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特許異議申立

2022-700642

光ファイバフィードスルー

審判番号
2022-700642
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-151887
登録番号
6995384
請求日
2022年07月14日
審決日
2023年05月26日
公報発行日
2023年08月25日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】湖北工業株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人プロスペック特許事務所
  • 【異議申立人】家田 亘久
審判長/審判官
  • 審判長 山村 浩
  • 審判官 金高 敏康
  • 審判官 吉野 三寛
分類
P1651.113-YAA(G02B) / P1651.121-YAA(G02B) / P1651.537-YAA(G02B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第29条第2項
データ出所
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特許第6995384号発明「光ファイバフィードスルー」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6995384号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~10〕について訂正することを認める。 特許第6995384号の請求項1~10に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6995384号(以下「本件特許」という。)の請求項1~10に係る出願は、令和元年8月22日に出願され、令和3年12月17日にその特許権の設定登録がされ、令和4年1月14日に特許掲載公報が発行された。 本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和4年 7月14日 :特許異議申立人家田亘久 (以下「申立人」という。)による 請求項1~10に係る特許に対する 特許異議の申立て 令和4年10月17日付け :取消理由通知書 令和4年12月19日 :特許権者による意見書及び 訂正請求書の提出 令和5年 3月30日 :申立人による意見書の提出 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 令和4年12月19日付け訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)は、次のとおりである(下線部が訂正箇所である)。 なお、本件訂正は、一群の請求項である訂正後の請求項〔1~10〕について請求されている。また、明細書に係る訂正は、一群の請求項である訂正後の請求項〔1~10〕について請求されている。 (1)訂正事項1 ア 訂正事項1-1 請求項1の5段落目に「前記光ファイバ(50)は前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)および前記弾性チューブ(30)に挿通可能であり、」とあるのを「前記光ファイバ(50)は前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)および前記弾性チューブ(30)の貫通孔(31)に挿通されて、前記スリーブ(20)の前記第一方向側の前記端部、および、前記弾性チューブ(30)の前記突出部(33)の端部からそれぞれ延出しており、」に訂正する。 請求項1の記載を直接的にまたは間接的に引用する請求項2~10においても同様に訂正する。 イ 訂正事項1-2 請求項1の6段落目に「前記弾性チューブ(30)の外周面と前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)の内周面とが接着剤(40)にて固定されている、」とあるのを「前記弾性チューブ(30)の外周面と前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)の内周面とが接着剤(40)にて固定されており、」に訂正し、その後に7段落目として「前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)は、前記軸線方向に沿って、第一の部分(22)と、前記第一の部分(22)に対して前記第一方向側に位置している第二の部分(23)と、を有しており、」を新たに追加する。 請求項1の記載を直接的にまたは間接的に引用する請求項2~10においても同様に訂正する。 ウ 訂正事項1-3 請求項1の8段落目に「前記第一の部分(22)のうち前記弾性チューブ(30)の前記挿入部(32)が配置されていない部分である挿入部非配置部分には、前記光ファイバ(30)のうち被覆材(51)が除去されている部分である被覆材除去部分が前記軸線方向における少なくとも一部に配置されており、」を新たに追加する。 請求項1の記載を直接的にまたは間接的に引用する請求項2~10においても同様に訂正する。 エ 訂正事項1-4 請求項1の9段落目に「前記挿入部非配置部分の内部には、前記接着剤(40)が少なくとも前記被覆材除去部分を覆うように充填されており、」を新たに追加する。 請求項1の記載を直接的にまたは間接的に引用する請求項2~10においても同様に訂正する。 オ 訂正事項1-5 請求項1の10段落目に「前記第二の部分(23)の内部には、前記接着剤(40)とは異なる封止材(41)が前記光ファイバ(50)を覆うように充填されている、」を新たに追加する。 請求項1の記載を直接的にまたは間接的に引用する請求項2~10においても同様に訂正する。 (2)訂正事項2 ア 訂正事項2-1 請求項2の2段落目に「前記光ファイバ(50)の曲がり変形部の曲率半径が、前記光ファイバ(50)の曲げ損失の規格上限値に対応した曲率半径以上となるように形成されている、」とあるのを、「前記光ファイバ(50)の曲がり変形部の曲率半径が、前記光ファイバ(50)の曲げ損失の規格上限値に対応した曲率半径以上となるように形成されており、」と訂正し、その後に3段落目として「前記光ファイバ(50)のうち、前記スリーブ(20)の前記第一方向側の前記端部、および、前記弾性チューブ(30)の前記突出部(33)の端部からそれぞれ延出している部分の前記軸線方向における少なくとも一部は被覆材(51)で覆われており、」を新たに追加する。 請求項2の記載を直接的にまたは間接的に引用する請求項3~10においても同様に訂正する。 イ 訂正事項2-2 請求項2の4段落目に「前記第二の部分(23)の内部には、前記被覆除去部分が、前記封止材(41)に覆われるように配置されており、」を新たに追加する。 請求項2の記載を直接的にまたは間接的に引用する請求項3~10においても同様に訂正する。 ウ 訂正事項2-3 請求項2の5段落目に「前記封止部材(41)は、ガラスまたははんだである、」を新たに追加する。 請求項2の記載を直接的にまたは間接的に引用する請求項3~10においても同様に訂正する。 (3)訂正事項3 請求項3の2段落目に「前記光ファイバ(50)に同じ曲げ荷重が作用して前記光ファイバ(50)が曲がり変形した場合のその曲がり変形部の曲率半径よりも大きい、」とあるのを、「前記光ファイバ(50)に同じ曲げ荷重が作用して前記光ファイバ(50)が曲がり変形した場合のその曲がり変形部の曲率半径よりも大きく、」と訂正し、その後に3段落目として「前記第二の部分(23)は、前記大径部(24)と前記第一の部分(22)との間に位置しており且つ前記大径部(24)および前記第一の部分(22)よりも小さい内径を有する小径部(25)と、を含んでいる、」を新たに追加する。 請求項3の記載を直接的にまたは間接的に引用する請求項4~10においても同様に訂正する。 (4)訂正事項4 請求項10に「前記弾性チューブ(30)の貫通孔(31)の内部に充填されている接着剤(40)は、前記弾性チューブ(30)の前記挿入部(32)の外周面と前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)の内周面との間に充填されている前記接着剤(40)と共通である、」とあるのを、「前記弾性チューブ(30)の貫通孔(31)の内部に充填されている接着剤(40)は、前記弾性チューブ(30)の前記挿入部(32)の外周面と前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)の内周面との間に充填されている前記接着剤(40)と、材料において共通である、」と訂正する。 (5)訂正事項5 ア 訂正事項5-1 明細書の【0007】の6段落目に「前記光ファイバ(50)は前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)および前記弾性チューブ(30)に挿通可能であり、」とあるのを「前記光ファイバ(50)は前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)および前記弾性チューブ(30)の貫通孔(31)に挿通されて、前記スリーブ(20)の前記第一方向側の前記端部、および、前記弾性チューブ(30)の前記突出部(33)の端部からそれぞれ延出しており、」に訂正する。 イ 訂正事項5-2 明細書の【0007】の7段落目に「前記弾性チューブ(30)の外周面と前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)の内周面とが接着剤(40)にて固定されている、」とあるのを「前記弾性チューブ(30)の外周面と前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)の内周面とが接着剤(40)にて固定されており、」に訂正し、その後に8段落目として「前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)は、前記軸線方向に沿って、第一の部分(22)と、前記第一の部分(22)に対して前記第一方向側に位置している第二の部分(23)と、を有しており、」を新たに追加する。 ウ 訂正事項5-3 明細書の【0007】の9段落目に「前記第一の部分(22)のうち前記弾性チューブ(30)の前記挿入部(32)が配置されていない部分である挿入部非配置部分には、前記光ファイバ(30)のうち被覆材(51)が除去されている部分である被覆材除去部分が前記軸線方向における少なくとも一部に配置されており、」を新たに追加する。 