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特許異議申立

2022-700612

流体クロマトグラフ

審判番号
2022-700612
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-518962
登録番号
6992887
請求日
2022年07月11日
審決日
2023年11月28日
公報発行日
2024年03月29日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社島津製作所
  • 【権利者代理人】江口 裕之
  • 【権利者代理人】阿久津 好二
  • 【権利者代理人】妹尾 明展
  • 【権利者代理人】岸本 雅之
  • 【異議申立人】所 智恵子
審判長/審判官
  • 審判長 樋口 宗彦
  • 審判官 渡戸 正義
  • 審判官 櫃本 研太郎
分類
P1652.113-YAA(G01N) / P1652.121-YAA(G01N)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項、特許法第29条第2項、特許法第126条第5項、特許法第36条第4項第1号、特許法第113条第2号、特許法第131条の2第1項、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6992887号発明「流体クロマトグラフ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6992887号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕について訂正することを認める。 特許第6992887号の請求項1ないし4及び6に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6992887号の請求項1ないし7に係る特許についての出願は、2019年(平成31年)1月17日(優先権主張 平成30年5月16日(以下「優先日」という。) 平成30年6月8日)を国際出願日とする出願であって、令和3年12月13日にその特許権の設定登録がされ、令和4年1月13日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和4年 7月11日 :特許異議申立人 所 智恵子(以下「申立人」 という。)による請求項1、2、3、4及び 6に係る特許に対する特許異議の申立て 同年 9月14日付け:取消理由通知 同年11月18日付け:特許権者による意見書の提出及び訂正の請求 令和5年 1月12日付け:訂正拒絶理由通知 同年 2月15日付け:特許権者による意見書及び手続補正書の提出 同年 4月 3日 :申立人による意見書の提出 同年 5月16日付け:取消理由通知(決定の予告) 同年 7月21日付け:特許権者による意見書の提出及び訂正の請求 同年 8月 7日付け:特許権者による手続補正書の提出 同年 9月15日 :申立人による意見書の提出 第2 補正の適否 本件は、特許権者によって、令和5年7月21日付け訂正請求書(以下「本件訂正請求書」という。)を補正する内容の令和5年8月7日付け手続補正書(以下「本件補正書」という。)が提出されているところ、本件補正書による補正の内容は、令和5年7月21日付け訂正請求書を特許庁に郵送した差し出し日を特定する「書留・特定記録郵便物等受領証」を提出するものであり、本件補正書による本件訂正請求書の補正は、その要旨を変更するものではなく、認められる(特許法第120条の5第9項で準用する特許法第131条の2第1項)。 そして、提出された「書留・特定記録郵便物等受領証」の記載内容に照らし、本件訂正請求書は、令和5年7月21日に提出されたものと認める。 第3 訂正の適否 1 訂正の内容 本件訂正請求書での訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)による訂正(以下「本件訂正」という。)は、特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~7について訂正することを求めるものであって、本件訂正の内容は次のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示す(訂正事項に係る記載において以下同じ。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「前記取付部材は、前記第1の外面の一部を構成し、前記第1の配管孔は、前記取付部材に形成された」と記載されているのを、「前記取付部材は板状であり、前記第1の外面の一部を構成し、前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成された」に訂正する。 (請求項1の記載を引用する請求項2~4、6および7も同様に訂正する。) (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項5に、「前記複数の収容容器は、前記第1の収容容器に上下方向に積層されるように設けられた第3の収容容器をさらに備え、前記複数の流体関連機器は、前記第3の収容容器に収容される第3の流体関連機器を含み、前記少なくとも1つの配管は、前記第3の流体関連機器を前記第2の流体関連機器に接続する第2の配管を含み、前記第1の収容容器および前記第3の収容容器は、水平方向において前記第2の収容容器に隣り合うように配置され、前記第3の収容容器は、少なくとも部分的に前記第2の外面に対向する第5の外面を有し、前記第5の外面には第5の配管孔が形成され、前記第2の外面には、前記第5の配管孔に少なくとも部分的に対向する第6の配管孔が形成され、前記第2の配管は、前記第5および第6の配管孔を通過するように設けられた、請求項3記載の流体クロマトグラフ。」とあるうち、請求項1および3を引用するものについて、独立形式に改め、「複数の流体関連機器と、前記複数の流体関連機器のそれぞれを収容する複数の収容容器と、前記複数の流体関連機器を接続する少なくとも1つの配管と、を備える流体クロマトグラフであって、前記複数の収容容器は、互いに隣り合うように配置された第1および第2の収容容器を含み、前記複数の流体関連機器は、前記第1および第2の収容容器にそれぞれ収容される第1および第2の流体関連機器を含み、前記少なくとも1つの配管は、前記第1の流体関連機器と前記第2の流体関連機器とを接続する第1の配管を含み、前記第1の収容容器は、第1の外面を有し、前記第2の収容容器は、前記第1の外面に対して少なくとも部分的に対向する第2の外面を有し、前記第1の外面には第1の配管孔が形成され、前記第2の外面には、前記第1の配管孔に対して少なくとも部分的に対向する第2の配管孔が形成され、前記第1の配管は、前記第1および第2の配管孔を通過するように設けられ、前記第1の収容容器は、開口を有する筐体と、前記開口を閉塞および開放する扉と、前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材とを含み、前記取付部材は、前記第1の外面の一部を構成し、前記第1の配管孔は、前記取付部材に形成され、前記第1および第2の収容容器は、水平方向に互いに隣り合うように配置され、前記複数の収容容器は、前記第1の収容容器に上下方向に積層されるように設けられた第3の収容容器をさらに備え、前記複数の流体関連機器は、前記第3の収容容器に収容される第3の流体関連機器を含み、前記少なくとも1つの配管は、前記第3の流体関連機器を前記第2の流体関連機器に接続する第2の配管を含み、前記第1の収容容器および前記第3の収容容器は、水平方向において前記第2の収容容器に隣り合うように配置され、前記第3の収容容器は、少なくとも部分的に前記第2の外面に対向する第5の外面を有し、前記第5の外面には第5の配管孔が形成され、前記第2の外面には、前記第5の配管孔に少なくとも部分的に対向する第6の配管孔が形成され、前記第2の配管は、前記第5および第6の配管孔を通過するように設けられた、流体クロマトグラフ。」に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項6および7も同様に訂正する)(第3において、以下、訂正後の請求項5に係る発明を「本件訂正発明5」という。)。 (3)訂正の単位について 訂正前の請求項1ないし7について、請求項2ないし7は訂正事項1の訂正対象である請求項1を直接的又は間接的に引用しているから、請求項1ないし7は一群の請求項である。 また、訂正事項2に係る請求項5について、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することの求めはされていない。 したがって、訂正事項1及び2は、一群の請求項〔1-7〕に対して請求されている。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的の適否 訂正事項1は、取付部材の構成について、「前記取付部材は板状であり」と、取付部材の形状を限定するとともに、取付部材に形成される第1の配管孔の配置について、「前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成された」と、取付部材における配置部分を限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、これらをまとめて「明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること (ア)訂正事項1により、請求項1に記載された取付部材は「板状であり」、第1の配管孔は「取付部材の面に形成された」ものであることが特定された。 (イ)取付部材の形状及び配管孔の配置に関して、本件特許の明細書等には、以下の記載がある(下線は当審で付加した。)。 a 「【0069】 扉取付具90Aは、筐体110の一方側壁部111を水平方向に延長するように設けられる固定部材である。筐体110の一方側壁部111および扉取付具90Aは、図2の一側面11を構成する。・・・ ・・・ 【0071】 図6の収容容器10においては、扉取付具90A,90Bに配管孔11h,12hがそれぞれ形成されている。・・・ 【0072】 図7は、図6の扉取付具90Aおよびその周辺部材を示す斜視図である。図7に示すように、筐体110の一方側壁部111の前端部に略長板形状を有する扉取付具90Aが固定されている。・・・ 【0073】 ・・・扉取付具90Aにおいて、配管孔11hは、上下方向における当該扉取付具90Aの中央部よりもやや下方の位置に形成されている。 【0074】 図6の扉取付具90Bは、収容容器10の中心を通って前後方向に延びる仮想鉛直面を基準として図7の扉取付具90Aに対称な構造を有する。扉取付具90Bにおいて、配管孔12hは、上下方向における当該扉取付具90Bの中央部よりもやや下方の位置に形成されている。」 b 【図6】 「 [図:0001407792000001.jpg] 」 c 【図7】 「 [図:0001407792000002.jpg] 」 (ウ)本件特許の明細書等に「略長板形状を有する扉取付具90A」(【0072】)と記載されていることから、扉取付具90Aは板状であることが読み取れる。 本件特許の明細書等には、第1の配管孔が取付部材の面に形成されていることが文章として明記はされていないが、扉取付具90Aが筐体110の一方側壁部111を水平方向に延長するように設けられ(【0069】)、略長板形状を有する(【0072】)ことが記載され、【図6】及び【図7】から配管孔11hが扉取付具90Aの長板形状部分、すなわち面を構成する部分の中間部に形成されていることが見て取れる。 ここで、明細書等における「扉取付具90A」及び「配管孔11h」は、それぞれ請求項1における「取付部材」及び「第1の配管孔」に対応する。 したがって、訂正事項1は、明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮であって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的の適否 訂正事項2は、本件訂正前の請求項5が請求項3の記載を引用し、請求項3が請求項1又は2の記載を引用する記載であるところ、請求項2を引用する請求項3を引用しないものとした上で(引用請求項数の削減)、請求項1を引用する請求項3を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」及び同項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 イ 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項2による訂正後の請求項5は、本件訂正前の請求項5のうち、請求項1の記載を引用する請求項3の記載を引用するものに相当するから、明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 3 特許出願の際に独立して特許を受けることができること (1)訂正事項1による訂正対象である請求項1ないし4並びに訂正事項1及び2の訂正対象である請求項6に対して特許異議の申立てがされているので、請求項1ないし4及び6に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。 (2)訂正事項2の訂正対象である請求項5並びに訂正事項1及び2の訂正対象である請求項7に対しては特許異議の申立てがされていないので、訂正後の請求項5及び7に係る発明(第3において、以下、それぞれ「本件訂正発明5」及び「本件訂正発明7」という。)が特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する要件(特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであるか)を満たしているか検討する。 ア 本件訂正発明5について (ア)新規性、進歩性について a 本件特許異議の申立てにおいて申立人が提出した以下の甲第1号証ないし甲第3号証(以下、それぞれ「甲1」ないし「甲3」という。)について検討する。 甲1:再公表WO2014/034336号 甲2:特開平7-103954号公報 甲3:ジーエルサイエンス株式会社の「高速液体クロマトグラフ GL7700シリーズ」の製品紹介パンフレット b 本件訂正発明5は、後記第6の3(3)イ(ウ)で検討する相違点6に係る本件発明6Bの発明特定事項を備えたものであるから、本件発明6Bと同じ理由により、甲1ないし甲3に対して新規性及び進歩性を有する。 したがって、本件訂正発明5は、特許法第29条第1項の規定及び同条第2項の規定により、特許出願の際、独立して特許を受けることができないものではない。 (イ)記載不備について 訂正後の請求項5の記載及び本件特許の明細書等の記載を検討しても、特許法第36条第4項第1号の規定又は同条第6項の規定を満たしていないとすべき記載不備が存するものとはいえない。 (ウ)以上のことから、訂正後の請求項5に係る発明が、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものではないとすべき理由が存するものとは認められない。 イ 本件訂正発明7について (ア)新規性、進歩性について a 請求項1ないし4のいずれか一項の記載を引用して特定される本件訂正発明7は、本件発明1に対し、更に特定事項を追加したものであるから、後記第5の3(1)及び第6の3(1)で検討する本件発明1と同じ理由により、甲1ないし甲3に対して新規性及び進歩性を有する。 b 請求項5及び6のいずれか一項の記載を引用して特定される本件訂正発明7は、本件訂正発明5に対し、更に特定事項を追加したものであるから、上記ア(ア)で示した本件訂正発明5と同じ理由により、甲1ないし甲3に対して新規性及び進歩性を有する。 c したがって、本件訂正発明7は、甲1ないし甲3に対して新規性及び進歩性を有するものであり、特許法第29条第1項の規定及び同条第2項の規定により、特許出願の際、独立して特許を受けることができないものではない。 (イ)記載不備について 訂正後の請求項7の記載及び本件特許の明細書等の記載を検討しても、特許法第36条第4項第1号の規定又は同条第6項の規定を満たしていないとすべき記載不備が存するものとはいえない。 (ウ)以上のことから、訂正後の請求項7に係る発明が、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものではないとすべき理由が存するものとは認められない。 ウ よって、訂正事項1及び2は、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たす。 