商標取消審判
2022-300760
リオス、レオス
- 審判番号
- 2022-300760
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1984-083820
- 登録番号
- 1969745
- 請求日
- 2022年08月18日
- 審決日
- 2024年01月05日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ビーバー-ヴィジテック インターナショナル (ユーエス) インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】林 栄二
- 【被請求人】河野 祐一
- 【被請求人代理人】弁理士法人R&C
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 大山 健
- 審判官 山田 啓之
- 分類
- T132 .1 -Y (X0510)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第2号、商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第1969745号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第1969745号商標(以下「本件商標」という。)は、「REOS」の欧文字を書してなり、昭和59年7月27日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同62年7月23日に設定登録され、その後、平成19年12月12日に、第5類「医療用腕環」及び第10類「医療用機械器具」並びに第1類、第9類及び第12類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
そして、本件審判請求の登録日は、令和4年9月14日であり、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年(2019年)9月14日ないし同4年(2022年)9月13日である(以下「要証期間」という。)。
また、本件商標は、要証期間において、令和4年3月15日受付で、商標権者について、河野 眞一郎氏から河野 祐一氏に、権利の移転がなされている。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第5類「医療用腕環」及び第10類「医療用機械器具」(以下「本件審判の請求に係る指定商品」という場合がある。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、本件審判の請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その商標登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、被請求人の答弁に対して、令和5年1月27日付け弁駁書において、以下のとおり、弁駁した。
(1)被請求人の通常使用権者が使用をしている商品は、「超精密ろ過膜」であって、手洗い水製造装置の交換部品であるということである。これは、2、3年毎に、手洗い水製造装置の販売とは関係なく独立して取引されている、いわゆる「浄水装置用交換フィルター」と理解できる。しかし、このような「交換フィルター」は医療用機械器具に属する商品ではなく、第11類に属する商品(例えば「ろ過機用フィルター」類似群コード:09A06、09A08、09A43)である。
ここで「医療用機械器具」というのは、医師あるいは看護師といった医療従事の専門家により、医院又は病院で専ら使用される機械器具と理解されるものである。「交換フィルター」という商品は、製造元業者と水道専門業者の間、あるいは水道専門業者と病院施設保守部門の間だけで独立した取引が完結するというのが原則というべきであり、医師ら医療に従事する専門家が使用する機械器具といえるものではない。
この交換フィルターが「医療用機械器具」ではないと主張できる根拠は他にもある。乙第3号証の2葉目において、「リオスターTYPE101シリーズ/仕様」の文字と表が示されている。表の中には、「リオスSF-50M」も記載されている。そして、当該表の下には、「リオスターTYPE 101は医療機器として承認されています(医療機器承認番号16300BZZ00623000)と書いてあるが、独立して取引され得る商品でもある「リオスSF-50M」が医療機器であるとは書いていない。そもそも「交換フィルター」が「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(いわゆる「薬機法」)で定められた検査を受けているはずがないし、薬機法上必要な医療機器登録において「交換フィルター」が属する分類などない。
