商標取消審判
2022-300407
シュンド、ズンド、キスンド、クスンド、ザンド、シュンドデイ、ズンドデイ、キスンドデイ、クスンドデイ、ザンドデイ
- 審判番号
- 2022-300407
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2014-107142
- 登録番号
- 5760480
- 請求日
- 2022年04月28日
- 審決日
- 2023年06月15日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】広州訊迪電子科技発展有限公司
- 【請求人代理人】TRY国際弁理士法人
- 【被請求人】株式会社 ハヤシビジネス
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 大山 健
- 審判官 鈴木 雅也
- 分類
- T131 .1 -Z (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5760480号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第5760480号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5760480号商標(以下「本件商標」という。)は、「XUNDD」の文字を標準文字で表してなり、平成26年12月18日に登録出願、第9類「電気通信機械器具並びにその部品及びその附属品,携帯電話機のケース,スマートフォンのケース」を指定商品として、同27年4月24日に設定登録がされたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年5月23日である。
なお、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年(2019年)5月23日ないし令和4年(2022年)5月22日である(以下「要証期間」という。)。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人が提出した答弁書及び証拠方法によっては、本件商標が要証期間に日本国内において、その請求に係る指定商品について使用されていた事実を証明しているとはいえない。
(2)以下、順番に検討する。
ア 乙第1号証
被請求人は、答弁書の「7.理由」にて「使用中の事実があった」とのみ主張し、乙第1号証ないし乙第3号証を提出しているところ、これらが、具体的にどのような内容の証拠であるのか、詳細に説明されているとはいえないが、当該証拠及び答弁書中の記載より推測するに、乙第1号証は商品「スマートフォンのケース」に関するカタログの写しであると思われる。
乙第1号証は、上部に「XUNDDケースシリーズ カタログ」と記載され、スマートフォンのケースと思しき商品の画像及び説明書きが表示されるとともに、被請求人の名称及び住所等が記載されている。
しかし、乙第1号証には、作成日又は頒布日を示す日付の記載が一切ないため、当該カタログがいつ作成され、また、頒布されたのかが全く不明である。
よって、要証期間に本件商標を使用されたことを示す証拠とはいえない。
さらに、請求人はインターネット検索を行い、被請求人の運営するウェブサイトにおいて商品「スマートフォンのケース」が販売されていることを確認したが、当該ウェブサイトでは本件商標は表示されていない(甲3、甲4)。同一商品「スマートフォンのケース」を取り扱いながら、カタログ(乙1)でのみ本件商標が表示され、ウェブサイトでは本件商標が表示されていないのは不自然である。
また、甲第3号証から明らかであるとおり、当該ウェブサイトに掲載されている画像、説明文等の中には、乙第1号証中の画像、説明文等と同一又は酷似しているものが確認できることから、当該ウェブサイト中の画像等を用いて乙第1号証が作成された可能性が高いと考えられる。このようなカタログが、実際に作成、頒布されたのか疑義がある。
イ 乙第2号証
答弁書によると、乙第2号証は「XUNDDブランドの納品明細」と説明されている。
乙第2号証の上部には、左から「荷主」「ハヤシビジネス」「対象倉庫」「本社倉庫」「ログイン先変更」「ログアウト」「ID情報」と記載され、その下部に表示されたリスト中の項目には、左から「ブロック略称」「ロケ」「商品名」「入荷日」「品質区分」「在庫数(引当数を含む)」「引当数」「調整可能数」と記載されている。
当該資料は「納品明細」とのことであるが、納品先が記載されておらず、また、本件商標も記載されてないことに加えて、「商品名」も「iPhone6Plus/6sPlus用」等の表示は確認できるものの、具体的な商品は明示されていない。つまり、乙第2号証からは、いかなる商品をどこに納品したのかが不明であることから、要証期間に本件商標を使用されたことを示す証拠とはいえない。
