特許異議申立
2022-700646
駐車場の運用方法と駐車システム
- 審判番号
- 2022-700646
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2017-031731
- 登録番号
- 6995484
- 請求日
- 2022年07月14日
- 審決日
- 2024年08月30日
- 公報発行日
- 2024年12月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】IHI運搬機械株式会社
- 【権利者代理人】小塚 敏紀
- 【異議申立人】小松 珠美
- 審判長/審判官
- 審判長 居島 一仁
- 審判官 有家 秀郎
- 審判官 西田 秀彦
- 分類
- P1651.841-YAA(E04H) / P1651.851-YAA(E04H) / P1651.121-YAA(E04H) / P1651.537-YAA(E04H)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第36条、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第4項、特許法第29条、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6995484号発明「駐車場の運用方法と駐車システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6995484号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-4〕、5、〔8-11〕、12について訂正することを認める。
特許第6995484号の請求項1ないし14に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第6995484号(以下「本件特許」という。)に係る出願は、平成29年2月23日に出願され、令和3年12月17日にその特許権の設定登録がされ、令和4年1月14日に特許掲載公報が発行された。
これに対し、特許異議申立人 小松珠美(以下「申立人」という。)より、令和4年7月14日に、特許異議申立書(以下「申立書」という。)が提出され、本件特許の請求項1ないし14に係る特許に対して、特許異議の申立てがされた。
その後の経緯の概要は、次のとおりである。
令和5年 3月31日付け: 取消理由通知書
同年 5月19日 : 特許権者による意見書及び訂正請求書の
提出
同年11月 6日 : 申立人による意見書の提出
令和6年 3月28日付け: 取消理由通知書(決定の予告)
同年 4月25日 : 応対記録
同年 5月23日 : 特許権者による意見書及び訂正請求書の
提出
同年 6月17日付け: 手続補正指令(方式)(令和6年5月2
3日付け訂正請求書に対して)
同年 6月26日 : 特許権者による手続補正書の提出(令和
6年5月23日付け訂正請求書の全文補
正)
同年 8月 5日 : 申立人による意見書の提出
なお、令和5年5月19日にされた訂正の請求は、令和6年5月23日に新たな訂正の請求がされたことにより、取り下げられたものとみなす(特許法120条の5第7項)。
第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
令和6年6月26日付け手続補正書により補正された同年5月23日付け訂正請求書(以下「本件訂正請求書」という)による訂正(以下「本件訂正」という)の請求は、特許第6995484号の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-4〕、5、〔8-11〕、12について訂正することを求めるものであって、その訂正の内容は以下のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。)
なお、本件訂正請求書においては、異なる訂正事項について同じ「訂正事項1」等の表記が一部で用いられているところ、異なる訂正事項の混同を避けるため、以下では、各訂正事項を区別する数字を通し番号とした。
(1)請求項1乃至4に係る訂正について
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導工程と、」を加え、
請求項1における「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行し、」との記載を、「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行し、実行中の工程が前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程のうちのどの工程にあるかを実行中の工程に対応するランプを点灯する方法で示す表示である工程表示をし、」と訂正し、
「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫確認受付工程を順に実行して」との記載を「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程を順に実行して」と訂正し、
「機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき、利用者にその旨を通知して前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する、」との記載を、「機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき、利用者にその旨を通知して、前記工程表示を実行中の工程が前記入庫誘導工程であることを示す表示にした後で前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する、」と訂正する。(請求項1を引用する請求項2~4を同様に訂正する。)
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2における「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程とを順に実行して」との記載を「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程とを順に実行して」と訂正し、
「機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して前記安全確認受付工程前記扉閉工程とを順に実行する」との記載を、「機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して、前記工程表示を実行中の工程が前記入庫誘導工程であることを示す表示にした後で前記安全確認受付工程前記扉閉工程とを順に実行する」と訂正する。(請求項2を引用する請求項3~4を同様に訂正する。)
(2)請求項5に係る訂正について
訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5に「入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導工程と、」を加え、
請求項5における「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行し、」との記載を、「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行し、実行中の工程が前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程のうちのどの工程にあるかを実行中の工程に対応するランプを点灯する方法で示す表示である工程表示をし、」と訂正し、
「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫確認受付工程を順に実行して」との記載を「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程を順に実行して」と訂正し、
「機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき、利用者に注意を促して前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する、」との記載を、「機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき、利用者に注意を促して、前記工程表示を実行中の工程が前記入庫誘導工程であることを示す表示にした後で前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する、」と訂正する。
(3)請求項8乃至11に係る訂正について
ア 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項8に「入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導機能と、」を加え、
請求項8における「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現し、」との記載を、「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現し、
実現中の機能が前記入庫要求受付機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能のうちのどの機能にあるかを実現中の機能に対応するランプを点灯する方法で示す表示である機能表示をし、」と訂正し、
「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫確認受付機能とを順に実現して」との記載を「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能とを順に実現して」と訂正し、
「機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき、利用者にその旨を通知して前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する、」との記載を、「機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき、利用者にその旨を通知して、前記機能表示を実現中の機能が前記入庫誘導機能であることを示す表示にした後で前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する、」と訂正する。(請求項8を引用する請求項9~11を同様に訂正する。)
イ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項9における「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能とを順に実現して」との記載を「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能とを順に実現して」と訂正し、
「機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する、」との記載を、「機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して、前記機能表示を実現中の機能が前記入庫誘導機能であることを示す表示にした後で前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する、」と訂正する。(請求項9を引用する請求項10~11を同様に訂正する。)
(4)請求項12に係る訂正について
ア 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項12に「入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導機能と、」を加え、
請求項12における「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現し、」との記載を、「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現し、
実現中の機能が前記入庫要求受付機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能のうちのどの機能にあるかを実現中の機能に対応するランプを点灯する方法で示す表示である機能表示をし、」と訂正し、
「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫確認受付機能とを順に実現して」との記載を「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能とを順に実現して」と訂正し、
「機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき、利用者に注意を促して前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する、」との記載を、「機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき、利用者に注意を促して、前記機能表示を実現中の機能が前記入庫誘導機能であることを示す表示にした後で前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する、」と訂正する。
2 訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、新規事項の有無、及び独立特許要件について
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項1は、訂正前の請求項1において、次の(ア)~(エ)の4つの点を限定するものと認められる。
(ア)「駐車場の運用方法」において、「入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導工程」を備えること(以下、この限定に係る事項を「訂正事項1-1」という)
(イ)「車両を入庫させる際」に、「順に実行」する「扉開工程」と「入庫確認受付工程」との間に、「入庫誘導工程」を実行すること(以下、この限定に係る事項を「訂正事項1-2」という)
(ウ)「駐車場の運用方法」において、「実行中の工程が前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程のうちのどの工程にあるかを実行中の工程に対応するランプを点灯する方法で示す表示である工程表示」をすること(以下、この限定に係る事項を「訂正事項1-3」という)
(エ)「車両を入庫させる際に、・・・前記入庫確認受付工程を順に実行して車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付たとき機械センサにより車両が入庫した入出庫空間が正常であるか否かの確認をし、機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき、利用者にその旨を通知して」「前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する」際に、「前記工程表示を実行中の工程が前記入庫誘導工程であることを示す表示にした後で」行うこと(以下、この限定に係る事項を「訂正事項1-4」という)
したがって、上記訂正事項1-1~訂正事項1-4からなる限定を行う、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、上記アのとおり、限定を加えることにより特許請求の範囲の減縮を目的とし、訂正の前後でカテゴリーや対象、目的を変更するものでないから、実質上特許請求の範囲を拡張、又は変更するものではない。
ウ 新規事項の有無
訂正事項1について、訂正定事項1-1~訂正事項1-4に係る構成が、それぞれ願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「願書に添付した明細書等」という)に記載した事項の範囲内の構成であるかを、判断する。
(ア)訂正事項1-1に係る構成について
願書に添付した明細書等の段落【0107】には、次の記載がある。
「【0107】
(入庫誘導工程S45e)
入庫誘導工程S45eを実行する。
車両を入出庫空間122に誘導する。
「お車を入れてください、駐車後、入庫表示灯が「停止」になっていることを確認ください」メッセージを表示し、「停車完了」ボタンが押されるのを待つ。
車両が入出庫扉を通過して入出庫空間に入り、車両支持構造に乗る。
「停車完了」ボタンが押されると、次の機械センサチェック工程S46eを実行する。」
上記段落【0107】の記載より、訂正事項1のうち、「入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導工程」を備えるという、訂正事項1-1に係る構成は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の構成である。
(イ)訂正事項1-2に係る構成について
願書に添付した明細書等の段落【0105】には、上記段落【0107】に記載される「入庫誘導工程S45e」に先立ち、「扉開工程S40」が実行されることが、記載されている。
願書に添付した明細書等の段落【0109】には、上記段落【0107】に記載される「入庫誘導工程S45e」より後に、「入庫確認受付工程S55e」が実行されることが、記載されている。
願書に添付した明細書等の【図2】及び【図3】には、「S40」、「S45e」、「S55e」の3つの工程の順番について、S40(当審注;扉開工程)、S45e(当審注;入庫誘導工程)、S55e(当審注;入庫確認受付工程)の順に実行される様子が、示されている。
上記段落【0105】、【0107】、【0109】の記載及び【図2】、【図3】の図示より、訂正事項1のうち、「順に実行」する「扉開工程」と「入庫確認受付工程」との間に、「入庫誘導工程」を実行するという、訂正事項1-2に係る構成は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の構成である。
(ウ)訂正事項1-3に係る構成について
a 願書に添付した明細書等の記載及び図示
(a)願書に添付した明細書等の段落【0101】には、「利用者認証工程S10を実行する。利用者が画面に表示された「利用開始」ボタンを押すと、駐車場認証を行う。駐車場認証を完了できると、OKメッセージを表示する。駐車場認証を完了できないと、NGメッセージを表示する。」と記載されている。
(b)願書に添付した明細書等の段落【0102】には、「入庫要求受付工程S20eを実行する。」と記載され、表示に関して、「「駐車場の操作を許可されました。[入庫呼び開始]ボタンをおしてください」メッセージを表示する。」と記載されている。
(c)願書に添付した明細書等の段落【0105】には、「扉開工程S40を実行する。」と記載され、表示に関して、先行する段落【0103】には、「「入庫の準備中です、しばらくお待ちちください」メッセージを表示し、入庫準備完了を確認する。」と記載されている。なお、段落【0103】の後の表示に関する記載は、下記(d)に示す段落【0107】となる。
(d)願書に添付した明細書等の段落【0107】には、「入庫誘導工程S45eを実行する。」と記載され、表示に関して、「「お車を入れてください、駐車後、入庫表示灯が「停止」になっていることを確認ください」メッセージを表示し、「停車完了」ボタンが押されるのを待つ。」と記載されている。
(e)願書に添付した明細書等の段落【0109】には、「入庫確認受付工程S55eを実行する。」と記載され、表示に関して、「利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示して、車両を降りた利用者から注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける。例えば、「入庫確認を行ってください」メッセージを表示し、注意事項として、「ドアミラーをたたみましたか?」「駐車場ブレーキをかけましたか?」「ドアをロックしましたか?」「ハッチバックはあいていませんか?」「忘れ物はありませんか?」「庫内から退出しましたか?」をチェックボックスとともに表示する。全てのチェックボッックスにチェックを入れると、「入庫確認」ボタンを押すことが出来る。」と記載されている。
(f)願書に添付した明細書等の段落【0111】には、「安全確認受付工程S60を実行する。」と記載され、表示に関して、「例えば、「庫内に人がいないことを確認してください」メッセージを表示する。「安全確認」ボタンが押されるのを待つ。」と記載されている。
(g)願書に添付した明細書等の段落【0115】には、「扉閉工程S80を実行する。」と記載され、表示に関して、「例えば、「扉を閉じています。しばらくお待ちください」メッセージを表示する。」と記載されている。
(h)願書に添付した明細書等の【図2】には、左側の「フロー」において、最上段に「S10」(当審注;利用者認証工程)と記載され、「S10」の近傍に「(3-1)」の付記がされている。同図右側の「イメージ」(当審注;「イメージ」の冒頭に付された2字はつぶれて判読できない)のうち、最上段の「(3-1)」と付された四角囲いの中の上方には、「○1」~「○6」(当審注;○数字は○の中に数字を指す。以下、同様。)の表記が並び、そのうち「1」を囲む「○」が太字となっている様子が示されている。また、「(3-1)」と付された四角囲いの中の中程以降には、細部は判別できないが、上記(a)に示した「利用者認証工程S10」における画面の表示と概略整合する表示がある。なお、「(3-1)」と付された四角囲いを含め、【図2】及び【図3】における右側の「イメージ」における各四角囲いは、上記(a)に示した段落【0101】の記載から、メッセージ及びボタンを含む、画面の表示のイメージであると理解される。
(i)願書に添付した明細書等の【図2】には、左側の「フロー」において、「S20e」(当審注;入庫要求受付工程)及び「S40」(当審注;扉閉工程)と記載され、「S20e」及び「S40」の近傍に「(4-1)」又は「(4-2)」の付記がされている。同図右側の「イメージ」のうち「(4-1)」及び「(4-2)」と付された四角囲いの中の上方には、「○1」~「○6」の表記が並び、そのうち「2」を囲む「○」が太字となっている様子が示されている。また、「(4-1)」と付された四角囲いの中の中程以降には、細部は判別できないが、上記(b)に示した「入庫要求受付工程S20e」におけるメッセージと概略整合する表示があり、「(4-2)」と付された四角囲いの中の中程以降には、細部は判別できないが、上記(c)に示した「扉開工程S40」におけるメッセージと概略整合する表示がある。
(j)願書に添付した明細書等の【図2】には、左側の「フロー」の下の方に「S45e」(当審注;入庫誘導工程)と記載されており、「S45e」の近傍に「(5-1)」の付記がされている。同図右側の「イメージ」のうち、下から2段目の「(5-1)」と付記された四角囲いについて、同四角囲いの中の上方には、「○1」~「○6」の表記が並び、そのうち「3」を囲む「○」が太字となっている様子が示されている。また、同四角囲いの中の中程以降には、細部は判別できないが、上記(d)に示した「入庫誘導工程S45e」におけるメッセージと概略整合する表示がある。
(k)願書に添付した明細書等の【図3】には、左側の「フロー」の上の方に「S55e」(当審注;入庫確認受付工程)と記載されているが、その近傍に括弧書きで付される数字は、字がつぶれて判別できない。同図右側の「イメージ」のうち、「S55e」の右側に並ぶ2つの四角囲いについて、括弧書きで付記される数字は字がつぶれて判別できないが、同四角囲いの中の上方には、「○1」~「○6」の表記が並び、そのうち「4」を囲む「○」が太字となっている様子が示されている。また、同四角囲いの中の中程以降には、細部は判別できないが、上記(f)に示した「入庫確認受付工程S55e」におけるメッセージと概略整合する表示がある。
(l)願書に添付した明細書等の【図3】には、左側の「フロー」の「S55e」(当審注;入庫確認受付工程)の下方に、「S60」(当審注;安全確認受付工程)と記載されているが、その近傍に括弧書きで付される数字は、字がつぶれて判別できない。同図右側の「イメージ」のうち、上から2段目で「S60」の右側に並ぶ2つの四角囲いについて、括弧書きで付記される数字は字がつぶれて判別できないが、同四角囲いの中の上方には、「○1」~「○6」の表記が並び、そのうち「5」を囲む「○」が太字となっている様子が示されている。また、同四角囲いの中の中程以降には、細部は判別できないが、上記(g)に示した「安全確認受付工程S60」におけるメッセージと概略整合する表示がある。
(m)願書に添付した明細書等の【図3】には、左側の「フロー」の「S60」(当審注;安全確認受付工程)より下方に、「S80」(当審注;扉閉工程)と記載されているが、その近傍に括弧書きで付される数字は、字がつぶれて判別できない。同図右側の「イメージ」のうち、下から2段目で「S80」の右側の四角囲いについて、括弧書きで付記される数字は字がつぶれて判別できないが、同四角囲いの中の上方には、「○1」~「○6」の表記が並び、そのうち「6」を囲む「○」が太字となっている様子が示されている。また、同四角囲いの中の中程以降には、細部は判別できないが、上記(h)に示した「扉閉工程S80」におけるメッセージと概略整合する表示がある。
b 上記aの記載及び図示から導出される事項
願書に添付した明細書等の【図2】及び【図3】の右側の「フロー」において、各四角囲いの中の上方の「○1」~「○6」の表記のうち、
・「2」を囲む「○」の表記が太字で示される画面表示が、「入庫要求受付工程S20e」及び「扉開工程S40」で行われること(上記aの(b)、(c)、(i))
・「3」を囲む「○」の表記が太字で示される画面表示が、「入庫誘導工程S45e」で行われること(上記aの(d)、(j))
・「4」を囲む「○」の表記が太字で示される画面表示が、「入庫確認受付工程S55e」で行われること(上記aの(f)、(k))
・「5」を囲む「○」の表記が太字で示される画面表示が、「安全確認受付工程S60」で行われること(上記aの(g)、(l))
・「6」を囲む「○」の表記が太字で示される画面表示が、「扉閉工程S80」で行われること(上記aの(h)、(m))
を踏まえると、上記「○2」~「○6」のいずれかを囲む「○」の表記が順に太字で示される状態となる画面表示から、「実行中の工程が前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程のうちのどの工程にあるかを実行中の工程に対応する」「方法で示す表示である工程表示を」行う、という事項が導出される。
