特許異議申立
2022-700251
家具装置
- 審判番号
- 2022-700251
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2020-076855
- 登録番号
- 6942838
- 請求日
- 2022年03月25日
- 審決日
- 2023年06月20日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社イトーキ
- 【権利者代理人】西 博幸
- 【権利者代理人】渡辺 隆一
- 【異議申立人】佐野 裕之
- 審判長/審判官
- 審判長 一ノ瀬 覚
- 審判官 筑波 茂樹
- 審判官 中村 則夫
- 分類
- P1651.121-YAA(A47C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6942838号発明「家具装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6942838号の明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~5〕について訂正することを認める。
特許第6942838号の請求項1~3、5に係る特許を維持する。
特許第6942838号の請求項4に係る特許に対する特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第6942838号の請求項1~5に係る特許についての出願は、平成28年1月29日に出願された特願2016-16579号の一部を令和2年4月6日に新たな特許出願とした、特願2020-68118号の一部を令和2年4月23日に新たな特許出願としたものであって、令和3年9月10日に特許権の設定登録がされ、令和3年9月29日に特許掲載公報が発行された。
その後、特許異議申立人佐野裕之(以下「異議申立人」という。)による特許異議の申立てがされた。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和4年 3月25日 特許異議の申立て
同年 6月 2日付け 取消理由通知書
同年 8月 5日 特許権者より意見書、訂正請求書の提出
同年10月13日付け 訂正拒絶理由通知書
同年11月18日 特許権者より意見書、手続補正書の提出
令和5年 1月23日付け 取消理由通知書(決定の予告)
同年 3月22日 特許権者より意見書、訂正請求書の提出
同年 4月28日 異議申立人より意見書の提出
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
令和5年3月22日の訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(当審注:下線は訂正箇所を示す。)。なお、令和4年8月5日の訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、「前記張出部を利用して前記テープル板が取り付けられている」とあるのを、
「前記張出部を利用して前記テープル板が取り付けられており、
前記背もたれは後傾動可能であり、
前記バックパネルと前記背もたれとの間に、荷物置き場と成り得る空間が空いている」
と訂正する。(請求項1の記載を引用する請求項2、3、5も同様に訂正する)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項4を削除する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5に、「請求項1~4のうち」とあるのを、
「請求項1~3のうち」
と訂正する。
(4)訂正事項4
明細書の【0015】に、「前記張出部を利用して前記テープル板が取り付けられている」とあるのを、
「前記張出部を利用して前記テーブル板が取り付けられており、
前記背もたれは後傾動可能であり、
前記バックパネルと前記背もたれとの間に、荷物置き場と成り得る空間が空いている」
と訂正する。
(5)訂正事項5
明細書の【0020】を削除する。
(6)訂正事項6
明細書の【0021】に、「請求項1~4」とあるのを、「請求項1~3」と訂正する。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1
訂正事項1は、「前記背もたれが後傾動可能であり、前記バックパネルと前記背もたれとの間に、荷物置き場と成り得る空間が空いている」との特定事項を加えることで、訂正前の「家具装置」をさらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、訂正事項1のうち「背もたれは後傾動可能であり」との構成は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「特許明細書等」という。)の請求項4に記載された事項であり、訂正事項1のうち「前記バックパネルと前記背もたれとの間に、荷物置き場と成り得る空間が空いている」との構成は、特許明細書等の段落【0082】の「本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は、上記の他にも様々に具体化できる。例えば、背もたれとバックパネルとの間に間隔を空けて、この部位を荷物置き場に使用することもできる。」との記載に基づくものであり、いずれも新規事項を追加するものではない。
