
5C テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、
5D 前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、
5C1 前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、
5C2 前記視聴質値は、どれほどの視聴者がテレビを注視したかの指標である、
5A 視聴質出力プログラム。
【請求項6】
6A コンピュータを、
6B 入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、
6C テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、
6D 前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、
6C1 前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、
6D1 前記出力制御手段は、第1軸を時間の経過、第2軸を前記取得された視聴質値とするグラフをディスプレイに表示させる、
6A 視聴質出力プログラム。
【請求項7】
7A コンピュータを、
7B 入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、
7C テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、
7D 前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、
7C1 前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、
7D1 前記出力制御手段は、第1方向に曜日が設定され、前記第1方向と直交する第2方向に時間軸が設定され、各曜日および各時間帯に対応する位置の表示態様が視聴質値に関する情報を示す視聴質情報をディスプレイに表示させる、
7A 視聴質出力プログラム。
【請求項8】
各曜日および各時間帯に対応する位置は、視聴質値が高いほど色が濃い、あるいは、視聴質値に応じた色である、請求項7に記載の視聴質出力プログラム。
【請求項9】
前記出力制御手段は、全放送局のそれぞれについて、前記視聴質情報をディスプレイに表示させる、請求項7または8に記載の視聴質出力プログラム。
【請求項10】
10A コンピュータを、
10B 入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、
10C テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、
10D 前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、
10C1 前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、
10D1 前記出力制御手段は、前記取得された視聴質値を含む電子ファイルを生成する、
10A 視聴質出力プログラム。
【請求項11】
11A コンピュータを、
11B 入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、
11C テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、
11D 前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、
11C1 前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入を含む、
11A 視聴質出力プログラム。
【請求項12】
12A コンピュータを、
12B 入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、
12C テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、
12D 前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、
12C1 前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、
12B2 前記設定受付手段は、選択肢の中から視聴者の属性の設定を受け付ける、
12A 視聴質出力プログラム。
【請求項13】
13A コンピュータを、
13B 入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、
13C テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、
13D 前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、
13C1 前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、
13C2 前記記憶手段に記憶されている視聴質値および前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性は、顔認識に基づいて取得されたものである、
13A 視聴質出力プログラム。
【請求項14】
14A コンピュータを、
14B 入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、
14C テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、
14D 前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、
14C1 前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含み、
14C2 前記記憶手段に記憶されている視聴質値は、テレビからの音声に基づいて取得されたものである、
14A 視聴質出力プログラム。
【請求項15】
15B 入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、
15C テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段と、
15D 前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段と、を備え、
15B1 前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、
15A 視聴質出力装置。
【請求項16】
16B 設定受付手段が、入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付けるステップと、
16C 取得手段が、テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得するステップと、
16D 出力制御手段が、前記取得された視聴質値に関する情報を出力させるステップと、を備え、
16B1 前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む、
16A 視聴質出力方法。
【請求項17】
17E 各世帯に設置されたカメラが、視聴エリア内を撮影するステップと、
17F 視聴者検知手段が、前記カメラからの映像から顔認識を行って前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみを検知し、検知した視聴者の属性を特定するステップと、
17G 書き込み手段が、前記特定された前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性に基づいて、視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて前記記憶手段に書き込むステップと、を備える、
17A 請求項16に記載の視聴質出力方法。
第4 取消理由通知の概要
(進歩性)下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
記
本件訂正発明1~本件訂正発明17は、引用文献1記載の発明及び引用文献2記載の事項に基づき当業者が容易に発明をすることができたものである。
<引用文献等>
1.特開2020-5169号公報(甲第6号証)
2.特表2019-507533号公報(甲第1号証)
第5 引用文献に記載された発明、技術事項について
1 引用文献の記載について
(1)引用文献1(甲第6号証)の記載事項
引用文献1(甲第6号証)である特開2020-5169号公報には次の記載がある。(なお、以降の下線は、強調のために当審で付したものである。以下同様。)
「【技術分野】
【0001】
本実施形態は、放送番組の視聴における視聴履歴分析装置、視聴履歴分析方法および視聴履歴分析システムに関するものである。」
「【図面の簡単な説明】
【0010】
・・・
【図11A】図11Aは、選択された放送局の番組枠の時間において、視聴履歴を可視化した例を示した図である。
・・・
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る放送信号送信装置100、サーバ120および放送信号受信装置140からなるシステム全体の構成例を示した図である。
100は、放送番組を放送する放送信号送信装置(放送局とも呼ぶ)であり、放送番組サーバ101および第1の基本機能102を備える。
【0012】
放送番組サーバ101は、放送局100として放送する番組のデータ、番組の名称、放送日時、内容の説明等を予め保存しておくエリアである。
第1の基本機能102は、放送局100の基本的な機能であり、放送する番組の映像信号や音声信号等を符号化(エンコードとも呼ぶ)して多重化し、放送信号として送出する機能を持つ。
【0013】
120は、本実施形態の視聴履歴分析装置であり、クラウド上に存在し、表示器160に表示された放送番組をユーザが視聴した視聴履歴、あるいはコンテンツの内容をユーザが表示器160に表示した表示履歴を収集するサーバであり、識別管理部121、収集部122、解析部123およびサービス提供部124を備える。」
「【0034】
制御部142は、テレビジョン受信装置140の全体を制御する。また制御部142は、視聴履歴あるいは表示履歴を取得し、取得した視聴履歴あるいは表示履歴を、ネットワーク180を介してサーバ120に送信する。制御部142は、外部とのI/Fとして通信ネットワーク180とのI/FであるネットワークI/F181、リモートコントローラ(リモコン)190とのI/FであるリモコンI/F182、周辺機器とのI/Fである外部入力I/F183を持つ。なおネットワークI/F181および外部入力I/F183は、複数存在していてもよい。
【0035】
ここで視聴履歴とは、テレビジョン受信装置140が、複数あるチューナで受信した番組すべての履歴のことを示している。具体的には例えばテレビジョン受信装置140のユーザが、放送波を受信して表示器160に表示されている番組Aを視聴しながら、同時に番組Bをテレビジョン受信装置140の録画機能である録画部143により録画している場合、制御部142は、番組Aの視聴(ライブ視聴と呼んでもよい)の履歴であるライブ視聴履歴と、番組Bの録画(録画視聴と呼んでもよい)の履歴である録画視聴履歴の両方を取得することができる。録画視聴は、例えば録画機能の予約機能により予め録画する番組Bを予約することで、予約した番組Bを指定した時刻に録画部143に録画することも可能であり、表示器160に表示させずに録画だけが行われる場合もある。
・・・
【0039】
ライブ視聴履歴、録画視聴履歴、再生視聴履歴の3種類の視聴履歴は、例えば視聴履歴の種類、視聴した番組のチャンネル番号や番組名や放送局名、視聴を開始した時刻と視聴を終了した時刻との組み合わせの情報を含んでもよい。制御部142は、取得した視聴履歴を内部に持つ保存エリア(図示せず)に、ライブ視聴履歴、録画視聴履歴、再生視聴履歴の種類ごとに保存する。
・・・
【0041】
図3は、サーバ120の構成例を概略的に示した図である。
収集部122は、ネットワーク180を介してテレビジョン受信装置140から送られてくる視聴履歴あるいは表示履歴を収集して、テレビジョン受信装置140に付与されている識別番号ごとに内部に持つ保存エリア(図示せず)に保存するとともに、視聴履歴あるいは表示履歴の保存アドレスや付与されている識別番号等、受信した視聴履歴あるいは表示履歴の保存に関する情報を識別管理部121に送信する。
・・・
【0047】
サービス提供部124による可視化されたデータとは、例えば収集部122が収集した膨大な視聴履歴あるいは表示履歴の中から、解析部123が抽出した各テレビジョン受信装置140の視聴履歴の集合である視聴履歴群あるいは表示履歴群を、さらに種々のパラメータを用いて色々な観点でまとめ直すことで、無秩序に見えていた視聴履歴群あるいは表示履歴群に、ある傾向が存在することをグラフや表を用いてユーザが理解しやすい形にして提供したり表示したりすることである。
【0048】
このような視聴履歴群あるいは表示履歴群の可視化のサービスは、例えば放送局140や番組制作会社、番組スポンサー等、テレビジョン受信装置140に対して番組を放送する側にとって有益な情報になりえる。」
「【0060】
以下種々のパラメータを用いて視聴履歴群あるいは表示履歴群を色々な観点で可視化する方法について説明する。・・・
【0061】
このためテレビジョン受信装置140の利用状況の実態を調査するためには、視聴履歴群と表示履歴群の両方を、色々な観点で可視化することが望ましい。
そこで図6A以降では、視聴履歴群および表示履歴群を色々な観点で可視化する具体例を示す。
なお、図6A以降で示す図は、サービス提供部124が提供する、視聴履歴群あるいは表示履歴群を可視化した可視化データの一例である。これら可視化データの一例は、サービス提供部124が例えば内蔵する表示装置に出力して表示するためのイメージ図であったり、特定の宛先に提供し、提供先において表示可能なイメージ図であったりしてもよい。
【0062】
図6Aは、基準とした編成チャンネルの番組枠の時間において、視聴履歴群および表示履歴群の両方を可視化した例を示した図である。基準とした編成チャンネルを基準局と呼んでもよい。
600は、パラメータ設定エリアである。パラメータ設定エリア600で設定可能なパラメータは、収集部122が収集した膨大な視聴履歴および表示履歴の中から、解析部123が視聴履歴群および表示履歴群を抽出するためのパラメータや、サービス提供部124が抽出結果を表示するためのパラメータである。解析部123は、パラメータ設定エリア600で設定されたパラメータの組み合わせである抽出条件により、収集部122が収集した膨大な視聴履歴や表示履歴の中から、可視化対象とする視聴履歴群や表示履歴群を抽出する。
【0063】
例えば日付を選択することで、解析部123は、収集部122が収集した膨大な視聴履歴および表示履歴の中から、該当する日付の視聴履歴および表示履歴を抽出して、可視化対象とする視聴履歴群や表示履歴群を抽出する。
601は、基準局を選択するフィールドである。サービス提供部124は、選択された基準局の番組枠の時間に応じて、結果表示エリアに表示する表示フォーマットを決定する。基準局の番組枠の時間については、後述する。
【0064】
602は、デモグラフィック(デモグラとも呼ぶ)の種類を選択するフィールドである。解析部123は、収集部122が収集した視聴履歴や表示履歴を解析して、デモグラの種類選択フィールドで選択されたデモグラの種類で絞り込むことで、可視化する対象の視聴履歴群あるいは表示履歴群を決定する。
【0065】
603は、テレビジョン受信装置140の台数を、デモグラ別に一覧表示する集計機器数表示エリアである。
一覧に表示されているデモグラの種類は、地域全体が、収集部122が視聴履歴あるいは表示履歴を収集可能なテレビジョン受信装置140全体を示しており、家族全体が、収集部122が視聴履歴あるいは表示履歴を収集可能なテレビジョン受信装置140のうち、テレビジョン受信装置140の初期設定時に行うアンケートにおいて、みんなで使用する、が選択されたテレビジョン受信装置140を示しており、個人全体が、収集部122が視聴履歴あるいは表示履歴を収集可能なテレビジョン受信装置140のうち、テレビジョン受信装置140の初期設定時に行うアンケートにおいて、一人で使う/おもに一人で使う、が選択されたテレビジョン受信装置140を示している。
【0066】