また、数字を囲む「○」の表記が順に太字で示される状態となる画面表示について、通常の画面表示は自発光型及び透過型のいずれの場合も光を利用して行われていること、及び、○印が順に太字で表記される状態へと切り替わる画面表示において、○印部分の画素を明暗切り換えられるようにしておき、太字で表記される状態で当該○印部分の画素の明度を高めることは、技術常識として適宜に行われている事項であることを考慮すると、明暗切り換え可能な「○」印部分を「ランプ」とし、太字で表記される強調状態とすることを「点灯」とすることも、技術常識を踏まえると、願書に添付した明細書等の記載を総合することにより導出される事項の範囲を超えるものではない。
したがって、「実行中の工程が前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程のうちのどの工程にあるかを実行中の工程に対応するランプを点灯する方法で示す表示である工程表示を」するという、訂正事項1-3に係る構成は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の構成である。
(エ)訂正事項1-4に係る構成について
a 願書に添付した明細書等の記載及び図示
(a)願書に添付した明細書等の段落【0109】には、「入庫確認受付工程S55eを実行する。利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示して、車両を降りた利用者から注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける。・・・「入庫確認」ボタンが押されると、次の機械センサチェック工程S56eを実行する。」と記載されている。
(b)願書に添付した明細書等の段落【0110】には、「機械センサチェック工程S56eを実行する。車両が入庫した駐車空間が正常であることを、機械センサによりチェックする。機械センサにより、車両が入庫した駐車空間が正常であることを確認すると、安全確認受付工程S60を実行する。」と記載されている。
(c)願書に添付した明細書等の【図2】には、右側の「イメージ」の最下段に、「(5-1’)」と付された四角囲いがあり、同四角囲いの中の上方には、「○1」~「○6」の表記が並び、そのうち「3」を囲む「○」が太字となっている様子が示されている。
(d)願書に添付した明細書等の【図3】には、右側の「イメージ」の上から3段目に、「(?-1’’)」(当審注;「?」の字はつぶれて判読できない)と付された四角囲いがあり、同四角囲いの中の上方には、「○1」~「○6」の表記が並び、そのうち「3」を囲む「○」が太字となっている様子が示されている。
(e)願書に添付した明細書等の【図2】及び【図3】の右側の「イメージ」において、各四角囲いに付された括弧書きの数字は一部判読できないが、末尾に「’」が付くのは上記(c)に示したもののみであり、末尾に「’’」が付くのは上記(d)に示したもののみであることが、看取される。
(f)願書に添付した明細書等の【図3】の左側の「フロー」において、「S55e」(当審注;入庫確認受付工程)の下に、「S56e」(当審注;機械センサチェック工程)が示されている。
(g)上記「S56e」の菱形から下方の矢印に「Y」が付され、同菱形から右側に出て下へ向かう矢印には何も付されていない。
(h)上記「S56e」の菱形から右側に出て下に向かう矢印の先の一つ目の四角囲いの中の文字は、つぶれていて判別できないが、同矢印の先の二つ目の四角囲いの中には「OK(ボタン押下)」と記載されている。
(i)上記「OK(ボタン押下)」と記載された四角囲いの上下には「(?-1’)」(当審注;「?」の字はつぶれて判別できない)と付記されている。
(j)上記「OK(ボタン押下)」と記載された四角囲いの下から出る矢印は、右に折れて情報に向かい、「S55e」(当審注;入庫確認受付工程)へと戻っている。
b 上記aの記載及び図示から導出される事項
願書に添付した明細書等において、
・「入庫確認受付工程S55eを実行」して「利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示して、車両を降りた利用者から注意事項を確認したことを証する宣言を受け付け・・・次の機械センサチェック工程S56eを実行する」こと(上記aの(a))
・「機械センサチェック工程S56e」では「機械センサにより、車両が入庫した駐車空間が正常である」か否かを「確認する」こと(上記aの(b)、(g))
・「機械センサチェック工程S56e」で「Y」のない分岐となった場合、「?-1’)」(当審注;「?」の字はつぶれて判別できない)と付記される矢印を経て、「入庫確認受付工程S55e」へと戻ること(上記aの(b)、(f)~(j))
・【図2】及び【図3】の右側の「イメージ」において、各四角囲いに付された括弧書き数字の末尾に「’」が付くのは、【図2】右側の「イメージ」の最下段の「(5-1’)」と付された四角囲いのみであり、同四角囲いの中の上方には、「○1」~「○6」の表記が並び、そのうち「3」を囲む「○」が太字となっていること(上記aの(c)~(f))
を踏まえると、車両を入庫させる際に、「入庫確認受付工程S55e」を実行して「車両を降りた利用者から注意事項を確認したことを証する宣言を受け付け」たときに「機械センサチェック工程S56e」を行い、「機械センサにより、車両が入庫した駐車空間が正常であることを確認」できないときに、「○1」~「○6」のうち「3」を囲む「○」を太字で表記される強調状態とした後に、「入庫確認受付工程S55e」へと戻ることは、願書に添付した明細書等の記載を総合することにより導出される事項の範囲を超えるものではない。
したがって、「車両を入庫させる際に、・・・前記入庫確認受付工程を順に実行して車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付たとき機械センサにより車両が入庫した入出庫空間が正常であるか否かの確認をし、機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき、利用者にその旨を通知して」「前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する」際に、「前記工程表示を実行中の工程が前記入庫誘導工程であることを示す表示にした後で」行うという、上記訂正事項1-4に係る構成は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の構成である。
(オ)小括
よって、上記訂正事項1-1~訂正事項1-4からなる、訂正事項1による訂正は、願書に添付した明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。
エ 独立特許要件について
本件においては、訂正前の全ての請求項1ないし14について、特許異議の申立てがされているので、訂正事項1において、請求項1ないし4について特許請求の範囲の減縮が行われていても、訂正の適否の要件として、訂正後の請求項1ないし4に係る発明について、特許法120条の5第9項で読み替えて準用する同法126条7項の独立特許要件は課されない。
(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項2は、訂正前の請求項2において、次の(ア)及び(イ)の2つの点を限定するものと認められる。
(ア)「車両を入庫させる際」に、「順に実行」する「扉開工程」と「入庫確認受付工程」との間に、「入庫誘導工程」を実行すること(以下、この限定に係る事項を「訂正事項2-1」という)
(イ)「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程・・・前記安全確認受付工程とを順に実行して利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付たとき機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき、扉閉要求を受付け、扉閉要求を受け付けたとき機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して」「前記安全確認受付工程前記扉閉工程とを順に実行する」際に、「前記工程表示を実行中の工程が前記入庫誘導工程であることを示す表示にした後」に行うこと(以下、この限定に係る事項を「訂正事項2-2」という)
したがって、上記訂正事項2-1及び訂正事項2-2からなる限定を行う、訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項2は、上記アのとおり、限定を加えることにより特許請求の範囲の減縮を目的とし、訂正の前後でカテゴリーや対象、目的を変更するものでないから、実質上特許請求の範囲を拡張、又は変更するものではない。
ウ 新規事項の有無
訂正事項2について、訂正定事項2-1及び訂正事項2-2に係る構成が、それぞれ願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の構成であるかを、判断する。
(ア)訂正事項2-1に係る構成について
訂正事項2-1に係る構成は、上記(1)ウ(イ)で訂正事項1-2に係る構成について示したのと同じ理由で、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の構成である。
(イ)訂正事項2-2に係る構成について
a 願書に添付した明細書等の記載及び図示
(a)願書に添付した明細書等の段落【0111】~【0115】には、以下の事項が記載されている。
・「安全確認受付工程S60」で「利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付け」、「「安全確認」ボタンが押されると、次の機械センサ安全確認工程S61を実行する」こと(段落【0111】)
・「機械センサ安全確認工程S61」で「センサを用いて庫内の安全確認をおこな」い、「センサを用いて庫内の安全を確認できると、次の扉閉要求受付工程S70を実行する」こと(段落【0112】)
・「扉閉要求受付工程S70」で「扉閉要求を受け付け」、「「扉閉操作開始」ボタンが押されると、機械の安全をセンサで確認」すること(段落【0114】)
(b)願書に添付した明細書等の段落【0129】~【0130】には、以下の事項が記載されている。
・「扉閉要求受付工程S70」において、「扉閉操作開始」ボタンが押された後に、「次の機械センサチェック工程S71を実行する」こと(段落【0129】)
・「機械センサチェック工程S71」において、「機械センサにより入出庫扉を閉めても不具合がないかをチェック」し、「機械の安全を確認できないと、安全確認受付工程S60へ戻る」こと(段落【0130】)
(c)願書に添付した明細書等の【図3】には、左側の「フロー」において、「S70」(当審注;扉閉要求受付工程)の下に「S71」(当審注;機械センサチェック工程S71)が示されている。
(d)上記「S71」から右に出る分岐の矢印に「N」が付され、当該「N」が付された矢印の先の四角囲いには、「?安全確認???’’)へ戻る」(当審注;「?」の字はつぶれて判別できない)と記載されている。
b 上記aの記載及び図示から導出される事項
(a)上記a(a)より、「安全確認受付工程S60」で「利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付けたとき」に、「機械センサ安全確認工程S61」で「センサを用いて庫内の安全確認をおこな」い、「センサを用いて庫内の安全を確認できると、次の扉閉要求受付工程S70を実行」し、「機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき(S61でY)、「扉閉要求受付工程S70」で「扉閉要求を受け付け」、「「扉閉操作開始」ボタンが押される」と、さらに「機械の安全をセンサで確認」することが、導出される。
(b)上記aの(b)及び(c)より、「扉閉要求受付工程S70」の後に行われる「機械センサチェック工程S71」において、「機械の安全を確認できない」ときには、「安全確認受付工程S60へ戻る」ことが、導出される。
(c)上記(1)ウ(エ)aの(d)及び(e)に示したとおり、【図2】及び【図3】の左側の「イメージ」において、各四角囲いに付された括弧書きの数字の末尾に「’’」が付くのは、【図3】右側の「イメージ」の上から3段目の四角囲いのみであり、同四角囲いの中の上方には、「○1」~「○6」の表記が並び、そのうち「3」を囲む「○」が太字となっていることを踏まえると、上記aの(b)~(d)より、「機械センサチェック工程S71」において「機械の安全を確認できない」ときには、「○1」~「○6」のうち「3」を囲む「○」を太字で表記される強調状態とした後に、「安全確認受付工程S60へ戻る」ことが、導出される。
したがって、「車両を入庫させる際に、・・・前記安全確認受付工程とを順に実行して利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付たとき機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき、扉閉要求を受付け、扉閉要求を受け付けたとき機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して」「前記安全確認受付工程前記扉閉工程とを順に実行する」際に、「前記工程表示を実行中の工程が前記入庫誘導工程であることを示す表示にした後」に行うという、上記訂正事項2-2に係る構成は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の構成である。
(ウ)小括
よって、上記訂正事項2-1及び訂正事項2-2からなる、訂正事項2による訂正は、願書に添付した明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。
エ 独立特許要件について
本件においては、訂正前の全ての請求項1ないし14について、特許異議の申立てがされているので、訂正事項2において、請求項2ないし4について特許請求の範囲の減縮が行われていても、訂正の適否の要件として、訂正後の請求項2ないし4に係る発明について、特許法120条の5第9項で読み替えて準用する同法126条7項の独立特許要件は課されない。
(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項3は、訂正前の請求項5において、次の(ア)~(エ)の4つの点を限定するものと認められる。
(ア)「駐車場の運用方法」において、「入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導工程」を備えること(以下、この限定に係る事項を「訂正事項3-1」という)
(イ)「車両を入庫させる際」に、「順に実行」する「扉開工程」と「入庫確認受付工程」との間に、「入庫誘導工程」を実行すること(以下、この限定に係る事項を「訂正事項3-2」という)
(ウ)「駐車場の運用方法」において、「実行中の工程が前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程のうちのどの工程にあるかを実行中の工程に対応するランプを点灯する方法で示す表示である工程表示」をすること(以下、この限定に係る事項を「訂正事項3-3」という)
(エ)「車両を入庫させる際に、・・・前記安全確認受付工程とを順に実行して利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付たとき機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき、扉閉要求を受付け、扉閉要求を受け付けたとき機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して」「前記安全確認受付工程前記扉閉工程とを順に実行する」際に、「前記工程表示を実行中の工程が前記入庫誘導工程であることを示す表示にした後」に行うこと(以下、この限定に係る事項を「訂正事項3-4」という)
したがって、上記訂正事項3-1~訂正事項3-4からなる限定を行う、訂正事項3は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項3は、上記アのとおり、限定を加えることにより特許請求の範囲の減縮を目的とし、訂正の前後でカテゴリーや対象、目的を変更するものでないから、実質上特許請求の範囲を拡張、又は変更するものではない。
ウ 新規事項の有無
訂正事項3について、訂正定事項3-1~訂正事項3-4に係る構成が、それぞれ願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の構成であるかを、判断する。
(ア)訂正事項3-1に係る構成について
訂正事項3-1に係る構成は、上記(1)ウ(ア)で訂正事項1-1に係る構成について示したのと同じ理由で、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の構成である。
(イ)訂正事項3-2に係る構成について
訂正事項3-2に係る構成は、上記(1)ウ(イ)で訂正事項1-2に係る構成について示したのと同じ理由で、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の構成である。
(ウ)訂正事項3-3に係る構成について
訂正事項3-3に係る構成は、上記(1)ウ(ウ)で訂正事項1-3に係る構成について示したのと同じ理由で、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の構成である。
(エ)訂正事項3-4に係る構成について
訂正事項3-4に係る構成は、上記(2)ウ(イ)で訂正事項2-2に係る構成について示したのと同じ理由で、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の構成である。
(オ)小括
よって、上記訂正事項3-1~3-4からなる、訂正事項1による訂正は、願書に添付した明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。
エ 独立特許要件について
本件においては、訂正前の全ての請求項1ないし14について、特許異議の申立てがされているので、訂正事項3において、請求項5について特許請求の範囲の減縮が行われていても、訂正の適否の要件として、訂正後の請求項5に係る発明について、特許法120条の5第9項で読み替えて準用する同法126条7項の独立特許要件は課されない。
(4)訂正事項4について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項4は、訂正前の請求項8において、次の(ア)~(エ)の4つの点を限定するものと認められる。
(ア)「駐車システム」において「制御機構」が実現する機能として、「入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導機能」を備えること(以下、この限定に係る事項を「訂正事項4-1」という)
(イ)「車両を入庫させる際」に、「順に実現」する「扉開機能」と「入庫確認受付機能」との間に、「入庫誘導機能」を実行すること(以下、この限定に係る事項を「訂正事項4-2」という)
(ウ)「駐車システム」において「制御機構」が行うこととして、「実現中の機能が前記入庫要求受付機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能のうちのどの機能にあるかを実現中の機能に対応するランプを点灯する方法で示す表示である機能表示」をすること(以下、この限定に係る事項を「訂正事項4-3」という)
(エ)「車両を入庫させる際に、・・・前記入庫確認受付機能を順に実現して車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付たとき機械センサにより車両が入庫した入出庫空間が正常であるか否かの確認をし、機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき、利用者にその旨を通知して」「前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する」際に、「前記機能表示を実現中の機能が前記入庫誘導機能であることを示す表示にした後で」行うこと(以下、この限定に係る事項を「訂正事項4-4」という)
したがって、上記訂正事項4-1~訂正事項4-4からなる限定を行う、訂正事項4は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項4は、上記アのとおり、限定を加えることにより特許請求の範囲の減縮を目的とし、訂正の前後でカテゴリーや対象、目的を変更するものでないから、実質上特許請求の範囲を拡張、又は変更するものではない。
ウ 新規事項の有無
訂正事項4による訂正の対象である請求項8は、「駐車機構」と「制御機構」とを備える「駐車システム」において、訂正事項1による訂正の対象である請求項1の「駐車場の運用方法」の各「工程」を、「制御機構」が「実現」」する各「機能」とし、「入庫要求受付機能」と「扉開機能」との間に「車両支持構造呼び出し機能」を追加したものである。
そして、訂正事項4-1~訂正事項4-4に係る構成は、訂正事項1-1~訂正事項1-4に係る構成において、「実行」される各「工程」を、「実現」される各「機能」として表現したものであるから、上記(1)ウ(ア)~(エ)に示したのと同じ理由で、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の構成である。
したがって、上記訂正事項4-1~訂正事項4-4からなる、訂正事項4による訂正は、願書に添付した明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。
エ 独立特許要件について
本件においては、訂正前の全ての請求項1ないし14について、特許異議の申立てがされているので、訂正事項4において、請求項8ないし11について特許請求の範囲の減縮が行われていても、訂正の適否の要件として、訂正後の請求項8ないし11に係る発明について、特許法120条の5第9項で読み替えて準用する同法126条7項の独立特許要件は課されない。
(5)訂正事項5について
訂正事項5は、訂正前の請求項9において、次の(ア)及び(イ)の2つの点を限定するものと認められる。
(ア)「車両を入庫させる際」に、「順に実現」する「扉開機能」と「入庫確認受付機能」との間に、「入庫誘導機能」を実行すること(以下、この限定に係る事項を「訂正事項5-2」という)
(イ)「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能・・・前記安全確認受付機能とを順に実現して利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付たとき機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき、扉閉要求を受付け、扉閉要求を受け付けたとき機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して」「前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する」際に、「前記機能表示を実現中の機能が前記入庫誘導機能であることを示す表示にした後」に行うこと(以下、この限定に係る事項を「訂正事項5-2」という)
したがって、上記訂正事項5-1及び5-2からなる限定を行う、訂正事項5は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項5は、上記アのとおり、限定を加えることにより特許請求の範囲の減縮を目的とし、訂正の前後でカテゴリーや対象、目的を変更するものでないから、実質上特許請求の範囲を拡張、又は変更するものではない。
ウ 新規事項の有無
訂正事項5による訂正の対象である請求項9は、「駐車機構」と「制御機構」とを備える「駐車システム」において、訂正事項2による訂正の対象である請求項2の「駐車場の運用方法」の各「工程」を、「制御機構」が「実現」」する各「機能」とし、「入庫要求受付機能」と「扉開機能」との間に「車両支持構造呼び出し機能」を追加したものである。
そして、訂正事項5-1及び訂正事項5-2に係る構成は、訂正事項2-1及び訂正事項2-2に係る構成において、「実行」される各「工程」を、「実現」される各「機能」として表現したものであるから、上記(2)ウ(ア)及び(イ)に示したのと同じ理由で、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の構成である。
したがって、上記訂正事項5-1及び訂正事項5-2からなる、訂正事項5による訂正は、願書に添付した明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。
エ 独立特許要件について
本件においては、訂正前の全ての請求項1ないし14について、特許異議の申立てがされているので、訂正事項5において、請求項9ないし11について特許請求の範囲の減縮が行われていても、訂正の適否の要件として、訂正後の請求項9ないし11に係る発明について、特許法120条の5第9項で読み替えて準用する同法126条7項の独立特許要件は課されない。
(6)訂正事項6について
ア 訂正の目的の適否
訂正事項6は、訂正前の請求項12において、次の(ア)~(エ)の4つの点を限定するものと認められる。
(ア)「駐車システム」において「制御機構」が実現する機能として、「入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導機能」を備えること(以下、この限定に係る事項を「訂正事項6-1」という)
(イ)「車両を入庫させる際」に、「順に実現」する「扉開機能」と「入庫確認受付機能」との間に、「入庫誘導機能」を実行すること(以下、この限定に係る事項を「訂正事項6-2」という)
(ウ)「駐車システム」において「制御機構」が行うこととして、「実現中の機能が前記入庫要求受付機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能のうちのどの機能にあるかを実現中の機能に対応するランプを点灯する方法で示す表示である機能表示」をすること(以下、この限定に係る事項を「訂正事項6-3」という)
