商標拒絶査定不服審判
2022-016236
マルエニシングユーウオント、マル、エニシングユーウオント
- 審判番号
- 2022-016236
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-119847
- 請求日
- 2022年10月11日
- 審決日
- 2024年05月22日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社MARU
- 【請求人代理人】池田 直文
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .261-Z (W44) / T18 .262-Z (W44) / T18 .263-Z (W44) / T18 .264-Z (W44)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-119847拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年8月7日に登録出願された商願2020-98522に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、令和3年9月27日に登録出願されたものであって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。
令和3年11月29日付け:拒絶理由通知書
令和4年 6月30日付け:拒絶査定
令和4年10月11日受付:審判請求書
令和6年 2月 8日付け:審尋
令和6年 3月25日付け:意見書、手続補正書
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定役務については、上記第1の手続補正により、第44類「訪問看護,通所介護,在宅介護,訪問看護に関する助言及び情報の提供,要介護者・要養護者・高齢者へのリハビリテーションの提供・指導及び助言」に補正されたものである。
第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6342569号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、令和2年7月30日に登録出願、第44類「美容,理容,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,動物の飼育,動物の治療,動物の美容,医療用機械器具の貸与」を指定役務として、令和3年1月19日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
第4 当審における審尋
当審において、本願商標の商標法第4条第1項第11号該当性について、請求人に対し、審尋で当審における合議体の暫定的見解について通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の回答
請求人は、上記第4の審尋に対し、意見書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
引用商標権者は医療機関であり、本願商標の請求人(出願人)は介護業者であるから、引用商標の役務と本願商標の役務の類否を考察すると、本願商標の指定役務と引用商標の指定役務とは非類似である。
第6 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、緑色及び黄色で大きく表された円をモチーフにしたと思しき図形を配し、緑色で大きく表された「MARU」の欧文字を配し、それと比較して細字の書体で小さく緑色で表された「anything you want」の欧文字を配した構成よりなるものであって、構成中の図形部分は特定の意味合いを理解させるものではなく、「MARU」の文字は、「まるい形」等の意味(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)を有する「まる(丸)」の読みを欧文字で表したものであることを容易に理解させ、「anything you want」の文字は、「あなたが望むものは何でも」ほどの意味合いを理解させ得るものである。
そして、本願商標を構成する図形部分と文字部分とは、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、本願商標の構成全体として、何らかの特定の意味合いを看取させる等、観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、図形部分と文字部分とは、それぞれ、独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
さらに、本願商標の構成文字全体として、何らかの特定の意味合いを看取させる等、「MARU」及び「anything you want」の各文字部分を常に不可分一体として観察しなくてはならない格段の理由は存在しないとみるのが相当である。
そうすると、本願商標は、その構成中、中段に大きく明瞭に表され、出所識別標識としての機能を果たす「MARU」の欧文字部分が強く印象付けられるものである。
してみれば、本願商標は、独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得る「MARU」の文字部分を分離、抽出し、これを要部として、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その構成中の「MARU」の欧文字部分に相応して「マル」の称呼を生じ、「まるい形」の観念が生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、複数の色で大きく表された円をモチーフにしたと思しき図形を配し、黒色で大きく表された「MARU」の欧文字を配し、それと比較して細字の書体で小さく黒色で表された「BY TOKYO BUSINESS CLINIC」の欧文字を配した構成よりなるものであって、構成中の図形部分は特定の意味合いを理解させるものではなく、「MARU」の文字は、上記(1)と同様に、「まるい形」等の意味を有する「まる(丸)」の読みを欧文字で表したものと容易に理解させ、「BY TOKYO BUSINESS CLINIC」の文字は、「東京ビジネスクリニックによる」ほどの意味合いを理解させ得るものである。
そして、引用商標を構成する図形部分と文字部分とは、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、引用商標の構成全体として、何らかの特定の意味合いを看取させる等、観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、図形部分と文字部分とは、それぞれ、独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
さらに、引用商標の構成文字全体として、何らかの特定の意味合いを看取させる等、「MARU」及び「BY TOKYO BUSINESS CLINIC」の各文字部分を常に不可分一体として観察しなくてはならない格段の理由は存在しないとみるのが相当である。
そうすると、引用商標は、その構成中、中段に大きく明瞭に表され、出所識別標識としての機能を果たす「MARU」の欧文字部分が強く印象付けられるものである。
してみれば、引用商標は、独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得る「MARU」の文字部分を分離、抽出し、これを要部として、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、引用商標は、その構成中の「MARU」の欧文字部分に相応して「マル」の称呼を生じ、「まるい形」の観念が生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標は、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、本願商標の要部である「MARU」の文字部分と、引用商標の要部である「MARU」の文字部分とを比較すると、書体及び色彩に差異を有するとしても、そのつづりを同じくするから、両者は、外観上類似するものである。
そして、称呼については、両者は「マル」の称呼を共通にするものである。
また、観念については、両者は「まるい形」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、称呼及び観念を共通にし、外観において類似するから、これらの外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合勘案すれば、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(4)本願商標の指定役務と引用商標の指定役務との類否について
本願商標の指定役務中、第44類「訪問看護,訪問看護に関する助言及び情報の提供,要介護者・要養護者・高齢者へのリハビリテーションの提供・指導及び助言」と、引用商標の指定役務中、第44類「医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤」とは、「訪問看護」が、別掲3のとおり、看護師等が主体となって、病気や障害に応じた看護を行うものであり、主治医の指示を受け、病院と同様の医療処置も行われている実情がうかがえ、引用商標の指定役務中の「医業」等とは、役務の提供の手段、目的、提供に関連する物品、需要者の範囲等が一致する場合も多いことから、これらの指定役務に同一又は類似する商標が使用された場合には、同一営業主の提供に係る役務と誤認されるおそれがあると認められる関係があるため、両者は類似の役務であるというのが相当である。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定役務も引用商標に係る指定役務と類似の役務であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、引用商標権者は医療機関であり、本願商標の請求人(出願人)は介護業者であるから、引用商標の役務と本願商標の役務の類否を考察すると、本願商標の指定役務と引用商標の指定役務とは非類似である旨主張する。
しかしながら、商標の類否判断において参酌されるべき取引の実情とは、その指定商品全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであって、当該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的、限定的なそれを指すものではない(最高裁昭和47年(行ツ)第33号参照)ところ、役務についても、同様に解されている(知財高裁平成26年(行ケ)第10144号参照)。この点、請求人の主張は、いずれも、引用商標権者及び本願商標の請求人(出願人)の属性に着目した個別の取引の実情の一側面を挙げているにとどまるものであって、比較する指定役務全般についての一般的、恒常的な事情とは異なるものといわざるを得ず、これを取引の実情として商標の類否判断に当たり考慮することはできない。
そして、本願商標の指定役務と引用商標の指定役務との類否についての判断は、上記1(4)のとおりであるから、請求人の上記主張は、採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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