特許異議申立
2022-700519
飲料
- 審判番号
- 2022-700519
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2020-189145
- 登録番号
- 6989679
- 請求日
- 2022年06月14日
- 審決日
- 2023年04月21日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】アサヒ飲料株式会社
- 【権利者代理人】正林 真之
- 【異議申立人】日本香料工業会
- 【異議申立人】田中 亜実
- 審判長/審判官
- 審判長 平塚 政宏
- 審判官 三上 晶子
- 審判官 井上 猛
- 分類
- P1651.113-YAA(A23L) / P1651.121-YAA(A23L) / P1651.537-YAA(A23L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6989679号発明「飲料」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6989679号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1ないし5及び9ないし11〕、6、7、8について訂正することを認める。
特許第6989679号の請求項3ないし11に係る特許を維持する。
特許第6989679号の請求項1ないし2に対する特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第6989679号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし8に係る特許についての出願は、令和2年11月13日を出願日とする特願2020-189145号に係るものであって、令和3年12月6日にその特許権の設定登録(請求項の数8)がされ、令和4年1月5日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許に対し、同年6月14日に特許異議申立人 日本香料工業会(以下、「特許異議申立人1」という。)により特許異議の申立て(対象請求項:全請求項)がされ、同年7月5日に特許異議申立人 田中 亜実(以下、「特許異議申立人2」という。)により特許異議の申立て(対象請求項1及び2)がされ、同年9月29日付けで取消理由が通知され、同年12月5日に訂正請求書及び意見書が提出され、同年12月9日付けで訂正請求があった旨の通知がされ、特許異議申立人2から令和5年1月13日付けで意見書が提出され、特許異議申立人1から応答がなかったものである。
第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
令和4年12月5日にされた訂正請求による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。
(1) 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
(2) 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。
(3) 訂正事項3-1
特許請求の範囲の請求項3に「カフェインの含有量が10ppm以下である、請求項1又は2に記載の飲料。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「0.02~1ppbの含有量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有する飲料であり、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを0.1~1000ppbの含有量で含有し、カフェインの含有量が10ppm以下である、飲料。」に訂正する。
(4) 訂正事項3-2
特許請求の範囲の請求項3に「カフェインの含有量が10ppm以下である、請求項1又は2に記載の飲料。」とあるうち、請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、「0.02~1ppbの含有量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有する飲料であり、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを0.1~100ppbの含有量で含有し、カフェインの含有量が10ppm以下である、飲料。」と記載し、新たに請求項9とする。
(5) 訂正事項4-1
特許請求の範囲の請求項4に「前記飲料が茶飲料である、請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「0.02~1ppbの含有量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有する飲料であり、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを0.1~1000ppbの含有量で含有し、前記飲料が茶飲料である、飲料。」に訂正する。
(6) 訂正事項4-2
特許請求の範囲の請求項4に「前記飲料が茶飲料である、請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料。」とあるうち、請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、「0.02~1ppbの含有量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有する飲料であり、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを0.1~100ppbの含有量で含有し、前記飲料が茶飲料である、飲料。」と記載し、新たに請求項10とする。
(7) 訂正事項5-1
特許請求の範囲の請求項5に「焙煎したゴボウの抽出液、焙煎したタンポポの根の抽出液のうち、少なくとも一つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の飲料。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「0.02~1ppbの含有量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有する飲料であり、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを0.1~1000ppbの含有量で含有し、焙煎したゴボウの抽出液、焙煎したタンポポの根の抽出液のうち、少なくとも一つを含む、飲料。」に訂正する。
(8) 訂正事項5-2
