特許異議申立
2022-700117
無通電タイプのブレーカ
- 審判番号
- 2022-700117
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-506592
- 登録番号
- 6916498
- 請求日
- 2022年02月10日
- 審決日
- 2023年03月29日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】大塚テクノ株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人豊栖特許事務所
- 【異議申立人】ボーンズ 株式会社
- 【異議申立人代理人】住友 慎太郎
- 【異議申立人代理人】浦 重剛
- 【異議申立人代理人】苗村 潤
- 【異議申立人代理人】石原 幸信
- 審判長/審判官
- 審判長 平田 信勝
- 審判官 尾崎 和寛
- 審判官 岡本 健太郎
- 分類
- P1652.121-XA (H01H)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6916498号発明「無通電タイプのブレーカ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6916498号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~12〕について訂正することを認める。
特許第6916498号の請求項1~5に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第6916498号の請求項1~12に係る特許についての出願は、2021年(令和3年)1月18日(優先権主張 2020年(令和2年)10月29日)を国際出願日として出願され、令和3年7月20日にその特許権の設定登録がされ、令和3年8月11日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和4年2月10日 :特許異議申立人ボーンズ株式会社(以下、「異議
申立人」という。)による請求項1~5に係る特
許に対する特許異議の申立て
令和4年5月16日付け:取消理由通知書
令和4年7月21日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
令和4年9月14日 :異議申立人による意見書の提出
令和4年12月9日付け:取消理由通知書(決定の予告)
令和5年2月7日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
令和5年2月7日に提出された訂正請求書(以下、この訂正請求書での訂正請求を「本件訂正請求」という。)での訂正の内容は次のとおりである(下線は訂正箇所である。)。
なお、令和4年7月21日に提出された訂正請求書による訂正請求は取り下げられたものとみなす(特許法第120条の5第7項)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3を削除する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4を削除する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5を削除する。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6に「請求項1ないし5のいずれか一項に記載の無通電タイプのブレーカであって、」とあるのを、「ケースと、前記ケースに固定され、かつ固定接点を有する固定接点金属板と、前記固定接点にオンオフ状態に接触する可動接点を有する可動接点金属板と、前記可動接点金属板と前記固定接点金属板との間に配設され、かつ設定温度を超える状態では、非反転形状から反転形状に変形するバイメタルと、を備え、前記バイメタルの非反転形状においては、前記可動接点金属板の弾性が前記固定接点に前記可動接点を接触させてオン状態にあり、前記バイメタルの反転形状においては、前記バイメタルが前記可動接点金属板を押圧して前記可動接点をオフ状態に切り換えるようにしてなる無通電タイプのブレーカであって、前記可動接点金属板が、表面に凹部を有し、前記凹部で薄く形成されてなる凹部弾性変形部を有し、」に訂正する(請求項6の記載を引用する請求項12も同様に訂正する。)。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7に「請求項1ないし5のいずれか一項に記載の無通電タイプのブレーカであって、」とあるのを、「ケースと、前記ケースに固定され、かつ固定接点を有する固定接点金属板と、前記固定接点にオンオフ状態に接触する可動接点を有する可動接点金属板と、前記可動接点金属板と前記固定接点金属板との間に配設され、かつ設定温度を超える状態では、非反転形状から反転形状に変形するバイメタルと、を備え、前記バイメタルの非反転形状においては、前記可動接点金属板の弾性が前記固定接点に前記可動接点を接触させてオン状態にあり、前記バイメタルの反転形状においては、前記バイメタルが前記可動接点金属板を押圧して前記可動接点をオフ状態に切り換えるようにしてなる無通電タイプのブレーカであって、前記可動接点金属板が、表面に凹部を有し、前記凹部で薄く形成されてなる凹部弾性変形部を有し、」に訂正する(請求項7の記載を引用する請求項8~9、12も同様に訂正する。)。
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項10を削除する。
(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項11に「請求項1ないし10の何れか一項に記載の無通電タイプのブレーカであって、」とあるのを、「ケースと、前記ケースに固定され、かつ固定接点を有する固定接点金属板と、前記固定接点にオンオフ状態に接触する可動接点を有する可動接点金属板と、前記可動接点金属板と前記固定接点金属板との間に配設され、かつ設定温度を超える状態では、非反転形状から反転形状に変形するバイメタルと、を備え、前記バイメタルの非反転形状においては、前記可動接点金属板の弾性が前記固定接点に前記可動接点を接触させてオン状態にあり、前記バイメタルの反転形状においては、前記バイメタルが前記可動接点金属板を押圧して前記可動接点をオフ状態に切り換えるようにしてなる無通電タイプのブレーカであって、前記可動接点金属板が、表面に凹部を有し、前記凹部で薄く形成されてなる凹部弾性変形部を有し、」に訂正する(請求項11の記載を引用する請求項12も同様に訂正する。)。
