商標拒絶査定不服審判
2023-006676
アイデンタルクリニック、アイデンタル
- 審判番号
- 2023-006676
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-157884
- 請求日
- 2023年04月23日
- 審決日
- 2024年02月26日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】井上 浩太郎
- 【請求人代理人】奥町 哲行
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 阿曾 裕樹
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .261-Z (W44) / T18 .262-Z (W44) / T18 .263-Z (W44) / T18 .264-Z (W44)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-157884拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年12月17日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年6月14日付け:拒絶理由通知
令和4年7月28日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年3月14日付け:拒絶査定
令和5年4月23日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定商品として、登録出願され、その後、指定役務については、上記第1の手続補正書により、第44類「歯科医業,矯正歯科医業,審美歯科医業,美容歯科医業,インプラント治療を含む歯科医業,歯科医業(矯正・審美・美容歯科医業・インプラント治療を含む歯科医業を含む)に関する助言・指導及び情報の提供並びにコンサルティング,歯科検診,歯科健康診断,健康診断,歯科医療相談,栄養の指導,医療情報の提供,予防歯科医療,無痛歯科治療,訪問歯科診療,歯・歯茎等の口腔内の健康増進の指導,歯科医療補助,医療補助,歯科衛生士による歯科医療補助,歯のクリーニング,歯のホワイトニング,歯科医療に関する相談及び診断,インターネットを利用した歯科医療に関する相談及び診断,入れ歯に関する相談,入れ歯に関する情報の提供,通信回線を利用した歯科医院の予約の媒介又は取次ぎ,インターネットを利用した歯科医業に関する助言・指導及び情報の提供並びにコンサルティング,調剤に関する助言・指導及び情報の提供並びにコンサルティング,歯の健康管理に関する助言・指導及び情報の提供並びにコンサルティング,健康管理に関する助言・指導及び情報の提供並びにコンサルティング,歯科医療用機械器具の貸与,歯科技工用機械器具の貸与,医療用機械器具の貸与」とされたものである。
第3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下に掲げるとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第5490039号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 別掲2のとおり
指定役務 第44類「歯科医業,医療情報の提供,健康診断,調剤,医療用機械器具の貸与,栄養の指導,医業」
登録出願日 平成23年7月24日
設定登録日 平成24年4月27日
2 登録第5490040号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 別掲3のとおり
指定役務 第44類「歯科医業,医療情報の提供,健康診断,調剤,医療用機械器具の貸与,栄養の指導,医業」
登録出願日 平成23年7月24日
設定登録日 平成24年4月27日
以下、引用商標1及び引用商標2をまとめて「引用商標」という。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、五つの葉を持つクローバーをモチーフとしたとおぼしき緑色の図形(以下「本願図形部分」という。)の下側に、「iデンタルクリニック」の文字を横書きし、「i」の文字の上には小さく「アイ」の文字(以下、これらの文字をまとめて「本願文字部分」という。)を横書きしてなるものである。
そして、本願文字部分の構成中「i」の欧文字は「英語アルファベットの第9字」であって(「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館書店)、また、「デンタルクリニック」の文字は「歯科医院」の意味を有する語(「コンサイスカタカナ語辞典第5版」株式会社三省堂)であるものの、これらを結合してなる本願文字部分全体としては、特定の医院の名称を表してなることを連想させるものの、具体的な意味合いは認識できない。そして、その構成中「アイ」の片仮名部分は、「i」の欧文字部分の読み仮名を表したものと容易に理解・認識できる。
また、本願図形部分と本願文字部分は、間隔を空けて配置されており、視覚上分離して看取され得るものであって、称呼や観念における関連性もないから、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないし、ほかに各構成部分を常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。
さらに、本願文字部分は、本願の指定役務との関係において、役務の質等を表示するものでもないから、医院の名称を表すものとして、役務の出所識別標識としての機能を十分に発揮し得る要部といえる。
そうすると、本願商標は、その要部である本願文字部分の構成文字に相応して、「アイデンタルクリニック」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1
引用商標1は、別掲2のとおり、灰色と水色の2本の帯状の曲線図形を組み合わせてなるものであって、欧文字の「I」の筆記体をモチーフにしたとおぼしき図形(以下「引用1図形部分」という。)の右側に、「アイデンタルクリニック」の片仮名(「アイ」の文字は水色で、それ以外の文字は灰色で表されている。)(以下「引用1上段文字部分」という。)を横書きし、その下に、「Wonderful Smile For Everyone」の灰色の欧文字(以下「引用1下段文字部分」という。)を横書きしてなるものである。
そして、引用1上段文字部分の構成中、「アイ」の文字は、「英語のアルファベットの第9字」の意味を有する語(「コンサイスカタカナ語辞典第5版」株式会社三省堂)の表音であって、「デンタルクリニック」の文字は、上記(1)のとおり、「歯科医院」の意味を有する語であるものの、これらを結合してなる引用1上段文字部分全体としては、特定の医院の名称を表してなることを連想させるものの、具体的な意味合いは認識できない。また、引用1下段文字部分中、「Wonderful」の文字は「すばらしい」の、「Smile」の文字は「笑顔」の、「For」の文字は「・・・のために〔の〕」の、「Everyone」の文字は「みんな」の意味をそれぞれ有する語(いずれも前掲「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館書店)であり、これらを結合してなる引用1下段文字部分全体としては「みんなのための素晴らしい笑顔」程のキャッチフレーズのような意味合いを認識させる。