またデモグラの種類が個人全体の場合、年齢/性別でさらに細かくデモグラの種類が定義されており、テレビジョン受信装置140の初期設定時に行うアンケートにおいて、BCが、年齢が0歳から12歳が選択されたテレビジョン受信装置140を示しており、Tが、年齢が13歳から19歳が選択されたテレビジョン受信装置140を示しており、M1が、性別が男性で年齢が20歳から34歳が選択されたテレビジョン受信装置140を示しており、M2が、性別が男性で年齢が35歳から49歳が選択されたテレビジョン受信装置140を示しており、M3が、性別が男性で年齢が50歳から64歳が選択されたテレビジョン受信装置140を示しており、M4が、性別が男性で年齢が65歳から99歳が選択されたテレビジョン受信装置140を示しており、F1が、性別が女性で年齢が20歳から34歳が選択されたテレビジョン受信装置140を示しており、F2が、性別が女性で年齢が35歳から49歳が選択されたテレビジョン受信装置140を示しており、F3が、性別が女性で年齢が50歳から64歳が選択されたテレビジョン受信装置140を示しており、F4が、性別が女性で年齢が65歳から99歳が選択されたテレビジョン受信装置140を示している。
【0067】
デモグラの種類の右側の数値は、識別管理部が管理している識別番号をもつテレビジョン受信装置140のうち、デモグラの種類に該当する台数を示している。
620は、パラメータ設定エリア600で設定されたパラメータに基づいて抽出された視聴履歴群および表示履歴群を解析し可視化した結果を表示する結果表示エリアである。」
「【0072】
結果表示エリア620に表示されている内容は、サービス提供部124により制御される。すなわちサービス提供部124は、基準局選択フィールド601で選択された基準局の番組枠の時間ごとに縦方向に分割したエリアを構成し、分割したエリアの時間ごとに、横軸に示す視聴の形態あるいは表示の形態ごとの視聴履歴の割合あるいは表示履歴の割合を数値で表示する。
【0073】
視聴履歴の割合あるいは表示履歴の割合とは、例えば集計機器数表示エリア603に表示されている地域全体のテレビジョン受信装置140の台数に対する、該当する時間の視聴履歴を持つテレビジョン受信装置140の割合である。あるいは任意に規定するテレビジョン受信装置140の台数に対する、該当する時間の視聴履歴を持つテレビジョン受信装置140の割合であってもよい。視聴履歴の割合は、視聴量と呼んでもよい。同様に、表示履歴の割合を表示量と呼んでもよい。また視聴履歴の種類であるライブ視聴履歴の視聴量をライブ率、再生視聴の視聴量を再生率と呼んでもよい。」
「【0103】
図11Aは、選択された放送局の番組枠の時間において、視聴履歴を可視化した例を示した図である。
1100は、パラメータ設定エリアである。パラメータ設定エリア1100で設定可能なパラメータは、収集部122が収集した膨大な視聴履歴および表示履歴の中から、解析部123が視聴履歴群および表示履歴群を抽出するためのパラメータや、サービス提供部124が解析結果を表示するためのパラメータである。解析部123は、パラメータ設定エリア600で設定されたパラメータの組み合わせである抽出条件により、収集部122が収集した膨大な視聴履歴や表示履歴の中から、可視化対象とする視聴履歴群や表示履歴群を抽出する。
【0104】
1101は、週単位の起点となる日付を選択するフィールドである。解析部123は、収集部122が収集した視聴履歴を日付選択フィールドで選択された日付を起点とした週単位で絞り込むことで、可視化する対象である視聴履歴群を抽出する。
1102は、チャンネル名を選択するフィールドである。解析部123は、収集部122が収集した視聴履歴をチャンネル名選択フィールドで選択されたチャンネルで絞り込むことで、可視化する対象である視聴履歴群を抽出する。
【0105】
1103は、デモグラフィック(デモグラ)の種類を選択するフィールドである。解析部123は、収集部122が収集した視聴履歴を解析して、デモグラの種類選択フィールドで選択されたデモグラの種類で絞り込むことで、可視化する対象である視聴履歴群を抽出する。
・・・
【0107】
1120、1121は、パラメータ設定エリア1100で設定されたパラメータに基づいて抽出された視聴履歴群を、可視化した結果を表示する結果表示エリアである。
結果表示エリア1120に表示されているデータの縦軸は、時間を表しており、横軸は、日付を表している。
【0108】
結果表示エリア1120に表示されている内容は、サービス提供部124により制御されている。すなわちサービス提供部124は、チャンネル選択フィールド1102で選択されたチャンネルの番組枠の時間ごとに縦方向に分割したエリアを構成し、分割したエリアの時間ごとに、横軸に示す日ごと(日付選択フィールド1101で選択した日付を起点に1週間分を表示)の視聴履歴の割合を、エリアの表示の色彩や模様を変えて表示する。エリアの表示の色彩や模様を変えて表示する以外にも、視聴履歴の割合をエリア内に数値で表示してもよい。
・・・
【0110】
結果表示エリア1121に表示されている内容は、表示エリア1120に表示されている例えば1120-1で示される番組が選択された場合の、選択された番組の視聴履歴の割合の、時間軸による遷移の様子である。結果表示エリア1121に示す例は、遷移の様子を、ライブ率、再生率、延べ再生率、ライブ率+再生率、に分けて表示した例である。
・・・
【0125】
このようにすることで、基準日選択フィールド1106で選択された日付のすべての編成チャンネルの視聴履歴の割合を1つの画面で確認することができ、さらに特定の番組を選択することで、その番組の視聴履歴の割合の時間軸に対する遷移の様子も簡易に確認することができる。」
「【0140】
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。また請求項を制御ロジックとして表現した場合、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして表現した場合、及び前記インストラクションを記載したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現した場合でも本発明の装置を適用したものである。また、使用している名称や用語についても限定されるものではなく、他の表現であっても実質的に同一内容、同趣旨であれば、本発明に含まれるものである。」
また、図6Aには以下の記載がある。
「
[図:0001417586000001.jpg]
」
さらに、図11Aには以下の記載がある。
「
[図:0001417586000002.jpg]
」
ア 【0001】、【0011】の記載によれば、引用文献1には、放送番組の視聴における視聴履歴分析システムであって、放送信号送信装置、サーバおよび放送信号受信装置からなる視聴履歴分析システムの発明が記載されている。
ここで、【0011】の「放送信号受信装置」と【0034】の「テレビジョン受信装置」の両者に同じ符号140が付されていることから、引用文献1における「放送信号受信装置」と「テレビジョン受信装置」の両者は同じ「受信装置」を指すものといえる。(以下、摘記された「テレビジョン受信装置」には「(放送信号受信装置)」という記載を付加し、引用発明の認定では、両者をすべて「放送受信装置」として認定する。)
また、【0047】、【0048】の記載によれば、引用文献1の視聴履歴分析システムでは、視聴履歴群を、種々のパラメータを用いて色々な観点でまとめ直すことで、放送局や番組制作会社、番組スポンサー等の番組を放送する側のユーザが理解しやすい形にして提供したり表示したりする。
イ 【0034】、【0035】、【0039】の記載によれば、引用文献1のテレビジョン受信装置(放送信号受信装置)は、複数あるチューナで受信した番組すべての履歴である視聴履歴を取得し、取得した視聴履歴をネットワークを介してサーバに送信する制御部を備え、取得した視聴履歴を内部に持つ保存エリアに、ライブ視聴履歴、録画視聴履歴、再生視聴履歴の種類ごとに保存する。
ウ 【0013】、【0041】の記載によれば、引用文献1のサーバは視聴履歴分析装置として機能し、収集部と、保存エリアと、解析部と、サービス提供部と、を備える。
エ 上記ウを踏まえると、【0061】の記載によれば、図6A以降で示す図は、サーバに備えられたサービス提供部が提供する、視聴履歴群を可視化した可視化データの一例であり、サービス提供部が内蔵する表示装置に出力して表示するためのイメージ図であるところ、図6Aの記載からは、視聴履歴群を可視化した画面が表示されていることが見てとれる。
ここで、図6Aの符号600、601、602、603および符号600中の「日付」という記載の直下の部分と、【0062】~【0066】の記載によれば、引用文献1のサーバのサービス提供部が提供する、視聴履歴群を可視化した可視化データを表示装置に出力して表示させた画面は、パラメータ設定エリア(600)を有し、当該パラメータ設定エリアは、視聴履歴を抽出する日付を選択するフィールドと、結果表示エリアに表示する表示フォーマットを決定する基準局を選択するフィールド(601)と、視聴履歴を絞り込むためのデモグラフィック(デモグラ)の種類を選択するフィールド(602)と、視聴履歴を収集可能なテレビジョン受信装置(放送信号受信装置)の台数をデモグラ別に一覧表示する集計機器数表示エリア(603)と、を有することがいえる。
また、【0061】、【0067】、図6Aの記載によれば、引用文献1のサーバに備えられたサービス提供部が提供する、視聴履歴群を可視化した画面は、結果表示エリアも有する。
オ 【0039】、【0041】の記載によれば、引用文献1の収集部は、ネットワークを介してテレビジョン受信装置(放送信号受信装置)から送られてくる視聴履歴であって、視聴履歴の種類、視聴した番組のチャンネル番号や番組名や放送局名、視聴を開始した時刻と視聴を終了した時刻との組み合わせの情報を含む視聴履歴を収集して保存エリアに保存する。
カ 【0103】の記載によれば、引用文献1の解析部は、パラメータ設定エリアで設定されたパラメータの組み合わせである抽出条件により、収集した視聴履歴の中から、可視化対象とする視聴履歴群を抽出する。
また、【0103】の記載を踏まえた、【0066】、【0105】の記載によれば、当該抽出のうち、デモグラの種類選択フィールドでのパラメータ設定に対しては、収集部が収集した視聴履歴を解析して、テレビジョン受信装置(放送信号受信装置)の初期設定時に行うアンケートにおいて設定された年齢/性別であって、デモグラの種類選択フィールドで選択された年齢/性別で定義されるデモグラの種類で絞り込むことで、可視化する対象である視聴履歴群を抽出する。
キ 【0107】、【0108】の記載によれば、引用文献1のサービス提供部は、パラメータ設定エリアで設定されたパラメータに基づいて抽出された視聴履歴群について、可視化した結果を表示する前記結果表示エリアに表示されている内容を制御する。
また、【0067】、【0072】、【0073】の記載によれば、例えば視聴量としての視聴履歴の割合を可視化した結果を表示する。
ク 【0140】の記載によれば、引用文献1の視聴履歴分析システムは、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして適用することができる。
ケ 【0105】の「デモグラフィック(デモグラ)の種類を選択するフィールド」との記載、及び【0110】の「結果表示エリア・・・に表示されている内容は、表示エリア・・・に表示されている例えば1120-1で示される番組が選択された場合の、選択された番組の視聴履歴の割合の、時間軸による遷移の様子・・・を、ライブ率、再生率、延べ再生率、ライブ率+再生率、に分けて表示した例である」との記載によれば、引用文献1の視聴履歴分析システムは、デモグラに加えて番組を選択し、選択された番組の視聴履歴の割合の、時間軸による遷移の様子を表示することができるものであって、例えば、ライブ率、再生率、延べ再生率、ライブ率+再生率に分けて表示することができる。
コ 【0104】の「週単位の起点となる日付を選択するフィールド」、「チャンネルを選択するフィールド」の記載を踏まえた、【0108】の「チャンネル選択フィールド・・・で選択されたチャンネルの番組枠の時間ごとに縦方向に分割したエリアを構成し、分割したエリアの時間ごとに、横軸に示す日ごと(日付選択フィールド・・・で選択した日付を起点に1週間分を表示)の視聴履歴の割合を、エリアの表示の色彩や模様を変えて表示する」との記載によれば、引用文献1の視聴履歴分析システムは、デモグラに加えてチャンネルを選択し、縦方向に分割したエリアの時間ごとに、横軸に示す日ごとの視聴履歴の割合を表示することができる。また、日付を起点に1週間分を表示することに関して、図11Aから、日付と曜日を横軸に表示することが見てとれる。
さらに、【0108】の「エリアの表示の色彩や模様を変えて表示する」との記載に関して、図11Aの記載から、結果表示エリア1120に表示されている番組は、視聴履歴の割合を色レンジ指定により、値に応じた色で、値が高いほど色が濃く表示されることが見てとれる。
サ 【0125】の「基準日選択フィールド・・・で選択された日付のすべての編成チャンネルの視聴履歴の割合を1つの画面で確認することができ」との記載から、引用文献1の視聴履歴分析システムは、すべての編成チャンネルの視聴履歴の割合を1つの画面で表示する。
シ 図11Aの記載から、チャンネル選択フィールド1102やデモグラの種類選択フィールド1103における選択は、プルダウンにより行われることが見てとれ、また、【0010】の記載から、図11Aは、選択された放送局の番組枠の時間において、視聴履歴を可視化した例であることがいえる。
すなわち、放送局を選択する場合の一例として、チャンネル選択フィールドによりチャンネルを選択することを含むといえる。
(2)引用発明の認定
したがって、上記摘記事項及び図面を総合勘案すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。(符号a~gは合議体が付した。以下、「引用発明の構成a」~「引用発明の構成g」、または単に「構成a」~「構成g」という。また、引用発明の各構成の末尾に、対応する上記摘記事項を示す括弧付きの記号(ア)~(シ)を付した。)。
[引用発明]
a 放送番組の視聴における、視聴履歴群を、種々のパラメータを用いて色々な観点でまとめ直すことで、放送局や番組制作会社、番組スポンサー等の番組を放送する側のユーザが理解しやすい形にして提供したり表示したりするための視聴履歴分析システムであって、
前記視聴履歴分析システムは、放送信号送信装置、サーバおよび放送信号受信装置からなり、(ア)
b 前記放送信号受信装置は、
複数あるチューナで受信した番組すべての履歴である視聴履歴を取得し、取得した視聴履歴をネットワークを介してサーバに送信する制御部を備え、取得した視聴履歴を内部に持つ保存エリアに、ライブ視聴履歴、録画視聴履歴、再生視聴履歴の種類ごとに保存するものであり、(イ)
c 視聴履歴分析装置として機能する前記サーバは、収集部と、保存エリアと、解析部と、サービス提供部と、を備え、(ウ)
d 前記サーバに備えられた前記サービス提供部が提供する視聴履歴群を可視化した画面は、パラメータ設定エリアと結果表示エリアとを有し、
d1 前記パラメータ設定エリアは、
d2 視聴履歴を抽出する日付を選択するフィールドと、
d3 結果表示エリアに表示する表示フォーマットを決定する基準局を選択するフィールドと、
d4 視聴履歴を絞り込むためのデモグラフィック(デモグラ)の種類を選択するフィールドと、
d5 視聴履歴を収集可能な放送信号受信装置の台数をデモグラ別に一覧表示する集計機器数表示エリアと、
d を有し、(エ)
e 前記収集部は、ネットワークを介して放送信号受信装置から送られてくる視聴履歴であって、視聴履歴の種類、視聴した番組のチャンネル番号や番組名や放送局名、視聴を開始した時刻と視聴を終了した時刻との組み合わせの情報を含む視聴履歴を収集して前記保存エリアに保存し、(オ)
f 前記解析部は、パラメータ設定エリアで設定されたパラメータの組み合わせである抽出条件により、収集した視聴履歴の中から、可視化対象とする視聴履歴群を抽出し、当該抽出のうち、デモグラの種類選択フィールドでのパラメータ設定に対しては、収集部が収集した視聴履歴を解析して、放送信号受信装置の初期設定時に行うアンケートにおいて設定された年齢/性別であって、デモグラの種類選択フィールドで選択された年齢/性別で定義されるデモグラの種類で絞り込むことで、可視化する対象である視聴履歴群を抽出し、(カ)
g 前記サービス提供部は、パラメータ設定エリアで設定されたパラメータに基づいて抽出された視聴履歴群について、例えば視聴量としての視聴履歴の割合を可視化した結果を表示する前記結果表示エリアに表示されている内容を制御するものであり、(キ)
a 前記視聴履歴分析システムは、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして適用することができ、(ク)
a1 デモグラに加えて番組を選択し、選択された番組の視聴履歴の割合の、時間軸による遷移の様子を表示することができ、例えば、ライブ率、再生率、延べ再生率、ライブ率+再生率に分けて表示することができるとともに、(ケ)
a2 デモグラに加えてチャンネルを選択し、縦方向に分割したエリアの時間ごとに、横軸に示す日ごとの視聴履歴の割合を表示することができ、この場合、日付と曜日を横軸に表示するものであり、結果表示エリアに表示されている番組は、視聴履歴の割合を色レンジ指定により、値に応じた色で、値が高いほど色が濃く表示され、(コ)
a3 すべての編成チャンネルの視聴履歴の割合を1つの画面で表示し、(サ)