また、手洗い水製造装置が医療用機械器具であるから、その構成部品も「医療用機械器具」に属するというのは乱暴な理論である。もしそのような理論が成り立つなら、乙第4号証における「表-4 消耗品リスト」にある商品は全て医療用機械器具ということになってしまう。
なお、医療用手洗い水製造装置は、乙第5号証に示されている「医療用電解水生成器」(類似群コード10D01)と同一といえるようなものではない。「医療用電解水生成器」は、一般家庭でも使用されているもので、水道水をアルカリイオン水と酸性水に分解するものであり、アルカリイオン水を飲むことで胃の症状に対する医療的効果が認められるということで医療用機器と位置付けられているものであるところ、手洗い用の殺菌水を製造する装置とは目的が異なる。
(2)次に、被請求人は、「超精密ろ過膜」が医療用手洗い水製造装置の構成部品であるから、医療用手洗い水製造装置が販売(使用)されると「超精密ろ過膜」も併せて使用されているかのような主張をしている(乙8~乙21)。
しかし、医療用手洗い水製造装置が病院等に導入されるときは、あくまでも「医療用手洗い水製造装置」が取引の対象である。それは各見積書を見ても分かる。当該医療用手洗い水製造装置を購入しようとする病院も、「交換フィルター」の機種又は品番を特定しているわけでもない。
そうすると、医療用手洗い水製造装置の販売(使用)に際して、「超精密ろ過膜」までもが使用されたという趣旨の答弁は失当と考える。
3 被請求人の回答に対する主張
請求人は、被請求人の回答に対して、令和5年10月4日付け回答書において、以下のとおり主張した。
(1)被請求人が提出した証拠(乙22~乙25)は、いずれも、本件商標を使用する商品が、指定商品である「医療用機械器具」に該当することを証明するものではない。
ア 被請求人は、医療用手洗い水製造装置「リオスターTYPE101 シリーズ」が手洗い水製造装置であっても、これは専ら医院又は病院で使用されるものであり、かつ医療従事者が使用するための除菌水製造装置であると主張しているが、この「専ら医院又は病院で使用されるもの」であるかどうかこそが、商品の属性として証明されなければならないところ、当該医療用手洗い水製造装置が、医院や病院での「専用品に当たるのかどうか」の証明となる根拠が示されておらず、専用品であると主張しているにすぎない。
また、機械器具が医療用のものである場合は「医療用機械器具」に属するとする主張も、医院や病院で使用をされていれば、それが全て「医療用の専用品」に該当するかのような論理は道理が通らない。たとえ医院や病院で使用をされていたとしても、「専ら医院や病院で使用される」もの(専用品)ではない機械器具、商品や製品は多く存在している。そもそも、手洗い水製造装置は、医療目的とは限られず、飲食料品関係など、衛生面が重視されるような分野などでも広く使用され得るものであるため、これを医療用の専用品とする根拠を欠く。
イ さらに、本件商標の使用対象である商品は、手洗い水製造装置そのものではなく、その「交換用フィルター(超精密ろ過膜)」にすぎないものである。
それを被請求人は、医療用機械器具の構成部品については、「医療用機械器具の部品及び付属品」に類似群コード「第10類:10D01,10D02」が付されていることから(乙23)、第10類「医療用機械器具」に属することは明らかであると主張しているが、これは根拠がなく不当な主張といえる。
(2)使用されている商標の同一性の疑義について
本件商標は「REOS」というアルファベット4文字で構成されている商標であるところ、被請求人は、「リオス SF-50M」を販売していることから、本件商標と同一の「REOS」を付した「医療用手洗い水製造装置用超精密ろ過膜」(乙6)を販売していると主張している。
しかしながら、「リオス SF-50M」を販売していることが、なぜ本件商標と同一の「REOS」を付した商品を販売していることになるのか、論理の飛躍がある。
被請求人が提出した証拠(乙26~乙31)に表記された商標は、いずれも「SFモジュール」又は「リオス SF-50M」であり、その商標は、「REOS」とは直接関係しない。そもそも「REOS」というアルファベット文字は、我が国では特に辞書に掲載されるなど一般に使われているような言葉ではないことから、これを我が国における通常のローマ字読み(ヘボン式ローマ字変換)による称呼では、「レ(RE)・オ(O)・ス(S)」というのが自然である(甲6)。少なくとも「REOS」の文字からは、「リオス」と同一(称呼)と認めるべき理由はなく、むしろ「レオス」という称呼こそが相応といえる。
さらには、被請求人が、商品「手洗い水製造装置」への使用を主張する商標は、「リオスターTYPE101」とされているとおり、どこにも本件商標「REOS」が使用されたことへの主張、証明とはなっていない。
