2022-011182
調光フィルム、調光フィルムの駆動方法、調光装置、調光部材、車両
- 審判番号
- 2022-011182
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-136835外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年07月19日
- 審決日
- 2024年02月26日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-WZ (G02F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 14項目
第1 手続の経緯
折りたたみ中(クリックで表示)
本願は、2017年(平成29年)7月13日(優先権主張 2016年(平成28年)7月14日。以下、この日を「優先日」という。)の出願であって、その手続の経緯の概要は以下のとおりである。
第2 本願発明
本願の請求項1~5に係る発明(以下、当該請求項1に係る発明を「本願発明」という。)は、本件補正後の請求項1~5に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1の記載は、次のとおりである(下線部は、補正箇所である。)。
「透明な第1電極と、前記第1電極と対向配置された透明な第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、前記第1電極と前記第2電極との間の電位差に応じて透過率を変化させるネマチック液晶化合物、又は、コレステリック液晶化合物からなる液晶材料と、前記第1電極上に配置され、給電を受ける給電位置を有し、前記給電位置から離れた遠端部まで幅が広がりながら延在する複数の給電部と、を備え、前記第1電極は、複数の前記給電部によって複数の領域に分割されている調光フィルム。」
第3 当審拒絶理由通知書における拒絶の理由
上記拒絶の理由は、以下の内容を含むものである。
本件補正前の本願の請求項1に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
1.中国特許出願公開第105717713号明細書
2.国際公開第2008/126269号
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献
(1)引用文献1の記載事項及び引用発明の認定
折りたたみ中(クリックで表示)
ア 引用文献1の記載事項
当審拒絶理由通知書で引用された上記引用文献1(中国特許出願公開第105717713号明細書)には、次の記載がある(下線は当審が付した。)。なお、当審で行った翻訳文によって表記した。
(ア)「【技術分野】【0001】 本発明は調光ガラスに関し、特に改良型スメクチック相調光ガラスに関する。」
(イ)「【背景技術】【0002】 従来の調光ガラスの構造はほぼすべて、次のようなものとなっている。すなわち、基体層の全面に透明導電層がめっきされ、液晶を有する混合層が上下2つの導電層の間に挟まれ、導電層は電極で構成される。そして、調光ガラスの寸法はいずれも大きく、数寸から数十寸と一律ではない。導電層(ITO、FTO、AZOなどから作られる)の抵抗もいずれも大きく、数十Ωから100Ω以上と一律ではないため、次のことが認められる。寸法が大きく、抵抗が大きいという調光ガラスの特徴によって、導電層の電極に接続され、調光ガラス側辺に位置する引出電極から、調光ガラス上の内部表示領域へと駆動信号が伝達される伝送の全過程において、駆動信号のエネルギーの大部分が損失する。このため、調光ガラスを使用する際、状態切換時において、引出電極から遠位の引出電極までの内部表示領域内で明らかな画像のぶれが生じる。すなわち、表示効果が不均一となる。且つ、損失したエネルギーは直接的に表示領域の局所的な発熱を招き、且つ液晶の駆動性能と温度とは直接関係し、発熱領域の駆動性能にも影響するため、当該発熱領域の表示効果にも影響を与える。且つ、駆動信号は伝達される過程で非常に大きなエネルギーを損失するため、調光ガラスに入力する最終駆動電圧をかなり大きくして損失したエネルギーを補填する必要がある。これは、駆動電圧を出力する駆動装置にとっては非常に大きな課題であり、且つ製品としての駆動装置そのものの消費電力もさらに増大する。また、従来の調光ガラスにおいては、液晶と導電層とが直接接触している。こうした直接接触型の構造は、液晶と導電層との間に電気化学反応が発生しやすいだけでなく、2つの導電層の間に電流ブレークダウンが生じやすくなる。これが調光ガラスの使用寿命及び歩留まりに影響し、且つ、このような液晶と導電層が直接接触する構造設計によって、調光ガラスは製造過程で電流ブレークダウンを減少させるための影響を受け、クリーンルーム環境、基材の清浄度を向上させなければならないといった要件によって、クリーンルーム及び基材の洗浄コストが不必要に増加する。」
