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特許拒絶査定不服審判

2022-015723

電磁波検出装置および情報取得システム

審判番号
2022-015723
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-233989外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年10月03日
審決日
2023年12月27日
公報発行日
2024年03月29日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (G01S)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第44条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-233989「電磁波検出装置および情報取得システム」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 5月14日出願公開、特開2020- 73894〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、平成29年5月25日に出願された特願2017-103942号の一部を令和元年12月25日に特許法44条1項の規定に基づいて新たな特許出願とした特許出願であって、その出願後の手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和元年12月25日 :上申書の提出 令和3年 1月13日付け:拒絶理由通知書 同年 3月23日 :意見書、手続補正書の提出 同年 6月 1日付け:拒絶理由通知書(最後) 同年 8月 6日 :意見書、手続補正書の提出 令和4年 1月19日付け:拒絶理由通知書 同年 3月16日 :意見書、手続補正書の提出 同年 7月13日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同月19日 :原査定の謄本の送達) 同年10月 3日 :審判請求書の提出 令和5年 8月30日付け:拒絶理由通知書 同年11月 2日 :面接 同月 6日 :意見書、手続補正書の提出 なお、令和5年8月30日付けで当審において通知した拒絶理由通知書を、以下「当審拒絶理由通知書」といい、これに対して、同年11月6日に請求人から提出された意見書を、以下、単に「意見書」という。 2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和5年11月6日に提出された手続補正書(以下、当該手続補正書による補正を「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。 「【請求項1】 照射系と、前記照射系を含まない受光系と、を備え、 前記照射系は、 照射部から照射する電磁波の照射領域を変化させる反射部を有し、 前記受光系は、 入射する電磁波の一部を第2の方向に進行させる分離部と、 前記第2の方向に進行した電磁波を第3の方向に進行させる第1の状態および第4の方向に進行させる第2の状態に切替え可能な切替素子を複数有し、複数の前記切替素子のうち前記照射領域に対応する前記切替素子を前記第1の状態とし、前記照射領域に対応しない前記切替素子を前記第2の状態に切替える動作を前記照射部からの電磁波の照射毎に行う切替部と、 前記第3の方向に進行した前記電磁波を検出する第2の検出部と、 第1の方向に進行する電磁波を検出する第1の検出部と、を有し、 前記照射部は、赤外線を照射し、 前記分離部は、入射する電磁波の一部を前記第1の方向及び前記第2の方向に進行させるコールドミラーであり、 前記第1の検出部は、前記分離部から前記切替部への電磁波の経路に対して、前記第2の検出部側に配置される撮像素子であり、 前記第2の検出部は、測距センサである 電磁波検出装置。」 3 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由通知書において通知した拒絶の理由のうち、本件補正前の請求項1に係る発明に対する拒絶の理由(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。 (進歩性の欠如)本件補正前の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において発行された、下記の引用文献に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献3.特開2010-96574号公報 引用文献6.特開2003-172612号公報 引用文献7.特開2001-311612号公報 4 当審の判断 (1) 引用文献に記載された発明の認定等 ア 引用文献3に記載された事項と引用発明の認定 (ア) 引用文献3に記載された事項 当審拒絶理由通知書において引用した前記引用文献3(特開2010-96574号公報)には、以下の事項が記載されている。下線は、当合議体によるものであり、以下同様である。 a 【0001】 「【技術分野】 【0001】 本発明は、例えば、交差点内や踏切内における人の存否を監視するのに利用されるレーザレーダ及びレーザレーダによる計測方法に関するものである。」 b 【0002】、【0003】 「【背景技術】 【0002】 従来、上記したレーザレーダとしては、例えば、レーザ光を発する投光部と、この投光部から発したレーザ光を二次元的に走査する走査部と、この走査部によるレーザ光走査により計測対象で反射して戻るレーザ光を受ける受光部と、投光部にレーザ光の投光指令を発すると共に走査部による走査を制御する制御部と、この制御部から与えられるレーザ光の投光タイミング及び前記受光部から与えられる反射レーザ光の受光タイミングに基づいて前記計測対象の三次元情報を取得する距離演算部を備えたものがある。 【0003】 このようなレーザレーダにおいて、一般的に、走査部は、投光部から発したレーザ光を水平方向に走査するポリゴンミラーと、このポリゴンミラーからのレーザ光を垂直方向に走査する揺動ミラーを具備したものとなっており、受光部は、計測対象で反射して戻るレーザ光を走査部の揺動ミラー及びポリゴンミラーを介して受けるようになっている(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2005-69975号」 c 【0004】~【0013】 「【発明が解決しようとする課題】 【0004】 ところが、上記したレーザレーダでは、受光部が、計測対象で反射して戻るレーザ光を走査部の機械的に駆動される揺動ミラー及びポリゴンミラーを介して受けるようになっているので、ポリゴンミラー及び揺動ミラーの寸法がいずれも大きくなってしまい、その分だけ、レーザ光走査の高速化及び装置の小型化が困難であると共に、コストの上昇を避け得ないという問題があり、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。 