商標取消審判
2022-300842
アイパワー、アイ
- 審判番号
- 2022-300842
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2004-045023
- 登録番号
- 4891680
- 請求日
- 2022年09月16日
- 審決日
- 2023年08月02日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ティ・エィ・イー・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人深見特許事務所
- 【被請求人】日東工業 株式会社
- 【被請求人代理人】綿貫 達雄
- 【被請求人代理人】綿貫 敬典
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 大山 健
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T132 .1 -Y (Y09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第2項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4891680号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4891680号商標(以下「本件商標」という。)は、「アイパワー」の文字を標準文字で表してなり、平成16年5月17日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同17年9月2日に設定登録され、同27年3月10日に存続期間の更新登録がされたものである。
なお、本件審判請求の登録日は、令和4年10月5日である。
また、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年(2019年)10月5日ないし令和4年(2022年)10月4日である(以下「要証期間」という。)。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第9類「配電用又は制御用の機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,回転変流機,調相機」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第9類「配電用又は制御用の機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,回転変流機,調相機」(以下「本件請求商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
1 被請求人は、要証期間に、本件商標を本件請求商品に属する「プラグイン幹線分岐盤」に継続使用しているものである。
2 上記1の事実を、商標権者である日東工業株式会社の発行に係る「2021-2022総合カタログ」(以下「総合カタログ」という。)(2021年4月1日発行)により証明する。
この総合カタログは表紙を含めて全頁が1476頁であることから、表表紙、表表紙の反対面、1ないし3頁、使用に係る商標を掲載する1097頁、1187頁ないし1203頁及び裏表紙の反対面、裏表紙の写しを総合カタログ要部(写し)(乙3)として提出する。
まず、本総合カタログの表表紙には、2021年4月1日発行と記載されており、要証期間に発行された事実が証明される。
次に、1097頁の左側の上から6行目に「アイパワー(プラグイン幹線分岐盤)1187」と掲載されており、また、1187頁ないし1190頁、1192頁、1194頁、1196頁、1198頁、1200頁、1202頁の各頁の最上段には「アイパワー(プラグイン幹線分岐盤)」との記載があり、本件商標「アイパワー」をプラグイン幹線分岐盤に使用していることが証明される。
また、本総合カタログが2021年4月1日発行された事実であることを補足するため、凸版印刷株式会社中部事業部の2021年3月19日付け納品書(写し)(乙4)を提出する。
3 本件商標の使用の事実は、前記「2021-2022総合カタログ」の価格改定版をデジタルカタログ「2021-2022総合カタログ・価格改定版」(以下「デジタルカタログ」という。)(2022年4月1日発行)として、商標権者のホームページ(https://www.nito.co.jp)において発行日と同日の2022年4月1日にアップロードして現在に至っていることにより証明できる。
このデジタルカタログも表紙を含めて全頁が1476頁あることから、表表紙、表表紙の反対面、1ないし3頁、使用に係る商標を掲載する1097頁、1187頁ないし1203頁及び裏表紙の反対面、裏表紙を印刷したものをデジタルカタログの要部印刷物(乙5)として提出する。
本デジタルカタログの表表紙には、2022年4月1日発行と記載されており、要証期間に発行された事実が証明される。
次に、1097頁の左側の上から6行目に「アイパワー(プラグイン幹線分岐盤)1187」と掲載されており、また、1187頁ないし1190頁、1192頁、1194頁、1196頁、1198頁、1200頁、1202頁の各頁の最上段には「アイパワー(プラグイン幹線分岐盤)」との記載があり、本件商標「アイパワー」をプラグイン幹線分岐盤に使用していることが証明される。