また、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を行うものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2)訂正事項2
訂正事項2は、請求項を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、請求項を削除する訂正事項2が、新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。
(3)訂正事項3
訂正事項3は、多数項を引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。また、訂正事項3は、請求項の削除(訂正事項2)に伴い、引用している請求項の記載に不整合が生じるのを整合させるためのものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものにも該当する。
そして、引用請求項数を削減する訂正事項3が、新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。
(4)訂正事項4~6
訂正事項4~6は、訂正事項1~3による特許請求の範囲の訂正にともない、明細書の記載に不整合が生じるのを整合させるためのものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
そして、訂正事項4~6は、訂正事項1~3と同様に、新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。
3 一群の請求項
本件訂正前の請求項2~5は、本件訂正前の請求項1を直接又は間接的に引用しているので、本件訂正前の請求項1~5は、一群の請求項であり、訂正事項1~6の訂正は、当該一群の請求項〔1~5〕に対して請求されたものである。
4 小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に規定する事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項及び第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~5〕について、訂正することを認める。
第3 本件発明
上記第2のとおり、本件訂正は認められるから、本件訂正請求により訂正された訂正後の請求項1~5に係る発明(以下それぞれ「本件発明1」~「本件発明5」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~5に記載される事項による特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
座及び背もたれと、
前記背もたれの後ろに位置したバックパネルとその左右両端から前向きに延びる左右のサイド部とを有する囲い枠部と、を備え、
前記囲い枠部における左右サイド部のうち一方のサイド部の内側部に、着座した人の側方に位置する台板と、着座した人の前方に位置するテーブル板とが取り付けられており、前記一方のサイド部は、前記台板の前端部よりも前方に延びる張出部を有し、前記張出部を利用して前記テープル板が取り付けられており、
前記背もたれは後傾動可能であり、
前記バックパネルと前記背もたれとの間に、荷物置き場と成り得る空間が空いている、
家具装置。
【請求項2】
前記テープル板は、前記一方のサイド部に対して前後動可能又は水平旋回可能に取り付けられている、
請求項1に記載した家具装置。
【請求項3】
前記サイド部は、前記バックパネルと一連に繋がったサイドパネルで構成されており、前記テーブル板は、前記サイドパネルに対して前後動可能または水平旋回可能に取付けられている、
請求項1又は2に記載した家具装置。
【請求項4】(削除)
【請求項5】
前記囲い枠部は、前記座よりも高くて背もたれの上端よりは低い高さに設定されている、
請求項1~3のうちのいずれかに記載した家具装置。」
第4 取消理由(決定の予告)の概要
請求項1~5に係る特許に対して、令和5年1月23日付けで当審が通知した取消理由(決定の予告)の要旨は、次のとおりである。なお、取消理由(決定の予告)で採用していない特許異議申立理由はない。
[取消理由]
(進歩性)本件特許に係る出願は、平成28年1月29日に出願された特願2016-16579号(以下「親出願」という。)の一部を令和2年4月6日に新たな特許出願(特願2020-68118号)とし、さらにその一部を令和2年4月23日に新たな出願としたものであって、本件特許の請求項1~5に係る発明は、親出願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、親出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
記
[各甲号証]
甲第1号証:“Brody”,[online],2016年1月12日,日本スチールケース株式会社,Wayback Machine,[令和2年11月9日検索・出力],インターネット(URL:https://web.archive.org/web/20160112204119/https://www.steelcase.com/asia-ja/products/lounge-seating/brody/ )