特許請求の範囲の請求項5に「焙煎したゴボウの抽出液、焙煎したタンポポの根の抽出液のうち、少なくとも一つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の飲料。」とあるうち、請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、「0.02~1ppbの含有量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有する飲料であり、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを0.1~100ppbの含有量で含有し、焙煎したゴボウの抽出液、焙煎したタンポポの根の抽出液のうち、少なくとも一つを含む、飲料。」と記載し、新たに請求項11とする。
(9) 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6に「飲料」と記載されているのを、「茶飲料」に訂正する。
(10) 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7に「飲料」と記載されているのを、「茶飲料」に訂正する。
(11) 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8に「飲料」と記載されているのを、「茶飲料」に訂正する。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1) 訂正事項1及び2に係る請求項1及び2の訂正について
訂正事項1及び2は、特許請求の範囲の請求項1及び2を削除するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(2) 訂正事項3-1に係る請求項3の訂正について
訂正事項3-1に係る請求項3の訂正は、訂正前の請求項3が請求項1及び2の記載を引用する記載であるところ、請求項1を引用するものとするとともに、訂正事項1で請求項1が削除されて請求項1を引用できなくなったことに伴い、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めるものであるから、明瞭でない記載の釈明及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(3) 訂正事項3-2に係る請求項3の訂正について
訂正事項3-2に係る請求項3の訂正は、訂正前の請求項3が請求項1及び2の記載を引用する記載であるところ、請求項1を引用する請求項2を引用するものとするとともに、訂正事項1及び2で請求項1及び2が削除されて請求項1及び2を引用できなくなったことに伴い、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項9へ改める訂正であり、明瞭でない記載の釈明及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(4) 訂正事項4-1に係る請求項4の訂正について
訂正事項4-1に係る請求項4の訂正は、訂正前の請求項4が請求項1~3のいずれか一項の記載を引用する記載であるところ、請求項1を引用するものとするとともに、訂正事項1で請求項1が削除されて請求項1を引用できなくなったことに伴い、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めるものであるから、明瞭でない記載の釈明及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(5) 訂正事項4-2に係る請求項4の訂正について
訂正事項4-2に係る請求項4の訂正は、訂正前の請求項4が請求項1~3のいずれか一項の記載を引用する記載であるところ、請求項1を引用する請求項2を引用するものとするとともに、訂正事項1及び2で請求項1及び2が削除されて請求項1及び2を引用できなくなったことに伴い、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項10へ改める訂正であり、明瞭でない記載の釈明及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(6) 訂正事項5-1に係る請求項5の訂正について
訂正事項5-1に係る請求項5の訂正は、訂正前の請求項5が請求項1~4のいずれか一項の記載を引用する記載であるところ、請求項1を引用するものとするとともに、訂正事項1で請求項1が削除されて請求項1を引用できなくなったことに伴い、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めるものであるから、明瞭でない記載の釈明及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(7) 訂正事項5-2に係る請求項5の訂正について
訂正事項4-2に係る請求項5の訂正は、訂正前の請求項5が請求項1~4のいずれか一項の記載を引用する記載であるところ、請求項1を引用する請求項2を引用するものとするとともに、訂正事項1及び2で請求項1及び2が削除されて請求項1及び2を引用できなくなったことに伴い、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項11へ改める訂正であり、明瞭でない記載の釈明及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内においてするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(8) 訂正事項6に係る請求項6の訂正について
訂正事項6に係る請求項6の訂正は、訂正前の請求項6に係る発明は、「飲料」に関する発明であることを特定しているものを、訂正後の請求項6は、「茶飲料」との記載により、訂正後の請求項6に係る発明における飲料をより具体的に特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項6による請求項6についての訂正は、明細書の段落【0022】の記載からみて、願書に添付した明細書の又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(9) 訂正事項7に係る請求項7の訂正について
訂正事項7に係る請求項7の訂正は、訂正前の請求項7に係る発明は、「飲料」に関する発明であることを特定しているものを、訂正後の請求項7は、「茶飲料」との記載により、訂正後の請求項7に係る発明における飲料をより具体的に特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項7による請求項7についての訂正は、明細書の段落【0022】の記載からみて、願書に添付した明細書の又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(10) 訂正事項8に係る請求項8の訂正について
訂正事項8に係る請求項8の訂正は、訂正前の請求項7に係る発明の「飲料」という発明特定事項を、訂正後は「茶飲料」との記載により飲料をより具体的に特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項8による請求項8についての訂正は、明細書の段落【0022】の記載からみて、願書に添付した明細書の又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(11) 一群の請求項について