【0005】 本発明は、上述した従来の課題に着目してなされたもので、レーザ光走査の高速化及び装置の小型化を実現することができると共に、コスト低減をも実現することが可能であるレーザレーダ及びレーザレーダによる計測方法を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明の請求項1に係るレーザレーダは、レーザ光を発する投光部と、この投光部から発したレーザ光を二次元的に走査する走査部と、前記投光部にレーザ光の投光指令を発すると共に前記走査部による走査を制御する制御部と、前記走査部によるレーザ光走査により計測対象で反射して戻る反射レーザ光のみを前記制御部からの指令に基づいて選択する選択手段と、この選択手段で選択された反射レーザ光を受ける受光部と、前記制御部から与えられるレーザ光の投光タイミング及び前記受光部から与えられる反射レーザ光の受光タイミングに基づいて前記計測対象の距離情報を取得する距離演算部を備えた構成としたことを特徴としており、このレーザレーダの構成を前述の従来の課題を解決するための手段としている。 【0007】 また、本発明の請求項2に係るレーザレーダは、面の向きを個別に2値制御可能な微小ミラーを多数マトリクス状に並べて成り、前記制御部から指定される微小ミラーの面の向きを変更操作することで、計測対象から反射して戻る反射レーザ光のみを選択的に反射して前記受光部に送るデジタルマイクロミラーデバイスを選択手段とした構成としている。 さらに、本発明の請求項3に係るレーザレーダは、個別に遮光透過の制御が可能な画素を多数マトリクス状に並べて成り、前記制御部から指定される画素を透過状態とすることで、計測対象から反射して戻る反射レーザ光のみを選択的に透過して前記受光部に送る液晶シャッタを選択手段とした構成としている。 【0008】 一方、本発明の請求項4に係る発明は、請求項1~3のいずれかに記載のレーザレーダにより計測を行うに際して、制御部から指令を発して、走査部を動作させつつ投光部からレーザ光を投光して、適宜方向にレーザ光を走査し、この走査部によるレーザ光走査により計測対象から反射して戻る反射レーザ光のみを制御部からの指令により選択手段で選択させて受光部に送り、距離演算部において、前記制御部から与えられるレーザ光の投光タイミング及び前記受光部から与えられる反射レーザ光の受光タイミングに基づいて前記計測対象までの距離情報を取得する構成としたことを特徴としており、このレーザレーダによる計測方法の構成を前述の従来の課題を解決するための手段としている。 【0009】 本発明のレーザレーダ及びレーザレーダによる計測方法において、投光部から発するレーザ光としては、半導体レーザや固体レーザやガスレーザなどを用いることができ、信号波形がパルス状や振幅変調した正弦波状を成すレーザ光が使用される。 本発明のレーザレーダでは、計測を行う場合、制御部から指令を発して、走査部を動作させつつ投光部からパルス状や振幅変調した正弦波状のレーザ光を投光して、適宜方向に対するレーザ光の走査を開始する。 【0010】 これと同時に、制御部から指令を発して選択手段を動作させ、走査部によるレーザ光走査により計測対象から反射して戻る反射レーザ光のみを選択して受光部に送るようにし、このとき、制御部から与えられるレーザ光の投光タイミング及び受光部から与えられる反射レーザ光の受光タイミングに基づいて距離演算部により処理することで、計測対象までの距離情報を求め得ることとなる。 【0011】 つまり、このレーザレーダでは、計測対象から反射して戻る反射レーザ光のみを選択し得る選択手段を受光部側に配置することで、機械的に駆動される揺動ミラーやポリゴンミラーを有する走査部を介さずに、受光部が計測対象から反射して戻る反射レーザ光を受けることができるようにしているので、走査部のポリゴンミラーや揺動ミラーに大きなものを用いる必要がなく、したがって、レーザ光走査の高速化及び装置の小型化が図られるうえ、低コスト化も図られることとなる。 【0012】 そして、上記したように、選択手段としてデジタルマイクロミラーデバイスを採用した場合には、受光率が良くなって高精度の計測を行い得ることとなり、一方、選択手段として液晶シャッタを採用した場合には、より一層の低コスト化が図られることとなる。 【発明の効果】 【0013】 本発明の請求項1に係るレーザレーダでは、上記した構成としたから、レーザ光走査の高速化及び装置の小型化を実現することができると共に、低コスト化をも実現可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。 また、本発明の請求項2に係るレーザレーダでは、上記した構成としているので、請求項1に係るレーザレーダと同じ効果が得られるのに加えて、計測精度の向上を実現することが可能であり、本発明の請求項3に係るレーザレーダでは、上記した構成としているので、より一層の低コスト化を実現することができるという非常に優れた効果がもたらされる。」 d 【0015】~【0019】、【図1】~【図3】 「【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下、本発明に係るレーザレーダ及びレーザレーダによる計測方法を図面に基づいて説明する。 図1~図3は、本発明に係るレーザレーダの一実施形態を示している。 図1に示すように、このレーザレーダ1は、パルス状のレーザ光LTを発する投光部2と、この投光部2から発したレーザ光LTを二次元的に走査する走査部3と、投光部2にレーザ光LTの投光指令を発すると共に走査部3による走査を制御する制御部4と、走査部3によるレーザ光LTの走査により走査範囲内の計測対象で反射して戻る反射レーザ光LRのみを制御部4からの指令に基づいて選択するデジタルマイクロミラーデバイス(選択手段)5と、このデジタルマイクロミラーデバイス5で選択された反射レーザ光LRを受ける受光部6と、制御部4から与えられるレーザ光LTの投光タイミング及び受光部6から与えられる反射レーザ光LRの受光タイミングに基づいて計測対象の距離情報を取得する距離演算部7を備えている。 【0016】 この場合、走査部3は、モータ3aの出力により回転するポリゴンミラー3bと、モータ3cの出力により揺動してポリゴンミラー3bで反射した投光部2からのレーザ光LTを計測対象に走査する揺動ミラー3dを具備している。 また、選択手段としてのデジタルマイクロミラーデバイス5は、図2に示すように、面の向きを個別に2値制御可能な微小ミラー5aを多数マトリクス状に並べて成るものであり、このデジタルマイクロミラーデバイス5の走査範囲E側及び受光部6側には、受光レンズ8,9がそれぞれ配置してある。 【0017】 この実施形態において、走査範囲E側の受光レンズ8を通して入射した光を受光部6側の受光レンズ9に向けて反射させるべく微小ミラー5aの面の向きを変更する場合をオン操作とし、受光レンズ8を通して入射した光を受光レンズ9から外れた向きに反射させるべく微小ミラー5aの面の向きを保持する場合をオフ操作としている。 つまり、図3に示すように、制御部4から指定される微小ミラー5aのみをオン操作することで、計測対象Pで反射して受光レンズ8を介して戻る反射レーザ光LRのみを微小ミラー5aで反射して受光レンズ9に送るようにしており、この受光レンズ9では、デジタルマイクロミラーデバイス5で選択された反射レーザ光LRを受光部6の受光素子に送って結像させるようになっている。 