(エ)「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能・・・前記安全確認受付機能とを順に実現して利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付たとき機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき、扉閉要求を受付け、扉閉要求を受け付けたとき機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して」「前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する」際に、「前記機能表示を実現中の機能が前記入庫誘導機能であることを示す表示にした後」に行うこと(以下、この限定に係る事項を「訂正事項6-4」という)
したがって、上記訂正事項6-1~訂正事項6-4からなる限定を行う、訂正事項6は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項6は、上記アのとおり、限定を加えることにより特許請求の範囲の減縮を目的とし、訂正の前後でカテゴリーや対象、目的を変更するものでないから、実質上特許請求の範囲を拡張、又は変更するものではない。
ウ 新規事項の有無
訂正事項6による訂正の対象である請求項12は、「駐車機構」と「制御機構」とを備える「駐車システム」において、訂正事項3による訂正の対象である請求項5の「駐車場の運用方法」の各「工程」を、「制御機構」が「実現」」する各「機能」とし、「入庫要求受付機能」と「扉開機能」との間に「車両支持構造呼び出し機能」を追加したものである。
そして、訂正事項6-1~訂正事項6-4に係る構成は、訂正事項3-1~訂正事項3-4に係る構成において、「実行」される各「工程」を、「実現」される各「機能」として表現したものであるから、上記(3)ウ(ア)~(エ)に示したのと同じ理由で、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内の構成である。
したがって、上記訂正事項6-1~訂正事項6-4からなる、訂正事項4による訂正は、願書に添付した明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。
エ 独立特許要件について
本件においては、訂正前の全ての請求項1ないし14について、特許異議の申立てがされているので、訂正事項6において、請求項12について特許請求の範囲の減縮が行われていても、訂正の適否の要件として、訂正後の請求項12に係る発明について、特許法120条の5第9項で読み替えて準用する同法126条7項の独立特許要件は課されない。
3 訂正の単位について
(1)請求項1ないし4に係る訂正事項1及び2
本件訂正前の請求項1ないし4について、請求項2は請求項1を引用し、請求項3は請求項2を引用し、請求項4は請求項1を引用しているから、本件訂正前の請求項1ないし4は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
したがって、訂正事項1及び訂正事項2により、本件訂正前の請求項1ないし4に係る発明についてする訂正は、一群の請求項1ないし4に係る発明について、一群の請求項ごとに訂正をするものである。
(2)請求項5に係る訂正事項3
本件訂正前の請求項5について、引用・被引用関係となる他の請求項はない。
したがって、訂正事項3により、本件訂正前の請求項5に係る発明についてする訂正は、請求項5に係る発明について、請求項ごとに訂正をするものである。
(3)請求項8ないし11に係る訂正事項4及び5
本件訂正前の請求項8ないし11について、請求項9は請求項8を引用し、請求項10は請求項9を引用し、請求項11は請求項10を引用しているから、本件訂正前の請求項8ないし11は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
したがって、訂正事項4及び訂正事項5により、本件訂正前の請求項8ないし11に係る発明についてする訂正は、一群の請求項8ないし11に係る発明について、一群の請求項ごとに訂正をするものである。
(4)請求項12に係る訂正事項6
本件訂正前の請求項12について、引用・被引用関係となる他の請求項はない。
したがって、訂正事項6により、本件訂正前の請求項12に係る発明についてする訂正は、請求項12に係る発明について、請求項ごとに訂正をするものである。
4 申立人の意見書における主張について
申立人は、令和6年8月5日付け意見書において、訂正事項1-4について、訂正の根拠とされる【図2】及び【図3】は記載内容が不明瞭であり、同訂正事項の根拠を理解できないから、新規事項の追加である旨を主張している(同意見書第1頁~第2頁の「(1)新規事項の追加」)。
しかしながら、新規事項の有無については、上記2(1)~(6)の各ウにおいて判断したとおりである。
したがって、申立人による上記主張を考慮しても、本件訂正について、上記1~3の判断を変更すべき事情は見いだせない。
5 まとめ
以上のとおり、本件訂正は、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条9項で準用する同法126条5項及び6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-4〕、5、〔8-11〕、12について、本件訂正を認める。
第3 本件発明
上記第2のとおり、本件訂正は認められたので、本件特許の請求項1ないし14に係る発明(以下、各々を「本件発明1」等といい、請求項1ないし14に係る発明をまとめて「本件発明」という。)は、令和6年6月26日付け手続補正書により補正された同年5月23日付け訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の、請求項1ないし14に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
なお、当審において分説を付した。
「【請求項1】
1A: 複数の利用者に各々に対応する複数の車両を入出庫扉を設けられる入出庫空間を通して各々に入庫または出庫させる駐車場の運用方法であって、
1B: 利用者から車両を入庫させる要求を受け付ける入庫要求受付工程と、
1C: 前記入出庫扉の状態を閉状態から開状態に変化させる扉開工程と、
1D: 入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導工程と、
1E: 利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示して、車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける入庫確認受付工程と、
1F: 利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付ける安全確認受付工程と、
1G: 入出庫扉の状態を開状態から閉状態に変化させる扉閉工程と、
を備え、
1H: 車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行し、
1I: 実行中の工程が前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程のうちのどの工程にあるかを実行中の工程に対応するランプを点灯する方法で示す表示である工程表示をし、
1J: 車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程を順に実行して車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付たとき機械センサにより車両が入庫した入出庫空間が正常であるか否かの確認をし、機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき、利用者にその旨を通知して、前記工程表示を実行中の工程が前記入庫誘導工程であることを示す表示にした後で前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する、
1K: ことを特徴とする駐車場の運用方法。
【請求項2】
2A: 車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程とを順に実行して利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付たとき機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき、扉閉要求を受付け、扉閉要求を受け付けたとき機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して、前記工程表示を実行中の工程が前記入庫誘導工程であることを示す表示にした後で前記安全確認受付工程前記扉閉工程とを順に実行する、
2B: ことを特徴とする請求項1に記載の駐車場の運用方法。
【請求項3】
3A: 利用者から車両を出庫させる要求を受け付ける出庫要求受付工程と、
3B: 利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付ける出庫完了受付工程と、を備え、
3C: 車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付工程と前記扉開工程と前記出庫完了受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行し、
3D: 車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付工程と前記扉開工程と前記出庫完了受付工程とを順に実行して利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付けると、機械センサにより車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認しようとし、機械センサが車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認できないとき、利用者に注意を促し、前記出庫完了受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する、
3E: ことを特徴とする請求項2に記載の駐車場の運用方法。
【請求項4】
4A: 車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付工程と前記扉開工程と前記出庫完了受付工程と前記安全確認受付工程とを順に実行して利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付たとき機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき、扉閉要求を受付け、扉閉要求を受け付けたとき機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する、
4B: ことを特徴とする請求項3に記載の駐車場の運用方法。
【請求項5】
5A: 複数の利用者に各々に対応する複数の車両を入出庫扉を設けられる入出庫空間を通して各々に入庫または出庫させる駐車場の運用方法であって、
5B: 入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導工程と、
5C: 利用者から車両を入庫させる要求を受け付ける入庫要求受付工程と、
5D: 前記入出庫扉の状態を閉状態から開状態に変化させる扉開工程と、
5E: 利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示して、車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける入庫確認受付工程と、
5F: 利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付ける安全確認受付工程と、
5G: 入出庫扉の状態を開状態から閉状態に変化させる扉閉工程と、
を備え、
5H: 車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行し、
5I: 実行中の工程が前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程のうちのどの工程にあるかを実行中の工程に対応するランプを点灯する方法で示す表示である工程表示をし、
5J: 車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程とを順に実行して利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付たとき機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき、扉閉要求を受付け、扉閉要求を受け付けたとき機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して、前記工程表示を実行中の工程が前記入庫誘導工程であることを示す表示にした後で前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する、
5K: ことを特徴とする駐車場の運用方法。
【請求項6】
6A: 複数の利用者に各々に対応する複数の車両を入出庫扉を設けられる入出庫空間を通して各々に入庫または出庫させる駐車場の運用方法であって、
6B: 利用者から車両を入庫させる要求を受け付ける入庫要求受付工程と、
6C: 利用者から車両を出庫させる要求を受け付ける出庫要求受付工程と、
6D: 前記入出庫扉の状態を閉状態から開状態に変化させる扉開工程と、
6E: 利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示して、車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける入庫確認受付工程と、
6F: 利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付ける出庫完了受付工程と、
6G: 利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付ける安全確認受付工程と、
6H: 入出庫扉の状態を開状態から閉状態に変化させる扉閉工程と、
を備え、
6I: 車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行し、
6J: 車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付工程と前記扉開工程と前記出庫完了受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行し、
6K: 車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付工程と前記扉開工程と前記出庫完了受付工程とを順に実行して利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付けると、機械センサにより車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認しようとし、機械センサが車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認できないとき、利用者に注意を促し、前記出庫完了受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する、
6L: ことを特徴とする駐車場の運用方法。
【請求項7】
7A: 複数の利用者に各々に対応する複数の車両を入出庫扉を設けられる入出庫空間を通して各々に入庫または出庫させる駐車場の運用方法であって、
7B: 利用者から車両を入庫させる要求を受け付ける入庫要求受付工程と、
7C: 利用者から車両を出庫させる要求を受け付ける出庫要求受付工程と、
7D: 前記入出庫扉の状態を閉状態から開状態に変化させる扉開工程と、
7E: 利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示して、車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける入庫確認受付工程と、
7F: 利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付ける出庫完了受付工程と、
7G: 利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付ける安全確認受付工程と、
7H: 入出庫扉の状態を開状態から閉状態に変化させる扉閉工程と、
を備え、
7I: 車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行し、
7J: 車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付工程と前記扉開工程と前記出庫完了受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行し、
7K: 車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付工程と前記扉開工程と前記出庫完了受付工程と前記安全確認受付工程とを順に実行して利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付たとき機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき、扉閉要求を受付け、扉閉要求を受け付けたとき機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する、
7L: ことを特徴とする駐車場の運用方法。
【請求項8】
8A: 複数の操作者に各々に対応する複数の車両を各々に駐車させる駐車システムであって、
8B: 車両を駐車空間と入出庫扉を設けられる入出庫空間との間で移動できる駐車機構と、
8C: 前記駐車機構を制御する制御機構と、
を備え、
8D: 前記制御機構が、
8E: 利用者から車両を入庫させる要求を受け付ける入庫要求受付機能と、
8F: 車両を入庫または出庫させるために利用者が乗る車両を載せる車両支持構造を入出庫空間に位置させる車両支持構造呼び出し機能と、
8G: 前記入出庫扉の状態を閉状態から開状態に変化させる扉開機能と、
8H: 入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導機能と、
8I: 利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示して、車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける入庫確認受付機能と、
8J: 利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付ける安全確認受付機能と、
8K: 入出庫扉の状態を開状態から閉状態に変化させる扉閉機能と、
を実現でき、
8L: 車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現し、
8M: 実現中の機能が前記入庫要求受付機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能のうちのどの機能にあるかを実現中の機能に対応するランプを点灯する方法で示す表示である機能表示をし、
8N: 車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能とを順に実現して車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付たとき機械センサにより車両が入庫した入出庫空間が正常であるか否かの確認をし、機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき、利用者にその旨を通知して、前記機能表示を実現中の機能が前記入庫誘導機能であることを示す表示にした後で前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する、
8O: ことを特徴とする駐車システム。
【請求項9】
9A: 車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能とを順に実現して利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付たとき機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき、扉閉要求を受付け、扉閉要求を受け付けたとき機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して、前記機能表示を実現中の機能が前記入庫誘導機能であることを示す表示にした後で前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する、
9B: ことを特徴とする請求項8に記載の駐車システム。
【請求項10】
10A: 前記制御機構が、
10B: 利用者から車両を出庫させる要求を受け付ける出庫要求受付機能と、
10C: 利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付ける出庫完了受付機能と、
を実現でき、
10D: 車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付機能と前記扉開機能と前記出庫完了受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現し、
10E: 車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付機能と前記扉開機能と前記出庫完了受付機能とを順に実現して利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付けると、機械センサにより車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認しようとし、機械センサが車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認できないとき、利用者に注意を促し、前記出庫完了受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する、
10F: ことを特徴とする請求項9に記載の駐車システム。
【請求項11】
11A: 車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付機能と前記扉開機能と前記出庫完了受付機能と前記安全確認受付機能とを実現して利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付たとき機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき、扉閉要求を受付け、扉閉要求を受け付けたとき機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する、
11B: ことを特徴とする請求項10に記載の駐車システム。
【請求項12】
12A: 複数の操作者に各々に対応する複数の車両を各々に駐車させる駐車システムであって、
12B: 車両を駐車空間と入出庫扉を設けられる入出庫空間との間で移動できる駐車機構と、
12C: 前記駐車機構を制御する制御機構と、
を備え、
12D: 前記制御機構が、
12E: 利用者から車両を入庫させる要求を受け付ける入庫要求受付機能と、
12F: 車両を入庫または出庫させるために利用者が乗る車両を載せる車両支持構造を入出庫空間に位置させる車両支持構造呼び出し機能と、
12G: 前記入出庫扉の状態を閉状態から開状態に変化させる扉開機能と、
12H: 入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導機能と、
12I: 利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示して、車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける入庫確認受付機能と、
12J: 利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付ける安全確認受付機能と、
12K: 入出庫扉の状態を開状態から閉状態に変化させる扉閉機能と、
を実現でき、
12L: 車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現し、
12M: 実現中の機能が前記入庫要求受付機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能のうちのどの機能にあるかを実現中の機能に対応するランプを点灯する方法で示す表示である機能表示をし、
12N: 車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能とを順に実現して利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付たとき機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき、扉閉要求を受付け、扉閉要求を受け付けたとき機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して、前記機能表示を実現中の機能が前記入庫誘導機能であることを示す表示にした後で前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する、
12O: ことを特徴とする駐車システム。
【請求項13】
13A: 複数の操作者に各々に対応する複数の車両を各々に駐車させる駐車システムであって、
13B: 車両を駐車空間と入出庫扉を設けられる入出庫空間との間で移動できる駐車機構と、
13C: 前記駐車機構を制御する制御機構と、
を備え、
13D: 前記制御機構が、
13E: 利用者から車両を入庫させる要求を受け付ける入庫要求受付機能と、
13F: 利用者から車両を出庫させる要求を受け付ける出庫要求受付機能と、
13G: 車両を入庫または出庫させるために利用者が乗る車両を載せる車両支持構造を入出庫空間に位置させる車両支持構造呼び出し機能と、
13H: 前記入出庫扉の状態を閉状態から開状態に変化させる扉開機能と、
13I: 利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示して、車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける入庫確認受付機能と、