4 訂正の適否についてのまとめ 上記のとおり、訂正事項1に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項ないし第7項の規定に適合する。 また、訂正事項2に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項ないし第7項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕について訂正することを認める。 第4 本件発明 上記のとおり本件訂正が認められるから、本件訂正後の請求項1ないし7に係る発明(以下、それぞれ請求項の番号に対応して「本件発明1」などという。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 「【請求項1】 複数の流体関連機器と、 前記複数の流体関連機器のそれぞれを収容する複数の収容容器と、 前記複数の流体関連機器を接続する少なくとも1つの配管と、を備える流体クロマトグラフであって、 前記複数の収容容器は、互いに隣り合うように配置された第1および第2の収容容器を含み、 前記複数の流体関連機器は、前記第1および第2の収容容器にそれぞれ収容される第1および第2の流体関連機器を含み、 前記少なくとも1つの配管は、前記第1の流体関連機器と前記第2の流体関連機器とを接続する第1の配管を含み、 前記第1の収容容器は、第1の外面を有し、 前記第2の収容容器は、前記第1の外面に対して少なくとも部分的に対向する第2の外面を有し、 前記第1の外面には第1の配管孔が形成され、 前記第2の外面には、前記第1の配管孔に対して少なくとも部分的に対向する第2の配管孔が形成され、 前記第1の配管は、前記第1および第2の配管孔を通過するように設けられ、 前記第1の収容容器は、 開口を有する筐体と、 前記開口を閉塞および開放する扉と、 前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材とを含み、 前記取付部材は板状であり、前記第1の外面の一部を構成し、 前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成された、流体クロマトグラフ。 【請求項2】 前記第1の収容容器は、前記第1の外面と反対側の第3の外面を有し、 前記第2の収容容器は、前記第2の外面と反対側の第4の外面を有し、 前記第3の外面において前記第1の配管孔と対応する位置に第3の配管孔が形成され、 前記第4の外面において前記第2の配管孔と対応する位置に第4の配管孔が形成された、 請求項1記載の流体クロマトグラフ。 【請求項3】 前記第1および第2の収容容器は、水平方向に互いに隣り合うように配置された、請求項1または2記載の流体クロマトグラフ。 【請求項4】 前記第1および第2の収容容器は、上下方向に互いに隣り合うように積層された、請求項1または2記載の流体クロマトグラフ。 【請求項5】 複数の流体関連機器と、 前記複数の流体関連機器のそれぞれを収容する複数の収容容器と、 前記複数の流体関連機器を接続する少なくとも1つの配管と、を備える流体クロマトグラフであって、 前記複数の収容容器は、互いに隣り合うように配置された第1および第2の収容容器を含み、 前記複数の流体関連機器は、前記第1および第2の収容容器にそれぞれ収容される第1および第2の流体関連機器を含み、 前記少なくとも1つの配管は、前記第1の流体関連機器と前記第2の流体関連機器とを接続する第1の配管を含み、 前記第1の収容容器は、第1の外面を有し、 前記第2の収容容器は、前記第1の外面に対して少なくとも部分的に対向する第2の外面を有し、 前記第1の外面には第1の配管孔が形成され、 前記第2の外面には、前記第1の配管孔に対して少なくとも部分的に対向する第2の配管孔が形成され、 前記第1の配管は、前記第1および第2の配管孔を通過するように設けられ、 前記第1の収容容器は、 開口を有する筐体と、 前記開口を閉塞および開放する扉と、 前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材とを含み、 前記取付部材は、前記第1の外面の一部を構成し、 前記第1の配管孔は、前記取付部材に形成され、 前記第1および第2の収容容器は、水平方向に互いに隣り合うように配置され、 前記複数の収容容器は、前記第1の収容容器に上下方向に積層されるように設けられた第3の収容容器をさらに備え、 前記複数の流体関連機器は、前記第3の収容容器に収容される第3の流体関連機器を含み、 前記少なくとも1つの配管は、前記第3の流体関連機器を前記第2の流体関連機器に接続する第2の配管を含み、 前記第1の収容容器および前記第3の収容容器は、水平方向において前記第2の収容容器に隣り合うように配置され、 前記第3の収容容器は、少なくとも部分的に前記第2の外面に対向する第5の外面を有し、 前記第5の外面には第5の配管孔が形成され、 前記第2の外面には、前記第5の配管孔に少なくとも部分的に対向する第6の配管孔が形成され、 前記第2の配管は、前記第5および第6の配管孔を通過するように設けられた、流体クロマトグラフ。 【請求項6】 前記第1の配管孔を閉塞するように前記第1の外面に取り付け可能かつ前記第1の配管孔を開放するように前記第1の外面から取り外し可能に構成された第1の蓋部材と、 前記第2の配管孔を閉塞するように前記第2の外面に取り付け可能かつ前記第2の配管孔を開放するように前記第2の外面から取り外し可能に構成された第2の蓋部材とをさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の流体クロマトグラフ。 【請求項7】 前記第1の収容容器および前記第1の流体関連機器は、移動相供給装置、オートサンプラまたは検出器を構成し、 前記第2の収容容器および前記第2の流体関連機器は、カラムオーブンを構成する、請求項1~6のいずれか一項に記載の流体クロマトグラフ。」 第5 取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 令和5年2月15日付け手続補正書に添付された特許請求の範囲の請求項1ないし4及び6に係る特許に対して、当審が令和5年5月16日付け取消理由通知(決定の予告)で特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 (1)(新規性)請求項1ないし4に係る発明は、本件特許に係る出願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である下記の引用文献に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1ないし4に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 したがって、請求項1ないし4に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 (2)(進歩性)請求項1ないし4及び6に係る発明は、本件特許に係る出願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である下記の引用文献に記載された発明に基いて、本件特許に係る出願の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 したがって、請求項1ないし4及び6に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 引用文献:特開平7-103954号公報(甲2) 2 甲2の記載事項及び甲2に記載された発明 (1)甲2には以下の記載がある(下線は当審で付加した。甲号証の記載について、以下同じ。) (甲2-ア)「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、分離分析装置に係り、混合試料を分離し、分離された個々の成分の定性と定量を行う液体クロマトグラフ装置やガスクロマトグラフ装置等の分離分析装置に関するものであり。特に、筐体をそれぞれ有するポンプ装置と検出装置とを少なくとも備え、前記各装置を積層または並設して使用する分離分析装置に関するものである。」 (甲2-イ)「【0005】通常、電源コードと信号線とは、各筐体の背面に設けた接続部間を電源コードや信号線を介して接続し、試薬供給パイプ等は、各筐体の正面に設けた接続部間を介して連結している。このため、電源コード,信号線および試薬供給パイプ等は、前記筐体の外面に露出して配線・配管したりあるいは前記各筐体の隙間を利用して配線・配管をしているため、美観上の問題点があった。 【0006】また、前記各筐体の上面形状をそれぞれ同一形状とし、積層できるように一応考慮されているが、正面に配置される各種スイッチ類の形状や配置あるいはその構成等が一体感をもつまとまりのある形態ではないという問題点があった。さらに、従来の分離設置可能な分離分析装置は、安全対策上、前記各筐体の上下を固定する必要があるため、別体の取付枠,取付具を介して固定していた。このため、前記筐体外観に前記取付枠や前記取付具が突出して、操作者が危険であり、美観上の問題点があった。 【0007】特に、従来例の分離設置可能な分離分析装置は、試薬供給パイプ等の配管が前記パイプ接続部間を前記各筐体の隙間を縫うように配管されているために、前記配管距離が長くなり、全体として試薬量や洗浄液量を多く必要とし、セットアップや洗浄するのに時間を要するという問題があった。しかも、分離された個々の成分の定性分析および定量分析を行うための液体量が多くなり、微量な混合試料の分析精度にも影響を与えるという問題があった。 【0008】加えて、前記各筐体外部へ張り出した試薬供給パイプ等は破損しやすく、破損のため、貴重な分析データを損失したりあるいは前記試薬供給パイプ等内を送液されている危険な試薬等の飛散を生じ、安全対策上の課題は、大きな問題となっていた。さらに、配管される試薬供給パイプ等が、複雑、かつ、錯綜しているために、前記試薬供給パイプ等の取付や取外しの際、その確認が面倒であり、その保守も面倒であるという問題があった。 ・・・ 【0010】本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、分離分析装置を構成する各筐体の外面をほぼ同一形状とし、相互に上下方向に積層または水平方向にも並設でき、分離設置可能であり、試薬供給パイプ等の配管処理も簡単、かつ、最短距離で施工でき、美観上、安全対策上からも秀れ、一体感のある形態を有する省スペース形の分離分析装置を提供することにある。」 (甲2-ウ)「【0023】 【実施例】以下本発明に係る分離分析装置の一実施例を図1ないし図18を参照して説明する。 〔実施例 1〕図1から図13において、本発明に係る液体クロマトグラフ装置を説明する。図1は、本発明に係る分離分析装置の一実施例である液体クロマトグラフ装置の外観斜視図である。 【0024】図1において、1は、液体クロマトグラフ装置であり、前記液体クロマトグラフ装置1は、液体クロマトグラフ装置本体2と、前記液体クロマトグラフ装置2に接続コードを介して接続されるデータ処理装置3とから構成される。前記液体クロマトグラフ装置本体2は、機能毎に分離し、かつ、上面形状を同一に形成して積層可能に構成した箱形状の筐体4,5,6,7,8によって構成されている。 【0025】前記筐体4ないし筐体8は、最上部の前記筐体8以外は分離分析する混合試料に対応して組み替え自在に積層することができる。また、前記の各筐体4から筐体8までの両側面には、積層した状態において連通する凹状の第一通路の4aから8aまでが形成されている。 【0026】前記第一通路の4aから8aまでには、送液用のパイプ16が配管されている。また、前記の筐体4ないし筐体8は、第一通路の4aから8aに取付けられる取付金具15を介して相互に固定される。 【0027】さらに、前記の第一通路4aから8aまでに対応して蓋11aから11eが設けられ、前記取付金具15やを前記パイプ16を隠蔽するようになっている。また、前記筐体4ないし前記筐体7の上面両側端部のほぼ中央には切欠部17が形成され、この切欠部17は、前記各筐体4ないし前記筐体8を積層したり、分離設置する際に前記各筐体を保持するのに用いられる。 【0028】本実施例においては、最下部に配置される前記筐体4をポンプ装置とし、その上部に配置される前記筐体5を検出装置とし、その上部に配置される前記筐体6をカラムオーブン装置とし、その上部に配置される前記筐体7を試料供給装置とし、最上部に配置される前記筐体8をリザーバー部となっている。 【0029】リザーバー部である前記筐体8は、上部に溶離液用のボトル9aや洗浄液用のボトル9bを収納する試薬品収納部10を備えている。前記ポンプ装置である前記筐体4は、リザーバー部である前記筐体8に備えたボトル9a、9bからの液体を前記筐体7の試料供給装置に脈動なく送りだすものである。前記筐体7の試料供給装置は、複数の試料に前記筐体4のポンプ装置により送り出される液体を分注して、希釈、添加するものである。 【0030】前記筐体6のカラムオーブン装置は、内部に設けたカラム内を前記筐体7の試料供給装置からの分析する溶離液を移動させることにより、各成分ごとに分離させるものである。前記筐体5の検出装置は、前記筐体6のカラムオーブン装置からの分離された成分を分析して、データ処理装置3に分析データ信号を出力するものである。 【0031】前記データ処理装置3は、前記分析装置本体2からの分析データを電線コードを介して受信し、当該分析データを分析処理する制御装置と記憶装置とを内蔵し、表示装置12と入力装置13とプリンタ14とを備えている。前記データ処理装置3は、分析データの記録や計算処理して各種分析データのグラフ作成を行い、前記表示装置12と前記プリンタ14とにより出力する。 【0032】次に、前記筐体4のポンプ装置の詳細構造を説明する。図2は、図1の液体クロマトグラフの構成するポンプ装置の拡大説明図、図3は、図1の液体クロマトグラフの構成するポンプ装置の拡大正面図、図4は、図1の液体クロマトグラフの構成でするポンプ装置の一部断面図を含む右側面図、図5は、図3のポンプ装置のA-A’断面図、図6は、図3のポンプ装置のBB’断面図、図7は、図1の液体クロマトグラフにおける配管通路説明図である。 【0033】前述の如く、前記筐体4は、本実施例においてはポンプ装置となっている。図2において、筐体4は、筐体前部を構成する前カバー4bと、筐体両側部を構成する二つの側面カバ-4cとを備えている。本実施例では、前カバー4bを樹脂成形品とし、側面カバ-4cを金属の板材で形成しているが、もちろん、側面カバ-4cを樹脂成形品としても差し支えない。 【0034】前カバー4bの正面はその前方部を凸状の湾曲面18とし、前カバーの外面、すなわち正面から側面にかけて凹凸の少ない一様な平坦面で構成している。前カバー4bの正面両側端部には、縦分割溝19aにて内側と分割される縦長帯状の面部20aが形成されている。 【0035】前記縦分割溝19aの内側は、上部に横長帯状の透明板21、下部右側に開閉扉22、下部左側に操作部23と正面板24とが配置されている。前記凸状の湾曲面18は、前記面部20aと、前記透明板21と、前記開閉扉22と、前記正面板24とによりで形成され、前記操作部23のみ前記湾曲面18より一段奥に配置されている。 【0036】前記開閉扉22は、その内側に設けたパイプ接続室25(図3参照)を覆うものであり、正面右側の前記面部20aと一体成型され、前記面部20aの上下端部に設けたヒンジ部26により、前記前カバー4bに開閉自在に取付けられている。本実施例では、前記開閉扉22と前記正面右側の面部20aを一体成型しているが、前記開閉扉22と前記面部20aとを別体成形しても差し支えない。 【0037】前記透明板21は、内部に配置される表示部27をカバーするものであり、左側に電源スイッチ28を設けている。前記操作部23は、その表面に各種キーが印刷されたシート23aにより構成され、内部に操作基板29(図示せず)が設けられている。 【0038】本実施例では、前記の如く、操作部23をシート23aで構成しているが、通常の複数のキーからなる操作スイッチあるいはダイヤルスイッチを用いても差し支えない。この際、操作スイッチやダイヤルスイッチ等の先端部が前記湾曲面18の平坦面から突出しないようにすることが好ましい。 【0039】前カバー4bの両側面には、上下に貫通した凹状の第一通路4aが形成され、その外側を蓋11aにより覆われている。前記蓋11aは、回転ヒンジ(図示せず)により前記前カバー4bに開閉自在に取付けられ、閉めた状態においてこの前カバー4bと表面が一致し、凹凸のない一様な平坦面を構成する。 【0040】前記側面カバ-4cと前記筐体4の上面とが交叉する二つの稜線上には、それぞれ切欠部17が形成されている。