【0018】 この実施形態に係るレーザレーダ1では、計測を行う場合、制御部4から投光指令及び速度指令を発して、走査部3を動作させつつ投光部2からパルス状のレーザ光LTを投光して、走査範囲Eに対するレーザ光LTの走査を開始する。 これと同時に、投光側である走査部3のポリゴンミラー3b(垂直走査)及び揺動ミラー3d(水平走査)から各角度情報を得た制御部4からデジタルマイクロミラーデバイス5に選択指令を発して、ポリゴンミラー3b及び揺動ミラー3dの各向きに対応する微小ミラー5aのみをオン操作し、計測対象Pから受光レンズ8を介して戻る反射レーザ光LRのみをオン操作された微小ミラー5aで反射して受光レンズ9に送る。 【0019】 そして、この受光レンズ9を通して送られた反射レーザ光LRが受光部6の受光素子上で結像した時点で、制御部4から与えられるレーザ光LTの投光タイミング及び受光部6から与えられる反射レーザ光LRの受光タイミングに基づいて距離演算部7により処理することで、計測対象Pまでの距離情報を求め得ることとなる。 このように、上記したレーザレーダ1では、計測対象Pから反射して戻る反射レーザ光LRのみを選択し得るデジタルマイクロミラーデバイス5を受光部6側に配置するようにしているので、機械的に駆動される揺動ミラー3dやポリゴンミラー3bを有する走査部3を介さずに、受光部6が計測対象Pから反射して戻る反射レーザ光LRを受けることができ、したがって、走査部3のポリゴンミラー3bや揺動ミラー3dに大型のものを用いる必要がなくなる分だけ、レーザ光走査の高速化及び装置の小型化が図られるのに加えて、低コスト化も図られることとなる。」 「【図1】 [図:0001407261000001.jpg] 」 「【図2】 [図:0001407261000002.jpg] 」 「【図3】 [図:0001407261000003.jpg] 」 (イ) 引用発明の認定 a 引用文献3の【0002】には、背景技術として、「レーザ光の投光タイミング及び前記受光部から与えられる反射レーザ光の受光タイミングに基づいて前記計測対象の三次元情報を取得する距離演算部」と記載されている。当該記載から、引用文献3に記載の発明の前提として、引用文献3に開示された「レーザレーダ1」が、二次元的に走査するレーザ光LTを投光するタイミングと、その反射レーザ光LRを受光するタイミングから、計測対象の距離情報を取得するのは、計測対象の三次元情報を取得するためであることが読み取れる。したがって、引用文献3には、次の技術事項(以下「認定事項1」という。)が記載されていると認められる。 <認定事項1> 「計測対象の三次元情報を取得するレーザレーダ1」 b 前記(ア)の記載事項及び前記aの認定事項を総合すると、引用文献3には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 <引用発明> 「計測対象の三次元情報を取得するレーザレーダ1であって、(認定事項1) パルス状のレーザ光LTを発する投光部2と、この投光部2から発したレーザ光LTを二次元的に走査する走査部3と、投光部2にレーザ光LTの投光指令を発すると共に走査部3による走査を制御する制御部4と、走査部3によるレーザ光LTの走査により走査範囲内の計測対象で反射して戻る反射レーザ光LRのみを制御部4からの指令に基づいて選択するデジタルマイクロミラーデバイス(選択手段)5と、このデジタルマイクロミラーデバイス5で選択された反射レーザ光LRを受ける受光部6と、制御部4から与えられるレーザ光LTの投光タイミング及び受光部6から与えられる反射レーザ光LRの受光タイミングに基づいて計測対象の距離情報を取得する距離演算部7を備え、(【0015】) 選択手段としてのデジタルマイクロミラーデバイス5は、面の向きを個別に2値制御可能な微小ミラー5aを多数マトリクス状に並べて成るものであり、このデジタルマイクロミラーデバイス5の走査範囲E側及び受光部6側には、受光レンズ8,9がそれぞれ配置しており、(【0016】) 走査範囲E側の受光レンズ8を通して入射した光を受光部6側の受光レンズ9に向けて反射させるべく微小ミラー5aの面の向きを変更する場合をオン操作とし、受光レンズ8を通して入射した光を受光レンズ9から外れた向きに反射させるべく微小ミラー5aの面の向きを保持する場合をオフ操作としており、(【0017】) レーザレーダ1では、計測を行う場合、制御部4から投光指令及び速度指令を発して、走査部3を動作させつつ投光部2からパルス状のレーザ光LTを投光して、走査範囲Eに対するレーザ光LTの走査を開始し、(【0018】) これと同時に、投光側である走査部3のポリゴンミラー3b(垂直走査)及び揺動ミラー3d(水平走査)から各角度情報を得た制御部4からデジタルマイクロミラーデバイス5に選択指令を発して、ポリゴンミラー3b及び揺動ミラー3dの各向きに対応する微小ミラー5aのみをオン操作し、計測対象Pから受光レンズ8を介して戻る反射レーザ光LRのみをオン操作された微小ミラー5aで反射して受光レンズ9に送り、(【0018】) この受光レンズ9を通して送られた反射レーザ光LRが受光部6の受光素子上で結像した時点で、制御部4から与えられるレーザ光LTの投光タイミング及び受光部6から与えられる反射レーザ光LRの受光タイミングに基づいて距離演算部7により処理することで、計測対象Pまでの距離情報を求めるものであり、(【0019】) 計測対象Pから反射して戻る反射レーザ光LRのみを選択し得るデジタルマイクロミラーデバイス5を受光部6側に配置するようにしているので、機械的に駆動される揺動ミラー3dやポリゴンミラー3bを有する走査部3を介さずに、受光部6が計測対象Pから反射して戻る反射レーザ光LRを受けることができる、(【0019】) レーザレーダ1。」 イ 引用文献6に記載された事項の認定 (ア) 引用文献6に記載された事項 当審拒絶理由通知書において引用した前記引用文献6(特開2003-172612号公報)には、以下の事項が記載されている。 a 【0085】~【0089】、【図6】 「【0085】(実施形態3)図6は、本発明による実施形態3の光照射受光装置の概略構成を示す模式図である。図6において、1Cは光照射受光装置、2は被計測物体、3は発光手段、302は照射角調節手段、303は赤外光源、4は第1撮像手段、5は光軸一致手段、501は偏光ビームスプリッタ、502はλ/4波長板、6は焦点調節手段、7Aは光分離手段(コールドミラー)、8は第2撮像手段である。また、図6に示した矢印のうち、実線の矢印は被計測物体に照射する光の進路を示し、破線の矢印は受光する光の進路を示す。また、実線の矢印に添えたsはs偏光であることを示し、破線の矢印に添えたpはp偏光であることを示す。 【0086】本実施形態3の光照射受光装置1Cは、図6に示すように、被計測物体2に照射する赤外光を発光する発光手段3と、前記被計測物体2で反射した赤外光を受光して撮像する第1撮像手段4と、前記被計測物体2に照射する赤外光の光軸と、前記第1撮像手段4で受光する赤外光の光軸を一致させる光軸一致手段5と、前記第1撮像手段4で撮像する像の焦点を調節する焦点調節手段6と、前記被計測物体2で反射した光を赤外光と可視光に分離する光分離手段7Aと、前記光分離手段7Aによって分離した可視光を受光して撮像する第2撮像手段8とにより構成されている。 