商標取消審判
2022-300925
マカノン、マキャノン
- 審判番号
- 2022-300925
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2017-007443
- 登録番号
- 5998191
- 請求日
- 2022年10月18日
- 審決日
- 2025年02月13日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】西平 紫音
- 【被請求人】株式会社 万菓音
- 【被請求人代理人】永井 道彰
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 相崎 裕恒
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T132 .1 -Y (W35364344)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の商標登録第5998191号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5998191号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成29年1月27日に登録出願され、「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類、第36類、第43類及び第44類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同年11月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年12月7日であり、その請求の登録前3年以内の同元年12月7日から同4年12月6日までの期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定役務中、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る指定役務」という。)についての商標登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べている。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、請求に係る指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証は、いつの時点におけるウェブページの写しであるかが明らかでなく、当該ウェブページに書き込みされた日付が明示されているとしても、これによって、当該書き込みされた日に、乙第1号証のウェブページが存在していたことを裏付けることはできない。「この商品のレビュー」の中で、最も古い「平成29年7月11日」にされた3件の書き込みは、いずれも「ドーナツ」に関するものであり、小売販売する第三者の商品に対する書き込みではない。その他の書き込みについても、書き込みがされた日付の当時のサイトにおいて、本件商標が本件役務に対して使用されていたことを明らかにするものでない。
(2)乙第2号証の納品書は、一般顧客に商品を納品した事実を示すものであって、本件商標権者がヤフーショッピングサイトに第三者の商品を掲載し、小売販売していた事実を認める証拠にはなり得ない。
(3)乙第3号証の取引書面は、取引関係者との間で商品の受発注が行われた事実を示すものであって、被請求人がヤフーショッピングサイトに第三者の商品を掲載し、小売販売していた事実を認める証拠にはなり得ない。
(4)乙第4号証の卸売取り扱い品のカタログは、作成日や発行日が示されておらず、いつの時点における本件商標の使用行為であるかを確認することができない。また、乙第6号証の注文書は、乙第4号証の卸売取り扱い品のカタログに対するものであるかが分からず、当該注文書に記載された日に、乙第4号証の卸売取り扱い品のカタログが存在していたことを裏付けることはできない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証(枝番号を含む。)を提出している。
1 答弁書における主張
(1)本件商標権者は、その指定役務中、「菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、いわゆる通販サイトであるヤフーショップサイトに、本件商標を使用した通販用のウェブサイトであるmacanonヤフーショップを運用しており、当該ウェブサイトにオンラインで顧客を誘導し、取引関係先の菓子等の商品を販売し、小売等役務を行っている(乙1)。