前記切欠部17は、前記筐体4の前後方向の重心部近傍に形成されている。また、前記筐体4の上面には、複数(図示では四個)の凹状の脚部収納部30が形成され、前記筐体4のの底面には前記脚部収納部30に対応する位置に脚部31が設けられている。 【0041】前記脚部収納部30と前記脚部31とは、他の筐体5、6、7にも同様な位置に設けられており、前記脚部収納部30は、他の筐体の脚部31をほぼ収納する大きさを備えている。このように構成された前記筐体4の上面には他の筐体5を積層し、前記脚部31を前前記脚部収納部30に嵌合させることより、各筐体間の隙間を小さくし、かつ、安定して順次積層させることができる。そして、この積層した状態においては、連通する凹状の第一通路の4aから8aまでが形成される。 【0042】上記実施例では、前記筐体4が4個の前記脚部31にて支持されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各筐体の底面に凸状の脚部を設け、その上面には前記脚部と対応する位置に前記脚部をほぼ収納可能な凹状の前記脚部収納部を形成することにより、前記脚部と前記脚部収納部とが嵌合し、各筐体がその隙間が小さく、かつ、安定して積層が行えるようなものであれば差し支えない。 【0043】図3ないし図6を参照して、筐体4のポンプ装置の内部構造を説明する。図3において、前記パイプ接続室25は、前記湾曲面18より奥まった位置に形成され、前記パイプ接続室25内に、ポンプヘッド32、ドレンバルブ33、複数の分岐バルブ34とが配置されている。 【0044】前記パイプ接続室25には左右の第一通路4aと連結する第2の通路46(図5を参照)および第三通路47とが形成されている。前記第二通路46は、前記パイプ接続室25と、それに隣接する正面右側の第一通路4aと連結するもので、前記第一通路4aの側壁を貫通する開口部により形成されている。前記第三通路47は、前記パイプ接続室25と、正面左側の第一通路4aとを連結するもので、正面板24の内側に形成されている。 【0045】前記筐体4の背面には端子接続部35(図4を参照)が設けられている。前記端子接続部35には、電源との接続,他の機器との信号接続を行なう端子が集中配置されている。 【0046】本実施例では、使用頻度の低い電源コードと信号線の接続部とを背面に設けた前記端子接続部35に集中させることにより、前記筐体4と各筐体5,6,7,8との接続を目立たない背面で行なうようにし、使用頻度の高いパイプ16の接続を前記筐体4の両側面に設けた第一通路4aを介して行なうようにしている。もちろん、電源コードと信号線の配線用として、第一通路4aと同様な構造の通路を備えてもよい。 【0047】上記において、蓋11aが回転ヒンジ26により前カバー4bと開閉自在となる構造のもの(図1参照)を説明したが、図3、5、6、7においては、前記回転ヒンジの開閉構造のものと同様な作用効果を持つ取外し可能なキヤップ式の構造の11a′が図示されている。以下このキヤップ式の蓋11a′を備えた第一通路4aについて説明する。 【0048】図5、6、において、操作部23に近接して設けた正面左側の前記第一通路4aは、前記操作部23の操作基板29の後方であり、正面から見て、前記第一通路4aと前記操作基板29が重なるように構成されている。この構造により、前記操作部23は、その機能に必要な面積を正面に確保しながら前記筐体4の横幅を極力小さくすることができる。 【0049】また、図7に示す如く、前記蓋11a′は、断面がコ字状に形成され、その開口部の両辺先端部外側に突縁部36が形成されている。溝37は、前記第一通路4aの角部に形成されたものであり、前記蓋11a′を第一通路4aに取り付けたときに前記突縁部36と係合する。 【0050】取付金具15は、短冊形の形状とし、前記第一通路4aと他の筐体の第一通路とを連通させるためものであり、図7においては、前記第一通路4aと筐体5に形成した第一通路5aとの間を連通・係止するもので、ねじにより取り付けられる。 【0051】次に、図8ないし図11を参照して、図1の液体クロマトグラフ装置本体の外観構造と他の筐体構造を説明する。図8は、図1の液体クロマトグラフ装置本体の外観斜視図、図9は、図1の液体クロマトグラフ装置本体の開蓋状態における斜視図、図10は、図1の液体クロマトグラフ装置本体の寸法図であり、その内(a)は、図1の液体クロマトグラフ装置本体の正面寸法図、(b)は、図1の液体クロマトグラフ装置本体の右側面寸法図、図11は、図1の液体クロマトグラフ装置本体の平面寸法図である。 【0052】図8、9において、筐体5、6、7の外観構造は、上記筐体4の外観構造と同様な構造としているが、機能に応じて前カバーの構成を相違させている。検出装置である筐体5の前カバー5bの正面は、縦分割溝19bにて区分け形成される正面両側端部の面部20bと、中央上部の透明板21と、中央右下の正面板38と、中央左下の操作部23と正面板24とにより構成し、正面全体のレイアウトを筐体4と同じ構成となっている。 【0053】カラムオーブン装置である筐体6の前カバー6bの正面は、縦分割溝19cにて区分け形成される正面両側端部の面部20cと、中央の正面板39と操作部40とから構成されている。 【0054】試料供給装置である筐体7の前カバー7bの正面は、縦分割溝19dにて区分け形成される正面両側端部の面部20dと、中央上部の透明板21と、中央の中間部の透明板21と、前記透明板21と同じ大きさを有する操作部41と、中央下部の開閉扉42とにより構成される。 【0055】前記筐体7は試料供給装置となっているために、筐体内部に複数の試料瓶(図示せず)と反応瓶(図示せず)と試薬瓶(図示せず)を備えたテーブル,分注、希釈、添加するため可動部を備えた機器収納室43と、当該機器収納室43をカバーするために大きな開閉扉42とを備えている。 【0056】前記筐体8は、この筐体8が内部装置を有しないリザーバー部であり、さらに、当該筐体8が最上部に積層されるため、他の前記筐体4から筐体7とは一部相違した形態となっている。つまり、この筐体8の正面は、前カバー8aの正面下部に、左側の縦分割溝19eと横長帯状の窓44と右側の縦分割溝19eとにより分割部45を形成している。 【0057】前記分割部45は、その左側は下方に積層される筐体に形成された両側の縦分割溝19aから19dと連続し、その右側は下方に積層される筐体に形成された両側の縦分割溝20aから20dと連続し、逆U字状を形成している。以上述べたように、前記の筐体4から筐体8の前カバー4bから前カバー8bの正面は、前記筐体4,5のそれぞれ前記操作部23、前記筐体6の前記操作部40、前記筐体7の前記操作部41以外の構成部材が、上面から見て、凹凸の少ない同一形状の凸状の湾曲面18となるように形成されている。 【0058】さらに、前記各前カバ-5bから8bまでの側面には、前記筐体4に形成した前記第一通路4aと同じ位置に同様な第一通路5aから8aまでを備え、さらに、蓋11bから11eまでが設けられている。このため、液体クロマトグラフ装置本体2は前記筐体4から筐体8までを積層した状態で上下に連通する第一通路4aから8aまでが形成される。 【0059】また、前記筐体5から筐体8には、前記筐体4と同様な第二通路あるいは第三通路を形成し、前記各筐体内部あるいは前記機器収納室43と前記の第一通路5aから8aまでを連結することにより、外観上にパイプ16を露出することなく、前記各筐体4から前記筐体8までを配管することができる。 【0060】以上のように、本実施例では、前記各筐体4から筐体8までの正面の構成を、前記各筐体の正面両側端部に縦分割溝19aないし19dを介して形成される面部20aから20dまでを形成させることで上下に連続させることができる。さらに、上記表示部27をそれぞれ備えた装置においては、同一の大きさを備えた上記透明板21を同じ位置に設けている。 【0061】さらに、前記各筐体は前カバ-4bから8bまでの正面形状を、上面から見て、凸状の湾曲面18とすることにより、正面を構成する各構成部材の剛性を高めるとともに、前記した配置構成とともに一台の液体クロマトグラフ装置本体2としての統一した印象をもち、さらに、清掃性を高めている。 【0062】また、前記筐体5、6、7は前記筐体4と同様に、その側面カバー5c、6c、7cには切欠部17、その上下面には、それぞれ脚部収納部30と脚部31とを備え、前記筐体8の下面には脚部31を備えている。このため、上下の筐体の前記脚部収納部30と前記脚部31とは、嵌合させることができるので、前記各筐体の隙間を小さくして全高を低くして液体クロマトグラフ装置2の重心を低くして安定して積層させることができ、この積層状態において、上記の連通する第一通路4aから8aまでが形成される。 【0063】上記の場合、前記各筐体間は、取付金具15(図7を参照)で取り付けられるが、これを分離するときは、前記切欠部17を手掛り部として利用することができる。また、前記筐体5、6、7の背面には筐体4と同様に、端子接続部35が設けられ、当該各筐体の電源と信号の接続を背面で行なうようにしている。 【0064】図10(a),(b)、図11において、本実施例における前記筐体4から筐体8の具体的寸法の一例を示す。全体の横幅Wを260mm、奥行Dを500mmとして、上面の大きさを同一にし、筐体4の高さ4Hを150mm、筐体5の高さ5Hを150mm、筐体6の高さ6Hを105mm、筐体7の高さ7Hを235mm、筐体8の高さ8Hを105mm、筐体4から筐体8の全体の高さHを765mmとなっている。 【0065】次に、図12において、液体クロマトグラフ装置本体2の溶離液用ボトル9aと洗浄液用ボトル9bから試料や試薬をパイプ16を介して各筐体にいたる流路を説明する。図12は、図1の液体クロマトグラフ装置本体の配管説明図である。図12において、(a)は左側面、(b)は正面、(c)は右側面における試料,試薬の配管用のパイプ16を示したものである。 【0066】図12において、試薬品収納部10を備えたリザーバー部である筐体8は、最上部に積層されている。前記試薬品収納部10に備えた溶離液用のボトル9aと連結するパイプ16は、矢印A1に示す実線のように、正面左側の第一通路8a~5aを介して第一通路4aにいたり、ポンプ装置である筐体4に形成した第三通路47(図示せず)を介してパイプ接続室25にいたり、ポンプヘッド32に接続される。 【0067】前記ポンプヘッド32により圧力が加えられた溶離液は、このポンプヘッド32から分岐バルブ34を経て、第二通路46(図示せず)から正面右側の前記第一通路4aにいたり、前記第一通路5a、6a、7aおよび試料供給装置である筐体7の第二通路(図示せず)を経て、前記筐体7の内部に設けた配管接続部48に接続される。 【0068】前記試料供給装置である筐体7にて分注、希釈、添加された液体は、前記配管接続部48から、再びこの筐体7の第二通路、前記第一通路7a、6a、筐体6のカラムオーブン装置の第二通路(図示せず)を順次経て、前記筐体6のカラムオーブン装置の内部に設けた配管接続部49に接続される。 【0069】前記カラムオーブン装置の内のカラムにて各成分ごとに分離された液体は、配管接続部49から再び第二通路を経て、前記第一通路6a、5aから、検出装置である筐体5の第二通路(図示せず)を経て、配管接続部50に接続される。前記筐体5の検出装置にて成分を分析された液体は、前記配管接続部50から再び該筐体5の第二通路を経て、前記第一通路5a、6a、7a、8aを経て、前記筐体8のリザーバー部の試薬品収納部10に備えた廃棄用のボトル9cに廃棄される。 【0070】洗浄液用のボトル9bの洗浄液も前記溶離液と同様に送液され、矢印A2で示す点線のように前記ポンプヘッド32から、ドレンバルブ33、第三通路47から第一通路4aから8aを経て、廃棄用のボトル9cに廃棄される。また、矢印A3で示す点線のように、配管接続部48から筐体7の第3通路(図示せず)経て、第一通路7a、8aから廃棄用のボトル9cに廃棄される。本実施例では、前記第一通路4a~8aはパイプ16を4本程度配管できる大きさとしている。 【0071】なお、本実施例では、各装置の両側に設けた前記第一通路4aから8aまでに各種のパイプ16を均等に配置しているが、例えば、左側の第一通路4aから8aまでを筐体4のポンプ装置への溶離液供給用パイプ16の配管用として使用し、右側の第一通路4aから8aに筐体4のポンプ装置から他の各筐体5,6,7,8への供給用パイプ16の配管用として使用するようにしても差し支えない。 【0072】また、洗浄用,廃棄用のパイプ16の配管用として他の通路を備えるなど、配管種類ごとに通路を形成することによりパイプ接続時の取扱性を向上させることができる。この場合、各通路に各装置の配管接続部を近接配置することにより配管距離を短くすることができる。 【0073】次に、本実施例に係る液体クロマトグラフ装置の設置および操作について説明する。図13は、図1の液体クロマトグラフ装置本体の筐体積層作業説明図である。本実施例では、液体クロマトグラフ装置本体2を構成する各筐体を分析する試料に対応して選択し、その筐体を1つの筐体上に積層することができる。積層する際は、各筐体の脚部31を下方に位置する筐体の脚部収納部30に嵌合することにより、前記筐体間の隙間を無くし、水平方向の筐体のズレを防止することができる。 【0074】この積層,分離の際、各筐体を切欠部17で支持することができるから、図13に示す如く、作業時に指を挟むなどすることがなく安全である。さらに、第一通路4aから8aを介して、取付金具15で各筐体を連結する。前記取付金具15による連結は、前記脚部31と前記脚部収納部30とを嵌合させているので、従来に比べて強度を必要としなくなるから小型化できる。 【0075】また、前記各筐体間のパイプ16の接続は、上下に連通する第一通路4aないし8aおよび前記第一通路4aないし8aと筐体内部のパイプ接続部とを連結する第2通路46、第3通路47を介して行われる。さらに、前記第一通路4aから8aまでは、外表面を蓋11a~11eで覆うことにより、前記取付金具15や前記パイプ16を隠蔽することができる。また、電源や信号配線は各筐体の背面に設けた端子接続部35で行うため、正面から見苦しい配線を隠蔽することができる。 【0076】前記液体クロマトグラフ装置1では、前記液体クロマトグラフ装置本体2とデータ処理装置3とを構成する各筐体(ただし、筐体8は除く)は、独立した電源スイッチ28を備えている。前記各筐体4ないし7は各々の電源スイッチ28を入れ、前記各々の筐体に備えた操作部23、40、41を介して各々の筐体の動作条件を設定できるようになっている。 【0077】なお、前記各電源スイッチ28については、メインの筐体、例えば、前記筐体4のポンプ装置あるいは前記データ処理装置3をON状態とすることにより、前記液体クロマトグラフ装置1全体がON状態となり、分析を開始するようになっている。 【0078】以上述べたように、本実施例によれば、各筐体は積層した状態で連通する第一通路4aから8aまでと、第二通路46(第三通路47を備えてもよい)とを各筐体4から8までに備えるようにしたので、前記第一通路4aないし8aおよび第二通路46を介してパイプ16の接続を行うことができるから配管処理を容易にすることができる。 【0079】このため、従来例が各筐体間の隙間をぬうようには弛ませて配管していたパイプ16を前記2つの通路を介して直線的に接続することができる。このため、パイプ16を最短距離で接続ができるから、パイプ16内を流れる液量を減らすことができるので、全体の試薬の送液量や洗浄液を減少でき、セットアップや洗浄の時間を短縮するとともに、ひいては、微量な混合試料の分析精度向上に貢献することができる。 【0080】さらに、パイプ16は、第一通路4aないし8a内と第二通路46内とで配管されるから、パイプ16を誤って破損することがないから、貴重な分析データを損失したり、あるいは、パイプ16内に送液する危険な試薬の飛散等の安全性を向上させることができる。さらに加えて、パイプ16は第一通路4aから8aまでに沿って集中配管されるから、パイプ16の取付や取外しの際の取扱性を向上させることができる。 【0081】また、前記筐体4ないし8は、筐体前部を構成する前カバー4bから8bまでを有し、当該前カバー4bから8bの外面は、凹凸の少ない一様な平坦面で構成され、正面両側端部には、積層時に上下に連続する位置に形成され、かつ、側端部に面部20aから20eを形成する縦分割線19aから19eを形成することにより、上下に連続した一体感のある形態とて、液体ガスクロマトグラフ装置を室内環境に調和させることができる。 【0082】さらに、前記各筐体4ないし8は筐体底面に凸状の脚部31を備え、本体上面には、前記脚部31と対応する位置に形成され、前記脚部31をほぼ収納可能な脚部収納部30部を形成するとともに、前記各筐体4ないし8の上、底面両側端部に切欠部17を形成することにより、分離・設置しやすさを維持しながら、全高を低くして一体感をだし、安定したシステムの構成を容易にすることができる。 