また、乙第2号証中には「入荷日」が「2000/01/01」と記載され、「商品名」に「iPhone6Plus/6sPlus用」と記載されている箇所がある。「iPhone6Plus/6sPlus」は米国の企業アップルが製造、販売するスマートフォンの商品名であるが、2000年1月1日時点では当該スマートフォンは未だ発売されていない。このような事実と矛盾する日付が記載されている観点からも、乙第2号証の証拠能力には疑義がある。
ウ 乙第3号証
答弁書によると、乙第3号証は「XUNDDブランド商品の写し」と説明されている。
乙第3号証の画像より、何らかの商品が包装されていて、その包装材に「XUNDD/iphone11クリア」又は「XUNDD/iphone11ブルー」と記載されたシールが付されていることが確認できる。
このように、乙第3号証では、本件商標の表示が確認できるものの、包装材中の物品がいかなる商品であるのかは判然とせず、この点に関する説明もない。また、当該商品が、いつ、誰に、販売、譲渡等がなされたのかを示す情報もない。
したがって、要証期間に本件商標が使用されたことを示す証拠とはいえない。
(3)請求人が本件審判を請求した後、被請求人から本件商標の譲渡に関して打診があった。
まず、2022年6月1日付けEメールにて、被請求人である株式会社ハヤシビジネス(以下「ハヤシビジネス社」という。)のA氏から請求人に連絡があった(甲5)。A氏はハヤシビジネス社の代表者とのことである(甲6)。請求人が、メッセージアプリ「WeChat」を介して連絡したところ、A氏より本件商標の買取りについて打診があり、日本円で約200万円の譲渡対価が提示されたが(甲6)、請求人は本件商標の買取りに応じなかった。
被請求人は、本件商標を2014年12月18日付けで出願しているが、請求人は中国において、同年3月頃から商標「XUNDD」の商品「スマートフォンのケース」に対する使用を開始し、また、商標「XUNDD」は2013年12月31日付けで中国商標局に出願されている(甲7)。かかる経緯により、被請求人は、2014年頃に請求人が中国で使用していた商標「XUNDD」の存在を知り、請求人に有償で譲渡することを目的として、請求人に先んじて本件商標を出願及び登録した恐れがあると考えられる。この場合、被請求人は、譲渡目的で本件商標を出願したのであるから、これを使用する意思を有していないことは明らかである。そうすると、提出された使用証拠の信ぴょう性にも強い疑義がある。
(4)まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した乙各号証は、要証期間に本件商標が使用されたことを示すものではない。
したがって、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかにより、その請求に係る指定商品について使用されていた事実は一切証明されていない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を審判事件答弁書及び令和5年1月6日付け審尋に対する同年2月7日付け「審判事件弁駁書」(審決注:以下、被請求人が提出したこの「審判事件弁駁書」は「回答書」と読み替える。)において、要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出した(審決注:証拠方法における「第四号証」ないし「第八号証」は、それぞれ「乙第4号証」ないし「乙第8号証」と読み替えた。以下同じ。)。
1 答弁の理由
被請求人は、審判事件答弁書の「7.理由」において、「使用中の事実があった」と述べるとともに、XUNDDブランドのカタログ(乙1)、XUNDDブランドの納品明細(乙2)及びXUNDDブランド商品の写し(乙3)を提出した。
2 回答書の要旨
合議体は、令和5年1月6日付け審尋を通知し、期間を指定して、被請求人が提出した証拠(乙1~乙3)からは本件商標の使用が証明されていない旨の合議体の暫定的な見解と、請求人の弁駁書に対する意見を求めたところ、被請求人は回答書において要旨以下のとおり述べた。
(1)証拠
本件商標が、日本国内において、要証期間に、被請求人が運営するECウェブブランドサイトにて販売するスマートフォンのケース(「品番i923」)に、商品ページ内の広告及び当該商品梱包の際の包装紙として使用されていたことを、以下の証拠にて証明する。
ア 乙第4号証
乙第4号証は、被請求人が運営するECウェブブランドサイト内で本件商標を使用している品番i923の商品ページ内にて使用されている画像である。
審判事件弁駁書にて請求人がカタログの写しであると提示したウェブサイトは、被請求人が水着やレディースファッションを主として販売を行っているECウェブブランドサイトであり、スマートフォンを販売するECウェブブランドサイトは乙第4号証である。
