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特許拒絶査定不服審判

2022-012306

遊技機

審判番号
2022-012306
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-250899外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年08月08日
審決日
2023年03月22日
公報発行日
2023年06月30日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-250899「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 7月18日出願公開、特開2019-115463〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 13項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、平成29年12月27日に出願した特許出願(特願2017-250899)であって、本願の出願後の手続の経緯の概略は、次のとおりである。

令和 2年12月11日 :手続補正書の提出
令和 3年10月 8日付け:拒絶理由通知書
同年12月13日 :意見書、手続補正書の提出
令和 4年 4月27日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)

同年 5月10日 :原査定の謄本の送達

同年 8月 8日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 令和4年8月8日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和4年8月8日にされた手続補正を却下する。

[理由]

1 本件補正について

令和4年8月8日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、令和3年12月13日にされた手続補正により補正された請求項1の記載を、以下のとおり、本件補正後の請求項1の記載に補正するものである(下線は、補正箇所を明示するために当審合議体が付した。以下同様。)。

(本件補正前:令和3年12月13日にされた手続補正)

「【請求項1】
遊技者に有利な特別遊技状態にするか否かの判定を行う判定手段と、
所定の表示手段を含む演出手段を用いて、所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、
複数のタイミングで場面の展開が行われるリーチ演出を実行可能であるとともに、前記リーチ演出において、前記リーチ演出に応じたリーチ背景画像を前記表示手段に表示可能であり、
前記複数のタイミングで、前記判定の結果に基づいて、前記リーチ背景画像が縮小してから拡大する動作演出を実行することがあり、
前記複数のタイミングで実行する前記動作演出の何れにおいても、前記リーチ背景画像の縮小または拡大に伴って、前記リーチ背景画像上で、所定の示唆演出を実行することがある、
ことを特徴とする遊技機。」

(本件補正後:令和4年8月8日にされた手続補正)

「【請求項1】
遊技者に有利な特別遊技状態にするか否かの判定を行う判定手段と、
所定の表示手段を含む演出手段を用いて、所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記演出実行手段は、
複数のタイミングで場面の展開が行われるリーチ演出を実行可能であるとともに、前記リーチ演出において、前記リーチ演出に応じたリーチ背景画像を前記表示手段に表示可能であり、
前記複数のタイミングで、前記判定の結果に基づいて、前記リーチ背景画像が縮小してから拡大して元の状態に戻る動作演出を実行することがあり、
前記複数のタイミングで実行する前記動作演出の何れにおいても、前記リーチ背景画像が拡大して元の状態に戻ったときに、前記リーチ背景画像上で、所定の示唆演出を実行することがある、
ことを特徴とする遊技機。」

2 補正の適否

(1) 本件補正

本件補正は、令和3年12月13日に提出された手続補正書によって補正された、本件補正前の請求項1で、「動作演出」について、「前記リーチ背景画像が縮小してから拡大する」としていたところを、「前記リーチ背景画像が縮小してから拡大して元の状態に戻る」ものであることを限定するとともに、「所定の示唆演出」について、「前記リーチ背景画像の縮小または拡大に伴って」実行するとしていたところを、「前記リーチ背景画像が拡大して元の状態に戻ったときに」実行することを限定したものである。

(2) 補正目的

前記(1)のとおり、本件補正は、本件補正前の発明特定事項に限定を加えることを含むものであって、本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。

(3) 新規事項

本件補正は、願書に最初に添付した明細書の【0267】~【0268】、【0274】~【0277】、図38、図41の記載からみて、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たす。

3 本件補正発明の独立特許要件についての検討

前記2(2)のとおり、本件補正による特許請求の範囲の請求項1についての補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正であるから、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1) 本件補正発明

本件補正発明を次のとおりのものと認定する(記号A~Dは、分説のため当審合議体が付した。以下、A等を付した事項を「構成A」等という。)。

「【請求項1】
A 遊技者に有利な特別遊技状態にするか否かの判定を行う判定手段と、
B 所定の表示手段を含む演出手段を用いて、所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
C 前記演出実行手段は、
C1 複数のタイミングで場面の展開が行われるリーチ演出を実行可能であるとともに、前記リーチ演出において、前記リーチ演出に応じたリーチ背景画像を前記表示手段に表示可能であり、
C2 前記複数のタイミングで、前記判定の結果に基づいて、前記リーチ背景画像が縮小してから拡大して元の状態に戻る動作演出を実行することがあり、
C3 前記複数のタイミングで実行する前記動作演出の何れにおいても、前記リーチ背景画像が拡大して元の状態に戻ったときに、前記リーチ背景画像上で、所定の示唆演出を実行することがある、
D ことを特徴とする遊技機。」

(2) 引用文献

原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開2016-198359号公報(平成28年12月1日出願公開。以下「引用文献」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が記載されている(下線は当審合議体が付した。以下同様。)。