訂正事項1ないし5-2は、訂正前の請求項1~5という一群の請求項に係る訂正であり、訂正事項6ないし8は、それぞれ、訂正前の請求項6、同請求項7及び同請求項8に係る請求項ごとの訂正である。また、本件訂正が認められた場合に、別の訂正単位とする求めもなされていない。
3 小括
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、結論のとおり、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1ないし5及び9ないし11〕、6、7、8について訂正することを認める。
第3 本件発明
上記第2で示したとおり、本件訂正は認められたため、本件特許の請求項1ないし11に係る発明(以下、順に「本件発明1」のようにいい、これらを総称して「本件発明」という場合がある。)は、それぞれ、令和4年12月5日に提出された訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】(削除)
【請求項2】(削除)
【請求項3】
0.02~1ppbの含有量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有する飲料であり、
2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを0.1~1000ppbの含有量で含有し、
カフェインの含有量が10ppm以下である、飲料。
【請求項4】
0.02~1ppbの含有量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有する飲料であり、
2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを0.1~1000ppbの含有量で含有し、
前記飲料が茶飲料である、飲料。
【請求項5】
0.02~1ppbの含有量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有する飲料であり、
2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを0.1~1000ppbの含有量で含有し、
焙煎したゴボウの抽出液、焙煎したタンポポの根の抽出液のうち、少なくとも一つを含む、飲料。
【請求項6】
茶飲料の製造方法であって、
2-イソブチル-3-メトキシピラジンの含有量が0.02~1ppbである茶飲料に、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンをその含有量が0.1~1000ppbとなるように添加することを含む、
茶飲料の製造方法。
【請求項7】
茶飲料の風味を改善させる方法であって、
2-イソブチル-3-メトキシピラジンの含有量が0.02~1ppbである茶飲料に、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンをその含有量が0.1~1000ppbとなるように添加する、
風味改善方法。
【請求項8】
茶飲料の風味を改善させる風味改善剤であって、
2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを含み、
2-イソブチル-3-メトキシピラジンの含有量が0.02~1ppbである茶飲料中に、前記2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの含有量が0.1~1000ppbとなるように添加して用いられる、
風味改善剤。
【請求項9】
0.02~1ppbの含有量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有する飲料であり、
2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを0.1~100ppbの含有量で含有し、
カフェインの含有量が10ppm以下である、飲料。
【請求項10】
0.02~1ppbの含有量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有する飲料であり、
2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを0.1~100ppbの含有量で含有し、
前記飲料が茶飲料である、飲料。
【請求項11】
0.02~1ppbの含有量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有する飲料であり、
2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを0.1~100ppbの含有量で含有し、
焙煎したゴボウの抽出液、焙煎したタンポポの根の抽出液のうち、少なくとも一つを含む、飲料。」
第4 特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要
1 令和4年6月14日に特許異議申立人1が提出した特許異議申立書(以下、「特許異議申立書1」という。)に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。
(1) 申立理由1-1(甲第1-1号証に基づく新規性・進歩性)
本件特許の請求項1及び2に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1-1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるか、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が甲第1-1号証に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1及び2に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
(2) 申立理由1-2(甲第1-2号証に基づく新規性・進歩性)
本件特許の請求項6ないし8に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1-2号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるか、本件特許の出願前に当業者が甲第1-2号証に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項6ないし8に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
(3) 申立理由1-3(サポート要件1)
本件特許の請求項1、2及び6ないし8に係る特許は、下記の点で特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消すべきものである。