(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項12に「請求項1ないし11のいずれか一項に記載の無通電タイプのブレーカであって、」とあるのを、「請求項6ないし9、又は11のいずれか一項に記載の無通電タイプのブレーカであって、」に訂正する。
訂正前の請求項1~12について、請求項2~12は、それぞれ請求項1を直接又は間接的に引用しているものであるから、本件訂正請求は一群の請求項に対して請求されたものである。
2 訂正の目的、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1~5及び8について
訂正事項1~5及び8は、それぞれ請求項1~5及び請求項10を削除するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるといえ、新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2)訂正事項6及び7について
訂正事項6及び7は、訂正前の請求項6及び7が請求項1~5の記載を引用するものであったのを、請求項2~5を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて、請求項間の引用関係を解消し、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許請求の範囲の減縮及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものといえる。
また、訂正事項6及び7による訂正が、新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。
(3)訂正事項9について
訂正事項9は、訂正前の請求項11が請求項1~10の記載を引用するものであったのを、請求項2~10を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて、請求項間の引用関係を解消し、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許請求の範囲の減縮及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものといえる。
また、訂正事項9による訂正が、新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。
(4)訂正事項10について
訂正事項10は、訂正前の請求項12が請求項1~11の記載を引用する記載であったところ、訂正事項1~5及び8で請求項1~5及び10が削除され請求項1~5及び10の記載を引用できなくなるということとの整合を図るための訂正であって、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるといえる。
また、訂正事項10による訂正が、新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。
3 独立特許要件
訂正事項6、7及び9はそれぞれ、訂正前の請求項6、7及び11について特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正をなすものである。
したがって、これらの請求項6、7及び11を直接的又は間接的に引用する請求項8、9及び12も同様に特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正がなされることとなる。
ここで、請求項6~12については、特許異議の申立てがされていないから、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない(特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項)。
しかしながら、異議申立人の提出した証拠及び特許異議申立理由を踏まえても、請求項6~9、11及び12に係る発明(なお、請求項10は訂正により削除された。)について特許要件の適否について見直すべき新たな事情は存在せず、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、訂正後における特許請求の範囲の請求項6~9、11及び12に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであり、訂正事項6、7及び9は、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の規定に適合するものである。
4 小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項ないし第7項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲の記載を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~12〕について訂正することを認める。
第3 特許異議申立て理由の概要
異議申立人は、証拠として下記の甲第1号証及び甲第2号証を提出し、請求項1~5に係る特許は、甲第1号証に記載の発明及び甲第2号証に記載の技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるか、または、甲第2号証に記載の発明及び甲第1号証に記載の技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消すべきものである旨主張する。
甲第1号証:特開2006-331693号公報
甲第2号証:国際公開第2019/230751号
第4 当審の判断及びむすび
上記「第3」のとおり、異議申立人による特許異議の申立ての対象は、請求項1~5に係る特許についてであるところ、上記「第2」のとおり、本件訂正請求による訂正が認められるから、請求項1~5に係る特許は訂正により削除された。
これにより、特許異議申立人による特許異議の申立ては申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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