2022-012089
ロボットの線条体処理構造
- 審判番号
- 2022-012089
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-052067外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年08月04日
- 審決日
- 2023年10月17日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-WZ (B25J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 14項目
第1 手続の経緯
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本件審判に係る出願は、平成31年3月20日にされた特許出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
第2 本件発明
本件の請求項1~3に係る発明は、令和5年6月13日に提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定されるとおりのものであって、請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、以下の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】被設置面に設置されるベースと、鉛直な第1軸線回りに前記ベースに対して回転可能に支持された旋回胴と、水平な第2軸線回りに前記旋回胴に対して回転可能に支持されるアームとを備え、前記旋回胴が、前記第1軸線に沿って前記ベース内から該旋回胴の上面に開口する中空部を備えるロボットの線条体処理構造であって、1本の線条体を、前記ベース内から前記中空部を経由して前記旋回胴上面の開口から上方に引き出し、前記旋回胴の後方に曲げ、前記上面よりも下方に下降させた高さにおいて前記アームの下方まで導いて、前記第2軸線の下方において第1固定部材によって前記旋回胴に固定し、前記第1固定部材の前方において、前記アームに沿う方向に湾曲させて前記第1固定部材との間で前記アームの動作に必要な長さの余裕を与えて第2固定部材によって前記アームの側面に固定するロボットの線条体処理構造。」
第3 当審拒絶理由
当審が、令和5年4月11日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)のうち、本件発明(請求項1に係る発明)に対する拒絶の理由2(進歩性欠如)の概要は、以下のとおりである。
本件発明は、以下の引用文献1に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第4 引用文献に記載された事項及び引用発明
1 引用文献1に記載された事項等
(1)引用文献1の記載
引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は当審にて付した。以下同じ。)。
「【0010】〔ロボットシステム〕図1~図3に示すように、ロボットシステム1は、ロボット2と、ロボットコントローラ100と、溶接コントローラ200と、ケーブルC1,C2とを備える。ロボット2は多関節ロボットであり、その先端部80に溶接装置90を有する。ロボットコントローラ100は、ワークWの溶接個所に溶接装置90を配置するようにロボット2を制御する。溶接コントローラ200は、溶接個所に溶接装置90が配置されるのに同期して溶接装置90を制御する。ロボットコントローラ100及び溶接コントローラ200は、ケーブルC1,C2をそれぞれ介してロボット2に接続されている。・・・続きを表示(全30行)【0013】旋回部20は、基台10上に設けられており、鉛直な軸線Ax1まわりに旋回可能である。旋回部20はベースプレート21及び接続部22を有する。ベースプレート21は基台10上に取り付けられており、軸線Ax1まわりに回動可能となっている。ベースプレート21は水平な板状を呈し、その中央部には配線用の開口21aが形成されている。接続部22は、軸線Ax1からずれた位置において、ベースプレート21の上面から垂直に突出している。以下の説明において、「前後左右」は、軸線Ax1を基準とし、接続部22側を前側とした場合の方向を意味する。・・・【0035】ケーブルC3(第一ケーブル)は、複数のケーブルC31~C37をシースCS3により束ねたケーブルハーネスである。ケーブルC31~C37のそれぞれは、例えば複数の電力供給線及び複数の信号線により構成されている。【0036】ケーブルC31は、ロボットコントローラ100とアクチュエータM1との間でエネルギー(例えば駆動電力及び電気信号)を伝送する。ケーブルC32は、ロボットコントローラ100とアクチュエータM2との間でエネルギー(例えば駆動電力及び電気信号)を伝送する。ケーブルC33は、ロボットコントローラ100とアクチュエータM3との間でエネルギー(例えば駆動電力及び電気信号)を伝送する。