a4 放送局を選択する場合の一例として、チャンネル選択フィールドによりチャンネル選択を行うものであって、チャンネル選択フィールドやデモグラの種類選択フィールドにおける選択は、プルダウンにより行われる、(シ)
a 視聴履歴分析システム。(ア)
2 引用文献2(甲第1号証)について
(1)引用文献2(甲第1号証)の記載事項
引用文献2(甲第1号証)である特表2019-507533号公報には、図面とともに以下の事項が記載されている。
「【0004】
[0004]本発明の実施形態は、TVオーディエンスの視聴者エンゲージメント(viewer engagement)を評価する装置、システム、および方法を含む。一例では、ディスプレイ上で再生しているビデオとの視聴者エンゲージメントを定量化するためのシステムは、ディスプレイの前の視聴エリア(viewing area)を撮像するように配設された、視聴エリアの画像データを取得するための少なくとも1つのカメラを含む。ディスプレイに結合されたスピーカによって発せられたオーディオデータを取得するために、マイクロフォンがディスプレイに近接して配設される。本システムはまた、カメラおよびマイクロフォンに動作可能に結合された、プロセッサ実行可能命令を記憶するためのメモリと、カメラ、マイクロフォン、およびメモリに動作可能に結合されたプロセッサとを含む。プロセッサ実行可能命令の実行時に、プロセッサは、カメラからの画像データと、マイクロフォンからのオーディオデータとを受信し、オーディオデータに少なくとも一部基づいて、ディスプレイ上に表示されたビデオの識別情報(identity)を決定する。プロセッサはまた、画像データに少なくとも一部基づいて、視聴エリア中に存在する人々の第1の数と、視聴エリア中のビデオにエンゲージしている人々の第2の数とを推定する。プロセッサはさらに、人々の第1の数および人々の第2の数に少なくとも一部基づいて、ビデオの視聴者エンゲージメントを定量化する。」
「【0015】
[0033]ローカルデバイスは、視聴されている特定のビデオ(たとえば、TVチャンネル、番組、または広告)を識別するために、未処理のオーディオデータをオーディオデータベース中のサンプルと照合または比較することによって、未処理のオーディオデータを処理する。代替または追加として、ローカルデバイスは、オーディオが属するコンテンツの識別情報を識別して返すサードパーティアプリケーションプログラミングインターフェース(API)に、オーディオデータに基づくクエリをサブミットすることができる。いくつかの場合には、データベースまたはAPIは、複数の一致候補を返すことがあり、リモートサーバは、TVスケジュールに関する情報、後続のオーディオサンプル、あるいは限定はしないが、セットトップボックス、ケーブル/インターネット接続、またはコンテンツプロバイダ自体を含む他のソースから収集されたデータを使用して、最良の一致を選択することができる。」
「【0018】
[0036]リモートサーバは、異なる世帯におけるローカルデバイスから、処理された画像およびオーディオデータを収集する。それは、コミュニティ中の異なる世帯から収集された視聴者エンゲージメント情報を統計的に分析することによって、コミュニティ全体にわたる視聴者エンゲージメントを評価するために、このデータを処理する。たとえば、サーバは、各世帯から収集された極めて細かいデータから、検出された番組の全長に対する、視聴者エンゲージメントの比を定量化することができる。
【0019】
[0037]統計的分析はさらに、ビデオを見ている人々および/または世帯中の人々の人口統計学的情報(たとえば、年齢、性別、世帯収入、民族など)を考慮に入れることができる。すべてのこの情報に基づいて、サーバは、視聴者エンゲージメントを定量化するために、視聴可能性インデックスおよび注意インデックス(attention index)(どちらも以下で定義される)など、様々なインデックスを計算し得る。これらの視聴者エンゲージメントインデックスは、視聴者のボディジェスチャ、動き、および視聴者の顔の向きに関する情報、ならびにビデオ情報を含む、ローカルデバイスによって提供される任意およびすべての情報に基づき得る。これらの定量的インデックスは、特に、(i)誰がディスプレイを実際に見ているか、(ii)オーディエンスメンバがどのくらいの頻度でディスプレイを見るか、およびii)ディスプレイ上の番組および広告に対するオーディエンスの反応を示すことができる。
【0020】
[0038]定量的インデックスは、次いで、リモートサーバによって中央ストレージ(たとえば、クラウドベースのデータベース)に転送され得、ここで、限定はしないが、TV広告代理店およびTVネットワークを含むサードパーティは、インデックスおよび場合によっては他のデータにもアクセスすることができる。代替的に、センサによって収集された未処理データ(raw data)は、クラウド上の中央ストレージに転送され得、そこで、本明細書で説明される方法によって分析され、関係するサードパーティにとって利用可能になる。サードパーティは、オプションによりシステムを通して未処理データにアクセスし得る。この例における未処理データは、(ビデオおよびオーディオストリーム自体ではなく)ビデオおよびオーディオストリームを処理した後に収集されたデータを含む。概して、未処理データは、1秒未満ごとの(たとえば、1/2秒以下ごとの)、視聴者の一意の識別子、視聴者の注意深さ(attentiveness)、および視聴者によって視聴されている番組を含むことができる。さらなる定量的インデックス(以下のさらなる詳細を参照)が、この未処理データを使用してリモートサーバ上で算出され得る。
【0021】
[0039]広告主にとって有益であり得る、個々の層(demographics)の先例のない測定値を含む、この取得および分析されたデータは、コンテンツプロバイダまたは広告代理店などの収集エンティティが、ビデオの影響を正確に評価することを可能にすることができる。たとえば、広告代理店は、どのコマーシャル枠が広告代理店のターゲットオーディエンスに対する最良適合であるかを決定するために、データを使用することができる。人口統計学的情報を用いて、データは、オーディエンスのタイプと照合され得、効果的に購買行動を導き、それにより、番組における投資収益率(ROI:return on investment)を高めることができる。TVネットワークも、そのTV番組のより正確なレーティング、オーディエンスタイプ、反応、および予測広告枠価値(predictive ad slot value)を収集することができるので、データから恩恵を受けることができる。これはさらに、どの広告枠が特定のターゲット層に対して最も高い価値を有し得るかを決定することに加えて、TVネットワークがその番組をオーディエンスのタイプにより良く適合するように改善し、あまり人気がないショーをなくすことを可能にする。
【0022】
[0040]取得および分析されたデータはまた、様々なビジネスモデルを可能にする。たとえば、収集エンティティは、国および/または地域の層を表す選択されたユーザ世帯に置かれた動き検知デバイスから収集された、分析のためのパフォーマンスベースのTVレーティングデータおよび未処理データを、TVネットワーク、広告代理店、および他の関係するサードパーティに、ならびに広告代理店からデータを取得する広告主に間接的に、提供することができる。」
「【0035】
[0055]ローカルプロセッサはさらに、人口統計学的レベルで、視聴エリア101中の検出された各人物を識別することができる(たとえば、25~30歳の男性、12~15歳の少女)(210)。ローカルプロセッサ150が、たとえば、ローカルメモリ160またはリモートサーバ170を介して、ローカルデバイス105が設置された世帯に関する情報へのアクセスを有する場合、ローカルプロセッサ150は、視聴エリア101中の検出された各人物のより確信的な人口統計学的情報推定値を提供するために、この人口統計学的情報を使用し得る。ローカルプロセッサは、視聴エリアにいる世帯中の特定の人々を識別することさえある。
・・・
【0039】
[0059]システムが同期的に可視およびIR画像を収集する場合、可視およびIRカメラは、人々を検出し(204)、エンゲージしている視聴者をカウントし(206)、人口統計学的に視聴者を識別し(210)、気分を推定する(212)ために、プロセッサによって使用されるコンピュータビジョンモデルをトレーニングするための画像を収集することができる。トレーニングは、「グラウンドトゥルース(ground truth)」を確立するために採用され得る。ほとんど並行してIRセンサとRGBセンサの両方から画像データを収集すると、人間が、各画像中の検出された人々に注釈を付けることができる。この手作業のデータは、トレーニングアルゴリズムに供給され得、2つの別個のモデル、可視RGBスペクトルに関してトレーニングされた一方と、IRスペクトルに関してトレーニングされた他方とをもたらす。次いで、「グラウンドトゥルース」に対する各モデルの検出レートは、より良く機能するモデルを選択するために比較される。このトレーニングのさらなる詳細は、図2Bを参照しながら以下で説明される。」
「【0062】
[0083]視聴者エンゲージメントを評価すること
[0084]図3A~図6は、視聴可能性インデックスおよび注意インデックスなどの尺度を使用して、ビデオとの視聴者エンゲージメントを定量化する方法を示す。以下の定義は、ビデオとの視聴者エンゲージメントを定量化するための本発明の方法および装置を理解するのに役立ち得る。
【0063】
[0085]番組持続時間(Program Duration)は、たとえば、秒、分、または時間単位の、一意の番組の合計持続時間として定義される。異なる番組の持続時間が比較され得る限り、使用される実際の単位(秒、分、または時間)は重要でない。
・・・
【0070】
[0092]視聴レート(VR:Viewing Rate)は、オンであるTV受像機の合計数分の、すべての世帯にわたる視聴エリア中の人々の合計数の比として定義される。たとえば、40個の異なるTV受像機によって定義される視聴エリアに100人がいる場合(各TV受像機は1つの視聴エリアを定義する)、視聴レートは2.5(すなわち、100/40)である。
【0071】
[0093]注意レート(AR:Attention Rate)は、すべての世帯にわたる視聴エリア中の人々の合計数分の、すべての世帯にわたるTVに注意している人々の合計数の比として定義される。たとえば、本方法によって考慮に入れられるすべての個人にわたって100人が視聴エリア中にいるが、60人のみがTVを実際に見ている(残りの40人は、他のことをしながらただTVをオンにままにし得る)場合、注意レートは0.6または60%である。
【0072】
[0094]視聴可能性インデックス(VI:Viewability Index)は、各番組およびコマーシャルについての視聴レート(VR)の平均として定義される。
【0073】
[0095]注意インデックス(Attention Index)は、各番組およびコマーシャルについての注意レート(AR)の平均として定義される。
【0074】
[0096]図3Aは、顔および眼球追跡310、顔認識320、ならびに感情分析330を含む、視聴者エンゲージメントを評価する方法300(たとえば、図2Aの方法200におけるボックス206)を示す。プロセッサ(たとえば、図1に示されているローカルプロセッサ150)が、方法300を実装するために使用され得る。方法300における入力データは、視聴エリアの画像データ、オーディオデータ、または深度データなど、図1に示されているローカルデバイス105によって取得されたデータであり得る。顔が動くにつれてそれを追跡するための特徴的データポイントを識別し、ユーザがスクリーンを見ているかどうかを決定するために、顔および眼球追跡310が採用される。たとえば、人工知能を使用して、視聴者の識別情報を決定するために、顔認識320が採用される。たとえば、特に、顔の特徴、ジェスチャ、および心拍数を分析するための人工知能を使用して、視聴者の感情を決定するために、感情分析330が採用される。
・・・
【0079】
[0101]方法300はまた、特定のタイミングポイントにおいてどのビデオが再生されているかを確かめるために、(たとえば、図1に示されているマイクロフォン140によって取得された)オーディオデータを、ビデオ(たとえば、TVショー)および他のオーディオのオーディオデータベースと比較することができる。一例では、ビデオ照合(video matching)は、方法300によって識別された視聴者によってどのTV局が視聴されているかを決定することができる。別の例では、ビデオ照合は、視聴者によってどのTV番組が視聴されているかを決定することができる。また別の例では、ビデオ照合は、どのコマーシャル広告が視聴されているかを決定することができる。代替または追加として、視聴されているTVチャンネル、番組、または広告は、限定はしないが、ケーブルまたは衛星放送用セットトップボックス、あるいは他の番組プロバイダのハードウェアまたはブロードキャスト信号を含む、他のソースから収集されたデータから決定され得る。
【0080】
[0102]図3Bは、本明細書で説明される視聴者エンゲージメントを定量化するための技法を介して推定され得る、視聴可能性インデックスおよび注意インデックスの概念を示す。概して、視聴可能性インデックスは、スクリーン上にあるものが人々を部屋に連れてくる傾向を定量化する。注意インデックスは、スクリーン上にあるものが視聴オーディエンスをエンゲージさせる傾向を定量化する。言い換えれば、視聴可能性インデックスは、ビデオ(または他の表示されたコンテンツ)が最初に視聴者を引きつける確率と考えられ得、注意インデックスは、視聴者がすでに視聴エリアにいるときから、ビデオが視聴者をディスプレイの前にとどめる確率と考えられ得る。図3Bに示されているように、視聴可能性インデックスは、視聴エリア中に存在する人々の数に依存し、注意インデックスは、ディスプレイを実際に見ている人々数に依存する。
・・・
【0086】
[0109]画像データは、様々な取得レートで取得され得る。一例では、画像データは毎秒50回撮影され得る(50Hz)。一例では、画像データは毎秒30回撮影され得る(30Hz)。また別の例では、画像データは1秒ごとに撮影され得る(1Hz)。また別の例では、画像データは2秒ごとに撮影され得る(0.5Hz)。また別の例では、画像データは5秒ごとに撮影され得る(0.2Hz)。さらに、方法300は、世帯の人口統計学的情報を考慮に入れて視聴者エンゲージメント情報を導出するように、視聴エリア中の視聴者ごとに画像データを撮影および分類することができる。」
「【0134】
[0161]図16は、視聴者エンゲージメントデータ収集に参加する個人および世帯(TVオーディエンス)からの追加情報1600の収集の例を示す。TVオーディエンスは、関係するサードパーティに有用な国および/または地域の層を表し得る。収集エンティティは、ビデオデータ1610および人口統計学的情報を収集し、システムによって集められTV視聴率に関する方法によって分析されたデータとともにパッケージ化して、この情報を有償で顧客に提供することができる。TVオーディエンスから収集され得る情報の例は、限定はしないが、特に、TWITTER(登録商標)、Instagram、FACEBOOK(登録商標)など、ソーシャルメディアプロファイル1620を通して取得され得るすべての情報を含む。情報は、(テレビジョンオーディオと世帯中の個人から発せられた会話などのオーディオの両方を含む)システムから取得されたビデオデータおよびオーディオデータ1640と、スマートフォンおよびタブレット検索傾向、インターネット検索履歴、電子メールアカウント情報を含むマルチスクリーンデータ1630と、クレジットカード取引データ1650とをさらに含むことができる。このリストは網羅的なものではなく、限定するものとして解釈されるべきではない。」
(2)引用文献2記載の技術の認定
上記記載によれば、引用文献2には、以下の技術(符号a~fは合議体が付した。以下では、符号a~fを付した部分を「引用文献2記載の技術a」~「引用文献2記載の技術f」という。また、これらを総称して、「引用文献2記載の技術」という。)が記載されているといえる。
a ディスプレイ上で再生しているビデオとの視聴者エンゲージメントを定量化するためのシステムは、ディスプレイの前の視聴エリアを撮像するように配設された、視聴エリアの画像データを取得するためのカメラとプロセッサを含み、プロセッサは、カメラからの画像データに基づいて、視聴エリア中に存在する人々の第1の数と、視聴エリア中のビデオにエンゲージしている人々の第2の数とを推定し、人々の第1の数および第2の数に基づいて、ビデオの視聴者エンゲージメントを定量化するものであり(【0004】)、カメラは人々を検出し、エンゲージしている視聴者をカウントし、人口統計学的に視聴者を識別するものであり(【0039】)、視聴者の識別情報を決定するために、顔認識が採用され(【0074】)、
b 世帯の人口統計学的情報を考慮に入れて視聴者エンゲージメント情報を導出するように、視聴エリア中の視聴者ごとに画像データを撮影および分類するものであって(【0086】)、
