商標拒絶査定不服審判
2022-014279
スマサポ、スマ、サポ
- 審判番号
- 2022-014279
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-072565
- 請求日
- 2022年09月12日
- 審決日
- 2023年04月27日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社スマサポ
- 【請求人代理人】住友 慎太郎
- 【請求人代理人】浦 重剛
- 【請求人代理人】苗村 潤
- 【請求人代理人】石原 幸信
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T18 .261-Z (W0935363743) / T18 .262-Z (W0935363743) / T18 .263-Z (W0935363743)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 72565拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年6月11日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年2月18日付け:拒絶理由通知
令和4年4月 4日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年6月 6日付け:拒絶査定
令和4年9月12日 :審判請求書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第7類、第9類、第35類ないし第37類及び第39類ないし第45類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願され、その後、本願の指定商品及び指定役務については、前記1の手続補正により、最終的に、第9類「携帯情報端末用のアプリケーションソフトウェア,電気錠,電子式施解錠制御装置,電気式施解錠制御装置,入退室管理装置,ダウンロード可能なスマートフォン用のプログラム,アプリケーションソフトウェア」、第35類「商品の販売に関する情報の提供,商品の販売店に関する情報の提供,事業に関する情報の提供,不動産事業の管理及び情報の提供,住宅の賃貸事業の管理,コールセンター事業の運営及び管理,アンケート調査の実施とその結果の分析及び助言並びにこれらに関する情報の提供,商品の販売に関する情報の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,インターネットサービスへの加入契約の代理・媒介又は取次ぎ,電気通信への加入契約の取次ぎ」、第36類「支払代金の電子決済,建物および土地の所有者に対する滞納家賃の支払保証」、第37類「建築物の修理及びこれに関する情報の提供,建物の内外の洗浄・清掃,建築物の外壁の清掃」及び第43類「家具の貸与」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の5件であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらの登録商標をまとめていうときは、「引用商標」という。)。
(1)登録第4997276号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 「スマサポ」(標準文字)
指定役務 第36類「資金の貸付け」を含む第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
登録出願日 平成18年4月11日
設定登録日 平成18年10月20日
(2)登録第5886481号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 「スマサポ」(標準文字)
指定商品 第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,直流交流変換器,分電盤,太陽電池及び太陽電池モジュール,太陽電池による発電装置,金属屋根材と一体化した太陽電池モジュール,太陽電池パネル,太陽光発電パネル,太陽光発電パネルの架台,太陽電池を利用した充電器,電池,電気磁気測定器,電力計,電線及びケーブル,電気用接続箱,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」
登録出願日 平成27年6月9日
設定登録日 平成28年10月7日
(3)登録第5904190号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 「すまさぽ」(標準文字)
指定商品及び指定役務 第43類「介護用ベッドの貸与,介護用ベッドの附属品の貸与,介護用ベッドの補助用具の貸与,ベッドサイドテーブルの貸与,介護用スロープの貸与,特殊寝台用手すりの貸与」を含む第16類、第35類、第39類、第43類及び第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
登録出願日 平成28年1月28日
設定登録日 平成28年12月9日
(4)登録第6466925号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 「スマサポ」(標準文字)
指定役務 第35類「電話の加入に関する指導・助言及び情報の提供,通信用電子機器の販売に関する情報の提供」を含む第35類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
登録出願日 令和3年3月3日
設定登録日 令和3年11月5日
(5)登録第6484925号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定役務 第37類「換気扇の取付工事,スイッチ・コンセントの取付け又は取替え工事,湯沸かし器の設置工事,太陽光発電パネル及び太陽光発電パネルを用いて充電される蓄電池の据付・修理又は保守,解体工事,手すりの取付け又は取替え工事,建設工事,衛星放送受信アンテナの設置工事及び修理,便器及びトイレの清掃,キッチンの清掃,浴室の清掃,住宅の室内清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,雨どいの洗浄」を含む第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