ケーブルC34は、ロボットコントローラ100とアクチュエータM4との間でエネルギー(例えば駆動電力及び電気信号)を伝送する。ケーブルC35は、ロボットコントローラ100とアクチュエータM5との間でエネルギー(例えば駆動電力及び電気信号)を伝送する。ケーブルC36は、ロボットコントローラ100とアクチュエータM6との間でエネルギー(例えば駆動電力及び電気信号)を伝送する。ケーブルC37は、ロボットコントローラ100とアクチュエータM7との間でエネルギー(例えば駆動電力及び電気信号)を伝送する。【0037】ケーブルC3の一端部は、ターミナル11を介してケーブルC1に接続されている。ケーブルC3は、軸線Ax2に沿う方向においてアクチュエータM2,M3の逆側に配線されている。一例として、ケーブルC3は、開口21aからベースプレート21の上に延出し、ベースプレート21の後側、第一腕部30及び第二腕部40の右側に順次配線され、ケーブルガイド55を通して第三腕部50の左側に配線されている。すなわち、ケーブルC3は、第一腕部30から第二腕部40に至る配線経路において、アクチュエータM2,M3の逆側に配線されている。【0038】ケーブルC3は、ケーブルクランプCC1によってベースプレート21の右側部分に固定されており、ケーブルクランプCC2によって第一腕部30の右側面30aに固定されており、ケーブルクランプCC3,CC4によって第二腕部40の右側面40aに固定されており、ケーブルクランプCC5によってベースプレート52の右側部分に固定されている。ケーブルクランプCC1~CC5は例えば金属製であり、それぞれケーブルC3を保持した状態にて、ボルト等によりロボット2の各部に固定されている。ケーブルクランプCC3,CC4は、第二腕部40の長手方向(基端部から先端部に至る方向)に沿って並んでいる。【0039】ケーブルC31,C32(支線)は、開口21a及びケーブルクランプCC1の間において他のケーブルC33,C34,C35,C36,C37(本線C30)から分岐し、アクチュエータM1,M2にそれぞれ接続されている。・・・【0044】ケーブルC4(第二ケーブル)は、複数のケーブルC41,C42をシースCS4により束ねたケーブルハーネスである。ケーブルC41,C42は、例えば溶接コントローラ200からのエネルギー(例えば溶接電力)を伝送する電線であるが、これに限られない。ケーブルC41,C42は、例えば冷却用の流体を送るホースであってもよい。【0045】ケーブルC4の一端部は、ターミナル11を介してケーブルC2に接続されている。ケーブルC4も、軸線Ax2に沿う方向においてアクチュエータM2,M3の逆側に配線されている。一例として、ケーブルC4は、ケーブルC3と共に開口21aからベースプレート21の上に延出し、ベースプレート21の背面側、第一腕部30及び第二腕部40の右側に配線され、ケーブルガイド55を通して第三腕部50の左側に配線されている。すなわち、ケーブルC4は、第一腕部30から第二腕部40に至る配線経路において、アクチュエータM2,M3の逆側に配線されている。【0046】ケーブルC4もケーブルC3と共に、ケーブルクランプCC1によってベースプレート21の右側部分に固定されており、ケーブルクランプCC2によって第一腕部30の右側面30aに固定されており、ケーブルクランプCC3,CC4によって第二腕部40の右側面40aに固定されており、ケーブルクランプCC5によってベースプレート52の右側部分に固定されている。・・・【0065】ロボット2は、先端部80に設けられた溶接装置90と、溶接装置90に接続されたケーブルC4,C5とを更に備えてもよい。ケーブルC4,C5もアクチュエータM2,M3の逆側に配線されてよい。この構成によれば、ケーブルC3と共にケーブルC4,C5も容易に配線できる。なお、溶接装置90に接続されるケーブルC4,C5は、ケーブルC3に比べ更に曲げにくい場合がある。この場合、ケーブル類を容易に配線できることがより有益となる。・・・【0068】先端部80に設けられる溶接装置90はスポット溶接ガンに限られず、アーク溶接用の溶接トーチであってもよい。この場合、ケーブルC4は、溶接材の送給用のケーブルを含んでいてもよい。更に、先端部80には溶接装置90以外のエンドエフェクタ(例えばロボットハンド)が設けられていてもよい。この場合、ケーブルC4は、エンドエフェクタに駆動エネルギーを伝送するケーブルを含んでいてもよい。」
「図1[図:0001405338000001.jpg]図3[図:0001405338000002.jpg]」
(2)引用文献1の記載から理解できる事項
ア ベースプレート21は、段落【0013】の記載等から、旋回部20の一部を構成するものであるから、軸線Ax1周りに旋回する部材であり、水平な板状であることが理解できる。
イ 段落【0013】、【0037】、【0038】、【0045】、【0046】の記載及び図1、図3等から、ケーブルC3、C4を、基台10内から配線用の開口21aを経由してベースプレート21上面の開口から上方に引き出し、ベースプレート21の後方に曲げ、ベースプレート21上面よりも下方に下降させた高さにおいて第一腕部30の下方まで導いて、軸線Ax2の下方においてケーブルクランプCC1によってベースプレート21に固定し、ケーブルクランプCC1の前方において、第一腕部30に沿う方向に湾曲させてケーブルクランプCC1との間で第一腕部30の動作に必要な長さの余裕を与えてケーブルクランプCC2によって第一腕部30の側面に固定する配線の構造が、引用文献1には示されているといえる。
