商標取消審判
2024-300068
サムライカレー、サムライ
- 審判番号
- 2024-300068
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2015-055599
- 登録番号
- 5811827
- 請求日
- 2024年02月02日
- 審決日
- 2024年08月06日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】宮本 秀二郎
- 【被請求人】株式会社 インプレス・アンド・カンパニー
- 【被請求人代理人】鮫島 武信
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 勉
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T131 .1 -Y (W43)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5811827号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5811827号商標(以下「本件商標」という。)は、「サムライカレー」の文字を横書きしてなり、平成27年5月29日に登録出願、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、同年12月11日に設定登録されたものである。
第2 請求人の主張
1 請求の趣旨
請求人は、本件商標の登録を取り消すとの審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。
2 請求の理由
本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上(2021年2月21日から2024年2月20日まで。以下「要証期間」という。)日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
第3 被請求人の主張
1 答弁の趣旨
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証から乙第5号証(枝番号あり。以下、「乙○」と表記する。)を提出した。
2 答弁の理由
(1)被請求人と通常使用権者
被請求人は、本件商標の使用に関して「石川県加賀市」に所在の法人「日本海観光バス株式会社」(以下「N社」という。)との間に令和5年6月26日付けで業務委託契約を締結しており、その契約は現在も有効なものである(乙3の1)。
また、乙3の2の宣誓書に示すとおり、被請求人は、N社に対して、本件商標についての使用許諾を与えているから、本件商標の使用者はN社(以下、「本件通常使用権者」という場合がある。)である。
なお、本件通常使用権者は、本件商標を使用するにあたり、業務委託契約書の第1条に記載のとおり、自身が運営する「石川県加賀市」に所在の店舗、すなわち、本件通常使用権者の本社内に所在する「SugarGliderRocket(シュガーグライダーロケット)」(以下、SGRという場合がある。)に業務を委託してその使用をしている。
つまり、運営委託が任せられている「SGR」によって、本件商標は現実に使用されている。
(2)本件通常使用権者とSGRとの関係
本件通常使用権者とSGRとの関係を明らかにするため、営業許可証、北國新聞の記事及び石川テレビ放送のホームページの画面の写しを証拠として提出する。
乙3の3の営業許可証に示すとおり、「営業者氏名」の欄には、本件通常使用権者の名称の表示があり、「営業所の名称 屋号又は商号」の欄には、「SugarGliderRocket」との表示が明記されている。所在地は乙3の1及び2に記載の住所と一致していることが確認できる。
したがって、本件通常使用権者は、「SugarGliderRocket」の営業所の名称、屋号又は商号によって、石川県南加賀保健所長の営業許可を得て飲食店営業を行っている者であることは明らかである。
さらにこの飲食店営業の事実は、単なる営業許可にとどまらず、乙3の4及び5に示されているように、第三者による新聞、テレビ、インターネットでも報じられているとおり、営業の実態を伴うものである。
(3)商標の使用の事実を示す書類
本件通常使用権者が本件商標を使用している事実を明らかにするため、その役務の提供の事実を示した以下の書類を証拠として提出する(乙4の1~乙5の4)。
ア SGRのホームページの画面の写し
乙4の1及び2は、SGRのホームページの画面である。
上記には、その所在地(石川県加賀市)と電話番号とが明記されており、所在地は乙3の1から3と一致していることが確認できる(乙4の1)。
さらに、乙4の2の料理のページには、本件商標を使用したカレーの提供(以下、「本件使用役務」という。)に係る「【サムライカレー】」の文字の表示も確認できる。
イ 「食ベログ」のホームページの画面の写し
乙5の1から4は、「食ベログ」における「SGR」のページである。
上記には、その所在地(石川県加賀市)と電話番号とが明記されており、所在地は乙3の1から3と一致していることが確認できる(乙5の1)。
