商標取消審判
2022-300180
オレノソバ、オレノ、オレ
- 審判番号
- 2022-300180
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2014-006517
- 登録番号
- 5744605
- 請求日
- 2022年02月28日
- 審決日
- 2023年05月25日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】俺の 株式会社
- 【被請求人】坂本 知彦
- 【被請求人代理人】広瀬 文彦
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大森 友子
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T131 .1 -Z (W43)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5744605号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第5744605号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5744605号商標(以下「本件商標」という。)は、「俺の蕎麦」の文字を標準文字で表してなり、平成26年1月30日に登録出願、第43類「そば粉を使用したそば料理の提供」を指定役務として、同27年2月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年3月14日である。
なお、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成31年(2019年)3月14日ないし令和4年(2022年)3月13日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証及び乙第2号証について
乙第1号証及び乙第2号証の写真は、単に「俺の蕎麦」の看板が貼り付けられた店舗入り口近傍だけを撮影したものであって、撮影日、撮影者、撮影場所が全く明らかではない。また、撮影場所にあっては店舗の全体や周囲の建物との状況を示す写真、店舗の厨房や客席などの内部の状態を示す写真も示されていないことも併せて、要証期間に使用していたという事実の裏付けとなる根拠が一切示されていない。
(2)乙第3号証及び乙第4号証について
乙第3号証及び乙第4号証の写真は、撮影日、撮影者、撮影場所が全く明らかではなく、要証期間中にこのメニューが使用されていたという事実の裏付けとなる根拠が一切示されていない。
(3)食品衛生法の定めによる飲食店営業許可について
飲食店を営業する場合は、食品衛生法の定めにより保健所の許可が必要である。本件商標権者が、少なくとも令和3年6月1日から同年8月末の期間に営業を行っていたということであるならば、岡山市の保健所の営業許可を得た上での営業を行っていると思慮する。
請求人は、本件商標権者(被請求人)が保有するとする蕎麦屋の住所及び「俺の蕎麦」の店名若しくは当該住所又は「俺の蕎麦」の店名で、平成27年度ないし令和4年5月末における、営業許可のデータ(岡山市「食品衛生 岡山市内の食品営業許可施設情報」、厚生労働省「食品衛生申請等システム」のオープンデータ(食品等営業許可・届出一覧))を閲覧及びダウンロードをして調査検証したが、当該住所及び店名で営業許可された店舗を発見することができなかった。
(4)取引書類について
少なくとも、被請求人が、売上がほとんどない状況であると主張する、令和3年6月1日ないし同年8月末の期間の前後には「俺の蕎麦」の商標を表示した飲食物等の販売の事実を裏付ける取引書類が存在すると思われるが、被請求人は、これらを何ら示しておらず、「俺の蕎麦」の商標を使用していた事実の裏付けとなる客観的な根拠が一切示されていない。
(5)むすび
以上のとおり、被請求人の提出した乙各号証からは、本件商標権者が本件商標を使用したという客観的事実の裏付けとなる根拠が何ら示されておらず、本件商標を使用していると認めることができない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
(1)使用の証明
本件商標権者は、同人が保有する蕎麦屋の店舗にて、その看板に「俺の蕎麦」を使用している(乙1、乙2)。また、店舗内において、客が利用するメニュー(以下「本件メニュー」という。)にも同様に商標「俺の蕎麦」を表示して使用している(乙3)。
上記看板や本件メニューに付された商標の使用態様は、本件商標と同一又は社会通念上同一の態様である。
なお、本件メニューに掲載された「ざるそば」を注文すると、蕎麦(細打ち麺)が提供された(乙4)。
本件メニューには、「一日 10食 期間限定/令和3年6月1日から8月末まで」の表示があり、少なくとも、令和3年6月1日から同年8月末の期間中、本件メニューが使用されており、本件商標権者は、少なくとも、同期間において「そば粉を使用したそば料理の提供」を行っている。
そうすると、本件商標権者は、要証期間に本件商標と同一又は社会通念上同一の商標を、役務「そば粉を使用したそば料理の提供」に使用していたことが明らかである。
このように、上記店舗の看板に本件商標を付して展示する使用態様は、商標法第2条第3項第8号の使用に該当する。また、客が利用するメニューに本件商標を付する使用態様やこれを展示する使用態様は、同項第3号ないし同項第5号の使用に該当する。
(2)審尋に対する回答
審判長は被請求人に対し令和5年1月30日付けで、合議体の暫定的な見解を示す審尋を送付するとともに、弁駁書の副本を送付し、期間を指定して、審尋及び弁駁書についての意見を求めたが、被請求人から何ら回答はなかった。
第4 当審の判断
1 本件商標の要証期間における使用について
被請求人は、本件商標(社会通念上同一のものを含む。以下同じ。)を要証期間に、本件商標の指定役務に使用していたと主張するので、これについて検討する。
(1)被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
ア 建物を撮影した写真における当該建物の引き戸と思しき所には「俺の蕎麦」の文字を縦書きしたステッカー様のものが貼り付けられているが、当該写真の撮影日は不明である(乙1、乙2)。
イ 「おしながき」と思しき書証を撮影した写真には、「俺の蕎麦(R)」((R)は「R」の丸囲み。)を縦書きしたもの並びに「一日10食期間限定」及び「令和3年6月1日から8月末まで」の文字を2段に表した文字等が表示されており、被請求人は当該期間に「そば店」が営業されていた旨を主張しているが、当該写真の撮影日は不明である(乙3)。
ウ 客に提供される「そば」を撮影したと思われる写真の撮影日は不明である(乙4)。
(2)判断
ア 上記(1)ア及びイに係る写真の撮影日は不明であるから、当該写真に「俺の蕎麦」の文字が表示されていたとしても、要証期間に本件商標が使用されたものとは認められない。
イ 上記(1)イに係る「おしながき」には「令和3年6月1日から8月末まで」の文字が表示されており、被請求人は当該期間に「そば屋」が営業されていた旨を主張している。
しかしながら、当該期間に「そば屋」が営業されたのであれば、経験則上、そのことを示す(ア)当該日付を含む保健所の営業許可証、(イ)当該日付に係る顧客への領収書(レシート)、伝票等の写し、(ウ)当該日付におけるそばの提供に係る商品の仕入れ等を証する書類等の客観的な書証(証拠)の存在が認められるべきところ、被請求人はそれらを何ら示していない。
したがって、上記期間(令和3年6月1日から8月末)は、要証期間内であるが、本件商標権者が当該期間に本件商標を使用した「そば屋」を営業し本件商標の指定役務である「そば粉を使用したそば料理の提供」を行ったものとは認められない。
2 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標の指定役務について使用をしていることを証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、本件商標をその指定役務について要証期間に使用していないことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、被請求人は、要証期間内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件商標の指定役務のいずれかについての本件商標(社会通念上同一のものを含む。)の使用をしていることを証明したものということはできず、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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