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特許拒絶査定不服審判

2022-015251

受注処理装置

審判番号
2022-015251
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-026850外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年09月27日
審決日
2023年11月08日
公報発行日
2024年01月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-WZ (G05B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021- 26850「受注処理装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 7月15日出願公開、特開2021-103529〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 18項目
理 由

第1 出願手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本件審判に係る出願は、平成28年5月23日に出願した特願2016-102134号の一部を、令和3年2月23日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。

令和3年 2月23日 :上申書の提出
同年12月21日付け:拒絶の理由の通知
令和4年 2月22日 :意見書・手続補正書の提出

同年 6月23日付け:拒絶査定

同年 9月27日 :本件審判(拒絶査定不服審判)の請求

本件審判の請求と同時:手続補正書の提出
令和5年 6月27日付け:当審による拒絶の理由の通知

同年 8月22日 :意見書・手続補正書の提出

第2 本件発明の認定

本件審判に係る出願の請求項1~4に係る発明は、令和5年8月22日に提出の手続補正書により補正(以下、当該補正を「本件補正」という。)された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、以下のとおりのものである。

「 【請求項1】
部品を把持する把持部材とこの把持部材をスライド可能に固定するスライダとからなるメカニカルチャックを備えた実装装置の、特定形状の部品を把持するための前記把持部材の受注を受け付けることが可能な受注処理装置であって、
PCから、ネットワークを介して、前記特定形状の部品の形状情報と、該特定形状の部品を収容する収容部材の形状情報とを含む部品関連情報を受領する情報取得部と、
ネットワークを介して、前記部品関連情報に基づいて前記収容部材と干渉せず前記特定形状の部品を把持するのに適した把持部材のそのサイズの情報を含む設計データを前記PCに出力する情報出力部と、を備えた受注処理装置。」

(下線は、本件補正の際に請求人が付したものである。)

第3 当審拒絶理由

当審が、令和5年6月27日付けで通知した拒絶の理由(以下「当審拒絶理由」という。)のうち、本件補正前の請求項1に係る発明(以下「補正前発明」という。)に対する理由2(新規性)の概要は、以下のとおりである。

補正前発明は、以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

引用文献1:米国特許出願公開第2015/0324490号明細書

第4 引用文献1に記載された発明の認定

1 引用文献1には、以下の事項が記載されている(日本語訳及びその下線は当審にて付した。)。

(1)段落[0089]

「[0089] FIG. 1A shows an example of a distributed product customization system 100a.・・・ to the user device 102 for a presentation of the customized product.」

<当審日本語訳>

「図1Aは、製品カスタマイズシステム100aの例を示している。例えば、ユーザ装置102は、例えばネットワークといった通信リンク104を介してコンピュータ106に、特定の製品についての情報の要求を送ることができる。これに応答して、コンピュータ106は、特定の製品のための製品設計、及びユーザ装置102のユーザのためのスタイルを決定する。コンピュータ106は、スタイルを使用して製品設計をカスタマイズし、カスタマイズ製品の提示のための指令を、例えば、通信リンク104を介して、ユーザ装置102に送信する。」

(2)段落[0090]

「[0090] For instance, the user device 102 receives data indicating user input.・・・ or a selection to purchase a product or other transactional interactions and information.」

<当審日本語訳>

「例えば、ユーザ装置102は、ユーザ入力を示すデータを受信する。ユーザ入力は、スタイルの選択または変更、例えばコンピュータ106から受信した質問に対する回答、カスタマイズする製品若しくは製品カテゴリの選択、製品をスタイルでカスタマイズすることの要求、又はこれらの2つ以上の組み合わせを示すことができる。いくつかの例では、データは、他の人若しくは組織とスタイルを共有する選択、カスタマイズされた製品の許諾若しくは拒絶、又は製品若しくは他の取引上の相互作用及び情報を購入する選択を示すことができる。」

(3)段落[0091]

「[0091] The computer 106 processes the user input, e.g., the selection of a product or product category,・・・ The customized product design may be represented digitally in a memory of the computer 106.」

<当審日本語訳>

「コンピュータ106は、ユーザ入力、例えば、製品または製品カテゴリの選択、ユーザのスタイル、及び製品設計データを処理して、以下でより詳細に説明するように、ユーザのためにカスタマイズされたカスタマイズ製品設計を作成する。カスタマイズされた製品設計は、コンピュータ106のメモリ内にてデジタル的に表わされてもよい。」

(4)段落[0092]

「[0092] When the computer 106 determines that the user has chosen to purchase the customized product・・・e.g., a machine or factory that can create the customized product 112.」