(ウ)「【発明の概要】【0003】 本発明の目的は、改良型スメクチック相調光ガラスを提供することである。当該調光ガラスは、低抵抗電極線の配置及び保護層の設計を利用して、駆動信号の伝送過程におけるエネルギー損失が大きいという大寸法、高抵抗の調光ガラスの課題を有効に解決し、画像表示時の電気化学腐食という課題を解決して、調光ガラスの画像表示効果を向上させ、使用寿命を延長する。」
(エ)「【0005】 改良型スメクチック相調光ガラスであって、積層された第一基体層、液晶混合層、第二基体層を含み、液晶混合層に対向する第一基体層の表面、液晶混合層に対向する第二基体層の表面にいずれも、シート状で長尺型の透明電極がめっきされ、透明電極上に、抵抗値が透明電極の抵抗値よりも低く、それ自体を高速で流れる電流を迅速に万遍なく透明電極に流すことができる複数の電極線が均等に配置され、各透明電極上のすべての電極線は1本の引出電極に共に接続され、且つ液晶混合層の2つの表面に保護層が設置されることを特徴とする。」
(オ)「【0012】 本発明は、透明電極上に低抵抗の電極線を設計することにより、電極線の高速伝送を利用して抵抗値が高い透明電極の各部分に電流を迅速に到達させることができ、これにより大寸法、高抵抗の透明電極上で駆動信号を伝送する時のエネルギー損失を低減し、調光ガラスの状態切換時に不良な画像モーフィング効果が現れないようにして、表示効果の均一性を確保し、且つ、調光ガラスの表示領域に局所的な発熱現象が発生することを回避して、調光ガラスの駆動性能を保証し、且つ、エネルギー損失を低減することで駆動装置が出力する駆動電圧を低下させることができ、これにより駆動装置の製品の消費電力を削減する。」
(カ)「【発明を実施するための形態】【0018】 図1~2に示すように、本発明の改良型スメクチック相調光ガラス10は、積層された第一基体層11、液晶混合層13、第二基体層12を含み、液晶混合層13に対向する第二基体層12の第一基体層11の表面に、シート状で長尺型の透明電極16がめっきされ、液晶混合層13に対向する表面に、シート状で長尺型の透明電極17がめっきされ、透明電極16上に、抵抗値が透明電極16の抵抗値よりも低く、それ自体(電極線14)を高速で流れる電流を迅速に万遍なく透明電極16に流すことができる複数の線状電極線14が均等に配置され、透明電極17上に、抵抗値が透明電極17の抵抗値よりも低く、それ自体(電極線15)を高速で流れる電流を迅速に万遍なく透明電極17に流すことができる複数の線状電極線15が均等に配置され、各透明電極16上のすべての電極線14は1本の引出電極141に共に接続され、駆動信号を出力することに用いられる外部の駆動装置(図示せず)に引出電極141を経由して接続され、各透明電極17上のすべての電極線15は1本の引出電極151に共に接続され、駆動信号を出力することに用いられる外部の駆動装置に引出電極151を経由して接続され、且つ液晶混合層13の2つの表面に保護層18、19が設置され、すなわち液晶混合層13と、電極線14が均等に配置される透明電極16との間及び電極線15が均等に配置される透明電極17との間に、それぞれ保護層18、保護層19が設置される。」
「【0019】 図1に示される第一基体層11及び第二基体層12は、いずれもガラスから作られてもよく、又はいずれも有機透明材料から作られてもよく、当然、片方がガラスから作られ、もう一方が有機透明材料から作られてもよい。このうち有機透明材料はポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、透明シリカゲルなどである。第一基体層11及び第二基体層12の厚さは5cm以下である。」
「【0021】 図1で示される透明電極16及び透明電極17は導電性金属酸化物から作られていればよく、例えば酸化インジウムスズ(ITO)、酸化フッ素スズ(FTO)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)などであり、さらにカーボンナノチューブでドープされたポリマー分子材料など透明で導電性能を備えた有機材料、無機材料又は複合材料から作られてもよく、又は上記いずれかの材料を基礎として銅、銀、金、炭素などを含む金属又は非金属のうちいずれか1種又は複数を添加して構成される導電性材料から作られてもよい。」
「【0023】 図1で示される保護層18及び保護層19は、透明な不活性高分子コート層又は無機材料コート層であり、その材質はポリイミド(PI)、ポリアクリル酸エステルなどの不活性高分子、二酸化ケイ素又はチッ化ケイ素などの無機材料のうちいずれか1種であればよい。保護層18及び保護層19は、単一層又は二重層又は多重層であればよい。保護層の厚さは300nm以下である。保護層の層数が増加するにつれて厚さはより増加し、得られる以下の有益な効果はより明らかになるが、調光ガラスの光透過率などの光学効果に影響してはならず、調光ガラスの駆動電圧を明らかに上昇させてはならない。実際の製作では、保護層18及び19のサイズは、透明電極16、17を完全にカバーできることを基準とするが、引出電極141、151をカバーしてはならない。」