13J: 利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付ける出庫完了受付機能と、
13K: 利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付ける安全確認受付機能と、
13L: 入出庫扉の状態を開状態から閉状態に変化させる扉閉機能と、
を実現でき、
13M: 車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現し、
13N: 車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付機能と前記扉開機能と前記出庫完了受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現し、
13O: 車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付機能と前記扉開機能と前記出庫完了受付機能とを順に実現して利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付けると、機械センサにより車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認しようとし、機械センサが車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認できないとき、利用者に注意を促し、前記出庫完了受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する、
13P: ことを特徴とする駐車システム。
【請求項14】
14A: 複数の操作者に各々に対応する複数の車両を各々に駐車させる駐車システムであって、
14B: 車両を駐車空間と入出庫扉を設けられる入出庫空間との間で移動できる駐車機構と、
14C: 前記駐車機構を制御する制御機構と、
を備え、
14D: 前記制御機構が、
14E: 利用者から車両を入庫させる要求を受け付ける入庫要求受付機能と、
14F: 利用者から車両を出庫させる要求を受け付ける出庫要求受付機能と、
14G: 車両を入庫または出庫させるために利用者が乗る車両を載せる車両支持構造を入出庫空間に位置させる車両支持構造呼び出し機能と、
14H: 前記入出庫扉の状態を閉状態から開状態に変化させる扉開機能と、
14I: 利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示して、車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける入庫確認受付機能と、
14J: 利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付ける出庫完了受付機能と、
14K: 利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付ける安全確認受付機能と、
14L: 入出庫扉の状態を開状態から閉状態に変化させる扉閉機能と、
を実現でき、
14M: 車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現し、
14N: 車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付機能と前記扉開機能と前記出庫完了受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現し、
14O: 車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付機能と前記扉開機能と前記出庫完了受付機能と前記安全確認受付機能とを順に実現して利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付たとき機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき、扉閉要求を受付け、扉閉要求を受け付けたとき機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する、
14P: ことを特徴とする駐車システム。」
第4 証拠方法、特許異議申立理由の概要、及び先の取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由の概要
1 証拠一覧
申立人が提示する証拠は、以下のとおりである。なお、以下では甲第1号証、甲第2号証等を、それぞれ「甲1」、「甲2」等という。
(1)申立書に添付して提出された証拠
甲1: 特開2015-108227号公報
(平成27年6月11日公開)
甲2: 特開2002-174048号公報
(平成14年6月21日公開)
甲3: 特開2010-138542号公報
(平成22年6月24日公開)
(2)令和5年11月6日付け意見書に添付して提出された証拠
甲4: 特開平9-209591号公報
(平成9年8月12日公開)
甲5: 特開平7-54518号公報
(平成7年2月28日公開)
甲6: 特開平8-114044号公報
(平成8年5月7日公開)
甲7: 特開2016-3493号公報
(平成28年1月12日公開)
(3)令和6年8月5日付け意見書に添付して提出された証拠
甲8: 再公表特許WO2014/41843号
(平成28年8月18日発行)
甲9: 特開2009-191546号公報
(平成21年8月27日公開)
甲10: 特開2009-191558号公報
(平成21年8月27日公開)
甲11: 特開2016-61010号公報
(平成26年4月25日公開)
2 特許異議申立理由の概要
申立人が申立書において主張する特許異議申立理由の概要は、次のとおりである。
(1)甲1を主たる証拠とした進歩性欠如
本件特許の請求項1、請求項8に係る発明は、甲1に記載された発明及び甲2に記載された技術事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものである。
本件特許の請求項2~7及び請求項9~14に係る発明は、甲1に記載された発明、甲2に記載された技術事項及び甲3に記載された技術事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、これらの発明に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであって、同法113条2号に該当し、取り消されるべきである。
(2)明確性要件違反
本件特許の請求項1~4及び請求項8~11に係る発明は、明確でない。
したがって、これらの発明に係る特許は、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであって、同法113条4号に該当し、取り消されるべきである。
3 先の取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由の概要
・甲1を主たる証拠とした進歩性欠如
令和5年5月19日付け訂正請求書により訂正された本件特許の請求項1、2、5、8、9及び12に係る発明は、甲1に記載された発明、甲2に記載された技術事項及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、これらの発明に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであって、同法113条2号に該当し、取り消されるべきである。
第5 当審の判断
上記第2のとおり、本件訂正は認められたので、本件訂正後の本件発明1~14について、取り消されるべきものか否かを、以下に判断する。
1 各証拠について
(1)甲1
ア 甲1の記載
甲1には、以下の記載がある。(下線は当審で付した。以下同様。)
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式駐車設備の入出庫サポートシステムに関する。」
(イ)「【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態における機械式駐車設備の入出庫サポートシステムに用いられる機械式駐車設備の一例であるエレベータ式駐車設備の内部を示す全体概略正面図である。
【図2】図1に示す機械式駐車設備と携帯端末の一例とを示すブロック図である。
【図3】図1に示す機械式駐車設備の利用方法の一例を示すフローチャートである。
【図4】(a)~(f)は、図1に示す機械式駐車設備の入庫時における利用方法の順序の一例を示す概念図である。
【図5】(a)~(f)は、図1に示す機械式駐車設備の入庫時における利用方法の順序の一例を示す概念図である。」
(ウ)「【0027】
(実施形態)
本発明の実施形態における機械式駐車設備の入出庫サポートシステムは、機械式駐車設備と携帯端末とを備えている。本実施形態では、機械式駐車設備として、下部90°乗入れ方式のエレベータ式駐車設備を例に説明する。図1は、本実施形態における機械式駐車設備の一例であるエレベータ式駐車設備の内部を示す全体概略正面図である。以下の図1の説明において、前後左右方向の概念は、図1に示す機械式駐車設備に向かった状態における前後左右方向の概念と一致するものとする。
【0028】
図1に示すように、この機械式駐車設備1は、4隅の鉛直方向に設けられた主柱3と、この主柱3を水平方向に連結する梁(図示略)等とによって鉄骨構造体が形成され、この鉄骨構造体の外面に外装板5が設けられて駐車塔2が形成されている。この駐車塔2は、地上1階が入出庫部6となっており、入出庫部6の乗入れ床7にはピット8が形成されている。また、入出庫部6の左方向には入出庫口9が設けられ、この入出庫口9には、開閉式の扉10が設けられている。また、入出庫口9の外部側方には、この機械式駐車設備1の入庫運転及び出庫運転等の操作を行うための公知の運転操作盤11が配設されている。
【0029】
この機械式駐車設備1では、駐車塔2の中央部鉛直方向に平面視が矩形状の昇降路12が設けられている。昇降路12は、平面視で駐車塔2の前後方向が長寸で、左右方向が短寸の矩形状となっている。また、この昇降路12を挟んで図の左右両側に、パレット27を格納するための複数段の格納部13が鉛直方向に並んで設けられている。各格納部13には、図示する左右方向に延びる棚レール14が設けられている。棚レール14は、主柱3と、この主柱3と平行に鉛直方向に設けられた棚柱15とに固定されている。この棚レール14に沿って、パレット27が左右方向に払出し/引込みされる。
【0030】
また、昇降路12には、パレット27を載せる搬器16が配設されている。搬器16には、パレット移載機構17が設けられており、このパレット移載機構17によってパレット27を搬器16と各格納部13の棚レール14との間で払出し/引込みがなされる。さらに、ピット8内には、搬器16を持上げて旋回させるパレット持上旋回装置18が備えられており、このパレット持上旋回装置18より、搬器16及びその上のパレット27が入出庫部6で90°旋回させられる。これらのパレット移載機構17及びパレット持上旋回装置18は、公知の手段が採用される。
・・・
【0032】
そして、この機械式駐車設備1では、入出庫口9の近傍に入出庫制御装置30が設けられている。この入出庫制御装置30は、駐車塔2の外部に設けられていてもよい。」
(エ)「【0045】
ここで説明する機械式駐車設備1の利用者は、前述のように携帯端末40に駐車利用アプリをインストールしており、利用者が携帯する携帯端末40は、駐車利用アプリを実行することにより、機械式駐車設備1の入出庫制御装置30と、それぞれの近距離無線通信部46,30を通じて双方向の無線通信を行うことができる。
【0046】
また、入出庫制御装置30の制御部31では、パレット情報テーブルT1を記憶部33に記憶している。パレット情報テーブルT1には、全ての各パレット27について、パレット27の識別番号(パレットの識別情報)と、そのパレット27が現在格納されている格納部13の識別番号と、そのパレット27の載置車両情報とが対応付けられたパレット情報が登録(記憶)されている。なお、各パレット27には予め識別番号が付与され、各格納部13にも予め識別番号が付与されている。載置車両情報は、格納部13に格納されているパレット27に現在載置されている車両の運転手のIDコード(すなわち利用者のIDコード)であり、そのパレット27に現在車両が載置されていない場合には載置車両情報としては何も記憶されていない(あるいは空であることを示す情報が記憶されていてもよい)。なお、各パレット27が必ず同じ格納部13に格納される場合には、パレット27の識別番号と格納部13の識別番号とのうちのいずれか一方を(あるいは両方を同じ識別番号として)、載置車両情報と対応づけて、パレット情報テーブルT1を作成してもよい。なお、運転操作盤11の操作によって入庫運転がなされる場合には、載置車両情報として、例えば車両のナンバーを記憶するようにしてもよい。以下では、携帯端末40を利用した場合の入庫及び出庫方法について説明する。」
(オ)「【0047】
まず、入庫する場合について説明する。車両60に乗った利用者が機械式駐車設備1に近づいて停車し、携帯端末40を操作して駐車利用アプリを起動すると、携帯端末40の近距離無線通信部40は入出庫制御装置30の近距離無線通信部34との間で接続を確立して通信を行う。そして、携帯端末40から入出庫制御装置30へ利用者のIDコードが送信される(ステップS1、図4(a)参照)。ステップS1~S6,S11~S14は駐車利用アプリを実行することによってなされる処理である。
【0048】
入出庫制御装置30の制御部31では、送信された利用者のIDコードを近距離無線通信部34を介して取得し(ステップS21)、そのIDコードに対応する車両が入庫済みであるか否かをパレット情報テーブルT1に基づいて判断する(ステップS22)。該当するIDコードがパレット情報テーブルT1の載置車両情報に存在すれば、入庫済み(現在入庫されている)と判断し、同IDコードが存在しなければ入庫済みではない(現在入庫されていない)と判断する。入庫済みの場合には、後述のステップS31の処理へ進む。
【0049】
入庫済みではない場合、さらにステップS23で入庫可能か否かを判断する。例えば、パレット情報テーブルT1に基づいて空パレット(車両が載置されていないパレット)があるか否かを判断し、空パレットがある場合には入庫可能と判断し、空パレットがない場合には入庫不可と判断する。
・・・
【0052】
また、制御部31は、ステップS23で入庫可能と判断した場合には、入庫するか否かを問い合わせる入庫問合せ情報を携帯端末40へ送信する(ステップS25)。
【0053】
そして、携帯端末40は入庫問合せ情報を受信すると、その情報を出力する(ステップS3)。ここで、携帯端末40は、例えば、そのスピーカ43から「ただいま入庫できます。車を入庫されますか?」と音声出力させるとともに、その画面48Sに「はい」「いいえ」を表示させる(図4(b)参照)。
【0054】
利用者が、携帯端末40の画面48Sに表示された「はい」をタッチすると、携帯端末40は、その情報(入庫する旨の情報=入庫要求)を入出庫制御装置30へ送信する(ステップS4、図4(c)参照)。
【0055】
そして、入出庫制御装置30(制御部31)は入庫する旨の情報(入庫要求)を受信すると、プログラマブルコントローラ26に対して、所定の空パレット(空パレットが複数ある場合には、そのうちの、例えば、入出庫部6に最も近い1つの空パレット)を入出庫部6へ呼び出す指令を出力する(ステップS26)。そしてさらに、入庫案内情報を携帯端末40へ送信する(ステップS27)。
・・・
【0063】
そして、携帯端末40はパレット到着情報を受信すると、その情報を出力する(ステップS6)。ここで、携帯端末40は、例えば、そのスピーカ43から「パレットが到着しました。お車を入庫させてください。」と音声出力させるとともに、画面48Sに「パレット到着」と表示させる(図5(b)参照)。なお、プログラマブルコントローラ26は、空パレットが入出庫部6に到着すると、入出庫口9の扉10を開ける。
【0064】
この後の処理は図3では省略して示していないが、携帯端末40と入出庫制御装置30との通信は継続している。
【0065】
そして、利用者は、車両60を前進させて入出庫部6のパレット27上へ載置する。ここで、入出庫部6には、入庫する車両のパレット27上での位置を検出するための各種センサ(図示せず)が設けられ、これら各種センサの出力は制御部31へ入力されている。例えば、入庫する車両のパレット27上での前後方向の位置を検出するための車両位置検出手段として、車両の前方位置を制限する境界線L1上での車両の有無を検出する第1のセンサ(例えば光センサ)と、車両の後方位置を制限する境界線L2上での車両の有無を検出する第2のセンサ(例えば光センサ)とが設けられ、これら第1及び第2のセンサの出力は制御部31へ入力されている。境界線L1,L2は、図5(c)~図5(e)に示されている。
【0066】
前述のように、利用者が車両60を前進させて入出庫部6のパレット27上へ進行させる際に、図5(c)のように車両60が境界線L2上にあることが第2のセンサで検出されると、制御部31は、車両の前進を促す旨の情報を携帯端末40へ送信し、その情報を受信した携帯端末40では、例えば、そのスピーカ43から「前進してください。」と音声出力させる。そして、図5(d)のように車両60が境界線L2を通過し、かつ境界線L1に達していないとき(すなわち車両が境界線L1と境界線L2との間に入ったとき)には、制御部31は、車両の停止を促す旨の情報を携帯端末40へ送信し、その情報を受信した携帯端末40では、例えば、そのスピーカ43から「停止してください。停車位置です。」と音声出力させる。
【0067】
一方、図5(e)のように車両60が境界線L1上にあることが第1のセンサで検出されると、制御部31は、車両の後進を促す旨の情報を携帯端末40へ送信し、その情報を受信した携帯端末40では、例えば、そのスピーカ43から「バックしてください。」と音声出力させる。そして、図5(d)のように、車両60が境界線L1と境界線L2との間に入ったときに、前述のように制御部31は、車両の停止を促す旨の情報を携帯端末40へ送信し、その情報を受信した携帯端末40では、例えば、そのスピーカ43から「停止してください。停車位置です。」と音声出力させる。
【0068】
さらに、制御部31は、例えば、車両60が境界線L1と境界線L2との間に入った状態が所定の時間(例えば10秒程度)継続した場合には、車両60が適切な停車位置で停車したと判断し、降車時の注意情報を携帯端末40へ送信し、その情報を携帯端末40は受信して出力する。ここで、携帯端末40は、図5(f)に示すように、その画面48Sに、降車時の注意情報に含まれる注意事項W4を文字で表示するとともに、注意事項W4に対応する画像P4を表示する。図5(f)では、注意事項W4として、例えば、「パーキングブレーキを掛け、ドアミラーをたたんでください。アンテナを下げ、ドアを確実に閉めてください。」と表示され、画像P4として、パーキングブレーキ及びドアミラー等を強調した画像が表示される。なお、上記の注意事項W4の内容を携帯端末40のスピーカ43から音声出力させるようにしてもよい。
【0069】
以上で入出庫制御装置30は携帯端末40との通信を終了する。
【0070】
利用者は、降車した後、入出庫口9の外部側方に設けられた運転操作盤11を操作して機械式駐車設備1の入庫動作を終了させる。具体的には、利用者は、周囲の安全を確認して運転操作盤11の安全確認ボタン(図示せず)を押してから、扉閉及び終了ボタン(図示せず)を押す。運転操作盤11の扉閉及び終了ボタンが押されると、プログラマブルコントローラ26は、パレット駆動手段25を制御して、入出庫口9の扉10を閉じるとともに、車両が載置されたパレット27を格納部13へ格納させ、格納完了の旨及び格納部13の識別番号を制御部31へ与える。この格納完了の旨及び格納部13の識別番号を取得すると、制御部31では、入庫車両について、パレット27の識別番号と、格納部13の識別番号と、そのパレット27の載置車両情報(利用者のIDコード)とを対応付けて、パレット情報テーブルT1に登録(記憶)する。以上で、機械式駐車設備1の入庫動作が完了する。」
(カ)「【0076】
次に、出庫する場合について説明する。利用者が機械式駐車設備1に近づいて、携帯端末40を操作して駐車利用アプリを起動すると、携帯端末40の近距離無線通信部40は入出庫制御装置30の近距離無線通信部34との間で接続を確立して通信を行う。そして、携帯端末40から入出庫制御装置30へ利用者のIDコードが送信される(ステップS1)。
【0077】
制御部31では、近距離無線通信部34で受信された利用者のIDコードを取得し(ステップS21)、そのIDコードに対応する車両が入庫済みであるか否かをパレット情報テーブルT1に基づいて判断する(ステップS22)。該当するIDコードがパレット情報テーブルT1の載置車両情報に存在すれば、入庫済み(現在入庫されている)と判断し、ステップS31の処理へ進む。
【0078】
ステップS31では、制御部31は、出庫するか否かを問い合わせる出庫問合せ情報を携帯端末40へ送信する。
【0079】
そして、携帯端末40は出庫問合せ情報を受信すると、その情報を出力する(ステップS11)。ここで、携帯端末40は、例えば、そのスピーカ43から「車を出庫されますか?」と音声出力させるとともに、画面48Sに「はい」「いいえ」を表示させる。
【0080】
利用者が、携帯端末40の画面48Sに表示された「はい」をタッチすると、携帯端末40は、その情報(出庫する旨の情報=出庫要求)を入出庫制御装置30へ送信する(ステップS12)。
【0081】
そして、入出庫制御装置30(制御部31)は出庫する旨の情報(出庫要求)を受信すると、パレット情報テーブルT1を参照して、プログラマブルコントローラ26に対して、ステップS21で取得したIDコードに対応するパレット27を入出庫部6へ呼び出す指令を出力する(ステップS32)。そしてさらに、出庫案内情報を携帯端末40へ送信する(ステップS33)。
・・・
【0086】
そして、携帯端末40はパレット到着情報を受信すると、その情報を出力する(ステップS14)。ここで、携帯端末40は、例えば、そのスピーカ43から「パレットが到着しました。お車を出庫させてください。」と音声出力させるとともに、画面48Sに「パレット到着」と表示させる。なお、プログラマブルコントローラ26は、パレット27が入出庫部6に到着すると、入出庫口9の扉10を開ける。
【0087】
以上で入出庫制御装置30は携帯端末40との通信を終了する。
【0088】
そして、利用者は、前述の出庫案内情報にしたがって、車両に乗車して、外に出て一旦停車し、降車して運転操作盤11を操作し機械式駐車設備1の出庫動作を終了させる。具体的には、利用者は、降車後に周囲の安全を確認して運転操作盤11の安全確認ボタン(図示せず)を押してから、扉閉及び終了ボタン(図示せず)を押す。運転操作盤11の扉閉及び終了ボタンが押されると、プログラマブルコントローラ26は、パレット駆動手段25を制御して、入出庫口9の扉10を閉じるとともに、空のパレット27を格納部13へ格納させ、格納完了の旨及び格納部13の識別番号を制御部31へ与える。この格納完了の旨及び格納部13の識別番号を取得すると、制御部31では、そのパレット27に関するパレット情報をパレット情報テーブルT1から削除し、新たにそのパレット27の識別番号と格納部13の識別番号と載置車両情報とが対応付けられたパレット情報を、パレット情報テーブルT1に記憶する。ここで新たに記憶するパレット情報の載置車両情報としては、前述のように、何も記憶されない(あるいは空であることを示す情報が記憶される)。以上で、機械式駐車設備1の出庫動作が完了する。」
イ 甲1発明
上記アの記載を総合すると、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認める。
なお、各構成に分説を付した。
甲1A: 械式駐車設備1と携帯端末40とを備えた入出庫サポートシステムを用いた、駐車塔2が形成されている機械式駐車設備1の利用方法であって、
甲1B: 駐車塔2は、地上1階が入出庫部6となっており、入出庫部6の乗入れ床7にはピット8が形成され、入出庫部6には入出庫口9が設けられ、この入出庫口9には、開閉式の扉10が設けられ、入出庫口9の外部側方には、この機械式駐車設備1の入庫運転及び出庫運転等の操作を行うための運転操作盤11が配設されており、
甲1C: 駐車塔2の中央部鉛直方向に昇降路12が設けられ、この昇降路12を挟んで両側に、パレット27を格納するための複数段の格納部13が鉛直方向に並んで設けられており、昇降路12には、パレット27を載せる搬器16が配設され、搬器16には、パレット移載機構17が設けられ、パレット移載機構17によってパレット27を搬器16と各格納部13の棚レール14との間で払出し/引込みがなされており、ピット8内には、搬器16を持上げて旋回させるパレット持上旋回装置18が備えられ、このパレット持上旋回装置18により、搬器16及びその上のパレット27が入出庫部6で90°旋回させられており、
甲1E: 機械式駐車設備1では、入出庫口9の近傍に入出庫制御装置30が設けられており、
甲1F: 利用者が携帯する携帯端末40は、機械式駐車設備1の入出庫制御装置30と、双方向の無線通信を行い、
甲1G: 入出庫制御装置30の制御部31では、パレット情報テーブルT1を記憶部33に記憶し、パレット情報テーブルT1には、全ての各パレット27について、パレット27の識別番号(パレットの識別情報)と、そのパレット27が現在格納されている格納部13の識別番号と、そのパレット27の載置車両情報とが対応付けられたパレット情報が登録(記憶)されており、
甲1I: 入庫する場合、
甲1Ia: 車両60に乗った利用者が機械式駐車設備1に近づいて停車し、携帯端末40を操作して駐車利用アプリを起動すると、携帯端末40の近距離無線通信部40は入出庫制御装置30の近距離無線通信部34との間で接続を確立して通信を行って、携帯端末40から入出庫制御装置30へ利用者のIDコードが送信され、入出庫制御装置30の制御部31では、送信された利用者のIDコードを近距離無線通信部34を介して取得し、そのIDコードに対応する車両が入庫済みであるか否かをパレット情報テーブルT1に基づいて判断し、該当するIDコードがパレット情報テーブルT1の載置車両情報に存在すれば、入庫済みと判断し、同IDコードが存在しなければ入庫済みではないと判断し、
甲1Ib: 入庫済みではない場合、さらに入庫可能か否かを判断し、入庫可能と判断した場合には、入庫するか否かを問い合わせる入庫問合せ情報を携帯端末40へ送信し、
甲1Ic: 携帯端末40は入庫問合せ情報を受信すると、そのスピーカ43から「ただいま入庫できます。車を入庫されますか?」と音声出力させるとともに、その画面48Sに「はい」「いいえ」を表示させ、利用者が、携帯端末40の画面48Sに表示された「はい」をタッチすると、携帯端末40は、その情報(入庫する旨の情報=入庫要求)を入出庫制御装置30へ送信し、