エ 訂正事項5-4 明細書の【0007】の10段落目に「前記挿入部非配置部分の内部には、前記接着剤(40)が少なくとも前記被覆材除去部分を覆うように充填されており、」を新たに追加する。 オ 訂正事項5-5 明細書の【0007】の11段落目に「前記第二の部分(23)の内部には、前記接着剤(40)とは異なる封止材(41)が前記光ファイバ(50)を覆うように充填されている、」を新たに追加する。 2 訂正要件の判断 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的 訂正事項1は、本件訂正前の請求項1に対して、次の内容からなるものである。 (ア)本件訂正前の請求項1における「光ファイバ(50)」について、「弾性チューブ(30)の貫通孔(31)に挿通され」るとともに「スリーブ(20)」の2つの「端部」それぞれから「延出」したものに限定すること。(訂正事項1-1) (イ)本件訂正前の請求項1における「スリーブ(20)」の「貫通孔(21)」について、「軸線方向に沿って、第一の部分(22)と、前記第一の部分(22)に対して前記第一方向側に位置している第二の部分(23)」を有するものに限定すること。(訂正事項1-2) (ウ)上記(イ)の訂正内容により追加された「第一の部分(22)」について、「弾性チューブ(30)の挿入部(32)が配置されていない部分である挿入部非配置部分」を有し、当該「挿入部非配置部分」には、「光ファイバ(30)のうち被覆材(51)が除去されている部分である被覆材除去部分が前記軸線方向における少なくとも一部に配置」したものに限定すること。(訂正事項1-3) (エ)上記(ウ)の訂正内容により追加された「挿入部非配置部分」について、「内部には、前記接着剤(40)が少なくとも被覆材除去部分を覆うように充填」したものに限定すること。(訂正事項1-4) (オ)上記(イ)の訂正内容により追加された「第二の部分(23)」について、「内部には、前記接着剤(40)とは異なる封止材(41)が前記光ファイバ(50)を覆うように充填」したものに限定すること。(訂正事項1-5) (カ)上記(ア)~(オ)から、訂正事項1による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。 イ 新規事項追加の有無 (ア)上記ア(ア)について 本件特許の願書に添付した特許登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)の【0018】には、「弾性チューブ30の貫通孔31とスリーブ20の貫通孔21には、光ファイバ50が挿通されている。」と記載されており、また、図1,2,5及び8には、「前記光ファイバ(50)は前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)および前記弾性チューブ(30)の貫通孔(31)に挿通されて、前記スリーブ(20)の前記第一方向側の前記端部、および、前記弾性チューブ(30)の前記突出部(33)の端部からそれぞれ延出」する形態が見て取れる。 よって、上記ア(ア)の点は、新規事項を追加するものではない。 (イ)上記ア(イ)について 本件特許明細書等の【0014】には、「スリーブ20の貫通孔21は、第一の部分22と第二の部分23とを有している。第一の部分22は、貫通孔21の外側端部側に設けられる。第一の部分22は、弾性チューブ30が挿入される部分であり、弾性チューブ30の外径よりも大きい内径を有している。第二の部分23は、貫通孔21の軸線方向の他方の端部側(パッケージ60の内部側に位置する側)に設けられる。」と記載されている。 よって、上記ア(イ)の点は、新規事項を追加するものではない。 (ウ)上記ア(ウ)について 本件特許明細書等の【0018】には、「光ファイバ50のうちのスリーブ20の貫通孔21の第一の部分22の内部に位置し、かつ、弾性チューブ30から突出している部分については、弾性チューブ30に近い側の一部の被覆材51が除去されずに残されており、第二の部分23に近い側の残りの部分の被覆材51が除去されている。つまり、光ファイバ50のうち、スリーブ20の第二の部分23の内部に位置する部分及び、その部分から連続してスリーブ20の第一の部分22の内部の途中まで延びる部分について、被覆材51が除去され、それ以外の部分については被覆材51が除去されずに残されている。」と記載されている。 よって、上記ア(ウ)の点は、新規事項を追加するものではない。 (エ)上記ア(エ)について 本件特許明細書等の【0020】には、「スリーブ20の貫通孔21の第一の部分22の内部には、弾性チューブ30の挿入部32が存在していない部分にも接着剤40が充填されている。これにより、スリーブ20の貫通孔21の第一の部分22において、弾性チューブ30の挿入部32から突出している光ファイバ50およびその被覆材51と、スリーブ20の貫通孔21の第一の部分22の内周面とが、接着剤40により固定される。」と記載されている。 よって、上記ア(エ)の点は、新規事項を追加するものではない。 (オ)上記ア(オ)について 本件特許明細書等の【0014】には、「第二の部分23は、ガラス41が充填される部分である。」と記載されており、【0018】には、「なお、接着剤40およびガラス41は特に限定されるものではなく、従来公知の各種接着剤および各種ガラスが適用でき、ガラスに代えてはんだを使用することもできる。」と記載されている。 よって、上記ア(オ)の点は、新規事項を追加するものではない。 ウ 特許請求の範囲の実質拡張変更の有無 上記ア(ア)~(オ)に係る訂正は、上記ア及びイにも照らせば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 エ 訂正事項1の小括 よって、訂正事項1は、訂正要件を満たす。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的 訂正事項2は、本件訂正前の請求項2に対して、次の内容からなるものである。 (ア)本件訂正前の請求項2における「光ファイバ(50)」について、「スリーブ(20)の第一方向側の前記端部、および、弾性チューブ(30)の突出部(33)の端部からそれぞれ延出している部分の軸線方向における少なくとも一部は被覆材(51)で覆われて」いるものに限定すること。(訂正事項2-1) (イ)上記(1)ア(イ)の訂正内容により請求項1に追加された「第二の部分(23)」について、「内部には、前記被覆除去部分が、前記封止材(41)に覆われるように配置」されるものに限定すること。(訂正事項2-2) (ウ)上記(1)ア(ウ)の訂正内容により請求項1に追加された「封止材(41)」について、「ガラスまたははんだ」であることに限定すること。(訂正事項2-3) (エ)上記(ア)~(ウ)から、訂正事項2による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。 イ 新規事項追加の有無 (ア)上記ア(ア)について 本件特許明細書等の【0018】には、「また、スリーブ20の貫通孔21の他方の端部、すなわちパッケージ60の内部側に位置する端部には接着剤40が盛られており、この接着剤40によって光ファイバ50の被覆材51がスリーブ20に接着されている。」と記載されている。また、図2及び5から、光ファイバ(50)のスリーブ(20)の第一方向側の端部及び弾性チューブ(30)の突出部(33)の端部からそれぞれ延出している部分は被覆材(51)で覆われていることが見て取れる。 よって、上記ア(ア)の点は、新規事項を追加するものではない。 (イ)上記ア(イ)について 本件特許明細書等の【0018】には、「また、光ファイバ50のうち、スリーブ20の貫通孔21の第二の部分23の内部に位置している部分については、被覆材51が除去されている。」と記載され、また、【0021】には「第二の部分23にはガラス41が充填されている。これにより、光ファイバ50がスリーブ20に固定されるとともに、光ファイバ50とスリーブ20の貫通孔21の第二の部分23の内周面との間の隙間が封止される。」と記載されている。また、図5から、光ファイバ(50)の第二の部分(23)に位置する部分において、被覆材(51)が除去された部分が封止材(41)に覆われていることが見て取れる。 よって、上記ア(イ)の点は、新規事項を追加するものではない。 (ウ)上記ア(ウ)について 本件特許明細書等の【0022】には、「なお、接着剤40およびガラス41は特に限定されるものではなく、従来公知の各種接着剤および各種ガラスが適用でき、ガラスに代えてはんだを使用することもできる。」と記載されている。 よって、上記ア(ウ)の点は、新規事項を追加するものではない。 ウ 特許請求の範囲の実質拡張変更の有無 上記ア(ア)~(ウ)に係る訂正は、上記ア及びイにも照らせば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 エ 訂正事項2の小括 よって、訂正事項2は、訂正要件を満たす。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的 訂正事項3は、訂正前の請求項3に対して、上記(2)ア(イ)の訂正内容により追加された「第二の部分(23)」について、「大径部(24)と第一の部分(22)との間に位置しており且つ大径部(24)および第一の部分(22)よりも小さい内径を有する小径部(25)と、を含んでいる」ことを限定するものである。 訂正事項3による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。 イ 新規事項追加の有無 本件特許明細書等の【0014】には、「本実施形態では、第二の部分23は、パッケージ60の内部側に位置する端部に設けられている大径部24と、大径部24と第一の部分22との間に設けられている小径部25とを有している。小径部25は、大径部24および第一の部分22よりも内径が小さい部分である。」と記載されている。 よって、上記アに係る訂正は、新規事項を追加するものではない。 ウ 特許請求の範囲の実質拡張変更の有無 上記アに係る訂正は、上記ア及びイにも照らせば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 エ 訂正事項3の小括 よって、訂正事項3は、訂正要件を満たす。