甲第1号証のURLのうち「20160112204119」は、ウェブページが電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、協定世界時2016年1月12日20時41分19秒を示すものであり、時差を考慮すると、日本標準時2016年1月13日5時41分19秒に当該ウェブページが公開されたものと認められる。
甲第2号証:米国特許出願公開第2015/0284089号明細書
甲第4号証:特表2014-532581号公報
上記各甲号証は、異議申立人の提出した甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証である。
[請求項と各甲号証との対応関係]
・請求項1~5:甲第1号証、甲第2号証
・請求項1~5:甲第1号証、甲第4号証
また、異議申立人は、以下の甲第3号証及び参考資料1を提出している。
甲第3号証:特開2015-81418号公報
参考資料1:”Brody WorkLounge seating”、[online]、2015年、日本スチールケース株式会社、[令和2年10月28日検索]、インターネット(URL:https://www.steelcase.com/content/uploads/sites/14/2015/12/Brody_brochure_JP.pdf)
第5 当審の判断
1 各甲号証の記載事項等
(1)甲第1号証について
ア 甲第1号証の記載事項
甲第1号証には、図面とともに次のことが記載されている(下線は当審が付与した。以下同じ。)。
(ア)第4ページ
「「身体」を支える
Brody WorkLoungeが目指したものはコンフォートとサポート力が共存する究極のラウンジチェア。特許取得済みLiveLumbarTM (ライブ・ランバー)テクノロジーによって、人間工学的視点からラウンジ姿勢をしっかりとサポートします。付帯する調節可能ワークサーフェスは携帯デバイスを目の高さに保ち、首や肩への負荷を軽減します。」
[図:0001401607000001.jpg]
(第4ページに表された図面を「図1」という。)
(イ)第5ページ
「「脳」を支える
今日のワーカーや学生の最大の課題はいかに「集中力」を維持するかということです。調査によると、平均的ワーカーは11分毎に仕事を中断され、元の状態に戻るには23分を要すると言います。
ブロディ・ワークラウンジ:
・シェルター機能で外部からの邪魔を最小限にする
・プライバシーを確保する
・心理的安心感を提供する」
[図:0001401607000002.jpg]
(第5ページに表された図面を「図2」という。)
(ウ)第6ページ
「「ビジネス」を支える
Brody WorkLoungeの省スペース設計と高いパフォーマンス力は企業の不動産を最大限に有効活用し、
アンクレイブ(隠れ家のような集中用スペース)に代わるスマートなソリューションとして、オフィスのデッドスペースを心地よい集中と休息の「場」へと変換します。」
[図:0001401607000003.jpg]
(第6ページに表された図面を「図3」という。図3中、X○○(「○○」は数字)と対応する引き出し線は、異議申立人が付加したものである。)
イ 甲第1号証の認定事項
(ア)図1は「Brody WorkLounge」を説明するものであり、図2は「ブロディ・ワークラウンジ」を説明するものであり、図3は「Brody WorkLounge」を説明するものであるから、図1~3に表されたものは、色彩やパネルの態様が互いに異なる「Brody WorkLounge」の製品バリエーションと認められる。
(イ)上記ア(ア)より、「Brody WorkLounge」は「ラウンジチェア」であって、「ラウンジ姿勢をしっかりとサポート」するものであり、図1~3からは、着座した人の主に下半身をサポートする座(図3に付加された「X1」が指し示すもの。以下同様である。)と、主に上半身をサポートする背もたれ(X2)とを有することが看取できる。
(ウ)図1~3より、着座した人の後方に位置するパネル状の部分(X31)と、着座した人の後方に位置するパネル状の部分(X31)の左端から前向きに延びる着座した人の左側に位置するパネル状の部分(X33)と、着座した人の後方に位置するパネル状の部分(X31)の右端から前向きに延びる着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)と、を有すること看取できる。また、図3より、上記着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)の前方に位置するパネル状の部分(X6)を有することが看取できる。そして、上記ア(イ)の「ブロディ・ワークラウンジ:シェルター機能で外部からの邪魔を最小限にする」との記載を併せて参酌すれば、上記各パネル状の部分(X31、X33、X32、X6)が、着座した人を囲み、外部からの邪魔を最小限にするシェルター機能を提供するものと認められる。
(エ)図1~3より、着座した人と、着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)との間に、ノート、筆記具等が載置された板状部材(X4)を有すること、着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)の前方に位置するパネル状の部分(X6)は板状部材(X4)の前端部よりも前方に延びていること、が看取できる。