甲1Id: 入出庫制御装置30(制御部31)は入庫する旨の情報(入庫要求)を受信すると、所定の空パレットを入出庫部6へ呼び出す指令を出力し、
甲1Ie: 空パレットが入出庫部6に到着すると、入出庫口9の扉10を開け、
甲1If: 利用者は、車両60を前進させて入出庫部6のパレット27上へ載置し、
甲1Ig: 利用者が車両60を前進させて入出庫部6のパレット27上へ進行させる際に、制御部31は、車両の前進を促す旨の情報、車両の停止を促す旨の情報、車両の後進を促す旨の情報を携帯端末40へ送信し、音声出力させ、
甲1Ih: 制御部31が、車両60が適切な停車位置で停車したと判断すると、降車時の注意情報を携帯端末40へ送信し、その情報を携帯端末40は受信し、携帯端末40は、その画面48Sに、降車時の注意情報に含まれる注意事項W4を文字で、「パーキングブレーキを掛け、ドアミラーをたたんでください。アンテナを下げ、ドアを確実に閉めてください。」と表示し、注意事項W4に対応する画像P4として、パーキングブレーキ及びドアミラー等を強調した画像を表示し、
甲1Ii: 以上で入出庫制御装置30は携帯端末40との通信を終了し、
甲1Ij: 利用者は、降車した後、周囲の安全を確認して運転操作盤11の安全確認ボタンを押してから、
甲1Ik: 扉閉及び終了ボタンを押し、
甲1Il: 運転操作盤11の扉閉及び終了ボタンが押されると、
甲1Im: 入出庫口9の扉10を閉じるとともに、
甲1In: 車両が載置されたパレット27を格納部13へ格納させ、
甲1Io: 格納完了の旨及び格納部13の識別番号を制御部31へ与え、この格納完了の旨及び格納部13の識別番号を取得すると、制御部31では、入庫車両について、パレット27の識別番号と、格納部13の識別番号と、そのパレット27の載置車両情報(利用者のIDコード)とを対応付けて、パレット情報テーブルT1に登録(記憶)することで、機械式駐車設備1の入庫動作が完了し、
甲1J: 出庫する場合、
甲1Ja: 利用者が機械式駐車設備1に近づいて、携帯端末40を操作して駐車利用アプリを起動すると、携帯端末40の近距離無線通信部40は入出庫制御装置30の近距離無線通信部34との間で接続を確立して通信を行い、携帯端末40から入出庫制御装置30へ利用者のIDコードが送信され、制御部31では、近距離無線通信部34で受信された利用者のIDコードを取得し、そのIDコードに対応する車両が入庫済みであるか否かをパレット情報テーブルT1に基づいて判断し、該当するIDコードがパレット情報テーブルT1の載置車両情報に存在すれば、入庫済み(現在入庫されている)と判断し、
甲1Jb: 制御部31は、出庫するか否かを問い合わせる出庫問合せ情報を携帯端末40へ送信し、
甲1Jc: 携帯端末40は出庫問合せ情報を受信すると、そのスピーカ43から「車を出庫されますか?」と音声出力されるとともに、画面48Sに「はい」「いいえ」を表示させ、利用者が、携帯端末40の画面48Sに表示された「はい」をタッチすると、携帯端末40は、その情報(出庫する旨の情報=出庫要求)を入出庫制御装置30へ送信し、
甲1Jd: 入出庫制御装置30(制御部31)は出庫する旨の情報(出庫要求)を受信すると、パレット情報テーブルT1を参照して、取得したIDコードに対応するパレット27を入出庫部6へ呼び出す指令を出力し、
甲1Je: パレット27が入出庫部6に到着すると、入出庫口9の扉10を開け、
甲1Jf: 以上で入出庫制御装置30は携帯端末40との通信を終了し、
甲1Jg: 利用者は、車両に乗車して、外に出て一旦停車し、降車後に周囲の安全を確認して運転操作盤11の安全確認ボタンを押してから、
甲1Jh: 扉閉及び終了ボタンを押し、
甲1Ji: 運転操作盤11の扉閉及び終了ボタンが押されると、
甲1Jj: 入出庫口9の扉10を閉じるとともに、
甲1Jk: 空のパレット27を格納部13へ格納させ、
甲1Jl: 格納完了の旨及び格納部13の識別番号を制御部31へ与え、この格納完了の旨及び格納部13の識別番号を取得すると、制御部31では、そのパレット27に関するパレット情報をパレット情報テーブルT1から削除し、新たにそのパレット27の識別番号と格納部13の識別番号と載置車両情報とが対応付けられたパレット情報を、パレット情報テーブルT1に記憶して、機械式駐車設備1の出庫動作が完了する、
甲1K: 機械式駐車設備1の利用方法。」
また、「入出庫サポートシステム」に着目すると、甲1には、次の発明(以下「甲1システム発明」という。)が記載されているものと認める。
「甲1L: 械式駐車設備1と携帯端末40とを備えた入出庫サポートシステムであって、
甲1M: 利用者が携帯する携帯端末40と、機械式駐車設備1の入出庫制御装置30とが、双方向の無線通信を行い、
甲1N: 甲1発明に係る機械式駐車設備1の利用方法が実施される、
甲1O: 入出庫サポートシステム。」
(2)甲2
甲2には、以下の記載がある。
ア 「【請求項1】 機械式駐車装置の入庫バース(16)から離れた安全な領域に対話式操作盤(30)を備え、該対話式操作盤への利用者の近接を検出して音声案内と対話式画面の表示を開始し、利用者の対話式操作盤の直接操作により利用者自身が安全を確認した後、駐車券を発行する、ことを特徴とする機械式駐車装置の対話式操作方法。」
イ 「【0023】図2において、入出庫フロアの出庫側(図で一般通路25の右側)には、出庫バース2b、出庫ゲート8がこの順で配置されている。また、一般通路25と出庫バース2bは、出庫バース自動扉7で連通している。駐車場のユーザ(この場合、不特定人)が、駐車場に戻り、駐車料金の清算を済ませた駐車券を出庫受付盤6に挿入すると、このユーザの車両1が出庫バース2bまで自動で出庫された後、出庫バース自動扉7が解除され、同時に出庫ゲート8を開く。ユーザは出庫バース自動扉7を通って出庫バース2bに入り、車両1に乗車して、出庫ゲート8から出庫通路に出る。その後、出庫ゲート8が閉じて、出庫が完了する。」
ウ 「【0024】図3は、本発明の対話式操作盤30の構成図である。図3(A)に示すように、対話式操作盤30には、利用者の近接を検出する対人センサー32と、音声案内をするスピーカ34と、駐車券を発行する駐車券発券器36と、タッチパネルを備えた対話式画面38とが取付けられている。対話式画面38は、図3(B)に示すように、画像と文字を表示する画面(CRT又は液晶画面)であり、タッチパネルを指で触れることにより、種々の選択(入力)が容易にできるようになっている。
【0025】この構成により、対人センサー32により利用者の接近を検出して音声案内と画面表示を開始し、対話式画面38のタッチパネルにより、利用者自身が安全を確認しながら機械式駐車装置を対話式に操作し、駐車券発券器36により駐車券を発行することができる。なお、本発明では、駐車券を発行するが、その代わりに指紋や声紋、クレジットカード、その他のものを用いてもよい。
【0026】図4は、本発明の機械式駐車装置の対話式操作方法のフロー図である。また、図5と図6は、本発明の対話式画面の具体例である。以下、図4~図6により、本発明の対話式操作方法を詳述する。
【0027】対人センサー32により利用者の近接を検出するとこの制御フローがスタートする。まず、ステップS1で操作案内を画面Aの表示及び音声案内(「いらっしゃいませ。画面の案内に従い、発券操作をして下さい。」)で行う。次いで、ステップS2でバース内の人の有無を自動検知し、人が居る場合には待機案内(ステップS3)を画面Bの表示及び音声案内(「しばらくお待ち下さい。」)で行う。自動検知により、バース内に人がいない状態になった後、ステップS4で忘れ物の有無を画像C1の表示及び音声案内(「車の中や車の周りに忘れ物はありませんか?」)で行い、「ありません」又は「あります」のタッチパネルでの選択を促す。
【0028】ステップS4で「あります」が選択されると、ステップ5で画面C2の表示及び音声案内(「忘れ物を取り出して下さい。」を行い、ステップS4に戻る。ステップS4で「ありません」が選択されると、ステップS6に移り、無人か否かを画面D1の表示及び音声案内(「車の中や車の周りに人がいませんか?」)を行い、「居ません」又は「居ます」のタッチパネルでの選択を促す。
【0029】ステップS6で「居ます」が選択されると、ステップ7で画面D2の表示及び音声案内(「退室を確認後、居ませんボタンを押して下さい。」)を行い、ステップS6に戻る。 ステップS6で「居ません」が選択されると、S8に移り、待機案内を画面Bの表示及び音声案内(「しばらくお待ち下さい。」)で行い、入口の自動扉18をロックし同時に出口の自動扉24を解除する。従って、入口の自動扉18をロックする際には、利用者は、忘れ物とバース内の無人を確認していることになる。
【0030】次いで、ステップS9で発券案内を画面E1の表示及び音声案内(「駐車券発券ボタンを押して下さい。」)で行い、最後にステップ10で終了案内を画面Fの表示及び音声案内(「駐車券をお取り下さい。ロビーに退出して下さい。」)を行う。利用者が発券室20から退出し、出口の自動扉24が再ロックされて、一連の入庫操作が完了する。
【0031】更に、この対話式操作方法では、上記各ステップの操作中にもバース内の人の有無を自動検知し、人を検知した場合には、画面Gの表示と音声案内(「車の周りに人がいます。操作を最初からやり直して下さい。」)を行い、ステップS2に戻る。また、操作中に機械装置に異常が発生した場合には、画面E2の表示と音声案内(「係員が来ますので、そのままお待ち下さい。」)を行い、係員の処理を待つように促すようになっている。」
(3)甲3
甲3には、以下の記載がある。
「【0030】
そして、本駐車装置1には、乗入れ部17を出入りする車両を監視するため、車両の乗入れ状態を検知するための6つの検知装置45~50が設けられている。
【0031】
図2に示すように、第1検知装置45は、入出庫口17の左側縁に取り付けられて入出庫口17の幅方向に検査光を投光する投光素子51と、入出庫口17の右側縁に取り付けられて投光素子51と幅方向に対向する受光素子52とを備え、受光素子52は投光素子51からの検査光を受光可能となっている。図3に示すように、投光素子51(及び受光素子)は入出庫口17の下部に取り付けられ、どのような種類の車両であってもその車両が入出庫口17を通過するときには検査光が車体で遮られて受光素子まで到達しないようになっている。このように第1検知装置45は、受光素子52が検査光を受光しているか否かに基づき、車両が入出庫口17を通過している途中であるか否かを検知可能な構成となっている。」
(4)甲4
甲4には、以下の記載がある。
ア 「【0057】パレット呼出の進行に伴って、S10からS12に進行し、次の段階の動作情報画面が表示される。この動作情報画面では、例えば、中段の横行パレットの退避中である旨のメッセージが表示されると共に、保守スイッチ26(タッチスイッチ)が表示される。この時、万一、立体駐車設備内に人が侵入する等の事態により、安全光線が遮断されると、S13のように安全光線遮断のメッセージが表示され、操作者に安全確認が促されるとともに、確認スイッチ27(タッチスイッチ)が表示される。安全確認後、確認スイッチ27がタッチされると、S6のID番号入力画面に復帰する。」
イ 「【0061】昇降ゲート4の閉鎖中に万一の事故の発生等により、非常停止スイッチ13aがオン動作されると、前記S11と同様に本立体駐車設備の非常停止が行われるとともに、S21で非常停止のメッセージが表示され、且つ、ブザーによる警報音が発生される。また、S20で安全光線が遮断されると、S23に進んで、S13と同様に安全光線遮断のメッセージが表示され、同時に確認スイッチ34(タッチスイッチ)が表示される。安全確認後、安全スイッチ34がタッチされると、前記S6のID番号入力画面に復帰する。」
(5)甲5
甲5には、以下の記載がある。
「【0020】図11~図13に示すように、表示画面18Cには、立体駐車場の利用者に対する管理装置Fからの指示情報18a、その指示情報に基づいて利用者が管理装置Fに対して応答するためのタッチスイッチ18b、及び管理装置Fから立体駐車場の利用者や管理者に対して立体駐車場の異常を報知する異常情報18c、などが表示されるようになっている。表示画面18Cに表示されるタッチスイッチ18bとしては、外部連通部B内に設置された各種センサ(図示せず)により安全の確認を行うための安全確認スイッチや、車両Zの搬送収納の開始を指示する開始スイッチなどがある。」
(6)甲6
甲6には、以下の記載がある。
ア 「【0017】前記安全確認メッセージ表示部20に対応するディスプレイ画面16の一側部には安全確認スイッチ表示部21が備えられており、安全確認スイッチ表示部21には、各項目別メッセージ表示部20(n)(n=1、2、3、・・)に対応してそれぞれ個別に安全確認スイッチ部としてのタッチセンサ方式の安全確認スイッチ21(n)(n=1、2、3、・・)が設けられている。」
イ 「【0022】利用者がその項目別メッセージ表示部20(1)のメッセージを確認して安全確認スイッチ21(1)をタッチ操作すれば(ステップS5)、ステップS6に移行してnの数値が1加算され、安全確認事項の項目別メッセージ表示部20(n)(n=1、2、3、・・)の項目数Nと前記nとの大小が比較され(ステップS7)、nの方が小さいかもしくは等しければステップS3に戻って、次の項目別メッセージ表示部20(n)(n=2、3、・・)が表示され(ステップS3)、その項目別メッセージ表示部20(n)(n=2、3、・・)に対応する安全確認スイッチ21(n)(n=2、3、・・)が点滅される(ステップS4)。」
(7)甲7
ア 甲7の記載
甲7には、次の記載及び図示がある。
(ア)「【0040】
機械式駐車場設備1は、複数の車両2を収容可能なエレベータ式のタワー型立体駐車場施設であり、入出庫口3と入出庫扉4とが設けられた駐車塔5を備えている。駐車塔5の地上階は、車両2を入出庫させる乗入室7となっており、その床面には車両2の方向を転換させるターンテーブル8が設置されている。ターンテーブル8は、乗入室7の床面に形成された凹状のピット9内に旋回板10と旋回駆動部11が設けられた構成である。
・・・
【0044】
図2は、乗入室7を示す斜視透視図である。外側から見て、入出庫扉4の左側に非常用出入口20があり、入出庫扉4の上部に青と赤のランプを備えた入庫管制灯21が設けられている。また、例えば入出庫扉4に向かって右側に操作盤22が設けられている。この操作盤22は、この機械式駐車場設備1に入庫する各車両2のユーザー(ドライバー)により操作される。符号23は、機械式駐車場設備1の制御状態を示す三色灯である。」
・・・
【0051】
操作盤22は、ユーザーが認証操作および入出庫扉4の開閉、リフト14の起動といった機械操作を行うためのタッチパネル式の操作画面45と、ICカードやリモコン等の携帯認証媒体から発信されるトランスポンダ信号等を読み込むためのリーダー46と、ユーザーに操作方法を音声で案内するためのスピーカー47と、非常停止ボタン48等が配置されたシンプルな構成である。」
(イ)「【0067】
[入庫操作]
このように構成された機械式駐車場設備1において、車両2を入庫させる操作の流れを説明する。
・・・
【0069】
操作画面45は、前述のように表示部45aと入力部45bとを有しており、図6に示す第1の認証画面においては、表示部45aには表示がなされず、入力部45bにはテンキー81と、暗証番号を入力する案内とが表示される。この案内や、後述する他の案内(指示等)は、全て図4に示すスピーカー47からも音声で伝えられる。この案内に従ってユーザーがテンキー81で自身の暗証番号を入力すると第1の認証が成立し、操作画面45は図7に示す画面に切り替わる。この画面の表示部45aには、認証を終えたユーザーの契約番号や、呼出、入庫、確認、扉閉といった各動作の進行状況が表示される。
・・・
【0085】
パレット18上における車両2にエラー状況が発生していなければ、操作画面45に、図19に示す第2の認証画面が表示され、入力部45bにテンキー81と、暗証番号を入力する案内とが表示されるので、ユーザーは再度、自身の認証番号をテンキー81にて入力する。このように第2の認証が行われる目的は、例えばユーザーが乗入室7内に居る間に次のユーザーが来場し、乗入室7内に前のユーザーが居ることを認識しないで入出庫扉4を閉じてしまうことを確実に防止して安全性を高めるためである。
【0086】
案内に従ってユーザーがテンキー81で自身の暗証番号を入力すると、第2の認証が成立し、操作画面45は図20に示す画面に切り替わる。図20~図23に示すように、操作画面45(入力部45b)には、入出庫扉4を閉じる前に、乗入室7の内部が確実に無人状態であることを再度ユーザーに確認させるための確認画面が表示される(2回目の安全確認操作)。
【0087】
即ち、1回目の安全確認操作(図7~図10参照)と同様に、制御装置40が、乗入室7内に設置された4基の乗入室カメラ35A~35Dによる乗入室7内のリアルタイムな画像情報CIと共に、無人確認ボタンSB2(安全確認ボタン)を操作画面45(入力部45b)に表示させる。乗入室カメラ35A~35Dによる画像には、それぞれ「正面」(図20)、「後面」(図21)、「左側面」(図22)、「右側面」(図23)と表示される。
【0088】
ユーザーは、この画像情報CIを逐一確認し、異常がなければ無人確認ボタンSB2を押す。操作画面45における表示順序は、無人確認ボタンSB2が押される都度、画面が図20→図21→図22→図23の表示に切り替わるようにしてもよいし、図20から図23まで一通りユーザーに見せてから無人確認ボタンSB2を一度押させるようにしてもよい。ポイントは、ユーザーが操作する操作画面45に、乗入室7内のリアルタイムな画像情報CIと無人確認ボタンSB2とを表示し、これをユーザー自身に確認させて無人確認ボタンSB2を押させることにある。なお、この確認作業時にも操作者カメラ49によってユーザーの顔や手元等が記録される。
・・・
【0091】
図24~図27の画像では、入出庫扉4を閉じる前の3回目の安全確認操作が行われる。1回目、2回目の安全確認操作と同様に、乗入室7内に設置された4基の乗入室カメラ35A~35Dによる乗入室7内のリアルタイムな画像情報CIと共に、閉扉ボタンSB3(安全確認ボタン)が操作画面45(入力部45b)に表示される。乗入室カメラ35A~35Dによる画像には、それぞれ「正面」(図24)、「後面」(図25)、「左側面」(図26)、「右側面」(図27)と表示される。
【0092】
ユーザーは、この画像情報CIを逐一確認し、異常がなければ閉扉ボタンSB3を押す。操作画面45における表示順序は、閉扉ボタンSB3が押される都度、画面が図24→図25→図26→図27の表示に切り替わるようにしてもよいし、図24から図27まで一通りユーザーに見せてから閉扉ボタンSB3を一度押させるようにしてもよい。この確認作業時には操作者カメラ49によってユーザーの顔や手元等が記録される。
・・・
【0094】
乗入室7の内部に車両2以外の物や人等が確実に無く、安全であることがユーザーによる閉扉ボタンSB3の押圧によって確定すると、3回目の安全確認操作が完了し、入出庫扉4が閉じ始める。これに伴い、操作画面45の表示が図28~図31の表示に切り替わる。
【0095】
入出庫扉4が閉じている間は、図28~図31に示すように、4回目の安全確認操作が行われる。ここでは、1~3回目の安全確認操作と同様に、乗入室7内に設置された4基の乗入室カメラ35A~35Dによる乗入室7内のリアルタイムな画像情報CIと共に、扉反転ボタンSB4(安全確認ボタン)が表示される。乗入室カメラ35A~35Dによる画像には、それぞれ「正面」(図28)、「後面」(図29)、「左側面」(図30)、「右側面」(図31)と表示される。
【0096】
ユーザーは、これらの画像情報CIを逐一確認するが、特に異常がなければ扉反転ボタンSB4を押す必要はない。何か異常を発見した場合には、扉反転ボタンSB4を押すことにより、入出庫扉4が反転(再開扉)する。この場合、制御は図20に示す2回目の安全確認操作の段階まで戻される。入庫の完了後は、図32に示すように、乗入室7内の画像が暫く表示される(例えば10秒間)。そして、異常がなければ入庫は完了する。この最中に次のユーザーが入庫を開始したい場合には、操作画面45の右上に表示されている予約ボタンRBを押す。これにより、操作画面45の表示は図6に示す第1の認証画面に変わる。
【0097】
上記の入庫操作の流れの中のいずれかの時点で、センサ30(301~320)のいずれかにより乗入室7内のエラー状況が検知された場合には、入出庫扉4が開扉され、操作画面45は図16~図18の画像に戻される。この場合、ユーザーは操作画面45を見てエラー状況の内容を判断し、乗入室7に入ってエラー状況を解消させ、再び図19に示す2回目の安全確認操作から操作をやり直す。」
(ウ)「【0098】
[出庫操作]
車両2を入庫させる時の流れについては、特に詳しくは説明しないが、ユーザーはまず第1の認証を行い、次に、出庫する車両2が搭載されたパレット18を乗入室7に呼出し、入出庫扉4が開いたら乗入室7内に入って車両2に乗車し、車両2を乗入室7の外に搬出する。
【0099】
車両2の搬出後、車両2から降車して操作盤22に向かい、まず第2の認証を行い、次に、入庫操作時における2回目の安全確認操作と同様に操作画面45上に表示される画像情報CIを見ながら安全確認を行って乗入室7内の無人を確認する。
【0100】
次に、入庫操作時における3回目の安全確認操作と同様な安全確認を行って入出庫扉4を閉じ、入出庫扉4が閉じている間は入庫操作時における4回目の安全確認操作と同様な安全確認を行いながら入出庫扉4が閉じるのを見届けて出庫操作を完了させる。この一連の確認作業中は、操作者カメラ49によってユーザーの顔や手元等が記録される。」
(エ)「【0101】
図33は、上述した1回目~4回目の安全確認操作の時における制御の流れ(制御方法)を示すフローチャートである。
この安全確認制御の開始後、ステップS1で、図6や図19に示す認証画面が表示される。なお、3回目と4回目の安全確認操作では、このステップは省略される。
【0102】
次に、ステップS2で、ユーザー認証が成功したか否かが判定される。ユーザー認証が失敗した場合(S2→NO)は再びステップS1に戻り、ユーザー認証が成功した場合(S2→YES)はステップS3に移行し、乗入室7内の画像情報CIと、安全確認ボタンSB1~SB4が表示される。
【0103】
次に、ステップS4で、所定時間(例えば1分間)が経過したか否かが判定される。ユーザーはこの所定時間の間に安全確認ボタンSB1~SB4を押す必要がある。所定時間が経過した場合(S4→YES)はステップS1に戻り、所定時間が経過していない場合(S4→NO)はステップS5に移行する。
【0104】
ステップS5では、安全確認ボタンSB1~SB4が押されたか否かが判定される。押されていれば(S5→YES)ステップS6に移行し、押されていなければ(S5→NO)ステップS4に戻る。
【0105】
ステップS6では、センサ30(301~320)によって乗入室7内にエラー状況が検知されているか否かが判定される。エラー状況が検知されていなければ(S6→NO)ステップS7に移行し、次の操作段階が実行されて安全確認制御が終了する。また、乗入室7内にエラー状況が検知されていれば(S6→YES)ステップS8に移行する。
【0106】
ステップS8では、乗入室7内に4基設置された乗入室カメラ35A~35Dのうちから、エラー状況を撮影可能なカメラが選択される。次に、ステップS9で、選択したカメラによる画像情報CIと、センサの検知情報DIとが操作画面45に表示される(図16~図18参照)。そして、ステップS10で乗入室7内を確認するように指示がなされた後、ステップS3に戻る。ユーザーは、乗入室7内に入ってエラー状況を確認・解消させた後、操作画面45に表示される画像情報CIを確認して安全確認ボタンSB1~SB4を押す操作をやり直す。」
(オ)「
[図:0001417582000001.jpg]
」
(カ)「
[図:0001417582000002.jpg]
」
(キ)「
[図:0001417582000003.jpg]
」
(ク)「
[図:0001417582000004.jpg]
」
(ケ)「
[図:0001417582000005.jpg]
」
(コ)「
[図:0001417582000006.jpg]
」
(サ)「
[図:0001417582000007.jpg]
」
イ 認定事項
(ア)上記アに摘記した段落【0040】、【0044】、【0051】より、甲7には、次の基本構成が記載されていると認められる。
「入出庫口3と入出庫扉4とを備え車両2を入出庫させる乗入室7を備えた機械式駐車設備1において、乗入室7の入出庫扉4の右側に操作盤22が設けられており、操作盤22は操作画面45を有すること。」
(イ)上記アに摘記した段落【0067】、【0069】及び【図7】より、甲7には、入庫処理時の表示に着目して、次の事項が記載されていると認められる。
「車両2を入庫させる操作の流れにおいて、操作画面45の表示部45aには、呼出、入庫、確認、扉閉といった各動作の進行状況が表示されること。」
(ウ)上記アに摘記した段落【0098】-【0100】より、甲7には、出庫時の処理の基本的フローに関し、次の事項が記載されていると認められる。
「出庫操作において、
ユーザーはまず第1の認証を行い、次に、出庫する車両2が搭載されたパレット18を乗入室7に呼出し、入出庫扉4が開いたら乗入室7内に入って車両2に乗車し、車両2を乗入室7の外に搬出し、
車両2の搬出後、車両2から降車して操作盤22に向かい、まず第2の認証を行い、次に、入庫操作時における2回目の安全確認操作と同様に操作画面45上に表示される画像情報CIを見ながら安全確認を行って乗入室7内の無人を確認し、
次に、入庫操作時における3回目の安全確認操作と同様な安全確認を行って入出庫扉4を閉じ、入出庫扉4が閉じている間は入庫操作時における4回目の安全確認操作と同様な安全確認を行いながら入出庫扉4が閉じるのを見届けて出庫操作を完了させること。」
(エ)上記(ウ)の出庫時における「第1の認証」及び「第2の認証」について、入庫時に関する段落【0069】、【0085】及び【0086】の記載、並びに【図6】及び【図19】の図示を踏まえると、甲7には、次の事項が記載されていると認められる。
「第1の認証及び第2の認証は、操作画面45への暗証番号の入力であること。」
(オ)上記(ウ)の出庫時における「2回目の安全確認操作」に関し、「入庫操作時における2回目の安全確認操作と同様」であることから、段落【0086】-【0088】の記載及び【図20】の図示を踏まえると、甲7には、次の事項が記載されていると認められる。
「2回目の安全確認操作は、乗入室7内に設置された4基の乗入室カメラ35A~35Dによる乗入室7内のリアルタイムな画像情報CIと共に、無人確認ボタンSB2を操作画面45に表示させ、ユーザーは、この画像情報CIを確認し、異常がなければ無人確認ボタンSB2を押すことであること。」