c 各番組およびコマーシャルについての、オンであるTV受像機の合計数分の、すべての世帯にわたる視聴エリア中の人々の合計数の比として定義される視聴レート(VR:Viewing Rate)の平均として定義され、視聴エリア中に存在する人々の数に依存する視聴可能性インデックス(VI:Viewability Index)や、各番組およびコマーシャルについての、すべての世帯にわたる視聴エリア中の人々の合計数分の、すべての世帯にわたるTVに注意している人々の合計数の比として定義される注意レート(AR:Attention Rate)の平均として定義され、ディスプレイを実際に見ている人々数に依存する注意インデックス(Attention Index)などの尺度を使用して、ビデオとの視聴者エンゲージメント情報を定量化するものであり(【0062】、【0070】~【0073】、【0080】)、
d リモートサーバが、異なる世帯におけるローカルデバイスから、処理された画像およびオーディオデータを収集し、収集された視聴者エンゲージメント情報の統計的分析を行うものであり(【0018】)、統計的分析は、ビデオを見ている人々および/または世帯中の人々の年齢、性別、世帯収入、民族などの人口統計学的情報を考慮に入れ(【0019】)、収集される人口統計学的情報として、ソーシャルメディアプロファイルを通して取得され得るすべての情報を含み(【0134】)、人口統計学的レベルで、視聴エリア中の検出された各人物を識別(たとえば、25~30歳の男性、12~15歳の少女)し、視聴エリアにいる世帯中の特定の人々を識別するものであって(【0035】)、視聴者エンゲージメントを定量化するための視聴可能性インデックス及び注意インデックスなどを計算し(【0019】)、
e これらの視聴者エンゲージメントインデックスは、リモートサーバによって中央ストレージに転送され、TV広告代理店およびTVネットワークは、インデックスにアクセスすることができ(【0019】~【0020】)、広告主にとって有益であり得る、個々の層の(demographics)の測定値を含む取得および分析されたデータは、コンテンツプロバイダまたは広告代理店などの収集エンティティが、ビデオの影響を正確に評価することを可能にするものであって、たとえば、広告代理店は、どのコマーシャル枠が広告代理店のターゲットオーディエンスに対する最良適合であるかを決定するために、データを使用するものであり(【0021】)、視聴されている特定のビデオの例として広告があり(【0015】)、
f 特定のタイミングポイントにおいてどのビデオが再生されているかを確かめるために、たとえばマイクロフォンによって取得されたオーディオデータをビデオおよび他のオーディオのオーディオデータベースと比較すること(【0079】)。
第6 取消理由通知(決定の予告)において通知した特許異議申立理由についての当審の判断
1 本件訂正発明1について
ア 対比
本件訂正発明1と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の構成aの「放送番組」は、本件訂正発明1の構成1Cの「テレビに表示されるコンテンツ」に相当する。
また、引用発明の構成d4の「デモグラフィック(デモグラ)」は、構成fに「デモグラの種類選択フィールドで選択された年齢/性別で定義されるデモグラの種類」とあるように「年齢/性別で定義される」ものであり、構成fの「放送信号受信装置の初期設定時に行うアンケートにおいて設定された年齢/性別」であるが、これは、本件訂正発明1の構成1Bの「入力インターフェースを介してユーザから」「受け付け」た「属性」及び構成1Cの「前記受け付けた属性」を踏まえた、構成1C1の「嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む」「前記属性」と、「入力インターフェースを介してユーザから」「受け付け」た「属性」である点で共通する。
しかしながら、本件訂正発明1の構成1C1の「前記属性」は、「嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む」「属性」であるのに対し、引用発明の上記「デモグラフィック(デモグラ)」は、「年齢/性別」である点で相違する。
(イ)引用発明の構成eにおける「視聴履歴を収集して」「保存」する「保存エリア」は、本件訂正発明1の構成1Cの「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段」に対応する。
ここで、引用発明は、「放送番組の視聴における視聴履歴分析」を行う発明であり、構成fに特定されるように「デモグラの種類選択フィールドでのパラメータ設定に対しては、収集部が収集した視聴履歴を解析し」、「デモグラの種類選択フィールドで選択された年齢/性別で定義されるデモグラの種類で絞り込むことで、可視化する対象である視聴履歴群を抽出し」ていることから、予め放送番組の視聴履歴群をデモグラと関連付けて保存エリアに保存しているといえ、また、上記の放送番組の視聴履歴群は放送番組すなわちコンテンツの視聴に関する情報の具体例であるといえる。
一方、本件訂正発明における「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値」もまたコンテンツの視聴に関する情報の具体例であるといえる。
したがって、本件訂正発明1の「記憶手段」と引用発明の上記「保存エリア」とは、上記(ア)の認定を合わせると、テレビに表示されるコンテンツの視聴に関する情報を、「属性」と関連付けて記憶手段に記憶する点で共通する。
しかしながら、上記「属性」と関連付けて記憶する、コンテンツの視聴に関する情報について、本件訂正発明1では、構成1Cに特定されるように「視聴質値」であるのに対し、引用発明では「視聴履歴」である点で相違する。
(ウ)引用発明において、構成d2~d5に特定される「視聴履歴を絞り込むためのデモグラフィック(デモグラ)の種類を選択するフィールド」等を有する、構成d、d1における「パラメータ設定エリア」には、当該「パラメータ設定エリア」に情報を設定するための構成があることが自明である。
また、上記(ア)のように「デモグラ」が「属性」であることを踏まえると、引用発明の上記「パラメータ設定エリア」に情報を設定するための構成とは、属性を設定するための構成であるということができる。
してみると、上記「パラメータ設定エリア」に情報を設定するための構成は、本件訂正発明1の構成1Bの「入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段」に相当するといえる。
(エ)引用発明の構成fの「解析部」は、「パラメータ設定エリアで設定されたパラメータの組み合わせである抽出条件により、収集した視聴履歴の中から、可視化対象とする視聴履歴群を抽出」するものであり、構成eに特定されるように「視聴履歴」は「保存エリアに保存」されている。
ここで、上記(イ)のように、上記視聴履歴群はコンテンツの視聴に関する情報の具体例であるといえることから、上記「解析部」は、視聴に関する情報を記憶手段から取得するものということができる。
そうすると、引用発明の上記「解析部」は、本件訂正発明1の構成1Cの「取得手段」と、記憶手段から、受け付けた属性に関連付けられた、視聴に関する情報を取得する取得手段を備える点で共通する。
しかしながら、取得される情報が、本件訂正発明1では、構成1Cに特定されるように「視聴質値」であるのに対し、引用発明では「視聴履歴群」である点で相違する。
(オ)引用発明の構成gの「サービス提供部」は、「パラメータ設定エリアで設定されたパラメータに基づいて抽出された視聴履歴群について、例えば視聴量としての視聴履歴の割合を可視化した結果を表示する前記結果表示エリアに表示されている内容を制御する」ことから、本件訂正発明1の構成1Dの「出力制御手段」に対応し、引用発明と本件訂正発明1とは、取得された視聴に関する情報を出力させる出力制御手段を備える点で共通する。
しかしながら、出力される情報が、本件訂正発明1では、構成1Dに特定されるように「取得された視聴質値に関する情報」であるのに対し、引用発明では「視聴履歴の割合」である点で相違する。
(カ)引用発明の「視聴履歴分析システム」は、対応する摘記事項が(ク)である構成aで特定されるように「コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして適用することができ」、上記(オ)のように、引用発明の「サービス提供部」は、取得された視聴に関する情報を出力させることから、引用発明の視聴履歴分析システムを実現するための「プログラム」は、視聴に関する情報を出力する出力プログラムといえる。
また、本件訂正発明1の構成1Aの「コンピュータを」機能させる「視聴質出力プログラム」が出力する構成1Dの「視聴質値」は、上記(イ)のように、コンテンツの視聴に関する情報の具体例であるといえる。
してみると、引用発明の視聴履歴分析システムを実現するための「プログラム」と本件訂正発明1の構成1Aの「コンピュータを」機能させる「視聴質出力プログラム」とは、視聴に関する情報を出力する出力プログラムという点で共通する。
しかしながら、出力する情報が、本件訂正発明1では、構成1Aのように「視聴質」であるのに対し、引用発明では、構成gのように「視聴履歴の割合」である点で相違する。
さらに、本件訂正発明1の「視聴質出力プログラム」では、(ただし、視聴質値に加え、テレビのチューナで受信したコンテンツすべての履歴である視聴履歴が属性と関連付けて記憶手段に記憶されており、前記受け付けた属性に関連付けられた前記視聴履歴を取得し、前記視聴履歴に関する情報を出力させるものを除く)、すなわち、視聴質値を出力するものであって、かつ、視聴履歴に関する情報を出力しないものであるのに対して、
引用発明の「プログラム」では、視聴履歴に関する情報を出力することについての制約は存在しない点で相違する。
以上の対比から、本件訂正発明1と引用発明との一致点、相違点は、以下のとおりである。
[一致点]
コンピュータを、
入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段と、
テレビに表示されるコンテンツの視聴に関する情報を属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた属性に関連付けられた視聴に関する情報を取得する取得手段と、
前記取得された視聴に関する情報に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、
前記属性は、性別、年齢の少なくとも1つを含む、
視聴に関する情報を出力する出力プログラム。
[相違点1]
「属性」が、
本件訂正発明1では、「嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む」のに対し、
引用発明では、「年齢/性別」である点。
[相違点2]
属性と関連付けて記憶手段に記憶し、記憶手段から取得され、出力させる、「テレビに表示されるコンテンツの」視聴に関する情報について、
本件訂正発明1では、記憶し、取得される上記の情報が「視聴質値」であり、出力させる上記の情報が「取得された視聴質値に関する情報」であるのに対し、
引用発明では、記憶する上記の情報が「視聴履歴」であり、取得する上記の情報が「視聴履歴群」であり、出力させる上記の情報が「視聴履歴の割合」である点。
[相違点3]
視聴に関する情報を出力する出力プログラムについて、出力する情報が、
本件訂正発明1では、「視聴質値」であるのに対し、
引用発明では、「視聴履歴の割合」である点。
[相違点4]
視聴に関する情報を出力する出力プログラムについて、
本件訂正発明1では、(ただし、視聴質値に加え、テレビのチューナで受信したコンテンツすべての履歴である視聴履歴が属性と関連付けて記憶手段に記憶されており、前記受け付けた属性に関連付けられた前記視聴履歴を取得し、前記視聴履歴に関する情報を出力させるものを除く)、すなわち、視聴質値を出力するものであって、かつ、視聴履歴に関する情報を出力するものではないのに対し、
引用発明では、視聴履歴に関する情報を出力することについての制約は存在しない点。
イ 判断
(ア)相違点1について
引用発明において、年齢/性別で定義されたデモグラは、本件訂正発明1における「属性」の一形態である、年齢または性別の少なくとも1つを含む場合に含まれるものといえる。
そうすると、上記相違点1は実質的な相違点ではない。
(イ)相違点2及び相違点3を踏まえた相違点4について
引用文献2には、
・ビデオの影響を正確に評価することを可能とする技術(引用文献2記載の技術e)において、
・リモートサーバが、異なる世帯におけるローカルデバイスから、処理された画像およびオーディオデータを収集し、収集された視聴者エンゲージメント情報の統計的分析を行うものであり(引用文献2記載の技術d)、
・視聴可能性インデックス(VI:Viewability Index)や注意インデックス(Attention Index)などの尺度を使用して視聴者エンゲージメント情報を定量化するものであり(引用文献2記載の技術c)、
・年齢、性別、世帯収入、民族などの人口統計学的情報を考慮に入れた統計的分析を行うものであって(引用文献2記載の技術d)、
・これらの視聴者エンゲージメントインデックスは、TV広告代理店およびTVネットワークがアクセスできるようにすることで、コンテンツプロバイダまたは広告代理店が広告主にとって有益であり得るデータを使用する(引用文献2記載の技術e)
ことを含む、引用文献2記載の技術が示されている。
引用発明と引用文献2記載の技術は、いずれも放送局や番組制作会社やコンテンツプロバイダのような、コンテンツを作成し供給する者に対しても、また、広告代理店などを通して最終的には広告主に対しても、有益な情報を提供するという共通の課題を有するといえる。
さらに、引用発明のような視聴履歴分析システムにおいて、視聴者がどの程度の関心を持って視聴しているかといった、より付加価値の高い情報を放送局や番組制作会社や広告主などに提供したいという要求は、広く認識されている。
以上から、引用発明に引用文献2記載の技術を適用することで、引用発明の視聴履歴群を種々のパラメータを用いて、番組制作会社や番組スポンサー等のユーザが理解しやすい形にして提供する視聴履歴分析システムにおいて、引用文献2記載の技術における、コンテンツプロバイダまたは広告代理店が広告主にとって有益であり得るデータを使用すること、この有益であり得るデータは視聴者エンゲージメントに関する情報である、視聴可能性インデックスや注意インデックスに関連することがいえる。
すなわち、引用発明の視聴履歴、視聴履歴群、視聴履歴の割合といった情報に加えて、又はこれらの情報に代えて、引用文献2記載の技術における視聴可能性インデックスや注意インデックスを使用することについて、ビデオの影響を正確に評価することを可能にする構成を採用する動機付けは存在するというべきである。
そして、引用発明に引用文献2記載の技術を適用し、引用発明において記憶、取得及び出力される情報について、視聴履歴、視聴履歴群、視聴履歴の割合といった情報に、引用文献2記載の技術における、視聴可能性インデックスや注意インデックスという情報を加えることで、
・視聴履歴、視聴履歴群、視聴履歴の割合と、
・視聴可能性インデックスや注意インデックスと、
の両者を記憶、取得及び出力する構成を含む発明(以下、「適用された発明1」という。)を想到することは、当業者にとって格別の困難性を要するものではない。
ここで、適用された発明1における、視聴可能性インデックスや注意インデックスは、本件特許明細書の【0056】に例示される「視聴質」や「視聴質値」に相当するものであることを踏まえると、適用された発明1は、上記相違点2及び上記相違点3に関する構成を含むものといえる。
しかしながら、適用された発明1は、視聴質値と視聴履歴の両者を出力することになるが、これは相違点4に関する構成を具備しないことになる。
一方、引用発明に引用文献2記載の技術を適用し、引用発明において記憶および出力される情報について、視聴履歴、視聴履歴群、視聴履歴の割合といった情報に代えて、引用文献2記載の技術における、視聴可能性インデックスや注意インデックスという情報を用いることで、視聴可能性インデックスや注意インデックスを記憶、取得および出力する構成を含む発明(以下、「適用された発明2」という。)を想到することは、当業者にとって格別の困難性を要するものではない。
しかしながら、適用された発明2は、視聴履歴に関する事項を発明中に含まず、視聴履歴を取得することはもちろん、視聴履歴を記憶することもないといえる。
一方、本件特許は、構成1Xのとおり、視聴質値のうち、視聴履歴に関する情報の出力を伴わないものだけを選択しているのであって、視聴履歴に関する情報は記憶されている。
そうすると、上記適用された発明2も、相違点4に関する構成を具備しないことになる。
(ウ)小括
上記(ア)及び(イ)を総合すると、引用発明に引用文献2記載の技術を適用することによっては、上記相違点4に関する構成を具備するものとはいえず、本件訂正発明1を想到することは、当業者にとって容易になし得たものとはいえない。
2 本件訂正発明2について