(3)被請求人の提出した取引書類の不備不足について
付言ながら、被請求人が回答書にて提出した各発注書、売上伝票(乙26~乙31)については、これらには、実際に商品が納入されたことを証する納品書又は注文請書(受諾)などが不足しており、実際の取引の成立を証する受発注書類等の取引書類としては不完全といえる。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第31号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁
被請求人は、本件商標を、要証期間に、日本国内で、本件審判の請求に係る指定商品中、第10類「医療用機械器具」に対して使用したことについて、以下のとおり答弁した。
(1)本件商標の使用者について
被請求人は、東西化学産業株式会社の代表者であり(乙1)、被請求人は同社に対して本件商標の使用を黙示で許諾しており、東西化学産業株式会社は本件商標の通常使用権者である。
本件商標は、令和4年3月14日付けで提出した「相続による商標権移転登録申請書」により被請求人に移転したものである。以下に述べるとおり、本件商標を使用した日における商標権者は河野眞一郎氏であるが、同氏は東西化学産業株式会社の前代表者であり(乙2)、被請求人と同様に、東西化学産業株式会社に対して本件商標の使用を黙示で許諾していたことから、東西化学産業株式会社はその当時も本件商標の通常使用権者である。
(2)通常使用権者の商品について
本件商標を付した商品は、医療用手洗い水製造装置「リオスターTYPE101 シリーズ」(医療機器承認番号:16300BZZ00623000)の構成部品「超精密ろ過膜」である(乙3)。つまり、「リオスターTYPE101 シリーズ」の除菌処理には、「超精密ろ過膜」である「リオス SF-50M」が採用されており、当該製品が販売される際にはその構成部品である「リオス SF-50M」もセットで販売されている(乙4)。そして、この「リオス SF-50M」は2、3年毎の交換が推奨される商品であり、必要に応じて個別に購入する必要がある(乙4の17頁、「販売事例4」を参照。)。
なお、医療用手洗い水製造装置は、患者への二次感染防止のために医療従事者が使用する除菌水製造装置であり、当該装置と同様の商品である「医療用電解水生成器」に類似群コード「10D01」が付与されていることから(乙5)、医療用手洗い水製造装置及びその構成部品である「超精密ろ過膜」も同様に第10類「医療用機械器具」に属するものである。
(3)商標について
乙第6号証の1及び乙第6号証の2は、「超精密ろ過膜」の写真及び「超精密ろ過膜」に付されたラベル部分の写真である。「超精密ろ過膜」が販売される際にはこのラベルが貼付されており、当該ラベルには、本件商標と同一の「REOS」及び東西化学産業株式会社の英文表記である「Tohzai Chemical Industry Co., Ltd.」等が記載されている(乙6の2)。
なお、「リオスターTYPE101 シリーズ」のカタログ(乙3)及び取扱説明書(乙4)には、本件商標の片仮名表記である「リオス」が使用されている。本件商標「REOS」は、当該文字に相応して「リオス」の称呼が生じ、辞書等に掲載されている語ではないことから、特定の槻念は生じないものである。そして、片仮名の「リオス」も同様に、「リオス」の称呼が生じ、辞書等に掲載されている語ではないことから、特定の観念は生じないものである。したがって、本件商標「REOS」と「リオス」とは、ローマ字及び片仮名の表示を相互に変更するものであって、同一の称呼を生じ、観念においても異なるものではないことから、「リオス」は、本件商標と社会通念上同一の商標といえる。
(4)「医療用手洗い水製造装置用超精密ろ過膜」の販売について
以下のとおり、本件商標の通常使用権者である東西化学産業株式会社が、要証期間に日本国内において本件商標と同一の「REOS」を付した「医療用手洗い水製造装置用超精密ろ過膜」を販売している(商標法第2条第3項第2号)。
ア 販売事例1
本件商標の通常使用権者である東西化学産業株式会社が、「医療用手洗い水製造装置用超精密ろ過膜」を含む「リオスターTYPE101」を2020年10月5日にダイダン株式会社に販売している(乙7~乙10)。
イ 販売事例2
本件商標の通常使用権者である東西化学産業株式会社が、「医療用手洗い水製造装置用超精密ろ過膜」を含む「リオスターTYPE101」を2021年11月18日に株式会社日本医化器械製作所に販売している(乙11~乙14)。
ウ 販売事例3
本件商標の通常使用権者である東西化学産業株式会社が、「医療用手洗い水製造装置用超精密ろ過膜」を含む「リオスターTYPE101」を2022年3月31日に株式会社日本医化器械製作所に販売している(乙15~乙18)。
エ 販売事例4