「【0028】 各透明電極に対し、好適には、各電極線が透明電極の長さ方向に透明電極を貫通して配設され且つ複数の電極線同士が平行に間隔をあけて設置される。図2は、透明電極16上に長さ方向に透明電極16を貫通して配設され、平行に間隔をあけて設置される複数の電極線14の様子を示し、図2は、透明電極16の長さ方向及び幅方向を示す。透明電極17の長さ方向及び幅方向の定義は透明電極16と同じであるため、図示しない。また、実際の設計では、電極線は直線状でも曲線状でも、その他のいかなる形状であってもよい。当然、電極線は透明電極の幅方向又はその他の方向に設置されてもよいが、電極線の配設コスト削減にとっては不利であったり、調光ガラスの製作難度がさらに増大したりする。」
「【0030】 実際の製作においては、図3および図4のように、電極線と透明電極の長さを同じ(同一と見なすが、実際には電極線が透明電極よりもわずかに長くてもよい)に設定し、例えば、厚さ300Å、長さ1m、幅0.5mのITO透明電極(電気抵抗率3×10-6Ω・m)をめっきすると、当該ITO透明電極の抵抗は200Ωである。厚さ3000Å、長さ1m、幅5mmの銀電極線(電気抵抗率×10-8Ω・m)をめっきすると、当該電極線の抵抗は11Ωである。ここで、駆動信号の入力時に、電極線14、15の抵抗値は透明電極16、17の抵抗値よりも大幅に低くなければならないため、大寸法、高抵抗の透明電極の場合、電流は抵抗値が低い電極線を高速で流れると同時に透明電極の各部分に迅速に到達することができ、言い換えれば、非常に少ないエネルギー損失で駆動信号を電極線に沿って透明電極のすべての領域へと均一に伝送することができ、これにより大寸法の透明電極上の駆動信号伝送過程でのエネルギー損失を大幅に低減する。」
「【0034】 使用時は、その表示要件に応じて、駆動装置が各透明電極16へと対応する駆動信号を出力し、具体的には、引出電極141を経由して各電極線14へと対応する電流を伝送し、透明電極16の各箇所へと電流を迅速に流して、透明電極16上で駆動信号の高速印加を実現する。同様に、駆動装置が各透明電極17へと対応する駆動信号を出力し、具体的には、引出電極151を経由して各電極線15へと対応する電流を伝送し、透明電極17の各箇所へと電流を迅速に流して、透明電極17上で駆動信号の高速印加を実現する。このように、透明電極16、17に対する電圧印加によって、各画素に対応する液晶混合層13部分の中のスメクチック液晶の配列形態(不規則又は規則性配列形態)を制御し、これにより、各画素が外部に対し不透明又は透明状態を呈するようにして、調光ガラスの表示駆動を完了する。」
(キ)「【0036】 本発明は、透明電極上に低抵抗の電極線を設計することにより、電極線の高速伝送を利用して抵抗値が高い透明電極の各部分に電流を迅速に到達させることができ、これにより大寸法、高抵抗の透明電極上で駆動信号を伝送する時のエネルギー損失を低減し、調光ガラスの状態切換時に不良な画像モーフィング効果が現れないようにして、表示効果の均一性を確保し、且つ、調光ガラスの表示領域に局所的な発熱現象が発生することを回避して、調光ガラスの駆動性能を保証し、且つ、エネルギー損失を低減することで駆動装置が出力する駆動電圧を低下させることができ、これにより駆動装置の製品の消費電力を削減する。」
「図1[図:0001409592000001.jpg]」
「図2[図:0001409592000002.jpg]」
イ 引用文献1の記載に基づいて当業者が把握できる事項
図1及び2に係る実施形態についてみると、当該実施形態に係る「改良型スメクチック相調光ガラス10」は、「第一基体層11」及び「第二基体層12」を含む(【0018】)ところ、「図1に示される第一基体層11及び第二基体層12は、いずれもガラスから作られてもよく、又はいずれも有機透明材料から作られてもよく、当然、片方がガラスから作られ、もう一方が有機透明材料から作られてもよい。」(【0019】)の記載に照らせば、当業者は、「第一基体層11」及び「第二基体層12」が「ガラス」ではなく「有機透明材料」であるものを把握することできる。そして、当該「改良型スメクチック相調光ガラス10」が「ガラス」と称されている根拠は、当該【0019】の記載によれば、これらの基体層が「ガラス」から作られていることによるものと解されることから、上記のとおり、「第一基体層11」及び「第二基体層12」が「ガラス」ではなく「有機透明材料」であるものは、改良型スメクチック相調光有機透明材料構造といえる。
ウ 引用発明の認定
