商標取消審判
2022-300438
レオン
- 審判番号
- 2022-300438
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1986-086767
- 登録番号
- 2619028
- 請求日
- 2022年05月17日
- 審決日
- 2023年04月19日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】レオン ラブス エルティーディー
- 【請求人代理人】小林 浩
- 【請求人代理人】岡田 貴子
- 【請求人代理人】瀧澤 文
- 【被請求人】レオン自動機 株式会社
- 【被請求人代理人】田中 伸一郎
- 【被請求人代理人】中村 稔
- 【被請求人代理人】井滝 裕敬
- 【被請求人代理人】▲吉▼田 和彦
- 【被請求人代理人】藤倉 大作
- 【被請求人代理人】相良 由里子
- 【被請求人代理人】松下 友哉
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 大山 健
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T132 .1 -Y (109)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第2項、商標法第38条第5項、商標法第2条第3項第2号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第2619028号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第2619028号商標(以下「本件商標」という。)は、「レオン」の片仮名を横書きしてなり、昭和61年8月20日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年1月31日に設定登録され、同16年2月3日に商標権の存続期間の更新登録がされ、その後、指定商品については、同年6月9日に、第9類「理化学機械器具,光学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,測定機械器具」とする指定商品の書換登録がされ、同25年8月13日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
なお、本件審判請求の登録日は、令和4年5月30日である。
また、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年(2019年)5月30日ないし同4年(2022年)5月29日である(以下「要証期間」という。)。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第9類「測定機械器具」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第9類「測定機械器具」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。
1 本件商標の使用事実
(1)使用証拠
被請求人は、本件商標が第9類「測定機械器具」の範ちゅうに属する「ダイヤルゲージ」に使用されたことを示すため、以下の証拠を提出する。
ア 被請求人が、株式会社ロッテ浦和工場に型式番号「P900117(機器メーカー型式:307)」に係るダイヤルゲージを販売した際に発行した同社宛の以下の取引書類:
・2019年6月21日付け見積書(乙1)
・「ダイヤルゲージ」を納品した際に発行した2019年6月28日付け納品書の控え(乙2)
・2019年6月28日締切分の請求書(乙3)
これら証拠は、株式会社ロッテから被請求人に対して「ダイヤルゲージ」の購入の打診があった際に発行した見積書の写し、同商品の売買契約成立後に納品の際に発行した納品書の写し及び代金請求の際に発行した請求書である。
このうち、見積書の被請求人の名称が記載された箇所の直上に「RHEON」の標章が使用され、納品書の項目記載欄の背景に薄く「RHEON」の標章が使用されている。乙第1号証ないし乙第3号証が、株式会社ロッテとの「ダイヤルゲージ」の販売に係る同一の取引において作成、頒布されたものであることは、同一の型式番号が仕様書、見積書及び納品書において記載されていること、納品書記載の伝票番号と同一の番号が請求書に記載されていることからも明らかである。
イ 株式会社ロッテ浦和工場に販売した型式番号「P900117(機器メーカー型式:307)」に係るダイヤルゲージの仕様書(乙4)
乙第4号証は、株式会社ロッテに販売した型式番号「P900117(機器メーカー型式:307)」に係るダイヤルゲージであるところ(このことは、乙第1号証に係る見積書に同番号が記載されていることからも明らかである。)、かかる型式番号に対応する「ダイヤルゲージ」の仕様を記載した書面である。
ウ 被請求人が、共栄フード株式会社北関東工場に型式番号「P901959(機器メーカー型式:3052S-19)」に係るダイヤルゲージを販売した際に発行した同社宛の以下の取引書類:
・2020年1月24日付け見積書(乙5)
・「ダイヤルゲージ」を納品した際に発行した2020年1月27日付け納品書の控え(乙6)
・令和2年1月31日締切分の請求書の控え(乙7)
これら証拠は、共栄フード株式会社から被請求人に対して型式番号「P901959(機器メーカー型式:3052S-19)」に係る「ダイヤルゲージ」の購入の打診があった際に発行した見積書の写し、同商品の売買契約成立後に納品の際に発行した納品書の写し及び代金請求の際に発行した請求書の控えである。
このうち、見積書の被請求人の名称が記載された箇所の直上に「RHEON」の標章が使用され、納品書の項目記載欄の背景に薄く「RHEON」の標章が使用されている。
