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商標取消審判

2022-300091

ニック、エヌアイシイ

審判番号
2022-300091
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願1980-074574
登録番号
2244760
請求日
2022年02月02日
審決日
2023年04月19日
公報発行日
2023年07月28日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】日本インスツルメンツ 株式会社
  • 【請求人代理人】杉本 修司
  • 【請求人代理人】堤 健郎
  • 【請求人代理人】金子 大輔
  • 【被請求人】NIC 株式会社
  • 【被請求人代理人】弁理士法人YKI国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 小松 里美
  • 審判官 大山 健
  • 審判官 小林 裕子
分類
T132 .1 -Z (109)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第1号、商標法第2条第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第2244760号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第2244760号商標の指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第2244760号商標(以下「本件商標」という。)は、「NIC」の欧文字を丸囲みしてなり、昭和55年9月11日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年7月30日に設定登録がなされ、その後、同22年9月1日に、指定商品を第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年2月17日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間(平成31年2月17日~令和4年2月16日)を以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。 1 請求の要旨 本件商標は、その指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」(以下「取消請求商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。 2 弁駁書による主張の要旨 (1)本件商標の使用事実に関する被請求人の主張の要点 被請求人は、要証期間に、本件商標を、乙第2号証で示した商品「リレーボックス」を開いた内側に付したことにより、指定商品「電子応用機械器具及びその部品」について本件商標を使用したと主張する。 しかしながら、乙第2号証の「リレーボックス」に付した行為は、本件商標の使用に当たらない。以下、その理由を示す。 (2)指定商品について ア 「リレーボックス」について 被請求人が本件商標を付した商品とする「リレーボックス」とは、産業用製品メーカー・代理店比較のメトリー Metoreeのウェブサイト「【2022年版】リレーボックス製造メーカー6社一覧」によれば、「電気回路における「リレー」を複数収納して集中管理するための機器」であり、その使用用途は「小さな電流から大きな電流を流すためのスイッチとして利用」する、「DC電源(直流電源)からAC電源(交流電源)の装置に電気信号を伝達するために用い」られる、「1つの入力から複数のチャンネルヘ出力を取り出すために用いられ」るとある(甲3)。「電気工学ポケットブック(第4版),電気学会編第830頁,6章 送電系統の制御保護と保守,6・2保護継電器,〔1〕保護継電器の用途」によれば、「あらかじめ定められた電気的量または物理量に応じて動作し、電気回路を制御する機能を持った装置を継電器(リレー)という」とあり(甲4)、また、甲第3号証において参考文献とされた株式会社ミツバサンコーワウェブサイト「リレーの構造と動作原理」では、「リレーとは、鉄芯に巻かれた電気信号(電流)を受けるコイル(電磁石)と電気の開閉(流す/流さない)をする接点(スイッチ)で構成され」るとあり(甲5)、さらに、参考文献とされたオムロン株式会社のウェブサイト「基礎編_オムロン電子部品サイト」によれば、「リレーとは外部から電気信号を受け取り、電気回路のオン/オフや切り替えを行う部品」であり、「電気製品に組み込まれた「リレー」も電気信号を受け取り、スイッチをオン、オフすることにより次の機器へ信号を伝える働きをして」いるとある。