上記ア及びイによれば、引用文献1には、図1及び2に係る実施形態のうち、「第一基体層11」及び「第二基体層12」が「ガラス」ではなく「有機透明材料」であるものについて、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(引用発明の認定に用いた段落番号等を参考までに括弧内に付してある。以下同じ。)。
「積層された第一基体層11、液晶混合層13、第二基体層12を含み、液晶混合層13に対向する第二基体層12の第一基体層11の表面に、シート状で長尺型の透明電極16がめっきされ、液晶混合層13に対向する表面に、シート状で長尺型の透明電極17がめっきされ、透明電極16上に、抵抗値が透明電極16の抵抗値よりも低く、電極線14を高速で流れる電流を迅速に万遍なく透明電極16に流すことができる複数の線状電極線14が均等に配置され、透明電極17上に、抵抗値が透明電極17の抵抗値よりも低く、それ自体(電極線15)を高速で流れる電流を迅速に万遍なく透明電極17に流すことができる複数の線状電極線15が均等に配置され、(【0018】)各透明電極16上のすべての電極線14は1本の引出電極141に共に接続され、駆動信号を出力することに用いられる外部の駆動装置に引出電極141を経由して接続され、各透明電極17上のすべての電極線15は1本の引出電極151に共に接続され、駆動信号を出力することに用いられる外部の駆動装置に引出電極151を経由して接続され、(【0018】)且つ液晶混合層13の2つの表面に保護層18、19が設置され、すなわち液晶混合層13と、電極線14が均等に配置される透明電極16との間及び電極線15が均等に配置される透明電極17との間に、それぞれ保護層18、保護層19が設置される、(【0018】)改良型スメクチック相調光有機透明材料構造であって、(上記イ)第一基体層11及び第二基体層12は、有機透明材料から作られており、第一基体層11及び第二基体層12の厚さは5cm以下であり、(【0019】)透明電極16及び透明電極17は導電性金属酸化物から作られ、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化フッ素スズ(FTO)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)などであり、(【0021】)複数の電極線14は、透明電極16上に長さ方向に透明電極16を貫通して配設され、平行に間隔をあけて設置されており、(【0028】)電極線は直線状であり、(【0028】)透明電極上に低抵抗の電極線を設計することにより、電極線の高速伝送を利用して抵抗値が高い透明電極の各部分に電流を迅速に到達させることができ、これにより大寸法、高抵抗の透明電極上で駆動信号を伝送する時のエネルギー損失を低減し、調光有機透明材料構造の状態切換時に不良な画像モーフィング効果が現れないようにして、表示効果の均一性を確保し、且つ、調光有機透明材料構造の表示領域に局所的な発熱現象が発生することを回避して、調光有機透明材料構造の駆動性能を保証し、且つ、エネルギー損失を低減することで駆動装置が出力する駆動電圧を低下させることができ、これにより駆動装置の製品の消費電力を削減するものである、(【0012】、上記イ)改良型スメクチック相調光有機透明材料構造。(上記イ)」
(2)引用文献2に記載された事項及び引用文献2技術的事項の認定
ア 引用文献2に記載された事項
当審拒絶理由通知書で引用された上記引用文献2(国際公開第2008/126269号)には、次の記載がある(下線は当審が付した。)。
(ア)「技術分野【0001】 この発明は、面発光光源として有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)素子を用いた発光装置に関する。」
(イ)「背景技術【0002】 有機EL素子は直流の低電圧により駆動されることで高い発光効率を有し、軽量かつ薄型化が可能であることから、近年においては、この有機EL素子を例えばドットマトリクス状に配列してディスプレイとし利用した製品が提供されている。また、有機EL素子は前記したディスプレイに限らず面発光の光源体として利用する点においても注目されている。」
(ウ)「【0022】 図3および図4に示す実施の形態においては、複数の第1補助電極3は、第1電極層としての透明電極2における発光機能層4側の表面上にほぼ等間隔をもって配置されている。また、前記第1補助電極3の各端部は、図3に示されているように第1電極層としての前記透明電極2の引き出し辺7Aにおいて接続され、前記引き出し辺7Aは直流電源Eの正極端子の給電点を構成している。【0023】 また、前記第1補助電極3は、前記透明電極2を構成する素材よりも電気抵抗率が低い素材により形成されていることが望ましく、例えば銀ペースト等のペースト状の金属や、Mo,Al,Ag,Crやその合金、もしくは導電性樹脂等を用いることができる。」