・水系及びゴボウ茶における本件発明の実施例の結果から、単に、「飲料」というあらゆる飲料を含む範囲にまで権利範囲を拡張できると認識できない。
(4) 申立理由1-4(サポート要件2)
本件特許の請求項1ないし8に係る特許は、下記の点で特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消すべきものである。
・2-イソブチル-3-メトキシピラジン濃度の上限値について、実施例からはサポートされていない。
(5) 証拠方法
甲第1-1号証:J. Agric. Food Chem. 1996, 44, 537-543 Peter Semmelroch and Werner Grosch (Studies on Character Impact Odorants of Coffee Brews)
甲第1-2号証:特開2006-20526号公報
甲第1-3号証:堀口俊英、「コーヒーのテースティング」、株式会社柴田書店、2000年2月10日、p.43-44、p.135-136
なお、証拠の表記は、おおむね特許異議申立書の記載に従った。
以下、特許異議申立人1の証拠について、「甲第1-1号証」を「甲1-1」のようにいう。
2 令和4年7月5日に特許異議申立人2が提出した特許異議申立書(以下、「特許異議申立書2」という。)に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。
(1) 申立理由2-1(甲第2-1号証に基づく新規性・進歩性)
本件特許の請求項1及び2に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第2-1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1及び2に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
(2) 証拠方法
甲第2-1号証:J. Agric. Food Chem. 1996, 44, 537-543 Peter Semmelroch and Werner Grosch (Studies on Character Impact Odorants of Coffee Brews)
甲第2-2号証:「バリスタ笹田のコーヒーの抽出理論」、海ノ向こうコーヒー、[online]、[検索年月日:2022年6月27日]、インターネット<URL:https://uminomukou.com/articles/20200622_coffeedrip/>
甲第2-3号証:「社団法人コーヒー協会公認 コーヒー検定教本」、全日本コーヒー商工組合連合会、2012年4月1日、p.119
甲第2-4号証:「最新・ソフトドリンクス」、株式会社光琳、平成15年9月30日、p.1030
なお、証拠の表記は、おおむね特許異議申立書の記載に従った。
以下、特許異議申立人2の上記証拠について、「甲第2-1号証」を「甲2-1」のようにいうが、甲2-1は、甲1-1と同じである。
第5 令和4年9月29日付け取消理由通知書で通知した取消理由の概要
当審が通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。
1 取消理由1(甲1-1(甲2-1)に基づく新規性・進歩性)
本件特許の請求項1及び2に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1-1(甲2-1)に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるか、本件特許の出願前に当業者が甲1-1(甲2-1)に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1及び2に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
(申立理由1-1及び申立理由2-1と同旨である。)
2 取消理由2(甲1-2に基づく新規性・進歩性)
本件特許の請求項6ないし8に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1-2に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるか、本件特許の出願前に当業者が甲1-2に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項6ないし8に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
(申立理由1-2と同旨である。)
第6 取消理由についての当審の判断
1 取消理由1について
上記第2で述べたとおり、訂正により特許請求の範囲の請求項1及び2は削除された。すると、請求項1及び2については取消理由の対象が存在しない。
よって、取消理由1は理由がない。
2 取消理由2について
(1) 甲1-2に記載された事項等
ア 甲1-2に記載された事項
甲1-2には、おおむね次の事項が記載されている。
・「【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来提案されてきたコーヒー様フレーバーは、飲食品自体または飲食品に使用されている原材料が有する特異的な異臭・異味のマスキング、コーヒー特有のロースト感、スイート感、酸味感などの嗜好性の面で必ずしも満足できるものではなく、改善されたコーヒーフレーバー組成物の開発が望まれていた。
【0009】
従って、本発明の目的は、嗜好性および持続性が高く、且つ飲食品自体または原材料の香味も改善、特異的な異臭・異味のマスキングに効果があり、酸性から塩基性領域でも安定で飲食品の原材料の作用・機能を阻害することのないコーヒーフレーバー組成物および該フレーバー組成物を含有する飲食品類を提供することにある。」
・「【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意研究を行った結果、特定の(A)天然香料類、(B)アルコール類、(C)アルデヒド類およびアセタール類、(D)ケトン類およびケタール類、(E)フラン類、(F)フェノール類、(G)カルボン酸類、(H)エステル類、(I)ラクトン類、(J)含窒素化合物類及び(K)含硫化合物類からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の香料を配合することにより、上記課題を解決できることを見出し本発明を完成した。」
・「【0124】
【表7】
[図:0001399351000001.jpg]
」
・「【0128】
[実施例101]ストレートコーヒー飲料
焙煎コーヒー豆粉砕物500gを5Lの熱水にて抽出した。次いで、このコーヒー抽出液に重曹6gと実施例1,3,4,11,18,22,37,43,57,63,69,76,81,100のコーヒーフレーバー組成物10gを混合して調整し、10Lにゲージアップした後、缶容器に充填し、レトルトにて殺菌(F0=40以上)して、ストレートコーヒー飲料を得た。
【0129】