これらが、共栄フード株式会社との「ダイヤルゲージ」の販売に係る同一の取引において作成、頒布されたものであることは、同一の型式番号が見積仕様書、見積書、納品書及び請求書において記載されていること、納品書記載の伝票番号と同一の番号が請求書に記載されていることからも明らかである。
エ 型式番号「P901959(機器メーカー型式:3052S-19)」に係る「ダイヤルゲージ」の見積仕様書及び作成者である株式会社ミツトヨの担当者による陳述書(乙8)
乙第8号証は、共栄フード株式会社に販売した「ダイヤルゲージ」の型式番号は「P901959(機器メーカー型式:3052S-19)」であるところ(このことは、見積書に同番号が記載されていることからも明らかである。)、かかる型式番号に対応する「ダイヤルゲージ」の仕様を記載した書面である。
見積仕様書記載の商品図面から明らかなとおり、ダイヤルゲージの文字盤に「RHEON」の標章が使用されていることがうかがえる。
また、陳述書記載の事項から、本書が2005年10月7日に作成され、要証期間である2020年4月1日にも更新されていることが客観的に明らかである。
オ 「ダイヤルゲージ」が、第9類「測定機械器具」の範ちゅうに属する商品であることを示した「J-Platpat」の「商品役務名検索」のプリントアウト(乙9)
乙第9号証は、「ダイヤルゲージ」が第9類「測定機械器具」の範ちゅうに属する商品であると特許庁により取り扱われていることを示すものである。
(2)使用商標
被請求人が提出した、乙第2号証、乙第6号証、乙第8号証に表示されている「RHEON」の商標(以下「RHEON商標」という。)は手描き調に表してなり、本件商標とはその構成が異なるものの、例えば、見積書(乙1、乙5)には手描き調に表した「RHEON」の欧文字と被請求人の名称である「レオン自動機株式会社」の標章とが近接して併記されていることからすれば、需要者は容易に、当該「RHEON」が被請求人の名称中の「レオン」の語を欧文字で表したものであると理解できる。この理解に基づけば、本件商標及びRHEON商標から生じる観念はいずれも被請求人名称である「レオン自動機株式会社」と共通する。そうすると、RHEON商標は、商標法第38条第5項に社会通念上同一の商標として規定される「片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」に該当することは明らかである。
(3)使用商品
乙第1号証ないし乙第7号証から明らかなとおり、本件商標は「ダイヤルゲージ」に使用されているものであるところ、ダイヤルゲージとは測定範囲が狭い測定具で、通常は長さを測るというより、基準に対しての差を測るのに使われ、例えば、フライス盤や、マシニングセンタ、旋盤、研削盤などの工作機械でワーク(被削材)の測定や、コンベヤ搭載の食品等の製造・加工機械器具の上部コンベヤと下部コンベヤ距離の測定、機械部品の検査や組立にも使わる測定器具である。
このように「ダイヤルゲージ」は測定の用途に使用されるものであり、「J-Platpat」の「商品・役務名検索」(乙9)においても、「ダイヤルゲージ」は第9類の類似群コード「10C01」、すなわち「測定機械器具」の範ちゅうに属する商品として記載されている。
(4)商標権者による使用行為
乙第5号証ないし乙第8号証のとおり、被請求人は、RHEON商標が付されたダイヤルゲージを共栄フード株式会社に販売行為により譲渡し、引き渡した事実がある。
この行為は、商標法第2条第3項第2号の「商品に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示」する行為に該当する。
さらに、ダイヤルゲージを共栄フード株式会社及び株式会社ロッテに販売の際に発行する見積書及び納品書は商品の売買取引において発行され、取引相手に交付される書類である以上、RHEON商標をこれら書類に使用する行為は、商標法第2条第3項第8号の「商品に関する取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布する行為」に該当する。
(5)継続性
商標権者は、要証期間において、少なくとも2度にわたり「ダイヤルゲージ」を販売した実績がある。よって、商標法第50条第1項に定める「継続して」の要件も具備している。
(6)使用時期及び使用場所
乙第1号証ないし乙第3号証、及び、乙第5号証ないし乙第7号証に係る見積書、納品書及び請求書に記載された日付はいずれも、要証期間のものである。
また、被請求人と株式会社ロッテ又は共栄フード株式会社との間に行われたダイヤルゲージの売買は日本国内で行われたことは明らかである。
(7)使用者
本件商標は、被請求人である商標権者自身により使用されたものであることは、乙各号証から明らかである。
(8)小括
以上より、要証期間において、商標権者が我が国で、本件商標と社会通念上同一の商標を、第9類「測定機械器具」の範ちゅうに属する「ダイヤルゲージ」について使用していたことは明らかである。
2 結論
以上より、要証期間に、本件商標と社会通念上同一の商標が、我が国で商標権者及び通常使用権者によって(当審注:「商標権者によって」の誤記と認める。)、本件審判請求に係る指定商品の範ちゅうに属する「ダイヤルゲージ」について使用されていた事実が証明される。
よって、被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、との審決を求める。
第4 当審の判断
1 被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、次のことが認められる。
(1)商標権者と株式会社ロッテ浦和工場との取引書類(乙1~乙3)
ア 見積書(乙1)
乙第1号証は、商標権者が2019年6月21日付けで株式会社ロッテ浦和工場に宛てて作成した見積書(No.MSD58-0544)である。
当該見積書には、別掲のとおり、右上に多少図案化した「RHEON」の文字とその直下に「レオン自動機株式会社」の文字が記載され、押印がされている。