「【0028】 斯くして、図3および図4に示す構成の発光装置によると、第1補助電極3が透明電極2に接合しているので、電気抵抗率が高い透明電極2において発生する電圧降下を効果的に抑制させるように作用する。したがってすでに説明した輝度傾斜の発生度合いを効果的に抑制させることができる。」
(エ)「【0038】 図8はこの発明にかかる発光装置における第1補助電極3と第2補助電極6の好ましい形態について示すものであり、これはすでに説明した図3と同様に発光装置の主要部分を透視状態にした平面図で示している。【0039】 この図8に示す実施の形態においては、第1補助電極3は、第1電極層の引き出し辺7Aから離れるに従い、幅が広くなるように構成され、第2補助電極6は、第2電極層の引き出し辺7Bから離れるに従い、幅が広くなるように構成されている。【0040】 この構成によると、第1補助電極3は第1電極層の引き出し辺7Aから離れるに従って単位面積あたりの抵抗値が低くなるので、透明電極2の配線抵抗による電圧降下に起因する輝度傾斜の発生をより低減させるように作用する。また第2補助電極6は、第2電極層の引き出し辺7Bから離れるに従って、同様に単位面積あたりの抵抗値が低くなるので、第2電極の配線抵抗による電圧降下に起因する輝度傾斜の発生をより低減させることができる。」
「図8[図:0001409592000003.jpg]」
イ 引用文献2技術的事項の認定
上記アによれば、引用文献2には、図8に係る形態について、次の技術的事項(以下「引用文献2技術的事項」という。)が記載されていると認められる。
「面発光光源として有機EL素子を用いた発光装置について、(【0001】)第1補助電極3は、第1電極層としての透明電極2における発光機能層4側の表面上にほぼ等間隔をもって配置されており、(【0022】)第1補助電極3は、前記透明電極2を構成する素材よりも電気抵抗率が低い素材により形成されており、(【0023】)第1補助電極3が透明電極2に接合しているので、電気抵抗率が高い透明電極2において発生する電圧降下を効果的に抑制させるように作用し、(【0028】)さらに、第1電極層の引き出し辺7Aから離れるに従い、幅が広くなるように構成され、(【0039】)、この構成によると、第1補助電極3は第1電極層の引き出し辺7Aから離れるに従って単位面積あたりの抵抗値が低くなるので、透明電極2の配線抵抗による電圧降下に起因する輝度傾斜の発生をより低減させるように作用するという技術的事項。(【0040】)」
第5 本願発明と引用発明との対比・判断
1 対比
本願発明と引用発明を対比すると、以下のとおりである。
(1)本願発明の「透明な第1電極と、前記第1電極と対向配置された透明な第2電極と、」の特定事項について
引用発明の「透明電極16」及び「透明電極17」は、それぞれ、本願発明の「第1電極」及び「第2電極」に相当し、本願発明でいう「透明な」ものといえる。そして、当該「透明電極17」が本願発明でいう「前記第1電極と対向配置された」ものであることは、明らかである。
よって、引用発明は、本願発明の上記特定事項を満たしている。
(2)本願発明の「前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、前記第1電極と前記第2電極との間の電位差に応じて透過率を変化させるネマチック液晶化合物、又は、コレステリック液晶化合物からなる液晶材料と、」の特定事項について
引用発明は、「透明電極16と透明電極17は、液晶混合層13を挟んで対向配置され」るものである。そして、引用発明には「調光」機能があることから、当該「液晶混合層13」が本願発明でいう「前記第1電極と前記第2電極との間の電位差に応じて透過率を変化させる」ものであることは明らかである。他方、本願発明の「液晶材料」は、「前記第1電極と前記第2電極との間に配置され」ていることから、本願発明は、「前記第1電極と前記第2電極との間に配置され」た「液晶材料」を含む層を備えるものと解される。そうすると、本願発明と引用発明とは、「前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、前記第1電極と前記第2電極との間の電位差に応じて透過率を変化させる」液晶材料層を備える点で共通する。
しかしながら、「前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、前記第1電極と前記第2電極との間の電位差に応じて透過率を変化させる」液晶材料層が、本願発明は、「ネマチック液晶化合物、又は、コレステリック液晶化合物からなる液晶材料」を含む層であるのに対し、引用発明は、「改良型スメクチック相調光有機透明材料構造」に用いられる「液晶混合層」である。
(3)本願発明の「前記第1電極上に配置され、給電を受ける給電位置を有し、前記給電位置から離れた遠端部まで幅が広がりながら延在する複数の給電部と、」の特定事項について