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的 訂正事項4は、訂正前の請求項10の「弾性チューブ(30)の貫通孔(31)の内部に充填されている接着剤(40)」が「弾性チューブ(30)の挿入部(32)の外周面とスリーブ(20)の貫通孔(21)の内周面との間に充填されている接着剤(40)」と「共通」するとされていたところ、当該「共通」の文言がどのような観点において共通であるのかが明瞭でなかったのを、「材料において」共通であることを明瞭にするものである。 訂正事項4による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である。 イ 新規事項追加の有無 本件特許明細書等の【0019】には、「弾性チューブ30の挿入部32の外周面とスリーブ20の貫通孔21の第一の部分22の内周面との間には接着剤40が充填されている。・・・弾性チューブ30の貫通孔31の内部にも接着剤40が充填されている。」と記載されている。当該記載から、「弾性チューブ30の挿入部32の外周面とスリーブ20の貫通孔21の第一の部分22の内周面」と「弾性チューブ30の貫通孔31の内部」のそれぞれに充填されるものは、材料において共通する接着剤40であると解するのが自然である。 よって、上記アに係る訂正は、新規事項を追加するものではない。 ウ 特許請求の範囲の実質拡張変更の有無 上記アに係る訂正は、上記ア及びイにも照らせば、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 エ 訂正事項4の小括 よって、訂正事項4は、訂正要件を満たす。 (5)訂正事項5について 訂正事項5は、訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るため、明細書の【0007】において、訂正事項1と同じ訂正をおこなうものである。 そうすると、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (6)小括 よって、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 なお、訂正後の請求項1~10は、特許異議の申立てがなされた請求項であるから、当該各請求項についての訂正には、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する第126条第7項の独立特許要件は課されない。 3 訂正の適否についての判断の小括 以上のとおり、本件訂正は、訂正要件を満たす。 よって、本件特許の特許請求の範囲及び明細書を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲及び明細書のとおり、本件訂正後の請求項〔1~10〕について訂正することを認める。 第3 本件訂正発明 本件訂正後の請求項1~10に係る発明(以下、それぞれ、「本件訂正発明1」~「本件訂正発明10」という。)は、次のとおりのものである。 【本件訂正発明1】 気密封止されているパッケージ(60)の内部に収容されている素子と前記パッケージ(60)の外部に配置された任意のデバイスとの間で光ファイバ(50)を介して光通信を行うために前記パッケージ(60)に取り付け可能である光ファイバフィードスルー(1a,1b)であって、 筒状であり、軸線方向における一方の方向である第一方向側の端部と前記軸線方向における他方の方向である第二方向側の端部とを有し、前記第一方向側の端部が前記パッケージ(60)の内部側に位置し、前記第二方向側の端部が前記パッケージ(60)の外部側に位置するように前記パッケージ(60)に取り付け可能であるとともに、前記軸線方向に延び且つ前記パッケージ(60)の内部と外部とを連通可能な貫通孔(21)を有しているスリーブ(20)と、 前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)の両端部のうち前記第二方向側の端部である外側端部から前記貫通孔(21)の内部に入り込んでいる挿入部(32)と、前記外側端部から前記スリーブ(20)の外部に突出している突出部(33)と、を有している弾性チューブ(30)と、 を有しており、 前記光ファイバ(50)は前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)および前記弾性チューブ(30)の貫通孔(31)に挿通されて、前記スリーブ(20)の前記第一方向側の前記端部、および、前記弾性チューブ(30)の前記突出部(33)の端部からそれぞれ延出しており、 前記弾性チューブ(30)の外周面と前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)の内周面とが接着剤(40)にて固定されており、 前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)は、前記軸線方向に沿って、第一の部分(22)と、前記第一の部分(22)に対して前記第一方向側に位置している第二の部分(23)と、を有しており、 前記第一の部分(22)のうち前記弾性チューブ(30)の前記挿入部(32)が配置されていない部分である挿入部非配置部分には、前記光ファイバ(30)のうち被覆材(51)が除去されている部分である被覆材除去部分が前記軸線方向における少なくとも一部に配置されており、 前記挿入部非配置部分の内部には、前記接着剤(40)が少なくとも前記被覆材除去部分を覆うように充填されており、 前記第二の部分(23)の内部には、前記接着剤(40)とは異なる封止材(41)が前記光ファイバ(50)を覆うように充填されている、 光ファイバフィードスルー(1a,1b)。 【本件訂正発明2】 請求項1に記載の光ファイバフィードスルー(1a,1b)において、 前記弾性チューブ(30)は、前記光ファイバ(50)が挿通された状態でL字形に曲げられた場合、前記光ファイバ(50)の曲がり変形部の曲率半径が、前記光ファイバ(50)の曲げ損失の規格上限値に対応した曲率半径以上となるように形成されており、 前記光ファイバ(50)のうち、前記スリーブ(20)の前記第一方向側の前記端部、および、前記弾性チューブ(30)の前記突出部(33)の端部からそれぞれ延出している部分の前記軸線方向における少なくとも一部は被覆材(51)で覆われており、 前記第二の部分(23)の内部には、前記被覆除去部分が、前記封止材(41)に覆われるように配置されており、 前記封止部材(41)は、ガラスまたははんだである、 光ファイバフィードスルー(1a,1b)。 【本件訂正発明3】 請求項1または2に記載の光ファイバフィードスルー(1a,1b)において、 前記弾性チューブ(30)に曲げ荷重が作用して前記弾性チューブ(30)が曲がり変形した場合のその曲がり変形部の曲率半径は、前記光ファイバ(50)に同じ曲げ荷重が作用して前記光ファイバ(50)が曲がり変形した場合のその曲がり変形部の曲率半径よりも大きく、 前記第二の部分(23)は、前記大径部(24)と前記第一の部分(22)との間に位置しており且つ前記大径部(24)および前記第一の部分(22)よりも小さい内径を有する小径部(25)と、を含んでいる、 光ファイバフィードスルー(1a,1b)。 【本件訂正発明4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバフィードスルー(1a,1b)において、 前記弾性チューブ(30)の前記挿入部の長さは1mm以上であり、前記弾性チューブ(30)の前記突出部の長さは2mm以上である、 光ファイバフィードスルー(1a,1b)。 【本件訂正発明5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の光ファイバフィードスルー(1a,1b)において、 前記弾性チューブ(30)の軸線方向に直交する方向の厚さは0.2mm以上である、 光ファイバフィードスルー(1a,1b)。 【本件訂正発明6】 請求項1から5のいずれか1項に記載の光ファイバフィードスルー(1b)において、 前記光ファイバ(50)は、前記パッケージ(60)の外部から内部へ光信号を伝送する第一の光ファイバ(50a)と、前記パッケージ(60)の内部から外部へ光信号を伝送する第二の光ファイバ(50b)とを含む、 光ファイバフィードスルー(1b)。 【本件訂正発明7】 請求項1から6のいずれか1項に記載の光ファイバフィードスルー(1a,1b)において、 前記光ファイバ(50)は前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)および前記弾性チューブ(30)に挿通された状態で前記スリーブ(20)および前記弾性チューブ(30)に固定されており、 前記光ファイバ(50)が前記弾性チューブ(30)の前記突出部(33)の前記第二方向側の端部から延出している、 光ファイバフィードスルー(1a,1b)。 【本件訂正発明8】 請求項7に記載の光ファイバフィードスルー(1a,1b)において、 前記突出部(33)の前記第二方向側の前記端部から延出している前記光ファイバ(50)の軸線方向における長さは、前記突出部(33)の前記軸線方向における長さよりも長い、 光ファイバフィードスルー(1a,1b)。 【本件訂正発明9】 請求項1から8のいずれか1項に記載の光ファイバフィードスルー(1a,1b)において、 前記弾性チューブ(30)の前記挿入部(32)の外周面と前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)の内周面との間には、前記挿入部(32)の前記第一方向側の端部から前記第二方向側の端部まで全周に亘って共通の接着剤(40)が充填されている、 光ファイバフィードスルー(1a,1b)。 【本件訂正発明10】 請求項1から9のいずれか1項に記載の光ファイバフィードスルー(1a,1b)において、 前記弾性チューブ(30)の貫通孔(31)の内部に充填されている接着剤(40)は、前記弾性チューブ(30)の前記挿入部(32)の外周面と前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)の内周面との間に充填されている前記接着剤(40)と、材料において共通である、 光ファイバフィードスルー(1a,1b)。 第4 取消理由の概要並びに申立人が提出した証拠及び当審が引用した証拠 1 令和4年10月17日付け取消理由通知書(以下「取消理由通知書」という。)により特許権者に通知した取消しの理由の要旨は、以下のとおりである。なお、申立人により申し立てられた理由において、前記取消しの理由で採用されていないものはない。 (1)(明確性要件違反)本件訂正前の請求項10に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 (2)(新規性欠如)本件訂正前の請求項1~5、7~10に係る特許は、出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 (3)(進歩性欠如)本件訂正前の請求項1~10に係る特許は、出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、甲第1号証に記載された発明及び必要であれば周知技術に基づいて、又は、引用文献4に記載された発明及び甲第1号証に記載された技術的事項並びに必要であれば周知技術に基づいて、発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 2 申立人が提出した証拠及び当審が引用した証拠は、以下のとおりである。 甲第1号証:特開2016-200647号公報 甲第2号証:特開2014-112164号公報 甲第3号証:特開2008- 90232号公報 引用文献4:特開2005- 17743号公報 第5 当審の判断 1 明確性要件違反について 取消理由通知書は、訂正前の請求項10には、「前記弾性チューブ(30)の貫通孔(31)の内部に充填されている接着剤(40)は、前記弾性チューブ(30)の前記挿入部(32)の外周面と前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)の内周面との間に充填されている前記接着剤(40)と、共通である」と記載されているところ、前記「共通」とは何が共通するものを意味するのかが明確に把握できないことを説示したものである。 これに対し、本件訂正により前記「共通」は「材料において共通」に訂正されたことから、当該理由は解消した。 2 新規性欠如及び進歩性欠如について (1)甲第1号証~甲第3号証(以下「甲1」~「甲3」という。)及び引用文献4の記載事項 ア 甲1 取消理由で引用された甲1には、次の事項が記載されている。なお、下線は当合議体が付した。 (ア)「【請求項1】 胴体スリーブと、前記胴体スリーブの前端部内に固定されたキャピラリ状のフェルール本体と、前記フェルール本体に先端部が内挿固定され前記フェルール本体から後側へ延出された光ファイバと、前記光ファイバに外挿され前記胴体スリーブの内側に挿入された柔軟な保護チューブとを有し、 前記保護チューブは、前記胴体スリーブに接着固定された前側固定部と、前記前側固定部から前記胴体スリーブの後側へ延出する延出筒部とを有し、前記光ファイバは前記保護チューブの前記延出筒部の後端から延出され、 前記保護チューブは、曲げ強度15~25Mpa、外径が内径の2~4倍かつ肉厚が0.3mm以上であることを特徴とする光ファイバ付きフェルール。 ・・・(略)・・・ 【請求項4】 前記保護チューブは、熱可塑性ポリエステルエラストマーによって形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の光ファイバ付きフェルール。 【請求項5】 光部品が組み込まれたケースと、前記ケースに取り付けられた請求項1~4のいずれか1項に記載のファイバ付きフェルールとを有し、 前記ファイバ付きフェルールは、前記ケースに前記胴体スリーブの前端部を固定し、前記フェルール本体に内挿固定された前記光ファイバの先端を前記ケース内の前記光部品に対して光結合可能に配置して前記ケースに取り付けられていることを特徴とする光機器。」 「【0002】従来、光スイッチ、コヒーレント光通信、光ファイバジャイロや磁気センサなどの光ファイバセンサ等においては、光ファイバを固定するためにフェルールが用いられている。また、このフェルールを半導体レーザ(LD)を内蔵する光源モジュールに一体化することも広く行なわれている(例えば、特許文献1、2参照)。」 「【発明が解決しようとする課題】 【0006】 ところで、図3(a)に示す光ファイバ付きフェルールの場合、光ファイバ200の胴体スリーブ110後端に接着剤130によって接着固定された部分(以下、基端固定部230とも言う)からフェルール100後側に延出する部分240(以下、後側延出部とも言う)のフェルール100に対する曲げによって、後側延出部240の根元部、すなわち基端固定部230側の端部に応力が集中しやすい。このため、後側延出部240の根元部が基端固定部230に対して小さい曲げ半径(湾曲半径)で曲げられると、図3(b)に示すように後側延出部240根元部の、基端固定部230と基端固定部230を胴体スリーブ110に接着固定する接着剤130とで構成される接着固定部131との境界部(接着固定部131との際)に位置する被覆220に亀裂223(割れ)が生じることがある。 【0007】 本発明者は、後側延出部240の根元部の被覆220に亀裂223が形成されると、その箇所の光ファイバ200の強度(機械的強度)が局所的に低くなり、後側延出部240に曲げや捻回が与えられると亀裂形成箇所への応力集中により光ファイバ、光ファイバ付きフェルールの光特性に影響を与えやすくなることを把握した。例えば光ファイバ200(光ファイバ素線)として偏波保持光ファイバを採用した場合、光ファイバ200の後側延出部240の根元部の曲げによって被覆220に亀裂223が形成されると、光ファイバ200の後側延出部240の捻回や曲げが光ファイバ200の偏波角度や消光比に影響を与えやすくなる。」 「【0020】 以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。 図1は、本発明に係る1実施形態の光ファイバ付きフェルール11を含む光機器51の一例を示す。 なお、光ファイバ付きフェルール11及び光機器51について、図1において左側を前、右側を後として説明する。 【0021】 光機器51は、光部品61が組み込まれたケース62と、ケース62に固定されたフェルール支持部材63と、このフェルール支持部材63に組み立てられた光ファイバ付きフェルール11とを有する。 図1において光機器51は光源モジュールである。ケース62内の光部品61は具体的には半導体レーザ(LD)である。 なお、光機器51は、光源モジュールに限定されない。光機器51は、例えば、光部品61が受光素子(PD:フォトダイオード)である構成や、光部品が光ファイバである構成等も採用可能である。 【0022】 フェルール支持部材63は、フェルール挿入筒63aと、フェルール挿入筒63aの軸線方向一端部からフェルール挿入筒63aの軸線に垂直に張り出すフランジ部63bとを有する。フェルール支持部材63は、フランジ部63bをねじ止め等によってケース62に固定され、フェルール挿入筒63aをケース62から外側(図1において右側)へ突出させてケース62に取り付けられている。 また、フェルール支持部材63は、フェルール挿入筒63a内側を貫通する貫通孔(以下、フェルール挿入孔63c)を、ケース62に形成された窓孔62aに連通させてケース62に取り付けられている。」 「【0024】 胴体スリーブ21は、ステンレス等の金属製部材である。 図1に例示した光ファイバ付きフェルール11の胴体スリーブ21は円筒状に形成されている。 胴体スリーブ21は、フェルール支持部材63のフェルール挿入筒63a内側のフェルール挿入孔63cに挿入され、フェルール挿入筒63aに溶接して固定されている。なお、フェルール支持部材63は、胴体スリーブ21の溶接が可能な金属製部材である。」 「【0028】 図1に示すように、胴体スリーブ21の内側には、その前端から後側へ向かって延在するフェルール収容孔21dと、フェルール収容孔21dの後側にフェルール収容孔21dに比べて径小に形成されたファイバ挿通孔21eとが形成されている。ファイバ挿通孔21eは、フェルール収容孔21dの後端から後側へ向かって延在形成され、胴体スリーブ21後端(胴体スリーブ後端部21bの後端)に開口されている。また、ファイバ挿通孔21eの前端は、フェルール収容孔21d後端に連通されている。フェルール収容孔21dとファイバ挿通孔21eとは互いに同軸に形成されている。」 「【0032】 光ファイバ付きフェルール11の組み立て作業における、保護チューブ25の胴体スリーブ21への挿入、接着固定は、胴体スリーブ21のファイバ挿通孔21eに保護チューブ25を挿入して、ファイバ挿通孔21eに予め注入しておいた接着剤の固化によって接着固定する。 【0033】 接着剤を注入しておいたファイバ挿通孔21eへの保護チューブ25の挿入は、例えば光ファイバ23を内側に通した保護チューブ25のファイバ挿通孔21eへの挿入によって、ファイバ挿通孔21e内の接着剤をファイバ挿通孔21e後端から溢れさせる(図1に示す接着剤2)。これにより、保護チューブ25のファイバ挿通孔21eへの挿入長が充分な長さに到達したことを把握できる。また、ファイバ挿通孔21e内面と保護チューブ25との間に接着剤を充分に行き渡らせることになり、胴体スリーブ21に対する保護チューブ25の接着強度の確保の点でも好ましい。 【0034】 保護チューブ25は、その後端(延出筒部25c後端)から延出する光ファイバ23のサイドプル時に、胴体スリーブ21後端への光ファイバ23の直接当接を防ぐ。また、保護チューブ25は、光ファイバ23のサイドプル時に、光ファイバ23における保護チューブ25とともに胴体スリーブ21後端に押圧される箇所付近の曲げ半径を光ファイバ23の光伝送特性に影響を与えない大きさに保つ役割を果たす。」 (イ) 図1は、次のとおりである。 「【図1】 [図:0001400454000001.jpg] 」 (ウ)上記(ア)及び(イ)から、引用文献1には、次の技術的事項(以下「引用文献1に記載された技術的事項」という。)が記載されている。 a 図1によれば、光ファイバ23をケース62の内外で連通させるように当該光ファイバ23を当該ケース62の窓孔62aに固定させるための構造が見て取れる。 このことに、【0021】及び【0022】の記載を併せると、引用文献1には、光部品61が組み込まれたケース62に固定されたフェルール支持部材63に組み立てられた光ファイバ付きフェルール11を有する、光ファイバ23をケース62の内外で連通させるように当該光ファイバ23を当該ケース62の窓孔62aに固定するための光ファイバ支持構造が記載されていると認められる。 b 胴体スリーブ後端に接着剤によって接着固定された部分を有する光ファイバ23は、曲げによって、後側延出部の根元部、すなわち基端固定部側の端部に応力が集中しやすく、後側延出部の根元部が基端固定部に対して小さい曲げ半径(湾曲半径)で曲げられると、後側延出部根元部の、基端固定部と基端固定部を胴体スリーブに接着固定する接着剤とで構成される接着固定部との境界部(接着固定部との際)に位置する被覆に亀裂(割れ)が生じやすく、(【0006】)光ファイバの光特性に影響を与えやすくなる問題を有すること。