得られたストレートコーヒー飲料は、香気および香味に優れた香ばしいコーヒー感を有するストレートコーヒー飲料であった。」
イ 甲1-2に記載された発明
上記アにおいて、実施例101として記載されているストレートコーヒー飲料の製造方法において、実施例63又は69のコーヒーフレーバー組成物を利用した製造方法として、以下の発明が記載されているといえる。
<甲1-2発明>
「焙煎コーヒー豆粉砕物500gを5Lの熱水にて抽出し、次いで、このコーヒー抽出液に重曹6gと実施例63又は69のコーヒーフレーバー組成物10gを混合して調整し、10Lにゲージアップした後、缶容器に充填し、レトルトにて殺菌(F0=40以上)して、ストレートコーヒー飲料を得るストレートコーヒー飲料の製造方法。」
また、当該甲1-2発明で利用されているコーヒーフレーバー組成物として、以下の発明が記載されているといえる。
<甲1-2コーヒーフレーバー発明>
「甲1-2発明で利用されるコーヒーフレーバー組成物。」
(2) 本件発明6についての対比・判断
本件発明6と甲1-2発明を対比する。
甲1-2発明の「ストレートコーヒー飲料の製造方法」は、本件発明6の「茶飲料の製造方法」と、「飲料の製造方法」の限りで共通する。
甲1-2発明の「実施例63」又は「実施例69」のコーヒーフレーバー組成物は、上記(1)の表7の記載から、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを含有しているといえるから、甲1-2発明は、本件発明6の「2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを添加する」との特定事項を満たす。
以上のことから、本件発明6と甲1-2発明とは、
「飲料の製造方法であって、
2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを添加することを含む、
飲料の製造方法。」
で一致し、以下の点で相違する。
<相違点1>
2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを加える飲料について、本件発明6は、「2-イソブチル-3-メトキシピラジンの含有量が0.02~1ppbである」と特定するのに対し、甲1-2発明においては、このような特定がない点
<相違点2>
2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの添加量に関し、本件発明6は、「0.1~1000ppbとなるように添加」と特定するのに対し、甲1-2発明においては、添加後の濃度は不明である点
<相違点3>
飲料に関し、本件発明6は、「茶飲料」と特定するのに対し、甲1-2発明は、「ストレートコーヒー飲料」である点
事案に鑑み、相違点3から検討する。
茶飲料とストレートコーヒー飲料は明らかに相違するから、相違点3は実質的な相違点である。そうすると、その余の相違点について検討するまでもなく、本件発明6は、甲1-2発明でない。
そして、甲1-2及び他の証拠に、甲1-2発明において相違点3のストレートコーヒー飲料を茶飲料とする動機付けとなる記載はないから、甲1-2発明のストレートコーヒー飲料を茶飲料とすることは当業者にとって容易でない。
そうすると、その余の相違点について検討するまでもなく、本件発明6は、甲1-2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。
(3) 本件発明7についての対比・判断
本件発明7と甲1-2発明とを対比する。
甲1-2発明に用いられているコーヒーフレーバー組成物は、甲1-2の段落【0009】及び【0129】の記載から、香気および香味を改善するための組成物であるから、甲1-2発明は、当該コーヒーフレーバー組成物により飲料の香気および香味を改善している方法であるといえる。
そして、飲料の香気及び香味を改善する方法は、飲料の風味を改善させる方法に包含される。
また、甲1-2発明は、上記(2)で検討したとおり、本件発明7の「2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを添加する」との特定事項を満たす。
そうすると、本件発明7と甲1-2発明とは、
「飲料の風味を改善させる方法であって、
2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを添加する、
風味改善方法。」
で一致し、以下の点で相違する。
<相違点4>
2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを加える飲料について、本件発明7は、「2-イソブチル-3-メトキシピラジンの含有量が0.02~1ppbである」と特定するのに対し、甲1-2発明においては、このような特定がない点
<相違点5>
2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの添加量に関し、本件発明7は、「0.1~1000ppbとなるように添加」と特定するのに対し、甲1-2発明においては、添加後の濃度は不明である点
<相違点6>
飲料に関し、本件発明7は、「茶飲料」と特定するのに対し、甲1-2発明は、「ストレートコーヒー飲料」である点
事案に鑑み相違点6から検討すると、相違点6は上記(2)の相違点3と同じであるから、相違点3と同様に判断される。
よって、本件発明7は、甲1-2発明でないし、甲1-2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
(4) 本件発明8についての対比・判断
本件発明8と甲1-2コーヒーフレーバー発明とを対比する。
甲1-2コーヒーフレーバー発明における「コーヒーフレーバー組成物」は、上記(3)で検討したとおり、飲料の香気及び香味を改善するための組成物であるから、本件発明8の「飲料の風味を改善させる風味改善剤」に相当する。
そして、当該「コーヒーフレーバー組成物」は、上記(2)で検討したとおり、本件発明8と同様に「2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを含」んでいる。
そうすると、本件発明8と甲1-2コーヒーフレーバー発明とは、
「飲料の風味を改善させる風味改善剤であって、
2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを含む、
風味改善剤。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点7>
2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを加える飲料について、本件発明8は、「2-イソブチル-3-メトキシピラジンの含有量が0.02~1ppbである」と特定するのに対し、甲1-2コーヒーフレーバー発明においては、このような特定がない点
<相違点8>
2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの添加量に関し、本件発明8は、「0.1~1000ppbとなるように添加」と特定するのに対し、甲1-2コーヒーフレーバー発明においては、添加後の濃度は不明である点