当該ウェブサイトのカテゴリ欄のうち「九州商品」というカテゴリを選択すると、多数の菓子等の商品が提示され、それら商品が、文旦堂、古今堂、桜月堂、冨士屋製菓、イソップ製菓という食品・菓子メーカーの商品であり、それらの購入が可能であることが理解できる。
本件商標は、macanonであり真ん中の2文字のcaが赤色系の色付けとなっており、乙第1号証の使用商標が、顧客の識別において同一又は社会通念上同一の範囲のものと認識されることは明らかである。
当該ウェブサイトは、顧客からの買い物レビューの一番古いものが平成29年7月11日であり、遅くとも平成29年7月11日までに開設されたものである。顧客からの買い物レビューで新しいものは、令和3年、同4年、同5年に書き込まれており、継続して当該ウェブサイトで菓子の小売がなされ、購入した顧客があったことが分かる。
乙第2号証は、macanonヤフーショップを介して一般顧客から注文された菓子等の商品を当該顧客に納品した際の納品書の写しであり、乙第3号証は、本件商標権者と取引関係者との間の受発注取引の事実を示すものである。
(2)本件商標権者は、その指定役務中、「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、いわゆるBtoBの形で卸売業務として取引業者に対して顧客に対する便益の提供を行っている。本件商標権者は、卸売取り扱い品のカタログ(乙4)を取引業者に配布している。乙第5号証は、本件商標権者が取引業者に対して頒布している注文書である。乙第6号証は、乙第5号証の注文書原紙を用いて作成された注文書を用いて具体的に受けた実際の注文書を示すものであり、FAXの受信の出力としての注文書である。卸売の取引顧客が使用するものは、macanonであり真ん中のcaが赤色系の色付けとなっているものであり、使用商標が本件商標と同一のものである又は少なくとも社会通念上同一の範囲のものとして認識された状態で送信されていたことは明らかである。乙第6号証をみると、本件審判請求以前に当該カタログと当該注文書原紙を用いて、取引業者との間で卸売による役務提供を行ったことが理解でき、注文書がFAXにて送信された日は、本件審判請求日より前のものである。
2 令和6年5月7日付け審判事件回答書
(1)本件商標権者の組織図(乙7)と履歴事項全部証明書(乙8)を提出する。本件商標権者の営業は、「本店office」と「熊本office」(乙7、乙8)の2つの実店舗と、Yahooショッピングサイトにおいて「macanonヤフーショップ」(乙1、乙2)と「九州食品館macanon店」の2つのウェブ店舗を持っており、いずれも、本件商標権者の代表取締役Mが店舗運営を行っており、同一主体の関係にある。
(2)注文書フォームや注文書の商品リストの並びや種類が異なっている事情を説明すると、全体カタログ(乙4)から顧客自身が注文書を作成するのには手間がかかるので、顧客ごとに売れ筋の商品をピックアップしてリスト化した注文書を何パターンか作成して渡している。要望に応じて注文書フォームの商品の品数を増やすことがあり、逆に取引がなくなった商品を注文書フォームから整理して減らすこともある。取引者からの要望に応じて商品品数を増やしたり減らしたりする事情が分かるメールの写し(乙14)を提出する。
第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件商標権者は、平成28年4月15日に、菓子製造販売業、海産物加工販売業、農産物加工販売業等を目的として設立された株式会社であり、その本店は、令和3年12月1日に現在の東京都中央区銀座1丁目の本店所在地に移転し、同月13日に移転の登記がなされた(乙8)。また、本件商標権者の代表取締役Mの住所(以下「代表住所」という。)は、熊本県熊本市西区池上町にある(乙8)。
本件商標権者は、本店所在地における「本店office」に加え、代表住所における「熊本office」(乙7)、2019年3月8日に利用開始したYahooショッピングという電子ショッピングモール上のウェブ店舗である「macanonヤフーショップ」(乙7、乙11の1、乙11の2)(以下「本件ウェブ店舗」という。)を運営している。本件ウェブ店舗に係る前記電子ショッピングモールの登録情報のうち、商号、住所、運営責任者については、本件商標権者の名称、所在地及びMの氏名が登録されており、また、運営責任者の住所も、本店所在地とされている(乙9)。