(オ)図1~3より、着座した人の前方に、ノートパソコンが載置された板状部分(X5)を有することが看取できる。また、上記ア(ア)の「付帯する調節可能ワークサーフェスは携帯デバイスを目の高さに保ち、首や肩への負荷を軽減します。」との記載を併せて参酌すれば、上記板状部分(X5)は携帯デバイスを載置可能な調節可能ワークサーフェス(X5)であるものと認められる。
(カ)図1~3及び上記エ及びオより、調節可能ワークサーフェス(X5)が、ノート、筆記具等が載置された板状部材(X4)の下方の位置へ延びるリンク部材を有することが看取できる。
ウ 甲第1号証に記載された発明
上記ア及びイより、甲第1号証には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認める。
<甲1発明>
「 着座した人の主に下半身をサポートする座(X1)及び主に上半身をサポートする背もたれ(X2)と、
着座した人の後方に位置するパネル状の部分(X31)と、上記着座した人の後方に位置するパネル状の部分(X31)の左端から前向きに延びる着座した人の左側に位置するパネル状の部分(X33)と、上記着座した人の後方に位置するパネル状の部分(X31)の右端から前向きに延びる着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)と、上記着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)の前方に位置するパネル状の部分(X6)と、を有し、上記各パネル状の部分(X31、X33、X32、X6)は、着座した人を囲み、外部からの邪魔を最小限にするシェルター機能を提供するものであり、
着座した人と、着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)との間に、ノート、筆記具等が載置された板状部材(X4)を有し、着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)の前方に位置するパネル状の部分(X6)は、ノート、筆記具等が載置された板状部材(X4)の前端部よりも前方に延びており、
着座した人の前方に、携帯デバイスを載置可能な調節可能ワークサーフェス(X5)を有し、
調節可能ワークサーフェス(X5)が、ノート、筆記具等が載置された板状部材(X4)の下方の位置へ延びるリンク部材を有する、
ラウンジチェア。」
(2)甲第2号証について
ア 甲第2号証の記載事項
甲第2号証には、次のことが記載されている({}内は、異議申立人が提出した訳文である。)。
(ア)「[0046] FIG. 4a shows a side view of the table arrangement in a fully deployed configuration; and
[0047] FIG. 4b shows a perspective view of the table arrangement in the fully deployed configuration, mounted in an aircraft seat module.」
{[0046] 図4aは、完全に展開された構成における、テーブル装置の側面図を示す。
[0047] 図4bは、航空機座席モジュールに取り付けられた、完全に展開された構成でのテーブル装置の斜視図を示している。}
(イ)「[0060] FIG. 4b shows the table arrangement 100 in place in an aircraft seat module 200. The aircraft set module comprises a seat 201 with an exterior shell 202 behind the seat. It also comprises a side console 203 in which the table arrangement 100 is provided. In particular, it is noted that the side console 203 provides the housing 130 of the table arrangement 100.」
{[0060] 図4bは、航空機座席モジュール200に配置されたテーブル装置100を示している。航空機座席モジュールは、座席201と、座席201の後に外部シェル202を備える。また、テーブル装置100が提供されるサイドコンソール203を備える。特に、サイドコンソール203は、テーブル装置100のハウジング130を提供する点に注目すべきである。}
(ウ)「[0061] In use, the table 120 is moved from a stowed position to a presented position by opening door 110. As described before, this causes the table to automatically move up to the presented position. From here, a user/passenger can pull the table up to the partially deployed position and then pivot the table 120 to its fully deployed horizontal position.」
{[0061] 使用中、テーブル120は、ドア110を開くことによって、収納位置から提示位置に移動される。これにより、前述のように、テーブルは、提示位置まで自動的に移動する。ここから、使用者/乗客は、テーブルを部分的に展開された位置まで引き上げ、次にテーブル120をその完全に展開された水平位置に回転させることができる。}