そして、引用1図形部分、引用1上段文字部分及び引用1下段文字部分の各部分は間隔を設けて配置されていること、それぞれの高さが大きく異なること、構成文字の文字種、書体、大きさが異なることからすれば、これらは視覚上分離して看取され得るものであって、称呼や観念における関連性もないから、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないし、ほかに構成全体を常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。
さらに、引用1上段文字部分は、引用商標1の指定役務との関係において、役務の質等を表示するものでもないから、医院の名称を表すものとして、役務の出所識別標識としての機能を十分に発揮し得る要部といえる。
そうすると、引用商標1は、その要部である引用1上段文字部分の構成文字に相応して、「アイデンタルクリニック」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
イ 引用商標2
引用商標2は、別掲3のとおり、灰色と水色の2本の帯状の曲線図形を組み合わせてなるものであって、欧文字の「I」の筆記体をモチーフにしたとおぼしき図形(以下「引用2図形部分」という。)の右側に、「I DENTAL CLINIC」の欧文字(「I」の文字は水色で、それ以外の文字は灰色で表されている。)(以下「引用2上段文字部分」という。)を横書きし、その下に、「Wonderful Smile For Everyone」の灰色の欧文字(以下「引用2下段文字部分」という。)を横書きしてなるものである。
そして、引用2上段文字部分の構成中、「I」の文字は「英語アルファベットの第9字」であり、「DENTAL CLINIC」の文字は、「歯科医院」の意味を有する外来語(「コンサイスカタカナ語辞典第5版」株式会社三省堂)の欧文字表記であるものの、これらを結合してなる引用2上段文字部分全体としては、上記アと同様に、特定の医院の名称を表してなることを連想させるものの、具体的な意味合いは認識できない。また、引用2下段文字部分は、全体として、上記アのとおり、「みんなのための素晴らしい笑顔」程のキャッチフレーズのような意味合いを認識させる。
そして、引用2図形部分、引用2上段文字部分及び引用2下段文字部分の各部分は、上記アと同様の理由から、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえないし、ほかに構成全体を常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。
さらに、引用2上段文字部分は、引用商標2の指定役務との関係において、役務の質等を表示するものでもないから、医院の名称を表すものとして、役務の出所識別標識としての機能を十分に発揮し得る要部といえる。
そうすると、引用商標2は、その要部である引用2上段文字部分の構成文字に相応して、「アイデンタルクリニック」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
(3)本願商標と引用商標との類否
ア 本願商標と引用商標1について
本願商標の要部である本願文字部分と引用商標1の要部である引用1上段文字部分とを比較すると、外観においては、色彩の有無、語頭の文字種の違い、書体の違いなどの差異があるものの、いずれも「iデンタルクリニック」(アイデンタルクリニック)なる共通する語を表してなると理解できるから、記憶される印象を共通にし、両者は外観上相紛らわしい。
次に、称呼においては、いずれも「アイデンタルクリニック」の称呼を生じるから、両者は、称呼上同一である。
さらに、観念においては、いずれも特定の観念を生じるものではないから、両者は、観念上、比較することができない。
以上によれば、本願文字部分と引用1上段文字部分とは、観念において比較することができないものの、外観において相紛らわしく、称呼を同一とするものであるから、その外観、称呼及び観念等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標1は、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標というべきである。
イ 本願商標と引用商標2について
本願商標の要部である本願文字部分と引用商標2の要部である引用2上段文字部分とを比較すると、外観においては、色彩の有無、文字種の差異、書体の違いという差異があるものの、いずれも「iデンタルクリニック」(I DENTAL CLINIC)なる共通する語を表してなると理解できるから、記憶される印象を共通にし、両者は外観上相紛らわしい。
次に、称呼においては、いずれも「アイデンタルクリニック」の称呼を生じるから、両者は称呼上同一である。
さらに、観念においては、いずれも特定の観念を生じるものではないから、両者は、観念上比較することができない。
以上によれば、本願文字部分と引用2上段文字部分とは、観念において比較することができないものの、外観において相紛らわしく、称呼を同一とするものであるから、その外観、称呼及び観念等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標2は、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否について
本願の指定役務と引用商標の指定役務は同一又は類似の役務を含む。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは類似の商標であり、かつ、それらの指定役務は同一又は類似の役務である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、「iデンタルクリニック」(アイデンタルクリニック)と称される歯科医院は、国内に数多く存在するものであって、その表記は、「i」および「デンタルクリニック」それぞれを、ローマ字・ひらがな・片仮名・英文等に変更した類似のものも混在しているから、「iデンタルクリニック」の文字部分のみの識別力は乏しい旨述べ、「本願商標については、「iデンタルクリニック」の文字部分と図形部分から成る全体の構成が一体となって、初めて自他商品役務の識別力を有する」と主張している。
しかしながら、請求人からは、本願商標の構成中「iデンタルクリニック」の文字部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないことを具体的に裏付ける証拠等の提出はない。そして、本願商標は、上記1(1)のとおり、「iデンタルクリニック」の文字部分は、医院の名称を表すものとして、役務の出所識別標識としての機能を十分果たし得る要部といえるから、当該文字部分を要部として抽出し、他の商標と比較して商標の類否を判断することも許される。
したがって、請求人の主張は採用できない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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