なお、本件商標権者は、2021年3月26日からは、本件ウェブ店舗とは別に、前記電子ショッピングモール上のウェブ店舗である「九州食品館macanon店」(乙7、乙11の3)においても営業を行っている。この「九州食品館macanon店」の前記電子ショッピングモールの登録情報は、商号、住所及び運営責任者については、本件ウェブ店舗と同様であるが、運営責任者の住所としては代表住所が登録されている(乙10)。
(2)本件ウェブ店舗のホームページは、「桜月堂 3色こつぶたちようかん」や「文旦堂 長崎かすてら 5本セット(プレーン・チョコ・抹茶・チーズ・ざぼん)」等の菓子について、価格等を表示し、注文可能な状態で表示するものとなっており、また、「macanonヤフーショップ」の表示とともに、別掲2(1)の使用商標1を表示するものとなっている(乙1)。
(3)2022年2月7日に神奈川県横浜市青葉区在住のSは、本件ウェブ店舗において「桜月堂 3色こつぶたちようかん」(以下「本件商品1」という。)を注文した(乙2)。また、有限会社桜月堂(以下「桜月堂」という。)は、2022年2月28日発行の請求明細書において、同年2月8日付けの「ヤフーショップ」に係るS宛て「3色こつぶたちようかん」についての代金、送料及び消費税を本件商標権者の「熊本office」のM宛てに請求している(乙3)。
(4)上記(1)に照らせば、本件ウェブ店舗及び本件商標権者の「熊本office」は、いずれも本件商標権者の運営に係るものであり、上記(3)からみて、本件商標権者が本件ウェブ店舗におけるSの注文に係る本件商品1の直送を桜月堂に依頼し、依頼を受けた桜月堂が本件商品1をSに直送し、その上で、桜月堂が本件商標権者宛てに上記請求明細書における請求を行う、という一連の取引がなされたものと推認される。よって、本件商標権者は、本件ウェブ店舗において、桜月堂からの直送による本件商品1の販売をSに対して行ったものと推認される。
(5)神奈川県相模原市のサンコーチキンフーズ有限会社(以下「サンコー社」という。)は、本件商標権者が同社に提供した用紙(以下「本件専用注文用紙」という。)(乙12の1)を用いて、本件商標権者に「五木庵チャンポン」等の食品(以下「本件商品2-1」という。)の注文を行う旨の注文書及び「うまかっちゃん博多辛子高菜」「うまかっちゃん鹿児島黒豚豚骨」等の食品(以下「本件商品2-2」という。)の注文を行う旨の注文書を作成し、それぞれ2022年6月20日及び同年7月25日に作成した注文書をファックスにより本件商標権者に送信した(乙6)。
本件商標権者は、それぞれ同日(2022年6月20日及び同年7月25日)に、ファックスにより送信された注文書を用いて必要事項を追記したもの(以下「本件直送依頼書」という。)を、さらにファックスで送信する方法によって、加藤商店に対し本件商品2-1及び本件商品2-2の直送を依頼した(乙13の1、乙13の2)。
加藤商店は、サンコー社に対し、同年6月23日に本件商品2-1を直送し、また、同年7月28日並びに同月30日に本件商品2-2を直送し、いずれについても、本件直送依頼書に必要事項をさらに追記したものをファックスにより送信する方法によって、本件商標権者に対し、本件商品2-1及び本件商品2-2の納品を報告した(乙13の1、乙13の2)。
(6)本件専用注文用紙は、サンコー社の専用の注文書である旨を示すタイトルに加えて、「直送先名」としてサンコー社の名称、住所及び電話番号が記載されたものである。また、本件専用注文用紙には、別掲2(2)の使用商標2-1が表示されており、代表住所とともに「株式会社万菓音 熊本オフィス」の記載がなされている(乙12の1)。
これらを踏まえれば、専用注文用紙を用いて作成された注文書及びこの注文書を用いた本件直送依頼書をファックスにより送信することにより、ファックスを受信した相手先においては、乙第6号証及び乙第13号証のとおり、使用商標2-2とともに「株式会社万菓音 熊本オフィス」と表示された注文書及び本件直送依頼書が印刷されることが明らかである(乙6、乙12の1、乙13の1、乙13の2)。
(7)上記(5)のとおり2022年6月20日及び同年7月25日に本件専用注文用紙を用いて本件商品2-1及び本件商品2-2の注文がなされたところ、本件専用注文用紙は、本件商品2-1及び本件商品2-2を含む共通の食品リストから注文する商品を選択できるものとなっており、この食品リストには、メーカーである「お茶の堀野園」からのお茶とおぼしき商品と「かねよみそしょうゆ」からのしょうゆとおぼしき商品が掲載されていた(乙6、乙12の1、乙13の1、乙13の2)。そして、同年5月17日の本件商標権者内でのMと担当者とのメールでのやりとり(乙14)によれば、当該担当者が同日前後にサンコー社についての「ラーメンの注文書」に「堀野園様のお茶」と「かねよのしょうゆ」を入れたものと認められ、さらに、本件商品2-1及び本件商品2-2は、その商品名から「ラーメン」ないしこれに類する商品であることがうかがえるから、このやりとりにおいては「ラーメンの注文書」は、本件専用注文用紙を示しており、本件専用注文用紙は、同年5月に当該担当者により更新されたものが、本件商標権者によってサンコー社に配布され又は電磁的方法で提供されたものと推認される。