【0083】さらに、前記各筐体4ないし8を固定する前記取付金具15は、前記脚部31と脚部収納部30とを嵌合させることにより、その強度を弱くすることができるので、小型になり、しかも、第一通路4aから8aまでを蓋11aと11eまでとにより隠蔽できるので、美観上も、安全対策上も向上させることができる。」 (甲2-エ)「【0100】〔実施例 5〕本発明に係る分離分析装置のさらに他の実施例を示す液体クロマトグラフ装置を説明する。図20は、本発明に係る分離分析装置のさらに他の実施例を示す液体クロマトグラフ装置本体の外観斜視図である。なお、図中、図1から図19に示した部材、部位と同等ものは同一符号をもって示し説明を省略する。新たな符号のみ説明する。58、59、60は箱形形状の筐体、前カバー58b、59b、60bは前カバー、58c、59c、60cは後カバーである。 【0101】図20において、本実施例は、各筐体を左右方向に連続して並設配置し、その筐体外表面に第一通路58aから60aを設けたものである。図において、液体クロマトグラフ装置本体2は、側面形状を同一に形成して左右方向に連続して並列配置可能に構成した箱形形状の筐体58から筐体60によって構成される。前記筐体58ないし筐体60は、分離分析する混合試料に対応して組み替え自在に並設配置される。 【0102】本実施例では、最小のシステムを示したものであり、前記筐体58をリザーバー部、前記筐体59をポンプ装置、前記筐体60を検出装置としている。前記筐体58ないし筐体60は、前部を構成する前カバー58bないし60bと、後部を構成する後カバー58cないし60cとにより構成される。前記前カバー58bから60bまでの正面上下には、横分割溝19aなしい19cが形成され、上下端部に面部20aないし20cを備えた蓋11aないし11cが形成される。 【0103】前記蓋11aないし11cは、その断面がL字形状をしており、端部に設けたヒンジ部(図示せず)にて矢印のように上下方向に開閉自在に構成される。前記蓋11aから11dcの内側には、前記筐体58ないし筐体60を並設した状態で連通する第一通路58aから60aまでが形成される。通路46は、該第一通路58aから60aまでと前記各筐体内部に設けた配管接続部とを連結する第二通路である。試薬品収納部10は、筐体58の上面に開口して設けられ、透明板21は、前記筐体並設状態では横方向に連続するように設けられている。 【0104】前記筐体59の正面部は、操作部23と矢印方向に開閉可能な前記前カバー59bとにより形成され、前記筐体60正面部は、操作部23と前記前カバー60bとにより形成され、リザーバー部である筐体58の正面部は、大面積の前記前カバー58bにより形成されている。これら前記正面部の上部は、前記筐体58の窓形44と前記筐体59、60の正面部上部に設けたそれぞれの透明板21と連続するように形成されている。また、各筐体58から60までの底面には脚部31が設けられている。 【0105】以上述べた如く、上記各実施例によれば、第一通路58aから60aまでが正面に配置されるので、配管作業を容易にすることができる。さらに、第一通路58aから60aまでの表面を面部20aから20cまでを備えた蓋11aから11cまでにより覆うことができるので、配管を隠蔽できるとともに、左右に連続した面部20aから20cまでが形成されるから、液体クロマトグラフ装置本体2を一体感ある形態とすることができる。」 (甲2-オ)【図2】 「 [図:0001407792000003.jpg] 」 (甲2-カ)【図4】 「 [図:0001407792000004.jpg] 」 (甲2-キ)【図8】 「 [図:0001407792000005.jpg] 」 (甲2-ク)【図9】 「 [図:0001407792000006.jpg] 」 (甲2-ケ)【図12】 「 [図:0001407792000007.jpg] 」 (甲2-コ)【図20】 「 [図:0001407792000008.jpg] 」 (2)甲2から看取・認定される事項 ア 上記(甲2-カ)の【図4】の左側断面部分から、筐体4の前カバー4bは、天板部及び底板部を備え、当該天板部の上面及び底板部の下面は、それぞれ筐体4の上面及び下面と連続していることが見て取れる。 イ 上記(甲2-オ)の【図2】から、前カバー4bの天板部と蓋11aの上端により、前カバー4bの上側に第一通路4aの上開口が形成されていることが見て取れる。 そして、前カバー4bの下側にも、前カバー4bの底板部と蓋11aの下端により、第一通路4aの下開口が形成されていると解される。 ウ 上記(甲2-ウ)の段落【0052】ないし【0058】に、筐体5ないし8の前カバー5bないし8bに関する記載があり、「機能に応じて前カバーの構成を相違させている」(【0052】)と記載されているが、具体的な言及がされている相違点は正面の構成に関することのみである。そして、「前記各前カバ-5bから8bまでの側面には、前記筐体4に形成した前記第一通路4aと同じ位置に同様な第一通路5aから8aまでを備え、さらに、蓋11bから11eまでが設けられている」(【0058】)こと、及び「前記筐体4ないし筐体8は、最上部の前記筐体8以外は分離分析する混合試料に対応して組み替え自在に積層することができる」(【0025】)ことから、筐体5ないし7の前カバー5bないし7bは、筐体4の前カバー4bと同様に、天板部及び底板部を備え、各前カバーの天板部と蓋11の上端により、各前カバーの上側に第一通路の上開口が形成され、各前カバーの底板部と蓋11の下端により、各前カバーの下側に第一通路の下開口が形成されていると解される。 エ 上記(甲2-ク)の【図9】から、扉42は左右方向に回動することが見て取れる。 オ 上記(甲2-コ)の【図20】から、前カバー60bの右側面と後カバー60cの右側面とで、筐体60の右側面を形成していることが見て取れる。 そして、上記(甲2-エ)の「図において、液体クロマトグラフ装置本体2は、側面形状を同一に形成して左右方向に連続して並列配置可能に構成した箱形形状の筐体58から筐体60によって構成される。前記筐体58ないし筐体60は、分離分析する混合試料に対応して組み替え自在に並設配置される。」(【0101】)との記載から、筐体60の左側面は前カバー60bの左側面と後カバー60cの左側面とで形成され、筐体58及び筐体59の左右側面も同様にそれぞれの前カバー及び後カバーの左右側面で形成されているものと解される。 カ 上記(甲2-コ)の【図20】から、蓋11cを閉じると、前カバー60bの右側面と蓋11cの右端により、前カバー60bの右側に第一通路60aの右開口が形成され、カバー60bの左側面と蓋11cの左端により、前カバー60bの左側に第一通路60aの左開口が形成されることが理解できる。 そして、前カバー58b及び59bの左右側にも、第一通路58a及び59aの左右開口が形成されていると解される。 キ 上記(甲2-エ)の【0103】に記載された「第一通路58aから60a」は、上記(甲2-ウ)の【0026】に記載された「第一通路の4aから8a」と同じ機能を有するものと解されるから、「第一通路58aから60a」には、「第一通路の4aから8a」と同様に送液用のパイプ16が配管されていると認められる。 ク 上記(甲2-エ)の【0104】の「前記筐体59の正面部は、操作部23と矢印方向に開閉可能な前記前カバー59bとにより形成され」との記載は、上記(甲2-ク)の【図20】の記載を参酌するに、「前記筐体59の正面部は、操作部23と左右方向に回動する開閉可能な扉を備えた前記前カバー59bにより形成され」ることを意味するものと認められる。 (3)甲2に記載された発明 上記(2)アないしクを踏まえると、上記(甲2-ア)ないし(甲2-コ)の記載から、甲2には、以下の2つの発明が記載されていると認められる。 「機能毎に分離し、かつ、上面形状を同一に形成して積層可能に構成した箱形状の筐体4,5,6,7,8によって構成されている液体クロマトグラフ装置本体2であって、 前記筐体4ないし筐体8は、最上部の前記筐体8以外は分離分析する混合試料に対応して組み替え自在に積層することができ、 前記筐体4ないし筐体8は、それぞれ筐体前部を構成する前カバー4bなしい8bを備え、 前記前カバー4bの両側面には、上下に貫通した凹状の第一通路4aが形成され、その外側を蓋11aにより覆われており、前記蓋11aは、回転ヒンジにより前記前カバー4bに開閉自在に取付けられ、閉めた状態においてこの前カバー4bと表面が一致し、凹凸のない一様な平坦面を構成し、 前記各前カバー5bから8bまでの側面には、前記前カバー4bに形成した前記第一通路4aと同じ位置に同様な第一通路5aから8aまでを備え、さらに、前記蓋11aと同様に蓋11bから11eまでが設けられており、 前記前カバー4bは、天板部及び底板部を備え、当該天板部の上面及び底板部の下面は、それぞれ前記筐体4の上面及び下面と連続しており、前記天板部と前記蓋11aの上端により、前記前カバー4bの上側に前記第一通路4aの上開口が形成され、前記底板部と前記蓋11aの下端により、前記前カバー4bの下側に前記第一通路4aの下開口が形成されており、 前記前カバー4bと同様に、前記前カバー5bないし7bは、それぞれ天板部及び底板部を備え、当該各天板部の上面及び底板部の下面は、それぞれ対応する筐体5ないし7の上面及び下面と連続しており、前記各天板部と対応する前記蓋11bないしdの上端により、前記各前カバー5bないし7bの上側に対応する前記第一通路5aないし7aの上開口が形成され、前記各底板部と対応する前記蓋11bないしdの下端により、前記各前カバー5bないし7bの下側に対応する前記第一通路5aないし7aの下開口が形成されており、 前記筐体4から筐体8までを積層した状態で上下に連通する第一通路4aから8aまでが形成され、送液用のパイプ16が配管されており、蓋11aから11eにより、前記パイプ16を隠蔽するようになっており、 最下部に配置される前記筐体4をポンプ装置とし、その上部に配置される前記筐体5を検出装置とし、その上部に配置される前記筐体6をカラムオーブン装置とし、その上部に配置される前記筐体7を試料供給装置とし、最上部に配置される前記筐体8をリザーバー部とし、 前記筐体7は試料供給装置となっているために、筐体内部に複数の試料瓶と反応瓶と試薬瓶を備えたテーブル、分注、希釈、添加するための可動部を備えた機器収納室43を備え、前記筐体7の前カバー7bの正面は、中央下部に前記機器収納室43をカバーするために左右方向に回動する大きな開閉扉42を備え、 リザーバー部である筐体8が備える試薬品収納部10に備えた溶離液用のボトル9aと連結するパイプ16は、正面左側の第一通路8a~5aを介して第一通路4aにいたり、ポンプ装置である筐体4に形成した第三通路47を介してパイプ接続室25にいたり、ポンプヘッド32に接続され、前記ポンプヘッド32により圧力が加えられた溶離液は、このポンプヘッド32から分岐バルブ34を経て、第二通路46から正面右側の前記第一通路4aにいたり、前記第一通路5a、6a、7aおよび試料供給装置である筐体7の第二通路を経て、前記筐体7の内部に設けた配管接続部48に接続され、前記試料供給装置である筐体7にて分注、希釈、添加された液体は、前記配管接続部48から、再びこの筐体7の第二通路、前記第一通路7a、6a、筐体6のカラムオーブン装置の第二通路を順次経て、前記筐体6のカラムオーブン装置の内部に設けた配管接続部49に接続され、前記カラムオーブン装置の内のカラムにて各成分ごとに分離された液体は、配管接続部49から再び第二通路を経て、前記第一通路6a、5aから、検出装置である筐体5の第二通路を経て、配管接続部50に接続され、前記筐体5の検出装置にて成分を分析された液体は、前記配管接続部50から再び該筐体5の第二通路を経て、前記第一通路5a、6a、7a、8aを経て、前記筐体8のリザーバー部の試薬品収納部10に備えた廃棄用のボトル9cに廃棄される、 液体クロマトグラフ装置本体2。」(以下「甲2発明V」という。) 「側面形状を同一に形成して左右方向に連続して並列配置可能に構成した箱形形状の筐体58から筐体60によって構成される液体クロマトグラフ装置本体2であって、 前記筐体58ないし筐体60は、分離分析する混合試料に対応して組み替え自在に並設配置され、 前記筐体58をリザーバー部、前記筐体59をポンプ装置、前記筐体60を検出装置とし、 前記筐体58ないし筐体60は、それぞれ前部を構成する前カバー58bないし60bと、後部を構成する後カバー58cないし60cとにより構成され、前記前カバー58bないし60bの左右側面と前記後カバー58cないし60cの左右側面とで前記筐体58ないし筐体60の左右側面が形成され、前記前カバー58bから60bまでの上下端部に面部20aないし20cを備えた蓋11aないし11cが形成され、前記蓋11aないし11cは、その断面がL字形状をしており、端部に設けたヒンジ部にて上下方向に開閉自在に構成され、前記蓋11aから11cの内側には、前記筐体58ないし筐体60を並設した状態で連通する第一通路58aから60aまでが形成されていて、送液用のパイプ16が配管されており、 蓋11cを閉じると、前カバー60bの右側面と蓋11cの右端により、前カバー60bの右側に第一通路60aの右開口が形成され、カバー60bの左側面と蓋11cの左端により、前カバー60bの左側に第一通路60aの左開口が形成され、同様に、前カバー58b及び59bの左右側にも、第一通路58a及び59aの左右開口が形成されており、 前記筐体59の正面部は、操作部23と左右方向に回動する開閉可能な扉を備えた前記前カバー59bにより形成された、 液体クロマトグラフ装置本体2。」(以下「甲2発明H」という。) 3 当審の判断 (1)本件発明1について ア 本件発明1と甲2発明Vとを対比する。 (ア)甲2発明Vの「ポンプヘッド32」を有する「ポンプ」、「検出装置」の「筐体5」内部に配置される部分、「カラム」、「複数の試料瓶と反応瓶と試薬瓶を備えたテーブル、分注、希釈、添加するための可動部」、並びに「溶離液用のボトル9a」及び「廃棄用のボトル9c」は、本件発明1の「複数の流体関連機器」に相当する。 (イ)甲2発明Vの「ポンプヘッド32」を有する「ポンプ」、「検出装置」の「筐体5」内部に配置される部分、「カラム」、「複数の試料瓶と反応瓶と試薬瓶を備えたテーブル、分注、希釈、添加するための可動部」、並びに「溶離液用のボトル9a」及び「廃棄用のボトル9c」は、それぞれ「箱形状の筐体4,5,6,7,8」内に配置されるものであるから、甲2発明Vの「箱形状の筐体4,5,6,7,8」は、本件発明1の「前記複数の流体関連機器のそれぞれを収容する複数の収容容器」に相当する。 (ウ)甲2発明Vの「送液用のパイプ16」は、「リザーバー部である筐体8が備える試薬品収納部10に備えた溶離液用のボトル9aと連結」され、「正面左側の第一通路8a~5aを介して第一通路4aにいたり、ポンプ装置である筐体4に形成した第三通路47を介してパイプ接続室25にいたり、ポンプヘッド32に接続され、前記ポンプヘッド32により圧力が加えられた溶離液は、このポンプヘッド32から分岐バルブ34を経て、第二通路46から正面右側の前記第一通路4aにいたり、前記第一通路5a、6a、7aおよび試料供給装置である筐体7の第二通路を経て、前記筐体7の内部に設けた配管接続部48に接続され、前記試料供給装置である筐体7にて分注、希釈、添加された液体は、前記配管接続部48から、再びこの筐体7の第二通路、前記第一通路7a、6a、筐体6のカラムオーブン装置の第二通路を順次経て、前記筐体6のカラムオーブン装置の内部に設けた配管接続部49に接続され、前記カラムオーブン装置の内のカラムにて各成分ごとに分離された液体は、配管接続部49から再び第二通路を経て、前記第一通路6a、5aから、検出装置である筐体5の第二通路を経て、配管接続部50に接続され、前記筐体5の検出装置にて成分を分析された液体は、前記配管接続部50から再び該筐体5の第二通路を経て、前記第一通路5a、6a、7a、8aを経て、前記筐体8のリザーバー部の試薬品収納部10に備えた廃棄用のボトル9cに廃棄される」ようにするものであるから、本件発明1の「前記複数の流体関連機器を接続する少なくとも1つの配管」に相当する。 (エ)甲2発明Vの「液体クロマトグラフ装置本体2」は、本件発明1の「流体クロマトグラフ」に相当する。 (オ)甲2発明Vは、「前記筐体6をカラムオーブン装置とし、その上部に配置される前記筐体7を試料供給装置とし」ているから、「筐体7」と「筐体6」は上下方向に互いに隣り合うように積層されている。 そうすると、甲2発明Vの「筐体7」及び「筐体6」は、それぞれ本件発明1の「第1の収容容器」及び「第2の収容容器」に相当し、甲2発明Vは、本件発明1の「前記複数の収容容器は、互いに隣り合うように配置された第1および第2の収容容器を含」むという構成を備えている。 (カ)甲2発明Vの「筐体7」は「試料供給装置」であって、内部に「複数の試料瓶と反応瓶と試薬瓶を備えたテーブル、分注、希釈、添加するための可動部」が配置され、また、「筐体6」は「カラムオーブン装置」であって、内部に「カラム」が配置されるものである。 そうすると、甲2発明Vの「複数の試料瓶と反応瓶と試薬瓶を備えたテーブル、分注、希釈、添加するための可動部」及び「カラム」は、それぞれ本件発明1の「第1の流体関連機器」及び「第2の流体関連機器」に相当し、甲2発明Vは、本件発明1の「前記複数の流体関連機器は、前記第1および第2の収容容器にそれぞれ収容される第1および第2の流体関連機器を含」むことに相当する構成を備えている。 (キ)甲2発明Vは「前記試料供給装置である筐体7にて分注、希釈、添加された液体は、前記配管接続部48から、再びこの筐体7の第二通路、前記第一通路7a、6a、筐体6のカラムオーブン装置の第二通路を順次経て、前記筐体6のカラムオーブン装置の内部に設けた配管接続部49に接続され」るところ、ここでの接続は「パイプ16」により実現されるものである。 そうすると、甲2発明Vの「配管接続部48」と「配管接続部49」を接続する「パイプ16」は、本件発明1の「第1の配管」に相当するといえ、甲2発明Vは、本件発明1の「前記少なくとも1つの配管は、前記第1の流体関連機器と前記第2の流体関連機器とを接続する第1の配管を含」むことに相当する構成を備えている。 (ク)上記(オ)のとおり、「上下方向に互いに隣り合うように積層されている」甲2発明Vの「筐体7」及び「筐体6」について、相互に向かい合う「筐体7」の下面及び「筐体6」の上面は、それぞれ本件発明1の「第1の外面」及び「第2の外面」に相当し、甲2発明Vは、本件発明1の「前記第1の収容容器は、第1の外面を有し、前記第2の収容容器は、前記第1の外面に対して少なくとも部分的に対向する第2の外面を有」することに相当する構成を備えている。 (ケ)甲2発明Vの「前カバー7b」の下側に形成された「第一通路7a」の「下開口」は、「送液用のパイプ16が配管され」るものであるから、本件発明1の「第1の配管孔」に相当する。 そして、甲2発明Vの「前カバー7b」の下面は、筐体7の下面と連続しているから、筐体7の下面の一部を構成しているといえる。 そうすると、上記(ク)のとおり、甲2発明Vの「筐体7」の下面は本件発明1の「第1の外面」に相当するから、甲2発明Vは、本件発明1の「前記第1の外面には第1の配管孔が形成され」ることに相当する構成を備えている。 (コ)甲2発明Vの「前カバー6b」の上側に形成された「第一通路6a」の「上開口」は、「送液用のパイプ16が配管され」るものであるから、本件発明1の「第2の配管孔」に相当する。 そして、甲2発明Vの「前カバー6b」の上面は、筐体6の上面と連続しているから、筐体6の上面の一部を構成しているといえる。 また、「前記筐体4から筐体8までを積層した状態で上下に連通する第一通路4aから8aまでが形成され」るから、「前カバー6b」の上側に形成された「第一通路6a」の「上開口」と、「前カバー7b」の下側に形成された「第一通路7a」の「下開口」が対向することは明らかである。 そうすると、上記(ク)のとおり、甲2発明Vの「筐体6」の上面は本件発明1の「第2の外面」に相当するから、甲2発明Vは、本件発明1の「前記第2の外面には、前記第1の配管孔に対して少なくとも部分的に対向する第2の配管孔が形成され」ることに相当する構成を備えている。 (サ)甲2発明Vは、「前記筐体4から筐体8までを積層した状態で上下に連通する第一通路4aから8aまでが形成され、送液用のパイプ16が配管されて」いるから、「送液用のパイプ16」が、「前カバー7b」の下側に形成された「第一通路7a」の「下開口」及び「前カバー6b」の上側に形成された「第一通路6a」の「上開口」を通過することは明らかである。 そうすると、甲2発明Vは、本件発明1の「前記第1の配管は、前記第1および第2の配管孔を通過するように設けられ」ることに相当する構成を備えている。 (シ)a 甲2発明Vの「筐体7」の、「前カバー7b」よりも後方の「機器収納室43」を形成する部分は、本件発明1の「開口を有する筐体」に相当する。 b 甲2発明Vの「前記機器収納室43をカバーするため」の「左右方向に回動する大きな開閉扉42」は、本件発明1の「前記開口を閉塞および開放する扉」に相当する。 c 甲2発明Vは「前記筐体7の前カバー7bの正面は、中央下部に前記機器収納室43をカバーするために左右方向に回動する大きな開閉扉42を備え」と特定されているところ、「大きな開閉扉42」は、「前カバー7b」に「左右方向に回動する」ように取付けられ、該「前カバー7b」を介して、「筐体7」における該「前カバー7b」よりも後方の、「機器収納室43」を形成する部分に取付けられているといえる。 そうすると、「前カバー7b」は「機器収納室43」を形成する部分と「大きな開閉扉42」とに介在する部材であると位置づけられるから、甲2発明Vの「中央下部に前記機器収納室43をカバーするために左右方向に回動する大きな開閉扉42を備え」、「側面に前記蓋11dが設けられ」た「前カバー7b」は、本件発明1の「前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材」に相当する。 d 上記(ケ)のとおり、甲2発明Vの「前カバー7b」の下面は、「筐体7」の下面の一部を構成しているといえるから、甲2発明Vの「前カバー7b」は、本件発明1の「前記取付部材は、前記第1の外面の一部を構成」するという構成を満たしているといえる。 そうすると、甲2発明Vの「天板部及び底板部を備え」、「両側面には、上下に貫通した凹状の」「第一通路7a」「が形成され、その外側を」「蓋11d」「により覆われて」いる「前カバー7b」は、本件発明1の「前記取付部材は板状であり、前記第1の外面の一部を構成」することと、「前記取付部材は、前記第1の外面の一部を構成」することの点で共通する構成を備えている。 e 甲2発明Vでは、「前カバー7b」の底板部と前記蓋11dの下端により、前記前カバー7bの下側に前記第一通路7aの下開口が形成されている。 ここで、前記蓋11dは、前記蓋11aと同様に、回転ヒンジにより前記前カバー7bに開閉自在に取付けられ、閉めた状態においてこの前カバー7bと表面が一致し、凹凸のない一様な平坦面を構成するから、前記蓋11dは前記前カバー7bの一部であるといえる。 そうすると、甲2発明Vの「前カバー7b」の底板部と前記蓋11dの下端により、前記前カバー7bの下側に形成された前記第一通路7aの「下開口」は、「前カバー7b」の下面に形成されているといえるから、甲2発明Vの「前カバー7b」の下側に形成された「下開口」は、本件発明1の「前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成された」ものであるという構成を満たしているといえる。 f 上記aないしeを踏まえると、甲2発明Vの「筐体7」は、本件発明1の「前記第1の収容容器は、開口を有する筐体と、前記開口を閉塞および開放する扉と、前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材とを含み、前記取付部材は板状であり、前記第1の外面の一部を構成し、前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成された」ものであることと、「前記第1の収容容器は、開口を有する筐体と、前記開口を閉塞および開放する扉と、前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材とを含み、前記取付部材は、前記第1の外面の一部を構成し、前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成された」ものである点で共通する構成を備えている。 イ そうすると、本件発明1と甲2発明Vとは、 「複数の流体関連機器と、 前記複数の流体関連機器のそれぞれを収容する複数の収容容器と、 前記複数の流体関連機器を接続する少なくとも1つの配管と、を備える流体クロマトグラフであって、 前記複数の収容容器は、互いに隣り合うように配置された第1および第2の収容容器を含み、 前記複数の流体関連機器は、前記第1および第2の収容容器にそれぞれ収容される第1および第2の流体関連機器を含み、 前記少なくとも1つの配管は、前記第1の流体関連機器と前記第2の流体関連機器とを接続する第1の配管を含み、 前記第1の収容容器は、第1の外面を有し、 前記第2の収容容器は、前記第1の外面に対して少なくとも部分的に対向する第2の外面を有し、 前記第1の外面には第1の配管孔が形成され、 前記第2の外面には、前記第1の配管孔に対して少なくとも部分的に対向する第2の配管孔が形成され、 前記第1の配管は、前記第1および第2の配管孔を通過するように設けられ、 前記第1の収容容器は、 開口を有する筐体と、 前記開口を閉塞および開放する扉と、 前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材とを含み、 前記取付部材は、前記第1の外面の一部を構成し、 前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成された、流体クロマトグラフ。」 の発明である点で一致し、次の相違点1において相違する。 (相違点1) 前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材であって、前記第1の外面の一部を構成し、前記第1の配管孔がその面に形成された取付部材について、本件発明1においては、「板状」であるのに対し、甲2発明Vにおいては、「天板部及び底板部を備え」、「両側面には、上下に貫通した凹状の」「第一通路7a」「が形成され、その外側を」「蓋11d」「により覆われて」いる点。 ウ 上記相違点1について検討する。 (ア)上記相違点1は実質的な相違点であるから、本件発明1は、甲2発明Vではない。 (イ)甲2発明Vにおいて、「前カバー7b」が本件発明1の「取付部材」に相当するところ、「前カバー7b」は、その両側面に蓋11dにより覆われる第一通路7aを備えたものである。 このような「前カバー7b」の構成及び本件発明1との共通点である「前記取付部材は、前記第1の外面の一部を構成し、前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成され」ているという構成を維持しつつ、「前カバー7b」を「板状」とする構成が、従来周知であったとはいえない。 また、甲1及び甲3の記載事項(後記第6の2参照。)を検討しても、いずれも筐体の外面の一部を構成する板状の扉取付部材の面に配管孔を設けることを開示するものではない。 してみると、甲2発明Vの「前カバー7b」を板状とすることは、当業者が容易になし得たこととはいえない。 (ウ)したがって、本件発明1は、甲2発明Vに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 エ 次に、本件発明1と甲2発明Hとを対比する。 (ア)甲2発明Hの「箱形形状の筐体58から筐体60」は、それぞれ「リザーバー部」、「ポンプ装置」及び「検出装置」であるから、「筐体58ないし筐体60」の内部に、それぞれ「リザーバー」、「ポンプ」及び「検出器」が配置されていることは技術常識であり、当該「リザーバー」、「ポンプ」及び「検出器」は、本件発明1の「複数の流体関連機器」に相当する。 (イ)上記(ア)を踏まえると、甲2発明Hの「箱形形状の筐体58から筐体60」は、本件発明1の「前記複数の流体関連機器のそれぞれを収容する複数の収容容器」に相当する。 (ウ)甲2発明Hの「送液用のパイプ16」は、「前記筐体58ないし筐体60を並設した状態で連通する第一通路58aから60a」に「配管されており」、「筐体58ないし筐体60」の内部の「リザーバー」、「ポンプ」及び「検出器」に接続されていることは明らかである。 したがって、甲2発明Hの「送液用のパイプ16」は、本件発明1の「前記複数の流体関連機器を接続する少なくとも1つの配管」に相当する。 (エ)甲2発明Hの「液体クロマトグラフ装置本体2」は、本件発明1の「流体クロマトグラフ」に相当する。 (オ)甲2発明Hの「箱形形状の筐体58から筐体60」は「側面形状を同一に形成して左右方向に連続して並列配置可能に構成した」ものであるところ、「前記筐体58ないし筐体60を並設した状態」において、「筐体59」と「筐体60」は左右方向に互いに隣り合うように配置されている。 そうすると、甲2発明Hの「筐体59」及び「筐体60」は、それぞれ本件発明1の「第1の収容容器」及び「第2の収容容器」に相当し、甲2発明Hは、本件発明1の「前記複数の収容容器は、互いに隣り合うように配置された第1および第2の収容容器を含」むという構成を備えている。 (カ)上記(ア)及び(オ)を踏まえると、「筐体59」及び「筐体60」がそれぞれ「ポンプ装置」及び「検出装置」である甲2発明Hは、本件発明1の「前記複数の流体関連機器は、前記第1および第2の収容容器にそれぞれ収容される第1および第2の流体関連機器を含」むことに相当する構成を備えている。 (キ)甲2発明Hにおいて、「ポンプ装置」により送出された液体は「送液用のパイプ16」を介して「検出装置」に送られるといえるから、甲2発明Hは、本件発明1の「前記少なくとも1つの配管は、前記第1の流体関連機器と前記第2の流体関連機器とを接続する第1の配管を含」むことに相当する構成を備えている。 (ク)上記(オ)のとおり、「左右方向に互いに隣り合うように配置されている」甲2発明Hの「筐体59」及び「筐体60」について、相互に向かい合う「筐体59」の「右側面」及び「筐体60」の「左側面」は、それぞれ本件発明1の「第1の外面」及び「第2の外面」に相当し、甲2発明Hは、本件発明1の「前記第1の収容容器は、第1の外面を有し、前記第2の収容容器は、前記第1の外面に対して少なくとも部分的に対向する第2の外面を有」することに相当する構成を備えている。 (ケ)甲2発明Hの「前カバー59b」の「右側」に形成された「第一通路59a」の「右開口」は、「送液用のパイプ16が配管され」るものであるから、本件発明1の「第1の配管孔」に相当する。 そして、甲2発明Hの「前カバー59b」の「右側面」は、「後カバー59c」の「右側面」とともに「筐体59」の「右側面」を形成している。 そうすると、上記(ク)のとおり、甲2発明Hの「筐体59」の「右側面」は本件発明1の「第1の外面」に相当するから、甲2発明Hは、本件発明1の「前記第1の外面には第1の配管孔が形成され」ることに相当する構成を備えている。 (コ)甲2発明Hの「前カバー60b」の「左側」に形成された「第一通路60a」の「左開口」は、「送液用のパイプ16が配管され」るものであるから、本件発明1の「第2の配管孔」に相当する。 そして、甲2発明Hの「前カバー60b」の「左側面」は、「後カバー60c」の「左側面」とともに「筐体60」の「左側面」を形成している。 また、「前記筐体58ないし筐体60を並設した状態で連通する第一通路58aから60aまでが形成されてい」るから、「前カバー60b」の「左側」に形成された「第一通路60a」の「左開口」と、「前カバー59b」の「右側」に形成された「第一通路59a」の「右開口」が対向することは明らかである。 そうすると、上記(ク)のとおり、甲2発明Hの「筐体60」の「左側面」は本件発明1の「第2の外面」に相当するから、甲2発明Hは、本件発明1の「前記第2の外面には、前記第1の配管孔に対して少なくとも部分的に対向する第2の配管孔が形成され」ることに相当する構成を備えている。 (サ)甲2発明Hは、「前記筐体58ないし筐体60を並設した状態で連通する第一通路58aから60aまでが形成されていて、送液用のパイプ16が配管されて」いるから、「送液用のパイプ16」が、「前カバー59b」の「右側」に形成された「第一通路59a」の「右開口」及び「前カバー60b」の「左側」に形成された「第一通路60a」の「左開口」を通過することは明らかである。 そうすると、甲2発明Hは、本件発明1の「前記第1の配管は、前記第1および第2の配管孔を通過するように設けられ」る、に相当する構成を備えている。 (シ)a 甲2発明Hの「後カバー59c」は、「前カバー59b」側に開口を有しているといえるから、本件発明1の「開口を有する筐体」に相当する。 b 甲2発明Hの「前カバー59b」に「備え」られた「左右方向に回動する開閉可能な扉」は、「後カバー59c」の「前カバー59b」側の開口を開閉するものといえるから、本件発明1の「前記開口を閉塞および開放する扉」に相当する。 c 甲2発明Hは「左右方向に回動する開閉可能な扉」は、「前カバー59b」に「備え」られ、「前カバー59b」と「後カバー59c」とで「筐体59」が「構成され」るから、「左右方向に回動する開閉可能な扉」は、「前カバー59b」を介して「後カバー59c」に取付けられているといえる。 