登録出願日 令和3年2月10日
設定登録日 令和3年12月13日
4 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、黄緑色の円図形と水色の円図形とを一部重なるように組み合わせた態様の図形(以下「図形部分」という。)の右側に、「SUMASAPO」の欧文字(「SUMA」の文字は水色で、「SAPO」の文字は黄緑色で表されている。以下「文字部分」という場合がある。)を配してなる結合商標であるところ、図形部分と文字部分とは、相互に一定の間隔を空けて、それぞれ重なり合うことなく、独立して表されていることから、視覚上分離して看取し得るものである。
また、本願商標の構成中、図形部分は、その構成態様から特定の意味合いを想起させるとはいい難く、特定の称呼及び観念を生じないものであり、文字部分は、辞書類に載録されている既成の語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として一般に認識されているものともいえないことから、特定の観念を生じない造語として看取、把握されるものである。そうすると、本願商標を構成する図形部分と文字部分の間には、観念上のつながりもなく、両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。
以上からすれば、本願商標は、その構成中の図形部分と文字部分が、それぞれ独立して自他商品又は自他役務の出所識別標識の機能を有しているといえるところ、文字部分は、図形部分に比べ、横幅が3倍程度に表されており、看者の注意を惹きやすい部分であるから、該文字部分を要部として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較することも許されるものである。
そうすると、本願商標は、その要部である「SUMASAPO」の文字部分に相応して、「スマサポ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1、引用商標2及び引用商標4は、それぞれ前記3(1)、(2)及び(4)のとおり、「スマサポ」の文字を標準文字で表してなり、引用商標3は、前記3(3)のとおり、「すまさぽ」の文字を標準文字で表してなるところ、これらの文字は、辞書類に載録されている既成の語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として一般に認識されているものともいえないことから、特定の観念を生じない造語として看取、把握されるものである。
そうすると、引用商標1ないし引用商標4は、その構成文字に相応して、「スマサポ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標5は、別掲2のとおり、ややデザイン化した「すまサポ」の文字(「すま」の文字は黒色で、「サポ」の文字はオレンジ色で表され、また、「ポ」の文字の半濁点は星型状に図案化されている。)を横書きし、「す」の文字の上部に、左側に直線を伴った山型の図形を配し、該図形の両側にそれぞれ2つの四芒星図形を配した構成からなるところ、この構成態様に照らせば、引用商標5は、「すまサポ」の文字と各図形とを組み合わせてなる結合商標であり、各図形部分は、いずれも文字部分の飾りとして認識され、自他役務の出所識別標識としての称呼、観念を生じることはないとみるのが相当である。
そうすると、引用商標5は、その構成中大きく表された「すまサポ」の文字部分を要部として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較することも許されるものであるところ、該文字は、辞書類に載録されている既成の語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として一般に認識されているものともいえないことから、特定の観念を生じない造語として看取、把握されるものである。
してみれば、引用商標5は、その要部である「すまサポ」の文字部分に相応して、「スマサポ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否
上記(1)及び(2)のとおり、本願商標と引用商標の類否判断においては、それぞれ、要部又は構成文字である「SUMASAPO」、「スマサポ」、「すまさぽ」及び「すまサポ」を対比することになるところ、本願商標と引用商標は、「スマサポ」の称呼が同一である。
また、本願商標と引用商標の要部又は構成文字である「SUMASAPO」、「スマサポ」、「すまさぽ」及び「すまサポ」からは、特定の観念を生じないから、両者は、観念においては比較できない。
そして、本願商標の要部である「SUMASAPO」と引用商標の構成文字又は要部である「スマサポ」、「すまさぽ」及び「すまサポ」の外観については、それぞれ欧文字と片仮名、平仮名又は平仮名と片仮名の組合せであって文字種を異にし、「すまサポ」の文字(引用商標5)はややデザイン化されているといえるものの、その他(本願商標及び引用商標1ないし引用商標4)の文字は、格別特徴のない書体で表されているといえるものであることに加え、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記したり、デザイン化したりすることが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種及びデザイン化の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。なお、本願商標の色彩は黄緑色及び水色であるのに対し、引用商標5の色彩は黒色及びオレンジ色である点で差異があるが、該色彩の差異によっても、両文字の外観に異なる印象が生じるとはいえない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないものの、外観において文字種やデザイン化等の相違が顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえず、称呼において同一のものであるから、これらを総合勘案すれば、両者は互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務の類否
ア 本願の指定商品及び指定役務中、第36類「支払代金の電子決済,建物および土地の所有者に対する滞納家賃の支払保証」は、引用商標1の指定役務中、第36類「資金の貸付け」と同一又は類似のものである。