(カ)上記(ウ)の出庫時における「3回目の安全確認操作」に関し、「入庫操作時における3回目の安全確認操作と同様」であることから、段落【0091】-【0092】の記載及び【図24】の図示を踏まえると、甲7には、次の事項が記載されていると認められる。
「3回目の安全確認操作は、乗入室7内に設置された4基の乗入室カメラ35A~35Dによる乗入室7内のリアルタイムな画像情報CIと共に、閉扉ボタンSB3を操作画面45を表示させ、ユーザーは、この画像情報CIを確認し、異常がなければ閉扉ボタンSB3を押すことであること。」
(キ)上記(ウ)の出庫時において「入出庫扉4を閉じ」ることに関し、「入庫操作時における3回目の安全確認操作と同様な安全確認を行って入出庫扉4を閉じ」ること、及び段落【0094】の記載を踏まえると、甲7には、次の事項が記載されていると認められる。
「ユーザーによる閉扉ボタンSB3の押圧によって、入出庫扉4が閉じ始めること。」
(ク)上記(ウ)の出庫時における「4回目の安全確認操作」に関し、「入庫操作時における4回目の安全確認操作と同様」であることから、段落【0095】-【0096】の記載及び【図28】の図示を踏まえると、甲7には、次の事項が記載されていると認められる。
「入出庫扉4が閉じている間は、4回目の安全確認操作として、乗入室7内に設置された4基の乗入室カメラ35A~35Dによる乗入室7内のリアルタイムな画像情報CIと共に、扉反転ボタンSB4(安全確認ボタン)が表示され、ユーザーが何か異常を発見した場合には、扉反転ボタンSB4を押すことにより、入出庫扉4が反転(再開扉)すること。」
(ケ)いずれかの時点でエラー状況が検知された場合に関し、【図33】の処理フロー及び段落【0106】の記載が、入庫時と出庫時とを区別していないことから、出庫時においても、段落【0097】に記載されるのと略同様の処理が行われると理解される。
ただし、段落【0097】に記載される「再び図19に示す2回目の安全確認操作から操作をやり直す」の記載について、【図19】の図示は「認証」時のものであって「2回目の安全確認操作」とは異なること、段落【0106】の記載及び【図33】の図示では「S6」で「センサによるエラー状況検知」がされると「S1」の「認証画面表示」ではなく「S3」の「画像情報CI表示 安全確認ボタンSB表示」に戻っていることから、エラー状況が検知された場合にいずれの処理に戻るのかについては、甲7中の記載が互いに整合していない。
以上を踏まえると、出庫時にいずれかの時点でエラー状況が検知された場合について、甲7には、段落【0097】から、処理をいずれのところからやり直させるかを措くとして、以下の事項が記載されていると認められる。
「上記の操作の流れの中のいずれかの時点で、センサ30により乗入室7内のエラー状況が検知された場合には、入出庫扉4が開扉され、操作画面45は戻され、この場合、ユーザーは操作画面45を見てエラー状況の内容を判断し、乗入室7に入ってエラー状況を解消させ、再び操作をやり直すこと。」
ウ 記載された事項
上記イ(ア)及び(イ)より、入庫処理時の表示に関し、甲7には、次の事項(以下、「甲7記載事項」という。)が記載されている。
<甲7記載事項>
「入出庫口3と入出庫扉4とを備え車両2を入出庫させる乗入室7を備えた機械式駐車設備1において、乗入室7の入出庫扉4の右側に操作盤22が設けられており、操作盤22は操作画面45を有し、
車両2を入庫させる操作の流れにおいて、操作画面45の表示部45aには、呼出、入庫、確認、扉閉といった各動作の進行状況が表示されること。」
また、上記イ(ア)、(ウ)~(ケ)より、出庫時の処理のフローに関し、甲7には、次の発明(以下、「甲7発明」という。)が記載されている。
<甲7発明>
「入出庫口3と入出庫扉4とを備え車両2を入出庫させる乗入室7を備えた機械式駐車設備1において、乗入室7の入出庫扉4の右側に操作盤22が設けられており、操作盤22は操作画面45を有し、
出庫操作において、
ユーザーはまず第1の認証を行い、次に、出庫する車両2が搭載されたパレット18を乗入室7に呼出し、入出庫扉4が開いたら乗入室7内に入って車両2に乗車し、車両2を乗入室7の外に搬出し、
車両2の搬出後、車両2から降車して操作盤22に向かい、まず第2の認証を行い、次に、入庫操作時における2回目の安全確認操作と同様に操作画面45上に表示される画像情報CIを見ながら安全確認を行って乗入室7内の無人を確認し、
次に、入庫操作時における3回目の安全確認操作と同様な安全確認を行って入出庫扉4を閉じ、入出庫扉4が閉じている間は入庫操作時における4回目の安全確認操作と同様な安全確認を行いながら入出庫扉4が閉じるのを見届けて出庫操作を完了させ、
第1の認証及び第2の認証は、操作画面45への暗証番号の入力であり、
2回目の安全確認操作は、乗入室7内に設置された4基の乗入室カメラ35A~35Dによる乗入室7内のリアルタイムな画像情報CIと共に、無人確認ボタンSB2を操作画面45に表示させ、ユーザーは、この画像情報CIを確認し、異常がなければ無人確認ボタンSB2を押すことであり、
3回目の安全確認操作は、乗入室7内に設置された4基の乗入室カメラ35A~35Dによる乗入室7内のリアルタイムな画像情報CIと共に、閉扉ボタンSB3を操作画面45を表示させ、ユーザーは、この画像情報CIを確認し、異常がなければ閉扉ボタンSB3を押すことであり、
ユーザーによる閉扉ボタンSB3の押圧によって、入出庫扉4が閉じ始め、
入出庫扉4が閉じている間は、4回目の安全確認操作として、乗入室7内に設置された4基の乗入室カメラ35A~35Dによる乗入室7内のリアルタイムな画像情報CIと共に、扉反転ボタンSB4(安全確認ボタン)が表示され、ユーザーが何か異常を発見した場合には、扉反転ボタンSB4を押すことにより、入出庫扉4が反転(再開扉)し、
上記の操作の流れの中のいずれかの時点で、センサ30により乗入室7内のエラー状況が検知された場合には、入出庫扉4が開扉され、操作画面45は戻され、この場合、ユーザーは操作画面45を見てエラー状況の内容を判断し、乗入室7に入ってエラー状況を解消させ、再び操作をやり直す、
機械式駐車設備1。」
(8)甲8
甲8には、次の図示がある。
「
[図:0001417582000008.jpg]
」
(9)甲9
甲9には、次の図示がある。
「
[図:0001417582000009.jpg]
」
(10)甲10
甲10には、次の図示がある。
「
[図:0001417582000010.jpg]
」
(11)甲11
甲11には、次の図示がある。
「
[図:0001417582000011.jpg]
」
2 先の取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由について
先の取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由は、請求項1、2、5、8、9、12について、甲1を主たる証拠とした、進歩性欠如の取消理由である(上記第4の2)。
上記第2のとおり、本件訂正が認められたので、以下、本件訂正後の本件発明1、2、5、8、9、12について、判断する。
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明を対比する。
(ア)構成1Aについて
甲1発明の甲1B及び甲1Aにおける、「入出庫部6には入出庫口9が設けられ、この入出庫口9に・・・設けられた・・・開閉式の扉10」(甲1B)、「入出庫部6」(甲1B)、「機械式駐車設備1」(甲1A)、「機械式駐車設備1の使用方法」(甲1A)は、それぞれ本件発明1の「入出庫扉」、「入出庫空間」、「駐車場」、「駐車場の運用方法」に相当する。
甲1発明の甲1A及び甲1Cにおいて、「機械式駐車設備1」に「形成されている」「駐車塔2」(甲1A)には、「パレット27を格納するための複数段の格納部13が鉛直方向に並んで設けられて」いる(甲1C)ことから、甲1発明は、機械式駐車設備1を利用する車両は複数存在することが理解できる。
同じく、甲1Bにおいて、「駐車塔2は、地上1階が入出庫部6となっており、入出庫部6の乗入れ床7にはピット8が形成され、入出庫部6には入出庫口9が設けられ、この入出庫口9には、開閉式の扉10が設けられ」ている(甲1B)ことから、甲1発明は、複数の車両は、扉10が設けられる入出庫部6を通して入出庫することが理解できる。
同じく、甲1E及び甲1Gにおいて、「駐車塔2」の「入出庫口9の近傍に入出庫制御装置30が設けられて」おり(甲1E)、「入出庫制御装置30の制御部31では、パレット情報テーブルT1を記憶部33に記憶し、パレット情報テーブルT1には、全ての各パレット27について、パレット27の識別番号(パレットの識別情報)と、そのパレット27が現在格納されている格納部13の識別番号と、そのパレット27の載置車両情報とが対応付けられたパレット情報が登録(記憶)され」ている(甲1G)ことから、甲1発明は、複数の車両に各々に対応する利用者が複数存在することが理解できる。
これらのことから、甲1発明は、本件発明1の構成1Aである、「複数の利用者に各々に対応する複数の車両を入出庫扉を設けられる入出庫空間を通して各々に入庫または出庫させる駐車場の運用方法」に相当する構成を備えている。
(イ) 構成1Bについて
甲1発明の甲1Icにおいて、「利用者が、携帯端末40の画面48Sに表示された「はい」をタッチすると、携帯端末40は、その情報(入庫する旨の情報=入庫要求)を入出庫制御装置30へ送信」することは、本件発明1の構成1Bである、「利用者から車両を入庫させる要求を受け付ける入庫要求受付工程」に相当する。
(ウ)構成1Cについて
甲1発明の甲1Ieにおいて、「空パレットが入出庫部6に到着すると、入出庫口9の扉10を開け」ることは、本件発明1の構成1Cである「前記入出庫扉の状態を閉状態から開状態に変化させる扉開工程」に相当する。
(エ)構成1Dについて
甲1発明の甲1Igにおいて、「利用者が車両60を前進させて入出庫部6のパレット27上へ進行させる際に、制御部31は、車両の前進を促す旨の情報、車両の停止を促す旨の情報、車両の後進を促す旨の情報を携帯端末40へ送信し、音声出力させ」ることは、本件発明1の構成1Dである「入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導工程」に相当する。
(オ) 構成1Eについて
甲1発明の甲1Ihにおいて、「制御部31が、車両60が適切な停車位置で停車したと判断すると、降車時の注意情報を携帯端末40へ送信し、その情報を携帯端末40は受信し、携帯端末40は、その画面48Sに、降車時の注意情報に含まれる注意事項W4を文字で、「パーキングブレーキを掛け、ドアミラーをたたんでください。アンテナを下げ、ドアを確実に閉めてください。」と表示し、注意事項W4に対応する画像P4として、パーキングブレーキ及びドアミラー等を強調した画像を表示」することと、本件発明1の構成1Eである「利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示して、車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける入庫確認受付工程」とは、「利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示」す入庫確認工程、で共通する。
(カ)構成1Fについて
甲1発明の甲1Ijにおいて、「利用者は、降車した後、周囲の安全を確認して運転操作盤11の安全確認ボタンを押」すことは、本件発明1の構成1Fである「利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付ける安全確認受付工程」に相当する。
(キ)構成1Gについて
甲1発明の甲1Imにおいて、「入出庫口9の扉10を閉じる」ことは、本件発明1の構成1Gである「入出庫扉の状態を開状態から閉状態に変化させる扉閉工程」に相当する。
(ク)構成1Hについて
上記(イ)~(キ)で示した本件発明1の構成1B~1Gに対応する甲1発明の各構成が、甲1発明においてその順番に行われていることと、本件発明1の構成1Gである「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行」することとは、「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行」することで共通する。
(ケ)構成1Kについて
甲1発明の甲1Kである「機械式駐車設備1の利用方法」は、本件発明1の構成1Kである「駐車場の運用方法」に相当する。
以上を整理すると、本件発明1と甲1発明とは、次の点で一致する。
「複数の利用者に各々に対応する複数の車両を入出庫扉を設けられる入出庫空間を通して各々に入庫または出庫させる駐車場の運用方法であって、
利用者から車両を入庫させる要求を受け付ける入庫要求受付工程と、
前記入出庫扉の状態を閉状態から開状態に変化させる扉開工程と、
入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導工程と、
利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示す入庫確認工程と、
利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付ける安全確認受付工程と、
入出庫扉の状態を開状態から閉状態に変化させる扉閉工程と、
を備え、
車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する、
駐車場の運用方法。」
そして、本件発明1と甲1発明とは、以下の点で相違する。
〔相違点1-1〕
本件発明1においては、構成1Iより、「実行中の工程が前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程のうちのどの工程にあるかを実行中の工程に対応するランプを点灯する方法で示す表示である工程表示」をするのに対し、
甲1発明においては、そのような工程表示をしない点。
〔相違点1-2〕
「入庫確認受付工程」に関し、
本件発明1においては、構成1Eに「車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける」ことが特定されており、構成1Jより「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と・・・前記入庫確認受付工程を順に実行して車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付たとき機械センサにより車両が入庫した入出庫空間が正常であるか否かの確認をし、機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき、利用者にその旨を通知して、前記工程表示を実行中の工程が前記入庫誘導工程であることを示す表示にした後で前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する」のに対し、
甲1発明においては、甲1Ihで行う「注意事項W4」の「表示」に対して、車両を降りた利用者から「注意事項W4」を確認したことを証する宣言を受け付けておらず、本件発明1の構成1Jに対応する処理を実行していない点。
イ 判断
(ア) 相違点1-1について
上記相違点1-1について判断する。
甲1発明においては、入庫に際して、機械式駐車設備1への接近、及び「入庫する旨の情報=入庫要求」の入力から、「降車時」の「注意事項W4」の表示までの利用者による処理を「携帯端末40」で行い(甲1Ia~甲1Ih)、そこで「入出庫制御装置30は携帯端末40との通信を終了」し(甲1Ii)、それ以降の利用者による処理は、「運転表示盤11」により、「安全確認ボタン」や「扉閉」を押して行うものである。
このような甲1発明においては、利用者が注視して操作する部材が途中で「携帯端末40」から「運転操作盤11」に変わるから、「携帯端末40」で行う「入庫する旨の情報=入庫要求」の入力から「運転表示盤11」で行う「扉閉」までの一連の工程について、実行中の工程に対応するランプを点灯させる方法で工程表示することは、動機付けがない。
そのため、たとえ複数の工程について実行中の工程を強調表示する技術自体が周知技術であったとしても、甲1発明において、上記相違点1-1に係る本件発明1の構成をとることは、当業者にとって想到容易とはいえない。
この点に関し、甲7(甲7記載事項、【図7】等)、甲8(【図13】等)、甲9(【図2】等)、甲10(【図3】等)、甲11(【図10】等)には、駐車装置において、複数行われる工程のうち実行中の工程を示す表示が行われる様子が示されている。しかしながら、甲7ないし甲11における工程の表示は、いずれも単一の操作盤で行われる処理工程についての表示にとどまるから、甲1発明において、利用者が「携帯端末40」を操作する工程と「操作盤11」を操作する工程とについて、上記相違点1に係る本件発明1の「工程表示」を行うことを、開示あるいは示唆するものではない。
本件異議申立におけるその余の証拠である、甲2ないし甲6にも、甲1発明において、上記相違点1-1に係る本件発明1の「工程表示」を行うことを、開示あるいは示唆する記載はない。
したがって、甲1発明において、甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、上記相違点1-1に係る本件発明1の構成をとることは、当業者にとって想到容易ではない。
(イ) 本件発明1の容易想到性について
上記(ア)のとおり、上記相違点1-1に係る構成が想到容易でないから、その余の相違点1-2について判断するまでもなく、本件発明1は、甲1発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明できたものではない。
ウ 申立人の意見書における主張について
申立人は令和6年8月5日提出の意見書において、上記相違点1-1に関し、実行中の工程を対応するランプを点灯して表示することは甲7~甲11に示されるとおり周知技術であるから、相違点1は想到容易である旨を主張している(同意見書第2頁~第3頁の「イ 構成2について」)。
しかしながら、上記イ(ア)に指摘したとおり、たとえ複数の工程について実行中の工程を強調表示する技術自体が周知技術であったとしても、利用者が注視して操作する部材が途中で「携帯端末40」から「運転操作盤11」に変わる甲1発明において、上記相違点1-1に係る本件発明1の構成をとることは、当業者にとって想到容易とはいえない。
したがって、上記申立人の主張を考慮しても、本件発明1の進歩性について、上記イの判断を変更すべき事情はない。
(2)本件発明2について
本件発明2は、本件発明1の構成を全て有し、さらに構成を付加したものである。
そして、本件発明2が有する本件発明1の構成について、上記(1)に示したとおり、甲1発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明できたものではない。
したがって、本件発明2において付加された構成について対比・判断するまでもなく、本件発明2は、甲1発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明できたものではない。
(3)本件発明5について
本件発明5が有する構成5A~5I及び5Kは、本件発明1が有する構成1A~1I及び1Kと、「入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導工程と、」(構成1D、構成5B)の記載箇所が変わっていることを別として、各工程の実行順序(構成1H、構成5H)も含めて同じである。
そのため、上記(1)アにおける本件発明1と甲1発明との対比を踏まえると、本件発明5と甲1発明とは、少なくとも次の相違点で相違する。
〔相違点5-1〕
本件発明5においては、構成5Iより、「実行中の工程が前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程のうちのどの工程にあるかを実行中の工程に対応するランプを点灯する方法で示す表示である工程表示」をするのに対し、
甲1発明においては、そのような工程表示をしない点。
上記相違点5-1は、上記(1)アに認定した、本件発明1と甲1発明との相違点1-1と同じである。
そして、上記相違点5-1に係る本件発明5の構成は、上記(1)イ(ア)において相違点1-1について判断したのと同じ理由で、甲1発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者にとって想到容易ではない。
したがって、本件発明5は、本件発明1の構成1Jと異なる構成5Jについて対比・判断するまでもなく、甲1発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明できたものではない。
(4)本件発明8について
ア 対比
本件発明8は、「複数の操作者に各々対応する複数の車両を各々に駐車させる駐車システム」において(構成8A)、「車両を駐車空間と入出庫扉を設けられる入出庫空間との間で移動できる駐車機構」と(構成8B)、「前記駐車機構を制御する制御機構」とを備えたものとし(構成8C)、「前記制御機構」が「実現」する「機能」として、本件発明1に係る「駐車場の運用方法」に係る構成1B~構成1Jに対応する工程を「実現」するとともに(構成8E、8G~8N)、「入庫要求受付機能」と「扉開機能」との間で「実現」される「機能」として、「車両を入庫または出庫させるために利用者が乗る車両を乗せる車両支持構造を入出庫空間に位置させる車両支持構造呼び出し機能」を特定した(構成8F、8L及び8Nの一部)ものである。
以上を踏まえて、本件発明8と甲1システム発明とを対比する。
(ア)構成8Aについて
甲1システム発明の甲1Lにおける「機械式駐車設備1と携帯端末40とを備えた入出庫サポートシステム」は、甲8発明の構成8Aにおける「駐車システム」に相当する。
甲1システム発明の甲1Nにおいて、「甲1発明に係る機械式駐車設備1の利用方法が実施される」こと、及び、本件発明1の構成1Aに相当する構成を甲1発明が有することを踏まえると、甲1システム発明は、本件発明8の構成8Aにおける「複数の操作者に各々対応する複数の車両を各々に駐車させる」に相当する構成を有している。
これらのことから、甲1システム発明は、甲8発明の構成8Aに相当する構成を備えている。
(イ) 構成8Bについて
甲1システム発明が甲1Lにおいて有する「機械式駐車設備1」について、甲1発明の甲1Bに特定される「開閉式の扉10」が設けられた「入出庫部6」は、本件発明8の構成8Bにおける「入出庫扉を設けられる入出庫空間」に相当する。
甲1システム発明が甲1Lにおいて有する「機械式駐車設備1」について、甲1発明の甲1Cに特定される「駐車塔2」のうち「複数段の格納部13」を備える空間は、本件発明8の構成8Bにおける「駐車空間」に相当する。
甲1システム発明が甲1Lにおいて有する「機械式駐車設備1」について、甲1発明の甲1B及び甲1Cに特定される「開閉式の扉10」、「パレット27」、「パレット移載機構17」等は、本件発明8の構成8Bにおける「車両を・・・移動できる駐車機構」に、相当する。
これらのことから、甲1システム発明は、甲8発明の構成8Bに相当する構成を備えている。
(ウ) 構成8Cについて
甲1システム発明が甲1Lにおいて有する「携帯端末40」、及び、甲1L及び甲1Eにおいて有する「機械式駐車設備1」の「入出庫制御装置30」は、「携帯端末40」と「入出庫制御装置30」とが「双方向の無線通信」を行って(甲1F)、「パレット27」の移動や「扉10」の開閉等の入出庫に係る制御を行うから(甲1G~甲1Jl)、甲8発明の構成8Cである「前記駐車機構を制御する制御機構」に相当する。
(エ)構成8D、及び「機能」の「実現」について
甲1システム発明において、上記(ウ)で検討したように、「携帯端末40」と「入出庫制御装置30」とによって、甲1発明に係る「利用方法」の入出庫における各段階での制御が行われることは、甲8発明の構成8Dにおいて、「前記制御機構」が、入出庫における各段階での「機能」を「実現」することに相当する。
(エ) 構成8Eについて
甲1システム発明において、上記(1)ア(イ)で示したように、本件発明1の構成1Bに相当する工程が実施されることは、甲8発明の構成8Eにおいて、「利用者から車両を入庫させる要求を受け付ける入庫要求受付機能」が実現されることに相当する。
(オ)構成8Fについて
甲1システム発明において、甲1L、甲1C、甲1If及び甲1Jdにより、「機械式駐車設備1」が有し入庫または出庫の際に「車両」が「載置」される「パレット27」は、本件発明8の構成8Fにおいて、「車両を入庫または出庫させるために利用者が乗る車両を載せる車両支持構造」に相当する。
甲1システム発明において、甲1N、甲1Id及び甲1Jdにより、入庫の際に「所定の空パレット」が「入出庫部6へ呼び出」され、出庫の際に「取得したIDコードに対応するパレット27」が「入出庫部6へ呼び出」されることは、本件発明8の構成8Fにおいて、「車両支持構造を入出庫空間に位置させる車両支持構造呼び出し機能」が実現されることに相当する。
これらのことから、甲1システム発明は、甲8発明の構成8Fに相当する構成を備えている。
(カ)構成8G及び構成8Hについて
甲1システム発明において、上記(1)ア(ウ)及び(エ)で示したように、本件発明1の構成1C及び構成1Dに相当する工程が実施されることは、甲8発明の構成8G及び構成8Hにおいて、「前記入出庫扉の状態を閉状態から開状態に変化させる扉開機能」及び「入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導機能」が実現されることに相当する。
(キ)構成8Iについて
甲1システム発明において、甲1発明の甲1Ihに係る「注意事項W4」の表示が行われることと、本件発明8の構成8Iとは、上記(1)ア(オ)に示した本件発明1の構成1Eと甲1発明の甲1Ihとの対比を踏まえると、「利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示」す入庫確認機能が実現される、という点で共通する。
(ク)構成8J及び構成8Kについて
甲1システム発明において、上記(1)ア(カ)及び(キ)で示したように、本件発明1の構成1F及び構成1Gに相当する工程が実施されることは、甲8発明の構成8J及び構成8Kにおいて、「利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付ける安全確認受付機能」及び「入出庫扉の状態を開状態から閉状態に変化させる扉閉機能」が実現されることに相当する。
(ケ)構成8Lについて
甲1システム発明において、上記(エ)~(ク)で示した本件発明8の構成8E~8Kに対応する甲1発明の各構成が、その順番に行われることと、本件発明8の構成8Lである「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現」することとは、「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現」することで共通する。