本件訂正発明2は、実質的には、本件訂正発明1から構成1Xを除いたものにおいて、さらに、上記「第3 本件訂正発明」における構成2C2、2B2、2C3の
2C2 前記記憶手段は、視聴質値をコンテンツおよび前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶しており、
2B2 前記設定受付手段は、視聴者の属性に加えてコンテンツを含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付け、
2C3 前記取得手段は、前記記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれるコンテンツおよび前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性に関連付けられた視聴質値を取得する、
という構成を追加するとともに、構成1Bに対応する構成2Bの「設定受付手段」、及び構成1Cに対応する構成2Cの「記憶手段」及び「取得手段」について、構成2B2、構成2C2及び構成2C3と一貫するように、
2B 入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、
2C テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段
としたものである。
ア 対比
本件訂正発明2と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の構成aの「放送番組」は、本件訂正発明2の構成2Cの「テレビに表示されるコンテンツ」に相当する。
また、引用発明の構成d4の「デモグラフィック(デモグラ)」は、構成fに「デモグラの種類選択フィールドで選択された年齢/性別で定義されるデモグラの種類」とあるように「年齢/性別で定義される」ものであり、構成fの「放送信号受信装置の初期設定時に行うアンケートにおいて設定された年齢/性別」であるが、これは、本件訂正発明2の構成2Bの「入力インターフェースを介してユーザから」「受け付け」た「視聴者の属性」、及び構成2Cの「前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性」を踏まえた構成2C1の「嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含」む「視聴者の属性」と、「入力インターフェースを介してユーザから」「受け付け」た「属性」である点で共通する。
しかしながら、本件訂正発明2の構成2C1の「属性」は「嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む」「視聴者の属性」であるのに対し、引用発明の上記「デモグラフィック(デモグラ)」は、「年齢/性別」であり、かつ「視聴者の属性」とは限らない点で相違する。
(イ)引用発明の構成eにおける「視聴履歴を収集して」「保存」する「保存エリア」は、本件訂正発明2の構成2Cの「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を」「記憶した記憶手段」に対応する。
また、引用発明は、構成eに特定されるように、「視聴した番組のチャンネル番号や番組名や放送局名」を「保存エリアに保存」していることから、「コンテンツ」を特定可能な情報を記憶しているものといえる。
そして、上記(ア)のとおり、
・「デモグラ」が「放送信号受信装置の初期設定時に行うアンケートにおいて設定された年齢/性別」であり、「属性」であること、
及び上記1ア(イ)のとおり、
・放送番組の視聴履歴群をデモグラと関連付けて保存エリアに保存していること、
・上記の放送番組の視聴履歴群は放送番組すなわちコンテンツの視聴に関する情報の具体例であること、
を考慮すると、
本件訂正発明2の構成2Cの「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値」を踏まえた構成2C2の「視聴質値をコンテンツおよび前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶して」いる「記憶手段」と、引用発明の「保存エリア」とは、「テレビに表示されるコンテンツの」視聴に関する情報を、「コンテンツ」及び「属性」と関連付けて記憶している点で共通する。
しかしながら、「テレビに表示されるコンテンツの」視聴に関する情報と、これと関連付けて記憶している「コンテンツ」及び「属性」について、
本件訂正発明2の「記憶手段」は、構成2C、2C2に特定されるように、「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値」と「コンテンツおよび前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性」とを関連付けて記憶しているのに対し、
引用発明の「保存エリア」は、「視聴履歴」と「視聴した番組のチャンネル番号や番組名や放送局名」のようにコンテンツを特定可能な情報及び「デモグラ」すなわち「放送信号受信装置の初期設定時に行うアンケートにおいて設定された年齢/性別」とを関連付けて記憶している点で相違する。
(ウ)引用発明において、構成d2~d5に特定される「視聴履歴を絞り込むためのデモグラフィック(デモグラ)の種類を選択するフィールド」等を有する、構成d、d1における「パラメータ設定エリア」には、当該「パラメータ設定エリア」に情報を設定するための構成があることが自明である。
また、上記(ア)のように「デモグラ」が「属性」であることを踏まえると、引用発明の上記「パラメータ設定エリア」に情報を設定するための構成とは、属性を設定するための構成であるということができる。
してみると、上記「パラメータ設定エリア」に情報を設定するための構成は、本件訂正発明2の構成2Bの「入力インターフェースを介してユーザから」「属性」「の設定を受け付ける設定受付手段」に相当するといえる。
さらに、引用発明では、構成a1において特定されるように「例えば、ライブ率、再生率、延べ再生率、ライブ率+再生率に分かれて表示することができる」ように「番組を選択し、選択された番組の視聴履歴の割合の、時間軸による遷移の様子を表示する」ための構成を備えることから、複数種類の視聴履歴のうち、どの視聴履歴を表示させるかを設定することができるといえる。
一方、本件特許明細書の【0090】に「設定受付部53は、どのような視聴質を表示させるか(すなわち、表示させる視聴質の対象)の設定を、入力インターフェース51を介してユーザから受け付ける。この設定は、例えば、放送局、期間、番組、視聴者の属性、集計時間の少なくとも1つを含み得る。」という記載があり、この記載を踏まえると、本件訂正発明2の構成2B、2B2の「設定受付手段」において設定される「コンテンツ」には、「番組」を含むといえる。
以上のことから、引用発明の「パラメータ設定エリア」に情報を設定するための構成、「番組を選択」するための構成、複数種類の視聴履歴のうちどの視聴履歴を表示させるかを設定するための構成を合わせたものと、本件訂正発明2の構成2B、2B2の「入力インターフェースを介してユーザから」「属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段」であって、「属性に加えてコンテンツを含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける」「前記設定受付手段」とは、属性に加えてコンテンツを含むどのようなコンテンツの視聴に関する情報を出力させるかの設定を受け付けるという点で共通する。
しかしながら、本件訂正発明2の「設定受付手段」は「どのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける」のに対し、
引用発明の上記「パラメータ設定エリア」に情報を設定するための構成や「番組を選択」するための構成を合わせたものは、複数種類の視聴履歴のうち、どの視聴履歴を表示させるかの設定を受け付ける点で相違する。
(エ)上記1ア(エ)と同様に、引用発明の構成fの「解析部」は、視聴に関する情報を記憶手段から取得するものということができ、上記「解析部」と、本件訂正発明2の構成2Cの「受け付けた設定に含まれる」「視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する」「取得手段」とは、記憶手段から、受け付けた設定に含まれる属性に関連付けられた、視聴に関する情報を取得する取得手段を備える点で共通する。
また、引用発明の構成a1において「番組を選択」することは、本件訂正発明2の構成2C3における「受け付けた設定に含まれるコンテンツ」を取得することに対応する。
しかしながら、本件訂正発明2の「取得手段」は、「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値をテレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶している記憶手段」から、「受け付けた設定に含まれるコンテンツおよび前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性に関連付けられた視聴質値を取得する」のに対し、
引用発明の「解析部」は、「保存エリア」から、「視聴履歴」と「デモグラ」すなわち「放送信号受信装置の初期設定時に行うアンケートにおいて設定された年齢/性別」から、受け付けた設定に含まれる年齢/性別に関連付けられた視聴履歴群を取得する点で相違する。
(オ)引用発明の構成gの「サービス提供部」は、「パラメータ設定エリアで設定されたパラメータに基づいて抽出された視聴履歴群について、例えば視聴量としての視聴履歴の割合を可視化した結果を表示する前記結果表示エリアに表示されている内容を制御する」ことから、本件訂正発明2の構成2Dの「出力制御手段」に対応し、引用発明と本件訂正発明2とは、取得された視聴に関する情報を出力させる出力制御手段を備える点で共通する。
しかしながら、出力される情報が、本件訂正発明2では、構成2Dに特定されるように「取得された視聴質値に関する情報」であるのに対し、引用発明では「視聴履歴の割合」である点で相違する。
(カ)引用発明の「視聴履歴分析システム」は、対応する摘記事項が(ク)である構成aで特定されるように「コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして適用することができ」、上記(オ)のように、引用発明の「サービス提供部」は、取得された視聴に関する情報を出力させることから、引用発明の視聴履歴分析システムを実現するための「プログラム」は、視聴に関する情報を出力する出力プログラムといえる。
また、本件訂正発明1の構成1Aの「コンピュータを」機能させる「視聴質出力プログラム」が出力する構成1Dの「視聴質値」は、上記(イ)のように、コンテンツの視聴に関する情報の具体例であるといえる。
してみると、引用発明の視聴履歴分析システムを実現するための「プログラム」と本件訂正発明2の構成2Aの「コンピュータを」機能させる「視聴質出力プログラム」とは、視聴に関する情報を出力する出力プログラムという点で共通する。
しかしながら、出力する情報が、本件訂正発明2では、構成2Aのように「視聴質」であるのに対し、引用発明では、構成gのように「視聴履歴の割合」である点で相違する。
以上のことから、本件訂正発明2と引用発明との一致点、相違点は以下のとおりである。
[一致点]
コンピュータを、
入力インターフェースを介してユーザから属性を含むどのような視聴に関する情報を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段と、
テレビに表示されるコンテンツの視聴に関する情報を属性と関連付けて記憶した記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれる属性に関連付けられた視聴に関する情報を取得する取得手段と、
前記取得された視聴に関する情報に関する情報を出力させる出力制御手段と、として機能させ、
前記属性は、性別、年齢の少なくとも1つを含み、
前記記憶手段は、テレビに表示されるコンテンツの視聴に関する情報をコンテンツおよび属性と関連付けて記憶しており、
前記設定受付手段は、属性に加えてコンテンツを含むどのようなコンテンツの視聴に関する情報を出力させるかの設定を受け付け、
前記取得手段は、前記記憶手段から、前記受け付けた設定に含まれるコンテンツおよび前記属性に関連付けられた、コンテンツの視聴に関する情報を取得する
視聴に関する情報を出力する出力プログラム。
[相違点1]
「属性」が、
本件訂正発明2では、「嗜好、性別、年齢および収入の少なくとも1つを含む」「視聴者の属性」であるのに対し、
引用発明では、「年齢/性別」である点。
[相違点2]
「テレビに表示されるコンテンツの」視聴に関する情報と、これと関連付けて記憶している「コンテンツ」及び「属性」について、
本件訂正発明2の「記憶手段」では、「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値」と「コンテンツおよび前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性」とを関連付けて記憶しているのに対し、
引用発明の「保存エリア」では、「視聴履歴」と「視聴した番組のチャンネル番号や番組名や放送局名」のようにコンテンツを特定可能な情報及び「デモグラ」すなわち「放送信号受信装置の初期設定時に行うアンケートにおいて設定された年齢/性別」とを関連付けて記憶している点。
[相違点3]
「設定受付手段」について、
本件訂正発明2では、「どのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける」のに対し、
引用発明では、複数種類の視聴履歴のうち、どの視聴履歴を表示させるかの設定を受け付ける点。
[相違点4]
「取得手段」について、
本件訂正発明2では、「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値をテレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶している記憶手段」から、「受け付けた設定に含まれるコンテンツおよび前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性に関連付けられた視聴質値を取得する」のに対し、
引用発明では、「保存エリア」から、「視聴履歴」と「デモグラ」すなわち「放送信号受信装置の初期設定時に行うアンケートにおいて設定された年齢/性別」から、受け付けた設定に含まれる年齢/性別に関連付けられた視聴履歴群を取得する点。
[相違点5]
「出力制御手段」について、出力する情報が、
本件訂正発明2では、「取得された視聴質値に関する情報」であるのに対し、
引用発明では「視聴履歴の割合」である点
[相違点6]
視聴に関する情報を出力する出力プログラムについて、出力する情報が、
本件訂正発明1では、「視聴質値」であるのに対し、
引用発明では、「視聴履歴の割合」である点。
イ 判断
(ア)相違点1について
上記相違点1は、上記1アの本件訂正発明1についての相違点1と同様であるから、上記1イ(ア)の判断と同様に、実質的なものではない。
(イ)相違点2について
上記1イ(イ)のとおり、引用発明に対して引用文献2記載の技術を適用することについて、ビデオの影響を正確に評価することを可能にする構成を採用する動機付けは存在するというべきである。
しかしながら、引用発明の「視聴履歴」及び「属性」は、それぞれ引用発明の構成bのような「受信した番組」の「履歴」及び上記ア(ア)のような「放送信号受信装置の初期設定時に行うアンケートにおいて設定された年齢/性別」にすぎず、それぞれの取得において計算処理を伴うものではない。
一方、引用文献2記載の技術aの「視聴者エンゲージメントを定量化するための」「視聴エリア中に存在する人々の第1の数」及び「視聴エリア中のビデオにエンゲージしている人々の第2の数」や、「コンテンツの視聴質値」の例といえる引用文献2記載の技術c及び引用文献2記載の技術dの「視聴可能性インデックス」及び「注意インデックス」は、視聴者エンゲージメントを定量化するための計算処理を経て得られるものであり、かつ時々刻々と変化するものであって、引用文献2記載の技術dの「視聴エリアにいる世帯中の特定の人々を識別」した結果の情報と上記「視聴可能性インデックス」や上記「注意インデックス」が関連付けて記憶されているかどうかは不明である。
そうすると、引用文献2記載の技術に基づいて「視聴可能性インデックス」や「注意インデックス」等の複数の情報を計算できるとしても、これらの情報と「視聴エリアにいる世帯中の特定の人々を識別」した結果を関連付けて記憶するとはいえない。
そうすると、引用発明に引用文献2記載の技術を適用した発明は、相違点2に係る構成を具備するとはいえない。
(ウ)相違点3を踏まえた相違点4~相違点6について
上記(イ)の検討を基にして、上記相違点3を踏まえた上記相違点4~上記相違点6について検討する。