同オムロン株式会社のウェブサイトによれば、「リレーは大きく分けて有接点リレー(メカニカルリレー)と無接点リレー(MOSFETリレー、ソリッドステート・リレー)に分類され」るとされ、その「MOSFETリレー」では、「出力素子にMOSFETを用いた半導体リレー」であり、「接点が半導体のため機械的な開閉がない」とあり(甲6)、半導体が使用されていることが分かるが、その説明全体からみて、「MOSFETリレー」も本来の電気制御の部品であることに変わりはないことは明らかである。 さらに、被請求人が、乙第2号証のリレーボックスが電子回路であるとする理由の「無電圧の接点を出力」の「無電圧接点」とは、「出力側に電源を持たない」ことのみを意味し、電気の制御を行わないことを意味するものではない(甲7)。 イ 被請求人が本件商標を使用する商品について 本件をみるに、被請求人は、乙第4号証の「1.概要」において、被請求人が本件商標を付した商品とする「リレーボックス」は、「無電圧の接点を出力する装置」としており、「2.接点動作」においても、「ONする」や「ON/OFFする」、「5.接続端子」の「抜き差し方法」に「電線の抜き差しは必ず解除ボタンを押しながら抜き差して下さい」や同「5.接続端子」の「端子記号」に「(DC6V系 黄色+ 黒色-)(DC24V系 赤色+ 黒色-)」とあり、これらはまさに電気制御や電気回路で使用される表現であり、乙第2号証の商品が、甲第3号証の「電気回路における「リレー」を複数収納して集中管理するための機器」で、甲第6号証の「外部から電気信号を受け取り、電気回路のオン/オフや切り替えを行う部品」であり、甲第4号証の「電気回路を制御する機能を持った装置である継電器(リレー)」であることが分かる。 ウ 商標法施行規則別表・類似商品・役務審査基準の検討 被請求人は、被請求人が本件商標を付した商品とする「リレーボックス」を、「電子回路」であると主張するところ、確かに、電子回路を利用する商品であると推測される。 しかし、第9類「十六 電子応用機械器具及びその部品」中の(四)電子回路には、「集積回路 大規模集積回路」とあり、電子回路に属するのは、ICチップと言われる集積回路(甲8)や、LSIチップと言われる大規模集積回路そのものであることが分かる(甲9)。 被請求人が本件商標を付した商品「リレーボックス」は、電子回路、集積回路、大型集積回路そのものではなく、(一)電子応用機械器具、(二)電子管(三)半導体素子及び(五)電子計算機用プログラムに挙げられた商品にも当たらない。 結局、被請求人の「リレーボックス」は、第9類「三 配電用又は制御用の機械器具」中の「継電器」に当たるといえる。 なお、取消平11-030800では、「商標法施行令別表で定める、商品区分第11類に属する「電子応用機械器具」とは、電子の作用を応用したもので、その機械器具の機能の本質的な要素となっているものだけが含まれるものである。そして、「これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く。)」についての独立した概念はなくこれらの商品は、原則として、それが用いられる完成品が属する大概念に含まれているものと解するのが相当である(特許庁商標課編「商品区分解説」、昭和55年4月7日改訂版 社団法人発明協会発行)。」とある。この審決例で引用された「特許庁商標課編「商品及び役務の区分解説(昭和55年4月7日改訂版 社団法人発明協会発行)」」の説明は、第55頁に「電子応用機械器具」について「この概念には、電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものだけが含まれる」とある(甲10)。 被請求人が本件商標を付した商品「リレーボックス」は、「電子回路」を利用するものではあるが、「電子の作用を応用したもので、その機械器具の機能の本質的な要素となっているもの」に当たらないことも追記する。 (3)本件商標の使用について ア 被請求人の使用の主張 被請求人は、乙第2号証の本願商標が付された写真中、商品を開いた内側に本件商標が付されたことで本件商標の使用が証明されるとしている。この使用が、商標の使用に当たるか検討する。 イ 被請求人の使用 被請求人は、「本体内側にエンボス加工法より付されている」ことを本件商標の使用としている。 しかしながら、乙第2号証から明らかなように、その使用は、商品を開いた内側又は蓋部分の裏側であり、取引者又は需要者が通常見えない場所に商標を付している。しかも、その商標は、エンボス加工法により付されたとはいうが、商品の蓋部分と全く同じ色の白色である。さらに、乙第3号証で示された乙第2号証商品のDFXデータから、原寸大となるよう印刷し、付された商標の大きさを近くにある突起部分から推測して、本件商標を灰色にて付した甲第11号証、及び視認可能となるよう甲第11号証に更に赤い矢印を付した甲第12号証からも分かるように、乙第2号証に付された商標の大きさは、直径5mm程度と推測され、極めて小さいものであり、取引者や需要者がその場所に商標が付してあると知って注視しなければ確認できない程度のものである。 