(コ)構成8Oについて
甲1システム発明の甲1Oである「入出庫サポートシステム」は、本件発明8の構成8Oである「駐車システム」に相当する。
以上を整理すると、本件発明8と甲1システム発明とは、次の点で一致する。
「複数の操作者に各々に対応する複数の車両を各々に駐車させる駐車システムであって、
車両を駐車空間と入出庫扉を設けられる入出庫空間との間で移動できる駐車機構と、
前記駐車機構を制御する制御機構と、
を備え、
前記制御機構が、
利用者から車両を入庫させる要求を受け付ける入庫要求受付機能と、
車両を入庫または出庫させるために利用者が乗る車両を載せる車両支持構造を入出庫空間に位置させる車両支持構造呼び出し機能と、
前記入出庫扉の状態を閉状態から開状態に変化させる扉開機能と、
入庫する車両が入出庫空間に入るのを誘導する入庫誘導機能と、
利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示す入庫確認機能と、
利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付ける安全確認受付機能と、
入出庫扉の状態を開状態から閉状態に変化させる扉閉機能と、
を実現でき、
車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する、
駐車システム。」
そして、本件発明8と甲1システム発明とは、以下の点で相違する。
〔相違点8-1〕
本件発明8においては、構成8Mより、「実現中の機能が前記入庫要求受付機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能のうちのどの機能にあるかを実現中の機能に対応するランプを点灯する方法で示す表示である機能表示」をするのに対し、
甲1システム発明においては、そのような機能表示をしない点。
〔相違点8-2〕
「入庫確認受付機能」に関し、
本件発明8においては、構成8Iに「車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける」ことが特定されており、構成8Nより「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と・・・前記入庫確認受付機能とを順に実現して車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付たとき機械センサにより車両が入庫した入出庫空間が正常であるか否かの確認をし、機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき、利用者にその旨を通知して、前記機能表示を実現中の機能が前記入庫誘導機能であることを示す表示にした後で前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する」のに対し、
甲1システム発明においては、甲1Ihで行う「注意事項W4」の「表示」に対して、車両を降りた利用者から「注意事項W4」を確認したことを証する宣言を受け付けておらず、本件発明8の構成8Nに対応する処理を実行していない点。
イ 判断
(ア)相違点8-1について
上記相違点8-1について判断する。
本件発明8と甲1システム発明との相違点8-1は、本件発明1と甲1発明との相違点1-1と実質的に同じである。
そして、上記(1)イ(ア)において上記相違点1-1について判断したのと同じ理由で、甲1システム発明において、甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、上記相違点8-1に係る本件発明8の構成をとることは、当業者にとって想到容易ではない。
(イ)本件発明8の容易想到性について
上記(ア)のとおり、上記相違点8-1に係る構成が想到容易でないから、その余の相違点8-2について判断するまでもなく、本件発明8は、甲1システム発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明できたものではない。
(5)本件発明9について
本件発明9は、本件発明8の構成を全て有し、さらに構成を付加したものである。
そして、本件発明9が有する本件発明8の構成について、上記(4)に示したとおり、甲1システム発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明できたものではない。
したがって、本件発明9において付加された構成について対比・判断するまでもなく、本件発明9は、甲1システム発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明できたものではない。
(6)本件発明12について
本件発明12が有する構成12A~12M及び12Oは、本件発明8が有する構成8A~8M及び8Oと同じである。
そのため、上記(4)アにおける本件発明8と甲1システム発明との対比を踏まえると、本件発明12と甲1システム発明とは、少なくとも次の相違点で相違する。
〔相違点12-1〕
本件発明12においては、構成12Mより、「実現中の機能が前記入庫要求受付機能と前記扉開機能と前記入庫誘導機能と前記入庫確認受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能のうちのどの機能にあるかを実現中の機能に対応するランプを点灯する方法で示す表示である機能表示」をするのに対し、
甲1システム発明においては、そのような機能表示をしない点。
上記相違点12-1は、上記(4)アに認定した、本件発明8と甲1システム発明との相違点8-1と同じである。
そして、上記相違点8-1に係る本件発明8の構成は、上記(4)イ(ア)において相違点8-1について判断したのと同じ理由で、甲1システム発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者にとって想到容易ではない。
したがって、本件発明12は、本件発明8の構成8Nと異なる構成12Nについて対比・判断するまでもなく、甲1システム発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明できたものではない。
(7)まとめ
上記(1)~(6)のとおり、本件発明1、2、5、8、9、12に係る特許は、先の取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由によって、取り消されるべきものではない。
3 先の取消理由通知書(決定の予告)に採用しなかった特許異議申立理由について
(1)甲1を主たる証拠とした進歩性欠に係る特許異議申立理由1について
先の取消理由通知書(決定の予告)に採用しなかった特許異議申立理由のうち、進歩性欠如に係る特許異議申立理由は、請求項3、4、6、7、10、11、13、14について、甲1に記載された発明、甲2に記載された技術事項及び甲3に記載された技術事項に基づいた、進歩性欠如の特許異議申立理由1である(上記第4の1(1))。
上記第2のとおり、本件訂正が認められたので、以下、本件訂正後の本件発明3、4、6、7、10、11、13、14について、判断する。
なお、本件発明1、2、5、8、9、12についての、甲1を主たる証拠とした進歩性の有無については、上記2に判断したとおりである。
ア 本件発明3及び本件発明4について
本件発明3及び本件発明4は、本件発明1の構成を全て有し、さらに構成を付加したものである。
そして、本件発明3及び本件発明4が有する本件発明1の構成について、上記1(1)に示したとおり、甲1発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明できたものではない。
したがって、本件発明3及び本件発明4において付加された構成について対比・判断するまでもなく、本件発明3及び本件発明4は、甲1発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明できたものではない。
イ 本件発明6について
(ア)対比
a 構成6A及び構成6Bについて
本件発明6の構成6A及び構成6Bは、本件発明1の構成1A及び構成1Bと同じである。
上記1(1)ア(ア)及び(イ)に示した、本件発明1の構成1A及び構成1Bについての対比を踏まえると、甲1発明は、本件発明6の構成6A及び構成6Bに相当する構成を有している。
b 構成6Cについて
甲1発明の甲1Jcにおいて、「利用者が、携帯端末40の画面48Sに表示された「はい」をタッチすると、携帯端末40は、その情報(出庫する旨の情報=出庫要求)を入出庫制御装置30へ送信」することは、本件発明6の構成6Cである、「利用者から車両を出庫させる要求を受け付ける出庫要求受付工程」に相当する。
c 構成6Dについて
入庫の際に、甲1発明の甲1Ieにおいて、「空パレットが入出庫部6に到着すると、入出庫口9の扉10を開け」ること、及び、出庫の際に、甲1発明の甲1Jeにおいて、「パレット27が入出庫部6に到着すると、入出庫口9の扉10を開け」ることは、本件発明6の構成6Dである「前記入出庫扉の状態を閉状態から開状態に変化させる扉開工程」に相当する。
d 構成6Eについて
本件発明6の構成6Eは、本件発明1の構成1Eと同じである。
上記1(1)ア(オ)に示した、本件発明1の構成1Eについての対比を踏まえると、甲1発明の甲1Ihと、本件発明6の構成6Eとは、「利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示」す入庫確認工程、で共通する。
e 構成6Gについて
入庫の際に、甲1発明の甲1Ijにおいて、「利用者は、降車した後、周囲の安全を確認して運転操作盤11の安全確認ボタンを押」すこと、及び、出庫の際に、甲1発明の甲1Jgにおいて、「利用者は、車両に乗車して、外に出て一旦停車し、降車後に周囲の安全を確認して運転操作盤11の安全確認ボタンを押」すことは、本件発明6の構成6Gである「利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付ける安全確認受付工程」に相当する。
f 構成6Hについて
入庫の際に、甲1発明の甲1Imにおいて、「入出庫口9の扉10を閉じる」こと、及び、出庫の際に、甲1発明の甲1Jjにおいて「入出庫口9の扉10を閉じる」ことは、本件発明6の構成6Hである「入出庫扉の状態を開状態から閉状態に変化させる扉閉工程」に相当する。
g 構成6Iについて
入庫の際に、上記a、c、d、e及びfで示した本件発明6の構成6B、6D、6E、6G及び6Hに対応する甲1発明の各構成が、甲1発明においてその順番に行われていることと、本件発明6の構成6Iである「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行」することとは、「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫確認工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行」することで共通する。
h 構成6Jについて
出庫の際に、上記c、d、e及びfで示した本件発明6の構成6C、6D、6G及び6Hに対応する甲1発明の各構成が、甲1発明においてその順番に行われていることと、本件発明6の構成6Jである「車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付工程と前記扉開工程と前記出庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行」することとは、「車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付工程と前記扉開工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行」することで共通する。
i 構成6Lについて
甲1発明の甲1Kである「機械式駐車設備1の利用方法」は、本件発明6の構成6Lである「駐車場の運用方法」に相当する。
以上を整理すると、本件発明6と甲1発明とは、次の点で一致する。
「複数の利用者に各々に対応する複数の車両を入出庫扉を設けられる入出庫空間を通して各々に入庫または出庫させる駐車場の運用方法であって、
利用者から車両を入庫させる要求を受け付ける入庫要求受付工程と、
利用者から車両を出庫させる要求を受け付ける出庫要求受付工程と、
前記入出庫扉の状態を閉状態から開状態に変化させる扉開工程と、
利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示す入庫確認工程と、
利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付ける安全確認受付工程と、
入出庫扉の状態を開状態から閉状態に変化させる扉閉工程と、
を備え、
車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫確認工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行し、
車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付工程と前記扉開工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行し、
駐車場の運用方法。」
そして、本件発明6と甲1発明とは、以下の点で相違する。
〔相違点6-1〕
「入庫確認受付工程」に関し、
本件発明6においては、構成6Eに「車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける」ことが特定されているのに対し、
甲1発明においては、甲1Ihで行う「注意事項W4」の「表示」に対して、車両を降りた利用者から「注意事項W4」を確認したことを証する宣言を受け付けていない点。
〔相違点6-2〕
本件発明6においては、車両を出庫させる際に、構成6Dの「扉開工程」より後、構成6Gの「安全確認受付工程」より前に、構成6Fの「利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付ける出庫完了受付工程」を有するとともに、構成6Kより、「車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付工程と前記扉開工程と前記出庫完了受付工程とを順に実行して利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付けると、機械センサにより車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認しようとし、機械センサが車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認できないとき、利用者に注意を促し、前記出庫完了受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する」のに対し、
甲1発明においては、車両を出庫させる際に、甲1Jeで「利用者は、・・・降車後に周囲の安全を確認して運転操作盤11の安全確認ボタンを押」すより前に、本件発明6の構成6Fに相当する「出庫完了受付工程」を有さず、本件発明6の構成6Kに相当する処理も行われない点。
(イ)判断
a 相違点6-2について
事案に鑑み、上記相違点6-2について、まず判断する。
(a)甲1発明における、出庫の際に扉を開いた以降のフロー
甲1発明において、出庫の際に扉を開いた以降のフローは、概略以下のとおりとなっている。
・「入出庫口9の扉10を開」くと(甲1Je)、
・それまで利用者が操作していた「携帯端末40」の「通信を終了」し(甲1Jf)、
・「利用者は、車両に乗車して、外に出て一旦停車し、降車後に周囲の安全を確認して運転操作盤11の安全確認ボタンを押して」から(甲1Jg)、
・「扉閉及び終了ボタンを押し」(甲1Jh)、
・「運転操作盤11の扉閉及び終了ボタンが押される」と(甲1Ji)、
・「入出庫口9の扉10を閉じる」とともに(甲1Jj)、
・「空のパレット27を格納部13へ格納」させ(甲1Jk)、
・「格納完了の旨・・・・出庫動作が完了する」(甲1Jl)
(b)甲1発明を出発点として要する変更
甲1発明において、上記相違点6-2に係る本件発明6の構成に至るには、次の変更を行う必要がある。
i 甲1Jeで「入出庫口9の扉10を開」いた後、甲1Jgで「利用者」が「降車後に周囲の安全を確認して運転操作盤11の安全確認ボタンを押」すより前に、本件発明6の構成6Fに相当する「利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付ける出庫完了受付工程」を追加する。
ii 車両を出庫させる際に、上記iの「出庫完了受付工程」を実行して「利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言」を受け付けると、「機械センサにより車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認しようと」する。
iii 上記iiで「機械センサが車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認できない」とき、「利用者に注意を促」し、上記iの「出庫完了受付工程」に戻って、その後甲1Jgの「利用者」が「降車後に周囲の安全を確認して運転操作盤11の安全確認ボタンを押」す処理、甲1Jjの「入出庫口9の扉10を閉じる」処理を実施する。
(c)甲2に記載される事項を考慮して
甲2には、上記1(2)に摘記した事項が記載されており、機械式駐車装置の入庫バース16から離れたところにある対話式操作盤30において、対話式操作の各ステップの操作中にもバース内の人の有無を自動検知し、人を検知した場合には、操作を最初からやり直させること、及び、出庫に際しては駐車料金の精算を済ませた駐車券を出庫受付盤6に挿入することが、示されている。
しかしながら、上記甲2に記載される事項は、甲1発明において、相違点6-2に係る本件発明6の構成をとることを示唆するものではない。
(d)甲3に記載される事項を考慮して
甲3には、上記1(3)に摘記した事項が記載されており、駐車装置の入出庫口に第1検知装置45を設け、受光素子52が検査光を受光しているか否かに基づき、車両が入出庫口17を通過している途中であるか否かを検知可能とすることが示されている。
しかしながら、上記甲3に記載される事項は、相違点6-2に係る本件発明6の構成のうち、「機械センサにより車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認しようと」する際に使える可能性があるセンサを示すにとどまる。
そして、上記甲3に記載される事項は、甲1発明において、上記(b)のi~iiiに示した一連の変更を重ねて、上記相違点6-2に係る本件発明6の構成とすることを、示唆するものではない。
(e)甲4~甲6に記載される事項を考慮して
甲4~甲6には、上記1(4)~(6)に摘記した事項が記載されているところ、これらの事項は、利用者によるスイッチの操作に応じて後続する処理が行われることを示すものであって、甲1発明において、相違点6-2に係る本件発明6の構成をとることを示唆するものではない。
(f)甲7に記載される事項を考慮して
甲7には、上記1(7)ウに認定した甲7発明が記載されている。
甲7発明は、「出庫操作」において、「無人確認ボタンSB2を押すこと」である「2回目の安全確認操作」に先立ち、「第2の認証」として「操作盤22」の「操作画面45への暗証番号の入力」を行う構成を有している。
また、甲7発明は、「操作の流れのいずれかの時点で、センサ30により乗入室7内のエラー状況が検知された場合には、・・・操作画面45は戻され、・・・再び操作をやり直す」構成を有している。
そして申立人は、令和5年11月6日提出の意見書において、請求項3についての主張としてではあるが、甲7発明において「第2の認証」として「操作盤22」の「操作画面45への暗証番号の入力」を行う構成は、操作盤22が乗入室7の外にあることから、「利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付ける出庫完了受付工程」に相当し、甲7発明において「操作の流れのいずれかの時点で、センサ30により乗入室7内のエラー状況が検知された場合には、・・・操作画面45は戻され、・・・再び操作をやり直す」構成は、本件発明3等におけるエラー検知時の処理に相当するから、甲1発明に甲7発明の「第2の認証」以降の処理を適用することにより、本件発明3等における出庫時の処理は想到容易である旨を主張している(同意見書第9頁下から5行-第11頁下から2行)。
しかしながら、甲7発明は、先に「第1の認証」を「操作盤22」の「操作画面45」で行ったうえで、「第2の認証」を再度「操作盤22」の「操作画面45」で行うところ、甲1発明においては、出庫する際の最初の認証は「携帯端末40」を用いて行われ(甲1Ja)ているから、甲1発明と甲7発明とは「認証」に関する前提が異なる。
また、甲7発明において、「操作の流れのいずれかの時点で、センサ30により乗入室7内のエラー状況が検知された場合」について、上記1(7)イ(ケ)に指摘したように、いずれの時点でエラーが検知されるといずれの時点に戻るのか明確に認定できないところ、甲1発明において甲7発明における「第2の認証」以降の処理を組み合わせ、かつ、当該「第2の認証」をしたときの「エラー状況」の「検知」の処理について、「機械センサにより車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認しようと」するものとし、かつ、「機械センサが車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認できない」ときには上記「第2の認証」に戻ることとして、上記(b)i~iiiの変更を重ねることは、本件発明6に接したうえでの後知恵であって、本件発明6に接することなく当業者が容易に想到できたこととはいえない。
したがって、甲7発明を含む、甲7に記載される事項を考慮しても、甲1発明において、上記相違点6-2に係る本件発明6の構成とすることは、当業者にとって想到容易とはいえない。
(g)甲8~甲11に記載される事項を考慮して
甲8~甲11には、上記1(8)~(11)に摘記した事項が記載されているところ、これらの事項は、駐車装置において、複数行われる工程のうち実行中の工程を示す表示が行われる様子を示すものであって、甲1発明において、相違点6-2に係る本件発明6の構成をとることを示唆するものではない。
(h)甲2~甲11に記載される事項をあわせて考慮して
上記(c)~(g)のとおりであるから、甲2ないし甲11に記載される事項をあわせて考慮しても、甲1発明において、上記相違点6-2に係る本件発明6の構成とすることは、当業者にとって想到容易ではない。
b 本件発明6の容易想到性について
上記aのとおり、上記相違点6-2に係る構成が想到容易でないから、その余の相違点6-1について判断するまでもなく、本件発明6は、甲1発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明できたものではない。
(ウ)申立人の意見書における主張について
甲7は、本件発明3、4、6、7、10、13、14が有する構成のうち、設定登録時から訂正のない出庫時の構成に関して、特許異議申立期間の経過後に、令和5年11月6日の意見書に添付して提出されたものであるところ、申立人は令和6年8月5日提出の意見書において、甲7を考慮した進歩性の判断を行うことを希望している(同意見書第8頁「(3-5)訂正後の請求項3、4、6、7、10、13、14について」)。
しかしながら、甲7、及び甲7を添付して提出した令和5年11月6日の意見書における申立人の主張を考慮した判断については、上記(イ)a(f)のとおりである。
したがって、上記申立人の主張を考慮しても、本件発明6の進歩性について、上記(イ)の判断を変更すべき事情はない。
ウ 本件発明7について
(ア)対比
本件発明7の構成7A~構成7J及び構成7Lは、本件発明6の構成6A~構成6J及び構成6Lと同じである。
上記イ(ア)における本件発明6と甲1発明との対比を踏まえると、本件発明7と甲1発明とは、次の点で一致する。
「複数の利用者に各々に対応する複数の車両を入出庫扉を設けられる入出庫空間を通して各々に入庫または出庫させる駐車場の運用方法であって、
利用者から車両を入庫させる要求を受け付ける入庫要求受付工程と、
利用者から車両を出庫させる要求を受け付ける出庫要求受付工程と、
前記入出庫扉の状態を閉状態から開状態に変化させる扉開工程と、
利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示す入庫確認工程と、
利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付ける安全確認受付工程と、
入出庫扉の状態を開状態から閉状態に変化させる扉閉工程と、
を備え、
車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫確認工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行し、
車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付工程と前記扉開工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行し、
駐車場の運用方法。」
そして、本件発明7と甲1発明とは、以下の点で相違する。
〔相違点7-1〕
「入庫確認受付工程」に関し、
本件発明7においては、構成7Eに「車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける」ことが特定されているのに対し、
甲1発明においては、甲1Ihで行う「注意事項W4」の「表示」に対して、車両を降りた利用者から「注意事項W4」を確認したことを証する宣言を受け付けていない点。
〔相違点7-2〕
本件発明7においては、車両を出庫させる際に、構成6Dの「扉開工程」より後、構成7Gの「安全確認受付工程」より前に、構成7Fの「利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付ける出庫完了受付工程」を有し、構成7Kより「車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付工程と前記扉開工程と前記出庫完了受付工程と前記安全確認受付工程とを順に実行して利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付たとき機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき、扉閉要求を受付け、扉閉要求を受け付けたとき機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する」のに対し、