<相違点9>
飲料に関し、本件発明8は、「茶飲料」と特定するのに対し、甲1-2コーヒーフレーバー発明は、「ストレートコーヒー飲料」である点
事案に鑑み相違点9から検討すると、相違点9は上記(2)の相違点3と同じであるから、相違点3と同様に判断される。
よって、本件発明8は、甲1-2コーヒーフレーバー発明でないし、甲1-2コーヒーフレーバー発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。
(5) まとめ
以上のとおりであるから、取消理由2には理由がない。
第7 取消理由で採用しなかった申立ての理由についての判断
取消理由で採用しなかった特許異議申立人1及び2の申立理由は、申立理由1-3及び申立理由1-4であり、ともにサポート要件に基づく申立理由であるので、以下、まとめて検討する。
1 申立理由1-3及び1-4(サポート要件)について
(1) 判断基準
特許請求の範囲の記載が、サポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。
そこで、検討する。
(2) サポート要件の判断
本件特許の発明の詳細な説明の【0002】ないし【0007】によると、本件発明3ないし11が解決しようとする課題は、「濃い味わいを維持しつつ、土っぽさ等の違和感が低減された飲料を提供する」ことと認められる。
そして、本件特許の発明の詳細な説明の【0008】には、「本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、所定の量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有する飲料において、所定の量の2-エチル-3,5-ジメチルピラジンが含有されることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。」と記載され、その作用機序に関し「飲料は、0.02~1ppbの含有量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有する飲料であり、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを0.1~1000ppbの含有量で含有する。このような飲料であることにより、濃い味わいを維持しつつも、土っぽさ等の違和感が低減された飲料となる。また、本発明においては、より濃い仕立ての飲料設計において2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含む素材を含有させた場合でも、特定の量の2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを含有させることにより、その2-エチル-3,5-ジメチルピラジンが、2-イソブチル-3-メトキシピラジンに起因する異風味を有効にマスクすることができる。したがって、飲料を濃い仕立てとするための素材の設定度合いが拡がり、その素材の含有割合を増大させることもできる。」(段落【0019】ないし【0020】)と記載されている。そして、2-イソブチル-3-メトキシピラジンの数値範囲の意味について段落【0026】ないし【0027】に、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンの数値範囲の意味について段落【0031】ないし【0032】に記載がある。
さらに、実施例及び比較例において、0.02~1ppbの含有量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有するとともに、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを0.1~1000ppbの含有量で含有する飲料は、濃い味わいを維持しつつ、土っぽさ等の違和感が低減されており、これを満足していない比較例は、その効果が優れないことを確認している。
そうすると、当業者は、「0.02~1ppbの含有量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有するとともに、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを0.1~1000ppbの含有量で含有する飲料」であれば発明の課題を解決できると認識できる。
そして、本件発明3は、前記条件を満足し、さらに、カフェインの含有量を限定するものであるから、発明の課題を解決するものである。
したがって、本件発明3は、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるといえる。
また、本件発明4ないし11についても、本件発明3と同様に判断される。
(3) 特許異議申立人の主張の検討
ア 特許異議申立人1の主張の検討
特許異議申立人1の申立理由1-3の主張は、水溶液及び焙煎ゴボウ以外の実施例がないことによるサポート要件違反であり、申立理由1-4は、2-イソブチル-3-メトキシピラジン濃度の上限値に係るサポート要件違反であるが、上記(2)での検討のとおり、当業者は、「0.02~1ppbの含有量の2-イソブチル-3-メトキシピラジンを含有するとともに、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンを0.1~1000ppbの含有量で含有する飲料」であれば発明の課題を解決できると理解し、特許異議申立人1は、その判断を覆す証拠を提示していないから、当該主張は採用できない。
イ 特許異議申立人2の主張の検討
特許異議申立人2は、令和5年1月13日付け意見書において、特許異議申立書2において主張してないサポート要件違反について(内容は、特許異議申立人1の申立理由1-3及び申立理由1-4と同旨)主張している。
当該主張は、特許異議申立書2において主張していなかった理由であって、訂正により新たに発生したものとはいえないから、時機に失した主張であって検討できないし、仮に当該主張について検討したとしても、上記(3)アと同様の理由により、当該主張は採用できない。
(4) まとめ
よって、申立理由1-3及び1-4は理由がない。
第8 むすび
以上のとおりであるから、本件特許の請求項3ないし11に係る特許は、取消理由及び特許異議申立書に記載した申立ての理由によっては、取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項3ないし11に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
さらに、本件特許の請求項1及び2に係る特許は、訂正により削除されたため、特許異議申立人1及び2による請求項1及び2に係る特許異議の申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったので、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-700519