ウ 段落【0035】~【0039】の記載等から、ケーブルC3は、複数の電力供給線及び複数の信号線により構成され、ロボット2のアクチュエータを駆動するために必須のケーブルであることが理解できる。
他方、段落【0044】~【0046】、【0065】、【0068】の記載等から、ケーブルC4は、例えば溶接コントローラ200からのエネルギーを伝送する電線であってもよく、冷却用の流体を送るホースであってもよく、溶接材の送給用のケーブルであってもよいとされるものであり、ロボット2の先端部80に設けられる交換可能なエンドエフェクタに応じたケーブルであることが理解できる。
2 引用発明
上記1から、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
<引用発明>
被設置面に設置される基台10と、鉛直な軸線Ax1回りに前記基台10に対して回転可能に支持されたベースプレート21と、水平な軸線Ax2回りに前記ベースプレート21に対して回転可能に支持される第一腕部30とを備え、
前記ベースプレート21が、前記軸線Ax1に沿って前記基台10内から該ベースプレート21上面に開口する配線用の開口21aを備えるロボット2のケーブルC3、C4の配線の構造であって、
ケーブルC3、C4を、前記基台10内から前記配線用の開口21aを経由して前記ベースプレート21上面の開口から上方に引き出し、前記ベースプレート21の後方に曲げ、前記ベースプレート21上面よりも下方に下降させた高さにおいて前記第一腕部30の下方まで導いて、前記軸線Ax2の下方においてケーブルクランプCC1によって前記ベースプレート21に固定し、前記ケーブルクランプCC1の前方において、前記第一腕部30に沿う方向に湾曲させて前記ケーブルクランプCC1との間で前記第一腕部30の動作に必要な長さの余裕を与えてケーブルクランプCC2によって前記第一腕部30の側面に固定するロボット2のケーブルC3、C4の配線の構造。
第5 本件発明と引用発明との対比
1 本件発明と引用発明との相当関係
本件発明と、引用発明とを対比すると、以下の関係にある。
引用発明における「基台10」は、その機能・構造等からみて、本件発明における「ベース」に相当し、以下同様に、「軸線Ax1」は「第1軸線」に、「ベースプレート21」は「旋回胴」に、「軸線Ax2」は「第2軸線」に、「第一腕部30」は「アーム」に、「配線用の開口21a」は「中空部」に、「ロボット2」は「ロボット」に、「ケーブルC3、C4の配線の構造」は「線条体処理構造」に、「ケーブルクランプCC1」は「第1固定部材」に、「ケーブルクランプCC2」は「第2固定部材」に、それぞれ相当する。
また、引用発明の「ケーブルC3、C4」と、本件発明の「1本の線条体」とは、「線条体」である点で共通している。
2 本件発明と引用発明との一致点
上記1を踏まえると、本件発明と引用発明とは以下の<一致点>にて一致する。
<一致点>
「被設置面に設置されるベースと、鉛直な第1軸線回りに前記ベースに対して回転可能に支持された旋回胴と、水平な第2軸線回りに前記旋回胴に対して回転可能に支持されるアームとを備え、前記旋回胴が、前記第1軸線に沿って前記ベース内から該旋回胴の上面に開口する中空部を備えるロボットの線条体処理構造であって、線条体を、前記ベース内から前記中空部を経由して前記旋回胴上面の開口から上方に引き出し、前記旋回胴の後方に曲げ、前記上面よりも下方に下降させた高さにおいて前記アームの下方まで導いて、前記第2軸線の下方において第1固定部材によって前記旋回胴に固定し、前記第1固定部材の前方において、前記アームに沿う方向に湾曲させて前記第1固定部材との間で前記アームの動作に必要な長さの余裕を与えて第2固定部材によって前記アームの側面に固定するロボットの線条体処理構造。」
3 本件発明と引用発明との相違点
本件発明と引用発明とは以下の<相違点>にて相違する。
<相違点>
ロボットの線条体が、本件発明では、「1本の線条体」と特定されているのに対し、引用発明は、ケーブルC3、C4であり、複数本の線条体である点。
第6 判断
1 相違点についての判断
引用発明における、ロボット2の線条体は、ケーブルC3、C4であり、複数本の線条体であるものの、上記第4の1(2)ウで説示したとおり、ケーブルC3は、複数の電力供給線及び複数の信号線により構成され、ロボット2のアクチュエータを駆動するための必須のケーブルである一方、ケーブルC4は、例えば溶接コントローラ200からのエネルギーを伝送する電線であってもよく、冷却用の流体を送るホースであってもよく、溶接材の送給用のケーブルであってもよいとされるものであり、ロボット2の先端部80に設けられる交換可能なエンドエフェクタに応じたケーブルであると解される。