2 上記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
ア 使用商標1について
本件商標は、「macanon」の欧文字を所定の書体により表すとともにそのうちの「ca」を暖色系の他より明るい色としたものである。これに対し、使用商標1は、「macanon」の欧文字を同様の所定の書体により表したものであり、色使いも、本件商標と多少異なるとはいえ、「ca」を暖色系の他より明るい色としたものである。
よって、本件商標と使用商標1は、色彩の違いがあるとしても、いずれも「macanon」の文字を同様の書体で表してなるものであるから、両者は、社会通念上同一の商標である。
イ 使用商標2-1について
使用商標2-1は、アの使用商標1と同様、「macanon」の欧文字を同様の所定の書体により表すとともに「ca」を暖色系の他より明るい色としたものである。
よって、使用商標2-1は、使用商標1と同様、本件商標と社会通念上同一の商標である。
ウ 使用商標2-2について
使用商標2-2は、ファックスによる送信を経由することによってイの使用商標2-1の色を黒ないし濃いグレーにしたものに相当するものであり、「macanon」の欧文字を本件商標と同様の所定の書体により表すとともに「ca」の部分は他の部分と異なる濃さの黒ないし濃いグレーになっており、ファックスによる送信を経由する前の元原稿において「ca」の部分が他の部分に比して明るい色彩であることを示すものとなっている。
このことから、使用商標2-2は、使用商標2-1と同様に、色彩の違いがあるとしても、いずれも「macanon」の文字を同様の書体で表してなるものであるから、両者は、社会通念上同一の商標であるといえる。
エ 以上のとおり、使用商標1、使用商標2-1及び使用商標2-2は、いずれも、本件商標と同一のもの(本件商標と社会通念上同一のものも含む。以下同様。)である。
(2)使用者について
ア 使用商標1について
上記1(3)の使用商標1を表示する本件ウェブ店舗のホームページには、「macanonヤフーショップ」の表示があり、この表示は、上記1(1)の本件商標権者の運営に係る本件ウェブ店舗を示すものであることから、使用商標1を表示したのは、本件商標権者であるといえる。
イ 使用商標2-1について
上記1(6)のとおり、使用商標2-1が表示された本件専用注文用紙には、代表住所とともに「株式会社万菓音 熊本オフィス」との記載があるところ、この記載が上記1(1)に示した本件商標権者の運営に係る、代表住所における「熊本office」を示すことは明らかであり、さらに、本件専用注文用紙は、本件商標権者によりサンコー社に配布されたものと推認される。
これらを踏まえれば、使用商標2-1の使用者は、本件商標権者であるといえる。
ウ 使用商標2-2について
上記1(5)のとおり、使用商標2-2が表示された本件直送依頼書は、上記イの本件専用注文用紙を用いてファックスにより送信された注文書に追記したものを、更に本件商標権者が加藤商店にファックスより送信したものであり、代表住所とともに「株式会社万菓音 熊本オフィス」との記載があり、これが、本件商標権者の運営に係る「熊本office」を示すことは明らかである。さらに、本件直送依頼書は、本件商標権者から加藤商店にファックスにより送信されたものである。
これらを踏まえれば、使用商標2-2の使用者は、本件商標権者であるといえる。
エ 以上によれば、使用商標1、使用商標2-1及び使用商標2-2の使用者は、いずれも本件商標権者である。
(3)使用役務について
ア 使用商標1について
上記1(2)に示すとおり、使用商標1を表示する本件ウェブ店舗のホームページは、「桜月堂 3色こつぶたちようかん」や「文旦堂 長崎かすてら 5本セット(プレーン・チョコ・抹茶・チーズ・ざぼん)」等の菓子について価格等を表示し注文可能な状態で表示するものとなっている。このことから、本件商標権者は、使用商標1を菓子の品揃えの役務(以下「使用役務1」という。)について使用しており、この役務は、請求に係る指定役務のうち、第35類の「菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうの役務である。
イ 使用商標2-1及び使用商標2-2について