<当審日本語訳>

「コンピュータ106は、ユーザがカスタマイズ製品を購入すること、又は製造されたカスタマイズ製品を製造することを選択したと判断した場合、コンピュータ106は、通信リンク108を使用して、カスタマイズ製品設計を製造システム110に送信し、製造システム110がカスタマイズ製品設計を用いてカスタマイズ製品112を製造する。コンピュータ106は、カスタマイズ製品設計を、例えば、カスタマイズ製品112を製造することができる機械や工場といった製造システム110で動作する又は製造システム110を制御する別のコンピュータに送信してもよい。」

(5)段落[0093]

「[0093] The user device 102 may be a computer and have processors,・・・the user device 102 may be a smartphone, a watch, or a tablet.」

<当審日本語訳>

「ユーザ装置102は、コンピュータであってもよく、プロセッサ、メモリ、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、及び、例えばタッチスクリーン、マウス、又は音声入力機能、脳波入力機能(例えば、マインドコントロール)などの入力インタフェース、を有してもよい。いくつかの例では、ユーザ装置102は、スマートフォン、腕時計、又はタブレットであってもよい。」

(6)段落[0094]

「[0094] The computer 106 may have processors, memory,・・・The computer 106 may be local to or part of the same device as the user device 102.」

<当審日本語訳>

「コンピュータ106は、プロセッサ、メモリ、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、及び、例えばタッチスクリーン、マウス、又は音声入力機能などの入力部を有していてもよい。コンピュータ106は、インターネットサーバ又は他の装置、コンピュータ、コンピュータ上のプロセッサ、電話、又はタブレットであってもよい。コンピュータ106は、仮想デバイスであってもよいし、クラウドにあってもよい。コンピュータ106は、ユーザ装置102と離れていてもよいし、ユーザ装置102と同一の装置の一部であってもよい。」

(7)段落[0100]

「[0100] In some implementations, the user device 102 and the manufacturing system 110 are・・・to cause the 3D printer to create a physical version of the customized product design.」

<当審日本語訳>

「いくつかの実施形態では、ユーザ装置102及び製造システム110は、第1の場所にあり、コンピュータ106が第2の場所にある。例えば、ユーザ装置102は、ユーザのコンピュータとしてもよく、製造システム110は、ユーザによって所有されている3Dプリンタであってもよい。ユーザ装置102は、ユーザを識別する情報、例えばユーザアカウント又はユーザのスタイルを、例えばサーバーであるコンピュータ106に送信してもよく、また、例えばウェブページやユーザ装置102上で実行されるアプリケーションにて選択される製品設計を識別する情報を送信してもよい。ユーザ装置102、コンピュータ106、及び、必要に応じて製造システム110は、ネットワーク、例えばインターネットを介して通信してもよい。ユーザ装置102、又はユーザの3Dプリンタは、コンピュータ106から、カスタマイズ製品設計を受信することができる。ユーザ装置102は、3Dプリンタにカスタマイズ製品設計の実物バージョンを製造させるように、ユーザの3Dプリンタに指示を送ることができる。」

(8)図1A「

[図:0001405418000001.jpg]

」

2 上記1及び技術常識から、引用文献1には以下の事項が記載されていることが理解できる。

(1)引用文献1の段落[0089]、[0092]、[0100]の記載、及び図1Aから、引用文献1には、カスタマイズ製品112の受注を受け付けることが可能な製品カスタマイズシステム100aのコンピュータ106に関する発明が記載されていることがわかる。

(2)引用文献1の段落[0089]、[0093]、[0100]の記載、及び図1Aから、引用文献1に記載のコンピュータ106は、コンピュータであるユーザ装置102と、インターネット等のネットワークといった通信リンク104を介して情報の送受信をすることがわかる。

(3)上記(2)の点、並びに、引用文献1の段落[0089]、[0090]、[0100]の記載、及び図1Aから、引用文献1に記載のコンピュータ106は、ユーザ装置102から送信される、ユーザ入力により選択された特定の製品についての情報を、インターネット等のネットワークといった通信リンク104を介して受信する部分(以下「情報受信部」という。)を備えることを理解できる。

(4)上記(2)の点、並びに、引用文献1の段落[0089]、[0091]、「0092」、[0100]の記載、及び図1Aから、引用文献1に記載のコンピュータ106は、特定の製品についての情報に基づいた、ユーザのためにカスタマイズされたカスタマイズ製品設計を、インターネット等のネットワークといった通信リンク104を介してユーザ装置102に送信する部分(以下「情報送信部」という。)を備えることを理解できる。

3 上記1~2から、引用文献1に記載された事項を本件発明に合わせて整理すると、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている、といえる。

「カスタマイズ製品112の受注を受け付けることが可能な製品カスタマイズシステム100aのコンピュータ106であって、
ユーザ装置102から、通信リンク104を介して、ユーザ入力により選択された特定の製品についての情報を受信する情報受信部と、
通信リンク104を介して、前記特定の製品についての情報に基づいたカスタマイズ製品設計をユーザ装置102に送信する情報送信部と、を備えたコンピュータ106。」