ア 記載事項

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(ア) 「【0015】
遊技機100において、発射部の駆動により上方に発射された遊技球は、レール102a及び102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技盤101に形成された遊技領域103内を落下(流下)するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に移動方向を変化させながら落下する。また、遊技盤101において、遊技領域103における遊技球の落下経路には、遊技球の落下方向を変化させる風車(不図示)や、第1始動口105、第2始動口106、電動チューリップ107、ゲート108、大入賞口111及び普通入賞口112が設置される。
【0016】
遊技盤101の略中央部分には、液晶ディスプレイパネル等から成る画像表示部104が配置される。画像表示部104は各種の演出画像を表示する。例えば、画像表示部104は、特別図柄抽選(大当たり抽選とも称される)の抽選結果を表すための特別図柄に対応して設けられた装飾図柄を表示すると共に、遊技機100が特別図柄抽選の抽選結果を示すまでに行う演出に関する画像を表示する。画像表示部104は、普通図柄抽選の抽選結果を表すための図柄(普通装飾図柄)などをも表示して良い。」
(イ) 「【0041】
<<遊技機の内部構成>>
図4を参照して、遊技機100の内部構成を説明する。図4は、遊技機100内の、制御に関わる部分のブロック図である。図4に示す如く、遊技機100に設けられた制御部400は、遊技の進行を制御する主制御部401と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部402と、演出内容を制御する演出制御部403とを備えている。制御部400の他、図4に示される各構成要素が遊技機100に設けられる。例えば、図3の主制御基板301、賞球制御基板302及び演出制御基板303により、夫々、図4の主制御部401、賞球制御部402及び演出制御部403が形成され、図3の出力端子基板305は図4の盤用外部情報端子基板491を含む。
【0042】
続きを表示(全18行)
[1.主制御部]
主制御部401は、CPU(Central Processing Unit)411と、ROM(Read Only Memory)412と、RAM(Random Access Memory)413と、不図示の入出力インターフェース(I/O)等を備えて構成される。主制御部401におけるCPU、ROM、RAMを、夫々、特に、メインCPU、メインROM、メインRAMとも呼ぶ。メインCPU411は、遊技の進行に関する各種プログラム等をメインROM412から読み出し、メインRAM413をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。図4に示す如く、メインROM412には、テーブルTAt、TZt、THt、FAt、FZt、FHt及びDKtが格納され、メインRAM413には、記憶領域413a~413jが設けられている。この他にも、様々なテーブルをメインROM412に格納しておくことができると共に、様々な記憶領域をメインRAM413に設けておくことができる。
(中略)
【0055】
[1-2-3.特別図柄処理]
特別図柄処理を説明する(図5参照)。特別図柄処理において、メインCPU411は特図判定を実行する。特図判定は、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定から成る。上述の特別図柄抽選は、特図当たり判定及び特図図柄判定を含み、特図変動パターン判定を更に含むと考えても良い。故に、特図判定は特別図柄抽選を包含すると考えても良いし、特図判定と特別図柄抽選は互いに等価であると考えても良い。特別図柄処理において、メインCPU411は、特図判定用情報記憶領域413dに記憶されている特図判定用情報を用いて、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行し、これらの判定結果を特図判定結果記憶領域413eに記憶させる。そして、特図変動パターン判定によって選択された特図変動パターンが示す変動時間だけ特別図柄の変動表示を行った後、特図当たり判定及び特図図柄判定の判定結果を示す図柄で(特図当たり判定及び特図図柄判定の判定結果を示す態様で)特別図柄を停止させる。
【0056】
メインCPU411は、特別図柄の変動表示を開始する際、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の判定結果を含む変動開始コマンドをメインRAM413に設定することを通じて演出制御部403に対し変動演出の実行開始を指示し、特別図柄の変動を停止する際、変動停止コマンドをメインRAM413に設定することを通じて演出制御部403に対し変動演出の実行終了を指示する。また、特図当たり判定の結果が大当たりの当選を示しているとき、メインCPU411は、変動停止コマンドに続きオープニングコマンドをメインRAM413に設定することを通じて演出制御部403に対し当たり演出の実行開始を指示し、大当たり遊技の終了時においてエンディングコマンドをメインRAM413に設定することを通じて演出制御部403に対し当たり演出の実行終了を指示する。RAM413に設定されたこれらのコマンドは、後述の出力処理(図5参照)において演出制御部403に出力される。
(中略)
【0077】
大入賞口処理では、特図判定の結果が大当たりの当選を示しているときに、大当たりの種類に応じた大入賞口開放パターンを用いて大入賞口111が開閉動作される。大入賞開放パターンテーブルDKtには、大入賞口111の開放態様を定義した大入賞口開放パターンが大当たりの種類ごとに格納されている。メインCPU411は、テーブルDKtを参照して大入賞口処理を実現する。
(中略)
【0093】