【0087】また、前記発光手段3は、直線偏光の赤外光を発光する赤外光源303と、前記赤外光源303で発光した赤外光の照射角を調節する照射角調節手段302とを備える。また、前記光軸一致手段5は、入射する光の偏光面の向きに応じて光を反射あるいは透過させる偏光ビームスプリッタ501と、入射した光の偏光面を45度回転させるλ/4波長板502とを備える。また、前記光分離手段7A、前記λ/4波長板502は、前記偏光ビームスプリッタ501と前記被計測物体2との間に、前記被計測物体2側から、前記光分離手段7、前記λ/4波長板502の順に配置されている。 【0088】また、本実施形態3の光照射受光装置1Cにおいて、前記光分離手段7Aは、赤外光を透過し、可視光を反射するコールドミラーであり、前記焦点調節手段6、前記コールドミラー7A、前記λ/4波長板502、前記偏光ビームスプリッタ501は、図6に示したように、前記被計測物体2と前記第1撮像手段4とを結ぶ直線上に、前記被計測物体2側から、前記焦点調節手段6、前記コールドミラー7A、前記λ/4波長板502、前記偏光ビームスプリッタ501の順に配置されている。 【0089】また、前記赤外光源303は、発光した赤外光の偏光面が前記偏光ビームスプリッタ501で反射する向きになり、かつ、前記偏光ビームスプリッタ501で反射した赤外光が前記被計測物体2に照射されるように配置されている。また、前記第2撮像手段8は、前記被計測物体2からの可視光が前記コールドミラー7Aで反射する方向に配置されている。」 「【図6】 [図:0001407261000004.jpg] 」 b 【0098】~【0106】、【図7】 「【0098】また、前記コールドミラー7Aを用いて、前記被計測物体2で反射した光から可視光を分離し、前記第2撮像手段8で受光し、撮像することにより、前記第1撮像手段4で撮影した範囲の色情報を取得することができる。そのため、前記被計測物体2の形状及び色情報を測定でき、前記被計測物体2を認識しやすくなる。 【0099】図7は、本実施形態3の光照射受光装置の具体的な構成例を示す模式図である。本実施形態3の光照射受光装置1Cは、主に、前記被計測物体の三次元形状を測定したり、パターン認識をしたりするのに用いられる三次元形状測定装置として用いられ、前記赤外光源303として、図4に示すように、パルスレーザ光を発光する半導体レーザ発振器303を用いる。 【0100】また、前記撮像手段4は、赤外光に感度を有し、高速のシャッター動作及び増幅をするゲート付きMCP401及びリレーレンズ402が設けられた撮像カメラ403を用いる。また、必要に応じて前記λ/4波長板502と前記撮像カメラ403の間に、前記赤外半導体レーザ発振器303で発光したレーザパルス光の波長以外の波長の光を除去するバンドパスフィルタ404を設ける。また、前記焦点調節手段6は、例えば、焦点距離の短いCマウントレンズ601と、焦点距離延長レンズ602を組み合わせて用いる。 【0101】図7に示した三次元形状測定装置の動作を簡単に説明すると、まず、前記赤外半導体レーザ発振器303でレーザパルス光を発光する。前記レーザパルス光は、前記照射角調節手段302で、前記レーザパルス光の照射角が前記撮像カメラで撮影する範囲(撮像画角)と同等あるいはやや広くなるように調節して前記偏光ビームスプリッタ501に入射する。 【0102】このとき、前記赤外半導体レーザ発振器303は、前記レーザパルス光がs偏光になるように配置されており、前記偏光ビームスプリッタ501で反射し、前記λ/4波長板502で円偏光になり、前記コールドミラー7Aを透過し、前記焦点延長レンズ602及び前記Cマウントレンズ601を通って前記被計測物体2に照射される。 【0103】前記被計測物体2に照射され、反射したレーザパルス光は、再び前記Cマウントレンズ601及び焦点距離延長レンズ602を通り、前記コールドミラー7Aに入射する。このとき、反射した前記レーザパルス光のうち円偏光の赤外光は、前記コールドミラー7Aを透過し、前記λ/4波長板502で、前記赤外半導体レーザ発振器303で発光したレーザパルス光の偏光面と直交する偏光面のパルス光、すなわちp偏光になる。そのため、前記偏光ビームスプリッタ501を透過する。また、前記反射したレーザパルス光の無偏光成分は、前記偏光ビームスプリッタ501が透過する偏光面に近い成分が透過する。 【0104】前記偏光ビームスプリッタ501を透過した光は、前記バンドパスフィルタ404に入射され、前記赤外半導体レーザ光源303で発光したレーザパルス光の波長以外の外光成分が除去される。前記バンドパスフィルタ404を通過した光は、前記ゲート付きMCP401を用いて高速のシャッター動作をさせながら、前記リレーレンズ402を通して前記撮像カメラ403で光の像を撮影する。 【0105】このとき、前記被計測物体2の各部位で反射した光には、前記半導体レーザ発振器から前記被計測物体までの距離と、前記被計測物体から前記撮像カメラまでの距離の和に応じた時間差がある。そのため、高速のシャッター動作をさせながら像を撮影することにより、撮影された画像には、単位時間内に到達した光の光量に応じた濃淡が現われる。そこで、前記撮像した画像の濃淡値にもとづき、飛行時間法を用いて、撮影した画像の各点に対する前記被計測物体までの距離を求めることにより、前記被計測物体の形状を求めることができる。 【0106】一方、前記コールドミラー7Aに入射した可視光は、前記コールドミラー7Aで反射するが、そのままでは撮影した像の左右が入れ替わるため、ミラー9でもう一度反射させ、像の左右を元に戻したあと、前記第2撮像手段8で受光し、撮像する。」 「【図7】 [図:0001407261000005.jpg] 」 (イ) 引用文献6技術事項の認定 前記(ア)の記載事項を総合すると、引用文献6には、次の技術事項(以下「引用文献6技術事項」という。)が記載されているものと認められる。 <引用文献6技術事項> 「三次元形状測定装置として用いられる光照射受光装置1Cであって、(【0099】) 光照射受光装置1Cは、被計測物体2に照射する赤外光を発光する発光手段3と、前記被計測物体2で反射した赤外光を受光して撮像する第1撮像手段4と、前記被計測物体2で反射した光を赤外光と可視光に分離する光分離手段7Aと、前記光分離手段7Aによって分離した可視光を受光して撮像する第2撮像手段8とにより構成されており、(【0086】) 前記光分離手段7Aは、赤外光を透過し、可視光を反射するコールドミラーであり、(【0088】) 前記コールドミラー7Aを用いて、前記被計測物体2で反射した光から可視光を分離し、前記第2撮像手段8で受光し、撮像することにより、前記第1撮像手段4で撮影した範囲の色情報を取得することができ、そのため、前記被計測物体2の形状及び色情報を測定でき、前記被計測物体2を認識しやすくなる、(【0098】) 光照射受光装置1C。」 