特許異議申立
2023-700601
生地成形装置及び方法
- 審判番号
- 2023-700601
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-090386
- 登録番号
- 7188710
- 請求日
- 2023年06月08日
- 審決日
- 2024年01月25日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社コバード
- 【権利者代理人】弁理士法人大手門国際特許事務所
- 【異議申立人】レオン自動機 株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 充
- 審判官 岩▲崎▼ 則昌
- 審判官 竹下 和志
- 分類
- P1651.121-YAA(A21C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項、特許法第29条第2項、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7188710号発明「生地成形装置及び方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7188710号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1~5]、6について訂正することを認める。
特許第7188710号の請求項1~3、5、6に係る特許を維持する。
特許第7188710号の請求項4に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7188710号の請求項1~6に係る特許についての出願は、令和3年5月28日に出願され、令和4年12月5日にその特許権の設定登録がされ、令和4年12月13日に特許掲載公報が発行された。
本件特許異議の申立ての主な経緯は、以下のとおりである。
令和 5年 6月 8日 :特許異議申立人 レオン自動機株式会社(以下、「申立人」という。)による請求項1~6に係る特許に対する特許異議の申立て
同 年 8月18日付け:取消理由通知
同 年10月10日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出(以下、この訂正請求による訂正を「本件訂正」という。)
なお、申立人に対して期間を指定して意見を述べる機会を与えたが、申立人からの応答はなかった。
第2 本件訂正の適否
1 一群の請求項1~5の訂正について
(1) 訂正の内容
一群の請求項1~5に係る本件訂正の内容は、訂正箇所に下線を付して示すと、以下のとおりである。
<訂正事項1>
特許請求の範囲の請求項1に「前記縁部の反転部分の少なくとも端縁を前記生地の上面に全周にわたって封着して筒状に形成する成形部」と記載されているのを、「前記縁部の反転部分を均す整形ローラを備えているとともに前記縁部の反転部分の少なくとも端縁を前記生地の上面に全周にわたって封着して筒状に形成する成形部」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2、3及び5も同様に訂正する。)。
<訂正事項2>
特許請求の範囲の請求項4を削除する。
<訂正事項3>
特許請求の範囲の請求項5に「請求項1から4のいずれかに」と記載されているのを、「請求項1から3のいずれかに」に訂正する。
(2) 訂正の適否についての判断
ア 訂正事項1について
(ア) 訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求項1における「成形部」について、「前記縁部の反転部分を均す整形ローラを備えている」ことを特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ) 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1は、願書に添付した特許請求の範囲の請求項4の「前記成形部は、前記縁部の反転部分を均す整形ローラを備えている請求項1から3のいずれかに記載の生地成形装置。」という記載事項に基づくものであるから、新たな技術的事項を追加するものではない。
(ウ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、訂正前の請求項1に対して、「成形部」の発明特定事項を直列的に付加するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
イ 訂正事項2について
(ア) 訂正の目的
訂正事項2は、請求項の削除に該当するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ) 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2は、請求項の削除に該当するものであるから、新たな技術的事項を追加するものではない。
(ウ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、請求項の削除に該当するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 訂正事項3について
(ア) 訂正の目的
訂正事項3は、多数項を引用している請求項の引用請求項数の削減に該当するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ) 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項3は、多数項を引用している請求項の引用請求項数の削減に該当するものであるから、新たな技術的事項を追加するものではない。
(ウ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項3は、多数項を引用している請求項の引用請求項数の削減に該当するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3) 一群の請求項について
訂正事項1~3に係る訂正前の請求項1~5について、請求項2~5は、それぞれ請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1~5に対応する訂正後の請求項[1~5]は、一群の請求項であって、訂正事項1~3は、一群の請求項ごとに請求されたものである。
2 請求項6の訂正について
(1) 訂正の内容
請求項6に係る本件訂正の内容は、訂正箇所に下線を付して示すと、以下のとおりである。
<訂正事項4>
特許請求の範囲の請求項6に「前記縁部の反転部分の少なくとも端縁を前記生地の上面に全周にわたって封着して筒状に形成する」と記載されているのを、「前記縁部の反転部分を整形ローラで均して少なくとも端縁を前記生地の上面に全周にわたって封着して筒状に形成する」に訂正する。
(2) 訂正の適否についての判断
ア 訂正の目的