第5 本件発明と引用発明との対比

1 本件発明と引用発明とを対比すると、以下の相当関係がある。

(1)引用発明における「カスタマイズ製品112の受注を受け付けることが可能な製品カスタマイズシステム100aのコンピュータ106」と、本件発明における「部品を把持する把持部材とこの把持部材をスライド可能に固定するスライダとからなるメカニカルチャックを備えた実装装置の、特定形状の部品を把持するための前記把持部材の受注を受け付けることが可能な受注処理装置」とを対比すると、両者は「製品の受注を受け付けることが可能な受注処理装置」である限りにおいて、一致する。

(2)引用発明における「ユーザ装置102」及び「通信リンク104」は、その作用・機能からみて、本件発明における「PC」及び「ネットワーク」にそれぞれ相当し、以下同様に、「受信する」は「受領する」に、「送信する」は「出力する」に、それぞれ相当する。

(3)引用発明における「カスタマイズ製品設計」と、本件発明における「収容部材と干渉せず特定形状の部品を把持するのに適した把持部材のそのサイズの情報を含む設計データ」とを対比すると、前者の製品設計は、例えば3Dプリンタといった製造システム110にてカスタマイズ製品112を製造するための設計データである(段落[0092]、[0100])ことから、両者は「設計データ」である限りにおいて、一致する。

(4)また、引用発明における「ユーザ入力により選択された特定の製品についての情報」と、本件発明における「特定形状の部品の形状情報と、該特定形状の部品を収容する収容部材の形状情報とを含む部品関連情報」とを対比すると、前者の情報は、ユーザ端末102(PC)に送信する(出力する)カスタマイズ製品設計(設計データ)を作成するための基となる製品情報([0089]~[0091])であることから、両者は「製品情報」である限りにおいて、一致する。

(5)上記(2)~(4)を踏まえると、引用発明における「情報受信部」と本件発明における「情報取得部」とは、「PCから、ネットワークを介して、製品情報を受領する情報取得部」である限りにおいて一致する。また同様に、引用発明における「情報送信部」と、本件発明における「情報出力部」とは、「ネットワークを介して、前記製品情報に基づいた設計データを前記PCに出力する情報出力部」である限りにおいて一致する。

2 上記1から、本件発明と引用発明とは、以下の<一致点>で一致する。

<一致点>

「製品の受注を受け付けることが可能な受注処理装置であって、
PCから、ネットワークを介して、製品情報を受領する情報取得部と、
ネットワークを介して、前記製品情報に基づいた設計データを前記PCに出力する情報出力部と、を備えた受注処理装置。」

3 他方、本件発明と引用発明とは、以下の<相違点>で相違する。

<相違点>

本件発明においては、

(A)受注する製品が、「部品を把持する把持部材とこの把持部材をスライド可能に固定するスライダとからなるメカニカルチャックを備えた実装装置の、特定形状の部品を把持するための前記把持部材」であり、

(B)その製品情報が、「前記特定形状の部品の形状情報と、該特定形状の部品を収容する収容部材の形状情報とを含む部品関連情報」であり、

(C)設計データが、「前記部品関連情報に基づいて前記収容部材と干渉せず前記特定形状の部品を把持するのに適した把持部材のそのサイズの情報を含む設計データ」であるのに対し、

引用発明においては、

(a)受注を受け付ける製品(カスタマイズ製品112)が、上記(A)の「部品を把持する把持部材とこの把持部材をスライド可能に固定するスライダとからなるメカニカルチャックを備えた実装装置の、特定形状の部品を把持するための前記把持部材」であるか不明であり、

(b)そのため、製品情報(ユーザ入力により選択された特定の製品についての情報)が、上記(B)の「前記特定形状の部品の形状情報と、該特定形状の部品を収容する収容部材の形状情報とを含む部品関連情報」であるかも不明であり、

(c)さらに、設計データ(特定の製品についての情報に基づいたカスタマイズ製品設計)が、上記(C)の「前記部品関連情報に基づいて前記収容部材と干渉せず前記特定形状の部品を把持するのに適した把持部材のそのサイズの情報を含む設計データ」であるかも不明である点。

第6 相違点に対する当審の判断

1 本件発明は、本件明細書等の図7及び図9に記載されたフローチャートに基づき、「情報取得部」にて「部品関連情報」を受領し、「情報出力部」にて「設計データ」を出力する「受注処理装置」に関する発明であることから、その新規性・進歩性の判断に際しては、「コンピュータソフトウエア関連発明」に関する出願における審査基準(審査ハンドブック付属書B第1章、2.特許要件、2.2新規性・進歩性)を参照する(以下のURL参照。)。

URL:https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/handbook_shinsa/document/index/app_b.pdf#page=40