ウ 引用文献7に記載された事項の認定 (ア) 引用文献7に記載された事項 当審拒絶理由通知書において引用した前記引用文献7(特開2001-311612号公報)には、以下の事項が記載されている。 a 【0001】~【0003】 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、物体に対して2次元または1次元の走査を行うように参照光を投光し、物体上の複数の位置について光の往復伝搬時間を測定する形状入力装置に関する。 【0002】 【従来の技術】光のパルスの送信から物体で反射して戻ったパルスの受信までの飛行時間(TOF:time of flight)を測定することにより、既知の光伝搬速度を適用して対物間距離を求めることができる。この手法を用いた測距装置において、パルス光を偏向する走査機構を組み込むことにより、測距装置自体の位置や姿勢を変えて測距を繰り返すのに比べて、多数方向の測距(多点測定)を迅速に行うことができる。2次元走査を行うように走査機構を駆動すれば、物体面の起伏の測定(3次元入力)が可能となる。1次元走査でもそれ相応の範囲の形状情報を得ることができる。 【0003】従来、物体上の走査位置の確認を容易にするため、測距のための光学系と並べて撮像手段を配置し、物体を撮影して表示することが行われている。特開平8-21878号公報には、撮像レンズで集光した光を可視光とレーザ光とに分離して物体上のレーザスポット位置を検出し、物体の撮影像を表示する際にレーザスポット位置をマーキングする装置が記載されている。」 b 【0007】~【0016】、【図1】、【図3】 「【0007】 【課題を解決するための手段】本発明においては、飛行時間法による測距のための走査光学系と測定対象物体との間の光路内、または物体の画像を入力する撮像光学系と測定対象物体との間の光路内に、測定光と撮像光とを分離する光学素子(例えばダイクロイックミラー)を設け、測距の方向線と撮像の視線とが物体-光学素子間の範囲で一致するように走査光学系、撮像光学系、および光学素子を配置する。 【0008】 【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕図1は本発明に係る形状入力測距装置の全体構成を示すブロック図、図2は測距の概念図である。 【0009】形状入力装置1は、光パルスの送受信のための光学走査系10、コントローラ60、物体9のカラー画像またはモノクロ画像を入力する撮像系70、および光路分離手段75を備えている。光学走査系10、撮像系70、および光路分離手段75の配置関係は固定であるが、これらとコントローラ60とが一体である必要はない。コントローラ60としてパーソナルコンピュータを用いてもよい。撮像系70としてビデオカメラまたは電子スチルカメラを用いることが可能である。 【0010】光学走査系10は、光源と光検知器とを有した多点測定のための走査機構30、光源を駆動する発光回路40、および受信回路50から構成されている。受信回路50は、光検知器からの光電変換信号に応じて反射パルス光の受信時点t2を示す受信データをコントローラ60へ送る。コントローラ60は、発光指示信号の出力から一定時間が経過した時点を送信時点t1として、送信時点t1から受信時点t2までの光伝搬時間(飛行時間)Taを算定する。さらにコントローラ60は光伝搬時間Taと既知の光伝搬速度(3×108m/s)とから物体9までの距離Lを算出する。 【0011】図3は第1実施形態の光路構成を示す図である。撮像系70は、その視野βが光学走査系10の走査範囲αと交差するように配置されている。図では両者の光軸の交差角度が90度であるが、これに限定されない。 【0012】撮像系70の視野βと光学走査系10の走査範囲αとが交差する位置には、光路分離手段としての分離ミラー75が配置されている。分離ミラー75は、光学走査系10が射出する測定光の波長を含む特定波長域の光を選択的に透過させ、他の波長域の光を反射する特性をもつ。分離ミラー75としてはダイクロイックミラーが好適である。測定光が赤外線である場合には、コールドミラーを用いることができる。 【0013】分離ミラー75での反射によって、図中に破線で示すように視野βは偏向される。一方、光学走査系10の走査範囲αは、分離ミラー75のガラス厚に対応した極めて僅かな屈折を除けば、図中に実線で示すとおりほとんど影響を受けない。ここで、走査範囲αおよび視野βの中に存在する物体表面上の任意の点Pについて、点Pへ向かう撮像系70の視線V70のうちの偏向後の部分と、点Pへ向かう測定光の光路V10とが互いに実質的に一致するように、光学走査系10と撮像系70と分離ミラー75の三者の相対的な姿勢関係が設定される。なお、図3ではPに至る視線V70と光路V10とを区別して表すため、これらを互いにずらして描いてある。 【0014】このような姿勢関係は、例えば次の条件設定によって実現可能である。すなわち、撮像系70と光学走査系10とを、それぞれの光軸が互いに90度の角度をもって向き合うように配置する。光軸の交差位置に、分離ミラー75を、撮像系70および光学走査系10の双方に対して45度の傾斜姿勢をとるように配置する。そして、物体表面上の任意の点Pから光学走査系10の走査中心Rまでの距離(d0+d1)と、点Pから撮像系70の光学主点Qまでの距離(d0+d1)とが等しくなるように、すなわちd1=d2となるように配置位置を決める。 【0015】以上の構成によって、物体9の形状情報の入力と、2次元画像情報の入力とを、実質的に同一視点から同一視線で、かつ互いにほとんど影響し合うことなく同時に行うことが可能となる。入力される形状情報と2次元画像情報との“見え”が一致してオクルージョンが生じないので、両情報の比較や対応づけが容易になる。 【0016】また、例示では、撮像の視野βと測距の走査範囲αとが、広がり角が互いにほぼ一致するように設定されている。これによって、視差が無いだけでなく、形状(3次元)と画像(2次元)とで入力領域の整合のとれた情報入力が可能となる。ただし、必ずしも視野βと走査範囲αとが一致する必要はなく、一方が他方の一部に包含されたり、両者が互いに部分的に重なり合ったりする形態であってもよい。」 「【図1】 [図:0001407261000006.jpg] 」 「【図3】 [図:0001407261000007.jpg] 」 c 【0017】~【0018】、【図4】 「【0017】以下、2次元の走査を行う場合の装置構成を説明する。図4は光学走査系の第1例の模式図である。図4の光学走査系10は、2個の走査ミラー31,35とそれらを回転させるアクチュエータ32,36とを有する。光源である半導体レーザ11から放射されたパルス光は、拡がり角を調整する投光レンズ12を通りプリズム13を経て第1の走査ミラー31に入射する。走査ミラー31は軸A1を中心に回転し、角度位置に応じた方向にパルス光を偏向する。走査ミラー31で偏向されたパルス光は第2の走査ミラー35で反射して外部の物体9へ向かう。走査ミラー35は、軸A1に対して交差またはねじれの関係にある軸A2を中心に回転する。 【0018】物体9の表面が鏡面でない限り、パルス光P1は拡散反射をする。したがって、物体表面への入射が垂直入射でなくても反射したパルス光P2の少なくとも一部は光学走査系10に向かう。