訂正事項4は、訂正前の請求項6における「筒状に形成する」ことについて、「前記縁部の反転部分を整形ローラで均」すことを特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項4は、願書に添付した明細書の段落【0039】に「図12は、整形ローラに関する説明図である。上述した例では、図12(a)に示すように、反転部分fの成形動作において上部を均すように整形ローラ36で整形しており、反転部分fの端縁の封着は端押え部材32を用いている。これに対して、別の整形ローラ37は、図12(b)に示すように、端押え部37aが形成されており、整形動作とともに端縁の封着動作を行うこともできる。」と記載されており、段落【0040】に「整形ローラ37は、内側部分が末広がり状に拡径して端押え部37aがフランジ状に形成されている。そのため、整形ローラ37は、反転部分fの上部に当接して転動しながら均し動作を行うとともに反転部分fの端縁に端押え部37aが当接して封着動作を行うようになる。整形ローラ37を用いることで、端押え部材32が不要となり、反転部材10により順次反転した後に引き続いて反転部分fの端縁の封着動作を順次行うことが可能となる。」と記載されており、図12から、「前記縁部の反転部分を整形ローラで均して少なくとも端縁を前記生地の上面に全周にわたって封着して筒状に形成する」ことを看取できるから、新たな技術的事項を追加するものではない。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4は、訂正前の請求項6に対して、「整形ローラで均」すことを直列的に付加するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
3 小括
以上のとおりであるから、本件訂正の訂正事項1~4は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。
したがって、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1~5]、6について訂正することを認める。
第3 訂正後の本件発明
本件訂正により訂正された請求項1~6に係る発明(以下、「本件発明1」~「本件発明6」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
載置されたシート状の生地の縁部を所定幅で内側に向かって迫り上げるように上面側に反転させる反転部と、前記反転部を前記縁部に沿って全周にわたって相対移動させて反転動作を行う動作部と、前記縁部の反転部分を均す整形ローラを備えているとともに前記縁部の反転部分の少なくとも端縁を前記生地の上面に全周にわたって封着して筒状に形成する成形部とを備えている生地成形装置。
【請求項2】
前記反転部は、前記縁部の底面に挿入する挿入面と、挿入された前記底面を上面側に反転するように案内する案内面とを備えている請求項1に記載の生地成形装置。
【請求項3】
前記縁部の反転部分の内側に配置されるように食材を供給する供給部を備えている請求項1又は2に記載の生地成形装置。
【請求項4】
(削 除)
【請求項5】
前記動作部は、略円形の前記生地の周縁部に沿って前記反転部を回動させる回動機構を備えている請求項1から3のいずれかに記載の生地成形装置。
【請求項6】
載置されたシート状の生地に対して縁部の底面に反転部材を挿入しながら縁部に沿って全周にわたって移動させることで縁部を所定幅で内側に向かって迫り上げるように上面側に反転させ、前記縁部の反転部分を整形ローラで均して少なくとも端縁を前記生地の上面に全周にわたって封着して筒状に形成する生地成形方法。」
第4 取消理由通知に記載した取消理由について
当審が令和5年8月18日付けの取消理由通知に記載した取消理由の概要は、以下のとおりである。
<理由1(新規性)>
本件特許の請求項1~3、5、6に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、本件特許の請求項1~3、5、6に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。
<理由2(進歩性)>
本件特許の請求項1~3、5、6に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1~3、5、6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
記
甲第1号証:米国特許出願公開第2011/0256280号明細書
(以下、甲第1号証を「甲1」という。)
理由1及び理由2について
請求項1~3、5、6:甲1
第5 当審の判断
1 理由1及び理由2について
(1) 甲1の記載事項及び甲1に記載された発明
ア 甲1の記載事項(翻訳文は、当審で作成した。下線は、理解の一助のために当審にて付与した。以下同様。)
(ア) 「[0001] This invention pertains especially to apparatus for making pizza crusts with cheese-filled rims, and more particularly, it pertains especially to semi-automatic apparatus for making pizza crusts with cheese-filled rims, one at a time for instant baking and serving to patrons.」
<翻訳文>
「[0001] 本発明は、特にチーズを充填した周縁部を有するピザクラストの製造装置に係り、より詳細には、チーズを充填した周縁部を有するピザクラストを一度に1枚ずつ製造し、即座に焼いて顧客に提供するための半自動装置に関するものである。」
(イ) 「[0020] The preferred stuffed-rim pastry/pizza maker 20 has a circular table 22 on which a disc of dough referred to herein as a sheet of dough 24 is placed. A curved blade 26 is mounted over the table 22. This curved blade 26 has a curvature such as a snow plow whereby it has the ability to turn the edge 28 of a sheet of dough 24 over itself in a helical path 30 to form a hem 32 along the rim of the sheet of dough 24.
[0021] The table 22 is preferably rotatable on a shaft 34 by a motor which has not been illustrated for clarity. The direction of rotation of the table 22 is indicated by arrow 36. Similarly, the central axis of the helical path 30 is being represented by label 38.
[0022] The preferred stuffed-rim pastry/pizza maker 20 has a filling dispenser 40 which has a discharge chute 42 oriented into the hem 32 being formed by the curved blade 26, as it can be appreciated from the drawings.
[0023] The preferred filling dispenser 40 is a motor-operated cheese shredder that has a feed hopper 44. The cheese to be shred is preferably forced fed in the hopper 44 by a spring loaded cover or otherwise. A spring-loaded cover or a weighted plunger has not been illustrated because it is also known to those skilled in the art of cheese-shredding hoppers.