そうすると、甲2発明Hの「左右方向に回動する開閉可能な扉を備えた前記前カバー59b」は、本件発明1の「前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材」に相当する。 d 上記(ケ)のとおり、甲2発明Hの「前カバー59b」の「右側面」は、「後カバー59c」の「右側面」とともに「筐体59」の「右側面」を形成しているから、甲2発明Hの「前カバー59b」は、本件発明1の「前記取付部材は、前記第1の外面の一部を構成」するという構成を満たしているといえる。 e 甲2発明Hでは、「前カバー59b」の「右側面」と「蓋11b」の右端により、「前カバー59b」の「右側」に「第一通路59a」の「右開口」が形成されている。 ここで、「蓋11b」は、「前カバー59b」の「上端部」に、「端部に設けたヒンジ部にて上下方向に開閉自在に構成され」、閉めた状態においてその「面部20b」は「前カバー59b」の表面の一部を構成しているといえるから、「蓋11b」は「前カバー59b」の一部であるといえる。 そうすると、甲2発明Hの「前カバー59b」の「右側面」と「蓋11b」の「右端」により、「前カバー59b」の「右側」に形成された「第一通路59a」の「右開口」は、「前カバー59b」の「右側面」に形成されているといえるから、甲2発明Hの「右開口」は、本件発明1の「前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成された」ものであるという構成を満たしているといえる。 f 上記aないしeを踏まえると、甲2発明Hの「筐体59」は、本件発明1の「前記第1の収容容器は、開口を有する筐体と、前記開口を閉塞および開放する扉と、前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材とを含み、前記取付部材は板状であり、前記第1の外面の一部を構成し、前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成された」ものであることと、「前記第1の収容容器は、開口を有する筐体と、前記開口を閉塞および開放する扉と、前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材とを含み、前記取付部材は、前記第1の外面の一部を構成し、前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成された」ものである点で共通する構成を備えている。 オ そうすると、本件発明1と甲2発明Hとは、 「複数の流体関連機器と、 前記複数の流体関連機器のそれぞれを収容する複数の収容容器と、 前記複数の流体関連機器を接続する少なくとも1つの配管と、を備える流体クロマトグラフであって、 前記複数の収容容器は、互いに隣り合うように配置された第1および第2の収容容器を含み、 前記複数の流体関連機器は、前記第1および第2の収容容器にそれぞれ収容される第1および第2の流体関連機器を含み、 前記少なくとも1つの配管は、前記第1の流体関連機器と前記第2の流体関連機器とを接続する第1の配管を含み、 前記第1の収容容器は、第1の外面を有し、 前記第2の収容容器は、前記第1の外面に対して少なくとも部分的に対向する第2の外面を有し、 前記第1の外面には第1の配管孔が形成され、 前記第2の外面には、前記第1の配管孔に対して少なくとも部分的に対向する第2の配管孔が形成され、 前記第1の配管は、前記第1および第2の配管孔を通過するように設けられ、 前記第1の収容容器は、 開口を有する筐体と、 前記開口を閉塞および開放する扉と、 前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材とを含み、 前記取付部材は、前記第1の外面の一部を構成し、 前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成された、流体クロマトグラフ。」 の発明である点で一致し、次の相違点2において相違する。 (相違点2) 前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材であって、前記第1の外面の一部を構成し、前記第1の配管孔がその面に形成された取付部材について、本件発明1においては、「板状」であるのに対し、甲2発明Hにおいては、「左右側面」を有し、「上下端部に面部」「20b」「を備えた蓋」「11b」「が形成され」、「蓋11b」「の内側には」、「第一通路59a」「が形成されてい」る点。 カ 上記相違点2について検討する。 (ア)上記相違点2は実質的な相違点であるから、本件発明1は、甲2発明Hではない。 (イ)甲2発明Hにおいて、「前カバー59b」が本件発明1の「取付部材」に相当するところ、「前カバー59b」は、その上下端部に形成された蓋11bの内側に第一通路59aが形成されているものである。 このような「前カバー59b」の構成及び本件発明1との共通点である「前記取付部材は、前記第1の外面の一部を構成し、前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成され」ているという構成を維持しつつ、「前カバー59b」を「板状」とする構成が、従来周知であったとはいえない。 また、甲1及び甲3の記載事項(後記第6の2参照。)を検討しても、いずれも筐体の外面の一部を構成する板状の扉取付部材の面に配管孔を設けることを開示するものではない。 してみると、甲2発明Hの「前カバー59b」を板状とすることは、当業者が容易になし得たこととはいえない。 (ウ)したがって、本件発明1は、甲2発明Hに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 キ 小括 よって、本件発明1は、甲2発明V及び甲2発明Hではなく、甲2発明V又は甲2発明Hに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (2)本件発明2ないし4について 本件発明2ないし4は、本件発明1に対し、更に特定事項を追加したものであるから、上記(1)で検討した本件発明1と同じ理由により、甲2発明V及び甲2発明Hではなく、甲2発明V又は甲2発明Hに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (3)本件発明6について ア 請求項1ないし4のいずれか一項の記載を引用して特定される本件発明6(以下「本件発明6A」という。)について 本件発明6Aは、本件発明1に対し、更に特定事項を追加したものであるから、上記(1)で検討した本件発明1と同じ理由により、甲2発明V又は甲2発明Hに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 請求項5の記載を引用して特定される本件発明6(以下「本件発明6B」という。)について (ア)本件発明6Bと甲2発明Hとを対比する。 a 本件発明6Bにおいて、請求項5の記載を引用して特定される構成のうち、請求項5の記載と請求項1の記載とで共通する部分に係る構成の対比については、上記(1)エの本件発明1と甲2発明Hとの対比と同じことがいえる。 b 甲2発明Hの「筐体59」及び「筐体60」は、それぞれ本件発明6Bの「第1の収容容器」及び「第2の収容容器」に相当するところ、上記(1)エ(オ)の対比で述べたように、甲2発明Hの「筐体59」と「筐体60」は左右方向に互いに隣り合うように配置されている。 したがって、甲2発明Hは、本件発明6Bの「前記第1および第2の収容容器は、水平方向に互いに隣り合うように配置され」ているという構成を備えている。 (イ)そうすると、本件発明6Bと甲2発明Hとは、 「複数の流体関連機器と、 前記複数の流体関連機器のそれぞれを収容する複数の収容容器と、 前記複数の流体関連機器を接続する少なくとも1つの配管と、を備える流体クロマトグラフであって、 前記複数の収容容器は、互いに隣り合うように配置された第1および第2の収容容器を含み、 前記複数の流体関連機器は、前記第1および第2の収容容器にそれぞれ収容される第1および第2の流体関連機器を含み、 前記少なくとも1つの配管は、前記第1の流体関連機器と前記第2の流体関連機器とを接続する第1の配管を含み、 前記第1の収容容器は、第1の外面を有し、 前記第2の収容容器は、前記第1の外面に対して少なくとも部分的に対向する第2の外面を有し、 前記第1の外面には第1の配管孔が形成され、 前記第2の外面には、前記第1の配管孔に対して少なくとも部分的に対向する第2の配管孔が形成され、 前記第1の配管は、前記第1および第2の配管孔を通過するように設けられ、 前記第1の収容容器は、 開口を有する筐体と、 前記開口を閉塞および開放する扉と、 前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材とを含み、 前記取付部材は、前記第1の外面の一部を構成し、 前記第1の配管孔は、前記取付部材に形成され、 前記第1および第2の収容容器は、水平方向に互いに隣り合うように配置された、流体クロマトグラフ。」 の発明である点で一致し、次の相違点3及び4において相違する。 (相違点3) 本件発明6Bにおいては、「前記複数の収容容器は、前記第1の収容容器に上下方向に積層されるように設けられた第3の収容容器をさらに備え、前記複数の流体関連機器は、前記第3の収容容器に収容される第3の流体関連機器を含み、前記少なくとも1つの配管は、前記第3の流体関連機器を前記第2の流体関連機器に接続する第2の配管を含み、前記第3の収容容器は、水平方向において前記第2の収容容器に隣り合うように配置され、前記第3の収容容器は、少なくとも部分的に前記第2の外面に対向する第5の外面を有し、前記第5の外面には第5の配管孔が形成され、前記第2の外面には、前記第5の配管孔に少なくとも部分的に対向する第6の配管孔が形成され、前記第2の配管は、前記第5および第6の配管孔を通過するように設けられ」ているのに対し、甲2発明Hは、「筐体59」に上下方向に積層されるように設けられた収容容器をさらに備えるものではない点。 (相違点4) 本件発明6Bは、「前記第1の配管孔を閉塞するように前記第1の外面に取り付け可能かつ前記第1の配管孔を開放するように前記第1の外面から取り外し可能に構成された第1の蓋部材と、前記第2の配管孔を閉塞するように前記第2の外面に取り付け可能かつ前記第2の配管孔を開放するように前記第2の外面から取り外し可能に構成された第2の蓋部材とをさらに備える」のに対し、甲2発明Hは、そのような第1及び第2の蓋部材を備えていない点。 (ウ)上記相違点3について検討する。 a 上記(甲2-イ)の「本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、分離分析装置を構成する各筐体の外面をほぼ同一形状とし、相互に上下方向に積層または水平方向にも並設でき、分離設置可能であり、試薬供給パイプ等の配管処理も簡単、かつ、最短距離で施工でき、美観上、安全対策上からも秀れ、一体感のある形態を有する省スペース形の分離分析装置を提供することにある。」(【0010】)との記載によれば、甲2は、分離分析装置を構成する複数の筐体の外面をほぼ同一形状として、各筐体を上下方向に積層又は水平方向に並設することを前提とした分離分析装置に関するものといえる。 b 甲2発明Hにおいて、上記相違点3に係る本件発明6Bの特定事項である「前記複数の収容容器は、前記第1の収容容器に上下方向に積層されるように設けられた第3の収容容器をさらに備え、・・・前記第3の収容容器は、水平方向において前記第2の収容容器に隣り合うように配置され、前記第3の収容容器は、少なくとも部分的に前記第2の外面に対向する第5の外面を有」する構成を採用するためには、「複数の筐体の外面をほぼ同一形状」にするという前提を保つことができなくなる。 c そうすると、甲2発明Hにおいて、上記相違点3に係る本件発明6Bの特定事項を備えたものとすることには、阻害要因があるといえる。 d また、甲1及び甲3の記載事項(後記第6の2参照。)を検討しても、いずれも筐体の外面の一部を構成する扉取付部材の面に配管孔を設けることを開示するものではない。 e したがって、甲2発明Hにおいて、上記相違点3に係る本件発明6Bの特定事項を備えたものとすることは、当業者が容易になし得たこととはいえない。 (エ)よって、上記相違点4について検討するまでもなく、本件発明6Bは、甲2発明Hに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (オ)次に、甲2発明Vを主引用発明とした場合について検討する。 甲2発明Vにおいて、筐体4ないし8は積層されており、水平方向に隣り合う筐体は存在しない。 そのため、甲2発明Vを、本件発明6Bにおける第1ないし第3の収容容器に係る特定事項を備えたものとするためには、上記(ウ)で検討した上記相違点3の場合と同様に、「複数の筐体の外面をほぼ同一形状」にするという前提を保つことができなくなる。 また、甲1及び甲3の記載事項(後記第6の2参照。)を検討しても、いずれも筐体の外面の一部を構成する扉取付部材の面に配管孔を設けることを開示するものではない。 したがって、本件発明6Bは、甲2発明Vに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 ウ 小括 よって、本件発明6は、甲2発明V又は甲2発明Hに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 4 申立人の主張について (1)申立人は、令和5年9月15日提出の意見書(2頁下から4行~3頁11行)において、「本件発明における液体クロマトグラフのような小型装置の場合、扉が軽量であることから、取付部を角材、ブロック、角パイプ等の形状にするのではなく、「板状」とするというのは、その物理的構造からも、また、機能的にも、当然の選択であって、当業者が通常行う単なる設計事項に過ぎない。取付部材が筐体の外面を構成する以上、それが「板状」となるのは自明の帰結である。 取付部を「板状」にすることにより、加工が容易であり、かつ軽量となり、液体クロマトグラフのような小型装置を大きくすることなく扉のサイズを確保し、設置場所の確保やユーザビリティを損なわない構成とすることができるものであるが、このような技術は、もはや当業者に限らず技術者一般の常識的知見であり、周知の技術である。 したがって、前記訂正事項1は、甲2発明(特開平7-103954号公報)に記載されているに等しい事項であるから、本件訂正発明1は甲2発明Vであり、また、甲2発明Hであり、新規性を欠如することには何ら消長を来さない。少なくとも、甲2発明に前記周知技術を組み合わせることによって、本件訂正発明1が容易想到であることは明らかである。」と主張する。 (2)上記(1)における申立人の主張について検討するに、上記3(1)ウ及びカで説示したとおり、甲2発明Vの「前カバー7b」及び甲2発明Hの「前カバー59b」は、いずれも「板状」ではなく、これらを「板状」とすることも当業者が容易になし得たことではない。 したがって、上記(1)における申立人の主張は、採用することができない。 5 まとめ 以上のとおりであるから、本件特許の請求項1ないし4に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものではない。 また、本件特許の請求項1ないし4及び6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 よって、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由(1)及び(2)により、本件特許の請求項1ないし4及び6に係る特許を取り消すことはできない。 第6 取消理由通知(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由について 1 申立人の特許異議申立理由 申立人は、甲2に加え、甲1及び甲3を提示し、甲1を主引用例として、請求項1ないし4に係る発明は、甲1に記載された発明及び甲2の記載事項又は周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項6に係る発明は、甲1に記載された発明、甲2の記載事項又は周知技術及び甲3の記載事項又は周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、それらの特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2項に該当し、取り消されるべきものである旨主張する。 