(エ)甲第2号証には、次の図が示されている。
FIG.4a
[図:0001401607000004.jpg]
FIG.4b
[図:0001401607000005.jpg]
(3)甲第3号証の記載事項
甲第3号証には、次のことが記載されている。
(ア)「【0001】
本発明は、医療施設や介護施設等において、ベッドやリクライニングチェア等の使用者が横たわることができる什器が設置された複数の個別区画空間を互いに区画する際に使用される空間区画装置に関する。」
(イ)「【0022】
安息什器11は、横たわった使用者の頭部側が個別区画空間6内における基本仕切り体2側に、使用者の下肢側が個別区画空間6の開放部側となるよう配設されている。安息什器11に横たわった使用者の頭部側が、個別区画空間6の基本仕切り体2側に、使用者の下肢側が個別区画空間6の開放部側となるよう配設されるので、使用者は、周囲の視線から遮断される。・・・」
(ウ)「【0032】
図4において、上部延長パネル4は、個別区画空間6の外側に向けて凸となるような湾曲を有している。この湾曲の形状は、安息什器11の車輪14を個別区画空間の床面に設けたストッパ15に当てた状態で、安息什器11上の使用者が、背もたれ13を倒したり、起こしたりしても、使用者の頭部が、上部延長パネル4との間に圧迫感を感じない程度の距離を保つように設定されている。また、個別区画空間6の外側に向けて凸となる湾曲を有することで、個別区画空間6の容積を大きくできるので、使用者に圧迫感を与えずに周囲の視線を確実に遮断できる。」
(エ)甲第3号証には、次の図が示されている。
【図3】
[図:0001401607000006.jpg]
【図4】
[図:0001401607000007.jpg]
(4)甲第4号証の記載事項
甲第4号証には、次のことが記載されている。
(ア)「【0002】
本発明は、航空機乗客用座席、特に長手方向に互い違いに配置されかつ角度を成す座席を含む航空機座席構成に関する。」
(イ)「【0027】
次に図3~10を参照すると、座席配列体が、左舷座席22A、22B及び24A、24Bを参照して例として示される。座席22A、22B、24A及び24B(及び他の座席全て)の各々は、上側部分がヘッドレスト30を含むかまたはこれを形成する背もたれ28と、座部32と、レッグレスト34と、アームレスト36及び38とを含む。座席は、フレームによって支持され、一方前記フレームは既知の形式のレール式取付け具によって航空機のデッキに取り付けられる。
【0028】
好ましい実施形態において、座席の背面及び側面を囲繞するプライバシーシェル40が設置される。好ましくは、図5に示されるように、プライバシーシェル40は、座席の対またはグループ(例えば、座席24Aと24B)において互に一体的である。本明細書において使用される場合、「一体的」は、座席の対またはグループにおいてプライバシーシェルが互に取り付けられるか、接続されるかまたはその他の方法で固定されることを意味する。ただし、これは限定的ではなく、プライバシーシェル40は、互に分離することができる。好ましくは、各プライバシーシェル40は、乗客用要素を含む一体的コンソール部42(内側面42aと外側面42bとを有する)を含む。乗客用要素は、例えば(これに限定されず)折り畳み式かつ/または格納可能トレイテーブル44及び必要な(例えばリモコン、ゲームコントローラ、音量及びチャンネル制御装置のような)電子機器を備えたモニター46、などである。プライバシーシェル40またはコンソール部42は、本技術分野で知られているように、保管キャビネット、カップホルダ、保管ポケット、及びライトなどのような他の乗客用要素またはアメニティを含むことができる。
【0029】
下に説明するように、座席22A、22B、24A及び24Bは、直立位置すなわち非リクライニング位置と完全リクライニング位置すなわちベッド位置との間で移動可能である。好ましくは、座席22A、22B、24A及び24Bは、完全リクライニング位置のとき乗客の下腿及び足を支持するための支持面を提供する座席延長部48を含む。好ましい実施形態において、各プライバシーシェル40は、足用凹部50及び関連する足支持部52を含み、前記足支持部52は、図6に示されるように座席が完全リクライニング位置のときすぐ後方の座席の座席延長部48を支持する。格納位置のとき、座席延長部48は座席12Aの座部32の下に配置される。
【0030】
座席22A、22B、24A及び24Bは、乗客が図3の直立着席または非リクライニング形態、図4の完全リクライニングまたはベッド形態(座席がベッドとして役立つ)及び多数の中間形態(図示せず)を含めて座席を様々な形態にできるようにするための適切な可動要素、アクチュエータ及び制御装置を備える。図4及び6に最良に示されるように、座席24Bが完全リクライニング位置のとき、背もたれ28及びヘッドレスト30は、ベッドの「頭部側」になり、座部32は「中間」部になり、レッグレスト34及び座席延長部48は「足側」になる(座席延長部48は座席22Bの足支持部52の上に配置される)。座席延長部48は、キャビンのデッキの上方で基本的に座部32と同じレベルにおいて座席延長部48を支持する高さに配置された足支持部52上で支持される。」
(ウ)甲第4号証には、次の図が示されている。
【図3】
[図:0001401607000008.jpg]
【図4】