引用発明において、上記ア(ウ)のように複数種類の視聴履歴のうち、どの視聴履歴を表示させるかを設定することができる以上、引用発明に対して引用文献2記載の技術を適用したものにおいて、コンテンツの視聴に関する情報を出力する場合、どのようなコンテンツの視聴に関する情報を出力するかという観点を具備するものであるといえる。
しかしながら、上記(イ)のとおり、「視聴可能性インデックス」や「注意インデックス」等の複数の情報と「視聴エリアにいる世帯中の特定の人々を識別」した結果を関連付けて記憶するとはいえない以上、「視聴可能性インデックス」や「注意インデックス」を出力設定した場合に、テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性に関連付けられた「視聴可能性インデックス」や「注意インデックス」を出力することがいえるわけではない。
そうすると、引用発明に引用文献2記載の技術を適用した発明は、上記相違点3を踏まえた上記相違点4に係る構成を具備するとはいえない。
また、上記相違点5及び上記相違点6に係る構成についても、出力する情報について上記相違点4に係る構成と同様であるから、引用発明に引用文献2記載の技術を適用した発明は、上記相違点5及び上記相違点6に係る構成を具備するとはいえない。
(ウ)小括
以上を総合すると、引用発明に引用文献2記載の技術を適用することによっては、少なくとも上記相違点2及び上記相違点3を踏まえた上記相違点4~上記相違点6に関する構成を具備するものとはいえず、本件訂正発明2を想到することは、当業者にとって容易になし得たものとはいえない。
3 本件訂正発明3について
本件訂正発明3は、本件訂正発明2において、さらに、
前記コンテンツは、CMである
という構成を追加したものであり、本件訂正発明2と同様の理由により、当業者が容易になし得たものということはできない。
4 本件訂正発明4について
本件訂正発明4は、本件訂正発明2における構成2A、2B、2C、2C1、2Dに加えて、さらに、本件訂正発明2における構成2C2、2B2、2C3の「コンテンツ」に代えて、「放送局」とした、構成4C2、4B2、4C3を備えるようにしたものである。
ここで、本件訂正発明4は、構成2B、2Cと同じ構成を備えることにより、少なくとも本件訂正発明2と引用発明との上記相違点2及び上記相違点3を踏まえた上記相違点4を具備するものであって、本件訂正発明2と同様の理由により、当業者が容易になし得たものとはいえない。
5 本件訂正発明5~本件訂正発明10、本件訂正発明12~本件訂正発明14について
本件訂正発明5は、本件訂正発明2の構成2A、2B、2C、2D、2C1に加えて、さらに、構成5C2の
前記視聴質値は、どれほどの視聴者がテレビを注視したかの指標である、
という構成を、
本件訂正発明6は、本件訂正発明2の構成2A、2B、2C、2D、2C1に加えて、さらに上記構成6D1の
前記出力制御手段は、第1軸を時間の経過、第2軸を前記取得された視聴質値とするグラフをディスプレイに表示させる、
という構成を、
本件訂正発明7は、本件訂正発明2の構成2A、2B、2C、2D、2C1に加えて、さらに、構成7D1の
前記出力制御手段は、第1方向に曜日が設定され、前記第1方向と直交する第2方向に時間軸が設定され、各曜日および各時間帯に対応する位置の表示態様が視聴質値に関する情報を示す視聴質情報をディスプレイに表示させる、
という構成を、
本件訂正発明8は、本件訂正発明7において、さらに、
各曜日および各時間帯に対応する位置は、視聴質値が高いほど色が濃い、あるいは、視聴質値に応じた色である、
という構成を、
本件訂正発明9は、本件訂正発明7または8において、さらに、
前記出力制御手段は、全放送局のそれぞれについて、前記視聴質情報をディスプレイに表示させる、
という構成を、
本件訂正発明10は、本件訂正発明2の構成2A、2B、2C、2D、2C1に加えて、さらに、構成10D1の
前記出力制御手段は、前記取得された視聴質値を含む電子ファイルを生成する、
という構成を、
本件訂正発明12は、本件訂正発明2の構成2A、2B、2C、2D、2C1に加えて、さらに、構成12B2の
前記設定受付手段は、選択肢の中から視聴者の属性の設定を受け付ける、
という構成を、
本件訂正発明13は、本件訂正発明2の構成2A、2B、2C、2D、2C1に加えて、さらに、構成13C2の
前記記憶手段に記憶されている視聴質値および前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性は、顔認識に基づいて取得されたものである、
という構成を、
本件訂正発明14は、本件訂正発明2の構成2A、2B、2C、2D、2C1に加えて、さらに、構成14C2の
前記記憶手段に記憶されている視聴質値は、テレビからの音声に基づいて取得されたものである、
という構成を、
それぞれ追加したものである。
ここで、本件訂正発明5~本件訂正発明10、本件訂正発明12~本件訂正発明14は、いずれも、構成2B、2Cと同じ構成を備えることにより、少なくとも本件訂正発明2と引用発明との上記相違点2及び上記相違点3を踏まえた上記相違点4を具備するものであって、本件訂正発明2と同様の理由により、当業者が容易になし得たものとはいえない。
6 本件訂正発明11について
本件訂正発明11は、本件訂正発明2の構成2A、2B、2C、2Dに加えて、さらに、上記構成11C1の
前記視聴者の属性は、嗜好、性別、年齢および収入を含む
という構成を追加したものである。
ここで、本件訂正発明11は、構成2B、2Cと同じ構成を備えることにより、少なくとも本件訂正発明2と引用発明との上記相違点2及び上記相違点3を踏まえた上記相違点4を具備するものであって、本件訂正発明2と同様の理由により、当業者が容易になし得たものとはいえない。
7 本件訂正発明15及び本件訂正発明16について
本件訂正発明15及び本件訂正発明16は、本件訂正発明2の構成2A、2B、2C、2D、2C1に係る視聴質出力プログラムを、それぞれ視聴質出力装置、および視聴質出力方法として記載したものである。
ここで、本件訂正発明15及び本件訂正発明16は、構成2B、2Cと同様の構成を備えることにより、少なくとも本件訂正発明2と引用発明との上記相違点2及び上記相違点3を踏まえた上記相違点4を具備するものであって、本件訂正発明2と同様の理由により、当業者が容易になし得たものとはいえない。
8 本件訂正発明17について
本件訂正発明17は、本件訂正発明16について、さらに、構成17E、17F、17G、すなわち、
17E 各世帯に設置されたカメラが、視聴エリア内を撮影するステップと、
17F 視聴者検知手段が、前記カメラからの映像から顔認識を行って前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみを検知し、検知した視聴者の属性を特定するステップと、
17G 書き込み手段が、前記特定された前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性に基づいて、視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて前記記憶手段に書き込むステップ
という構成を備えるものであり、本件訂正発明16と同様の理由により当業者が容易になし得たものとはいえない。
9 小括
以上のとおり、本件訂正発明1~本件訂正発明17は、引用発明及び引用文献2記載の技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものとはいえない。
第7 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 特許異議申立書における特許異議申立理由の要旨
特許異議申立書における、請求項1~17に係る特許(以下、訂正前の請求項1~17に係る発明については、項番にしたがい「本件特許発明1」~「本件特許発明17」という。)に対しての特許異議申立理由の要旨は、以下のとおりである。
(1)特許法第29条第2項(同法第113条第2号):甲1発明を主引用発明とする進歩性欠如
(1-1)本件特許発明1、4、15、16は、甲第1号証と、甲第2号証~甲第4号証のいずれかと、甲第5号証に基づいて容易に想到できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(1-2)また、本件特許発明2~3は、甲第1号証と、甲第2号証と、甲第5号証に基づいて容易に想到できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(1-3)また、本件特許発明5は、甲第1号証、甲第2号証、甲第3号証、甲第5号証に基づいて容易に想到できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(1-4)また、本件特許発明6~10、12は、甲第1号証、甲第2号証、甲第3号証、甲第5号証、甲第6号証に基づいて容易に想到できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(1-5)また、本件特許発明11は、甲第1号証、甲第2号証、甲第3号証、甲第4号証、甲第5号証、甲第6号証に基づいて容易に想到できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(1-6)また、本件特許発明13は、甲第1号証、甲第2号証、甲第3号証、甲第5号証、甲第6号証、甲第7号証に基づいて容易に想到できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(1-7)また、本件特許発明14は、甲第1号証、甲第2号証、甲第3号証、甲第4号証、甲第5号証、甲第6号証、甲第7号証に基づいて容易に想到できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(1-8)また、本件特許発明17は、甲第1号証と甲第2号証~甲第4号証のいずれかと、甲第5号証、甲第7号証に基づいて容易に想到できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
甲第1号証 :特表2019-507533号公報
甲第2号証 :特開2015-220530号公報
甲第3号証 :特開2018- 93350号公報
甲第4号証 :特開2010- 16482号公報
甲第5号証 :特開2009-111561号公報
甲第6号証 :特開2020- 5169号公報
甲第7号証 :特開2010- 41194号公報
2 取消理由(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由についての検討
上記1より、特許異議申立理由は、上記1(1-1)~(1-8)である。
以下では、取消理由(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由に対して、本件訂正発明についての検討を行う。
(1)甲1発明、甲各号証記載の技術の認定
ア 甲第1号証の記載及び甲1発明の認定
甲第1号証には、上記「第5 引用文献に記載された発明、技術事項について」の「2 引用文献2(甲第1号証)について」の「(1)引用文献2(甲第1号証)の記載事項」及び「(2)引用文献2記載の技術の認定」において示した事項を踏まえると、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。
ディスプレイ上で再生しているビデオとの視聴者エンゲージメントを定量化するためのシステムは、ディスプレイの前の視聴エリアを撮像するように配設された、視聴エリアの画像データを取得するためのカメラとプロセッサを含み、プロセッサは、カメラからの画像データに基づいて、視聴エリア中に存在する人々の第1の数と、視聴エリア中のビデオにエンゲージしている人々の第2の数とを推定し、人々の第1の数および第2の数に基づいて、ビデオの視聴者エンゲージメントを定量化するものであり、カメラは人々を検出し、エンゲージしている視聴者をカウントし、人口統計学的に視聴者を識別するものであり、視聴者の識別情報を決定するために、顔認識が採用され、
世帯の人口統計学的情報を考慮に入れて視聴者エンゲージメント情報を導出するように、視聴エリア中の視聴者ごとに画像データを撮影および分類するものであって、
各番組およびコマーシャルについての、オンであるTV受像機の合計数分の、すべての世帯にわたる視聴エリア中の人々の合計数の比として定義される視聴レート(VR:Viewing Rate)の平均として定義され、視聴エリア中に存在する人々の数に依存する視聴可能性インデックス(VI:Viewability Index)や、各番組およびコマーシャルについての、すべての世帯にわたる視聴エリア中の人々の合計数分の、すべての世帯にわたるTVに注意している人々の合計数の比として定義される注意レート(AR:Attention Rate)の平均として定義され、ディスプレイを実際に見ている人々数に依存する注意インデックス(Attention Index)などの尺度を使用して、ビデオとの視聴者エンゲージメント情報を定量化するものであり、
リモートサーバが、異なる世帯におけるローカルデバイスから処理された画像およびオーディオデータを収集し、収集された視聴者エンゲージメント情報の統計的分析を行うものであり、統計的分析は、ビデオを見ている人々および/または世帯中の人々の年齢、性別、世帯収入、民族などの人口統計学的情報を考慮に入れ、収集される人口統計学的情報として、ソーシャルメディアプロファイルを通して取得され得るすべての情報を含み、人口統計学的レベルで、視聴エリア中の検出された各人物を識別(たとえば、25~30歳の男性、12~15歳の少女)し、視聴エリアにいる世帯中の特定の人々を識別するものであって、視聴者エンゲージメントを定量化するための視聴可能性インデックス及び注意インデックスなどを計算し、
これらの視聴者エンゲージメントインデックスは、リモートサーバによって中央ストレージに転送され、TV広告代理店およびTVネットワークは、インデックスにアクセスすることができ、広告主にとって有益であり得る、個々の層の(demographics)の測定値を含む取得および分析されたデータは、コンテンツプロバイダまたは広告代理店などの収集エンティティが、ビデオの影響を正確に評価することを可能にするものであり、視聴されている特定のビデオの例として広告があり、
特定のタイミングポイントにおいてどのビデオが再生されているかを確かめるために、たとえばマイクロフォンによって取得されたオーディオデータをビデオおよび他のオーディオのオーディオデータベースと比較する
システム。
イ 甲第2号証の記載及び甲第2号証記載の技術の認定
甲第2号証である特開2015-220530号公報には次の記載がある。
「【0018】
[第1実施形態]
以下に、本発明の一実施形態にかかるコンテンツ配信システム1を説明する。コンテンツ配信システム1はユーザがコンテンツを視聴するためのシステムである。本願において「コンテンツ」という用語はユーザの視覚および聴覚の少なくとも一方により知覚される情報を意味する。コンテンツの典型例は動画、音声、音声付き動画であるが、これらに限られない。また、「視聴」という用語は、視覚および聴覚の少なくとも一方を用いた知覚動作を意味する。従って、例えばコンテンツが書籍朗読のコンテンツのように音声のみのコンテンツである場合、視聴者は聴覚のみを用いた視聴を行うことになる。コンテンツ配信システム1においては、ユーザのコンテンツの視聴における集中度の高低が、視聴の質(以下、「視聴質」という)の高低として特定され、特定された視聴質の高低を示す視聴質データが蓄積され、コンテンツの制作者等の閲覧に供される。なお、本願において「視聴の質が高い」という場合、ユーザのコンテンツの視聴における集中度が高いことを意味し、「視聴の質が低い」という場合、ユーザのコンテンツの視聴における集中度が低いことを意味する。
【0019】
図1は、コンテンツ配信システム1の全体構成を示した図である。コンテンツ配信システム1は、要求に応じてコンテンツデータを要求元の装置に配信するコンテンツ配信サーバ装置11と、コンテンツの表示や発音を行う視聴用端末装置12と、ユーザUがコンテンツの視聴の際にコンテンツの選択、停止等の操作を行う際に用いるリモコンとして機能するとともにユーザUがブラウジング等に用いる操作用端末装置13と、コンテンツデータを受信し、コンテンツデータが示す画像および音声を示すデータを順次生成し適正なタイミングで視聴用端末装置12に出力するコンテンツデータ中継装置14と、操作用端末装置13およびコンテンツデータ中継装置14とネットワーク9との間のデータ通信を中継するルータ15と、コンテンツ配信サーバ装置11が配信するコンテンツの各々に関する視聴質データを生成し管理する視聴質管理サーバ装置16を備える。」
「【0037】