演出制御部403は、変動演出を含む任意の演出を、演出実現要素(演出手段)を用いて実現する。即ち、演出制御部403は、演出実現要素を制御することで演出実現要素に所望の演出を行わせる(この表現における演出の主体は演出実現要素であるが、本実施形態の説明では、主として、演出制御部403が演出の主体であると捉える)。演出実現要素は、画像表示部104、スピーカ115、演出ライト部116、枠可動役物117、演出ボタン121、盤ランプ135及び盤可動役物130の内、少なくとも1つを含む。変動演出は、特別図柄の変動表示中、変動開始時及び変動終了時において演出制御部403により実行される演出を指し、特図判定の判定結果を示唆する演出を含む。尚、演出による示唆、報知、告知又は通知等は、特に記述無き限り、遊技者に対するものと考えて良い。また、特に記述無き限り、演出制御部403の制御による任意の画像及び図柄(装飾図柄等)の表示は、画像表示部104におけるそれらの表示を指す。」
(ウ) 「【0112】
<<各種演出の内容及び流れの説明>>
(中略)
【0118】
続きを表示(全20行)
図11を参照し、リーチ演出を含む変動演出では、第1~第3装飾図柄(図11のSZ1~SZ3に相当)の変動表示の開始後、任意の演出を経て、第1及び第2装飾図柄を共通の図柄(図11では数字「2」の図柄)にて揃えた状態で仮停止させ、その後、所定のリーチ演出を行う。リーチ演出では、例えば、遊技上の課題(主人公キャラクタが遊技上の敵キャラクタを倒す課題など)が発生し、その課題が達成されるか否かを示す演出が実行される。リーチ演出が行われる前において、第1及び第2装飾図柄を共通の図柄にて仮停止させる際、遊技者が第1及び第2装飾図柄を視認しやすいように第1及び第2装飾図柄が所定の大サイズで仮停止される。リーチ演出の実行中には、リーチ演出を見やするするために共通の図柄にて揃えられた小サイズの第1及び第2装飾図柄が、例えば画像表示部104の左上隅及び右上隅で仮停止せしめられる(小サイズは上記大サイズよりも小さい)。リーチ演出の実行中、画像表示部104内の任意の表示領域で第3装飾図柄を小サイズで変動表示(第1及び第2装飾図柄よりも高速な変動表示)させるようにしても良い。
(中略)
【0124】
[シェイク演出]
次に、演出制御部403が画像表示部104を用いて行うことができるシェイク演出について説明する。
【0125】
シェイク演出は、画像表示部104における所定の第1表示領域に所定の演出画像Jを表示させる状態(以下、第1表示状態と称する)から、画像表示部104における所定の第2表示領域に当該演出画像Jを表示させる状態(以下、第2表示状態と称する)へと、当該演出画像Jの表示領域を変更する演出を含む。ここで、第2表示領域は第1表示領域よりも小さい。演出画像Jは、任意のタイミング(例えば、変動演出の実行期間中のタイミング、大当たり遊技の実行期間中のタイミング又は客待ちデモ演出の実行期間中のタイミング)にて表示されうる任意の画像であって良い。
【0126】
シェイク演出は、第1表示状態から第2表示状態へと当該演出画像Jの表示領域を変更した後、第2表示状態から第1表示状態へと当該演出画像Jの表示領域を変更する演出(換言すれば演出画像Jの表示領域を第1表示領域に戻す演出)を更に含んでいて良い。
【0127】
シェイク演出では、第1表示状態と第2表示状態とを複数回繰り返して演出画像Jの表示領域を変更することがあっても良い。即ち、演出画像Jの表示状態を第1表示状態から第2表示状態に変更した後に第1表示状態に戻す演出を複数回繰り返す演出が、シェイク演出に含まれていても良い。
【0128】
図13(a)に演出画像Jの例を示す。図13(b)に示す如く、画像表示部104の全表示領域を記号WIRによって参照する。全表示領域WIRは長方形の形状を持つ。図13(b)では、便宜上、全表示領域WIRを斜線領域にて表している。第1表示領域は、画像表示部104の全表示領域WIRの全部又は一部であるが、以下では、特に記述無き限り、第1表示領域は画像表示部104の全表示領域WIRと一致していると考える。図13(c)は、演出画像Jが第1表示領域に表示されている状態(即ち第1表示状態)における画像表示部104の様子を示している。
(中略)
【0140】
図13~図18を参照した、ここまでの説明では意識しなかったが、演出制御部403は、第2表示状態において第2表示領域に演出画像Jを表示させる際、演出画像Jの外縁に沿った枠画像を所定の表示態様で画像表示部104に表示させることが可能である(換言すれば、所定の表示態様による枠画像を演出画像Jに付加して画像表示部104に表示させることが可能である)。」
(エ) 「【0145】
<<第1実施形態>>
第1実施形態に係る遊技機100を説明する。第1実施形態では、説明の具体化及び明確化のため、1つの特図判定用情報1100及び特図判定用情報1100に対する変動演出1200に注目する。
(中略)
続きを表示(全29行)
【0149】
図22は、ステップS14における変動演出内容決定処理の動作フローチャートである。変動演出内容決定処理において、演出制御部403は、変動開始コマンドを解析し(ステップS141)、その解析結果に基づきサブROM432に格納された複数の変動演出パターンの中から1の変動演出パターンを選択する(ステップS142)。本実施形態では、例として、変動演出1200の中で弱、中又は強リーチ演出が行なわれる場合に限って、シェイク演出が行なわれ得るものとする。そうすると、選択された変動演出パターンが弱、中又は強リーチ演出の実行を定義している場合(即ち、特図変動パターンTHp_d14、THp_d15又はTHp_d16が選択されている場合;図12参照)には(ステップS143のY)、ステップS144にてシェイク演出実行判定処理(後述)を行ってから変動演出内容決定処理を終えるが、そうでない場合(ステップS143のN)、シェイク演出実行判定処理を行わずに変動演出内容決定処理を終える。シェイク演出実行判定処理が行われないとき、変動演出1200においてシェイク演出が行なわれることはないものとする。
【0150】