[0024] The shredded cheese 46 is placed on the sheet of dough 24 in such a way as to be enclosed inside the hem 32. For more clarity, the shredded cheese 46 is dispensed over the central axis 38 of the helical path 30, upstream from the hem 32.
[0025] The preferred stuffed-rim pastry/pizza maker 20 also has a hem sealer 50 that is mounted to a same base structure 52 as the curved blade 26. The hem sealer 50 has a preferred form of a wheel mounted on a rod 54 extending from the base structure 52. In use, the hem sealer 50 is forced down against the sheet of dough 24 on top of the folded edge 28’to rotate with a slight pressure against the folded edge 28’to close the hem 32 by slight pressure deformation, as the sheet of dough 24 rotates.」
<翻訳文>
「[0020] 好ましい充填周縁部付きペストリー/ピザ製造装置20は、円形テーブル22を有し、その上に、本明細書ではシート状の生地24と呼ばれる生地の円板が載置される。テーブル22の上には、湾曲ブレード26が取り付けられている。この湾曲ブレード26は、除雪機のような湾曲を有し、それによって、螺旋状の経路30内でシート状の生地24の縁部28をそれ自身の上に反転させて、シート状の生地24の周縁部に沿った反転部分32を形成する能力を有している。
[0021] テーブル22は、好ましくは、明確にするために図示されていないモーターによってシャフト34上で回転可能である。テーブル22の回転方向は、矢印36によって示されている。同様に、螺旋状の経路30の中心軸は、ラベル38によって表されている。
[0022] 好ましい充填周縁部付きペストリー/ピザ製造装置20は、図面から理解できるように、湾曲ブレード26によって形成されている反転部分32に向けられた排出シュート42を有するフィリングディスペンサー40を有する。
[0023] 好ましいフィリングディスペンサー40は、供給ホッパー44を有するモーター作動式チーズ細断装置である。細断されるチーズは、好ましくは、バネ仕掛けのカバー等によってホッパー44内に強制的に供給される。バネ仕掛けのカバーまたは錘付きプランジャーは、チーズ細断用ホッパーの当業者にも知られているため、図示されていない。
[0024] 細断されたチーズ46は、反転部分32の内側に包まれるように、シート状の生地24の上に置かれる。より明確にするために、細断されたチーズ46は、反転部分32よりも上流で、螺旋状の経路30の中心軸38の上に分配される。
[0025] 好ましい充填周縁部付きペストリー/ピザ製造装置20はまた、湾曲ブレード26と同じベース構造体52に取り付けられている反転部分封着装置50を有する。反転部分封着装置50は、ベース構造体52から延びるロッド54に取り付けられたホイールの好ましい形態を有する。使用時、反転部分封着装置50は、シート状の生地24の回転に伴って、反転された縁部28’の先端の上でシート状の生地24に対して強制的に押し下げられ、反転された縁部28’に対してわずかな圧力をかけて回転し、わずかな圧力変形で反転部分32を閉じる。」
(ウ) 「[0033] Referring now to FIG. 3, a structural detail of the preferred circular table 22 will be explained. The table 22 is preferably made with a reduced thickness along the outer edge thereof, as shown at label 70. This reduced thickness 70 is machined from the table surface 22 in a way to provide a shoulder 72 on that surface. This shoulder 72 constitutes a guide against which the curved blade 26 is held when folding a sheet of dough 24. This shoulder 72 provides a reliable reference for producing sheets of dough with consistent dimensions and quality. It will be understood that a separate plate having a similar shoulder as at label 72 can also be used in the preferred embodiment and mounted on a conventional turn table not having a reduced thickness.