商標法第50条は、一定期間使用されていない登録商標の商標登録を取り消すことについて審判を請求することができるとするものであり、取引者又は需要者が視認できないような商標の使用態様により、その商標の商標法第50条所定の「使用」を認め、排他独占的な権利が存続することは、当該商標に係る権利者以外の者の商標選択の余地を狭め,国民一般の利益を不当に侵害しているといえる。したがって、乙第2号証で示された本件商標の使用は商標法50条所定の「使用」に当たらない。 (4)むすび 被請求人が乙第2号証に示した本件商標を使用しているとする商品「リレーボックス」は、本件商標の指定商品である第9類「電子応用機械器具及びその部品」に属する商品ではなく、また、同商品に付された被請求人の商標の使用は、商標法第50条所定の「使用」に当たらない。 よって、本件商標は、取消請求商品について取り消されるべきである。 第3 被請求人の答弁 1 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。 (1)本件商標の使用事実の要点 本件商標の商標権者は、要証期間に我が国において取消請求商品について本件商標を継続して使用しているものであるから、商標法第50条第1項の規定には該当しない。 (2)本件商標の使用について 本件商標の商標権者は、平成23年(2011年)頃から今日に至るまで10年以上、国内のエレベーターメーカーやその関連各社に向け、公式サイトで「K-04S2 リレーボックス」と紹介されている商品を販売しており、この商品に本件商標を付している。「リレーボックス」と紹介されてはいるが、この商品は第9類「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。)」である。以下、説明する。 IT用語辞典バイナリによれば、「電子回路」とは以下のとおりである(乙1)。 「電子回路とは、電気的な機能を持つ部品を、導線により結合した電気回路の一種で、特に、制御的な動作を含むもののことである。電子回路は、回路素子と呼ばれる個々の構成部品が、電気を通す導線によって、一定の機能を持つように構成された回路である。素子には、入力対して線形な出力を行う線形素子と、非線形な出力を行う非線形素子がある。また、素子は、受動素子、能動素子と分類されることもある。さらに、端子の数から、2端子素子、3端子素子などに分けることもある。線形素子の代表的なものは、抵抗、コンデンサ、コイル、トランスなどである。非線形素子の代表的なものは、ダイオード、サイリスタ、トランジスタなどである。このような素子を導線によって結合することにより、一定の機能を持たせることができる。どのように回路を構成するかということを回路設計と呼ぶ。また、回路設計の結果は、電子回路図で表現される。回路図には、利用された各素子を表すシンボルが描かれ、素子同士が導線で結合されている様子が、回路図中の線で表現される。」 そして、商標権者の商品「K-04S2 リレーボックス」は、その公式サイトで紹介されているが(乙2)(当審注:「乙3」の誤記と認める。)、これは抵抗・コンデンサ・ダイオード・バリスタなどの素子を基板パターン(導線)により結合した電子回路である(乙3)(当審注:「乙2」又は「乙4」の誤記と認める。)。 商標権者の商品をその取扱説明書に基づき具体的に説明すると以下のとおりとなる(乙4)。 ア 概要 商標権者のリレーボックスは、信号入力に対し、接点のON又はOFFを出力する電子回路である。エレベーター用インターホンシステムにおいて、動作制御のために使用される。4つの信号入力に対し、4つの信号出力得られる。 イ 接点動作 本商品では、4種類の動作設定が可能である。+又は-の2種類の信号入力に対し、接点連続ON、接点ワンショットONの2種類の組み合わせで、4種類の接点動作が得られる。 ウ 信号入力、信号出力設定 J1、J2のピン設定によって+入力、又は-入力が設定され、J3、J4のピン設定によって連続出力ワンショット出力が設定される。 エ 接点定格 接点は、DC30V、lAまでの電力で動作する。 オ 接続端子 4つの信号入力端子(S1、S2、S3、S4)への入力に対し、4つの信号出力端子(1A、lB、lC)、(2A、2B、2C)、(3A、3B、3C)、(4A、4B、4C)の接続関係が制御される。 すなわち、信号入力端子S1に+又は-の信号が入力された際に、J1-J4のピン設定状態において、対応する信号出力端子(lA,lB,lC)の接続関係(ON/OFF、連続/ワンショット)が制御される。 このように、本商品は、入力信号に応じて、接点出力の動作を制御する「電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。)」