光学走査系10に戻ったパルス光P2は、走査ミラー35および走査ミラー31で反射して受光レンズ21へ進む。受光レンズ21はパルス光P2を光検知器22の受光面に集光する。形状入力装置1においては、走査ミラー31,35の角度位置を変化させることにより、装置自身の設置位置や姿勢を変えることなく、物体9の複数箇所までの距離を測定することができる。」 「【図4】 [図:0001407261000008.jpg] 」 (イ) 引用文献7技術事項の認定 前記(ア)の記載事項を総合すると、引用文献7には、次の技術事項(以下「引用文献7技術事項」という。)が記載されているものと認められる。 <引用文献7技術事項> 「光パルスの送受信のための光学走査系10、コントローラ60、物体9のカラー画像またはモノクロ画像を入力する撮像系70、および光路分離手段75を備えている形状入力装置1であって、(【0009】) 光学走査系10は、光源と光検知器とを有した多点測定のための走査機構30、光源を駆動する発光回路40、および受信回路50から構成され、受信回路50は、光検知器からの光電変換信号に応じて反射パルス光の受信時点t2を示す受信データをコントローラ60へ送り、コントローラ60は、発光指示信号の出力から一定時間が経過した時点を送信時点t1として、送信時点t1から受信時点t2までの光伝搬時間(飛行時間)Taを算定し、さらにコントローラ60は光伝搬時間Taと既知の光伝搬速度(3×108m/s)とから物体9までの距離Lを算出し、(【0010】) 撮像系70の視野βと光学走査系10の走査範囲αとが交差する位置には、光路分離手段としての分離ミラー75が配置され、分離ミラー75としては、測定光が赤外線である場合には、コールドミラーを用いることができ、(【0012】) 撮像系70と光学走査系10とを、それぞれの光軸が互いに90度の角度をもって向き合うように配置し、光軸の交差位置に、分離ミラー75を、撮像系70および光学走査系10の双方に対して45度の傾斜姿勢をとるように配置し、(【0014】) 以上の構成によって、物体9の形状情報の入力と、2次元画像情報の入力とを、実質的に同一視点から同一視線で、かつ互いにほとんど影響し合うことなく同時に行うことが可能となり、入力される形状情報と2次元画像情報との“見え”が一致してオクルージョンが生じないので、両情報の比較や対応づけが容易になる、(【0015】) 形状入力装置1。」 (2) 対比 ア 対比分析 本願発明と引用発明を対比する。 (ア)a 引用発明の「レーザレーダ1」は、「パルス状のレーザ光LTを発する投光部2」と「反射レーザ光LRを受ける受光部6」を備えているところ、引用発明における「レーザ光LT」と「反射レーザ光LR」は、本願発明の「電磁波」に相当し、引用発明における「レーザレーダ1」は、「電磁波検出装置」に相当する。 b よって、「電磁波検出装置」の発明である本願発明と「レーザレーダ1」の発明である引用発明は、「電磁波検出装置」の発明である点において一致する。 (イ)a 引用発明の「投光部2」及び「走査部3」は、本願発明の「照射系」に相当する。 b 引用発明の「デジタルマイクロミラーデバイス(選択手段)5」及び「受光部6」は、本願発明の「受光系」に相当する。 c そして、引用発明においては、「デジタルマイクロミラーデバイス5を受光部6側に配置するようにしているので、機械的に駆動される揺動ミラー3dやポリゴンミラー3bを有する走査部3を介さずに、受光部6が計測対象Pから反射して戻る反射レーザ光LRを受けることができる」(【0019】)ものであるから、引用発明の「デジタルマイクロミラーデバイス(選択手段)5」及び「受光部6」は、「投光部2」及び「走査部3」を含まないことは明らかである。したがって、引用発明の「デジタルマイクロミラーデバイス(選択手段)5」及び「受光部6」は、本願発明の「照射系を含まない受光系」に相当する。 d よって、本願発明と引用発明は、次の点において一致する。 「照射系と、前記照射系を含まない受光系と、を備え[る]」点。 (ウ)a 引用発明の「投光部2」は、本願発明の「照射部」に相当する。 b 引用発明の「走査部3」は、「ポリゴンミラー3b(垂直走査)及び揺動ミラー3d(水平走査)」(【0018】)により、「投光部2から発したレーザ光LTを二次元的に走査する」(【0015】)ものであるから、本願発明の「照射部から照射する電磁波の照射領域を変化させる反射部」に相当する。 c よって、前記(イ)aで検討した事項も踏まえると、本願発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記照射系は、照射部から照射する電磁波の照射領域を変化させる反射部を有し[ている]」点。 (エ)a 引用発明の「デジタルマイクロミラーデバイス5」は、次の(a)から(c)の構成を有している。 (a) 「面の向きを個別に2値制御可能な微小ミラー5aを多数マトリクス状に並べて成るもの」(【0016】)であること。 (b) 「走査範囲E側の受光レンズ8を通して入射した光を受光部6側の受光レンズ9に向けて反射させるべく微小ミラー5aの面の向きを変更する場合をオン操作とし、受光レンズ8を通して入射した光を受光レンズ9から外れた向きに反射させるべく微小ミラー5aの面の向きを保持する場合をオフ操作と[する]」(【0017】)こと。 (c) 「投光側である走査部3のポリゴンミラー3b(垂直走査)及び揺動ミラー3d(水平走査)から各角度情報を得た制御部4からデジタルマイクロミラーデバイス5に選択指令を発して、ポリゴンミラー3b及び揺動ミラー3dの各向きに対応する微小ミラー5aのみをオン操作し、計測対象Pから受光レンズ8を介して戻る反射レーザ光LRのみをオン操作された微小ミラー5aで反射して受光レンズ9に送[る]」(【0018】)こと。 b ここで引用発明における「走査範囲E側の受光レンズ8を通して入射した光」(【0017】)は、本願発明の「第2の方向に進行した電磁波」に相当する。 そして、引用発明における「受光部6側の受光レンズ9に向けて反射させるべく微小ミラー5aの面の向きを変更する」状態(【0017】)、及び、「受光レンズ9から外れた向きに反射させるべく微小ミラー5aの面の向きを保持する」状態(【0017】)は、それぞれ本願発明における「第3の方向に進行させる第1の状態」及び「第4の方向に進行させる第2の状態」に相当する。 c 前記bを踏まえると、引用発明の「微小ミラー5a」は、本願発明の「切替素子」に相当する。 d 引用発明において、「投光側である走査部3のポリゴンミラー3b(垂直走査)及び揺動ミラー3d(水平走査)から各角度情報を得た制御部4からデジタルマイクロミラーデバイス5に選択指令を発して、ポリゴンミラー3b及び揺動ミラー3dの各向きに対応する微小ミラー5aのみをオン操作し、計測対象Pから受光レンズ8を介して戻る反射レーザ光LRのみをオン操作された微小ミラー5aで反射して受光レンズ9に送[る]」(【0018】)ようにしていることは、本願発明の「複数の前記切替素子のうち前記照射領域に対応する前記切替素子を前記第1の状態とし、前記照射領域に対応しない前記切替素子を前記第2の状態に切替える動作を前記照射部からの電磁波の照射毎に行う」ことに相当する。 