(【0007】) c 光ファイバ23に外挿され胴体スリーブの内側に挿入された熱可塑性ポリエステルエラストマーからなる柔軟な保護チューブ(【請求項1】、【請求項4】)を用いることで、上記bの問題を解決しうること。(【0034】) d 図1から、ケース62に取り付けられた胴体スリーブ21が、ケース62の内部(図中ケース62よりも左側)に位置する部分と、ケース62の外部(図中ケース62よりも右側)に位置する部分と、を有していることが見て取れる。 (エ)上記(ア)及び(イ)から、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。(なお、参考までに、甲1発明の認定に用いた甲1の記載等に係る段落番号等を括弧内に付してある。) 「光部品61が組み込まれたケース62に固定されたフェルール支持部材63に組み立てられた光ファイバ付きフェルール11を有する、光ファイバ23をケース62の内外で連通させるように当該光ファイバ23をケース62に形成された窓孔62aに連通させてケース62に固定する光ファイバ支持構造であって、(上記(ウ)a) 前記光ファイバ付きフェルールは、 胴体スリーブと、前記胴体スリーブの前端部内に固定されたキャピラリ状のフェルール本体と、前記フェルール本体に先端部が内挿固定され前記フェルール本体から後側へ延出された光ファイバと、前記光ファイバに外挿され前記胴体スリーブの内側に挿入された柔軟な保護チューブとを有し、 前記保護チューブは、前記胴体スリーブに接着固定された前側固定部と、前記前側固定部から前記胴体スリーブの後側へ延出する延出筒部とを有し、前記光ファイバは前記保護チューブの前記延出筒部の後端から延出され、 前記保護チューブは、曲げ強度15~25Mpa、外径が内径の2~4倍かつ肉厚が0.3mm以上である光ファイバ付きフェルールであり、(【請求項1】) 前記保護チューブ25の前記胴体スリーブ21への挿入、接着固定は、胴体スリーブ21のファイバ挿通孔21eに保護チューブ25を挿入して、ファイバ挿通孔21eに予め注入しておいた接着剤の固化によって接着固定し(【0032】)、ファイバ挿通孔21e内面と保護チューブ25との間に接着剤を充分に行き渡らせ胴体スリーブ21に対する保護チューブ25の接着強度を確保し、(【0033】) 前記保護チューブは、熱可塑性ポリエステルエラストマーによって形成され、(【請求項4】) 前記光ファイバ付きフェルールは、光部品が組み込まれたケースに前記胴体スリーブの前端部を固定し、前記フェルール本体に内挿固定された前記光ファイバ23の先端を前記ケース内の前記光部品に対して光結合可能に配置して前記ケースに取り付けられているものであり、(【請求項5】) 前記胴体スリーブ25は円筒状に形成され、(【0024】) 前記胴体スリーブ25の内側には、その前端から後側へ向かって延在するフェルール収容孔21dと、フェルール収容孔21dの後側にフェルール収容孔21dに比べて径小に形成されたファイバ挿通孔21eとが形成され、 ファイバ挿通孔21eは、フェルール収容孔21dの後端から後側へ向かって延在形成され、胴体スリーブ21後端(胴体スリーブ後端部21bの後端)に開口され、(【0028】) 前記胴体スリーブ25は、ケース62に取り付けられた際に、ケース62の内部に位置する部分と、ケース62の外部に位置する部分と、を有し、(上記(ウ)e) 前記保護チューブ25は、光ファイバ23のサイドプル時に、光ファイバ23における保護チューブ25とともに胴体スリーブ21後端に押圧される箇所付近の曲げ半径を光ファイバ23の光伝送特性に影響を与えない大きさに保つ役割を果たすものであり、(【0034】) 前記光ファイバ支持構造は、コヒーレント光通信に用いられるものである、(【0002】) 光ファイバ支持構造。」 イ 甲2 取消理由で引用された甲2には、次の事項が記載されている。 (ア)「【請求項1】 複数のコアを有するマルチコアファイバと、複数のシングルコアファイバを含み、一方の端部において前記複数のシングルコアファイバがフェルールにより束ねられたファンアウトモジュールとの接続構造であって、 前記ファンアウトモジュールが前記一方の端部において、前記マルチコアファイバの前記複数のコアと前記複数のシングルコアファイバのコアとの間の隙間を埋める屈折率整合フィルムを介して前記マルチコアファイバに接続され、 前記マルチコアファイバ及び前記ファンアウトモジュールの接続端面が平坦である、光ファイバ接続構造。」 (イ)上記(ア)から、甲2には、次の技術的事項(以下「甲2に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 「複数のシングルコアファイバがフェルールにより束ねられるという技術的事項。」(【請求項1】) ウ 甲3 取消理由で引用された甲3には、次の事項が記載されている。 (ア)「【請求項1】 情報システム機器からの複数の電気信号を光信号に変換して複数本の送信用光ファイバに送信し、複数本の受信用光ファイバからの複数の光信号を受信すると共にこれを電気信号に変換して上記情報システム機器に伝送するための光送受信器において、 上記情報システム機器と電気的に接続する接続端子を有する回路基板と、 上記送受信用光ファイバに接続する光コネクタと、 上記回路基板に搭載され、上記回路基板からの電気信号を光信号に変換する発光素子を有する光送信アセンブリと、 その光送信アセンブリに一端が接続され、上記光コネクタに他端が接続される内部送信用テープファイバと、 上記光コネクタに一端が接続される内部受信用テープファイバと、 上記回路基板に搭載され、上記受信用光ファイバからの光信号を電気信号に変換する受光素子を有し、上記内部受信用テープファイバの他端が接続される光受信アセンブリと を備えたことを特徴とする光送受信器。」 (イ)上記(ア)から、甲3には、次の技術的事項(以下「甲3に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 「情報システム機器からの複数の電気信号を光信号に変換して複数本の送信用光ファイバに送信し、複数本の受信用光ファイバからの複数の光信号を受信すると共にこれを電気信号に変換して上記情報システム機器に伝送するための光送受信器。」(【請求項1】) エ 引用文献4 取消理由で引用された引用文献4には、次の事項が記載されている。 (ア)「【請求項1】 外壁に貫通穴を有するパッケージと、内部に、被覆を除去した光ファイバ裸線部分と被覆で覆われた光ファイバ芯線部分とからなる光ファイバを挿入した管部材で構成される光ファイバ導入部のパッケージ構造において、前記管部材の内壁と前記被覆を除去した光ファイバ部分との隙間は半田で固定されていて、前記管部材の内壁と前記光ファイバ芯線部分との隙間は接着剤を充填して固定されており、前記管部材と前記パッケージ外壁とはフラックス入り半田と接着剤で固定されていることを特徴とする光ファイバ導入部のパッケージ構造。」 「【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、光ファイバ導入部のパッケージ構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 通常、光モジュール製品は光ファイバを用いて外部と内部の光素子(例えば発光素子、受光素子、光スイッチ又は導波路)を光学的に結合する必要がある。この場合光ファイバはパッケージの外壁に穴を開けて内部の光素子と結合させる。 【0003】 光素子は一般的に外部から侵入する湿気、埃等に大変弱く動作異常又は信頼性を著しく損ねることがある。従ってパッケージを気密封止する事は必要不可欠の部分となる。」 「【0010】 【課題を解決するための手段】 前記目的を達成するための本発明の要旨は、少なくとも、外壁に貫通穴を有するパッケージと、内部に被覆を除去した光ファイバ裸線部分と被覆で覆われた光ファイバ芯線部分とからなる光ファイバを挿入した管部材で構成される光ファイバ導入部のパッケージ構造において、前記管部材の内壁と前記被覆を除去した光ファイバ裸線部分との隙間は半田で固定されていて、前記管部材の内壁と前記光ファイバ芯線部分との隙間は接着剤を充填して固定されている。更に管部材とパッケージ貫通穴とはフラックス入り半田で固定された光ファイバ導入部のパッケージ構造とする。」 「【0014】 まず本発明の構成を図1及び図2に基づいて説明する。図1に示す如く、1は光素子を納めるパッケージであり、2は被覆で覆われた光ファイバ芯線であり、3は光ファイバ芯線2と被覆を除去しAuコーティング9を施した光ファイバ裸線10で構成された光ファイバを内部に挿通させた管部材である。6はパッケージ1の外壁の一部を示し、貫通穴5が設けられている。また、前記貫通穴5の周辺にはパッケージ1の外部側から円形の凹部4が設けられている。 【0015】 前記管部材3は図3に示すように、光ファイバ芯線2と被覆を除去しAuコーティング9を施した光ファイバ裸線10で構成された光ファイバを内部に挿通させており、光ファイバ芯線2と管部材3の内部とは接着剤11にて固定されている。また、Auコーティング9を施した光ファイバ裸線10と管部材3の内部とは半田12にて固定されている。」 「【0017】 図2に示すようにパッケージ外壁6には円形凹部4とその中央に貫通穴5が設けられている。前記貫通穴5の中に前記管部材3を挿入する。」 (イ)図2及び図3は、次のとおりである。 「 [図:0001400454000002.jpg] [図:0001400454000003.jpg] 」 a 図2から、管部材3は、パッケージ外壁6の貫通穴5に取り付けられた際に、パッケージの内部に位置する部分と、パッケージの外部に位置する部分と、を有すること、及び、管部材3から光ファイバ芯線2及び光ファイバ裸線10のそれぞれが異なる端から延出していること、のが見て取れる。 b 図3から、光ファイバ芯線2は、管部材3の端部に接着剤11によって接着固定された部分を有すること、並びに、光ファイバ芯線2と管部材3及び接着剤11を有する光ファイバ導入部、が見て取れる。 (ウ)上記(ア)及び(イ)から、引用文献4には、次の発明(以下「引用発明4」という。)が記載されていると認められる。 