甲1:再公表WO2014/034336号 甲3:ジーエルサイエンス株式会社の「高速液体クロマトグラフ GL7700シリーズ」の製品紹介パンフレット 2 甲1及び甲3の記載事項 (1)甲1には以下の記載がある。 (甲1-ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、液体クロマトグラフ装置に関する。 ・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ところで、廃液瓶105が床108上や机の下などに載置されることから、通路の障害となる場合がある。 ・・・ さらに、サンプルの液体に加える溶離液に有機溶剤を使用する場合があり、廃液ホース104や廃液瓶105が配置される場所によっては、有機溶剤が漏出するおそれがある。 さらに、廃液瓶105内の廃液を捨てる際に労力が必要となっている。 ・・・ 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明の請求項1に関わる液体クロマトグラフ装置は、溶離液を吸引するポンプを有するポンプ室と、前記溶離液にサンプルを注入するオートサンプラと、前記サンプルを成分ごとに分離するカラムオーブンと、分離された各成分を検出する検出器とが、筐体をそれぞれ具備して備わっている。前記各筐体は、相互に上下方向に積層または水平方向に並設できるように構成されている。そして、前記オートサンプラよりも下方に廃液を回収する廃液回収室を備え、当該廃液回収室の筐体の内部に着脱可能に設けられる廃液ボトルを有している。」 (甲1-イ)「【発明を実施するための形態】 【0011】 以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。 図1は、本発明に係る実施形態の液体クロマトグラフ装置1を示す前面図である。 図2は、実施形態の液体クロマトグラフ装置1を、各扉を開放して内部を前方から見た図である。なお、図2において、破線は溶液の流れを示し、一点鎖線は廃液の流れを示す。 実施形態の(高速または超高速)液体クロマトグラフ装置1は、分析対象のサンプル(液)の成分を、クロマトグラフィーを用いて検出し定量する装置である。 【0012】 液体クロマトグラフ装置1は、溶離液や洗浄液などが収容される試薬瓶2b(2b1,2b2)が載置されるオーガナイザ2と、ポンプ室3と、オートサンプラ4と、カラムオーブン5と、検出器6と、廃液が回収される廃液回収室7とを備えている。また、液体クロマトグラフ装置1の制御を担う不図示の制御装置を備えている。 【0013】 また、液体クロマトグラフ装置1は、検出器6の分析データを受信し、分析処理するデータ処理装置8を備えている。データ処理装置8は分析データの記録や演算処理を行い、各種分析データのグラフ作成を行う。データ処理装置8は、制御装置、記憶装置、入力装置、および出力装置の表示装置8d、不図示のプリンタを有している。データ処理装置8は、例えば、パソコンが使用される。 【0014】 オーガナイザ2、ポンプ室3、オートサンプラ4、カラムオーブン5、検出器6、および廃液回収室7は、それぞれ各室の外郭を成すそれぞれの筐体2k、3k、4k、5k、6k、および7kで画成されている。 【0015】 ポンプ室3、オートサンプラ4、カラムオーブン5は、互いにそれぞれ近接して配置され、溶離液、サンプルなどの溶液が流れる配管長を短くして、配管の圧力損失を低減している。つまり、オートサンプラ4とポンプ室3とは隣接して配置され、オートサンプラ4とカラムオーブン5とは隣接して配置されている。 オーガナイザ2、ポンプ室3、オートサンプラ4、カラムオーブン5、および検出器6は、その前部が開閉自在な扉2d、3d、4d、5d、6dにより閉塞されている。 ・・・ 【0018】 <オートサンプラ4> オートサンプラ4は、溶離液にサンプル(液)を注入するものである。 オートサンプラ4内には、サンプル(液)が入ったサンプル容器4yが載置されるサンプルラック4rが配設されている。検出するサンプル(液)のサンプル容器4y1は、不図示の移動手段により、採取位置に移動される。 【0019】 また、オートサンプラ4内には、溶離液を送液するポンプ4aと、サンプル容器4y1内のサンプル(液)を、ニードル4nを介して採取して計量する計量シリンジ4sと、サンプル(液)と溶離液とを混合してカラムオーブン5に送出する切り換えバルブ4iとが配設されている。 【0020】 切り換えバルブ4iは、ポンプ4aからカラム5c(5c1,5c2)まで直接通過する第1モードと、ポンプ4aからループ4i1(図5参照)を介してカラム5cまで通過する第2モード(サンプル(液)と溶離液とを混合するモード)とを有している。 さらに、オートサンプラ4内には、採取後のニードル4nを洗浄するための洗浄槽4wと、ポンプ室3から送られる溶離液を切り換えバルブ4iと洗浄槽4wとに送液する洗浄ポンプ4aとが配設されている。 【0021】 計量シリンジ4sによって、ニードル4nを用いて第1ポジションp1で採取されたサンプル容器4y1内のサンプル(液)は、ニードル4nで運ばれ、第2ポジションp2で切り換えバルブ4i内に注液される。切り換えバルブ4i内でサンプル(液)は、溶離液と混合された溶液とされ、カラムオーブン5へ送液される。 ・・・ 【0024】 <カラムオーブン5> カラムオーブン5は、サンプル(液)を成分ごとに分離するものである。 カラムオーブン5内には、カラム5c(5c1、5c2)と、成分分離を適温により促進する不図示のヒータとが配設されている。 カラム5cは、固定される固定相と、オートサンプラ4から送られる溶液(サンプル(液))との親和性により、サンプル(液)の成分が分離される。 カラム5cで分離されたサンプル(液)の成分は、時間差を有して検出器6に送られる。 【0025】 <検出器6> 検出器6は、サンプル(液)の成分を検出し定量するものである。 検出器6は、光源ランプ6pと、光源ランプ6pの光を分光する不図示のプリズムと、カラム5cから送られるサンプル(液)の成分に光を透過させるフローセル6fとが配設されている。 フローセル6fにおいて、プリズムにより分光された光の透過度合いによって、成分が分析され、成分の検出量が定量される。」 (甲1-ウ)「【0032】 図1、図2に示す液体クロマトグラフ装置1のレイアウト、つまりポンプ室3、オートサンプラ4、カラムオーブン5は、互いにそれぞれ近接して配置されることにより、ポンプ室3、オートサンプラ4、カラムオーブン5、検出器6の溶液の流路の配管が最短にできる。そのため、配管のねじれや破損が抑制でき、性能アップにつながる。 カラムオーブン5の下方に廃液回収室7を設けているので、液体クロマトグラフ装置1の構造が安定化し、安定設置が可能である。」 (甲1-エ)【図1】 「 [図:0001407792000009.jpg] 」 (甲1-オ)【図2】 「 [図:0001407792000010.jpg] 」 (2)甲1から看取・認定される事項 ア 上記(甲1-エ)の【図1】から、ポンプ室3、オートサンプラ4、検出器6及びオーガナイザ2は、この順に下から順次積層されていること、廃液回収室7、カラムオーブン5及びデータ処理装置8は、この順に下から順次積層されていること、並びに、オートサンプラ4及び検出器6は、それぞれ水平方向においてカラムオーブン5と隣接して配置されていることが見て取れる。 イ 上記(甲1-オ)の【図2】から、切り換えバルブ4iとカラム5cとは、オートサンプラ4の右側面及びカラムオーブン5の左側面の対向する位置に設けられた開口を通過する配管により連結されていること、並びに、フローセル6fとカラム5cとは、検出器6の右側面及びカラムオーブン5の左側面の対向する位置に設けられた開口を通過する配管により連結されていることが見て取れる。 (3)上記(2)を踏まえると、上記(甲1-ア)ないし(甲1-オ)の記載から、甲1には、 「 溶離液や洗浄液などが収容される試薬瓶2b(2b1,2b2)が載置されるオーガナイザ2と、ポンプ室3と、オートサンプラ4と、カラムオーブン5と、検出器6と、廃液が回収される廃液回収室7と、データ処理装置8とを備えている液体クロマトグラフ装置1であって、 オーガナイザ2、ポンプ室3、オートサンプラ4、カラムオーブン5、検出器6及び廃液回収室7は、それぞれ各室の外郭を成すそれぞれの筐体2k、3k、4k、5k、6k及び7kで画成されており、 オーガナイザ2、ポンプ室3、オートサンプラ4、カラムオーブン5及び検出器6は、それぞれその前部が開閉自在な扉2d、3d、4d、5d及び6dにより閉塞されており、 オートサンプラ4内には、溶離液を送液するポンプ4aと、サンプル容器4y1内のサンプル(液)を、ニードル4nを介して採取して計量する計量シリンジ4sと、サンプル(液)と溶離液とを混合してカラムオーブン5に送出する切り換えバルブ4iと、採取後のニードル4nを洗浄するための洗浄槽4wと、ポンプ室3から送られる溶離液を切り換えバルブ4iと洗浄槽4wとに送液する洗浄ポンプ4aとが配設されており、切り換えバルブ4i内でサンプル(液)は、溶離液と混合された溶液とされ、カラムオーブン5へ送液され、 カラムオーブン5内には、カラム5c(5c1、5c2)と、成分分離を適温により促進するヒータとが配設されており、カラム5cで分離されたサンプル(液)の成分は、時間差を有して検出器6に送られ、 検出器6内には、光源ランプ6pと、光源ランプ6pの光を分光するプリズムと、カラム5cから送られるサンプル(液)の成分に光を透過させるフローセル6fとが配設されており、フローセル6fにおいて、プリズムにより分光された光の透過度合いによって、成分が分析され、成分の検出量が定量され、 ポンプ室3、オートサンプラ4、検出器6及びオーガナイザ2は、この順に下から順次積層され、廃液回収室7、カラムオーブン5及びデータ処理装置8は、この順に下から順次積層されていて、オートサンプラ4及び検出器6は、それぞれ水平方向においてカラムオーブン5と隣接して配置されており、 切り換えバルブ4iとカラム5cとは、オートサンプラ4の右側面及びカラムオーブン5の左側面の対向する位置に設けられた開口を通過する配管により連結され、 フローセル6fとカラム5cとは、検出器6の右側面及びカラムオーブン5の左側面の対向する位置に設けられた開口を通過する配管により連結されている、 液体クロマトグラフ装置1。」 の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 (4)甲3には、以下の記載がある。 (甲3-ア)3頁のHPLCシステムの写真 「 [図:0001407792000011.jpg] 」 (甲3-イ)8頁右上のSECシステム(RI)の写真 「 [図:0001407792000012.jpg] 」 (甲3-ウ)14頁左上のカラムオーブンCO7730/CO7730Cの写真 「 [図:0001407792000013.jpg] 」 3 当審の判断 (1)本件発明1について ア 本件発明1と甲1発明とを対比する。 (ア)a 甲1発明の「ポンプ4a、サンプル容器4y1、ニードル4n、計量シリンジ4s、切り換えバルブ4i、洗浄槽4w及び洗浄ポンプ4a」は、併せて本件発明1の「複数の流体関連機器」のうちの1つに相当する。 b 甲1発明の「カラム5c」は、本件発明1の「複数の流体関連機器」のうちの1つに相当する。 c 甲1発明の「フローセル6f」は、本件発明1の「複数の流体関連機器」のうちの1つに相当する。 d 上記aないしcの対比から、甲1発明の「ポンプ4a、サンプル容器4y1、ニードル4n、計量シリンジ4s、切り換えバルブ4i、洗浄槽4w及び洗浄ポンプ4a」を併せたもの、「カラム5c」並びに「フローセル6f」は、本件発明1の「複数の流体関連機器」に相当する。 (イ)a 甲1発明の「筐体4k」及び「扉4d」を併せたものは、その内部に「ポンプ4a、サンプル容器4y1、ニードル4n、計量シリンジ4s、切り換えバルブ4i、洗浄槽4w及び洗浄ポンプ4a」が配設されるものであるから、本件発明1の「前記複数の流体関連機器のそれぞれを収容する複数の収容容器」のうちの1つに相当する。 b 甲1発明の「筐体5k」及び「扉5d」を併せたものは、その内部に「カラム5c」が配設されるものであるから、本件発明1の「前記複数の流体関連機器のそれぞれを収容する複数の収容容器」のうちの1つに相当する。 c 甲1発明の「筐体6k」及び「扉6d」を併せたものは、その内部に「フローセル6f」が配設されるものであるから、本件発明1の「前記複数の流体関連機器のそれぞれを収容する複数の収容容器」のうちの1つに相当する。 d 上記aないしcの対比から、甲1発明の「筐体4k」及び「扉4d」を併せたもの、「筐体5k」及び「扉5d」を併せたもの並びに「筐体6k」及び「扉6d」を併せたものは、本件発明1の「前記複数の流体関連機器のそれぞれを収容する複数の収容容器」に相当する。 (ウ)a 甲1発明の「切り換えバルブ4iとカラム5cと」を「連結」する「配管」は、本件発明1の「前記複数の流体関連機器を接続する少なくとも1つの配管」のうちの1つに相当する。 b 甲1発明の「フローセル6fとカラム5cと」を「連結」する「配管」は、本件発明1の「前記複数の流体関連機器を接続する少なくとも1つの配管」のうちの1つに相当する。 c 上記a及びbの対比から、甲1発明の「切り換えバルブ4iとカラム5cと」を「連結」する「配管」及び「フローセル6fとカラム5cと」を「連結」する「配管」は、本件発明1の「前記複数の流体関連機器を接続する少なくとも1つの配管」に相当する。 (エ)甲1発明の「液体クロマトグラフ装置1」は、本件発明1の「流体クロマトグラフ」に相当する。 (オ)甲1発明において、「オートサンプラ4」は「水平方向においてカラムオーブン5と隣接して配置されて」いるから、それらの「筐体4k」及び「扉4d」を併せたもの並びに「筐体5k」及び「扉5d」を併せたものは、本件発明1の「互いに隣り合うように配置された第1および第2の収容容器」に相当する。 (カ)上記(オ)並びに(イ)a及びbの対比を踏まえると、甲1発明の「ポンプ4a、サンプル容器4y1、ニードル4n、計量シリンジ4s、切り換えバルブ4i、洗浄槽4w及び洗浄ポンプ4a」を併せたもの並びに「カラム5c」は、本件発明1の「前記第1および第2の収容容器にそれぞれ収容される第1および第2の流体関連機器」に相当する。 (キ)甲1発明の「切り換えバルブ4iとカラム5cと」を「連結」する「配管」は、本件発明1の「前記第1の流体関連機器と前記第2の流体関連機器とを接続する第1の配管」に相当する。 (ク)甲1発明の「オートサンプラ4の右側面」は、「オートサンプラ4」の「外郭を成す」「筐体4k」の「右側面」のことであるから、本件発明1の「第1の外面」に相当する。 (ケ)甲1発明の「カラムオーブン5の左側面」は、「カラムオーブン5」の「外郭を成す」「筐体5k」の「左側面」のことであるところ、「カラムオーブン5の左側面」は「オートサンプラ4の右側面」と「対向する」部分を有しているから、甲1発明の「カラムオーブン5の左側面」は、本件発明1の「前記第1の外面に対して少なくとも部分的に対向する第2の外面」に相当する。 (コ)甲1発明は、「オートサンプラ4の右側面及びカラムオーブン5の左側面の対向する位置に設けられた開口」を有するところ、甲1発明の「オートサンプラ4の右側面」「に設けられた開口」は、本件発明1の「前記第1の外面に」「形成され」た「第1の配管孔」に相当し、ここでの甲1発明の「カラムオーブン5の左側面」「に設けられた開口」は、本件発明1の「前記第2の外面に」「形成され」た「前記第1の配管孔に対して少なくとも部分的に対向する第2の配管孔」に相当する。 (サ)甲1発明において、「切り換えバルブ4iとカラム5cとは、オートサンプラ4の右側面及びカラムオーブン5の左側面の対向する位置に設けられた開口を通過する配管により連結され」ていることから、上記(キ)及び(コ)の対比を踏まえる、甲1発明は、本件発明1の「前記第1の配管は、前記第1および第2の配管孔を通過するように設けられ」ていることに相当する構成を備えている。 (シ)a 甲1発明の「オートサンプラ4」は、「その前部が開閉自在な扉」「4d」「により閉塞されて」いるから、「オートサンプラ4」「の外郭を成す」「筐体4k」は、その前部に開口を有しているものである。 よって、甲1発明の「筐体4k」は、本件発明1の「開口を有する筐体」に相当する。 b 甲1発明の「オートサンプラ4」の「前部」を「閉塞」する「開閉自在な」「扉4d」は、本件発明1の「前記開口を閉塞および開放する扉」に相当する。 c 甲1発明の「オートサンプラ4」は、「その前部が開閉自在な扉」「4d」「により閉塞されて」いるのだから、甲1発明は、「扉4d」を「筐体4k」に取り付けるための何らかの構成を備えているといえる。そして、甲1発明の当該構成と、本件発明1の「前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材」とは、「前記扉を前記筐体に開閉可能に取り付けるための構成」である点で共通する。 