そのものである。無電圧の接点を出力するものであり、電力の配電を行うリレーボックスではなく、入力信号から、特定の出力信号を得る電子回路である。 本件商標は、この「電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。)」の本体内側に、エンボス加工法により付されており(乙2)、商標法第2条第3項第1号の使用に該当するものである。 そして、商標権者は、この商品を日本国内で要証期間に複数の会社に販売している(乙5)。 (3)本件商標の使用の事実を示す証拠について これらの事実を示す証拠として、被請求人は乙第1号証ないし乙第5号証を提出する。これらの証拠について以下に説明する。 ア 乙第1号証は、IT用語辞典バイナリの「電子回路」についての定義の写し(2022年3月23日最終閲覧)であり、これにより抵抗、コンデンサ、ダイオードなどの素子を導線により結合したものが電子回路であることが証明される。 イ 乙第2号証は、商標権者の本願商標が付された商品の写真であり、商品を開いた内側に本件商標が付されていることが証明される。また、本商品が、抵抗・コンデンサ・ダイオード・バリスタなどの素子を基板パターン(導線)により結合した電子回路であることが証明される。 ウ 乙第3号証は、商標権者の公式サイトの写し(令和4年3月24日最終閲覧)であり、NIC株式会社が本件商標の付された商品である「K-04S2 リレーボックス」を販売しており、本件商標の使用者であることが証明される。 エ 乙第4号証は、商標権者の公式サイトから確認することができる「K-04S2 リレーボックス」の取扱説明書(令和4年3月24日最終閲覧)であり、これから本商標が「電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。)」であることが証明される。 オ 乙第5号証は、商標権者が顧客である日本エレベーター製造株式会社(以下「日本エレベーター製造社」という。)及び廣瀬無線電機株式会社(以下「廣瀬無線電機社」という。)に、「K-04S2 リレーボックス」を日本国内で販売した際の納品書、受領書、請求書の写しであり、これらによるとその納入日は2021年10月11日及び2022年1月12日であり、要証期間に本件商標が日本国内で使用されていたことが証明される。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標は、要証期間に日本国内において商標権者により取消請求商品について、商標法第2条第3項第1号に該当する使用がなされていることが明らかである。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきでない。 第4 被請求人に対する審尋及び被請求人による審尋への回答 1 審尋の要旨 審判長は、被請求人に対し、令和4年12月5日付けで、被請求人による主張及び提出された証拠によっては、商標権者の使用に係る商品が、第9類「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに含まれる商品であることを、被請求人が証明したものと認めることはできない旨の合議体による暫定的見解を示したうえで、請求人提出の審判事件弁駁書の主張及び合議体による暫定的見解に対し、意見があれば証拠とともに提出するよう、相当の期間を指定して回答を求めた。 2 被請求人の回答 上記1の審尋に対して、被請求人は、何ら応答していない。 第5 当審の判断 1 被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 (1)乙第2号証は、被請求人によれば、本件商標が付された商品の写真画像(全5葉)であり、1葉目の画像には、白色の筐体があるところ、その側面に「TELECALL」、「MODEL:K-04S2」、「No.11210809」、「NIC CO.LTD.」等の記載とともに、2021年12月7日付けの検査合格印が付されている。 2葉目は、上記白色の筐体を上から見た画像であり、上面に「端子配列表」、「信号設定表」、「[ご注意]/電源入力はインターホンシステム(DC6V系、DC24V系)確認の上どちらか片方に接続して下さい。・・・」の記載がある。 3葉目は、上記白色の筐体を開いて、その内部を写した画像であり、上記白色の筐体内部にはコンデンサや抵抗等を載置した基板や配線が格納されている。 4葉目及び5葉目は、上記3葉目の画像の一部を拡大した画像であり、上記白色の筐体の蓋の内側に、エンボス加工により、「NIC」の文字を丸囲みした表示が形成されている。 (2)乙第3号証は、商標権者のウェブサイトの製品情報のページを2022年3月24日に出力した書面である。 