「外壁に貫通穴を有するパッケージと、内部に、被覆を除去した光ファイバ裸線部分と被覆で覆われた光ファイバ芯線部分とからなる光ファイバを挿入した管部材で構成される光ファイバ導入部のパッケージ構造における光ファイバ導入部において、 前記管部材の内壁と前記被覆を除去した光ファイバ部分との隙間は半田で固定されていて、前記管部材の内壁と前記光ファイバ芯線部分との隙間は接着剤を充填して固定されており、前記管部材と前記パッケージ外壁とはフラックス入り半田と接着剤で固定されており、(【請求項1】) パッケージ外壁6に開けられた穴5を介して外部と内部の光素子を光ファイバにより光学的に結合するように、当該光ファイバを当該パッケージの穴に固定させるための光ファイバ導入部であって、(【0002】、【0014】、【0015】) 管部材3は、パッケージ外壁6に設けられた貫通穴5に挿入されており、(【0017】) 管部材3は、パッケージ外壁6の貫通穴5に取り付けられた際に、パッケージの内部に位置する部分と、パッケージの外部に位置する部分と、を有し、(上記(イ)a) パッケージは気密封止されており、(【0003】) 前記光ファイバ芯線2は、管部材3の端部に接着剤11によって接着固定された部分を有し、(上記(イ)b) 管部材3から光ファイバ芯線2及び光ファイバ裸線10のそれぞれが異なる端から延出している、(上記(イ)b) 光ファイバ導入部。」 (2)甲1発明を主引用発明とした対比・判断 ア 本件訂正発明1について (ア)本件訂正発明1と甲1発明との対比 a 本件訂正発明1の「気密封止されているパッケージの内部に収容されている素子と前記パッケージの外部に配置された任意のデバイスとの間で光ファイバを介して光通信を行うために前記パッケージに取り付け可能である光ファイバフィードスルーであって」との特定事項について (a) 甲1発明の「ケース62」、「光部品61」及び「光ファイバ23」は、それぞれ本件訂正発明1の「パッケージ」、「素子」及び「光ファイバ」に相当する。そして、甲1発明の「光部品61」は、「ケース62」に「組み込まれ」たものであるから、本件訂正発明1でいう「パッケージの内部に収容されている」といえる。 (b) 甲1発明の「光ファイバ支持構造」は「コヒーレント光通信に用いられるもの」であり、光通信において外部に配置された任意のデバイスと光通信することは当然行われることであるから、甲1発明は、本件訂正発明1の「前記パッケージの外部に配置された任意のデバイスとの間で光ファイバを介して光通信を行う」ことを満たしている。 (c) 甲1発明の「光ファイバ支持構造」は、「光ファイバ23をケース62の内外で連通させるように当該光ファイバ23をケース62に形成された窓孔62aに連通させてケース62に固定」するものであるから、本件訂正発明1の「光ファイバフィードスルー」とは、光ファイバ支持構造である点で一致する。 (d) 一方で、甲1発明は、「ケース62」が「気密封止」されていることが特定されておらず、そのため、甲1発明の「光ファイバ支持構造」が、気密封止を行うための「光ファイバフィードスルー」といえるものか定かではない。 (e) 上記(a)~(d)から、本件訂正発明1と甲1発明とは、「パッケージの内部に収容されている素子と前記パッケージの外部に配置された任意のデバイスとの間で光ファイバを介して光通信を行うために前記パッケージに取り付け可能である」「光ファイバ支持構造」である点で一致するが、一方で、甲1発明は、「パッケージが気密封止」されるか定かではなく、「光ファイバ支持構造」が「パッケージ」を「気密封止」するために用いうる「ファイバフィードスルー」であるのかが不明である点で一応相違する。 b 本件訂正発明1の「筒状であり、軸線方向における一方の方向である第一方向側の端部と前記軸線方向における他方の方向である第二方向側の端部とを有し、前記第一方向側の端部が前記パッケージの内部側に位置し、前記第二方向側の端部が前記パッケージの外部側に位置するように前記パッケージに取り付け可能であるとともに、前記軸線方向に延び且つ前記パッケージの内部と外部とを連通可能な貫通孔を有しているスリーブと」との特定事項について (a)甲1発明の「胴体スリーブ21」は、本件訂正発明1の「スリーブ」に相当する。そして、当該「胴体スリーブ21」は、「円筒状」に形成されているから、本件訂正発明1の「筒状」であるといえる。 また、当該「胴体スリーブ21」の内側には「その前端から後側へ向かって延在するフェルール収容孔21dと、フェルール収容孔21dの後側にフェルール収容孔21dに比べて径小に形成されたファイバ挿通孔21eとが形成され」、「ファイバ挿通孔21eは、」「胴体スリーブ21後端(胴体スリーブ後端部の後端)に開口され」ている。そうすると、甲1発明の「胴体スリーブ21」は、その内側において、当該「胴体スリーブ21」の「前端」から「後端」まで延在する「フェルール収容孔21d」及び「ファイバ挿通孔21e」からなる孔を有しており、当該「胴体スリーブ21」の当該孔は、本件訂正発明1の「貫通孔」に相当する。 さらに、甲1発明の「胴体スリーブ21」は、「ケース62に取り付けられた際に、ケース62の内部に位置する部分と、ケース62の外部に位置する部分と、を有し」ているから、「胴体スリーブ21」が有する孔(本件訂正発明1の「貫通孔」に相当。)は、本件訂正発明1でいう「前記パッケージの内部と外部とを連通可能な」ものといえる。 (b)甲1発明の「胴体スリーブ21の前端部」は、本件訂正発明1の「第一方向側の端部」に相当し、前記「前端部」と反対の端部は、本件訂正発明1の「第二方向側の端部」に相当する。そうすると、甲1発明の「胴体スリーブ21」は、本件訂正発明1でいう「軸線方向における一方の方向である第一方向側の端部と前記軸線方向における他方の方向である第二方向側の端部とを有」するといえる。 (c)甲1発明の「胴体スリーブ21」は、「ケースに取り付けられた際に、ケース62の内部に位置する部分と、ケース62の外部に位置する部分」を有しているから、本件訂正発明1でいう「前記第一方向側の端部が前記パッケージの内部側に位置し、前記第二方向側の端部が前記パッケージの外部側に位置するように前記パッケージに取り付け可能である」といえる。 (d)上記(a)~(c)から、甲1発明は上記特定事項を満たしている。 c 本件訂正発明1の「前記スリーブの前記貫通孔の両端部のうち前記第二方向側の端部である外側端部から前記貫通孔の内部に入り込んでいる挿入部と、前記外側端部から前記スリーブの外部に突出している突出部と、を有している弾性チューブと」との特定事項について (a)甲1発明の「熱可塑性ポリエステルエラストマー」からなる「保護チューブ25」は、本件訂正発明1の「弾性チューブ」に相当する。 (b)甲1発明の「保護チューブ25」は「胴体スリーブ21への挿入、接着固定」されるものであるところ、当該「挿入、接着固定」されるところは、本件訂正発明1の「弾性チューブ」が「前記スリーブの前記貫通孔の両端部のうち前記第二方向側の端部である外側端部から前記貫通孔の内部に入り込んでいる」ところに相当する。そうすると、甲1発明の「前記胴体スリーブ21に接着固定された前側固定部25a」は、本件訂正発明1の「前記スリーブの前記貫通孔の両端部のうち前記第二方向側の端部である外側端部から前記貫通孔の内部に入り込んでいる挿入部」に相当する。 (c)甲1発明の「保護チューブ25」の「前記前側固定部から前記胴体スリーブ21の後側へ延出する延出筒部25b」は、本件訂正発明1の「弾性チューブ」の「記外側端部から前記スリーブの外部に突出している突出部」に相当する。 (d)上記(a)~(c)から、甲1発明は上記特定事項を満たしている。 d 本件訂正発明1の「前記光ファイバ(50)は前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)および前記弾性チューブ(30)の貫通孔(31)に挿通されて、前記スリーブ(20)の前記第一方向側の前記端部、および、前記弾性チューブ(30)の前記突出部(33)の端部からそれぞれ延出しており」との特定事項について (a)本件訂正発明1の上記特定事項は、光ファイバが「挿通」された場所が「前記スリーブの前記貫通孔」と「前記弾性チューブの貫通孔(31)」であると特定するところ、上記特定事項を満たしているというためには、その文言に照らせば、光ファイバが、「前記スリーブの前記貫通孔」に「挿通」していると評価できるとともに、「弾性チューブの貫通孔(31)」にも「挿通」していると評価できれば足りる。そして、光ファイバが「前記スリーブの前記貫通孔(21)」に「挿通」していると評価できるためには、「挿通」の文言の字義に照らして、当該「貫通孔(21)」の孔内に係る領域の一端から他端にわたって光ファイバが存在していれば足り、当該領域内に接着剤以外の部品ないし部材が存在しても差し支えないと解される。 これを甲1発明についてみると、甲1発明では、「胴体スリーブ」の「フェルール収容孔21d」及び「ファイバ挿通孔21e」の両孔(これらの両孔が本件訂正発明1の「貫通孔(21)」に相当。)内に係る領域に、「フェルール本体」及び「保護チューブ」が存在するものの、当該領域の一端から他端にわたって光ファイバが存在しているといえるし、光ファイバが「保護チューブ」の貫通孔に挿通しているとも評価できる。 そうすると、甲1発明は、本件訂正発明1の「前記光ファイバ(50)は前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)および前記弾性チューブ(30)の貫通孔(31)に挿通されて、」との特定事項を満たしている。 (b)甲1発明は、「前記光ファイバは前記保護チューブの前記延出筒部の後端から延出され」ているから、本件訂正発明1でいう「前記弾性チューブ(30)の前記突出部(33)の端部から」「延出して」いるものといえる。 (c)一方で、甲1発明は、「光ファイバ付きフェルール」を用いたものであるところ、「フェルール」は、一般に、その端面を「光ファイバ23の先端」と一致させて用いるものであることから、本件訂正発明1でいう「光ファイバ(50)」が「前記スリーブ(20)の前記第一方向側の前記端部」から「延出して」いるとはいえない。 (d)上記(a)~(c)から、「前記光ファイバ(50)」について、甲1発明は、本件訂正発明1のでいう「前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)および前記弾性チューブ(30)の貫通孔(31)に挿通されて、」「前記弾性チューブ(30)の前記突出部(33)の端部から」「延出して」いるものといえるが、「前記スリーブ(20)の前記第一方向側の前記端部」「から延出」しているものとはいえない。 e 本件訂正発明1の「前記弾性チューブの外周面と前記スリーブの前記貫通孔の内周面とが接着剤にて固定されており、」との特定事項について (a)甲1発明の「接着剤」は、本件訂正発明1の「接着剤」に相当する。 (b)甲1発明は、「前記保護チューブ25の前記胴体スリーブ21への挿入、接着固定は、胴体スリーブ21のファイバ挿通孔に保護チューブ25を挿入して、ファイバ挿通孔21に予め注入しておいた接着剤の固化によって接着固定」するものであるから、本件訂正発明1でいう「前記弾性チューブの外周面と前記スリーブの前記貫通孔の内周面とが接着剤にて固定されている」ものといえる。 (c)上記(a)及び(b)から、甲1発明は上記特定事項を満たしている。 