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特許異議申立

2021-700413

回路基板の製造方法

審判番号
2021-700413
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2016-214490
登録番号
6781376
請求日
2021年04月28日
審決日
2021年11月05日
公報発行日
2022年02月25日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社今仙電機製作所
  • 【権利者代理人】田下 明人
  • 【権利者代理人】立石 克彦
  • 【異議申立人】ボーンズ 株式会社
  • 【異議申立人代理人】住友 慎太郎
  • 【異議申立人代理人】浦 重剛
  • 【異議申立人代理人】苗村 潤
  • 【異議申立人代理人】石原 幸信
審判長/審判官
  • 審判長 間中 耕治
  • 審判官 中村 大輔
  • 審判官 尾崎 和寛
分類
P1652.113-XA (H01H) / P1652.121-XA (H01H) / P1652.851-XA (H01H) / P1652.853-XA (H01H) / P1652.857-XA (H01H)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第7項、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第29条第2項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6781376号発明「回路基板の製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6781376号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、〔2、4、5〕について訂正することを認める。 特許第6781376号の特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6781376号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~5に係る特許についての出願は、平成28年11月1日の特許出願であって、令和2年10月20日にその特許権の設定登録がされ、令和2年11月4日に特許掲載公報が発行された。 本件特許についての特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和3年4月28日 :特許異議申立人ボーンズ株式会社(以下、「申 立人」という。)による請求項1に係る特許に 対する特許異議の申立て 令和3年7月28日付け:取消理由通知 令和3年8月24日 :特許権者による訂正請求書の提出(以下、「本 件訂正請求」という。) なお、以下の第2、第3のとおり、本件訂正請求に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)により特許異議の申立てがされた請求項1は削除されたため、特許法第120条の5第5項ただし書の規定に基づき、当審から申立人に対し本件訂正請求があった旨の通知をするとともに相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えることはしなかった。 第2 訂正の適否についての判断 1.訂正の趣旨 本件訂正請求の趣旨は、「特許第6781376号の明細書、特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、2、4、5について訂正することを求める。」というものである。 2.訂正の内容 本件訂正の内容は、以下のとおりである(下線は当審において付した。以下同様。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に「前記半田接合が完了した後に前記導電体の長手方向中央部側を前記プリント配線板の実装面側に押圧して塑性変形させることで、前記導電体の長手方向端部側を弾性変形させることを特徴とする請求項1に記載の回路基板の製造方法。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「プリント配線板に対して実装される電子部品の電力供給経路間に当該電子部品を保護するための導電体が設けられる回路基板の製造方法であって、前記導電体を前記電力供給経路間に半田接合するステップと、前記半田接合が完了した後に前記導電体を弾性変形させるステップと、を備え、前記半田接合が完了した後に前記導電体の長手方向中央部側を前記プリント配線板の実装面側に押圧して塑性変形させることで、前記導電体の長手方向端部側を弾性変形させることを特徴とする回路基板の製造方法。」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項4に「請求項1~3のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。」と記載されているのを、「請求項2又は3に記載の回路基板の製造方法。」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項5に「請求項1~4のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。」と記載されているのを、「請求項2~4のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。」に訂正する。 (5)訂正事項5 願書に添付した明細書の段落【0006】に記載された「特許請求の範囲に記載の請求項1の発明」を「特許請求の範囲に記載の請求項2の発明」に訂正するとともに、上記訂正事項2に応じて「を備えることを特徴とする」を「を備え、前記半田接合が完了した後に前記導電体の長手方向中央部側を前記プリント配線板の実装面側に押圧して塑性変形させることで、前記導電体の長手方向端部側を弾性変形させることを特徴とする」に訂正する。 (6)訂正事項6 願書に添付した明細書の段落【0008】に記載された「請求項1の発明では」を「請求項2の発明では」に訂正する。 3.訂正要件の適否の検討 (1)訂正事項1 ア 訂正の目的 訂正事項1は、請求項1を削除するというものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 訂正事項1は、請求項1を削除するというものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないことが明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合する。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項1は、請求項1を削除するというものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることが明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合する。 (2)訂正事項2 ア 訂正の目的 訂正事項2は、訂正前の請求項2が請求項1の記載を引用する記載であるところ、請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 訂正事項2は、訂正前の請求項2について何ら実質的な内容の変更を伴うものではないことが明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合する。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項2は、訂正前の請求項2について何ら実質的な内容の変更を伴うものではないことが明らかであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合する。 エ 特許出願の際独立して特許を受けることができること 訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の要件は課されない。 (3)訂正事項3 ア 訂正の目的 訂正事項3は、訂正前の請求項4が請求項1~3の記載を引用する記載であるところ、訂正事項1で請求項1が削除されたことに伴い、引用する請求項を整合させるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 訂正事項3は、請求項1が削除されたことに伴い、引用する請求項を整合させるものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しないことが明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合する。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項3は、請求項1が削除されたことに伴い、引用する請求項を整合させるものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることが明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合する。 エ 特許出願の際独立して特許を受けることができること 訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の要件は課されない。 (4)訂正事項4 ア 訂正の目的 訂正事項4は、訂正前の請求項5が請求項1~4の記載を引用する記載であるところ、訂正事項1で請求項1が削除されたことに伴い、引用する請求項を整合させるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 訂正事項4は、請求項1が削除されたことに伴い、引用する請求項を整合させるものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しないことが明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合する。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項4は、請求項1が削除されたことに伴い、引用する請求項を整合させるものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることが明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合する。 エ 特許出願の際独立して特許を受けることができること 訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の要件は課されない。 (5)訂正事項5 ア 訂正の目的 訂正事項5は、訂正事項1、2に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の段落【0006】の記載を訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 訂正事項5は、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るためのものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しないことが明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合する。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項5は、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るためのものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることが明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合する。 エ 特許出願の際独立して特許を受けることができること 訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の要件は課されない。 (6)訂正事項6 ア 訂正の目的 訂正事項6は、訂正事項1、2に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、願書に添付した明細書の段落【0008】の記載を訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とする。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと 訂正事項6は、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るためのものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しないことが明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合する。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項6は、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るためのものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることが明らかであり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合する。 エ 特許出願の際独立して特許を受けることができること 訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の要件は課されない。 (7)一群の請求項及び別の訂正単位とする求めについて 本件訂正前の請求項1、2、4、5について、請求項2、4、5は、訂正請求の対象である請求項1を引用する関係にあるから、本件訂正前において一群の請求項に該当する。 したがって、本件訂正は、一群の請求項に対してなされたものであり、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。 また、訂正後の請求項2、4、5について、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別の訂正単位とする求めがなされているところ、上記(2)~(4)のとおり訂正事項2~4は適法と認められるから、訂正後の請求項2、4、5についての訂正は、別の訂正単位として扱う。 (8)明細書の訂正と関係する請求項について 訂正事項5、6は、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図ることを目的とする明細書に係る訂正であり、これは一群の請求項1、2、4、5に関係する訂正である。 したがって、本件訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法126条第4項の規定に適合する。 4.小括 以上のとおり、本件訂正請求は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条第4項及び同条第9項で準用する同法第126条第4項~第6項の規定に適合するから、明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、〔2、4、5〕について訂正を認める。 第3 本件発明 上記第2のとおり、本件訂正が認められたので、本件特許の請求項1~5に係る特許は、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 (削除) 【請求項2】 プリント配線板に対して実装される電子部品の電力供給経路間に当該電子部品を保護するための導電体が設けられる回路基板の製造方法であって、 前記導電体を前記電力供給経路間に半田接合するステップと、 前記半田接合が完了した後に前記導電体を弾性変形させるステップと、 を備え、 前記半田接合が完了した後に前記導電体の長手方向中央部側を前記プリント配線板の実装面側に押圧して塑性変形させることで、前記導電体の長手方向端部側を弾性変形させることを特徴とする回路基板の製造方法。 【請求項3】 プリント配線板に対して実装される電子部品の電力供給経路間に当該電子部品を保護するための導電体が設けられる回路基板の製造方法であって、 付勢部材を用いて前記導電体を弾性変形させるステップと、 弾性変形させた前記導電体を前記電力供給経路間に半田接合するステップと、 前記半田接合が完了した後に前記導電体から前記付勢部材を取り外すステップと、 を備え、 前記導電体は、前記電力供給経路に対して前記電子部品から離れた半田に半田接合される側の部位が、前記電子部品側の半田に半田接合される側の部位よりも弾性変形容易に形成されることを特徴とする回路基板の製造方法。 【請求項4】 前記導電体は、平板状に形成される銅又はリン青銅からなることを特徴とする請求項2又は3に記載の回路基板の製造方法。 【請求項5】 前記導電体の実装に用いる半田は、前記電子部品の実装に用いる半田よりも融点が低いことを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載の回路基板の製造方法。」 第4 取消理由の概要 令和3年7月28日付け取消理由通知書で通知した取消理由の概要は、以下のとおりである。 1.(新規性)本件特許の請求項1に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 2.(進歩性)本件特許の請求項1に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 引用文献等一覧 引用文献1:特表2008-535285号公報(特許異議申立人の提出し た甲第1号証) 第5 当審の判断 本件特許についての特許異議の申立ては、請求項1に係る特許に対するものであるが、上記第3で説示したとおり、本件訂正により、請求項1は削除された。 したがって、本件特許についての特許異議の申立ては、対象となる請求項が存在しないものとなった。 第6 むすび 以上のとおり、本件訂正により特許異議の申立てがされた請求項1は削除され、特許異議の申立ての対象となる請求項は存在しないものとなったから、本件特許についての特許異議の申立ては、不適法なものであって、その補正をすることができないものである。 したがって、本件特許についての特許異議の申立ては、特許法第120条の8第1項で準用する同法135条の規定により却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-700413

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