引用発明は、「透明電極16上に、」「複数の線状電極線14が均等に配置され」たものであり、「電極線14を高速で流れる電流を迅速に万遍なく透明電極16に流すことができる」ものであることから、当該「電極線14」は本願発明の「給電部」に相当し、本願発明でいう「透明電極16」(本願発明の「第1電極」に相当。)上に配置されたものであって、「複数」のものといえる。
引用発明は、「各透明電極16上のすべての電極線14は1本の引出電極141に共に接続され」たものであり、「複数の電極線14は、透明電極16上に長さ方向に透明電極16を貫通して配設され、平行に間隔をあけて設置されて」いることから、当該「電極線14」は、「透明電極16」の長さ方向において、引出電極141が存在する側にのみ、本願発明でいう「給電を受ける給電位置」を有することになり、また、本願発明でいう「前記給電位置から離れた遠端部まで」「延在する」ことになる。
したがって、本願発明と引用発明とは、「前記第1電極上に配置され、給電を受ける給電位置を有し、前記給電位置から離れた遠端部まで」「延在する複数の給電部」を備える点で共通する。
しかしながら、本願発明は、遠端部まで延在する複数の「給電部」が、遠端部まで「幅が広がりながら」延在する形状であるのに対し、引用発明は、「直線状」である。
(4)本願発明の「前記第1電極は、複数の前記給電部によって複数の領域に分割されている」の特定事項について
引用発明は、「複数の電極線14は、透明電極16上に長さ方向に透明電極16を貫通して配設され、平行に間隔をあけて設置されて」いることから、当該「透明電極16」(本願発明の「第1電極」に相当。)は、複数の電極線14(本願発明の「給電部」に相当。)によって複数の領域に分割されていることになり、したがって、本願発明でいう「複数の前記給電部によって複数の領域に分割されている」ものといえる。
よって、引用発明は、本願発明の上記特定事項を満たしている。
(5)本願発明の「調光フィルム」の特定事項について
本願発明の「調光フィルム」と引用発明の「調光有機透明材料構造」は、調光構造である点で共通する。
2 一致点及び相違点の認定
上記1によれば、本願発明と引用発明とは、
「透明な第1電極と、前記第1電極と対向配置された透明な第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、前記第1電極と前記第2電極との間の電位差に応じて透過率を変化させる液晶材料層と、前記第1電極上に配置され、給電を受ける給電位置を有し、前記給電位置から離れた遠端部まで延在する複数の給電部と、を備え、前記第1電極は、複数の前記給電部によって複数の領域に分割されている調光構造。」である点で一致し、次の点で相違する。
<相違点1>
液晶材料層が、本願発明は、「ネマチック液晶化合物、又は、コレステリック液晶化合物からなる液晶材料」を含む層であるのに対し、引用発明は、「改良型スメクチック相調光有機透明材料構造」に用いられる「液晶混合層」である点。
<相違点2>
遠端部まで延在する複数の「給電部」が、遠端部まで「幅が広がりながら」延在する形状であるのに対し、引用発明は、「直線状」である点。
<相違点3>
調光構造が、本願発明は、「調光フィルム」であるのに対し、引用発明は、「有機透明材料構造」であり、「第一基体層11及び第二基体層12の厚さは5cm以下であ」る点。
3 判断
(1)引用発明の技術的意義について
相違点の判断に先立ち、引用発明の技術的意義を認定する。
上記第4の1(1)の引用文献1の記載によれば、引用発明の技術的意義は、従来の調光有機透明材料構造は、基体層の全面に透明導電層がめっきされ、液晶を有する混合層が上下2つの導電層の間に挟まれ、導電層は電極で構成されており、調光有機透明材料構造の寸法はいずれも大きく、導電層(ITOなどから作られる)の抵抗もいずれも大きく、数十Ωから100Ω以上と一律ではないものであったところ、寸法が大きく、抵抗が大きいという調光有機透明材料構造の特徴によって、導電層の電極に接続され、調光有機透明材料構造側辺に位置する引出電極から、調光ガラス上の内部表示領域へと駆動信号が伝達される伝送の全過程において、駆動信号のエネルギーの大部分が損失するという課題があった(【0002】)ことから、上記課題を解決するために、改良型スメクチック相調光有機透明材料構造であって、シート状で長尺型の透明電極上に、抵抗値が透明電極の抵抗値よりも低く、それ自体を高速で流れる電流を迅速に万遍なく透明電極に流すことができる複数の電極線が均等に配置され、各透明電極上のすべての電極線は1本の引出電極に共に接続されるように構成する(【0005】)ものであり、透明電極上に低抵抗の電極線を設計することにより、電極線の高速伝送を利用して抵抗値が高い透明電極の各部分に電流を迅速に到達させることができ、これにより大寸法、高抵抗の透明電極上で駆動信号を伝送する時のエネルギー損失を低減する(【0012】)ことにあると認められる。
(2)相違点1について