図8は、視聴質管理サーバ装置16の機能構成を示した図である。すなわち、視聴質管理サーバ装置16は、本実施形態にかかるアプリケーションプログラムに従うデータ処理を行うことにより、図8に示す構成部を備える装置として機能する。視聴質管理サーバ装置16は、機能構成部として、ルータ15経由でコンテンツデータ中継装置14から送信されてくるシーン識別データを伴うアプリ操作データを受信するアプリ操作データ受信部161と、アプリ操作データ受信部161が受信したアプリ操作データが示す操作量および操作内容に基づき、当該アプリ操作データに伴うシーン識別データが識別するコンテンツのシーンに関しユーザUによる視聴質の高低を特定し、特定した視聴質の高低を示す視聴質データを生成する視聴質データ生成部162と、アプリ操作データ受信部161が受信したアプリ操作データや視聴質データ生成部162が生成した視聴質データ等を記憶する記憶部163を備える。」
「【0053】
図12は、視聴質データ生成部162が、図9に例示した端末毎アプリ操作データに基づき図10に例示した視聴質算出規則データに従い生成する視聴質データの構成を示した図である。視聴質データは、「端末装置ID」、「コンテンツID」、「シーン番号」、「視聴質指標」の欄を備え、各欄の名称に応じたデータを示す。
【0054】
視聴質データ生成部162は、様々なコンテンツの各々に関し、様々なユーザによる視聴の視聴質を示す視聴質データ(図12)を集計して、視聴質集計データを生成する。図13は、視聴質データ生成部162が生成する視聴質集計データの構成を示した図である。視聴質集計データは、コンテンツIDで識別されるコンテンツ毎に生成される。視聴質集計データは、「シーン番号」、「視聴者数」、「視聴質指標(平均値)」、「視聴質指標(標準偏差)」の欄を備え、各欄の名称に応じたデータを示す。視聴質集計データは、例えばコンテンツの制作者等が使用する端末装置(図1等において図示略)からの要求に応じて要求元の端末装置に送信され、コンテンツの制作者等の利用に供される。
【0055】
視聴質集計データは、様々なコンテンツの各々に関し、コンテンツを構成する複数のシーン毎に、視聴者数と、それらの視聴者による視聴の質の高低を示す。従って、コンテンツの制作者等は、視聴質集計データを閲覧することにより、そのコンテンツがどれだけ多くの視聴者に視聴されたか、という情報に加え、そのコンテンツがどの程度強く、視聴者の興味を引いたか、という情報を得ることができる。」
「【0084】
(10)ユーザU(視聴者)の属性(性別、年齢、家族構成、趣味等)や、視聴環境の属性(コンテンツの視聴の時間帯、場所等)を示すデータが視聴質データに対応付けて記憶される構成が採用されてもよい。この場合、視聴質データが示す視聴質が、いずれの属性の視聴者の視聴質であるか、またはいずれの属性の視聴環境における視聴質であるか、という情報が得られるため、コンテンツの制作者等にとって望ましい。」
上記記載から、甲第2号証には次の技術事項(以下、「甲第2号証記載の技術」という。また、符号a~eは合議体が付した。以下では、符号a~eを付した部分を「甲第2号証記載の技術a」~「甲第2号証記載の技術e」という。また、これらを総称して、「甲第2号証記載の技術」という。)が記載されているといえる。
a ユーザのコンテンツの視聴における集中度の高低が、視聴の質(以下、「視聴質」という)の高低として特定され、特定された視聴質の高低を示す視聴質データが蓄積され、コンテンツの制作者等の閲覧に供されるコンテンツ配信システム1であって(【0018】)、
b コンテンツ配信システム1は、コンテンツの各々に関する視聴質データを生成し管理する視聴質管理サーバ装置16を備え(【0019】)、視聴質管理サーバ装置16は、視聴質データを生成する視聴質データ生成部162と、視聴質データ生成部162が生成した視聴質データ等を記憶する記憶部163を備え(【0037】)、
c 視聴質データは、「端末装置ID」、「コンテンツID」、「シーン番号」、「視聴質指標」の欄を備え(【0053】)、
d 視聴質データ生成部162は、視聴質データを集計して、視聴質集計データを生成し、視聴質集計データは、コンテンツIDで識別されるコンテンツ毎に生成され、視聴質集計データは、「シーン番号」、「視聴者数」、「視聴質指標(平均値)」、「視聴質指標(標準偏差)」の欄を備え(【0054】)、視聴質集計データは、コンテンツを構成する複数のシーン毎に、視聴者数と、それらの視聴者による視聴の質の高低を示し(【0055】)、
e 視聴者の属性(性別、年齢、家族構成、趣味等)や、視聴環境の属性(コンテンツの視聴の時間帯、場所等)を示すデータが視聴質データに対応付けて記憶されること(【0084】)。
ウ 甲第3号証の記載及び甲第3号証記載の技術の認定
甲第3号証である特開2018-93350号公報には次の記載がある。
「【0084】
そこで、本実施形態に係る注目度評価システム100では、サーバ5は、複数の情報処理端末4と情報通信可能であり、複数の被験者2からの計測データを一元的に収集し、統計処理を行うことにより、複数の被験者2が動画に対して潜在意識下で注目した時間帯を集計できるようになっている。こうすることにより、個人的な理由その他の個人に依存する理由による計測結果のばらつきは平均化され、動画に対してより精度の高い計測結果が得られる。すなわち、対象コンテンツの再生時の時刻と、当該コンテンツを視聴しているときの被験者の瞬きの時刻を取得し、一定数以上の被験者の瞬きの頻度を集合的に見ることにより、当該コンテンツに対する全体的な注目度を把握する。
【0085】
そのため、サーバ5の集計部37は、多数の瞬きの頻度推移データを被験者2に関する情報とともに収集し、種々の集計を行う。そのような集計の例として、
(1)被験者2の特徴(年齢、性別、職業等)別のコンテンツに対する集中の程度の評価。例えば、20代男性が各コンテンツに対し集中を示した割合など。
(2)特定のコンテンツに集中し、または集中しなかった被験者2の特徴の抽出。例えば、図8の被験者Aのように、コンテンツ1には集中を示さず、コンテンツ2に集中を示した被験者の年齢分布など。
(3)動画に多数の被験者2が潜在意識下で集中した時間帯の抽出。例えば、多数の被験者2のうち、集中を示した被験者2の割合(又は、かかる割合が一定閾値を超えた時間帯)の時間変化。これにより、コンテンツ中のどの区間が被験者2に対しより大きなインパクトを与えたのかを詳細に把握できる。この被験者2は、その特徴別に集計してもよい。」
上記記載から、甲第3号証には次の技術事項が記載されているといえる。(以下、「甲第3号証記載の技術」という。)
注目度評価システム100では、サーバ5は、複数の被験者2からの計測データを一元的に収集し、統計処理を行うことにより、複数の被験者2が動画に対して潜在意識下で注目した時間帯を集計できるようになっており(【0084】)、
サーバ5の集計部37は、多数の瞬きの頻度推移データを被験者2に関する情報とともに収集し、種々の集計を行うものであり、そのような集計の例として、被験者2の特徴(年齢、性別、職業等)別のコンテンツに対する集中の程度の評価があること(【0085】)。
エ 甲第4号証の記載及び甲第4号証記載の技術の認定
甲第4号証である特開2010-16482号公報には次の記載がある。
「【0021】
図2に示すように、本実施形態においては、情報処理装置10が、録画再生装置40の内部に組み込まれていることとするが、情報処理装置10は、録画再生装置40の内部に組み込まれていなくてもよい。情報処理装置10は、少なくとも、視聴者情報入力部110と、盛り上がり度取得部120と、ハイライト抽出部130とを備えるものである。また、図2に示すように、視聴者情報入力部110は、映像情報入力部111と、音声情報入力部112とのうち、少なくともいずれか一方を有していてもよい。また、閾値記憶部140、番組情報記憶部150、分類情報取得部160、評価情報取得部170、送信部180等を備えることとしてもよい。」
「【0031】
また、盛り上がり度取得部120は、映像情報入力部111が入力を受け付けた映像情報をもとに、視聴者30の視聴人数を盛り上がり度として取得する。」
「【0043】
分類情報取得部160は、視聴者情報入力部110が映像情報入力部111を有する場合には、映像情報をもとに、番組コンテンツの動きの激しさ、視聴者30の属性情報(視聴人数、年代および性別等を示す情報)のうち、少なくともいずれか1つを取得するものである。そして、分類情報取得部160は、取得した情報と、番組コンテンツに付与された番組コンテンツを識別可能とする番組識別情報とを対応付けた情報を、分類情報として番組情報記憶部150に記憶する。番組コンテンツの動きの激しさについては、例えば、視聴者30の視線がモニタ19の範囲内で動作している場合に、その移動速度を計測し、移動速度の大きさに応じて決定することとすればよい。年代や性別は、例えば、視聴者30の事前登録情報とのマッチングではなく、映像のみから判定されるものとすることができる。
・・・
【0049】
分類情報取得部160は、以上の各情報を統合して、番組コンテンツ192の分類を行う。分類情報取得部160は、例えば、「10代未満」「男性」「視線移動大」「爆笑」「アニメX」という情報から、「アニメX」という番組コンテンツ192を「10代未満の男の子が好む動きのある爆笑アニメ」と分類することができる。
【0050】
また、分類情報取得部160は、例えば、「30代」「女性」「視線移動小」「集中」「ドラマ」という情報から、「ドラマY」という番組コンテンツ192を「30代の女性が好む落ち着いたドラマY」と分類することができる。」
「【0051】
評価情報取得部170は、盛り上がり度取得部120が取得した盛り上がり度と、時刻と、番組コンテンツに付与された番組コンテンツを識別可能とする番組識別情報とを対応付けた情報を、評価情報として番組情報記憶部150に記憶するものである。
【0052】
評価情報取得部170は、例えば、笑顔や笑い声、泣き顔や泣き声、すまし顔などから、盛り上がり具合を数値化し、かつ時系列で記録したものを「盛り上がり度」とする。評価情報取得部170は、「盛り上がり度」の時間平均および視聴している視聴者30の総数や割合などの情報から、番組コンテンツ192としての質を数値化したものを「番組評価」とする。視聴者30は、番組コンテンツ192を選択する際には、この「番組評価」を利用する。
・・・
【0064】
盛り上がり度取得部120は、視聴者30の声量、声の高さ、表情を示す値、視聴人数等を盛り上がり度として取得する(ステップS109)。取得結果は、メモリ(番組情報記憶部150)に格納される(ステップS110)。」
上記記載から、甲第4号証には次の技術事項が記載されているといえる。(以下、「甲第4号証記載の技術」という。)
視聴者情報入力部110と、盛り上がり度取得部120と、ハイライト抽出部130とを備え、視聴者情報入力部110は、映像情報入力部111と、音声情報入力部112とのうち、少なくともいずれか一方を有し、番組情報記憶部150、分類情報取得部160、評価情報取得部170を備えた情報処理装置10であって(【0021】)、
盛り上がり度取得部120は、映像情報入力部111が入力を受け付けた映像情報をもとに、視聴者30の視聴人数を盛り上がり度として取得するものであり、視聴者30の声量、声の高さ、表情を示す値、視聴人数等を盛り上がり度として取得し、取得結果は、番組情報記憶部150に格納され(【0031】、【0064】)、
分類情報取得部160は、視聴者情報入力部110が映像情報入力部111を有する場合には、映像情報をもとに、視聴者30の属性情報(視聴人数、年代および性別等を示す情報)を取得し、取得した情報と、番組識別情報とを対応付けた情報を、分類情報として番組情報記憶部150に記憶し、例えば、「10代未満」「男性」「視線移動大」「爆笑」「アニメX」という情報から、「アニメX」という番組コンテンツ192を「10代未満の男の子が好む動きのある爆笑アニメ」と分類し、「30代」「女性」「視線移動小」「集中」「ドラマ」という情報から、「ドラマY」という番組コンテンツ192を「30代の女性が好む落ち着いたドラマY」と分類するものであり(【0043】、【0049】、【0050】)、
評価情報取得部170は、盛り上がり度取得部120が取得した盛り上がり度と、時刻と、番組識別情報とを対応付けた情報を、評価情報として番組情報記憶部150に記憶するものであり、例えば、笑顔や笑い声、泣き顔や泣き声、すまし顔などから、盛り上がり具合を数値化し、かつ時系列で記録したものを「盛り上がり度」とすること(【0051】、【0052】)。
オ 甲第5号証の記載及び甲第5号証記載の技術の認定
甲第5号証である特開2009-111561号公報には次の記載がある。
「【0025】
図2は、録画システムに用いられるDVDレコーダの主要な構成を示すブロック図である。DVDレコーダ2は、装置本体2の各部の動作を制御する制御部21と、選択されているチャンネルで放送されるテレビ番組の放送波を受信する受信部26と、その放送波からコンテンツデータを取り出す記録読取回路23と、DVD100に対しデータの記録および読取を行うピックアップヘッド22(以下、PUヘッド22と称する。)と、音声データをアナログの再生音声信号に変換する音声処理部24と、画像データをアナログの再生画像信号に変換する画像出力部25と、を備えている。さらに、DVDレコーダ2は、ユーザの操作を受け付ける操作部27と、装置本体2を遠隔操作するリモコン27Aと、情報を表示する表示部28と、データを記憶する記憶部29と、ルータ(不図示)を介してネットワーク5に接続されているNIC(Network Interface Card)20と、を備えている。」
「【0039】
図3は、録画システムに用いられるDBサーバの主要な構成を示すブロック図である。DBサーバ4は、ルータ(不図示)を介してネットワーク5と接続されているNIC(Network Interface Card)40と、DBサーバ4の各部の動作を制御する制御部41と、DBサーバ4の各部の制御方法が記述された制御プログラムを記憶するハードディスク42と、を備える。」
「【0041】
図4は、ハードディスク42に記憶されている対応表43の内容を示す図である。ハードディスク42は、さらに、年代および性別と、視聴率テーブル44A~Eと、の対応関係が記述された対応表43を予め記憶する。この実施形態において、年代および性別毎に視聴率テーブルを設けた理由は、視聴率が、ユーザの年齢層や性別等によって異なるからである。例えば、子供はアニメ番組を好み、老人は歴史番組を好む傾向にある。」
「【0043】
図5は、視聴率テーブル44Cの内容を示す図である。視聴率テーブル44Cは、過去放送された第1のテレビ番組の視聴率の一覧と、第1のテレビ番組を特定する番組特定情報と、が記述されている。この視聴率の一覧は、視聴率の大きいもの順に並べられている。また、番組特定情報とは、第1のテレビ番組の放送時間帯、第1のテレビ番組のチャンネル番号、又は第1のテレビ番組のジャンルである。」
「【0045】
図6は、本発明の実施形態である録画システムにおける、DVDレコーダ2とDBサーバ4における各制御部の動作を示すフローチャートである。この動作は、1日に2回行われ、例えば時刻が12:00の時に制御部21が実行する動作である。また、この動作の前に、ユーザは、個人情報入力キーにより個人情報(年齢および性別)を入力しておく。この実施形態では、ユーザが32歳・男性と入力したとする。入力された個人情報は、記憶部29に登録される。
【0046】
まず、制御部21は、記憶部29から個人情報を読取る(S1)。そして、制御部21は、個人情報をNIC20からDBサーバ4に送信する(S2)。これにより、DBサーバ4は、ネットワーク5を介して伝送されてきたDVD100のタイトル名をNIC40で受信する。
ここで、S2について詳述すると、DBサーバ4のURL(Uniform Resource Locator)は、記憶部29に予め記憶させておく。さらに、DVDレコーダ2に割り振られたIPアドレスも記憶部29に予め記憶させておく。そのため、制御部21は、このURLを宛て先として、DVD100のタイトル名を、そのIPアドレスとともにDBサーバ4に送信する。
なお、IPアドレスとは、ネットワーク5上でDVDレコーダ2を識別する識別番号である。IPアドレスは、ネットワーク5上におけるDVDレコーダ2の所在を示す情報である。
【0047】
DBサーバ4の制御部41は、NIC40で受信した個人情報に対応する視聴率テーブルを検索する(S11)。例えば図4では、個人情報が「32歳の男性」であれば、制御部41は、視聴率テーブル44CをHD42から読み出す。また、個人情報が「22歳の女性」であれば、制御部41は、視聴率テーブル44BをHD42から読み出す。この実施形態では、視聴率テーブル44CがHD42から読み出される。」
上記記載から、甲第5号証には次の技術事項が記載されているといえる。(以下、「甲第5号証記載の技術」という。)
制御部21と、データを記憶する記憶部29と、を備えたDVDレコーダ2と(【0029】)、
制御部41と年代および性別と、視聴率テーブル44A~Eと、の対応関係が記述された対応表43を予め記憶するハードディスク42とを備えたDBサーバ4であって、視聴率テーブル44Cは、過去放送された第1のテレビ番組の視聴率の一覧と、第1のテレビ番組を特定する番組特定情報と、が記述されており(【0039】、【0043】)、
録画システムにおける、DVDレコーダ2とDBサーバ4における各制御部の動作であって(【0045】)、
ユーザは、個人情報入力キーにより個人情報(年齢および性別)を入力しておき、入力された個人情報は、記憶部29に登録され、記憶部29から個人情報を読取り、個人情報をDBサーバ4に送信し(【0045】、【0046】)、