[0034] The preferred curved blade 26 is illustrated with more clarity in FIG. 4. The curved blade 26 has a mouth portion 80 to receive the edge 28 of a sheet of dough 24. The curved blade 26 also has a tapered lip 82 along its lower portion, to slide under the edge 28 of the sheet of dough 24 and to abut against the shoulder 72 on the turn table 22. The preferred curved blade 26 has a funnel shape 84 for better forming and closing the hem 32 mentioned above.」
<翻訳文>
「[0033] 次に図3を参照して、好ましい円形テーブル22の構造的詳細について説明する。テーブル22は、好ましくは、ラベル70で示されるように、その外縁部に沿って減少した厚さを有するように作られる。この減少した厚さ70は、その表面上に肩部72を提供するようにテーブル表面22から機械加工される。この肩部72は、シート状の生地24を折りたたむ際に湾曲ブレード26が当てられるガイドとなる。この肩部72は、一貫した寸法および品質を有するシート状の生地を製造するための信頼できる基準を提供する。ラベル72におけるような同様の肩部を有する別個のプレートも、好ましい実施形態において使用することができ、減少した厚さを有しない従来のターンテーブル上に取り付けることができることが理解されよう。
[0034] 好ましい湾曲ブレード26は、図4においてより明瞭に図示されている。湾曲ブレード26は、シート状の生地24の縁部28を受けるための口部80を有する。湾曲ブレード26はまた、シート状の生地24の縁部28の下を滑り、ターンテーブル22上の肩部72に突き当たるように、その下部分に沿ってテーパー状のへり82を有する。好ましい湾曲ブレード26は、上述した反転部分32をより良く形成し閉じるために漏斗形状部84を有する。」
(エ) 「[0037] Although the preferred embodiment has been illustrated as an stuffed-rim pastry/pizza maker where the sheet of dough is rotated under a filling dispenser, those skilled in the art will understand that another embodiment can be made with the sheet of dough remaining stationary while a filling dispenser 40 and a curved blade 26 are moved around the sheet of dough, on a robotic arm for example. Also, it will be appreciated that obvious modification can be used to accommodate square or rectangular sheets of dough. Therefore, the above description should not be construed as limiting the scope of the present invention.」
<翻訳文>
「[0037] 好ましい実施形態は、シート状の生地がフィリングディスペンサーの下で回転する充填周縁部付きペストリー/ピザ製造装置として図示されてきたが、当業者は、例えばロボットアーム上でフィリングディスペンサー40および湾曲ブレード26がシート状の生地の周りを移動する間、シート状の生地が静止したままである別の実施形態が作られ得ることを理解するだろう。また、正方形または長方形のシート状の生地を収容するために、明らかな改変を用いることができることが理解されよう。したがって、上記の説明は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。」
(オ) 「
[図:0001409122000001.jpg]
」(図1)
(カ) 「
[図:0001409122000002.jpg]
」(図2)
(キ) 「
[図:0001409122000003.jpg]
」(図3)
(ク) 「
[図:0001409122000004.jpg]
」(図4)
(ケ) 上記(イ)の段落[0025]の記載事項、上記(オ)及び上記(キ)から、反転部分封着装置50が反転部分32を閉じる際には、筒状に形成されることが把握される。
(コ) 上記(イ)の段落[0020]の記載事項及び上記(ウ)~(オ)から、ロボットアーム上で湾曲ブレード26が静止したままである円板のシート状の生地24の周りを移動する際には、シート状の生地24の縁部28の底面に湾曲ブレード26を挿入しながら、シート状の生地24の縁部28に沿って湾曲ブレード26が回動するものと認められる。
イ 甲1に記載された発明
上記アの記載事項から、甲1には、以下の発明(以下、「甲1発明1」及び「甲1発明2」という。)が記載されているものと認められる。
<甲1発明1>