甲1発明においては、車両を出庫させる際に、甲1Jeで「利用者は、・・・降車後に周囲の安全を確認して運転操作盤11の安全確認ボタンを押」すより前に、本件発明7の構成7Fに係る「出庫完了受付工程」を有さず、本件発明7の構成7Kに係る処理も行われない点。
(イ)判断
a 相違点7-2について
事案に鑑み、上記相違点7-2について、まず判断する。
(a)甲1発明における、出庫の際に扉を開いた以降のフロー
甲1発明において、出庫の際に扉を開いた以降のフローは、上記イ(イ)a(a)に示したとおりとなっている。
(b)甲1発明を出発点として要する変更
甲1発明において、上記相違点6-2に係る本件発明6の構成に至るには、次の変更を行う必要がある。
i 甲1Jeで「入出庫口9の扉10を開」いた後、甲1Jgで「利用者」が「降車後に周囲の安全を確認して運転操作盤11の安全確認ボタンを押」すより前に、本件発明6の構成6Fに相当する「利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付ける出庫完了受付工程」を追加する。
ii 車両を出庫させる際に、上記iの「出庫完了受付工程」を実行した後に「前記安全確認受付工程」を実行し、「利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言」を受け付けると、「機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき、扉閉要求を受付け」る。
iii 上記iiで「扉閉要求を受付け」たとき、「機械センサにより機械の安全が確認できない」ときに、上記iiの「安全確認受付工程」に戻って、甲1Jgの「利用者」が「降車後に周囲の安全を確認して運転操作盤11の安全確認ボタンを押」す処理、甲1Jjの「入出庫口9の扉10を閉じる」処理を実施する。
(c)甲2~甲6、甲8~甲11に記載される事項を考慮して
本件発明6との相違点6-2について、上記イ(イ)a(c)~(e)及び(g)に示したのと同様の理由から、甲2~甲6及び甲8~甲11に記載される事項は、甲1発明において、上記相違点7-2に係る本件発明7の構成をとることを示唆するものではない。
(d)甲7に記載される事項を考慮して
甲7には、上記1(7)ウに認定した甲7発明が記載されている。
甲7発明は、「出庫操作」において、「無人確認ボタンSB2を押すこと」である「2回目の安全確認操作」に先立ち、「第2の認証」として「操作盤22」の「操作画面45への暗証番号の入力」を行う構成を有している。
また、甲7発明は、「操作の流れのいずれかの時点で、センサ30により乗入室7内のエラー状況が検知された場合には、・・・操作画面45は戻され、・・・再び操作をやり直す」構成を有している。
そして申立人は、令和5年11月6日提出の意見書において、請求項4についての主張としてではあるが、甲7発明において「第2の認証」として「操作盤22」の「操作画面45への暗証番号の入力」を行う構成は、操作盤22が乗入室7の外にあることから、「利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付ける出庫完了受付工程」に相当し、甲7発明において「操作の流れのいずれかの時点で、センサ30により乗入室7内のエラー状況が検知された場合には、・・・操作画面45は戻され、・・・再び操作をやり直す」構成は、本件発明4等におけるエラー検知時の処理に相当するから、甲1発明に甲7発明の「第2の認証」以降の処理を適用することにより、本件発明4等における出庫時の処理は想到容易である旨を主張している(同意見書第12頁第14行-第13頁第15行)。
しかしながら、甲7発明は、先に「第1の認証」を「操作盤22」の「操作画面45」で行ったうえで、「第2の認証」を再度「操作盤22」の「操作画面45」で行うところ、甲1発明においては、出庫する際の最初の認証は「携帯端末40」を用いて行われ(甲1Ja)ているから、甲1発明と甲7発明とは「認証」に関する前提が異なる。
また、甲7発明において、「操作の流れのいずれかの時点で、センサ30により乗入室7内のエラー状況が検知された場合」について、上記1(7)イ(ケ)に指摘したように、いずれの時点でエラーが検知されるといずれの時点に戻るのか明確に認定できないところ、甲1発明において甲7発明における「第2の認証」以降の処理を組み合わせ、かつ、当該「第2の認証」の後の「2回目の安全確認操作」である「無人確認ボタンSB2」を押したときに「機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき」に、「3回目の安全確認操作」である「閉扉ボタンSB3を押すこと」を受付け、「閉扉ボタンSB3を押すこと」を受付けたときに「機械センサにより機械の安全が確認できない」ときにはに「2回目の安全確認操作」である「無人確認ボタンSB2」を押すことに戻ることとして、上記(b)i~iiiの変更を重ねることは、本件発明7に接したうえでの後知恵であって、本件発明7に接することなく当業者が容易に想到できたこととはいえない。
したがって、甲7発明を含む、甲7に記載される事項を考慮しても、甲1発明において、上記相違点7-2に係る本件発明7の構成とすることは、当業者にとって想到容易とはいえない。
(e)甲2~甲11に記載される事項をあわせて考慮して
上記(c)及び(d)のとおりであるから、甲2ないし甲11に記載される事項をあわせて考慮しても、甲1発明において、上記相違点7-2に係る本件発明7の構成とすることは、当業者にとって想到容易ではない。
b 本件発明7の容易想到性について
上記aのとおり、上記相違点7-2に係る構成が想到容易でないから、その余の相違点7-1について判断するまでもなく、本件発明7は、甲1発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明できたものではない。
(ウ)申立人の意見書における主張について
申立人の意見書における主張については、上記イ(ウ)に指摘したのと同様である。
したがって、上記申立人の主張を考慮しても、本件発明7の進歩性について、上記(イ)の判断を変更すべき事情はない。
エ 本件発明10及び本件発明11について
本件発明10及び本件発明11は、本件発明8の構成を全て有し、さらに構成を付加したものである。
そして、本件発明10及び本件発明11が有する本件発明8の構成について、上記1(4)に示したとおり、甲1システム発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明できたものではない。
したがって、本件発明10及び本件発明11において付加された構成について対比・判断するまでもなく、本件発明10及び本件発明11は、甲1システム発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明できたものではない。
オ 本件発明13について
(ア) 対比
本件発明13は、本件発明8において、車両を入庫させる際の「入庫誘導機能」に係る構成8H、「機能表示」に係る構成8M、及び車両を入庫させる際に「機械センサ」による確認ができないときの処理に関する構成8Nを省き、「出庫要求受付機能」に係る構成13F、「出庫完了受付機能」に係る構成13J、車両を出庫させる際の機能の実現順序に係る構成13N、及び車両を出庫させる際に「機械センサ」による確認ができないときの処理に関する構成13Oを追加したものである。
本件発明13における構成13F、構成13J、構成13N及び構成13Oは、本件発明6に係る「駐車場の運用方法」における構成6C、構成6F、構成6J及び構成6Kに、それぞれ対応する。
本件発明8と甲1システム発明との対比、及び、本件発明6と甲1発明との対比を踏まえると、本件発明13と甲1システム発明とは、次の点で一致する。
「複数の操作者に各々に対応する複数の車両を各々に駐車させる駐車システムであって、
車両を駐車空間と入出庫扉を設けられる入出庫空間との間で移動できる駐車機構と、
前記駐車機構を制御する制御機構と、
を備え、
前記制御機構が、
利用者から車両を入庫させる要求を受け付ける入庫要求受付機能と、
利用者から車両を出庫させる要求を受け付ける出庫要求受付機能と、
車両を入庫または出庫させるために利用者が乗る車両を載せる車両支持構造を入出庫空間に位置させる車両支持構造呼び出し機能と、
前記入出庫扉の状態を閉状態から開状態に変化させる扉開機能と、
利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示す入庫確認機能と、
利用者から利用者が入出庫空間の安全を確認して入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付ける安全確認受付機能と、
入出庫扉の状態を開状態から閉状態に変化させる扉閉機能と、
を実現でき、
車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付機能と前記車両支持構造呼び出し機能と前記扉開機能と前記入庫確認機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現し、
車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付機能と前記扉開機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する、
駐車システム。」
そして、本件発明13と甲1システム発明とは、以下の点で相違する。
〔相違点13-1〕
「入庫確認受付機能」に関し、
本件発明13においては、構成13Iに「車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける」ことが特定されているのに対し、
甲1システム発明においては、甲1Ihで行う「注意事項W4」の「表示」に対して、車両を降りた利用者から「注意事項W4」を確認したことを証する宣言を受け付けていない点。
〔相違点13-2〕
本件発明13においては、車両を出庫させる際に、構成13Hの「扉開機能」より後、構成13Kの「安全確認受付機能」より前に、構成13Jの「利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付ける出庫完了受付機能」を有するとともに、構成13Oより、「車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付機能と前記扉開機能と前記出庫完了受付機能とを順に実行して利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付けると、機械センサにより車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認しようとし、機械センサが車両が入出庫扉を通過して外に出たことを確認できないとき、利用者に注意を促し、前記出庫完了受付機能と前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する」のに対し、
甲1システム発明においては、車両を出庫させる際に、甲1Jeで「利用者は、・・・降車後に周囲の安全を確認して運転操作盤11の安全確認ボタンを押」すより前に、本件発明13の構成13Jに相当する「出庫完了受付機能」を有さず、本件発明13の構成13Oに相当する処理も行われない点。
(イ)判断
事案に鑑み、上記相違点13-2から、判断する。
上記相違点13-2は、本件発明6と甲1発明との相違点6-2と同じである。
そして、上記相違点6-2について上記イ(イ)aにおいて判断したのと同じ理由で、甲1システム発明において、上記相違点13-2に係る本件発明13の構成とすることは、甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者にとって想到容易ではない。
したがって、その余の相違点13-1について判断するまでもなく、本件発明13は、甲1システム発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明できたものではない。
カ 本件発明14について
(ア)対比
本件発明14は、本件発明13において、車両を出庫させる際に「機械センサ」による確認ができないときの処理に関する構成13Oに代えて、構成14Oを採用したものである。
本件発明14における構成14Oは、本件発明7に係る「駐車場の運用方法」における構成7Kに、対応する。
本件発明13と甲1システム発明との対比、及び、本件発明7と甲1発明との対比を踏まえると、本件発明14と甲1システム発明とは、以下の相違点14-1及び相違点14-2で相違し、その余の点で一致する。
〔相違点14-1〕
「入庫確認受付機能」に関し、
本件発明14においては、構成14Iに「車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける」ことが特定されているのに対し、
甲1システム発明においては、甲1Ihで行う「注意事項W4」の「表示」に対して、車両を降りた利用者から「注意事項W4」を確認したことを証する宣言を受け付けていない点。
〔相違点14-2〕
本件発明14においては、車両を出庫させる際に、構成14Hの「扉開機能」より後、構成14Kの「安全確認受付機能」より前に、構成14Jの「利用者から利用者が入出庫空間に一旦入った後で入出庫空間にある車両に乗って入出庫扉から外に出て入出庫空間の外にいることを証する宣言を受け付ける出庫完了受付機能」を有するとともに、構成14Oより、「車両を出庫させる際に、前記出庫要求受付機能と前記扉開機能と前記出庫完了受付機能と前記安全確認受付機能とを順に実現して利用者から入出庫空間が安全であることを証する宣言を受け付たとき機械センサによる入出庫空間の安全確認をし、機械センサによる安全確認ができたとき、扉閉要求を受付け、扉閉要求を受け付けたとき機械センサにより機械の安全が確認できないとき、利用者に注意を促して前記安全確認受付機能と前記扉閉機能とを順に実現する」のに対し、
甲1システム発明においては、車両を出庫させる際に、甲1Jeで「利用者は、・・・降車後に周囲の安全を確認して運転操作盤11の安全確認ボタンを押」すより前に、本件発明14の構成14Jに相当する「出庫完了受付機能」を有さず、本件発明14の構成14Oに相当する処理も行われない点。
(イ)判断
事案に鑑み、上記相違点14-2から、判断する。
上記相違点14-2は、本件発明7と甲1発明との相違点7-2と同じである。
そして、上記相違点7-2について上記ウ(イ)aにおいて判断したのと同じ理由で、甲1システム発明において、上記相違点14-2に係る本件発明14の構成とすることは、甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者にとって想到容易ではない。
したがって、その余の相違点14-1について判断するまでもなく、本件発明14は、甲1システム発明において、たとえ甲2ないし甲11に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明できたものではない。
(2)明確性要件違反に係る特許異議申立理由2について
申立人は申立書において、本件特許の請求項1~4及び請求項8~11に係る発明は、明確でないとする、特許異議申立理由2を、申立てている。
ア 特許異議申立理由2の具体的内容
特許異議申立理由2の具体的内容は、本件発明1の構成1Jにおいて、「機械センサ」によって実行される「車両が入庫した入出庫空間が正常であるか否かの確認」について、明細書の段落【0110】に記載される「機械センサチェック工程S56e」を意味すると推認されるが、使用するセンサが段落【0108】に記載される「機械センサチェック工程S46e」で使用される機械センサと同一のセンサであるか否か不明であり、実際にどのような確認をどのような機械センサを用いて行うのか不明であるから、本件発明1-4、及び、同様の構成を有する本件発明8-11は不明確である、というものである(申立書第46頁-第47頁の「エ 記載不備の理由」)。
イ 具体的内容についての判断
(ア)判断基準
特許法36条6項2号の趣旨は、特許請求の範囲に記載された発明が明確でない場合に、特許が付与された発明の技術的範囲が不明確となることにより生じ得る第三者の不測の不利益を防止することにある。そこで、特許を受けようとする発明が明確であるか否かは、特許請求の範囲の記載のみならず、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。
(イ)判断基準に基づく判断
上記(ア)の判断基準に基づいて、判断する。
a 本件発明1の構成1J
本件発明1の構成1Jについて、請求項1の記載は、次のとおりである。
「車両を入庫させる際に、前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程を順に実行して車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付たとき機械センサにより車両が入庫した入出庫空間が正常であるか否かの確認をし、機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき、利用者にその旨を通知して、前記工程表示を実行中の工程が前記入庫誘導工程であることを示す表示にした後で前記入庫確認受付工程と前記安全確認受付工程と前記扉閉工程とを順に実行する」
b 本件明細書の記載
本件明細書の段落【0107】-【0111】の記載は、次のとおりである。
「【0107】
(入庫誘導工程S45e)
入庫誘導工程S45eを実行する。
車両を入出庫空間122に誘導する。
「お車を入れてください、駐車後、入庫表示灯が「停止」になっていることを確認ください」メッセージを表示し、「停車完了」ボタンが押されるのを待つ。
車両が入出庫扉を通過して入出庫空間に入り、車両支持構造に乗る。
「停車完了」ボタンが押されると、次の機械センサチェック工程S46eを実行する。
【0108】
(機械センサチェック工程S46e)
機械センサチェック工程S46eを実行する。
車両が車両支持構造体に適正な姿勢と位置で停止していることを機械センサによりチェックする。
車両が入庫車両支持構造体に適正な姿勢と位置で停止していることを確認すると、次の入庫確認受付工程S55eを実行する。
【0109】
(入庫確認受付工程S55e)
入庫確認受付工程S55eを実行する。
利用者に利用者が車両を入庫させるために入出庫空間に入ったときに注意すべき注意事項を示して、車両を降りた利用者から注意事項を確認したことを証する宣言を受け付ける。
例えば、「入庫確認を行ってください」メッセージを表示し、注意事項として、
「ドアミラーをたたみましたか?」
「駐車場ブレーキをかけましたか?」
「ドアをロックしましたか?」
「ハッチバックはあいていませんか?」
「忘れ物はありませんか?」
「庫内から退出しましたか?」をチェックボックスとともに表示する。
全てのチェックボッックスにチェックを入れると、「入庫確認」ボタンを押すことが出来る。
「入庫確認」ボタンが押されるのを待つ。
「入庫確認」ボタンが押されると、次の機械センサチェック工程S56eを実行する。
【0110】
(機械センサチェック工程S56e)
機械センサチェック工程S56eを実行する。
車両が入庫した駐車空間が正常であることを、機械センサによりチェックする。
機械センサにより、車両が入庫した駐車空間が正常であることを確認すると、安全確認受付工程S60を実行する。」
c 検討
本件発明1の構成1Jを特定する、請求項1の記載より、構成1Jにおける「機械センサ」による「確認」は、「入庫確認受付工程を順に実行して車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付たとき」に行われるから、実行のタイミングとして、「入庫確認受付工程S55e」より前に行われる段落【0108】の「機械センサチェック工程S46e」に対応するのではなく、「入庫確認受付工程S55e」より後に行われる段落【0110】の「機械センサチェック工程S56e」に対応すると、理解される。
また、構成1Jにおける「機械センサ」による「確認」は、請求項1の記載より、「車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付たとき」に「機械センサにより車両が入庫した入出庫空間が正常であるか否かの確認を」するものであるから、段落【0108】に記載される「機械センサチェック工程S46e」で使用する機械センサと同一のセンサを用いるか否か、及び、同「機械センサチェック工程S46e」に記載される「車両が車両支持構造体に適正な姿勢と位置で停止していること」の確認を含んでいるか否かは、構成1Jにおいて特定されていないことが明らかである。
そして、構成1Jにおける「機械センサ」による「確認」の内容について、「車両が入庫した入出庫空間が正常であるか否かの確認」という請求項1の特定は、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確なものではない。
したがって、本件発明1は、上記アで申立人が申立てる点について、発明が不明確なものではない。
本件発明2-4及び本件発明8-11についても、同様である。
4 本件訂正により生じたと主張される記載不備について
(1)明確性要件違反について
ア 申立人の具体的主張
申立人は、令和6年8月5日提出の意見書において、本件発明1は、本件訂正がされた構成1Jにより、「前記入庫要求受付工程と前記扉開工程と前記入庫誘導工程と前記入庫確認受付工程を順に実行して車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付たとき」に「機械センサにより車両が入庫した入出庫空間が正常であるか否かの確認」をし、「機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき」に「前記工程表示を実行中の工程が前記入庫誘導工程であることを示す表示にした後で前記安全確認受付工程前記扉閉工程とを順に実行する」ところ、「入庫確認受付工程」の後の「機械センサ」による「確認」の段階では、実際には車両が入庫されており「入庫誘導工程」ではないことが明らかである旨を主張している。
そして、本件訂正後の構成1Jにおいて、実際には「入庫誘導工程」ではないことが明らかであるにもかかわらず、「工程表示」を「入庫誘導工程」とすることは、技術的意義が不明であるから、本件発明1は訂正により特許法36条6項2号の規定を満たさないものとなった旨を主張している。
また、本件発明1の構成を有する本件発明2-4、及び、同様の訂正が行われた本件発明5、8-12についても、同様である旨を、主張している(同意見書第2頁-第3頁「(2)記載不備(特許法第36条第6項第1号及び2号)」)。
イ 具体的内容についての判断
(ア)判断基準
明確性要件の判断基準は、上記2(2)イ(ア)に示したとおりである。
(イ)判断基準に基づく判断
上記(ア)の判断基準に基づいて、判断する。
本件発明1の構成1Jにおいて、「・・・前記入庫確認受付工程を順に実行して車両を降りた利用者から前記注意事項を確認したことを証する宣言を受け付たとき機械センサにより車両が入庫した入出庫空間が正常であるか否かの確認をし、機械センサにより車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できないとき」に、「利用者にその旨を通知して、前記工程表示を実行中の工程が前記入庫誘導工程であることを示す表示にした後で前記入庫確認受付工程と・・・とを順に実行する」ことは、請求項1に記載される構成として、それ自体不明確なものではない。
また、本件発明1において、「入庫確認受付工程」に先立つ工程として特定されているのは、「入庫誘導工程」であるところ、構成1Jにおいて「入庫確認受付工程」の後の「機械チェック」で「車両が入庫した入出庫空間の正常が確認できない」旨を「通知」された「利用者」が、「正常が確認できない」「入出庫空間」の状況に応じて、単なる「注意事項」の「確認」にとどまらず、車両の位置調整等を行う場合もあることは、技術常識から明らかであることからすると、工程表示としては一度「入庫確認受付工程」に先立つ「入庫誘導工程であることを示す表示にした後」で、「入庫確認受付工程」以降の工程を順に実行することは、発明特定事項として矛盾するものではない。
そうすると、本件発明1の構成1Jは、上記アで申立人が主張する技術的意義について考慮しても、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確なものではない。
本件発明1の構成1Jを有する本件発明2-4、及び、本件発明1の構成1Jと同様または類似の構成を有する本件発明5及び本件発明8-12についても、同様である。
したがって、本件発明1-5及び本件発明8-12は、上記アで申立人が申立てる点で、本件訂正により特許法36条6項2号の規定に違反しているものではない。
(2)サポート要件違反について
ア 申立人の具体的主張
申立人は、令和6年8月5日提出の意見書において、上記(1)アの明確性要件違反に関する主張の見出しにおいて、「特許法第36条第6項第1号」とも記載しており、本件発明1-5及び本件発明8-12について、訂正により特許法36条6項1号の規定を満たさないものとなった旨も主張する趣旨と思われる(同意見書第2頁-第3頁「(2)記載不備(特許法第36条第6項第1号及び2号)」)。
イ 具体的主張についての当審の判断
(ア)判断基準
特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきである。
(イ)判断基準に基づく判断
上記(ア)の判断基準に基づいて、判断する。
本件明細書において、発明が解決しようとする課題は、段落【0009】の記載より、「車両を駐車させるのに便利な駐車場の運用方法と駐車システムとを提供しようとする」ことと認められる。
上記(1)で明確性要件について判断したように、本件発明1の構成1Jは、本件訂正により特段の矛盾や不合理を生じているものではないから、本件発明1について、本件訂正で構成1Jが訂正されたことに依拠して、上記課題を解決できると認識できる範囲のものではなくなるような事情はない。
そして、本件発明1の構成全体を考慮しても、本件発明1について、上記課題を解決できると認識できる範囲のものではないと判断すべき事情はない。
本件発明2-5及び本件発明8-12についても、同様である。
したがって、本件発明1-5及び本件発明8-12は、上記アで申立人が申立てる点で、本件訂正により特許法36条6項1号の規定に違反しているものではない。
第6 むすび
以上のとおり、本件発明1ないし14に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、取り消すことができない。
また、他に本件発明1ないし14に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-700646