1葉目の上部に、「NIC株式会社/製品情報-24V」、商標権者の名称、住所及び電話番号等、「各製品の外形図がPDF・DXF形式でダウンロードできます。それぞれ必要な製品のページをご覧ください。・・・」等の記載があり、「DC24V標準品」のタイトルの下、2葉目に「K-04S」と称する商品について画像とともに「リレーボックス」の記載及び「取扱説明書」へリンクするボタン表示がある。 (3)乙第4号証は、「リレーボックス/K-04S2(DC6V/DC24V)」の取扱説明書である。 当該説明書の「1.概要」の欄には、「本装置は、エレベーター用インターホンシステムDC6V系、又はDC24V系両方に対応し、必要とする信号入力により無電圧の接点を出力する装置です。」との記載があり、「2.接点動作」及び「3.信号入力、信号出力設定」の欄には、「+信号入力に対して接点がONする」、「-信号入力に対して接点がONする」、「+信号入力に対して接点が一度ON/OFFする(6V系のみ)」及び「-信号入力に対して接点が一度ON/OFFする」との4つのモードが記載されている。 (4)乙第5号証(全2葉)は、2022年1月12日付け及び2021年10月11日付けの商標権者が各顧客に宛てて作成した取引書類(「納品書」、「受領書」及び「請求書」がセットになった書面)である。 2022年1月12日には、日本エレベーター製造社と製品コードがS050216の「K-04S2」と称する商品を50個、また、2021年10月11日には、廣瀬無線電機社と同じ製品コードの商品(「K-04S2」)を10個取引したことがうかがえる。 (5)上記(1)ないし(4)によれば、商標権者は、掲載時期は不明であるが、自身のウェブサイトに自身の製品「K-04S」を掲載したといい得るところ(乙3)、その製品「K-04S」の「取扱説明書」(乙4)によれば、これは「リレーボックス K-04S2」であると認められるから、商標権者が2022年1月頃及び2021年10月頃に顧客に販売した商品「K-04S2」(乙5)も「リレーボックス」(以下「使用商品」という。)であると推認できる。 また、商標権者の製品「K-04S2」には、「NIC」の文字を丸囲みした表示(以下「使用商標」という。)が付されているから(乙2)、商標権者が顧客に販売した使用商品(「K-04S2」)にも、同様に使用商標が付されていたといって差し支えない。 そして、その使用商標は、本件商標と同一の構成からなるものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。 さらに、商標権者が使用商品を販売した時期は要証期間といえるから、商標権者は、要証期間に本件商標と社会通念上同一の商標を使用商品に使用したといえる。 2 使用商品「リレーボックス」が取消請求商品の範ちゅうに含まれる商品か否かについて 被請求人は、使用商品は第9類「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。)」である旨主張する。 しかしながら、「リレーボックス」とは、電気回路の複数のリレーを集中して格納するボックス(JIS工業用語大辞典第5版 財団法人日本規格協会発行)であり、また、「K-04S2」と称する商品「リレーボックス」の取扱説明書(乙4)によれば、当該商品は、エレベーター用インターホンシステムDC6V系、又はDC24V系両方に対応し、必要とする信号入力により無電圧の接点を出力する装置であるから、「配電用又は制御用の機械器具」の範ちゅうに属する開閉器、継電器、遮断器、制御器、断路器といった機械器具に類する商品であるといえ、電気的な機能を持つ部品を、導線により結合した電気回路の一種である「電子回路」(乙1)そのものとは異なる商品である。 その他、被請求人は、使用商品が取消請求商品「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに属する商品であるとする具体的な根拠及び客観的な証拠は何ら明らかにしていない。 したがって、使用商品が、取消請求商品の範ちゅうに属する商品であることを認めることはできない。 3 小括 上記のとおり、取消請求商品について、商標権者が本件商標と社会通念上同一の商標を要証期間に使用したということはできないから、商標法第2条第3項各号における本件商標の使用の行為を認めることができない。 4 まとめ 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していた事実を証明したものと認めることはできない。 また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「結論掲記の商品」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-300091

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