上記1(6)に示すとおり、使用商標2-1を表示する本件専用注文用紙は、本件商品2-1及び本件商品2-2を含む共通の食品リストから注文する商品を選択できるものとなっており、使用商標2-2を表示する本件直送依頼書は、当該食品リストにおいて選択された本件商品2-1及び本件商品2-2についてのものである。このことを踏まえれば、本件商標権者は、当該食品リストに掲載された飲食物の品揃えの役務(以下「使用役務2」という。)について使用商標2-1及び使用商標2-2を使用したものといえ、この役務は、請求に係る指定役務のうち、第35類の「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうの役務である。
ウ 以上によれば、使用商標1、使用商標2-1及び使用商標2-2は、いずれも請求に係る指定役務について使用されている。
(4)使用時期及び使用場所について
ア 使用商標1について
上記1(4)のとおり、本件商標権者は、要証期間内である2022年2月7日にSからの注文を受けて、桜月堂からの直送により本件商品1をSに販売したものと推認され、また、上記1(3)のとおり、Sは本件ウェブ店舗において本件商品1を注文しているところ、この注文は、上記1(2)の本件ウェブ店舗のホームページを経由してなされたことが明らかであり、2022年2月7日のSの注文の時点で、使用商標1を表示する本件ウェブ店舗のホームページにおいて本件商品1の注文が可能となっていたことが明らかである。
以上を踏まえれば、使用商標1の使用時期は、要証期間内であり、使用場所は、日本国内であると認められる。
イ 使用商標2-1について
上記1(5)及び1(7)によれば、本件専用注文用紙は、2022年5月に当該担当者により更新されたものが、本件商標権者によってサンコー社に配布され又は電磁的方法で提供され、サンコー社は、これを用いて注文書を作成して、同年6月20日及び同年7月25日にファックスにより本件商標権者に送信したものと認められる。
このことを踏まえれば、本件商標権者は、使用商標2-1を表示した本件専用注文用紙を、要証期間内である同年5月から6月の間にサンコー社に配布し又は電磁的方法により提供したものと推認される。
よって、使用商標2-1の使用時期は、要証期間内であり、使用場所は、日本国内であると推認される。
ウ 使用商標2-2について
上記1(5)によれば、本件商標権者は、2022年6月20日及び同年7月25日に、本件直送依頼書をファックスにより送信する方法によって、加藤商店に対し本件商品2-1及び本件商品2-2の直送を依頼している。
このことから、本件商標権者は、使用商標2-2を表示した本件直送依頼書を要証期間内である同年6月20日及び7月25日に電磁的方法により提供したものと認められる。
よって、使用商標2-2の使用時期は、要証期間内であり、使用場所は、日本国内である。
(5)使用行為について
ア 使用商標1について
上記(3)アによれば、本件ウェブ店舗のホームページは、請求に係る指定役務である使用役務1に関する広告に該当するといえる。そして、上記(4)アによれば、本件商標権者は、要証期間内に、請求に係る指定役務に関する広告に本件商標と同一のものである使用商標1を付して電磁的方法により提供する行為を行ったものであり、この行為は、商標法第2条第3項第8号に掲げる使用行為に該当する。
イ 使用商標2-1について
上記(3)イによれば、本件専用注文用紙は、請求に係る指定役務である使用役務2に関する広告に該当するといえる。そして、上記(4)イによれば、本件商標権者は、要証期間内に、請求に係る指定役務に関する広告に本件商標と同一のものである使用商標2-1を付して電磁的方法により提供する行為を行ったものであり、この行為は、商標法第2条第3項第8号に掲げる使用行為に該当する。
ウ 使用商標2-2について
上記(3)ウによれば、本件直送依頼書は、請求に係る指定役務である使用役務2に関する取引書類に該当する。そして、(4)ウによれば、上記本件商標権者は、要証期間内に、請求に係る指定役務に関する取引書類に本件商標と同一のものである使用商標2-2を付して電磁的方法により提供する行為を行ったものであり、この行為は、商標法第2条第3項第8号に掲げる使用行為に該当する。
3 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が請求に係る指定役務について本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用していたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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