図23は、シェイク演出実行判定処理にて参照される、サブROM432に記憶されたシェイクパターン選択テーブルの説明図である。シェイク演出実行判定処理において、演出制御部403は、特図判定用情報1100の変動開始コマンドに基づき特図判定用情報1100が大当たりであるか否かを認識し、特図判定用情報1100がハズレである場合には、非シェイクパターン、第1シェイクパターン、第2シェイクパターンを、夫々、60%、30%、10%の確率で対象シェイクパターンとして選択する一方、特図判定用情報1100が大当たりである場合には、非シェイクパターン、第1シェイクパターン、第2シェイクパターンを、夫々、10%、30%、60%の確率で対象シェイクパターンとして選択する。演出制御部403は、ここで選択した対象シェイクパターン(非シェイクパターン並びに第1及び第2シェイクパターンの何れか)に従って、変動演出1200中のシェイク演出の実行有無制御及びシェイク演出の内容制御を行う。演出制御部403は、このような選択確率に従う選択処理を自身が発生する演出用乱数を用いた抽選により実現できる。尚、単に、大当たりといった場合、それは、特A、特B又は通Aの大当たりを指す。
【0151】
非シェイクパターンが対象シェイクパターンとして選択されたとき、演出制御部403は、変動演出1200においてシェイク演出を行わない。第1又は第2シェイクパターンが対象シェイクパターンとして選択されたとき、演出制御部403は、変動演出1200においてシェイク演出を行う。第1シェイクパターンによるシェイク演出と第2シェイクパターンによるシェイク演出との間で枠画像の表示態様が互いに異なる。枠画像の表示態様は、枠画像の色、輝度、模様などに依存するが、ここでは、枠画像の色の相違によって枠画像の表示態様の相違がもたらされるものとする。説明の単純化のため、枠画像は単色で形成された画像であるとする。枠画像の色は、第1シェイクパターンによるシェイク演出において青色(第1表示態様)であり、第2シェイクパターンによるシェイク演出において赤色(第2表示態様)であるとする(図24(a)及び(b))。
【0152】
特図判定用情報1100に対する変動演出内容決定処理にてシェイク演出実行判定処理が行われた場合において、
非シェイクパターンが対象シェイクパターンとして選択されるときの信頼度RL[0](即ち、シェイク演出を含まない変動演出1200の信頼度)、
第1シェイクパターンが対象シェイクパターンとして選択されるときの信頼度RL[1](即ち、第1シェイクパターンのシェイク演出を含む変動演出1200の信頼度、又は、第1シェイクパターンのシェイク演出の信頼度)、
第2シェイクパターンが対象シェイクパターンとして選択されるときの信頼度RL[2](即ち、第2シェイクパターンのシェイク演出を含む変動演出1200の信頼度、又は、第2シェイクパターンのシェイク演出の信頼度)は、夫々、
“10/(60+10)≒0.143”、
“30/(30+30)=0.5”、
“60/(10+60)≒0.857”、
に共通の係数を乗じた値を持つことになる(簡略化のため、特図判定用情報1100がハズレであって且つシェイク演出実行判定処理が行われる確率と特図判定用情報1100が大当たりであって且つシェイク演出実行判定処理が行われる確率とが等しいと仮定したならば、当該係数は1となる)。尚、上述したように “信頼度”は“大当たりの期待度”と同義である。
【0153】
故に“RL[0]<RL[1]<RL[2]”である。従って、第1及び第2シェイクパターンによるシェイク演出は、非シェイクパターンによる演出(シェイク演出を含まない変動演出1200)と比べて大当たりの期待度が高いことを示唆する演出である、と言える。また、第2シェイクパターンによるシェイク演出は、第1シェイクパターンによるシェイク演出と比べて大当たりの期待度が高いことを示唆する演出である、と言える。換言すれば、第1表示態様での枠画像(ここでは青色の枠画像)を用いたシェイク演出と、第2表示態様での枠画像(ここでは赤色の枠画像)を用いたシェイク演出とを比較した場合、後者のシェイク演出が示唆する大当たりの期待度(RL[2])は、前者のそれ(RL[1])よりも高い。
【0154】
また、第1及び第2シェイクパターンのシェイク演出は、特図判定用情報1100に対する大当たりの期待度が所定期待度KTREFよりも高いことを示唆する演出である。上述したように、所定期待度KTREFは、大当たりの当選確率として予め定められた確率OTKを示す、又は、その確率OTKよりも大きな所定値(例えば、確率OTKの5倍)を示す。確率OTKは、特図判定が低確率遊技状態で行われたならば“1/399”であり、特図判定が高確率遊技状態で行われたならば“10/399”である(図6参照)。
【0155】
変動演出1200にて行われうるシェイク演出の実行タイミングは任意である。変動演出1200にてシェイク演出(第1又は第2シェイクパターンのシェイク演出)を行うと決定した場合、例えば、第1~第3装飾図柄の変動表示の開始後、リーチ演出(弱、中又は強リーチ演出)が行われるまでの期間においてシェイク演出を行うようにしても良いし、リーチ演出の実行中にシェイク演出を行うようにしても良い。
【0156】
本実施形態のシェイク演出によれば、演出画像に揺れ、回転等が生じているかのように見える迫力のある演出、見栄えの良い演出を実現することができ、結果、遊技の興趣向上が期待される。この際、演出画像に枠画像を付与して表示することで、演出画像とそれ以外の画像(枠画像を除く)との境界が明確になり、演出画像に揺れ、回転等が生じているかのように見える作用が強まることが期待されると共にメリハリの利いた映像表示が可能となる。
【0157】
また、シェイク演出が実行されないときよりもシェイク演出が実行されたときの方が大当たりの期待度が高くなるようにしておくことで、遊技者は、シェイク演出を期待感(大当たり発生への期待感)をもって見ることができる。加えて、枠画像の表示態様によって大当たりの期待度が変化するような仕組みを導入することで、遊技者は緊張感をもって枠画像の表示態様を見るようになる、と期待される。緊張感は、退屈の対極にあり、遊技の面白みの向上に役立つものである。大当たりの期待度が相対的に高い表示態様にて枠画像が表示されたとき、遊技者は、変動演出1200における以後の演出を、高い期待感をもって見守ることができる。」
(オ) 「【0158】