このように商標権者である被請求人が、要証期間に本件商標を請求に係る指定商品に含まれる「プラグイン幹線分岐盤」に使用した事実は、上記乙第5号証からも明らかなところであって、本件商標が取り消されるべきでない。
なお、本デジタルカタログはインターネットで「日東工業」を検索すれば、商標権者である日東工業株式会社のホームページに容易に到達でき、商品紹介をクリックしてカタログのアイコンをクリックすれば掲載箇所(乙6)から、誰でもが閲覧できる。
第4 当審の判断
1 被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
(1)「2021-2022総合カタログ・価格改定版」(乙5)について
「2021-2022総合カタログ・価格改定版」(乙5)には、表紙に「総合カタログ」、「日東工業株式会社」、「2022年4月発行」、「価格改定分は2022年7月より適用されます。」等の記載があり、「キャビネット」「プラボックス」「ホーム分電盤」「標準分電盤」「高圧受電設備」等の商品が掲載されているところ、そのうちの「標準分電盤」のページ(1187ページ~1203ページ)には、「アイパワー(プラグイン幹線分岐盤)」のタイトルの下、商品「幹線分岐盤」が「Fタイプ(フレーム式自立キャビネット)」「Eタイプ(E型自立キャビネット)」「Bタイプ(壁掛けキャビネット)」といったタイプ別に掲載され、それぞれのタイプ別商品についての商品説明と、タイプ別商品の機種ごとに、「品名記号」「標準価格」「主幹」「入線部最大取付可能電線」「外形寸法」「適用キャビネット」といった項目にそれぞれ、記号、価格、サイズ、仕様等を記載した表が掲載されている。
また、「2021-2022総合カタログ・価格改定版」の最終ページには、商品の図面や紹介、カタログの請求ができる旨の記載及び商標権者のウェブサイトのURLと二次元コードが表示されている。
(2)日東工業株式会社のホームページ(乙6)について
乙第6号証は、被請求人によれば、商標権者のウェブサイトのカタログの掲載箇所の印刷物であり、「総合カタログ」のタイトル下、「2021-2022総合カタログ・価格改定版」(乙5)の表紙が縮小された画像が表示され、その下に、「ページ数/1476ページ」、「発行年月/2022年4月」、「掲載商品/価格改定版(2022年7月1日以降の適用価格を掲載しています。)」の記載、及びリンクと思しき「デジタルカタログを見る」の記載がある。
(3)上記(1)及び(2)から以下の事実が認められる。
商標権者は、2022年4月に「2021-2022総合カタログ・価格改定版」(乙5)を発行し、当該カタログに「標準分電盤」の項目の一つである商品「幹線分岐盤」(以下「使用商品」という。)を商品説明、仕様及び価格等とともに掲載し、また上記商品の掲載ページには、タイトルの一部として、「アイパワー」の文字(以下「使用商標」という。)を表示した。
そして、上記カタログは、2022年4月に発行されて以降、商標権者のウェブサイトにおいて「デジタルカタログ」として掲載されていたものと推認できる。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「アイパワー」の文字を標準文字で表してなるところ、使用商標である「アイパワー」の文字(乙5)は、本件商標を構成する文字について、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用商品について
使用商品は「幹線分岐盤」であるところ、商標権者が発行したカタログ(乙5)によれば、これは「分電盤(標準分電盤)」の一種といえる商品であるから、使用商品は、本件請求商品中の第9類「配電用又は制御用の機械器具」の範ちゅうに属する商品であるといえる。
(3)使用行為、使用時期、使用者について
商標権者は、2022年4月頃、使用商品の掲載ページに使用商標を表示したカタログを発行し、それを自社のウェブサイトに「デジタルカタログ」として掲載したといえる。
そうすると、使用商標の使用者は商標権者であって、商標権者は要証期間である2022年4月頃、使用商品を掲載したカタログに使用商標を表示して電磁的な方法により提供したこと、すなわち、商標法第2条第3項第8号に該当する使用行為をしたと認めることができる。
(4)小括
上記(1)ないし(3)からすれば、商標権者は、要証期間に、日本国内において本件請求商品中の「配電用又は制御用の機械器具」の範ちゅうに属する商品「幹線分岐盤」を広告するためのカタログに、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して電磁的な方法により提供した(商標法第2条第3項第8号に該当。)と認められる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その審判の請求に係る指定商品について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていたことを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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