e 前記a~dを踏まえると、引用発明の「微小ミラー5aを多数マトリクス状に並べて成る」「デジタルマイクロミラーデバイス5」は、本願発明の「切替素子を複数有[する]」「切替部」に相当する。 f よって、前記(イ)bで検討した事項も踏まえると、本願発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記受光系は、 前記第2の方向に進行した電磁波を第3の方向に進行させる第1の状態および第4の方向に進行させる第2の状態に切替え可能な切替素子を複数有し、複数の前記切替素子のうち前記照射領域に対応する前記切替素子を前記第1の状態とし、前記照射領域に対応しない前記切替素子を前記第2の状態に切替える動作を前記照射部からの電磁波の照射毎に行う切替部」を有している点。 (オ)a 引用発明においては、「計測対象Pから受光レンズ8を介して戻る反射レーザ光LRのみをオン操作された微小ミラー5aで反射して受光レンズ9に送り」(【0018】)、「この受光レンズ9を通して送られた反射レーザ光LRが受光部6の受光素子上で結像した時点で、制御部4から与えられるレーザ光LTの投光タイミング及び受光部6から与えられる反射レーザ光LRの受光タイミングに基づいて距離演算部7により処理することで、計測対象Pまでの距離情報を求めるもの」(【0019】)、である。 b そして、前記(オ)a及び前記(エ)bから、引用発明の「受光部6」は、本願発明の「前記第3の方向に進行した前記電磁波を検出する第2の検出部」であり、「測距センサである」「前記第2の検出部」に相当する。 c よって、本願発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記受光系は、 前記第3の方向に進行した前記電磁波を検出する第2の検出部を有し、 前記第2の検出部は、測距センサである」点。 イ 一致点及び相違点 前記(1)の対比分析の検討結果を総合すると、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は、それぞれ次の(ア)及び後記(イ)に示すとおりである。 (ア) 一致点 照射系と、前記照射系を含まない受光系と、を備え、 前記照射系は、 照射部から照射する電磁波の照射領域を変化させる反射部を有し、 前記受光系は、 前記第2の方向に進行した電磁波を第3の方向に進行させる第1の状態および第4の方向に進行させる第2の状態に切替え可能な切替素子を複数有し、複数の前記切替素子のうち前記照射領域に対応する前記切替素子を前記第1の状態とし、前記照射領域に対応しない前記切替素子を前記第2の状態に切替える動作を前記照射部からの電磁波の照射毎に行う切替部と、 前記第3の方向に進行した前記電磁波を検出する第2の検出部と、を有し、 前記第2の検出部は、測距センサである、 電磁波検出装置、である点。 (イ) 相違点 照射部が照射する電磁波について 本願発明は、赤外線であることが限定されているのに対して、 引用発明においては明示の特定がなく(以下「部分相違点A」という。)、 さらに、受光系について、 本願発明においては、 「入射する電磁波の一部を第2の方向に進行させる分離部」と「第1の方向に進行する電磁波を検出する第1の検出部」を有し、 「前記分離部は、入射する電磁波の一部を前記第1の方向及び前記第2の方向に進行させるコールドミラーであり、 前記第1の検出部は、前記分離部から前記切替部への電磁波の経路に対して、前記第2の検出部側に配置される撮像素子であ[る]」のに対して、 引用発明においては、このような構成を有していない点(以下「部分相違点B」という。)。 (3) 判断 ア 部分相違点Aについて 前記相違点のうち、まず部分相違点Aについて検討する。 引用発明においては、「レーザ光LT」は赤外線であることの特定はないものの、レーダーにおいて不可視の赤外線を用いることはあまりにも自明のことであり、部分相違点Aは、実質的な相違点ではない。 イ 部分相違点Bについて 次に、部分相違点Bについて検討する。 (ア) 引用発明及び引用文献6技術事項の組合せについて a 引用文献6には、以下の技術事項が記載されている(前記(1)イ(イ)参照。)。 「三次元形状測定装置として用いられる光照射受光装置1Cであって、 光照射受光装置1Cは、被計測物体2に照射する赤外光を発光する発光手段3と、前記被計測物体2で反射した赤外光を受光して撮像する第1撮像手段4と、前記被計測物体2で反射した光を赤外光と可視光に分離する光分離手段7Aと、前記光分離手段7Aによって分離した可視光を受光して撮像する第2撮像手段8とにより構成されており、 前記光分離手段7Aは、赤外光を透過し、可視光を反射するコールドミラーであり、 前記コールドミラー7Aを用いて、前記被計測物体2で反射した光から可視光を分離し、前記第2撮像手段8で受光し、撮像することにより、前記第1撮像手段4で撮影した範囲の色情報を取得することができ、そのため、前記被計測物体2の形状及び色情報を測定でき、前記被計測物体2を認識しやすくなる、 光照射受光装置1C。」 b(a) 引用発明及び引用文献6技術事項は、いずれも計測対象の三次元情報を測定する装置であり、引用文献6技術事項の、被計測物体2の形状に加えて、色情報も測定することで、前記被計測物体2を認識しやすくするという課題は、引用発明においても当然に存在するものである。 (b) そうすると、前記課題を解決するために、引用発明において引用文献6技術事項を適用して、「デジタルマイクロミラーデバイス5」の前に、計測対象から反射した光を赤外光と可視光に分離するコールドミラーを設け、可視光を撮像する第2撮像手段を設けるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (c) その際、コールドミラー(「分離部」に相当する。)及び第2撮像手段を、コールドミラーから「デジタルマイクロミラーデバイス5」(「切替部」に相当する。)への「反射レーザ光」(「電磁波」に相当する。)の経路に対して、引用発明の投光部2側でなく、受光部6(「第2の検出部」に相当する。)の側に設けるようにすることは、空いているスペースの有効利用の観点からごく自然な選択というべきものであり、かかる選択は当業者が適宜なしえたことであると認められる。 したがって、引用発明において部分相違点Bにかかる構成を備えるようにすることは、引用文献6技術事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ) 引用発明及び引用文献7技術事項の組合せについて a 引用文献7には、以下の技術事項が記載されている(前記(1)ウ(イ)参照。)。 