「載置されたシート状の生地24の縁部28をそれ自身の上に反転させて、シート状の生地24の周縁部に沿った反転部分32を形成する湾曲ブレード26と、湾曲ブレード26を静止したままであるシート状の生地24の縁部28に沿って回動させるロボットアームと、反転された縁部28’の先端の上でシート状の生地24に対して強制的に押し下げられ、反転された縁部28’に対してわずかな圧力をかけて回転し、わずかな圧力変形で反転部分32を閉じ、筒状に形成する反転部分封着装置50とを備えている充填周縁部付きペストリー/ピザ製造装置20。」
<甲1発明2>
「載置されたシート状の生地24の縁部28の底面に湾曲ブレード26を挿入しながら、シート状の生地24の縁部28に沿って湾曲ブレード26を回動させて、シート状の生地24の縁部28をそれ自身の上に反転させて、シート状の生地24の周縁部に沿った反転部分32を形成し、反転部分封着装置50を反転された縁部28’の先端の上でシート状の生地24に対して強制的に押し下げて、反転された縁部28’に対してわずかな圧力をかけて回転し、わずかな圧力変形で反転部分32を閉じ、筒状に形成する充填周縁部付きペストリー/ピザ製造方法。」
(2) 対比・判断
ア 本件発明1について
本件発明1と甲1発明1とを対比する。
(ア) 甲1発明1の「シート状の生地24の縁部28」及び「湾曲ブレード26」は、それぞれ、本件発明1の「シート状の生地の縁部」及び「反転部」に相当する。甲1発明1の「シート状の生地24の縁部28をそれ自身の上に反転させて、シート状の生地24の周縁部に沿った反転部分32を形成する」ことは、本件発明1の「シート状の生地の縁部を所定幅で内側に向かって迫り上げるように上面側に反転させる」ことに相当する。
そうすると、甲1発明1の「載置されたシート状の生地24の縁部28をそれ自身の上に反転させて、シート状の生地24の周縁部に沿った反転部分32を形成する湾曲ブレード26」は、本件発明1の「載置されたシート状の生地の縁部を所定幅で内側に向かって迫り上げるように上面側に反転させる反転部」に相当する。
(イ) 甲1発明1の「ロボットアーム」は、本件発明1の「動作部」に相当する。甲1発明1の「湾曲ブレード26を静止したままであるシート状の生地24の縁部28に沿って回動させる」ことと、本件発明1の「前記反転部を前記縁部に沿って全周にわたって相対移動させて反転動作を行う」こととは、甲1発明1において、「湾曲ブレード26」が「シート状の生地24」に対して相対移動するといえるから、「前記反転部を前記縁部に沿って相対移動させて反転動作を行う」ことの限りにおいて一致する。
そうすると、甲1発明1の「湾曲ブレード26を静止したままであるシート状の生地24の縁部28に沿って回動させるロボットアーム」と、本件発明1の「前記反転部を前記縁部に沿って全周にわたって相対移動させて反転動作を行う動作部」とは、「前記反転部を前記縁部に沿って相対移動させて反転動作を行う動作部」の限りにおいて一致する。
(ウ) 甲1発明1の「反転された縁部28’の先端」及び「反転部分封着装置50」は、それぞれ、本件発明1の「前記縁部の反転部分の少なくとも端縁」及び「成形部」に相当する。甲1発明1の「反転された縁部28’の先端の上でシート状の生地24に対して強制的に押し下げられ、反転された縁部28’に対してわずかな圧力をかけて回転し、わずかな圧力変形で反転部分32を閉じ、筒状に形成する」ことと、本件発明1の「前記縁部の反転部分の少なくとも端縁を前記生地の上面に全周にわたって封着して筒状に形成する」こととは、「前記縁部の反転部分の少なくとも端縁を前記生地の上面に封着して筒状に形成する」ことの限りにおいて一致する。
そうすると、甲1発明1の「反転された縁部28’の先端の上でシート状の生地24に対して強制的に押し下げられ、反転された縁部28’に対してわずかな圧力をかけて回転し、わずかな圧力変形で反転部分32を閉じ、筒状に形成する反転部分封着装置50」と、本件発明1の「前記縁部の反転部分の少なくとも端縁を前記生地の上面に全周にわたって封着して筒状に形成する成形部」とは、「前記縁部の反転部分の少なくとも端縁を前記生地の上面に封着して筒状に形成する成形部」の限りにおいて一致する。
(エ) 甲1発明1の「充填周縁部付きペストリー/ピザ製造装置20」は、本件発明1の「生地成形装置」に相当する。
以上のことから、本件発明1と甲1発明1との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「載置されたシート状の生地の縁部を所定幅で内側に向かって迫り上げるように上面側に反転させる反転部と、前記反転部を前記縁部に沿って相対移動させて反転動作を行う動作部と、前記縁部の反転部分の少なくとも端縁を前記生地の上面に封着して筒状に形成する成形部とを備えている生地成形装置。」
<相違点1>
「動作部」が行う動作に関して、本件発明1は、「前記反転部を前記縁部に沿って全周にわたって相対移動させて反転動作を行う」ものであるのに対して、甲1発明1は、湾曲ブレード26を「全周にわたって」回動させることを明確に特定していない点。
<相違点2>
「成形部」の機能に関して、本件発明1は、「前記縁部の反転部分の少なくとも端縁を前記生地の上面に全周にわたって封着して筒状に形成する」ものであるのに対して、甲1発明1は、反転された縁部28’の先端を「全周にわたって」閉じることを明確に特定していない点。
<相違点3>
本件発明1は、「成形部」が「前記縁部の反転部分を均す整形ローラを備えている」ものであるのに対して、甲1発明1は、当該事項を有しない点。
事案に鑑みて、まず相違点3について検討する。
相違点3は、実質的な相違点である。
