特許異議申立
2022-700104
継手
- 審判番号
- 2022-700104
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2017-183266
- 登録番号
- 6917257
- 請求日
- 2022年02月08日
- 審決日
- 2022年08月26日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】有限会社アキヤマ
- 【権利者代理人】中井 潤
- 【異議申立人】中谷 浩美
- 審判長/審判官
- 審判長 平城 俊雅
- 審判官 丹治 和幸
- 審判官 松下 聡
- 分類
- P1652.121-XA (F16L) / P1652.113-XA (F16L) / P1652.851-XA (F16L) / P1652.856-XA (F16L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6917257号発明「継手」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6917257号の明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕について訂正することを認める。
本件特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
1 手続の経緯
特許第6917257号の請求項1~6に係る特許についての出願は、平成29年9月25日に出願され、令和3年7月21日にその特許権の設定登録がされ、令和3年8月11日に特許掲載公報が発行された。その後、その請求項1に係る特許に対して、令和4年2月8日に特許異議申立人中谷浩美により特許異議の申立てがされ、当審は、令和4年5月12日付けで取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である令和4年7月4日に訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)を行った。
なお、以下の2に記載するとおり、本件訂正請求は、本件訂正請求による訂正が一部の請求項(特許異議の申立てがされた請求項1)の削除のみの場合であるから、特許法第120条の5第5項ただし書に規定する「特許異議申立人に意見書を提出する機会を与える必要がないと認められる特別の事情があるとき」にあたるとして、特許異議申立人に意見書を提出する機会を与えないこととした。
2 訂正の適否
(1)訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、以下のア~キのとおりである。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2の「前記第2接続部の前記溝部を形成する内側筒状部及び外側筒状部を備え、前記内側筒状部は、外周面に該外周面の全周にわたって該外周面に垂直な方向に突出する突条を備えることを特徴とする請求項1に記載の継手。」を「空調室内機のドレン管に接続されるホースと、前記空調室内機が設置された室の外に前記空調室内機から排出されるドレンを導くと共に端面にのみ露出する断熱材を有する筒状配管とを接続するための継手であって、前記ホースから導入されるドレンを前記筒状配管へ供給するドレン通路と、該ドレン通路の一端に設けられ、前記ホースを接続するための筒状の第1接続部と、該ドレン通路の他端に設けられ、前記筒状配管を接続するための第2接続部とを備え、前記第2接続部は、前記筒状配管の端面並びに該端面の近傍の外周面及び内周面を全周にわたって収容する溝部を備え、該継手は、さらに前記第2接続部の前記溝部を形成する内側筒状部及び外側筒状部を備え、前記内側筒状部は、外周面に該外周面の全周にわたって該外周面に垂直な方向に突出する突条を備えることを特徴とする継手。」に訂正する。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5の「備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の継手。」を「備えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の継手。」に訂正する。
エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項6の「備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の継手。」を「備えることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の継手。」に訂正する。
オ 訂正事項5
明細書の段落【0008】の「前記第2接続部は、前記筒状配管の端面並びに該端面の近傍の外周面及び内周面を全周にわたって収容する溝部を備えることを特徴とする。」を「前記第2接続部は、前記筒状配管の端面並びに該端面の近傍の外周面及び内周面を全周にわたって収容する溝部を備え、該継手は、さらに前記第2接続部の前記溝部を形成する内側筒状部及び外側筒状部を備え、前記内側筒状部は、外周面に該外周面の全周にわたって該外周面に垂直な方向に突出する突条を備えることを特徴とする。」に訂正する。
カ 訂正事項6
明細書の段落【0009】の「また、継手と筒状配管を接続する上で、上述のアダプタのような部材を別途用いる必要がないため、製造コスト及び作業コストを低く抑えることができる。」を「また、継手と筒状配管を接続する上で、上述のアダプタのような部材を別途用いる必要がないため、製造コスト及び作業コストを低く抑えることができる。さらに、突条が筒状配管の端部表面と密着することで、断熱材とドレンの接触をより効果的に防止することができる。」に訂正する。
キ 訂正事項7
明細書の段落【0010】を削除する。
ここで、訂正前の請求項1~6について、請求項2~6は、請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって削除される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、本件訂正請求は、一群の請求項〔1~6〕に対して請求されたものである。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア 訂正事項1
訂正事項1は、請求項1を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。そして、訂正事項1は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
イ 訂正事項2
訂正事項2は、請求項2について請求項1との引用関係を解消するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること(以下「請求項間の引用関係の解消」という。)」を目的とするものに該当する。そして、訂正事項2は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
ウ 訂正事項3及び4
訂正事項3及び4は、請求項1の削除に伴い請求項5及び6の引用請求項数を削減するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。そして、訂正事項3及び4は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
エ 訂正事項5~7
訂正事項5~7は、上記訂正事項2のとおりの特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と整合させるために行う明細書の訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。そして、訂正事項5~7は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
(3)特許出願の際に独立して特許を受けることができること
ア 訂正事項1
訂正事項1は、特許異議の申立てがされている請求項1に対してされたものであるから、訂正事項1に関して、独立特許要件は課されない。
イ 訂正事項3及び4
訂正事項3及び4は、上記(1)及び(2)のとおり、特許異議の申立てがされていない請求項5及び6について、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。よって、独立特許要件について検討すると、この訂正後の請求項5及び6に係る発明は、請求項1を削除することに伴い、拒絶理由を発見しないとして特許された訂正前の請求項5及び6が引用する請求項から請求項1を削除したものにすぎず、異議申立人が提出した甲第1号証ないし甲第3号証をみても、それらの発明について、新たな拒絶理由が生じるものではないから、訂正後の請求項5及び6に係る発明は特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。そうすると、訂正事項3及び4は、独立特許要件に違反するものではない。
ウ 訂正事項2、5~7
訂正事項2、5~7は、上記(1)及び(2)のとおり、請求項間の引用関係の解消又は明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正のみがされた請求項に対してされたものであるから、独立特許要件は課されない。
(4)小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項ないし第7項の規定に適合する。
したがって、明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕について訂正することを認める。
3 むすび
以上のとおり、本件訂正請求により、請求項1に係る特許は削除された。これにより、特許異議申立人による特許異議の申立てがされた請求項が全て削除され、特許異議の申立ての対象が存在しないこととなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により特許異議の申立てを却下する。
よって、結論のとおり決定する。
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