イ 本願の指定商品及び指定役務中、第9類「携帯情報端末用のアプリケーションソフトウェア,電気錠,電子式施解錠制御装置,電気式施解錠制御装置,入退室管理装置,ダウンロード可能なスマートフォン用のプログラム,アプリケーションソフトウェア」及び第35類「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品である第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,直流交流変換器,分電盤,太陽電池及び太陽電池モジュール,太陽電池による発電装置,金属屋根材と一体化した太陽電池モジュール,太陽電池パネル,太陽光発電パネル,太陽光発電パネルの架台,太陽電池を利用した充電器,電池,電気磁気測定器,電力計,電線及びケーブル,電気用接続箱,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」と同一又は類似のものである。
ウ 本願の指定商品及び指定役務中、第43類「家具の貸与」は、引用商標3の指定商品及び指定役務中、第43類「介護用ベッドの貸与,介護用ベッドの附属品の貸与,介護用ベッドの補助用具の貸与,ベッドサイドテーブルの貸与,介護用スロープの貸与,特殊寝台用手すりの貸与」と同一又は類似のものである。
エ 本願の指定商品及び指定役務中、第35類「商品の販売に関する情報の提供,商品の販売店に関する情報の提供,事業に関する情報の提供,不動産事業の管理及び情報の提供,住宅の賃貸事業の管理,コールセンター事業の運営及び管理,アンケート調査の実施とその結果の分析及び助言並びにこれらに関する情報の提供,商品の販売に関する情報の提供,インターネットサービスへの加入契約の代理・媒介又は取次ぎ,電気通信への加入契約の取次ぎ」は、引用商標4の指定役務中、第35類「電話の加入に関する指導・助言及び情報の提供,通信用電子機器の販売に関する情報の提供」と同一又は類似のものである。
オ 本願の指定商品及び指定役務中、第37類「建築物の修理及びこれに関する情報の提供,建物の内外の洗浄・清掃,建築物の外壁の清掃」は、引用商標5の指定役務中、第37類「換気扇の取付工事,スイッチ・コンセントの取付け又は取替え工事,湯沸かし器の設置工事,太陽光発電パネル及び太陽光発電パネルを用いて充電される蓄電池の据付・修理又は保守,解体工事,手すりの取付け又は取替え工事,建設工事,衛星放送受信アンテナの設置工事及び修理,便器及びトイレの清掃,キッチンの清掃,浴室の清掃,住宅の室内清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,雨どいの洗浄」と同一又は類似のものである。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品及び指定役務も引用商標の指定商品及び指定役務と類似の商品及び役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標を全体でみると、相対的に寒色系の色相で配色され、薄い青色部分と、その両側に配された薄い溝色部分とで構成されており、本願商標の図形部分と文字部分とが全体で一連一体のまとまりあるものとなっている旨主張する。
しかしながら、本願商標は、外観上、「SUMASAPO」の文字部分と図形部分は明確に区別されることに加え、観念上のつながりもなく、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとは認められないから、本願商標から文字部分を抽出して、類否判断をすることも許されること、上記(1)のとおりである。
イ 請求人は、称呼に係る「スマサポ」は、多数の商標権者によって使用されることでやや一般名称化される傾向にあるものであり、自他商品等の識別力が弱いこと、また、インターネットが発達した現在では、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う取引者や需要者は、ウェブサイト上で、商品等情報やその費用などを閲覧することを挙げ、本願商標の類否では、称呼よりも外観を重要視すべきである旨主張する。
しかしながら、「スマサポ」の称呼を生じる文字について、多数の商標権者による使用例があるからといって、本願商標の文字部分の自他商品又は自他役務の出所識別標識としての機能が弱いということはできないし、「スマサポ」の称呼を生じる文字が、本願の指定商品及び指定役務との関係において、商品又は役務の普通名称を表示する等の格別な事情は見当たらないことから、該文字は、自他商品又は自他役務の出所識別標識としての機能を十分に果たすものである。
また、我が国において、商標の構成文字が様々な手法でデザイン化されて表記される事例が多く見られるという実情があることなどを考慮すると、本願の指定商品及び指定役務の需要者にとって、本願商標と引用商標とにおける文字種及びデザイン化等の相違は、本願商標と引用商標が別異のものであることを認識させるほどの強い印象を与えるものではないといえる。上記のような取引の実情をも考慮すると、本願商標と引用商標の類否を判断するに当たっては、外観の相違をさほど重視することはできないといえる。
そうすると、外観の相違をさほど重視することはできず、本願商標と引用商標の要部又は構成文字は、称呼において同一であり、両者からは特定の観念を生じないものといえるから、本願の指定商品及び指定役務の需要者にとって、引用商標と同一の称呼を生じる本願商標を使用した商品又は役務を、引用商標を使用した商品又は役務と誤認混同するおそれがあるものと認められることは、上記(3)のとおりである。
ウ 請求人は、称呼を共通にするものの、外観及び観念において差異を有する商標であるとして非類似と判断された過去の審決例を挙げ、本願商標と引用商標も非類似と判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、請求人が挙げる商標の登録例は、いずれも商標の構成態様を本願商標と異にするものであって、本願とは事案を異にするというべきものであるばかりでなく、商標の類否の判断は、登録出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるものであるところ、本願商標と引用商標とは、上記(3)のとおり、類似の商標であるから、請求人の挙げた商標登録例があるからといって、それらが上記判断を左右するものではない。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-014279