したがって、相違点1及び相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明1ではない。
また、甲1発明1において、反転部分封着装置50に反転された縁部28’を均す整形ローラを設けることは、単なる設計変更であるとはいえない。そして、申立人が提出したその他の証拠を参酌しても、「成形部」が「前記縁部の反転部分を均す整形ローラを備えている」ことを示す証拠はない。
したがって、相違点1及び相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
イ 本件発明2、3、5について
本件発明2、3、5も、本件発明1の「成形部」が「前記縁部の反転部分を均す整形ローラを備えている」ことと同一の構成を備えるものであるから、本件発明1と同じ理由により、本件発明2、3、5は、甲1発明1ではない。また、本件発明2、3、5は、甲1発明1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
ウ 本件発明6について
本件発明6と甲1発明2とを対比する。
(ア) 甲1発明2の「シート状の生地24」、「縁部28」、「湾曲ブレード26」及び「回動」は、それぞれ、本件発明6の「シート状の生地」、「縁部」、「反転部材」及び「移動」に相当する。
そうすると、甲1発明2の「載置されたシート状の生地24の縁部28の底面に湾曲ブレード26を挿入しながら、シート状の生地24の縁部28に沿って湾曲ブレード26を回動させ」ることと、本件特許発明6の「載置されたシート状の生地に対して縁部の底面に反転部材を挿入しながら縁部に沿って全周にわたって移動させ」ることとは、「載置されたシート状の生地に対して縁部の底面に反転部材を挿入しながら縁部に沿って移動させ」ることの限りにおいて一致する。
(イ) 甲1発明2の「シート状の生地24の縁部28をそれ自身の上に反転させて、シート状の生地24の周縁部に沿った反転部分32を形成」することは、本件発明6の「縁部を所定幅で内側に向かって迫り上げるように上面側に反転させ」ることに相当する。
(ウ) 甲1発明2の「反転された縁部28’の先端」は、本件発明6の「前記縁部の反転部分」の「少なくとも端縁」に相当する。
そうすると、甲1発明2の「反転部分封着装置50を反転された縁部28’の先端の上でシート状の生地24に対して強制的に押し下げて、反転された縁部28’に対してわずかな圧力をかけて回転し、わずかな圧力変形で反転部分32を閉じ、筒状に形成する」ことと、本件発明6の「前記縁部の反転部分を整形ローラで均して少なくとも端縁を前記生地の上面に全周にわたって封着して筒状に形成する」こととは、「前記縁部の反転部分の少なくとも端縁を前記生地の上面に封着して筒状に形成する」ことの限りにおいて一致する。
(エ) 甲1発明2の「充填周縁部付きペストリー/ピザ製造方法」は、本件発明6の「生地成形方法」に相当する。
以上のことから、本件発明6と甲1発明2との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「載置されたシート状の生地に対して縁部の底面に反転部材を挿入しながら縁部に沿って移動させることで縁部を所定幅で内側に向かって迫り上げるように上面側に反転させ、前記縁部の反転部分の少なくとも端縁を前記生地の上面に封着して筒状に形成する生地成形方法。」
<相違点4>
「反転部材」の移動に関して、本件発明6は、「反転部材」を「縁部に沿って全周にわたって移動させる」ものであるのに対して、甲1発明2は、湾曲ブレード26を縁部28に沿って「全周にわたって」回動させることを明確に特定していない点。
<相違点5>
「反転部分」の形成に関して、本件発明6は、「前記縁部の反転部分を整形ローラで均して少なくとも端縁を前記生地の上面に全周にわたって封着して筒状に形成する」ものであるのに対して、甲1発明2は、反転された縁部28’を「整形ローラで均」すことを特定しておらず、反転された縁部28’の先端を「全周にわたって」閉じることを明確に特定していない点。
事案に鑑みて、まず相違点5について検討する。
相違点5は、実質的な相違点である。
したがって、相違点4について検討するまでもなく、本件発明6は、甲1発明2ではない。
また、相違点5に係る本件発明6の発明特定事項の「前記縁部の反転部分を整形ローラで均」すことについて検討すると、甲1発明2において、反転された縁部28’を整形ローラで均すことは、単なる設計変更であるとはいえない。そして、申立人が提出したその他の証拠を参酌しても、「前記縁部の反転部分を整形ローラで均」すことを示す証拠はない。
したがって、相違点4について検討するまでもなく、本件発明6は、甲1発明2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3) 小括
以上のとおりであるから、本件発明1~3、5、6は、特許法第29条第1項第3号に該当しないから、特許を受けることができない発明ではない。また、本件発明1~3、5、6は、同条第2項の規定により特許を受けることができない発明ではない。
2 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立ての理由について
(1) 申立人の主張
ア 申立人は、特許異議申立書において、本件訂正前の請求項4に係る発明の進歩性に関して、以下のとおり主張する。
「(エ)本件特許発明4と甲1発明とを対比する。
両者は、以下の点で一致する。
「F 前記成形部(反転部分形成装置及び反転部分封着装置50)は、前記縁部(縁部28)の反転部分(反転部分32)を均す」