さらに、乙5の2のメニュー写真には、本件商標の文字の表示が確認でき、その投稿日として「24年2月8日」と表示されていることから、本件審判請求の登録前であることも確認できる(乙5の2)。
乙5の3及び4は、本件商標を使用した本件使用役務に係る乙5の2のメニュー写真を拡大したものである。
上記メニュー写真にはいずれも、本件使用役務に「サムライカレー」の仮名文字を横書きした商標(以下、「使用商標」という。)が顕著に表示されている。
また、「サムライカレー」の仮名文字の上方及び下方には、「SugarGliderRocket」とその電話番号も表示されている(乙5の3)。
(4)本件商標の正当な使用
本件商標の指定役務は、第43類「飲食物の提供」であるところ、飲食物の提供とは飲食物を店内で提供するための役務であり、本件使用役務の「カレーの提供」は、審判請求に係る本件商標の指定役務「飲食物の提供」に含まれる。
また、使用商標は、乙4の2、乙5の3及び4のとおり、「サムライカレー」の仮名文字を横書きで表示してなる。乙5の3及び4においては、やや字体が異なるものの、使用商標は、いずれも同一の文字(サムライカレー)を表してなるため、使用商標は、本件商標と社会通念上同一である。
したがって、使用商標は、本件商標の正当な使用によるものである。
(5)結び
以上のとおり、本件商標は、要証期間において、その指定役務について、日本国内において使用されている。
第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び提出証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)本件商標権者とN社(以下「本件使用者」という。)の間における令和5年(2023年)6月26日付けの業務委託契約書によれば、両者は以下を内容とする業務委託契約を締結している(乙3の1)。
ア 「サムライカレーの提供業務」を本件使用者の運営する店舗「SugarGliderRocket」(シュガーグライダーロケット)に委託する。
イ その業務の遂行にあたり、サムライカレーの名称やロゴの使用、メニュー開発を許可する。
ウ 受託期間は、本契約の締結日より1年間とする。
(2)ア 令和5年(2023年)6月29日付けの営業許可証によれば、本件使用者は「Sugar Glider Rocket」の名称の飲食店営業許可を、同月30日から同11年6月30日までを有効期間として受けている(乙3の3)。
イ 「北國新聞DIGITAL」の「バス車庫をカフェに改装 加賀・日本海バス」の見出しの記事情報(2023年6月17日付け)には、「7月7日開業」、「カフェ「シュガーグライダーロケット」は車庫のバス3台分のスペース約100平方メートルを活用し、中2階のある店舗を整備する。」の記載がある(乙3の4)。
(3)ア 「Sugar Glider Rocket」のウェブサイトには、「料理」の見出しの下、「サムライカレー」の文字(以下「本件使用商標」という。)及び「780円(税込)」の記載がある(乙4の2)。
イ 「食べログ」の「シュガーグライダーロケット」のウェブサイトにおいて、2024年2月8日に登録されたメニュー写真には、「サムライカレー」及び「¥780」の文字が表示されている(乙5の2、4)。
2 上記の認定事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)本件使用者は、本件商標権者との間における業務委託契約を通じて、「SugarGliderRocket」(シュガーグライダーロケット)」と称する店舗(以下「本件店舗」という。)において、サムライカレーの名称やロゴの使用を許可されているから、当該契約締結日(2023年6月26日)以降は、両者の間に本件商標「サムライカレー」の使用許諾について合意があったといえ、本件使用者は本件商標の通常使用権者と認められる。
(2)本件使用者は、本件店舗における飲食店の営業許可を取得し、2023年7月7日に開業して、本件商標の指定役務である「飲食物の提供」に相当する役務提供を開始した。
(3)本件店舗のウェブサイト及びメニュー(価格表)には、本件商標「サムライカレー」と同一の文字からなる、社会通念上同一の商標である本件使用商標が表示されている。
(4)2024年2月8日以前の本件店舗のメニューに「サムライカレー」なる料理が掲載されていたことが確認できるから、本件店舗のウェブサイト及びメニュー(価格表)は、要証期間において当該料理を掲載した状態で、展示又は電磁的方法で提供されていたと推認できる。
(5)以上を踏まえると、本件商標の通常使用権者である本件使用者は、要証期間において、その指定役務に関する広告又は価格表に、本件商標と社会通念上同一の本件使用商標を付して展示又は電磁的方法により提供していた(商標法第2条第3項第8号)と認められる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、通常使用権者が、本件商標の指定役務について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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