DBサーバ4の制御部41は、個人情報に対応する視聴率テーブルを検索すること(【0047】)。
カ 甲第6号証の記載及び甲第6号証記載の技術の認定
甲第6号証には、上記「第5 引用文献に記載された発明、技術事項について」の「1 引用文献の記載について」の「(1)引用文献1(甲第6号証)の記載事項」及び「(2)引用発明の認定」において示した事項を踏まえると、次の技術事項が記載されているといえる。(以下、「甲第6号証記載の技術」という)
放送番組の視聴における、視聴履歴群を、種々のパラメータを用いて色々な観点でまとめ直すことで、放送局や番組制作会社、番組スポンサー等の番組を放送する側のユーザが理解しやすい形にして提供したり表示したりするための視聴履歴分析システムであって、
前記視聴履歴分析システムは、放送信号送信装置、サーバおよび放送信号受信装置からなり、
前記放送信号受信装置は、
複数あるチューナで受信した番組すべての履歴である視聴履歴を取得し、取得した視聴履歴をネットワークを介してサーバに送信する制御部を備え、取得した視聴履歴を内部に持つ保存エリアに、ライブ視聴履歴、録画視聴履歴、再生視聴履歴の種類ごとに保存するものであり、
視聴履歴分析装置として機能する前記サーバは、収集部と、保存エリアと、解析部と、サービス提供部と、を備え、
前記サーバに備えられた前記サービス提供部が提供する視聴履歴群を可視化した画面は、パラメータ設定エリアと結果表示エリアとを有し、
前記パラメータ設定エリアは、
視聴履歴を抽出する日付を選択するフィールドと、
結果表示エリアに表示する表示フォーマットを決定する基準局を選択するフィールドと、
視聴履歴を絞り込むためのデモグラフィック(デモグラ)の種類を選択するフィールドと、
視聴履歴を収集可能な放送信号受信装置の台数をデモグラ別に一覧表示する集計機器数表示エリアと、
を有し、
前記収集部は、ネットワークを介して放送信号受信装置から送られてくる視聴履歴であって、視聴履歴の種類、視聴した番組のチャンネル番号や番組名や放送局名、視聴を開始した時刻と視聴を終了した時刻との組み合わせの情報を含む視聴履歴を収集して前記保存エリアに保存し、
前記解析部は、パラメータ設定エリアで設定されたパラメータの組み合わせである抽出条件により、収集した視聴履歴の中から、可視化対象とする視聴履歴群を抽出し、当該抽出のうち、デモグラの種類選択フィールドでのパラメータ設定に対しては、収集部が収集した視聴履歴を解析して、放送信号受信装置の初期設定時に行うアンケートにおいて設定された年齢/性別であって、デモグラの種類選択フィールドで選択された年齢/性別で定義されるデモグラの種類で絞り込むことで、可視化する対象である視聴履歴群を抽出し、
前記サービス提供部は、パラメータ設定エリアで設定されたパラメータに基づいて抽出された視聴履歴群について、例えば視聴量としての視聴履歴の割合を可視化した結果を表示する前記結果表示エリアに表示されている内容を制御するものであり、
前記視聴履歴分析システムは、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして適用することができ、
デモグラに加えて番組を選択し、選択された番組の視聴履歴の割合の、時間軸による遷移の様子を表示することができ、例えば、ライブ率、再生率、延べ再生率、ライブ率+再生率に分けて表示することができるとともに、
デモグラに加えてチャンネルを選択し、縦方向に分割したエリアの時間ごとに、横軸に示す日ごとの視聴履歴の割合を表示することができ、この場合、日付と曜日を横軸に表示するものであり、結果表示エリアに表示されている番組は、視聴履歴の割合を色レンジ指定により、値に応じた色で、値が高いほど色が濃く表示され、
すべての編成チャンネルの視聴履歴の割合を1つの画面で表示し、
放送局を選択する場合の一例として、チャンネル選択フィールドによりチャンネル選択を行うものであって、チャンネル選択フィールドやデモグラの種類選択フィールドにおける選択は、プルダウンにより行われること。
キ 甲第7号証の記載及び甲第7号証記載の技術の認定
甲第7号証である特開2010-41194号公報には次の記載がある。
「【0106】
図16は、本実施形態に係る視聴装置440の論理的な構成を示すブロック図である。図16を参照すると、視聴装置440は、コンテンツ受信部342、コンテンツ再生部144、駆動部146、撮像部452、属性検出部454、及び視聴者データ集計部456を備える。
【0107】
撮像部452は、コンテンツを再生する表示装置の周囲に配置され視聴者の存在する方向に向けられた撮像装置を用いて視聴者を撮像し、撮像画像を属性検出部454へ出力する。例えば、撮像部452による撮像は、コンテンツ再生部144によりコンテンツが再生されている間、駆動部146による問合せ信号の出力と同様の周期で継続的に行われる。
【0108】
属性検出部454は、撮像部452から入力された撮像画像から視聴者の顔領域を特定し、特定した顔領域に含まれる顔の特徴を抽出して視聴者の属性を検出する。
・・・
【0110】
また、視聴者の年齢層及び性別も視聴者の属性の1つとして取り扱うことができる。例えば、テレビジョン番組の視聴率の分析に用いられる視聴者の年齢層及び性別を組み合わせた8種類の視聴者階層(M1、M2、M3、F1、F2、F3、キッズ、ティーン)を、視聴者の属性の1つとして検出してもよい。
・・・
【0113】
図7(A)に示した撮像画像が入力されると、属性検出部454は、まず撮像画像に映っている視聴者の顔領域を特定する。顔領域の特定は、例えば、特開2007-94633により開示されている、デジタルカメラなどで実用化されている手法などにより行うことができる。図7(A)の例では、撮像画像から4つの顔領域A、B、C、Dが特定されている。
【0114】
さらに、属性検出部454は、顔領域が特定されると、例えば事前に定義された顔の向き、年齢層又は性別などの属性別の参照画像とのマッチング処理により、当該顔領域に含まれる視聴者の属性値を検出する。参照画像とのマッチング処理は、公知の任意のパターン認識法を用いて行うことができる。
・・・
【0116】
属性検出部454は、撮像画像から検出したこのような視聴者の属性値を顔属性データとして視聴者データ集計部456へ出力する。
【0117】
視聴者データ集計部456は、例えば、属性検出部454から出力された顔属性データを集計し、無線通信装置170から送信された視聴者データに含めて情報処理装置410へ送信する。
【0118】
図18は、視聴者データ456による顔属性データの集計処理の一例を説明するための説明図である。図18の左半分には階層別の視聴者数、右半分には階層別の視聴者数のうちコンテンツに高い関心度を示した積極視聴者数が示されている。
【0119】
図18を参照すると、11時~12時の時間帯(“11~12”)に再生されたコンテンツに対し、階層別の視聴者数は、M1、M3、F1、ティーンがそれぞれ1人、その他の階層は0人であったことが分かる。また、階層別の積極視聴者数は、M1及びティーンがそれぞれ1人、その他の階層は0人であったことが分かる。ここで、視聴者数とは、例えば図17に示した撮像画像内で検出された顔領域の数に対応する。また、積極視聴者数とは、例えば図17に示した撮像画像内で検出された顔領域のうち、顔の向きが正面を向いており関心度が1であった数などに対応する。
【0120】
視聴者データ集計部456は、例えば、このように集計した階層別の視聴者数及び階層別の積極視聴者数を、視聴者データに含めて情報処理装置410へ送信する。但し、本実施形態において、必ずしも無線通信装置170から視聴者データが送信されなくてもよい。その場合には、視聴者データ集計部456は、例えば図18に示したように集計した階層別の視聴者数及び階層別の積極視聴者数のみをコンテンツ識別子と共に視聴者データとして情報処理装置410へ送信する。」
上記記載から、甲第7号証には次の技術事項が記載されているといえる。(以下、「甲第7号証記載の技術」という。)
コンテンツ受信部342、コンテンツ再生部144、撮像部452、属性検出部454、及び視聴者データ集計部456を備えた視聴装置440において(【0106】)、
撮像部452は、視聴者の存在する方向に向けられた撮像装置を用いて視聴者を撮像し、撮像画像を属性検出部454へ出力し(【0107】)、
属性検出部454は、撮像部452から入力された撮像画像から視聴者の顔領域を特定し、特定した顔領域に含まれる顔の特徴を抽出して視聴者の属性を検出するものであり、例えば、テレビジョン番組の視聴率の分析に用いられる視聴者の年齢層及び性別を組み合わせた8種類の視聴者階層(M1、M2、M3、F1、F2、F3、キッズ、ティーン)を、視聴者の属性の1つとして検出するものであり、撮像画像に映っている視聴者の顔領域を特定し、顔領域が特定されると、当該顔領域に含まれる視聴者の属性値を検出し、撮像画像から検出したこのような視聴者の属性値を顔属性データとして視聴者データ集計部456へ出力し(【0108】、【0110】、【0113】、【0114】、【0116】)、
視聴者データ集計部456は、属性検出部454から出力された顔属性データを集計し、視聴者データに含めて情報処理装置410へ送信するものであり、顔属性データの集計処理の一例として、11時~12時の時間帯(“11~12”)に再生されたコンテンツに対し、階層別の視聴者数は、M1、M3、F1、ティーンがそれぞれ1人、その他の階層は0人であったこと、階層別の積極視聴者数は、M1及びティーンがそれぞれ1人、その他の階層は0人であったことが分かるものであり(【0117】~【0119】)、
視聴者データ集計部456は、このように集計した階層別の視聴者数及び階層別の積極視聴者数を、視聴者データに含めて情報処理装置410へ送信すること(【0120】)。
(2)特許法第29条第2項(同法第113条第2項):甲1発明を主引用発明とする進歩性欠如
以下では、まず本件訂正発明1について、上記(1-1)の理由に基づいて、すなわち、甲1発明、甲第2号証~甲第4号証のいずれかに記載の事項と、甲第5号証記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたかどうかについての検討を行う。
次に、本件訂正発明2及び本件訂正発明2を引用する本件訂正発明3について、上記(1-2)の理由に基づいて、すなわち、甲1発明、甲第2号証、甲第5号証の記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたかどうかについての検討を行う。
さらに、本件訂正発明2における構成2B、2Cと同じ構成を有する本件訂正発明4~17について、上記(1-1)、(1-3)~(1-8)のいずれかの理由に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたかどうかについての検討を行う。
(2-1)本件訂正発明1について
ア 本件訂正発明1と甲1発明との対比
本件訂正発明1と甲1発明とを対比すると、少なくとも、本件訂正発明1は、
・構成1Bの「入力インターフェースを介してユーザから属性の設定を受け付ける設定受付手段」、
・構成1Cの「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を属性と関連付けて記憶した記憶手段」、
・構成1Cの「(記憶手段から)前記受け付けた属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段」、及び構成1Cを踏まえた構成1Dの「前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段」、
・構成1Xの「(ただし、視聴質値に加え、テレビのチューナで受信したコンテンツすべての履歴である視聴履歴が属性と関連付けて記憶手段に記憶されており、前記受け付けた属性に関連付けられた前記視聴履歴を取得し、前記視聴履歴に関する情報を出力させるものを除く)」を備えるのに対して、
甲1発明ではこれらの手段を備えるものではない点で相違する。
イ 相違点に対する判断
当該相違点について検討するに、上記構成1Cの「記憶手段」に関して、上記(1)イのとおり、甲第2号証記載の技術d及びeから、
「視聴質データ生成部162は、視聴質データを集計して、視聴質集計データを生成し、視聴質集計データは、コンテンツIDで識別されるコンテンツ毎に生成され、視聴質集計データは、「シーン番号」、「視聴者数」、「視聴質指標(平均値)」、「視聴質指標(標準偏差)」の欄を備え、視聴質集計データは、コンテンツを構成する複数のシーン毎に、視聴者数と、それらの視聴者による視聴の質の高低を示し、
視聴者の属性(性別、年齢、家族構成、趣味等)や、視聴環境の属性(コンテンツの視聴の時間帯、場所等)を示すデータが視聴質データに対応付けて記憶されること」
がいえ、「視聴者の属性」と「視聴質値」が関連付けて記憶されるように構成することは公知の技術にすぎないといえる。
しかしながら、上記構成1Bの「設定受付手段」や、上記構成1Cの「取得手段」を踏まえた構成1Dの「出力制御手段」、さらに構成1Xについては甲第2号証記載の技術~甲第4号証記載の技術、甲第5号証記載の技術のいずれからも導き出すことはできない。
ウ 小括
よって、本件訂正発明1は、当業者であっても甲1発明、甲第2号証~甲第4号証記載の技術のいずれか、及び甲第5号証記載の技術に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
(2-2)本件訂正発明2~3について
ア 本件訂正発明2と甲1発明との対比
本件訂正発明2と甲1発明とを対比すると、少なくとも、本件訂正発明2は、
・構成2Bの「入力インターフェースを介してユーザから視聴者の属性を含むどのような視聴質を出力させるかの設定を受け付ける設定受付手段」、
・構成2Cの「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段」、
・構成2Cの「(記憶手段から)前記受け付けた設定に含まれる視聴者の属性に関連付けられた視聴質値を取得する取得手段」、及び構成2Cを踏まえた構成2Dの「前記取得された視聴質値に関する情報を出力させる出力制御手段」を備えるのに対して、
甲1発明ではこれらの手段を備えるものではない点で相違する。
イ 相違点に対する判断
当該相違点について検討するに、上記構成2Cの「記憶手段」に関して、上記(2-1)イの「相違点に対する判断」と同様に、甲第2号証記載の技術にあるように、「視聴者の属性」と「視聴質値」が関連付けて記憶されるように構成することは公知の技術にすぎないことがいえるものの、甲1発明において甲第2号証記載の技術を適用しても、上記構成2Cの「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段」に到るわけではない。
さらに、上記構成2Bの「設定受付手段」や、上記構成2Cの「取得手段」を踏まえた上記構成2Dの「出力制御手段」については甲第2号証記載の技術、甲第5号証記載の技術のいずれからも導き出すことはできない。
ウ 本件訂正発明2~3についての小括
よって、本件訂正発明2、および本件訂正発明2を引用する本件訂正発明3は、当業者であっても甲1発明、甲第2号証、甲第5号証記載の技術に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
(2-3)本件訂正発明4~14、15、16~17について
ア 本件訂正発明4~14、15、16~17と甲1発明との対比
本件訂正発明2の構成2Bや構成2Cを踏まえた構成2Dと同じ構成を有する本件訂正発明4~14、15、16~17と甲1発明とを比較すると、両者は少なくとも上記(2-2)アにおいて示した点において相違する。
イ 相違点に対する判断
上記相違点について検討するに、上記(2-2)イの「相違点に対する判断」と同様に、甲1発明において甲第2号証記載の技術を適用しても、上記構成2Cの「テレビに表示されるコンテンツの視聴質値を前記テレビの視聴エリアにいる視聴者のみの属性と関連付けて記憶した記憶手段」に到るわけではない。
さらに、上記構成2Bの「設定受付手段」や、上記構成2Cの「取得手段」を踏まえた上記構成2Dの「出力制御手段」については甲第2号証記載の技術~甲第7号証記載の技術のいずれからも導き出すことはできない。
ウ 小括
よって、本件訂正発明4~14、15、16~17もまた当業者であっても甲1発明、甲第2号証~甲第7号証記載の技術に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
第8 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1、〔2~3〕、4、5、6、〔7~9〕、10、11、12、13、14、15、〔16~17〕に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1、〔2~3〕、4、5、6、〔7~9〕、10、11、12、13、14、15、〔16~17〕に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-700937