<<第2実施形態>>
第2実施形態に係る遊技機100を説明する。第2実施形態及び後述の第3実施形態は第1実施形態を基礎とする実施形態であり、第2及び第3実施形態において特に述べない事項に関しては、矛盾の無い限り、第1実施形態の記載が第2及び第3実施形態にも適用される。第2実施形態において、第1及び第2実施形態間で矛盾する事項については第2実施形態の記載が優先される(後述の第3実施形態についても同様)。
【0159】
続きを表示(全23行)
第2実施形態に係るシェイク演出では、第1表示状態と第2表示状態とをN回繰り返して演出画像Jの表示領域が変更される(Nは2以上の整数)。即ち、第2実施形態に係るシェイク演出では、演出画像Jの表示状態を第1表示状態から第2表示状態に変更した後に第1表示状態に戻す単位演出がN回繰り返して実行される。
【0160】
更に第2実施形態では、シェイク演出のパターンとして、第1~第3シェイクパターンが存在する。第1、第2シェイクパターンによるシェイク演出では、枠画像の表示態様が、シェイク演出が行なわれる期間中、夫々、所定の第1、第2表示態様に固定される。一方、第3シェイクパターンによるシェイク演出では、枠画像の表示態様が、シェイク演出が行なわれる期間の中で第1表示態様から第2表示態様に変化せしめられる。上述したように、枠画像の表示態様は、枠画像の色、輝度、模様などに依存するが、ここでは、枠画像の色の相違によって枠画像の表示態様の相違がもたらされるものとする。説明の単純化のため、枠画像は単色で形成された画像であるとする。
【0161】
枠画像の色は、第1シェイクパターンによるシェイク演出においては青色(第1表示態様)で固定され、第2シェイクパターンによるシェイク演出においては赤色(第2表示態様)で固定される。第2シェイクパターンによるシェイク演出において枠画像の色が赤色で固定されるとは、シェイク演出を構成するN回の単位演出の全てにおいて第2表示状態における枠画像の色が赤色とされることを意味する。つまり、第2シェイクパターンによるシェイク演出では、枠画像の色が最初の第2表示状態のときから赤色とされる。第1シェイクパターンのシェイク演出による、枠画像の色の青色での固定も同様である。
【0162】
第3シェイクパターンによるシェイク演出においては、シェイク演出を構成するN回の単位演出の内、1回目~M回目の単位演出では(1回目~M回目の単位演出における第2表示状態では)枠画像の色が青色とされるが、(M+1)回目~N回目の単位演出では((M+1)回目~N回目の単位演出における第2表示状態では)枠画像の色が赤色とされる。ここでMは1以上且つ(N-1)以下の整数である。つまり、第3シェイクパターンによるシェイク演出では、枠画像の色が2回目以降の第2表示状態のときから赤色とされる。
【0163】
図25(a)及び(b)に、N=2且つM=1である場合における、第2、第3シェイクパターンのシェイク演出の時系列変化を示す。N=2且つM=1である場合、第2シェイクパターンのシェイク演出では、図25(a)に示す如く1回目及び2回目の単位演出において共に枠画像の色が赤色とされる。一方、第3シェイクパターンのシェイク演出では、図25(b)に示す如く1回目の単位演出(1回目の第2表示状態)において枠画像の色が青色とされるが2回目の単位演出(2回目の第2表示状態)において枠画像の色が赤色とされる。
(中略)
【0167】
故に“RL[0]<RL[1]<RL[2]=RL[3]”である。従って、第1~第3シェイクパターンによるシェイク演出は、非シェイクパターンによる演出(シェイク演出を含まない変動演出1200)と比べて大当たりの期待度が高いことを示唆する演出である、と言える。また、第2及び第3シェイクパターンによるシェイク演出は、第1シェイクパターンによるシェイク演出と比べて大当たりの期待度が高いことを示唆する演出である、と言える。換言すれば、第1表示態様での枠画像(ここでは青色の枠画像)のみを用いたシェイク演出と、第2表示態様での枠画像(ここでは赤色の枠画像)を用いたシェイク演出とを比較した場合、後者のシェイク演出が示唆する大当たりの期待度(RL[2]、RL[3])は、前者のそれ(RL[1])よりも高い。
(中略)
【0169】
変動演出1200にて行われうるシェイク演出の実行タイミングは任意である。変動演出1200にてシェイク演出(第1、第2又は第3シェイクパターンのシェイク演出)を行うと決定した場合、例えば、第1~第3装飾図柄の変動表示の開始後、リーチ演出(弱、中又は強リーチ演出)が行われるまでの期間においてシェイク演出を行うようにしても良いし、リーチ演出の実行中にシェイク演出を行うようにしても良い。シェイク演出を構成するN回の単位演出の内、j回目の単位演出の実行タイミングと、(j+1)回目の単位演出の実行タイミングとの間に、所定時間以上(例えば5秒以上)の期間が介在していても良い(ここで、jは(N-1)以下の自然数)。
【0170】
また、“RL[2]>RL[3]”又は“RL[2]<RL[3]”となるように、図26のシェイクパターン選択テーブルを変形しても構わない。但し、この場合においても、信頼度RL[2]及びRL[3]の夫々は、信頼度RL[0]及びRL[1]よりも高く設定されるべきである。
【0171】
枠画像の色が途中から信頼度の向上方向に変化するシェイク演出を実行可能にしておくことで、遊技者の期待感を段階的に盛り上げることが可能となり、結果、遊技の興趣向上が期待される。」
(カ) 「【0172】
<<第3実施形態>>
第3実施形態に係る遊技機100を説明する。以下、第3実施形態では、第1又は第2実施形態に対する幾つかの変形技術を説明する。
【0173】
第1表示状態では枠画像が視認不能であると述べたが、第1表示状態において枠画像を遊技者が視認可能となるように遊技機100を形成しても良い。つまり例えば、演出制御部403は、第1表示状態において、枠画像の全部又は一部を遊技者が視認可能となるように枠画像を所定の表示態様で画像表示部104に表示させても良い。この際、第1表示状態における遊技者の枠画像の視認を不能とするような部材(枠画像を見ようとする遊技者の視線を遮る不透明部材)は、遊技機100に設置されない。」