上述したとおり、「医療用手洗い水製造装置用超精密ろ過膜」は2、3年毎の交換が推奨されており、例えば、本件商標の通常使用権者である東西化学産業株式会社が「リオス SF-50M」を2022年3月にセイコーメデイカル株式会社に販売している(乙19~乙21)。
見積書(No.OTE-2201160)(乙19)の「品名」欄に「TS式無菌手洗い装置部品」及び型番である「SF-50M-R」、「引渡場所」欄に「・・・病院内」等と記載されており、発注書(乙20)の【備考欄】に「御社見積No.OTE-2201160」、請求書(控)(乙21)の「品名・規格」欄に「TS式無菌手洗い装置部品」及び「納入先名」欄に「・・・病院様」等と記載されていることから、要証期間において、東西化学産業株式会社がセイコーメデイカル株式会社からの注文を受けて、「リオスSF-50M」を販売したことが明らかである。
2 審尋に対する回答
被請求人は、合議体の審尋に対して、令和5年7月3日付け回答書において、以下のとおり回答した。
(1)「リオス SF-50M」について
「商品及び役務の区分解説[国際分類第11-2022版対応]」では、「医療用機械器具(「歩行補助器・松葉づえ」を除く。)」(10D01)について、「この商品は、医院又は病院で専ら使用される機械器具が該当します。また、通常、電子を応用した商品は第9類「電子応用機械器具」に属しますが、電子を応用したものでも「医療用」に該当するものは「医療用機械器具」に属します。」と記載されていることから(乙22)、他の区分に属する機械器具であっても、当該機械器具が医療用のものである場合は「医療用機械器具」に属するといえる。したがって、通常使用権者の医療用手洗い水製造装置「リオスターTYPE101 シリーズ」が手洗い水製造装置であっても、これは専ら医院又は病院で使用されるものであり、かつ、医療従事者が使用するための除菌水製造装置であることから、医療用機械器具に属する商品であるといえる。
また、医療用機械器具の構成部品については、「医療用機械器具の部品及び付属品」に類似群コード「第10類:10D01,10D02」が付されていることから(乙23)、第10類「医療用機械器具」に属することは明らかである。
なお、商標法の商品分類上、機械器具と当該機械器具用フィルターとの関係については、例えば、「浄水装置」と「浄水装置用フィルター」に同じ類似群コードが付されており(乙24)、「ろ過用機械」と「ろ過機用フィルター」に同じ類似群コードが付されていることから(乙25)、機械器具とその交換用フィルターとは同じ商品に属するものとして取り扱われているといえる。
以上より、医療用手洗い水製造装置及びその構成部品である「リオス SF-50M」が第10類「医療用機械器具」に属するものであることは明らかである。
(2)「リオス SF-50M」の販売について
ア 次のイのとおり、本件商標の通常使用権者である東西化学産業株式会社が、要証期間に日本国内において、「リオス SF-50M」を販売していることから、本件商標と同一の「REOS」を付した医療用機械器具に属する商品、つまり、「医療用手洗い水製造装置用超精密ろ過膜」(乙6)を販売している(商標法第2条第3項第2号)。
イ 販売事例5
本件商標の通常使用権者である東西化学産業株式会社が「リオスSF-50M」を2020年10月1日付け、同月28日付け及び2022年6月24日付けで株式会社八神製作所に販売している(乙26~乙31)。
乙第26号証は、株式会社八神製作所が発行した東西化学産業株式会社宛の2020年9月29日付け発注書であり、
・当社発注番号:L303614596
・商品名/規格:SFモジュール
・品番:SF-50M
等、記載されている。
乙第27号証は、東西化学産業株式会社が発行した株式会社八神製作所宛の2020年10月1日付けの売上伝票及び2020年10月31日付け請求書(控)であり、
・ご注文番号:L303614596
・品名・規格:SFモジュール リオスSF-50M
等、記載されている。
なお、同様の取引は、2020年10月26日から同月31日(乙28~乙29)及び2022年6月20日から同月30日(乙30~乙31)にも行われている。
以上のとおり、要証期間において、東西化学産業株式会社が株式会社八神製作所からの注文を受けて、「リオスSF-50M」を販売したことは明らかである。
第4 当審の判断
1 被請求人提出の乙各号証によれば、以下のとおりである。
(1)発注書、売上伝票及び請求書(乙26~乙31)
乙第26号証ないし乙第31号証は、東西化学産業株式会社(以下「東西化学産業社」という。)と株式会社八神製作所(以下「八神製作所社」という。)との間の取引を示す、発注書、売上伝票及び請求書である。
乙第26号証は、八神製作所社が東西化学産業社宛に送付した、2020年9月29日付けの発注書であり、注文番号として「L303614596」が記載され、「商品名/規格」「発注数量」「備考」を項とする表内に、「商品名/規格 SFモジュール/東西化学産業株式会社/品番 SF-50M」「発注数量 6」「備考 ・・・病院」の記載がある。