また、上記見積書の「品名」「型式」「数量」「単価」「金額」の項目からなる表には、順に「品名 ダイヤルゲージ 307-ギャクメモリ オザキ」「型式 P900117」「数量 1」「単価 24,800」の記載、「金額」の欄には「24,800」に「梱包送料 1,100」を加えた「小計金額 25,900」、さらに「消費税額等(8%) 2,072」を加えた「合計金額」として「27,972」の記載がある。
イ 納品書(乙2)
乙第2号証は、商標権者が2019年6月28日付けで株式会社ロッテ浦和工場に宛てて作成した納品書の控え(No.709219)である。
当該納品書には、「品番」「品名」「数量」「単価」「合計」などの項目からなる表があって、それらに記載された内容は上記アの見積書にある表の記載と一致する。
ウ 請求書(乙3)
乙第3号証は、商標権者が2019年6月28日締切分として株式会社ロッテ浦和工場に宛てて作成した請求書である。
当該請求書(乙3)には、「ご購入額 ¥25,900」「合計金額 ¥27,972」「御請求内容 別紙明細表の通り 伝票No.709219分」の記載がある。
(2)商標権者と共栄フード株式会社北関東工場との取引書類(乙5~乙7)
ア 見積書(乙5)
乙第5号証は、商標権者が2020年1月24日付けで共栄フード株式会社北関東工場に宛てて作成した見積書(No.MSD58-2486)である。
当該見積書には、別掲のとおり、右上に多少図案化した「RHEON」の文字とその直下に「レオン自動機株式会社」の文字が表示され、押印がされている。
また、上記見積書の「品名」「型式」「数量」「単価」「金額」の項目からなる表には、順に「品名 ダイヤルゲージ 3052S-19-ギャクメモリトクシュ ミツトヨ」「型式 P901959」「数量 1」「単価 20,900」の記載、「金額」の欄には「20,900」に「梱包送料 1,100」を加えた「小計金額 22,000」、さらに「消費税額等(10%) 2,200」を加えた「合計金額」として「24,200」の記載がある。
イ 納品書(乙6)
乙第6号証は、商標権者が2020年1月27日付けで共栄フード株式会社北関東工場に宛てて作成した納品書の控え(No.713896)である。
当該納品書には、「品番」「品名」「数量」「単価」「合計」などの項目からなる表があって、それらに記載された内容は上記見積書の表の記載と一致する。
また、「見積書No.MSD58-2486の通りです。」の記載がある。
ウ 請求書(乙7)
乙第7号証は、商標権者が2020年1月31日締切分として共栄フード株式会社北関東工場に宛てて作成した請求書(控)である。
当該請求書には、「伝票日付 2 1 27」「伝票番号 713896」「商品名 ダイヤルゲージ 3052S-19-」「数量 1」「単価 20900」「御購入額 20900」の記載がある。
(3)上記(1)及び(2)から、以下の事実を認めることができる。
ア 商標権者は、2019年6月頃、顧客(株式会社ロッテ浦和工場)に対し、「型式」が「P900117」の「ダイヤルゲージ」(以下「使用商品1」という。)を販売した。
同様に、商標権者は、2020年1月頃、顧客(共栄フード株式会社北関東工場)に対し、「型式」が「P901959」の「ダイヤルゲージ」(以下「使用商品2」という。)を販売した。
イ 上記アの取引に際し、商標権者が使用した見積書(乙1、乙5)には、別掲のとおり、多少図案化した「RHEON」の文字(以下「使用商標」という。)とその直下に「レオン自動機株式会社」の文字が表示されている。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は、「レオン」の片仮名を横書きしてなるところ、これより「レオン」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
そして、使用商標は、別掲のとおり、多少図案化した構成からなるとしても、その図案化の程度からすれば「RHEON」の文字を表したものと容易に認識されるところ、当該文字は、使用商標の直下にある「レオン自動機株式会社」の記載と相まって、「レオン」と称呼されるというのが相当であり、また、辞書等に載録のない造語であるから、特定の観念は生じないものである。
そうすると、本件商標と使用商標は、片仮名及び欧文字の表示を相互に変更するものといえ、同一の称呼を生じ、観念においても異なるものではないから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。
(2)使用商品について
使用商品1及び使用商品2はいずれも「ダイヤルゲージ」であり、「ダイヤルゲージ」は、第9類「測定機械器具」の範ちゅうに属する商品である。
(3)使用者、使用時期及び使用行為について
商標権者は、2019年6月頃及び2020年1月頃、使用商品1及び使用商品2を販売したといえ、その取引にあたり、見積書に使用商標を付して使用したといえる。
そうすると、使用商標の使用者は、商標権者であり、商標権者による使用商標の使用時期は、要証期間である。
また、商標権者が使用商標を付した見積書は、使用商品1及び使用商品2に関する取引書類といえるものであるから、商標権者は、商品に関する取引書類に使用商標を付して頒布したと認められる。
(4)小括
上記(1)ないし(3)からすれば、本件商標の商標権者は、要証期間に、日本国内において第9類「測定機械器具」の範ちゅうに含まれる商品「ダイヤルゲージ」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、取引書類に付して頒布する行為(商標法第2条第3項第8号)により使用したといえる。
3 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が本件審判請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、本件審判の請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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