引用発明は、「改良型スメクチック相調光有機透明材料構造」に係るものであって、「液晶混合層」を用いるところ、当該「液晶混合層」は、スメクチック相に係る液晶を用いるものと解される。他方で、上記(1)で認定した引用発明の技術的意義のとおり、引用発明の課題は、「寸法が大きく、抵抗が大きいという調光有機透明材料構造の特徴によって、導電層の電極に接続され、調光ガラス側辺に位置する引出電極から、調光ガラス上の内部表示領域へと駆動信号が伝達される伝送の全過程において、駆動信号のエネルギーの大部分が損失するという」ものであり、その課題解決原理は、「透明電極上に低抵抗の電極線を設計することにより、電極線の高速伝送を利用して抵抗値が高い透明電極の各部分に電流を迅速に到達させることができ、これにより大寸法、高抵抗の透明電極上で駆動信号を伝送する時のエネルギー損失を低減する」ことにある。このように、引用発明の課題及び課題解決原理は、透明電極の抵抗が大きいこと及び透明電極上の電極線の抵抗が小さいことにあるから、用いられる液晶がスメクチック相に係るものか否かは当該課題及び課題解決原理に依存しないのであり、このことは、当業者にとって明らかである。
そして、引用発明の属する調光素子の技術分野において、用いられる液晶として、スメクチック液晶のほかに、ネマチック液晶及びコレステリック液晶が存在することが技術常識である(例えば、特開平6-186540号公報の【0012】~【0014】、図1及び特開平6-34947号公報の【0009】~【0012】を参照。)し、また、いわゆるゲストホスト型液晶が存在することも同様に技術常識である。
そうすると、引用発明の液晶混合層13として、ネマチック液晶及びコレステリック液晶やゲストホスト型液晶を用いることは当業者が適宜なし得たことというべきであり、そのようにすることにより、当業者は、相違点1に係る本願発明の構成に至る。
(3)相違点2について
ア 引用発明の技術的意義は、上記(1)の認定によれば、透明電極の寸法が大きく、抵抗が大きいことから、透明電極において駆動信号のエネルギーの大部分が損失するという課題を解決するために、透明電極上に、抵抗値が透明電極の抵抗値よりも低い複数の電極線を均等に配置することにある。しかるに、電極線といっても、当然に配線抵抗は存在することから、エネルギー損失が生じるのであり、そうである以上、当業者は、電極線の配線抵抗によるエネルギー損失という課題を認識できるとともに、その課題を解決するべく、引用発明に関連する技術分野における技術に接することができるといえる。
ここで、引用発明に関連する技術分野がどのようなものであるかについてみると、上記(2)で説示したとおり、引用発明の課題及び課題解決原理は、透明電極の抵抗が大きいこと及び透明電極上の電極線の抵抗が小さいことにあるから、用いられる液晶や調光素子に依存しないことのみならず、透明電極を用いた装置に広く妥当することが明らかである。そうすると、上記技術分野は、透明電極を用いた装置一般の技術分野であるといえるのであり、実際にこのような技術分野が存在することは、透明電極を用いた装置には、液晶表示装置、有機EL装置及び調光装置といった様々な種類の装置があるものの、透明電極に係る技術的事項のように、装置の種類を問わず妥当する技術的事項が一の文献に開示されている例(例えば、特開平11-67460号公報の【0004】及び特開2016-60754号公報の【0001】~【0002】を参照。)が種々存在することから明らかである。
イ そこで、透明電極を用いた装置一般の技術分野をみると、引用文献2には、上記第4の1(2)で認定した技術的事項が記載されている。当該技術的事項は、面発光光源として有機EL素子を用いた発光装置に係るものではあるが、透明電極2を用いたものであることから、上記アでいう引用発明に関連する技術分野に属するものということができ、したがって、上記の課題を認識した当業者は、当該技術的事項に接することができる。
しかるに、上記の課題を認識した当業者は、その課題の解決に活用しようとする観点で当該技術的事項を理解できるところ、その結果、当該技術的事項が、面発光光源としての有機EL素子を用いた発光装置であることを捨象した上で、透明電極を用いた装置において、透明電極2の表面上に、その素材よりも電気抵抗率が低い素材で形成された第1補助電極3がほぼ等間隔をもって配置されていることから、電気抵抗率が高い透明電極2において発生する電圧降下を効果的に抑制させるとともに、さらに、第1補助電極3が透明電極2の引き出し辺7Aから離れるに従い、幅が広くなるように構成されていることから、第1補助電極3は引き出し辺7Aから離れるに従って単位面積あたりの抵抗値が低くなるので、透明電極2の配線抵抗による電圧降下をより低減させるように作用するものであると理解できる。