そして、ロボット2の先端部80に設けられる交換可能なエンドエフェクタに応じたケーブル(エネルギーを伝送する電線、冷却用の流体を送るホース、溶接材の送給用のケーブル等)が、それぞれ異なるケーブルであることは技術常識であるから、引用発明のロボット2において、エンドエフェクタの交換に伴ってケーブルC4も交換されると解されるところ、引用発明を、エンドエフェクタが装着(交換)される前のロボット2に対する配線の構造とすること、すなわち、ロボット2を駆動するために必須のケーブルであるケーブルC3のみが配線されているロボット2に対する配線の構造として、相違点に係る本件発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものであり、そのような構成とすることを阻害する格別の要因があるともいえない。
また、本件発明全体が奏する効果をみても、引用文献1に記載されたものに基づき、当業者であれば容易に予測し得た範囲内のものである。
以上から、本件発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易になし得たものである。
2 請求人の主張及び当該主張に対する当審の見解
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(1)請求人の主張
請求人は、令和5年6月13日提出の意見書において、当審拒絶理由の理由2(進歩性欠如)に対して、以下の点を主張する。
本件発明は、単一の線条体に対する処理構造に関するものであり、2本のケーブルを1本であるかのように密着させて配線する引用発明とは線条体の本数において相違する。
そのため、本件発明は、引用発明のように、線条体の「余長」部分が、密着する他の線条体の影響を受けて、外方に張り出すという現象が起こり得ない態様であるといえる。そして、単一の線条体に対する処理構造であるにもかかわらず、その線条体を第2軸線の下方において旋回胴に固定することにより、線条体の「余長」部分の外方への張り出しをより小さく抑えることができるという効果を有している。一方、引用文献1には、ケーブルが1本である場合の処理方法については、開示も示唆もされていないから、ケーブルが1本の場合、すなわち、隣接するケーブル同士がひしめき合うことがない場合にまで、軸線Ax2の下方の旋回部20の側面において、ケーブルをクランプすることについての動機付けは存在しない。
(2)請求人の主張に対する当審の見解
請求人は、本件発明は、単一の線条体に対する処理構造に関するものであり、2本のケーブルを1本であるかのように密着させて配線する引用発明とは線条体の本数において相違する旨を主張するが、引用文献1に、ケーブルが1本である場合の配線の構造について明記されていないとしても、引用発明の配線の構造を、ロボット2を駆動するために必須のケーブルであるケーブルC3のみが配線されているロボット2に対する配線の構造とすることが当業者に容易であることは、上記1で説示したとおりである。
また、請求人は、本件発明は、単一の線条体に対する処理構造であるにもかかわらず、その線条体を第2軸線の下方において旋回胴に固定することにより、線条体の「余長」部分の外方への張り出しをより小さく抑えることができるという効果を有する旨を主張するが、本件の明細書には、単一の線条体に対する処理構造を前提とした、そのような効果は記載も示唆もされていない。仮に記載されていたとしても、引用文献1に記載されたものから、当業者が容易に予測し得た範囲内のものである。
なお、本件明細書には、その段落【0013】に「また、ロボット100には、後付けの線条体も装着される。後付けの線条体は、例えば、手首ユニットの先端に取り付けるツール(図示略)に動力、制御信号、圧縮空気あるいは冷却媒体等を供給するための1以上のケーブルあるいはチューブであって、ユーザによってロボット100に装着される。」、段落【0014】に「本実施形態に係る線条体処理構造1は、上記基本ケーブル150および後付けの線条体の処理構造である。両者の取り扱いはほぼ同様であるため、以下、主として基本ケーブル150を処理する処理構造について説明する。」、段落【0020】に「後付けの線条体は、ベース110の背面の分線盤112の位置からベース110内に挿入され、ベース110内から基本ケーブル150と同じ経路を経由して配線される。」及び段落【0021】に「このように、本実施形態に係るロボット100の線条体処理構造1によれば、基本ケーブル150および後付けの線条体(以下、両者をまとめて、単に線条体150という。)は以下のように処理される。」と記載され、ロボット100に基本ケーブル150だけでなく、後付けの線条体も同じ経路で配線することが記載されており、後付けの線条体を装着しないことは一切想定されていないことに鑑みれば、本件発明が、請求人の主張するように、単一の線条体に対する処理構造であるにもかかわらず、線条体の「余長」部分の外方への張り出しをより小さく抑えることができるという効果を意図したものであると認めることもできない。
以上から、請求人の主張は採用することができない。
第7 むすび
以上のとおり、本件発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-012089