そして、以下の点で相違する。
相違点1:構成F「整形ローラ(36)」について、本件特許発明4は「前記成形部(3)は、前記縁部の反転部分(f)を均す整形ローラ(36)を備えている」であるが、甲1発明は「前記成形部(3)は、前記縁部(28)の反転部分(32)を均す湾曲ブレード26の漏斗形状部84を備えている」である点。
そこで、相違点1について検討する。
「丸棒状の内材10を包み込んで外皮9aを円筒状に連続成形した成形品8を、搬送ベルト31の平坦な先端部と整形ローラ機構48の鼓状ローラ48aとの間に通し、鼓状ローラ48aによって外皮9aを、上部の外周側から押圧して、図3eに示すように、内材10の外周面にほぼ隙間なく密着させると共に、外皮9aの外形とくに上部を横断面半円形状に整形して(段落0040、図3e)」とする点が甲第2号証(当審注:特開平8-242750号公報)に記載されている(以下、「甲2記載事項」という。)。そして、甲第2号証に記載されたものは、食品の成形方法およびその成形装置に関するものであり、甲1発明と技術分野を一にし、丸棒状の内材10を包み込んで外皮9aを円筒状に連続成形した成形品8を鼓状ローラ48aによって、上部を横断面半円形状に整形するものであることから、甲2記載事項を甲1発明に適用することは、容易に想到し得るものである。」(第14ページ第12行~第15ページ第8行。以下、「主張1」という。)
イ 申立人は、特許異議申立書において、予備的な具体的理由として、以下のとおり主張する。
「エ 予備的な具体的理由
(ア)本件特許明細書に記載の事項
本件特許明細書には、以下の記載がある(以下、「本件記載事項」という。)。
「この例では、後述するように、反転部1により円形の生地シートの周縁部を所定幅で内側に向かって迫り上げるように上面側に反転させながら、動作部2により周縁部に沿って移動させて反転動作を行い、成形部3により生地シートの反転部分を筒状に形成している。」(段落0012)
「成形部3は、生地シートFの中央部分を押圧する円板状の押えプレート部材30及び生地シートFの周縁部を上面側に反転させた反転部分の端縁を押圧して封着する円筒状の端押え部材32を備えている。」(段落0020)。
「押えプレート部材30により生地シートFの中央部分を押圧した状態では、押えプレート部材30の外周縁の外側に所定幅の生地シートFの周縁部が拡がった状態となる。そのため、生地シートFの周縁部をずれることなく保持した状態で反転させることができる。そして、反転された周縁部の端縁が押えプレート部材30の外周縁に沿って配置されるようになり、安定した反転動作を行うことが可能となる。」(段落0021)(図1)。
(イ)甲第3号証の発明の説明。
甲第3号証(特開平4-349840号公報)には、以下の記載がある(以下、「甲3記載事項」という。)。
「本発明による機械は、コンベヤ・ベルト10、ピッツァ押しヘッド11、油圧または空気圧ピストン12、ハブ13、止めリング14、円錐円板15、枢着リング16、フィンガ17、ゴム・バンド18、及びテンションばね19,20を含み」(段落0009、第3欄_9-12行、図1及び図2)
「その結果フィンガの下方端は押しベットの内方向に移動してコンベヤ・ベルト10の表面に接触してゴム・バンド18のなかに保持されているねり粉の外側の縁を押しヘッド11に向けて押して、模倣の指先により押込みを有する厚い縁22を付けたピッツァ殻21を与える。」(段落0010、第4欄_1-6行)。
(ウ)本件特許記載事項と甲3記載事項の対比
甲3記載事項の「ピッツァ押しヘッド11」は本件特許記載事項の「押えプレート部材30」に、同様に「ピッツァ殻21」は「生地シートF(シート状の生地)」に、「厚い縁22」は「生地シートFの周縁部」に相当する。
両者は、以下の点で一致する。
「押えプレート部材30(ピッツァ押しヘッド11)により生地シートF(ピッツァ殻21)の中央部分を押圧した状態で、円形の生地シートの周縁部(厚い縁22)を所定幅で内側に向かって迫り上げる。」」(第16ページ第5行~第17ページ第18行。以下、「主張2」という。)
(2) 甲1の記載事項及び甲1に記載された発明
甲1の記載事項及び甲1に記載された発明については、上記1(1)のとおりである。
(3) 甲第2号証の記載事項及び甲第2号証に記載された技術
ア 甲第2号証の記載事項
(ア) 「【0011】請求項2の発明は、搬送ベルトの一側部よりその他側部を遅らせて、これらの側部を横断面半円形状にそれぞれ弾性変形させているので、帯状の外皮も、その一側部より他側部が遅れて横断面半円形状にそれぞれ変形することで、外皮の一側部外周にその他側縁部を重ねて、外皮を円筒状に確実に連続成形でき、その後成形品を球状などに成形切断することで、外皮の両側縁部が剥がれたり開口したりするのを防止できる。
【0012】なお、外皮の一側縁部にその他側縁部を重ねた後、これらの重ねた部分を整形ローラ機構によって押圧すると、内材の外周に外皮を密着できると共に、成形品を成形切断する際に、外皮の両側縁部が剥がれたり開口したりするのを確実に防止できて好ましい(図3e参照)。」
(イ) 「【0038】従って、搬送ベルト31の上部には、外皮9aの幅方向中央部に丸棒状の内材10が支持されており、これらが搬送ベルト31と共に前進することで、まず搬送ベルト31の一側部の弾性変形によって外皮9aの一側部が横断面半円形状に塑性変形して内材10の一側部を包囲し、これに若干遅れて搬送ベルト31の他側部が弾性変形し、外皮9aの他側部も横断面半円形状に塑性変形して内材10の他側部を包囲し、この内材10を、中心に位置させて外皮9aに包み込み、外皮9aを円筒状に連続成形する。