乙第4号証では、本件商標が品番i923の商品の広告として商品ページにて使用されている事実と、品番i923の商品を実際に購入した顧客によるレビューを確認することができる。
イ 乙第5号証
乙第5号証は、乙第4号証で示したECウェブブランドサイトのURLを示したブラウザのスクリーンショット画像であるところ、本件商標が使用されている品番i923の商品ページのアドレスであり、ブラウザから閲覧できる状態であることが確認できる。ここから被請求人のECウェブブランドサイトがインターネット上に存在していることが確認できるので、乙第4号証がカタログの写しではないことが確認できる。
ウ 乙第6号証
乙第6号証は、本件商標が使用されている品番i923の商品の包装紙である。
本件商標は包装紙の裏面にシールとして貼付する形で使用されており、包装紙の表面には品番識別のため品番i923の商品のバーコードシールが貼付されている。
以上から、品番i923の商品の包装紙に本件商標が使用されていることが確認できる。
エ 乙第7号証
乙第7号証は、品番i923の商品のレビュー_1画像(以下「レビュー画像」という。)と、レビュー画像を作成した画像作成ツールPhotoshopデータのレビュー_1プロパティ画像(以下「プロパティ画像」という。)である。
レビュー画像は、品番i923の商品を購入した顧客による商品レビューをまとめた画像で、要証期間に品番i923の商品の販売実績があったことが確認でき、プロパティ画像ではレビュー画像を作成した日時を証明する。
レビュー画像には、左から2020-12-24、2020-10-3、2020-11-9との各日付と共に品番i923の商品を購入した顧客から投稿されたコメントレビューを確認することができる。コメントレビュー中央の「2021.10.27現在」という日付から、当該レビューコメントをまとめた日付も確認できる。
なお、レビュー画像が作成された日付の正確性については、プロパティ画像を参照されたい。プロパティ画像では、当該画像の保存場所が品番i923のフォルダ内であること、iPhoneケースであること、当該画像の作成日時が2021年10月28日であること、更新日時が同月27日であることが確認できる。ここからレビュー画像は「2021年10月28日」に作成されたことが確認できる。これらから、品番i923の商品が要証期間に実際に販売され、顧客に引き渡されていた事実が確認できる。
オ 乙第8号証
本件商標が使用されている品番i923の商品の納品明細であり、「2019/12/12」の入荷日が記載されていることから、要証期間に販売実績があったことが確認できる。
(2)本件商標の出願理由
請求人は、審判事件弁駁書にて、被請求人が請求人への譲渡目的で本件商標を出願したのではないかと主張しているが、この点に関しては、被請求人が本件商標を出願した日付に着目されたい。
被請求人が本件商標を出願したのは、2014年12月18日である。
品番i923の商品の対応機種である「iPhone6/iPhone6 Plus/6sPlus」が2014年9月19日に発売されたことから、品番i923の商品を日本国内において長期にわたって販売を行うには、権利取得の必要があると判断したためである。
よって、本件商標の出願は、譲渡目的ではなく、国内における当該商品の信頼保護と当該商品を正規品であると信頼し購入した顧客への商品の信頼性の確立目的である。
(3)まとめ
上記の証拠をもって、本件商標は、要証期間に、被請求人が運営するECウェブブランドサイト内の品番i923の商品の商品ページにて広告として使用されていること、梱包の際に包装紙として使用されていること、顧客へ引き渡された事実があることは明白である。
よって、本件商標は商標の使用定義を満たしている。
また、請求人が主張した譲渡目的での出願の可能性については、上記(2)で述べたように、国内における本件商標に係る商品を販売する上での信頼保護のためである。
第4 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠によれば、以下のとおりである。
(1)カタログ(乙1)
乙第1号証は、商標権者が作成した「XUNDDケースシリーズ カタログ」と題する書面であり、「Soft Clear Cover/Simple&High-quality Case/・・・」、「柔らかく丈夫/手に馴染むグリップ感。/柔軟な素材が衝撃を和らげ、/スマートフォンを守ります。」、「ストラップホール/・・・」、「快適な操作/スマホにぴったりとフィットするよう設計され、・・・」、「会社情報:株式会社ハヤシビジネス/住所:兵庫県神戸市・・・/連絡先:078-・・・」の記載とともに、色違いの透明なケースが嵌合された10個のスマートフォンの画像や、無色透明なスマートフォンのケースを手で摘まんで折り曲げている画像がある。