[図:0001401607000009.jpg]
【図5】
[図:0001401607000010.jpg]
【図6】
[図:0001401607000011.jpg]
(5)参考資料1について
ア 参考資料1の記載事項
参考資料1には、図面とともに次のことが記載されている。
(ア)第4ページ
「「身体」を支える
Brody WorkLounge(ブロディ・ワークラウンジ)が目指したものはコンフォートとサポート力が共存する究極のラウンジチェア。特許取得済みLiveLumbarTM (ライブ・ランバー)テクノロジーによって、人間工学的視点からラウンジ姿勢をしっかりとサポートします。付帯する調節可能ワークサーフェスは携帯デバイスを目の高さに保ち、首や肩への負荷を軽減します。」
[図:0001401607000012.jpg]
(第4ページ右下に表された図面を「図1」という。)
(イ)第5ページ
「「脳」を支える
今日のワーカーや学生の最大の課題はいかに「集中力」を維持するかということです。調査によると、平均的ワーカーは11分毎に仕事を中断され、元の状態に戻るには23分を要すると脳科学者は言います。
Brody WorkLoungeのシェルター機能は、外部からの邪魔を最小限にしながら、プライバシーを確保し、心理的安心感を提供します。」
[図:0001401607000013.jpg]
(第5ページに表された図面を「図2」という。)
イ 参考資料1の認定事項
(ア)上記ア(ア)より、「Brody WorkLounge」は「ラウンジチェア」であり、図1の中央下の解説文から、「リクライニング」するものと認められる。
ウ 参考資料1に記載の事項
上記ア及びイから、参考資料1には、次の事項(以下「参考資料1に記載の事項」という。)が記載されているものと認める。
「Brody WorkLoungeが、リクライニングすること。」
2 対比・判断
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
(ア)甲1発明の「座(X1)」、「背もたれ(X2)」、「ラウンジチェア」は、本件発明1の「座」、「背もたれ」、「家具装置」にそれぞれ相当する。
(イ)甲1発明の「着座した人の後方に位置するパネル状の部分(X31)」、「着座した人の左側に位置するパネル状の部分(X33)」、「着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)」及び「着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)の前方に位置するパネル状の部分(X6)」は、「着座した人を囲み、外部からの邪魔を最小限にするシェルター機能を提供する」ものであるから、本件発明1の「囲い枠部」に相当する。また、甲1発明の「着座した人の後方に位置するパネル状の部分(X31)」は、本件発明1の「バックパネル」に相当し、甲1発明の「着座した人の後方に位置するパネル状の部分(X31)の左端から前向きに延びる着座した人の左側に位置するパネル状の部分(X33)」、「着座した人の後方に位置するパネル状の部分(X31)の右端から前向きに延びる着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)」及び「着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)の前方に位置するパネル状の部分(X6)」は、本件発明1のバックパネルの「左右両端から前向きに延びる左右のサイド部」に相当し、甲1発明の「着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)」及び「着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)の前方に位置するパネル状の部分(X6)」からなるものは本件発明1の「一方のサイド部」に相当する。
(ウ)甲1発明の「板状部材(X4)」は、「着座した人と、着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)との間」に位置し、「ノート、筆記具等が載置され」るものであるから、本件発明1の「台板」に相当する。
(エ)甲1発明の「調節可能ワークサーフェス(X5)」は、「着座した人の前方」に位置し、「携帯デバイスを載置可能な」ものであるから、本件発明1の「テーブル板」に相当する。
(オ)上記(イ)及び(ウ)より、甲1発明の「着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)の前方に位置するパネル状の部分(X6)」は「サイド部」を構成するものであって、台板の前端部よりも前方に延びるものであるから、本件発明1の「張出部」に相当する。
そして、上記(ア)~(オ)の相当関係を踏まえると、以下のことがいえる。
(カ)甲1発明の「着座した人の主に下半身をサポートする座(X1)及び主に上半身をサポートする背もたれ(X2)と、着座した人の後方に位置するパネル状の部分(X31)と、着座した人の左側に位置するパネル状の部分(X33)と、着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)と、上記着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)の前方に位置するパネル状の部分(X6)と、を有し、上記各パネル状の部分(X31、X33、X32、X6)は、着座した人を囲み、外部からの邪魔を最小限にするシェルター機能を提供するものであり」ということは、本件発明1の「座及び背もたれと、前記背もたれの後ろに位置したバックパネルとその左右両端から前向きに延びる左右のサイド部とを有する囲い枠部と、を備え」ということに相当する。
