商標拒絶査定不服審判
2022-016440
シェアウエル、シェア、ウエル
- 審判番号
- 2022-016440
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-141268
- 請求日
- 2022年10月13日
- 審決日
- 2023年09月05日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社あした
- 【請求人代理人】澤木 紀一
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 山根 まり子
- 分類
- T18 .261-Z (W35) / T18 .262-Z (W35) / T18 .263-Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-141268拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年11月12日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年5月2日付け:拒絶理由通知書
令和4年6月17日付け:意見書
令和4年7月11日付け:拒絶査定
令和4年10月13日付け:審判請求書、手続補正書
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類及び第35類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、上記第1の手続補正により、指定商品が削除され、指定役務については、第35類「ソーシャルネットワーキングサイト事業の管理・運営,サイト利用者からなる会員制クラブの管理又は運営,広告業,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,競売の運営」に補正されたものである。
第3 引用商標
本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6179537号商標(以下「引用商標」という。)は、「シェアエル」の文字を標準文字で表してなり、平成30年8月31日に登録出願、第35類及び第42類に属する別掲2のとおりの役務を指定役務として、令和元年9月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第4 当審の判断
1 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「Share Well」の欧文字と「シェアウェル」の片仮名とを、いずれも標準的な書体で、上下二段に書してなる結合商標であるところ、構成する各段の文字は、いずれも一般の辞書類に載録された既成の語ではなく、特定の意味を有するものとして一般に親しまれているような語でもないものである。
そして、本願商標の構成中、下段の片仮名は上段の欧文字の読みに対応するものであるが、上段文字と下段文字は、横幅を揃えることなく、一定の間隔をもって配置されており、用いられる文字の種類(欧文字と片仮名)が異なるから、上段文字と下段文字とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められるものではない。加えて、本願商標の構成中、上段の「Share Well」又は下段の「シェアウェル」のいずれかの文字が、取引者、需要者に対し、役務の出所識別機能として強く支配的な印象を与えるものでもないものである。
そうすると、本願商標は、「Share Well」の欧文字と「シェアウェル」の片仮名とがそれぞれ独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすというべきであり、「シェアウェル」の片仮名部分を抽出し、当該部分(以下「本願要部」という場合がある。)だけを他人の商標と比較して、商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その要部である「シェアウェル」の片仮名部分に相応して、「シェアウェル」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
2 引用商標について
引用商標は、「シェアエル」の片仮名を標準文字で表してなるところ、当該文字は、一般の辞書類に載録された既成の語ではなく、特定の意味を有するものとして一般に親しまれているような語でもない。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して、「シェアエル」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
3 本願商標と引用商標との類否について
(1)本願商標より生じる「シェアウェル」の称呼と引用商標より生じる「シェアエル」の称呼とを比較すると、両称呼は、いずれも4音の構成音よりなり、そのうち称呼の識別上、最も重要な要素を占める語頭音を含む「シェア」(第1音及び第2音)と、語尾に位置する「ル」(第4音)の称呼を同じくするものであって、3音目における「ウェ」と「エ」の音の差異を有するにすぎないものである。
そして、共通して語頭に位置する「シェア」の音が明瞭に発音されるものであるのに対し、差異音である3音目の「ウェ」と「エ」は、母音(エ)を共通にし、前者における「ウ」の音は弱音であるために、それに続く「ェ」の音に吸収されて明確な一音として聴取し難い音である。
そうすると、両者は近似した音として発音、聴取され、かつ、その位置するところも明瞭に発音される第1音及び第2音の「シェア」と、第4音の「ル」に挟まれ、比較的聴別され難い中間に位置することから、その差異が称呼全体に及ぼす影響は少ないものというべきである。
してみれば、本願商標から生じる「シェアウェル」の称呼と引用商標より生じる「シェアエル」の称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体として、語調、語感が近似したものとなり、互いに聞き誤るおそれがあるものといわなければならない。
(2)外観においては、全体としては相違するものの、本願要部である「シェアウェル」と引用商標「シェアエル」との比較において、両者は、いずれも4文字の片仮名を標準的な書体で横書きしてなるものであり、1文字目、2文字目及び4文字目における「シェア」及び「ル」を同じくするものであって、3文字目における「ウェ」と「エ」の文字に差異を有するにすぎないから、時と場所を異にした離隔的観察のもとでは、外観上、近似した印象を与えるものということができる。
(3)観念においては、両者は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することはできない。
(4)以上によれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、称呼において互いに聴き誤るおそれがあるものであり、外観において近似した印象を与えるものであり、これらの観念、称呼、外観によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
4 本願商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
本願商標の指定役務中、第35類「ソーシャルネットワーキングサイト事業の管理・運営,サイト利用者からなる会員制クラブの管理又は運営,広告業,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供」は、引用商標の指定役務中、第35類「広告又はこれに関する情報の提供(インターネットを利用するものを含む。),広告の代理又はこれに関する情報の提供(インターネットを利用するものを含む。),広告の企画・制作又はこれらに関する情報の提供,広告用コマーシャルフィルム・プロモーションビデオ・ビデオテープ・ビデオディスク等の広告媒体の企画・制作又はこれらに関する情報の提供,商品の販売促進・役務の提供促進のための展示会・見本市・博覧会・物産展の企画・運営・開催又はこれらに関する情報の提供(電子計算機端末の通信ネットワークによるものを含む。),試供品の配布又はこれに関する情報の提供,トレーディングスタンプ・ポイントカードの発行・管理・清算又はこれらに関する情報の提供,商品の販売促進・役務の提供促進のためのポイント・クーポン券の発行・管理・清算又はこれらに関する情報の提供,経営の診断・経営に関する助言又はこれらに関する情報の提供,企業経営に関するコンサルティング又はこれに関する情報の提供,市場調査及びその評価・分析又はこれらに関する情報の提供,企業の顧客情報の収集・管理・分析又はこれらに関する情報の提供,商品の販売に関する情報の提供,商品販売店舗に関する情報の提供,新規出店に関する情報の提供,商品又は役務に対する消費者の評価情報の提供,商品の販売に関するコンサルティング又はこれに関する情報の提供,商品の売買契約の代理・媒介・仲介・取次ぎ・代行又はこれらに関する情報の提供,商品の販売促進・役務の提供促進のための懸賞・クイズ・くじ・アンケート・ゲームの実施又はこれらに関する情報の提供,商品の販売促進・役務の提供促進のための料金割引を受けられる店に関する情報の提供,商品の売上管理・在庫管理・物流管理・顧客管理又はこれらに関する情報の提供,商品の売上又は売上ランキング情報の提供,ホテルの事業の管理又はこれに関する情報の提供,芸能人のファンクラブの企画・運営・管理又はこれらに関する情報の提供,企業情報の提供,企業の決算報告に基づく事業情報の提供,商品の販売促進・役務の提供促進のための企画及び実行の代理又はこれらに関する情報の提供,商品の販売促進・役務の提供促進に関する助言及び指導又はこれらに関する情報の提供,ウェブサイト上の広告用スペースの貸与又はこれに関する情報の提供,薬剤の在庫管理に関する薬局への管理の支援,在庫管理」と同一又は類似の役務と認められる。
5 むすび
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務について使用するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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