なお、同カタログには、その作成日や頒布日が確認できる記載は見当たらない。
(2)楽天のウェブサイト上の被請求人のショップの出力物(乙4、乙5)
ア 乙第4号証は、楽天のウェブサイト(楽天市場)上に展開された商標権者のショップのウェブページを出力した書面(全42葉)であるところ、当該書面には出力日を示す記載はないが、1葉目に「お知らせ」として、「2022/9/12 新型iPhone14/14Pro 対応ケース入荷中!!」の記載があることから、2022年9月以降の情報であることがうかがえる。
そして、当該書面の4葉目から23葉目には、カタログ(乙1)と同様の文言や画像があり、また、24葉目に、【商品詳細】のタイトル下、「セット内容」として「・1点/・ケース/【対応機種】アイフォン14・・・/ソフトケース/Soft Clear Cover」の記載、並びに24葉目及び26葉目に、「XUNDD/公式販売店」及び「XUNDDはハヤシビジネスの/正規ブランドです。/取り扱い商品は正規品でございますので/安心してお買い物をお楽しみください。」の記載がある。
イ 乙第5号証は、被請求人によれば、商標権者のショップのウェブページ(乙4)のブラウザ上のスクリーンショット画像であり、その上部には、「https://item.rakuten.co.jp/hysshop/i923/」の記載及びその中央に、カタログ(乙1)及び商標権者のショップのページ(乙4)と同様の画像が確認できるが、その出力日や作成日についての記載はない。
(3)画像(乙3、乙6)
乙第3号証は、「発送日 4年5月31日」のタイムスタンプが付された特許庁の封筒を背面として、透明(白色)と青色のスマートフォンのケースを撮影した画像であり、透明(白色)と青色のスマートフォンケースがそれぞれ透明なビニールカバーで包装され、それぞれの包装に、「XUNDD/iphone11クリア」、「XUNDD/iphone11ブルー」と表示されたシールが付されている。
乙第6号証は、2つの透明(白色)なスマートフォンのケースを撮影した画像であり、2つの透明(白色)なスマートフォンのケースがそれぞれ透明なビニールカバーで包装され、一方のビニールカバーに、「XUNDD」と表示されたシールが付され、他方のビニールカバーに、「i923b7/iPhone6Plus/6sPlus・・・/クリア」と表示されたシールが付されている。なお、乙第6号証には、画像が撮影された日付を確認できるような記載は見当たらない。
(4)一覧表(乙8)
乙第8号証は、被請求人によれば「品番i923の納品明細」であり、「荷主 ハヤシビジネス」及び「対象倉庫 本社倉庫」の記載の下、左から「ブロック略称」「ロケーション」「商品名」「入荷日」「品質区分」「在庫数(引当数を含む)」「引当数」の項目からなる一覧表であるところ、例えば、その5行目に、左から「(ブロック略称)301」「(ロケーション)002-204-01」「(商品ID)i923b7」「(商品名)★_iPhone6Plus/」「(入荷日)2021/05/11」「(品質区分)良品」「(在庫数(引当数を含む))13」「(引当数)空欄」の記載がある。
なお、当該一覧表に「品番i923」の商品に関する情報や本件商標についての記載及び納品先についての記載は見当たらない。
(5)その他の証拠
乙第7号証は、被請求人によれば「品番i923の商品のレビュー画像とそのプロパティ画像」(全2葉)であるところ、「レビュー_1画像」(1葉目)には、「レビュー総件数/2,542件」「総合評価4.47」「2021.10.27現在」といった表示があり、「レビュー_1画像プロパティ画像」(2葉目)には、「ファイルの種類:JPGファイル」「場所:■iPhoneケース¥901-1000¥i923¥PSD」「作成日時:2021年10月28日」「更新日時:2021年10月27日」などの記載がある。
(6)上記(1)ないし(5)から、以下の事実が認められる。
ア 商標権者は、2021年5月頃、商品IDが「i923b7」である「iPhone6Plus/6sPlus用」の商品を自身の倉庫に入荷したところ(乙8)、当該商品が(iPhone6Plus/6sPlus用の)スマートフォンのケース(乙6)であることは推認できるものの、商標権者がこの商品を顧客と取引した事実は認められない。
イ 商標権者によるスマートフォンのケースのカタログには「XUNDDケースシリーズ」の表示(乙1)、スマートフォンのケースの包装には「XUNDD/iphone11クリア」、「XUNDD/iphone11ブルー」の表示(乙3)、商標権者のウェブページにおいてスマートフォンのケースが掲載され、そのページに「XUNDDはハヤシビジネスの正規ブランド」の表示(乙4)、及びスマートフォンのケースに「XUNDD」の表示(乙6)があるといえるものの、これらのスマートフォンのケースが、いずれも、上記アの商品IDが「i923b7」のスマートフォンのケースであるとはいえない。