(キ)甲1発明の「着座した人と、着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)との間に、ノート、筆記具等が載置された板状部材(X4)を有し、」「着座した人の前方に、携帯デバイスを載置可能な調節可能ワークサーフェス(X5)を有」することは、本件発明1の「着座した人の側方に位置する台板と、着座した人の前方に位置するテーブル板と」を有することに相当する。
(ク)甲1発明の「上記着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)の前方に位置するパネル状の部分(X6)」を有し、「着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)の前方に位置するパネル状の部分(X6)は、ノート、筆記具等が載置された板状部材(X4)の前端部よりも前方に延びており」ということは、本件発明1の「前記囲い部における左右のサイド部のうち一方サイド部」は、「前記台板の前端部よりも前方に延びる張出部を有し」ということに相当する。
(ケ)以上のことから、本件発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「 座及び背もたれと、
前記背もたれの後ろに位置したバックパネルとその左右両端から前向きに延びる左右のサイド部とを有する囲い枠部と、を備え、
着座した人の側方に位置する台板と、着座した人の前方に位置するテーブル板とを有し、
前記前記囲い枠部における左右のサイド部のうち一方のサイド部は、前記台板の前端部よりも前方に延びる張出部を有する、
家具装置。」
<相違点1>
本件発明1は、台板が「前記囲い枠部における左右サイド部のうち一方のサイド部の内側部に」「取り付けられて」いるのに対し、甲1発明は、板状部材(X4)が着座した人と、着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)との間に位置するものの、板状部材(X4)が着座した人の右側方に位置するパネル状の部分(X32)の内側部に取り付けられているか否かが明らかでない点。
<相違点2>
本件発明1は、テーブル板が「前記囲い枠部における左右サイド部のうち一方のサイド部の内側部に」「取り付けられて」おり、「前記張出部を利用して前記テーブル板が取り付けられている」のに対し、甲1発明は、調節可能ワークサーフェス(X5)が、ノート、筆記具等が載置された板状部材(X4)の下方の位置へ延びるリンク部材を有するものであるが、当該リンク部材がどの位置に取り付けているものなのかが明らかでない点。
<相違点3>
本件発明1は、「前記背もたれは後傾動可能であり、前記バックパネルと前記背もたれとの間に、荷物置き場と成り得る空間が空いている」のに対し、甲1発明は、そのような構成を有するか不明である点。
イ 判断
事案に鑑み、まず、相違点3について検討する。
(ア)相違点3についての検討
以下a~cにおいて、相違点3のうち「前記バックパネルと前記背もたれとの間に、荷物置き場と成り得る空間が空いている」に係る構成に関し、甲第1号証に記載されているか、背もたれを後傾動可能とする周知技術等を適用することで容易想到であるか、その他の証拠から容易想到であるか、という観点から検討する。
a 甲第1号証に記載されているか
甲第1号証において、背もたれ(X2)と着座した人の後方に位置するパネル状の部分(X31)との間がどのような構成になっているかは不明であり、空間が空いているか否かは明らかでない。また、少なくとも、甲第1号証の図3(1(1)ア(ウ)参照)からは、背もたれ(X2)と着座した人の後方の位置するパネル状の部分(X31)とが近接している様子が看取でき、同図の着座した人の前方に位置するノートパソコンの大きさや右側方に位置するノートや飲み物の大きさと見比べても、両者の隙間に荷物を置くことは想定されていないと考えられる。そうすると、甲第1号証には、「荷物置き場と成り得る空間が空いている」構成が記載されているとはいえない。
b 背もたれを後傾動可能とする周知技術等を適用することで容易想到であるか
座席装置において、背もたれを後傾動可能とすることは、文献を例示するまでもない周知技術であることを勘案すると、甲1発明において、背もたれ(X2)を後傾動可能なものとすることは、当業者が容易に想到し得たものといえる。また、Brody WorkLoungeに関する発明である甲1発明は、参考資料1に記載の事項(Brody WorkLoungeがリクライニングすること)を踏まえるとリクライニングするものである蓋然性が高く、少なくともリクライニングするものとすることは、容易に想到し得たことといえる。
しかしながら、参考資料1に記載されたBrody WorkLoungeの背もたれと着座した人の後方の位置するパネル状の部分との関係(参考資料1の図2(上記2(5)ア(イ)参照))からも明らかなように、背もたれがリクライニングすることは、両者の間に(隙間以上の)空間を要するということを意味するものではない。そうすると、甲1発明において、周知技術又は参考資料1に記載の事項を適用して後傾動可能とすることが容易想到であっても、その結果、当然に、背もたれ(X2)と着座した人の後方の位置するパネル状の部分(X31)が「荷物置き場と成り得る空間が空いている」構成になるとはいえない。また、甲1発明において、背もたれを後傾動可能とすれば、当然に「荷物置き場と成り得る空間が空いている」構成になることを示す証拠もない。