(キ) 【図11】

「
[図:0001398060000001.jpg]
」

(ク) 【図24】

「
[図:0001398060000002.jpg]
」

(ケ) 【図25】

「
[図:0001398060000003.jpg]
」

イ 引用発明

前記アの記載事項を総合すると、引用文献には、第1実施形態を基礎とする第2実施形態に対する変形技術である第3実施形態として、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(符号a~dは、本件補正発明の分説A~Dに概ね対応させて当審合議体が付したものである。)。

(引用発明)

「a 制御部400は、遊技の進行を制御する主制御部401と、演出内容を制御する演出制御部403とを備え(【0041】)、主制御部401が備えるメインCPU411は特図当たり判定を実行し(【0042】、【0055】)、特図当たり判定の結果が大当たりの当選を示しているとき大入賞口111が開閉動作され(【0056】、【0077】)、
b、c 演出制御部403は、遊技盤101に配置された画像表示部104を含む演出実現要素を制御することで演出実現要素に変動演出を含む演出を行わせ(【0016】、【0093】)、
c1、c2 変動演出のリーチ演出では、遊技上の課題が発生し、その課題が達成されるか否かを示す演出が実行され、リーチ演出の実行中には、リーチ演出を見やすくするために小サイズの第1及び第2装飾図柄が画像表示部104の左上隅及び右上隅で仮停止させ(【0118】)、リーチ演出の実行中にシェイク演出を行うようにしても良く(【0155】)、演出制御部403が画像表示部104を用いて行うシェイク演出は、画像表示部104の全表示領域WIRと一致している第1表示領域に所定の演出画像Jを表示させる第1表示状態から、第1表示領域よりも小さい所定の第2表示領域に当該演出画像Jを表示させる第2表示状態へと、当該演出画像Jの表示領域を変更した後、第2表示状態から第1表示状態へと当該演出画像Jの表示領域を変更し、第1表示状態と第2表示状態とをN回繰り返して演出画像Jの表示領域を変更し(【0124】~【0126】、【0128】、【0159】)、演出制御部403は、大当たりであるか否かを認識し、選択した対象シェイクパターンに従って、変動演出1200中のシェイク演出の実行有無制御及びシェイク演出の内容制御を行い(【0150】)、
c3 第2表示状態において第2表示領域に演出画像Jを表示させる際、演出画像Jの外縁に沿った枠画像を画像表示部104に表示させ(【0140】)、第1表示状態において、枠画像の全部又は一部を遊技者が視認可能となるように枠画像を所定の表示態様で画像表示部104に表示させ(【0173】)、シェイク演出のパターンとして、第1~第3シェイクパターンが存在し(【0160】)、枠画像の色は、第1シェイクパターンによるシェイク演出においては青色(第1表示態様)で固定され、第2シェイクパターンによるシェイク演出においては赤色(第2表示態様)で固定され、第3シェイクパターンによるシェイク演出においては、シェイク演出を構成するN回の単位演出の内、1回目~M回目の単位演出では(1回目~M回目の単位演出では)枠画像の色が青色とされるが、(M+1)回目~N回目の単位演出では((M+1)回目~N回目の単位演出では)枠画像の色が赤色とされ、第2及び第3シェイクパターンによるシェイク演出は、第1シェイクパターンによるシェイク演出と比べて大当たりの期待度が高いことを示唆する演出である(【0161】~【0162】、【0167】)、
d 遊技機100(【0015】)。」

(3) 対比

ア 構成Aについて

引用発明の構成aにおける「大入賞口111が開閉動作され」る状態は、本件補正発明の構成Aの「遊技者に有利な特別遊技状態」に相当し、引用発明が、上記「大入賞口111が開閉動作され」る状態(遊技者に有利な特別遊技状態)の前提として、「特図当たり判定の結果」として「大当たりの当選を示」すことは、本件補正発明の構成Aの「遊技者に有利な特別遊技状態にするか否かの判定を行う」ことに相当する。そして、引用発明の構成aにおける、上記「特図当たり判定」を「実行」する「主制御部401が備えるメインCPU411」は、本件補正発明の「判定手段」に相当する。

そうすると、引用発明は、本件補正発明の構成Aを備えたものである。

イ 構成B、構成Cについて

引用発明の構成b、cの「遊技盤101に配置された画像表示部104」は、本件補正発明の構成Bの「所定の表示手段」に相当し、上記「遊技盤101に配置された画像表示部104」(所定の表示手段)を含む「演出実現要素」は、本件補正発明の構成Bの「演出手段」に相当する。そして、引用発明の構成b、cにおける、上記「演出実現要素」(演出手段)が行う「変動演出を含む演出」、「演出制御部403」は、それぞれ、本件補正発明の構成B又は構成Cの「所定の演出」、「演出実行手段」に相当する。

そうすると、引用発明は、本件補正発明の構成B、構成Cを備えたものである。

ウ 構成C1、構成C2について

引用発明の構成c1、c2の「リーチ演出」は、「遊技上の課題が発生し、その課題が達成されるか否かを示す演出」であるから、本件補正発明の構成C1における「場面の展開が行われる」「リーチ演出」に相当する。また、引用発明は、上記「リーチ演出」(リーチ演出)の実行中に、「リーチ演出を見やすくするために小サイズの第1及び第2装飾図柄が画像表示部104の左上隅及び右上隅で仮停止させ」ることから、「画像表示部104の左上隅及び右上隅で仮停止」している「小サイズの第1及び第2装飾図柄」とは別に、「見やすく」された背景の画像が存在することは明らかであり、当該「見やすく」された背景の画像は、本件補正発明の構成C1の「リーチ演出に応じた」「リーチ背景画像」に相当するといえる。

続いて、引用発明の構成c1、c2によれば、「リーチ演出の実行中に」「画像表示部104を用いて行うようにしても良」い「シェイク演出」では、まず「第1表示状態」で「画像表示部104の全表示領域WIRと一致している第1表示領域に所定の演出画像Jを表示させる」ことから、シェイク演出を始めるときの「演出画像J」は、上段で検討した「「見やすく」された背景の画像」(リーチ背景画像)の一態様であるといえる。そして、当該「演出画像J」(リーチ背景画像)が、「第1表示状態」から「第1表示領域よりも小さい所定の第2表示領域に当該演出画像Jを表示させる第2表示状態」へ「表示領域を変更した後」、「第2表示状態」から「第1表示状態」へ「表示領域を変更」することは、本件補正発明の構成C2における「縮小してから拡大して元の状態に戻る動作演出」に相当するとともに、上段で検討した「場面の展開」として行われるものであることが明らかであり、さらに、引用発明の構成c1、c2において、「第1表示状態と第2表示状態とをN回繰り返して演出画像Jの表示領域を変更」することは、上記した、「第1表示状態」、「第2表示状態」、「第1表示状態」の順に行われる表示領域の変更(「場面の展開」としての「縮小してから拡大して元の状態に戻る動作演出」)を、本件補正発明の構成C1、C2におけるように「複数のタイミングで」実行することに相当するといえる。