d 上記aないしc、(オ)、(ク)及び(コ)の対比を踏まえると、甲1発明の「筐体4k」及び「扉4d」を併せたものは、本件発明1の「前記第1の収容容器は、開口を有する筐体と、前記開口を閉塞および開放する扉と、前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材とを含み、前記取付部材は板状であり、前記第1の外面の一部を構成し、前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成された」ものであることと、「前記第1の収容容器は、開口を有する筐体と、前記開口を閉塞および開放する扉と、前記扉を前記筐体に開閉可能に取り付けるための構成とを含み、前記第1の配管孔は、前記第1の外面に形成された」ものである点で共通する。 イ そうすると、本件発明1と甲1発明とは、 「複数の流体関連機器と、 前記複数の流体関連機器のそれぞれを収容する複数の収容容器と、 前記複数の流体関連機器を接続する少なくとも1つの配管と、を備える流体クロマトグラフであって、 前記複数の収容容器は、互いに隣り合うように配置された第1および第2の収容容器を含み、 前記複数の流体関連機器は、前記第1および第2の収容容器にそれぞれ収容される第1および第2の流体関連機器を含み、 前記少なくとも1つの配管は、前記第1の流体関連機器と前記第2の流体関連機器とを接続する第1の配管を含み、 前記第1の収容容器は、第1の外面を有し、 前記第2の収容容器は、前記第1の外面に対して少なくとも部分的に対向する第2の外面を有し、 前記第1の外面には第1の配管孔が形成され、 前記第2の外面には、前記第1の配管孔に対して少なくとも部分的に対向する第2の配管孔が形成され、 前記第1の配管は、前記第1および第2の配管孔を通過するように設けられ、 前記第1の収容容器は、 開口を有する筐体と、 前記開口を閉塞および開放する扉と、 前記扉を前記筐体に開閉可能に取り付けるための構成とを含み、 前記第1の配管孔は、前記第1の外面に形成された、流体クロマトグラフ。」 の発明である点で一致し、次の相違点5において相違する。 (相違点5) 前記扉を前記筐体に開閉可能に取り付けるための構成について、本件発明1においては、「前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材」であって、「前記取付部材は板状であり、前記第1の外面の一部を構成し、前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成され」ているのに対し、甲1発明においては、「扉4d」が「開閉」する際にどのような動きをするのかが不明であるとともに、「扉4d」を「筐体4k」に「開閉自在」に取り付けるための構成が不明であって、「配管」が「通過する」「開口」は、「筐体4k」の「右側面」に「設けられている」点。 ウ 上記相違点5について検討する。 (ア)上記第5の3(1)エ(シ)で対比したように、甲2発明Hの「前カバー59b」は、本件発明1の「前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材」に相当し、「前記第1の外面の一部を構成」し、「前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成された」ものであるという構成を満たしているが、「板状」ではない。 (イ)甲3は、扉を筐体に回動可能に取り付ける取付部材を開示するものではない。 (ウ)そして、扉を筐体に回動可能に取り付ける取付部材であって、板状で筐体の外面の一部を構成し、その面に配管孔が形成された取付部材は、従来周知なものでもない。 (エ)したがって、甲1ないし甲3に触れた当業者といえども、甲1発明を上記相違点5に係る本件発明1の特定事項を備えたものとすることは、容易になし得たこととはいえない。 エ よって、本件発明1は、甲1発明、甲2発明H及び甲3記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (2)本件発明2ないし4について 本件発明2ないし4は、本件発明1に対し、更に特定事項を追加したものであるから、上記(1)で検討した本件発明1と同じ理由により、甲1発明、甲2発明H及び甲3記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)本件発明6について ア 本件発明6Aについて 本件発明6Aは、本件発明1に対し、更に特定事項を追加したものであるから、上記(1)で検討した本件発明1と同じ理由により、甲1発明、甲2発明H及び甲3記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 本件発明6Bについて (ア)本件発明6Bと甲1発明とを対比する。 a 本件発明6Bにおいて、請求項5の記載を引用して特定される構成のうち、請求項5の記載と請求項1の記載とで共通する部分に係る構成の対比については、上記(1)アの本件発明1と甲1発明との対比と同じことがいえる。 b 甲1発明の「筐体4k」及び「扉4d」を併せたもの並びに「筐体5k」及び「扉5d」を併せたものは、それぞれ本件発明6Bの「第1の収容容器」及び「第2の収容容器」に相当するところ、上記(1)ア(オ)の対比で述べたように、甲1発明の「筐体4k」及び「扉4d」を併せたものと「筐体5k」及び「扉5d」を併せたものとは、「水平方向において」「隣接して配置されて」いる。 したがって、甲1発明は、本件発明6Bの「前記第1および第2の収容容器は、水平方向に互いに隣り合うように配置され」ているという構成を備えている。 c 甲1発明において「ポンプ室3、オートサンプラ4、検出器6及びオーガナイザ2は、この順に下から順次積層され」ているから、甲1発明の「筐体6k」及び「扉6d」を併せたものは、本件発明6Bの「前記第1の収容容器に上下方向に積層されるように設けられた第3の収容容器」に相当する。 d 甲1発明の「検出器6内に」「配設されて」いる「フローセル6f」は、本件発明6Bの「前記第3の収容容器に収容される第3の流体関連機器」に相当する。 e 甲1発明の「ローセル6fとカラム5cと」を「連結」する「配管」は、本件発明6Bの「前記第3の流体関連機器を前記第2の流体関連機器に接続する第2の配管」に相当する。 f 甲1発明において、「オートサンプラ4及び検出器6は、それぞれ水平方向においてカラムオーブン5と隣接して配置されて」いるから、甲1発明は、本件発明6Bの「前記第1の収容容器および前記第3の収容容器は、水平方向において前記第2の収容容器に隣り合うように配置され」ていることに相当する構成を備えている。 g 甲1発明の「検出器6の右側面」は、「検出器6」の「外郭を成す」「筐体6k」の「右側面」のことであるから、本件発明6Bの「第5の外面」に相当する。 そして、甲1発明の「検出器6の右側面」は、「カラムオーブン5の左側面」と「対向する」部分を有しているから、甲1発明の「検出器6の右側面」は、本件発明6Bの「少なくとも部分的に前記第2の外面に対向する第5の外面」に相当する。 h 甲1発明は、「検出器6の右側面及びカラムオーブン5の左側面の対向する位置に設けられた開口」を有するところ、甲1発明の「検出器6の右側面」「に設けられた開口」は、本件発明6Bの「前記第5の外面に」「形成され」た「第5の配管孔」に相当し、ここでの甲1発明の「カラムオーブン5の左側面」「に設けられた開口」は、本件発明6Bの「前記第2の外面に」「形成され」た「前記第5の配管孔に少なくとも部分的に対向する第6の配管孔」に相当する。 i 甲1発明において、「フローセル6fとカラム5cとは、検出器6の右側面及びカラムオーブン5の左側面の対向する位置に設けられた開口を通過する配管により連結されている」ことから、上記e及びhの対比を踏まえる、甲1発明は、本件発明6Bの「前記第2の配管は、前記第5および第6の配管孔を通過するように設けられ」ていることに相当する構成を備えている。 (イ)そうすると、本件発明6Bと甲1発明とは、 「複数の流体関連機器と、 前記複数の流体関連機器のそれぞれを収容する複数の収容容器と、 前記複数の流体関連機器を接続する少なくとも1つの配管と、を備える流体クロマトグラフであって、 前記複数の収容容器は、互いに隣り合うように配置された第1および第2の収容容器を含み、 前記複数の流体関連機器は、前記第1および第2の収容容器にそれぞれ収容される第1および第2の流体関連機器を含み、 前記少なくとも1つの配管は、前記第1の流体関連機器と前記第2の流体関連機器とを接続する第1の配管を含み、 前記第1の収容容器は、第1の外面を有し、 前記第2の収容容器は、前記第1の外面に対して少なくとも部分的に対向する第2の外面を有し、 前記第1の外面には第1の配管孔が形成され、 前記第2の外面には、前記第1の配管孔に対して少なくとも部分的に対向する第2の配管孔が形成され、 前記第1の配管は、前記第1および第2の配管孔を通過するように設けられ、 前記第1の収容容器は、 開口を有する筐体と、 前記開口を閉塞および開放する扉と、 前記扉を前記筐体に開閉可能に取り付けるための構成とを含み、 前記第1の配管孔は、前記第1の外面に形成され、 前記第1および第2の収容容器は、水平方向に互いに隣り合うように配置され、 前記複数の収容容器は、前記第1の収容容器に上下方向に積層されるように設けられた第3の収容容器をさらに備え、 前記複数の流体関連機器は、前記第3の収容容器に収容される第3の流体関連機器を含み、 前記少なくとも1つの配管は、前記第3の流体関連機器を前記第2の流体関連機器に接続する第2の配管を含み、 前記第1の収容容器および前記第3の収容容器は、水平方向において前記第2の収容容器に隣り合うように配置され、 前記第3の収容容器は、少なくとも部分的に前記第2の外面に対向する第5の外面を有し、 前記第5の外面には第5の配管孔が形成され、 前記第2の外面には、前記第5の配管孔に少なくとも部分的に対向する第6の配管孔が形成され、 前記第2の配管は、前記第5および第6の配管孔を通過するように設けられた、流体クロマトグラフ。」 の発明である点で一致し、次の相違点6及び7において相違する。 (相違点6) 前記扉を前記筐体に開閉可能に取り付けるための構成について、本件発明6Bにおいては、「前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材」であって、「前記取付部材は、前記第1の外面の一部を構成し、前記第1の配管孔は、前記取付部材に形成され」ているのに対し、甲1発明においては、「扉4d」が「開閉」する際にどのような動きをするのかが不明であるとともに、「扉4d」を「筐体4k」に「開閉自在」に取り付けるための構成が不明であって、「配管」が「通過する」「開口」は、「筐体4k」の「右側面」に「設けられている」点。 (相違点7) 本件発明6Bは、「前記第1の配管孔を閉塞するように前記第1の外面に取り付け可能かつ前記第1の配管孔を開放するように前記第1の外面から取り外し可能に構成された第1の蓋部材と、前記第2の配管孔を閉塞するように前記第2の外面に取り付け可能かつ前記第2の配管孔を開放するように前記第2の外面から取り外し可能に構成された第2の蓋部材とをさらに備える」のに対し、甲1発明は、「オートサンプラ4の右側面及びカラムオーブン5の左側面の対向する位置に設けられた開口」を閉塞するように取り外し可能に構成された蓋部材を備えていない点。 (ウ)上記相違点6について検討する。 a 上記第5の3(1)エ(シ)でした本件発明1と甲2発明Hとの対比に照らせば、甲2発明Hの「前カバー59b」は、本件発明6Bの「前記扉を前記筐体に回動可能に取り付ける取付部材」に相当し、「前記第1の外面の一部を構成」し、「前記第1の配管孔は、前記取付部材の面に形成され」たものであるという構成を満たしている。 b しかしながら、甲2発明Hは、上記(引2-イ)の「【0010】・・・その目的は、分離分析装置を構成する各筐体の外面をほぼ同一形状とし、相互に上下方向に積層または水平方向にも並設でき、分離設置可能であり、試薬供給パイプ等の配管処理も簡単、かつ、最短距離で施工でき、美観上、安全対策上からも秀れ、一体感のある形態を有する省スペース形の分離分析装置を提供することにある。」との記載から理解されるように、各筐体の外面をほぼ同一形状とし、相互に水平方向に並設でき、試薬供給パイプ等の配管処理も簡単、かつ、最短距離で施工でき、美観上、安全対策上からも秀れ、一体感のある形態を有する省スペース形の分離分析装置を提供するものである。 そして、「側面形状を同一に形成」、すなわち高さを同一とした「箱形形状の筐体58から筐体60」を「左右方向に連続して並列配置可能」とし、「前カバー58bから60bまでの上下端部に面部20aないし20cを備えた蓋11aないし11c」を「形成」し、「前記蓋11aから11cの内側には、前記筐体58ないし筐体60を並設した状態で連通する第一通路58aから60aまでが形成されていて、送液用のパイプ16が配管され」ることにより、上記目的を達成している。 すなわち、甲2発明Hの「前カバー59b」は、高さを同一として左右方向に連続して並列配置する箱形形状の筐体に用いることを前提としたものである。 c これに対し、「オートサンプラ4の右側面及びカラムオーブン5の左側面」が「対向」し、かつ「検出器6の右側面及びカラムオーブン5の左側面」が「対向」するように、「オートサンプラ4及び検出器6は、それぞれ水平方向においてカラムオーブン5と隣接して配置されて」いることから理解されるように、甲1発明では、カラムオーブン5とは高さの異なるオートサンプラ4及び検出器6がカラムオーブン5と水平方向に隣接配置されている。 d してみると、筐体の配置構成に係る前提を異にする甲2発明Hの「前カバー59b」を、甲1発明に採用することを動機づける事情があるとはいえない。 e 甲3は、扉を筐体に回動可能に取り付ける取付部材を開示するものではない。 f そして、扉を筐体に回動可能に取り付ける取付部材であって、筐体の外面の一部を構成し、配管孔が形成された取付部材は、従来周知なものでもない。 g してみると、甲1ないし甲3に触れた当業者といえども、甲1発明を上記相違点6に係る本件発明6Bの特定事項を備えたものとすることは、容易になし得たこととはいえない。 (エ)したがって、上記相違点7について検討するまでもなく、本件発明6Bは、甲1発明、甲2発明H及び甲3記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 ウ 小括 よって、本件発明6は、甲1発明、甲2発明H及び甲3記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 4 申立人の主張について (1)申立人は、特許異議申立書(34頁2行~35頁1行、41頁下から4行~42頁12行)において、甲2を根拠に、筐体の外面の一部を構成するとともに配管孔が形成された、扉を筐体に回動可能に取り付ける取付部材は、周知技術である旨主張するとともに、甲1発明に当該周知技術を組み合わせることは容易である旨主張する。 (2)上記(1)における申立人の主張について検討するに、申立人が周知技術であると主張する取付部材の構成を開示する証拠は、甲2のみであり、甲2の存在をもって直ちに、当該構成を備えた取付部材が周知技術であるとは認められない。 そして、上記第6の3(3)イ(ウ)で説示したとおり、甲1発明に甲2発明Hの「前カバー59b」を採用することは、当業者が容易になし得たこととはいえない。 また、本件訂正により、本件発明1ないし4に係る取付部材は、「板状」であることが特定されているところ、上記第5の3(1)イ及び第6の3(1)ウ(ア)で示したとおり、甲2は、板状の取付部材を開示するものではない。 したがって、上記(1)における申立人の主張は、いずれも採用することができない。 5 まとめ 以上のとおりであるから、本件特許の請求項1ないし4及び6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 よって、取消理由通知(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由により、本件特許の請求項1ないし4及び6に係る特許を取り消すことはできない。 第7 むすび 以上のとおり、本件請求項1ないし4及び6に係る特許は、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては取り消すことはできない。 さらに、他に本件請求項1ないし4及び6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700612

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