【0039】なお、搬送ベルト31は、予め幅を外皮9aの幅より広くし、両側縁部を外皮9aの両側縁から突出させることが好ましく、また、外皮9aは、横断面半円形を若干超えるように湾曲させ(図3c参照)、円筒状に成形した状態では外皮9aの両側縁部が内,外に重なり合うようにすることが好ましい(図3d参照)。
【0040】前述したように、丸棒状の内材10を包み込んで外皮9aを円筒状に連続成形した成形品8を、搬送ベルト31の平坦な先端部と整形ローラ機構48の鼓状ローラ48aとの間に通し、鼓状ローラ48aによって外皮9aを、上部の外周側から押圧して、図3eに示すように、内材10の外周面にほぼ隙間なく密着させると共に、外皮9aの外形とくに上部を横断面半円形状に整形して、成形品8を搬送ベルト31の先端下方に連続して、前記成形切断機構5に向けて搬出する。なお、図3a,b,c,d,eは、図2のA-A線,B-B線,C-C線,D-D線,E-E線横断面を示す。」
(ウ) 「【図3】
[図:0001409122000005.jpg]
」
イ 甲第2号証に記載された技術
上記アから、甲第2号証には、以下の技術(以下、「甲2に記載された技術」という。)が記載されていると認められる。
<甲2に記載された技術>
「外皮9aの一側部を横断面半円形状に塑性変形し、外皮9aの他側部も横断面半円形状に塑性変形し、外皮9aの両側縁部を内,外に重なり合うようにし、これらの重ねた部分を整形ローラ機構48の鼓状ローラ48aによって上部の外周側から押圧し、外皮9aの外形とくに上部を横断面半円形状に整形すること。」
(4) 甲第3号証の記載事項
ア 「【0009】
【実施例】添附図を参照して、本発明による機械は、コンベヤ・ベルト10、ピッツァ押しヘッド11、油圧または空気圧ピストン12、ハブ13、止めリング14、円錐円板15、枢着リング16、フィンガ17、ゴム・バンド18、及びテンションばね19,20を含み、テンションばね19はテンションばね20より強い。手作業での指先の押し込みを模倣した押込みを有する厚い縁22の付いたピッツァ殻21も又図示される。」
イ 「【0010】本発明のピッツァ成形機械の操作では、ピッツァねり粉の固まりを運ぶコンベヤ・ベルト10は、ねり粉の固まりがピッツァ押しヘッド11の下方にある位置で停止する。そこでピッツァ押しヘッドは、ハブ13、止めリング14、円錐形円板15、枢着リング16、フィンガ17、及びゴム・バンド18と共に、ゴム・バンド18の下方端がコンベヤ・ベルト表面と接触するまで降下する。テンション・リング19はフィンガの下方端が押されるねり粉の外側に降下することを保証し、また止めリング14はフィンガがコンベヤ・ベルトの表面に対してどれだけ近く達すべきかを調節するのに使用される。この段階でねり粉は押しヘッド11(第1図でXで示される)の縁を越えて僅かに押されまたフィンガ領域のなかにねり粉を保持するゴム・バンド18を拡張し、また円錐形円板15はフィンガ17の上方縁に接触する位置Yのところにある。円錐形円板はそこでハブ13のうえでさらに下方向に滑って位置Zに到り、フィンガ17の上方縁を外側に押し、その結果フィンガ17は枢着リング16のうえで枢動しその結果フィンガの下方端は押しベットの方に内方向に移動してコンベヤ・ベルト10の表面に接触してゴム・バンド18のなかに保持されているねり粉の外側の縁を押しヘッド11に向けて押して、模倣の指先による押込みを有する厚い縁22を付けたピッツァ殻21を与える。」
ウ 「【図1】
[図:0001409122000006.jpg]
」
エ 「【図2】
[図:0001409122000007.jpg]
」
(5) 申立人の主張に対する検討
ア 申立人の主張1について
甲2に記載された技術の鼓状ローラ48aは、外皮9aの一側部及び他側部をそれぞれ横断面円形状に塑性変形させて、これらの重ねた部分を上部の外周側から押圧して整形するものである。
しかしながら、甲1発明1の充填周縁部付きペストリー/ピザ製造装置20は、生地24の一側部及び他側部をそれぞれ横断面半円形状に塑性変形させて、これらを重ねるものではないから、甲1発明1において、甲2に記載された技術を適用する動機付けがあるとは認められない。
同様の理由により、甲1発明2において、甲2に記載された技術を適用する動機付けがあるとは認められない。
したがって、本件発明1~3、5は、甲1発明1及び甲2に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。また、本件発明6は、甲1発明2及び甲2に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
よって、申立人の主張1は、採用することができない。
イ 申立人の主張2について
申立人の主張2は、本件発明1~3、5、6に関するものではない。
よって、申立人の主張2は、採用することができない。
以上のことから、申立人の主張は、いずれも採用することができない。
第6 結び
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、請求項1~3、5、6に係る特許を取り消すことはできない。
そして、他に請求項1~3、5、6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、請求項4に係る特許は、上記のとおり、本件訂正により削除された。これにより、申立人による特許異議の申立てについて、請求項4に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2023-700601