次に、引用発明の構成c1、c2によれば、「演出制御部403」が行う「変動演出1200中のシェイク演出の実行有無制御及びシェイク演出の内容制御」は、「大当たりであるか否かを認識」することが前提とされているといえるから、上段で検討した、「第1表示状態」、「第2表示状態」、「第1表示状態」の順に行われる表示領域の変更(縮小してから拡大して元の状態に戻る動作演出)は、前記アの検討も踏まえると、本件補正発明の構成C2におけるように、「判定の結果に基づいて」実行されるものであるといえる。

以上を総合すると、引用発明は、本件補正発明の構成C1、構成C2を備えたものであるといえる。

エ 構成C3について

引用発明の構成c3における、「第2表示状態において第2表示領域に演出画像Jを表示させる際、演出画像Jの外縁に沿っ」て「表示させ」、また、「第1表示状態において」も「所定の表示態様で」「表示させ」る「枠画像」について、その「色」が、「青色(第1表示態様)で固定され」た「第1シェイクパターン」、「赤色(第2表示態様)で固定され」た「第2シェイクパターン」、「シェイク演出を構成するN回の単位演出の内、1回目~M回目の単位演出では(1回目~M回目の単位演出では)枠画像の色が青色とされるが、(M+1)回目~N回目の単位演出では((M+1)回目~N回目の単位演出では)枠画像の色が赤色とされ」た「第3シェイクパターン」の3パターンが存在し、「第2及び第3シェイクパターンによるシェイク演出は、第1シェイクパターンによるシェイク演出と比べて」「大当たりの期待度が高いことを示唆する」ことから、当該「枠画像」の「演出」は、本件補正発明の構成C3における「リーチ背景画像上」の「示唆演出」に相当する。

そして、前記ウで検討したように、引用発明は、「演出画像J」(リーチ背景画像)の「表示領域」の「変更」が「第1表示状態と第2表示状態とをN回繰り返」す(縮小してから拡大して元の状態に戻る動作演出を、複数のタイミングで実行する)ときに、上段で述べた「第3シェイクパターン」の各回の「単位演出」では、「第1表示状態」及び「第2表示状態」のいずれにおいても「枠画像」の演出(示唆演出)を行い、特に(M+1)回目の「単位演出」では、枠画像の色を青色から赤色に変える演出(示唆演出)を行うのであるから、引用発明の構成c3は、本件補正発明の構成C3の「リーチ背景画像が拡大して元の状態に戻ったときに」「所定の示唆演出を実行することがある」事項を備えているといえる。

以上を総合すると、引用発明は、本件補正発明の構成C3を備えたものであるといえる。

オ 構成Dについて

引用発明の構成dの「遊技機100」は、本件補正発明の構成Dの「遊技機」に相当する。

(4) 当審合議体の判断

前記(3)からみて、本件補正発明と引用発明とは相違するところがない。

また、本件補正発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。

(5) 請求人の主張について

請求人は審判請求書において、次の主張をしている。

「(1-2)補正後の請求項1に記載の発明の特徴部の説明
補正後の請求項1に記載の発明(以下、「本願発明1」という)は、「複数のタイミングで場面の展開が行われるリーチ演出を実行可能であるとともに、前記リーチ演出において、前記リーチ演出に応じたリーチ背景画像を前記表示手段に表示可能であり、」(以下、「前提構成1」という)と、「前記複数のタイミングで、前記判定の結果に基づいて、前記リーチ背景画像が縮小してから拡大して元の状態に戻る動作演出を実行することがあり、」(以下、「特徴構成1」という)と、「前記複数のタイミングで実行する前記動作演出の何れにおいても、前記リーチ背景画像が拡大して元の状態に戻ったときに、前記リーチ背景画像上で、所定の示唆演出を実行することがある、」(以下、「特徴構成2」という)と、を具備しています。
(中略)
(2)引用文献の説明
続きを表示(全12行)
引用文献1に記載の発明(以下、「引用発明1」という)は、リーチ演出が行われるまでの期間やリーチ演出の実行中にシェイク演出が行われることがあります(段落[0155])。シェイク演出には、画像表示部104における第1表示領域に演出画像Jが表示される第1表示状態から、画像表示部104における第2表示領域(第2表示領域は第1表示領域よりも小さい)に演出画像Jが表示される第2表示状態へと、当該演出画像Jの表示領域を変更する演出が含まれ、シェイク演出では、第1表示状態から第2表示状態に変更された後に第1表示状態に戻る単位演出がN回(Nは2以上の整数)繰り返して行われます(段落[0124]~[0127]、[0159])。また、演出画像Jの外縁には、枠画像が表示され、枠画像の色が、青色から大当たりの期待度が高い赤色に変化することもあります(段落[0162]、[0171])。枠画像は、第2表示状態において表示され、第1表示状態においては遊技者による視認が不能に構成されます(段落[0141]~[0142])。
(3)本願発明1と引用発明1との対比
審査官殿は、引用発明1の「シェイク演出」、「枠画像」が、本願発明1の「動作演出」、「所定の示唆演出」にそれぞれ相当すると認定していると思料します。
しかしながら、本願発明1は、特徴構成1の「前記複数のタイミングで、前記判定の結果に基づいて、前記リーチ背景画像が縮小してから拡大して元の状態に戻る動作演出を実行することがあり、」を具備した上で、特徴構成2の「前記複数のタイミングで実行する前記動作演出の何れにおいても、前記リーチ背景画像が拡大して元の状態に戻ったときに、前記リーチ背景画像上で、所定の示唆演出を実行することがある、」を具備しており、引用発明1とは明確に異なります。
引用発明1の「シェイク演出」では、演出画像Jが第1表示状態(通常の状態)から第2表示状態(縮小した状態)に変更されたときに、枠画像が視認可能になり、枠画像の色を認識することができるようになります。つまり、演出画像Jが第2表示状態から第1表示状態に戻る前の状態において、枠画像の色(大当たりの期待度)を判別可能になっています。
これに対し、本願発明1の「動作演出」では、リーチ背景画像が拡大して元の状態に戻ったときに、「所定の示唆演出」が行われ、リーチ背景画像が縮小しているときには、「所定の示唆演出」が行われるか否かを判別することができないようになっています。
そして、本願発明1は、前提構成1、特徴構成1および特徴構成2を具備することにより、「リーチ演出において場面展開が行われる際に、リーチ背景画像が縮小してから拡大して元の状態に戻る動作演出が行われることがあるので、リーチ演出に変化を与えることができ、更に、何れの場面展開で行われる動作演出でも、リーチ背景画像が拡大して元の状態に戻ったときに、元の状態に戻ったリーチ背景画像上で、所定の示唆演出が行われることがあるので、リーチ背景画像が縮小しているときに、その後に行われることがある示唆演出に対する期待感を遊技者に与えることができる」という効果を奏します。この効果は、特徴構成1を受ける特徴構成2を具備しない引用発明1からは想到し得ません。
従いまして、本願発明1は、引用発明1が具備しない特徴構成2を具備し、且つ引用発明1からは想到し得ない効果を奏するため、拒絶の理由は解消されたものと思料します。」