ウ 乙第1号証のカタログ及び乙第6号証のスマートフォンのケースの画像には作成日又は撮影日の記載はなく、また、乙第3号証のスマートフォンのケースの画像は令和4年5月31日以降に撮影されたものである。さらに、商標権者のウェブページ(乙4)は、2022年9月12日に新型iPhone14/14Pro対応のケースを入荷中である旨の記載などから、2022年9月以降の情報であると推認できる。
エ 被請求人は、「品番i923の商品レビュー画像とそのプロパティ画像」(乙7)により、品番i923の商品が要証期間に販売され、顧客に引き渡された事実が確認できると主張するが、その記載内容から「品番i923の商品」についてのレビューであることを示す箇所は見いだせないものであり、仮に乙第7号証が「品番i923の商品」のレビュー画像であるとしても、商品のレビューが記載されたことのみをもって、当該商品が顧客に引き渡されたということはできない。
2 上記1からすれば、次のとおり判断できる。
商標権者が本件商標を使用すると主張する商品は「スマートフォンのケース」であり、これは本件請求に係る指定商品「電気通信機械器具並びにその部品及びその附属品,携帯電話機のケース,スマートフォンのケース」の範ちゅうに属するものである。
そして、本件商標を使用すると主張する商標(以下「使用商標」という。)は、商標権者によるカタログ(乙1)における「XUNDDケースシリーズ」の文字、乙第3号証のスマートフォンのケースの包装における「XUNDD/iphone11クリア」又は「XUNDD/iphone11ブルー」の文字、乙第6号証のスマートフォンのケースの包装に付された「XUNDD」の文字、及び商標権者のウェブページ(乙4)における「XUNDDはハヤシビジネスの/正規ブランドです。」の「XUNDD」の文字であり、これら使用商標は、いずれもその構成態様から欧文字「XUNDD」の文字部分が独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るものといえる。
そうすると、使用商標の「XUNDD」の文字部分は、「XUNDD」の文字からなる本件商標と、その構成文字を共通にする社会通念上同一の商標と認められる。
また、「XUNDDケースシリーズ」と称するカタログ(乙1)の作成者は商標権者であり、乙第4号証のウェブページは商標権者によるものであることから、少なくとも「XUNDDケースシリーズ」(乙1)及び「XUNDDはハヤシビジネスの/正規ブランドです。」(乙4)といった使用商標の使用者は商標権者であるといえる。
しかしながら、商標権者によるカタログ(乙1)、スマートフォンのケースの画像(乙3、乙6)、商標権者のウェブページ(乙4)などは、いずれも要証期間における使用を示すものではないし、また、要証期間である2021年5月頃、商標権者は「iPhone6Plus/6sPlus用」のスマートフォンのケース(乙5、乙6)を入荷したとしても、商標権者がこの商品を顧客と取引した事実は認められないし、さらに、当該入荷した商品に使用商標が表示されていたともいえない。
以上によれば、被請求人が提出した証拠によっては、商標権者は、要証期間に、商品「スマートフォンのケース」についての本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用(商標法第2条第3項各号)をしたということができない。
3 被請求人の主張
被請求人は、乙第7号証及び乙第8号証から、品番i923の商品が要証期間に実際に販売されたことが確認できる旨を主張するが、乙第7号証及び乙第8号証には、本件商標の記載はないし、その他の証拠との関係も不明であるから、これらの証拠から、本件商標が要証期間に使用された事実が証明されたということはできない。
さらに、被請求人は、乙第4号証は本件商標を使用している品番i923の商品ページである旨を主張しているが、商標権者のウェブページ(乙4)には「品番i923」の記載は見当たらないところ、仮に当該ウェブページ(乙4)が品番i923の商品の商品ページであったとしても、これは要証期間外である2022年9月頃の内容であることは上記認定のとおりであるから、乙第4号証によって、被請求人が、要証期間において、品番i923の商品に本件商標を付して広告、販売したということはできない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが、その請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを証明したものということができない。
また、被請求人は、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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