このように、当該技術的事項においては、透明電極2の配線抵抗による電圧降下を、透明電極2の表面上にほぼ等間隔をもって配置された第1補助電極3(電気抵抗率が透明電極よりも低いものである。)を設けることによるのみならず、当該第1補助電極3の形状を引き出し辺7Aから離れるに従い幅が広くなるように構成することによって、より低減させることができるのであるから、当該技術的事項は、第1補助電極3の配線抵抗によるエネルギー損失の抑制に寄与することが明らかである。そのため、上記当業者は、引用文献2に記載された技術的事項が、上記課題を解決できるものであると認識できるといえる。
ウ 上記ア及びイによれば、引用発明に接した当業者は、透明電極上に複数配置された電極線の配線抵抗によるエネルギー損失ができるだけ小さいようにするという課題を認識するとともに、その課題を解決すべく、引用発明に関連する技術分野に属する引用文献2に記載された技術的事項に接することができ、さらに、当該技術的事項に係る、透明電極2の表面上にほぼ等間隔をもって配置された複数の第1補助電極3を、透明電極2の引き出し辺7Aから離れるに従い、幅が広くなるように構成することをもって、上記課題を解決できることを認識できるといえる。そうすると、引用発明に接した当業者であれば、上記課題を解決するために、引用発明に引用文献2に記載された技術的事項を採用することは、容易に想到し得たことである。
そして、そのようにすることによって、当業者は、相違点2に係る本願発明の構成に至る。すなわち、上記1(3)のとおり、引用発明では、各透明電極16上のすべての電極線14は、「透明電極16」の長さ方向において、引出電極141が存在する側にのみ、本願発明でいう「給電を受ける給電位置」を有することになることから、引用文献2に記載された技術的事項を採用すると、電極線14は、当該給電位置から離れるに従い、幅が広くなるように構成されることになるのであり、そのような構成は、相違点2に係る本願発明の構成を満たしているといえる。
(4)相違点3について
引用発明の「第一基体層11」及び「第二基体層12」は、「厚さ」が「5cm以下」の「有機透明材料」であることから、「改良型スメクチック相調光有機透明材料」は、相違点3に係る本願発明の「調光フィルム」に該当するといえるし、仮にそうでないとしても、当業者であれば、引用発明の上記「厚さ5cm以下」の「有機透明材料」の厚さを薄くすることを通じて、相違点3に係る本願発明の構成に至ることは適宜なし得たことである。
(5)本願発明の効果について
本願発明の効果は、本願発明の構成が奏するものとして、当業者が引用発明並びに引用文献2技術的事項及び技術常識に基づいて予測し得る範囲内のものにすぎず、格別顕著なものともいえない。
4 請求人の主張について
(1)請求人は、相違点1が容易想到ではない旨主張し、その根拠として、本願発明は「ネマチック液晶化合物、又は、コレステリック液晶化合物からなる液晶材料」を用いる一方、引用文献1に記載された改良型スメクチック相調光有機透明材料構造は「スメクチック液晶」を用いるものであることから、基本的な構成が大きく異なることや、本願発明は、相の発現が簡単であることなどを挙げる。
しかしながら、上記3(2)で説示したとおり、相違点1に係る本願発明の構成に至ることは、当業者にとって容易である。そして、ネマチック液晶やコレステリック液晶の方がスメクチック液晶よりも相の発現が簡単であるという効果は、本願の発明の詳細な説明及び図面に記載されていないし、それを措くとしても、技術常識に照らして、当業者が予測し得ることにすぎない。
(2)請求人は、相違点2が容易想到ではない旨主張し、その根拠として、(i)引用発明に接した当業者が、透明電極上に複数配置された電極線の配線抵抗によるエネルギー損失ができるだけ小さいようにするという課題を認識したとしても、そのためには電極線14を太くするだけで十分であること、(ii)引用発明を開示する引用文献1には、相違点2に係る本願発明の課題である給電位置からの距離に比例して生じる電圧降下という課題の開示がないこと、(iii)引用文献2に記載された技術的事項は、有機EL素子に係るものであり、改良型スメクチック相調光有機透明材料構造に係る引用発明とは技術分野の関連性がないこと、を挙げる。
しかしながら、上記(iii)については、上記3(3)アで説示したとおりである。そして、(i)及び(ii)については、上記3(3)ウで説示したとおり、引用文献2に記載された技術的事項であっても、透明電極上に複数配置された電極線の配線抵抗によるエネルギー損失ができるだけ小さいようにするという課題を解決できるといえるし、また、当業者は、上記3(3)イで説示したとおり、引用文献2に記載された技術的事項に接することができるところ、引用文献2には、請求人が主張するところの本願発明の課題に係る開示があることから、請求人の主張によって、上記3(3)の判断が左右されることはない。
5 小括
したがって、本願発明は、引用発明並びに引用文献2技術的事項及び技術常識に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2022-011182