f 本件訂正発明1の「前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)は、前記軸線方向に沿って、第一の部分(22)と、前記第一の部分(22)に対して前記第一方向側に位置している第二の部分(23)と、を有しており、前記第一の部分(22)のうち前記弾性チューブ(30)の前記挿入部(32)が配置されていない部分である挿入部非配置部分には、前記光ファイバ(30)のうち被覆材(51)が除去されている部分である被覆材除去部分が前記軸線方向における少なくとも一部に配置されており、前記挿入部非配置部分の内部には、前記接着剤(40)が少なくとも前記被覆材除去部分を覆うように充填されており、前記第二の部分(23)の内部には、前記接着剤(40)とは異なる封止材(41)が前記光ファイバ(50)を覆うように充填されている、」との特定事項について 甲1発明は、「接着剤(40)とは異なる封止材(41)」を備えておらず、本件訂正発明1の上記特定事項を満たしていない。 g 以上のことから、本件訂正発明1と甲1発明とは、次の一致点で一致する。 【一致点】 「気密封止されているパッケージ(60)の内部に収容されている素子と前記パッケージ(60)の外部に配置された任意のデバイスとの間で光ファイバ(50)を介して光通信を行うために前記パッケージ(60)に取り付け可能である光ファイバ支持構造であって、 筒状であり、軸線方向における一方の方向である第一方向側の端部と前記軸線方向における他方の方向である第二方向側の端部とを有し、前記第一方向側の端部が前記パッケージ(60)の内部側に位置し、前記第二方向側の端部が前記パッケージ(60)の外部側に位置するように前記パッケージ(60)に取り付け可能であるとともに、前記軸線方向に延び且つ前記パッケージ(60)の内部と外部とを連通可能な貫通孔(21)を有しているスリーブ(20)と、 前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)の両端部のうち前記第二方向側の端部である外側端部から前記貫通孔(21)の内部に入り込んでいる挿入部(32)と、前記外側端部から前記スリーブ(20)の外部に突出している突出部(33)と、を有している弾性チューブ(30)と、 を有しており、 前記光ファイバ(50)は前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)および前記弾性チューブ(30)の貫通孔(31)に挿通されて、前記弾性チューブ(30)の前記突出部(33)の端部から延出しており、 前記弾性チューブ(30)の外周面と前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)の内周面とが接着剤(40)にて固定されている、 光ファイバ支持構造。」 そして、両発明は、次の点で相違する。 【相違点1】 光ファイバ支持構造が、本件訂正発明1は「気密封止されているパッケージ」に用いられる「光ファイバフィードスルー」であるのに対して、甲1発明は「ケース62」(本件訂正発明1の「パッケージ」に相当。)が「気密封止」されていることが特定されておらず、しかも、「光ファイバ支持構造」が前記「気密封止されているパッケージ」に用いる「光ファイバフィードスルー」であることも特定されていない点。 【相違点2】 「光ファイバ(50)」において、本件訂正発明1が「前記スリーブ(20)の前記第一方向側の前記端部」から「延出」するのに対して、甲1発明は、「フェルール」の端面と「光ファイバ23の先端」とが一致している点。 【相違点3】 本件訂正発明1が、「スリーブ(20)の前記貫通孔(21)」において「前記軸線方向に沿って、第一の部分(22)と、前記第一の部分(22)に対して前記第一方向側に位置している第二の部分(23)と、を有し」、前記「第一の部分(22)」が「前記弾性チューブ(30)の前記挿入部(32)が配置されていない部分である挿入部非配置部分」を有し「前記光ファイバ(30)のうち被覆材(51)が除去されている部分である被覆材除去部分が前記軸線方向における少なくとも一部に配置されて」おり、前記「挿入部非配置部分の内部」が「前記接着剤(40)が少なくとも前記被覆材除去部分を覆うように充填されて」おり、且つ、「第二の部分(23)の内部」が「前記接着剤(40)とは異なる封止材(41)が前記光ファイバ(50)を覆うように充填されている」のに対して、甲1発明は、そのようになっていない点。 (イ)判断 a 相違点2について (a)事案に鑑み、先に、相違点2について検討する。 甲1発明において相違点2に係る本件訂正発明1の構成に至るためには、(i)フェルール本体を排除すること、(ii)光ファイバを胴体スリーブから突出させること、を少なくとも要するといえる。 (b)そこで検討すると、甲1発明は「光ファイバ付きフェルール」を用いた「光ファイバ支持構造」の発明であるところ、光フェルール本体を用い光フェルールとして機能することを前提としたものといえ、そのような発明から出発した当業者が光フェルール本体を排除する変更を加える動機付けを見いだせない。 そして、引用文献1の他の記載をみても、上記判断が左右されることはない。 (c)この点、申立人は、「スリーブ内部の穴において、裸光ファイバが挿通され、そのファイバ周りに接着剤が充填される構成は広く知られて」いること、及び「光ファイバを管状の部材に貫通させるか、光ファイバの先端を管状の部材の端面に位置させるかは、光ファイバを管状の部材に挿通して固定する技術においては設計事項の範疇に過ぎない」ことから、本件訂正発明1は当業者が容易に想到し得るものである旨主張する。 しかしながら、甲1発明は、上記(b)で説示したとおり光フェル-ルとして機能することを前提としたものであることから、そのような発明において、光フェルールとしての機能が失われるような変更を加える動機付けの存在は認められない。 (d)さらに、甲2、3及び引用文献4に記載された技術的事項をみても、上記判断が左右されることはない。 (e)したがって、相違点2に係る本件訂正発明1の構成は、甲1に記載された発明、甲2及び3に記載された技術的事項及び引用文献4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易になし得たこととはいえない。 (ウ)小括 よって、本件訂正発明1は、甲1に記載された発明ではないし、また、相違点1及び3について検討するまでもなく、本件訂正発明1は、甲1に記載された発明、甲2及び3に記載された技術的事項及び引用文献4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 イ 本件訂正発明2~10について 本件訂正発明2~10は、本件訂正発明1をさらに減縮したものであるから、本件訂正発明1についての上記判断と同様の理由により、本件訂正発明1は、甲1に記載された発明ではないし、また、甲1に記載された発明、甲2及び3に記載された技術的事項及び引用文献4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 (3)引用発明4を主引用発明とした対比・判断 ア 本件訂正発明1について (ア)本件訂正発明1と引用発明4との対比 a 本件訂正発明1の「気密封止されているパッケージの内部に収容されている素子と前記パッケージの外部に配置された任意のデバイスとの間で光ファイバを介して光通信を行うために前記パッケージに取り付け可能である光ファイバフィードスルーであって」との特定事項について (a)引用発明4の「光素子」及び「光ファイバ」は、それぞれ本件訂正発明1の「光部品」及び「光ファイバ」に相当する。 (b)引用発明4の「パッケージ1」は「気密封止」されていることから、引用発明4は本件訂正発明1の「気密封止されているパッケージ」の特定事項を満たしている。 (c)引用発明4の「光ファイバ導入部」は、「気密封止」された「パッケージの外壁6の貫通穴5」に設けられるものであることから、「パッケージ1」の「気密封止」を確保しうることは明らかであり、よって、当該「光ファイバ導入部」は、本件訂正発明1の「光ファイバフィードスルー」に相当する。 (d)引用発明4の「外部と内部の光素子」を構成する「外部」の「光素子」及び「内部」の「光素子」は、それぞれ、引用発明1の「前記パッケージの外部に配置された任意のデバイス」及び「パッケージの内部に収容されている素子」に相当する。 (e)引用発明4は、「外部」の「光素子」と「内部」の「光素子」とを「光ファイバにより光学的に結合する」ものである。 このことに上記(a)~(d)を併せ考慮すると、本件訂正発明1と引用発明4とは、「気密封止されているパッケージの内部に収容されている素子と前記パッケージの外部に配置された任意のデバイスとの間で光ファイバを介して」光学的に結合させるために「前記パッケージに取り付け可能である光ファイバフィードスルー」である点で一致するが、引用発明4が「光通信を行うため」のものかは不明である。 b 本件訂正発明1の「筒状であり、軸線方向における一方の方向である第一方向側の端部と前記軸線方向における他方の方向である第二方向側の端部とを有し、前記第一方向側の端部が前記パッケージの内部側に位置し、前記第二方向側の端部が前記パッケージの外部側に位置するように前記パッケージに取り付け可能であるとともに、前記軸線方向に延び且つ前記パッケージの内部と外部とを連通可能な貫通孔を有しているスリーブと」との特定事項について (a)引用発明4の「管部材3」は、本件訂正発明1の「スリーブ」に相当する。 (b)引用発明4の「管部材3」における「光ファイバ芯線」が「接着剤によって接着固定された」「端部」は、本件訂正発明1の「前記軸線方向における他方の方向である第二方向側の端部」に相当し、当該「管部材3」の前記「端部」と反対側の端部は、本件訂正発明1の「軸線方向における一方の方向である第一方向側の端部」に相当する。 (c)引用発明4の「管部材3」は、「パッケージの外壁に開けられた穴を介して外部と内部の光素子を光ファイバにより光学的に結合するように」「光ファイバを挿入」するものであり、「光ファイバ」を挿入するための構造は、本件訂正発明1の「前記軸線方向に延び且つ前記パッケージの内部と外部とを連通可能な貫通孔」に相当する。さらに、引用発明4の「管部材3」は管を構成するものであるから、本件訂正発明1の「筒状」の構成を満たす。 (d)引用発明4の「管部材3」は、「パッケージ外壁6の貫通穴5に取り付けられた際に、パッケージの内部に位置する部分と、パッケージの外部に位置する部分と」を有しているから、本件訂正発明1でいう「前記第一方向側の端部が前記パッケージの内部側に位置し、前記第二方向側の端部が前記パッケージの外部側に位置するように前記パッケージに取り付け可能である」ものといえる。 (e)よって、引用発明4は、本件訂正発明1の上記特定事項を満たしている。 c 本件訂正発明1の「前記スリーブの前記貫通孔の両端部のうち前記第二方向側の端部である外側端部から前記貫通孔の内部に入り込んでいる挿入部と、前記外側端部から前記スリーブの外部に突出している突出部と、を有している弾性チューブと」との特定事項について 引用発明4は、「弾性チューブ」を有していない点で、上記特定事項を満たさない。 d 本件訂正発明1の「前記光ファイバ(50)は前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)および前記弾性チューブ(30)の貫通孔(31)に挿通されて、前記スリーブ(20)の前記第一方向側の前記端部、および、前記弾性チューブ(30)の前記突出部(33)の端部からそれぞれ延出しており」との特定事項について (a)上記b(c)で対比したとおり、引用発明4の「管部材3」は、本件訂正発明1の「貫通孔」に相当する構成を備えるものであり、かつ、「パッケージの外壁に開けられた穴を介して外部と内部の光素子を光ファイバにより光学的に結合するように」「光ファイバを挿入」するものであるから、本件訂正発明1でいう「前記光ファイバ(50)は前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)」「に挿通され」るものといえる。 (b)引用発明4は、「弾性チューブ」を有していないことから、本件訂正発明1でいう「前記光ファイバは」「前記弾性チューブ(30)の貫通孔(31)に挿通され」るものではない。 (c)引用発明4の「光ファイバ芯線2」が「延出」している側の「管部材3」の端は、本件訂正発明1の「前記スリーブ(20)の前記第一方向側の前記端部」に相当する。そうすると、引用発明4は、本件訂正発明1でいう「前記スリーブ(20)の前記第一方向側の前記端部」「から」「延出して」いるものといえる。 (d)引用発明4は、「弾性チューブ」を有していないことから、本件訂正発明1でいう「前記弾性チューブ(30)の前記突出部(33)の端部から」「延出して」いるものではない。 e 本件訂正発明1の「前記弾性チューブの外周面と前記スリーブの前記貫通孔の内周面とが接着剤にて固定されており、」との特定事項について 引用発明4は、「弾性チューブ」を有していないことから、上記特定事項を満たさない。 f 本件訂正発明1の「前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)は、前記軸線方向に沿って、第一の部分(22)と、前記第一の部分(22)に対して前記第一方向側に位置している第二の部分(23)と、を有しており、 前記第一の部分(22)のうち前記弾性チューブ(30)の前記挿入部(32)が配置されていない部分である挿入部非配置部分には、前記光ファイバ(30)のうち被覆材(51)が除去されている部分である被覆材除去部分が前記軸線方向における少なくとも一部に配置されており、 前記挿入部非配置部分の内部には、前記接着剤(40)が少なくとも前記被覆材除去部分を覆うように充填されており、 前記第二の部分(23)の内部には、前記接着剤(40)とは異なる封止材(41)が前記光ファイバ(50)を覆うように充填されている」との特定事項について (a)引用発明4の「前記管部材の内壁と前記光ファイバ芯線部分との隙間」及び「前記管部材の内壁と前記被覆を除去した光ファイバ部分との隙間」は、それぞれ本件訂正発明1の「第一の部分(22)」及び「第二の部分(23)」に相当する。 (b)一方で、引用発明4は、上記特定事項において、(a)以外の事項を満たさない。 g 以上のことから、本件訂正発明1と引用発明4は、次の一致点で一致する。 【一致点】 「気密封止されているパッケージ(60)の内部に収容されている素子と前記パッケージ(60)の外部に配置された任意のデバイスとの間で光ファイバ(50)を介して光学的に結合させるために前記パッケージ(60)に取り付け可能である光ファイバフィードスルー(1a,1b)であって、 筒状であり、軸線方向における一方の方向である第一方向側の端部と前記軸線方向における他方の方向である第二方向側の端部とを有し、前記第一方向側の端部が前記パッケージ(60)の内部側に位置し、前記第二方向側の端部が前記パッケージ(60)の外部側に位置するように前記パッケージ(60)に取り付け可能であるとともに、前記軸線方向に延び且つ前記パッケージ(60)の内部と外部とを連通可能な貫通孔(21)を有しているスリーブ(20)と、 を有しており、 前記光ファイバ(50)は前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)および前記弾性チューブ(30)の貫通孔(31)に挿通されて、前記スリーブ(20)の前記第一方向側の前記端部端部から延出しており、 前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)は、前記軸線方向に沿って、第一の部分(22)と、前記第一の部分(22)に対して前記第一方向側に位置している第二の部分(23)と、を有しており、 前記第二の部分(23)の内部には、前記接着剤(40)とは異なる封止材(41)が前記光ファイバ(50)を覆うように充填されている、 光ファイバフィードスルー(1a,1b)。」 そして、両発明は、次の点で相違する。 【相違点4】 本件訂正発明1は「光通信を行うため」のものであるのに対して、引用発明4はそうであるのか不明である点。 【相違点5】 本件訂正発明1は、「前記スリーブ(20)の前記貫通孔(21)の両端部のうち前記第二方向側の端部である外側端部から前記貫通孔(21)の内部に入り込んでいる挿入部(32)と、前記外側端部から前記スリーブ(20)の外部に突出している突出部(33)と、を有している弾性チューブ(30)」を有しており、「光ファイバ(50)」は「前記弾性チューブ(30)の前記突出部(33)の端部から」「延出」し、かつ、「前記第一の部分(22)のうち前記弾性チューブ(30)の前記挿入部(32)が配置されていない部分である挿入部非配置部分には、前記光ファイバ(30)のうち被覆材(51)が除去されている部分である被覆材除去部分が前記軸線方向における少なくとも一部に配置されており、前記挿入部非配置部分の内部には、前記接着剤(40)が少なくとも前記被覆材除去部分を覆うように充填されて」いるのに対して、引用発明4は、そもそも「弾性チューブ」を用いていない点。 (イ)判断 a 相違点5について (a)事案に鑑み、先に、相違点5について検討する。 引用発明4において相違点5に係る構成に至るためには、(i)「弾性チューブ」を追加すること、(ii)前記追加された「弾性チューブ」を、「前記管部材の内壁と前記光ファイバ芯線部分との隙間」(以下「光ファイバ芯線部分隙間」という。)に対して、その最も奥(引用文献4の図3でいえば光ファイバ芯線部分隙間の右端)に至らないように挿入する(その結果、相違点5に係る本件訂正発明1の「挿入部非配置部分」が形成されることになる。)とともに、その余の部分を、前記「管部材」から延出するようにすること、(iii)前記(ii)のとおりに「弾性チューブ」が配置された結果、光ファイバ芯線部分隙間に形成されることとなる「挿入部非配置部分」において、「光ファイバ芯線2」の一部の被覆が除去されること、を少なくとも要するといえる。 (b)そこで検討すると、引用発明4において、甲1に記載された技術的事項(上記(1)ア(ウ)参照。)に基づいて、「弾性チューブ」を追加すること(上記(i))に当業者が容易に至るとしても、その際には、「弾性チューブ」を、光ファイバ芯線部分隙間に対して、その最も奥に至るように挿入するのが自然であり、よって、当業者が、相違点5に係る本件訂正発明1の「挿入部非配置部分」に相当する構成を形成することに至るとは言い難い。このように、引用発明4から出発した当業者は、甲1に記載された技術的事項を組み合わせることができるとしても、上記(ii)のように構成することに容易に至るとはいえない。 仮に、上記当業者が、上記(ii)のように構成することに至るとしても、上記(iii)のように構成することに容易に至るとはいえない。すなわち、引用発明4は、光ファイバ芯線部分隙間において、光ファイバ芯線が、接着剤によって管部材に固定されているものであるところ、一般に、光ファイバ芯線の被覆は、接着剤との接着性が良好であると考えられることから、当業者であれば、(上記(ii)の構成に至った結果として光ファイバ芯線部分隙間に形成されることとなる)「挿入部非配置部分」において、「光ファイバ芯線2」の一部の被覆をあえて除去することには至らないのが自然であり、よって、当業者が、上記(iii)に係る構成に容易に至るとはいえない。 そして、引用文献4及び甲1の他の記載をみても、上記判断が左右されることはない。 (c)この点、申立人は、引用発明4に甲1に記載された技術的事項に基づいて弾性チューブを追加する動機付けが存在する旨主張するが、上記(b)で説示したとおり、引用発明4に甲1に記載された技術的事項に基づいて弾性チューブを追加する動機付けが存在したとしても、上記(b)の説示を左右することはない。 (d)さらに、甲2及び3に記載された技術的事項をみても、上記判断が左右されることはない。 (e)したがって、相違点5に係る本件訂正発明1の構成は、引用文献4に記載された発明及び甲1~3に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易になし得たこととはいえない。 (ウ)小括 よって、本件訂正発明1は、引用文献4に記載された発明ではないし、また、相違点4について検討するまでもなく、本件訂正発明1は、引用文献4に記載された発明及び甲1~3に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 イ 本件訂正発明2~10は、本件訂正発明1をさらに減縮したものであるから、本件訂正発明1についての上記判断と同様の理由により、引引用文献4に記載された発明ではないし、また、引用文献4に記載された発明及び甲1~3に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 第6 むすび 以上によれば、本件訂正発明1~10に係る特許は、取消理由通知書に係る取消理由及び特許異議申立理由のいずれによっても取り消すことはできない。 そして、他に本件訂正発明1~10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700642

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