また、乙第27号証は、東西化学産業社が八神製作所社宛に送付した、2020年10月1日付けの売上伝票(上段)及び同月31日付け請求書(下段)であり、それぞれ注文番号として「L303614596」が記載され、「品名・規格」「数量」を項とする表内に、「品名・規格 SFモジュール リオスSF-50M」「数量 6」の記載があり、「納入先名」の項に「・・・病院様」の記載がある。
さらに、乙第28号証は、乙第26号証と同様の、2020年10月26日付けの発注書であり、乙第29号証は、乙第27号証と同様の、2020年10月28日付けの売上伝票(上段)及び同月31日付け請求書(下段)である。
加えて、乙第30号証は、乙第26号証と同様の、2022年6月20日付けの発注書であり、乙第31号証は、乙第27号証と同様の、2022年6月24日付けの売上伝票(上段)及び同月30日付け請求書(下段)である。なお、乙第30号証及び乙第31号証における「発注数量」又は「数量」の項は、「5」である。
(2)品番「SF-50M」の「SFモジュール」の画像(乙6)
乙第6号証の1の画像から、品番「SF-50M」の「SFモジュール」は、上下にキャップが嵌合された透明な円筒形状の容器で構成され、その中央に、「SF MODULE」「・・・EOS SF-50M」等の記載があるラベルが貼り付けられていることが確認できる。
また、乙第6号証の2は、乙第6号証の1の画像のラベル近傍を拡大した画像であり、品番「SF-50M」の「SFモジュール」のラベルには、「TOHZAI H2O TREATMENT」、「SF MODULE」、「REOS SF-50M」、「MFG.NO.20452」及び「Tohzai Chemical Industry Co・・・」の記載があることは確認できる。
(3)医療用手洗い水製造装置「リオスターTYPE101シリーズ」のカタログ及び取扱説明書(乙3~乙4)
乙第3号証は、医療用手洗い水製造装置「リオスターTYPE101 シリーズ」のカタログであり、その1葉目には、「TOHZAI H2O TREATMENT」、「医療用手洗い水製造装置 リオスターTYPE101シリーズ/REOSTER/TYPE101 SERIES」及び「東西化学産業株式会社」の記載がある。また、その2葉目には、「リオスターTYPE101シリーズ/仕様」の表内に、「型式」が「リオスターTYPE101」の商品について、「処理方式」が「超精密ろ過膜分離方式(リオスSF-50M)」であることが記載され、表の下に、「※1 リオスターTYPE101は厚生労働省より医療機器として承認されています。(医療機器承認番号:16300BZZ0623000)」、「総発売元 東西化学産業株式会社」及び「Cat.No.E-28C,JUL.20.1T(S)」との記載がある。さらに、その4葉目には、「最高レベルの超精密ろ過膜(リオス SF-50M)を採用/確実かつ安定した除菌性能を有し、様々な医療分野で多くの実績があります(EOG減菌処理済)。」との記載が、上下にキャップが嵌合された透明な円筒形状の容器の画像とともに掲載されている。
また、乙第4号証は、医療用手洗い水製造装置「リオスターTYPE101 シリーズ」の取扱説明書であり、その1葉目には、「TOHZAI H2O TREATMENT」、「取扱説明書」、「医療用手洗い水製造装置/リオスター TYPE 101 シリーズ」、「医療機器承認番号 16300BZZ00623000」及び「東西化学産業株式会社」の記載がある。また、その4葉目の「表-3 リオスターTYPE101シリーズ仕様表」の表内に、「型式」が「リオスターTYPE101」の商品について、「処理方式」が「超精密ろ過膜分離方式(リオスSF-50M)」であることが記載され、さらに、その6葉目の「表-4 消耗品リスト」の表内に、「名称(型式)」「交換サイクル」「備考」の項について、「名称(型式) SFモジュール(リオスSF-50M)」「交換サイクル 2~3年毎」「備考 原水水質および使用頻度で変動」の記載があり、その7葉目に、「総発売元 東西化学産業株式会社」及び「No.IE-01M.APR.’20」の記載がある。
(4)商標権者(東西化学産業社の代表取締役)について(乙1~乙2)
本件商標は、商標権者について、要証期間において、令和4年3月15日受付で、河野 眞一郎氏から河野 祐一氏に、権利の移転がなされているところ、東西化学産業社の登記情報(乙2)の3葉目には、同社の代表取締役(河野 眞一郎氏)が令和3年12月9日付けで死亡し、河野 祐一氏が同月12日に代表取締役に就任したことが記載されている。
また、2022年11月8日付けで出力された東西化学産業社のウェブサイト(乙1)の1葉目には、「会社概要」のタイトル下に、「代表取締役社長 河野 祐一」の記載がある。