c その他の証拠から容易想到であるか
甲1発明において、背もたれ(X2)と着座した人の後方に位置するパネル状の部分(X31)との間を、荷物置き場と成り得る空間が空いているものに変更することを開示又は示唆するその他の証拠も見いだせない。
すなわち、甲第2号証、甲第4号証には、航空機用の座席構成が開示されており、特に、甲第4号証には、座席がリクライニングすることが記載されている(段落【0029】~【0030】)ものの、いずれの証拠にも、背もたれと後方のパネル状の部分との間に荷物置き場と成り得る空間が空いているものとすることは、記載も示唆もされていない。
また、甲第3号証には、ベッドやリクライニングチェア等の使用者が横たわることができる安息什器11が設置される個別空間が記載され、図4から、背もたれ13と基本仕切り体2との間には背もたれ13を略水平状態に倒すことができるように空間が存在することが看取できるものの、当該空間は背もたれ13が回動するための空間であって、仮に当該空間に荷物を置くと、荷物が邪魔となって、背もたれ13を略水平状態に倒すことができなくなってしまうから、甲第3号証は、背もたれ13と基本仕切り体2との間に、「荷物置き場と成り得る空間が空いている」ことを開示するものではない。加えて、甲1発明のラウンジチェアは、使用者が横たわることができるものではないから、甲第3号証に記載された背もたれ13と基本仕切り体2との間の空間を、甲1発明に適用する動機付けも見いだせない。
d 小括
以上によれば、甲1発明において、相違点3に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当者が容易に想到し得たことではない。
そうすると、相違点1及び相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲第1号証~甲第4号証及び参考資料1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(イ)異議申立人の主張について
異議申立人は、令和5年4月28日の意見書において、以下の点を主張する。
<主張1>
背もたれを後傾動可能とすることは周知技術であり、後傾動可能(背もたれを初期位置とそれよりも後傾された後傾姿勢との間で動作することが可能)とするためには少なからずバックパネルと背もたれとの間に空間が設けられなければならないことは自明であり、「荷物」とは、例えば、一枚の用紙や一本の筆記具のようなものであっても「荷物」の概念に含まれるものであるから、バックパネルと背もたれとの間に空間が形成される以上、その空間に「荷物」と称される物体が配設され得ることは言うまでもない。
<主張2>
「前記パックパネルと前記背もたれとの間に、荷物置き場と成り得る空間が空いている」という構成は甲第1号証に開示されている。甲第1号証に係る発明がより詳細に開示された参考資料1を提示する。
<主張3>
「(荷物置き場と)なり得る(空間)」とは、「(荷物置き場の空間に)ならない場合があってもよい」という解釈が含まれるため、本件発明1の「空間」がどのようなものを含めており又は含めていないのかが一律に理解できないから、不明確である。
上記異議申立人の主張について検討する。
<主張1について>
異議申立人の主張は、一枚の用紙や一本の筆記具が入ってしまう程度のわずかな隙間を「荷物置き場」であると主張するものと解される。しかしながら、「荷物置き場」とは、その用語からみて、荷物を置くという用途のために設けられた場所という意味と解釈でき、一枚の用紙や一本の筆記具が入る程度の数mm~1cm前後のわずかな隙間をもって、「荷物置き場」ということはできないから、異議申立人の主張1は採用できない。
<主張2について>
甲第1号証には、荷物置き場となり得る空間が空いているということはできず(上記(ア)a参照)、参考資料1にも、荷物置き場と成り得る空間が示されているとはいえないから、異議申立人の主張2は採用できない。
<主張3について>
「荷物置き場と成り得る空間」は、実際に荷物を置くかどうかは措くとして、荷物置き場とするのに適した程度の大きさや広がりのある空間を意味するものとして明確であるから、異議申立人の主張3は採用できない。
(2)本件発明2、3、5について
本件発明2、3、5は、本件発明1の構成を全て含み、さらに構成を付加したものであるから、本件発明1と同様、本件発明2、3、5も、甲第1号証~甲第4号証及び参考資料1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
第6 結論
以上のとおり、請求項1~3、5に係る特許については、取消理由通知書に記載した取消理由又は特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、取り消すことはできない。さらに、他に請求項1~3、5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、請求項4に係る発明については、訂正により削除された。これにより異議申立人による特許異議の申立てについて、請求項4に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-700251