2 上記第5において相違点として挙げた、引用発明にはない、本件発明に特有の発明特定事項は、「情報取得部」で受領される「特定形状の部品の形状情報と、該特定形状の部品を収容する収容部材の形状情報とを含む部品関連情報」(上記相違点における(B))、及び、「情報出力部」から出力される「部品関連情報に基づいて収容部材と干渉せず特定形状の部品を把持するのに適した把持部材のそのサイズの情報を含む設計データ」(上記相違点における(C))、並びに、その「設計データ」が、「部品を把持する把持部材とこの把持部材をスライド可能に固定するスライダとからなるメカニカルチャックを備えた実装装置の、特定形状の部品を把持するための把持部材」を製造するためのものである(上記相違点における(A))点にある。

3 一方、本件発明における上記(B)に係る「情報取得部」は、「部品関連情報を受領する」との機能の特定はあるものの、本件発明に特有の「部品関連情報」を受信するからこその構造や機能が文言上特定されているわけでなく、「部品関連情報」に限らない任意の情報を受信することが可能な、例えば引用発明における「ユーザ入力により選択された特定の製品についての情報」を受領する「情報取得部(情報受信部)」と、構造・機能等のうえで何かしらの差異があるとはいえない。

4 同様に、本件発明における上記(C)に係る「情報出力部」は、「設計データを出力する」との機能の特定はあるものの、本件発明に特有の「設計データ」を出力するからこその構造や機能が文言上特定されているわけでなく、「部品関連情報に基づいて収容部材と干渉せず特定形状の部品を把持するのに適した把持部材のそのサイズの情報を含む設計データ」に限らない、任意の情報を出力可能な、例えば引用発明における「特定の製品についての情報に基づいたカスタマイズ製品設計」を出力する「情報出力部(情報送信部)」と、構造・機能等のうえで何かしらの差異があるともいえない。

5 してみると、本件発明と引用発明との相違点である上記2の点は、本件発明に係る「受注処理装置」が備える「情報取得部」及び「情報出力部」と、引用発明に係る「コンピュータ106」が備える「情報受信部」及び「情報出力部」とに関する差異というよりは、その「情報取得部」が受領するコンテンツである「部品関連情報」及び「情報出力部」が出力するコンテンツである「設計データ」のみの差異にすぎない。そのため、本件発明と引用発明とは、記載上・表現上の相違が生じているものの、「受注処理装置」に係る本件発明と、「コンピュータ106」に係る引用発明との間では、構造、機能等に何ら差異は生じない(必要であれば、上述の審査ハンドブック付属書B第1章2.の2.2の、特に「2.2.4新規性、進歩性の判断に関する留意事項」の(1)を参照のこと。)

6 また、引用発明に係る「コンピュータ106」は、上記(A)の「部品を把持する把持部材とこの把持部材をスライド可能に固定するスライダとからなるメカニカルチャックを備えた実装装置の、特定形状の部品を把持するための把持部材」の受注を受け付けるものか不明であるとしても、上記5のとおり、その差異は結局のところ、「情報取得部」が受領するコンテンツである「部品関連情報」及び「情報出力部」が出力するコンテンツである「設計データ」の差異にすぎない。

7 してみると、上記相違点は、実質的な相違点であるとはいえない。

第7 請求人による主張の検討

1 意見書での主張

請求人は、令和5年8月22日提出の意見書において、以下の点を主張する。

「引例には「ネットワークを介して、前記部品関連情報に基づいて前記収容部材と干渉せず前記特定形状の部品を把持するのに適した把持部材のそのサイズの情報を含む設計データを前記PCに出力する情報出力部」について開示はなく、供給者側は、収容部材と干渉せず、且つ特定部品をより確実に把持することができる把持部材を設計することができる。」

2 意見書に対する見解

上記主張について検討する。

上記第5の3の相違点の(c)のとおり、本件発明と引用発明とは、「部品関連情報に基づいて収容部材と干渉せず前記特定形状の部品を把持するのに適した把持部材のそのサイズの情報を含む設計データ」を出力するか否かの点で一応相違するものの、上記第5の4~5にて述べたとおり、その相違は「設計データ」というデータの内容(コンテンツ)の差異にすぎず、本件発明において特定される「情報出力部」と引用発明における「情報送信部」とは、その構造・機能等がこの差異によって何ら変わらないことから、この差異のみによって本件発明の新規性は肯定されない。

また、供給者側は、収容部材と干渉せず、且つ特定部品をより確実に把持することができる把持部材を設計することができるとの効果についても、本件発明では「受注処理装置」自体が当該把持部材を設計することは特定されておらず、単に、コンテンツとしての「部品関連情報」を受領し、コンテンツとしての「設計データ」を出力することが特定されるのみであるから、当該効果についての主張も採用することができない。

第8 まとめ

以上のとおり、本件発明は、引用発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-015251

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