(5)上記(1)ないし(4)によれば、以下のことが認められる。
ア 八神製作所社は、2020年9月頃、同年10月頃及び2022年6月頃に、東西化学産業社に、品番「SF-50M」の「SFモジュール」(以下「使用商品」という。)を、それぞれ5本又は6本発注し、東西化学産業社は使用商品を八神製作所社を介して病院に納入した。
そして、上記2020年(令和2年)9月及び10月時点で商標権者であった河野 眞一郎氏及び上記2022年(令和4年)6月時点で商標権者であった河野 祐一氏は、いずれも、その当時の東西化学産業社の代表取締役である。
イ 使用商品(品番「SF-50M」の「SFモジュール」)は、上下にキャップが嵌合された透明な円筒形状の容器で構成され、その容器の中央には、「REOS SF-50M」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されたラベルが貼り付けられている。
ウ 使用商品(品番「SF-50M」の「SFモジュール」)は、医療用手洗い水製造装置「リオスターTYPE101 シリーズ」において超精密ろ過膜分離方式による処理を行うための専用の付属品であるが、一定期間ごとの交換が必要であり、独立した商品として顧客に販売されていた。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標及び使用商品について
使用商品(品番「SF-50M」の「SFモジュール」)は、独立した商品として顧客に販売されていたものであり、医療用手洗い水製造装置「リオスターTYPE101 シリーズ」に専用の付属品であるから、本件審判の請求に係る指定商品中、第10類「医療用機械器具」の範ちゅうに属する商品であるとみて差し支えない。
また、使用商品に付されたラベルには、使用商標(「REOS SF-50M」)の表示があるところ、使用商標の構成中の「SF-50M」の文字部分は商品の品番を表したものと認識されるにすぎないから、使用商標において自他商品識別力を発揮する要部は「REOS」の文字部分であると認められ、使用商標の要部と本件商標とは文字構成を同じくするものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一であるといえる。
なお、請求人は、医療用手洗い水製造装置、及び使用商品(品番「SF-50M」の「SFモジュール」)が、医院や病院での専用品に当たるのかどうか証明されていない旨を主張するが、医療用手洗い水製造装置「リオスターTYPE101 シリーズ」は医療機器としての承認を得ているものであり、そのことはカタログや取扱説明書(乙3~乙4)にも記載されているから、「医療用機械器具」と認められるし、使用商品は、当該医療承認を得た機器(医療用手洗い水製造装置「リオスターTYPE101 シリーズ」)において超精密ろ過膜分離方式による処理を行うための専用の付属品であると認められる(乙3~乙4)上に、実際に商品として八神製作所社を介して病院に納入されているものである(乙26~乙31)から、使用商品についても、医院又は病院で専ら使用される「医療用機械器具」であるとみるのが相当である。
(2)使用行為、使用時期、使用者について
商標権者が代表取締役である東西化学産業社が、要証期間である2020年9月頃、同年10月頃及び2022年6月頃に、使用商標の表示のあるラベルを付した使用商品を顧客に譲渡(販売)したといえるから、東西化学産業社が、要証期間に、商標法第2条第3項第2号に規定する使用行為を行ったと認めることができる。
そして、要証期間において、商標権者は東西化学産業社の代表取締役であり、東西化学産業社が本件商標を使用するに当たって、黙示の許諾があったことは推認できるから、東西化学産業社は本件商標についての通常使用権者と認められる。
(3)小括
上記(1)及び(2)からすれば、本件商標の通常使用権者は、要証期間に、日本国内において本件審判の請求に係る指定商品(「医療用機械器具」)の範ちゅうに属する商品(医療用手洗い水製造装置「リオスターTYPE101シリーズ」の付属品である品番「SF-50M」の「SFモジュール」)に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して譲渡した(商標法第2条第3項第2号に該当。)と認めることができる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者が、その審判の請求に係る指定商品について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていたことを証明したといわなければならない。
したがって、本件審判の請求に係る指定商品についての本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-300760