「光パルスの送受信のための光学走査系10、コントローラ60、物体9のカラー画像またはモノクロ画像を入力する撮像系70、および光路分離手段75を備えている形状入力装置1であって、 光学走査系10は、光源と光検知器とを有した多点測定のための走査機構30、光源を駆動する発光回路40、および受信回路50から構成され、受信回路50は、光検知器からの光電変換信号に応じて反射パルス光の受信時点t2を示す受信データをコントローラ60へ送り、コントローラ60は、発光指示信号の出力から一定時間が経過した時点を送信時点t1として、送信時点t1から受信時点t2までの光伝搬時間(飛行時間)Taを算定し、さらにコントローラ60は光伝搬時間Taと既知の光伝搬速度(3×108m/s)とから物体9までの距離Lを算出し、 撮像系70の視野βと光学走査系10の走査範囲αとが交差する位置には、光路分離手段としての分離ミラー75が配置され、分離ミラー75としては、測定光が赤外線である場合には、コールドミラーを用いることができ、 撮像系70と光学走査系10とを、それぞれの光軸が互いに90度の角度をもって向き合うように配置し、光軸の交差位置に、分離ミラー75を、撮像系70および光学走査系10の双方に対して45度の傾斜姿勢をとるように配置し、 以上の構成によって、物体9の形状情報の入力と、2次元画像情報の入力とを、実質的に同一視点から同一視線で、かつ互いにほとんど影響し合うことなく同時に行うことが可能となり、入力される形状情報と2次元画像情報との“見え”が一致してオクルージョンが生じないので、両情報の比較や対応づけが容易になる、 形状入力装置1。」 b(a) 引用発明及び引用文献7技術事項は、いずれも計測対象の三次元情報を測定する装置であり、引用文献7技術事項の、入力される形状情報と2次元画像情報との“見え”が一致して、両情報の比較や対応づけが容易になるという課題は、引用発明においても当然に存在するものである。 (b) そうすると、前記課題を解決するために、引用発明において引用文献7技術事項を適用して、「デジタルマイクロミラーデバイス5」の前に、計測対象から反射した光を赤外光と可視光に分離するコールドミラーを設け、可視光を撮像する撮像系を設けるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (c) その際、コールドミラー(「分離部」に相当する。)及び撮像系を、コールドミラーから「デジタルマイクロミラーデバイス5」(「切替部」に相当する。)への「反射レーザ光」(「電磁波」に相当する。)の経路に対して、引用発明の投光部2側でなく、受光部6(「第2の検出部」に相当する。)の側に設けるようにすることは、空いているスペースの有効利用の観点からごく自然な選択というべきものであり、かかる選択は当業者が適宜なしえたことであると認められる。 したがって、引用発明において部分相違点Bにかかる構成を備えるようにすることは、引用文献7技術事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たことである。 ウ 総合検討 前記ア及びイにおいて検討したとおり、引用発明において前記相違点に係る本願発明の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 そして、本願発明の奏する作用効果としては、当該構成のものとして当業者が予測困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。 したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献6技術事項、又は、引用発明及び引用文献7技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 エ 請求人の主張について (ア) 請求人の主張の主張内容 請求人は、意見書において、概略次のa及びbに示す主張をしている。 a 引用発明に引用文献6技術事項を適用することについて 当業者が引用文献6に基づいてコールドミラー7及び第2撮像手段8を、引用発明に組み合わせるとしたら、発光手段3から赤外光を照射しうる部分を確実に撮像できる発光手段3側に設ける構成とするものと思料する。 コールドミラー7A及び第2撮像手段8を第1撮像手段4側に設けた場合には、被計測物体2を認識しやすくするために必要な可視光情報を十分に取得できない。それゆえ、引用発明のレーザレーダ1に引用文献6に記載のコールドミラー7A及び第2撮像手段8を仮に組み合わせることができたとしても、コールドミラー7A及び第2撮像手段8は引用文献3の走査部3側に設けることに当業者は想到し得ても、引用発明のデジタルマイクロミラーデバイス5側に設けることには想到し得ない。 b 引用発明に引用文献7技術事項を適用することについて 当業者が引用文献7に基づいて光路分離手段75及び撮像系70を引用発明に組み合わせるとしたら、光路分離手段75及び撮像系70を半導体レーザ11側に設ける構成とするものと思料する。 分離ミラー75及び撮像系70を光検知器22側に設けた場合には、引用文献7の目的において必要な情報を十分に取得できない。それゆえ、引用発明のレーザレーダ1に引用文献7に記載の分離ミラー75及び撮像系70を仮に組み合わせることができたとしても、分離ミラー75及び撮像系70は引用発明の走査部3側に設けることに当業者は想到し得ても、引用発明のデジタルマイクロミラーデバイス5側に設けることには想到し得ない。 (イ) 請求人の主張についての検討 a 引用発明に引用文献6技術事項を適用する場合 引用文献6技術事項においては、被計測物体2で反射した光から可視光を分離し、前記第2撮像手段8で受光し、撮像することにより、前記第1撮像手段4で撮影した範囲の色情報、すなわち、被計測物体2の形状に加えて被計測物体2の色情報を取得することを目的とするものである。 引用発明に引用文献6技術事項を適用して、デジタルマイクロミラーデバイス5に対応する範囲色情報をデジタルマイクロミラーデバイス5の微小ミラー5aに対応させて取得するためには、デジタルマイクロミラーデバイス5と(新たに採用する)前記第2撮像手段8に共通の結像光学系で計測対象の像を結像することが必要である。 すなわち、コールドミラー及び第2撮像手段は、引用発明の投光部2側でなく、受光レンズ8側(すなわち受光部6側)に設ける必要がある。 したがって、請求人の前記(ア)aの主張は、採用できない。 b 引用発明に引用文献7技術事項を適用する場合 引用文献7技術事項においては、物体9の形状情報の入力と、2次元画像情報の入力とを、実質的に同一視点から同一視線で、かつ互いにほとんど影響し合うことなく同時に行うことで、入力される形状情報と2次元画像情報との“見え”が一致して、両情報の比較や対応づけが容易になるものである。 引用発明に引用文献7技術事項を適用して、計測対象の距離情報と2次元画像情報との“見え”を一致させるためには、デジタルマイクロミラーデバイス5と(新たに採用する)撮像系70の撮像面に共通の結像光学系で計測対象の像を結像することが必要である。 すなわち、コールドミラー及び撮像系を、引用発明の投光部2側でなく、受光レンズ8側(すなわち受光部6側)に設ける必要がある。 したがって、請求人の前記(ア)bの主張は、採用できない。 5 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用文献6技術事項、又は、引用発明及び引用文献7技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-015723

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