しかし、引用発明が、「演出画像J」(リーチ背景画像)の「表示領域」の「変更」が「第1表示状態と第2表示状態とをN回繰り返」す(縮小してから拡大して元の状態に戻る動作演出を、複数のタイミングで実行する)ときに、「第3シェイクパターン」の各回の「単位演出」では、「第1表示状態」及び「第2表示状態」のいずれにおいても「枠画像」の演出(示唆演出)を行い、特に(M+1)回目の「単位演出」では、枠画像の色を青色から赤色に変える演出(示唆演出)を行い、本件補正発明の上記特徴構成2を備えることは、前記(3)エで述べたとおりである。

よって、請求人の主張を採用することはできない。

(6) まとめ

以上のとおり、本件補正発明は、引用文献に記載された発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、特許出願の際、独立して特許を受けることができない。

また、本件補正発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際、独立して特許を受けることができない。

4 補正の却下の決定についてのむすび

したがって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。

よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1 本願発明

本件補正は前記第2のとおり却下されたので、この出願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和3年12月13日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、請求項1の記載は次のとおりである(記号AA~DDは、分説のため当審合議体が付した。以下、AA等を付した事項を「構成AA」等という。)。

(本願発明)

「【請求項1】
AA 遊技者に有利な特別遊技状態にするか否かの判定を行う判定手段と、
BB 所定の表示手段を含む演出手段を用いて、所定の演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
CC 前記演出実行手段は、
CC1 複数のタイミングで場面の展開が行われるリーチ演出を実行可能であるとともに、前記リーチ演出において、前記リーチ演出に応じたリーチ背景画像を前記表示手段に表示可能であり、
CC2 前記複数のタイミングで、前記判定の結果に基づいて、前記リーチ背景画像が縮小してから拡大する動作演出を実行することがあり、
CC3 前記複数のタイミングで実行する前記動作演出の何れにおいても、前記リーチ背景画像の縮小または拡大に伴って、前記リーチ背景画像上で、所定の示唆演出を実行することがある、
DD ことを特徴とする遊技機。」

2 原査定の拒絶の理由の概要

原査定の拒絶の理由は、概略、次のとおりである。

1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

●理由1(新規性)、理由2(進歩性)について

・請求項 1

・引用文献等 1

<引用文献等一覧>

1.特開2016-198359号公報

3 引用文献

ア 引用文献の記載事項

引用文献の記載事項は、前記第2の3(2)アに記載したとおりのものである。

イ 引用発明

引用文献に記載される引用発明は、前記第2の3(2)イに記載したとおりのものである。

4 本願発明と引用発明との対比

ア 構成AAについて

前記第2の3(3)アで説示したとおりであり、引用発明は、本願発明の構成AAに相当する構成を備えたものである。

イ 構成BB、構成CCについて

前記第2の3(3)イで説示したとおりであり、引用発明は、本願発明の構成BB、構成CCに相当する構成を備えたものである。

ウ 構成CC1、構成CC2について

まず、構成CC1については、前記第2の3(3)ウで説示したとおりであり、引用発明は、本願発明の構成CC1に相当する構成を備えたものであるといえる。

次に、構成CC2については、前記第2の2(1)で検討したとおり、本件補正前の請求項1で、「動作演出」について「前記リーチ背景画像が縮小してから拡大する」としていたところを、「前記リーチ背景画像が縮小してから拡大して元の状態に戻る」とした限定を省いたものであるから、前記第2の3(3)ウにおける本件補正発明の構成C2と引用発明との対比で説示したとおり、引用発明は、本願発明の構成CC2を備えたものであるといえる。

エ 構成CC3について

構成CC3については、前記第2の2(1)で検討したとおり、本件補正前の請求項1で、「所定の示唆演出」について、「前記リーチ背景画像の縮小または拡大に伴って」実行するとしていたところを、「前記リーチ背景画像が拡大して元の状態に戻ったときに」実行するとした限定を省いたものであるから、前記第2の3(3)エにおける本件補正発明の構成C3と引用発明との対比で説示したとおり、引用発明は、本願発明の構成CC3を備えたものであるといえる。

オ 構成DDについて

前記第2の3(3)オで説示したとおりであり、引用発明は、本願発明の構成DDに相当する構成を備えたものである。

5 当審合議体の判断

前記4からみて、本願発明と引用発明とは相違するところがない。

また、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。

6 むすび

以上のとおり、本願発明は、引用文献に記載された発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができない。

また、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-012306

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