商標拒絶査定不服審判
2022-010005
オークス
- 審判番号
- 2022-010005
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-063124
- 請求日
- 2022年06月29日
- 審決日
- 2023年01月10日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】オークス株式会社
- 【請求人代理人】吉井 剛
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .261-Z (W081621) / T18 .262-Z (W081621) / T18 .263-Z (W081621)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 63124拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年5月24日の出願であって、その手続きの経緯は以下のとおりである。
令和3年12月 8日付け:拒絶理由通知
令和4年 1月18日 :意見書及び手続補足書の提出
令和4年 3月28日付け:拒絶査定
令和4年 6月29日 :審判請求書、手続補正書及び手続補足書の提出
2 本願商標
本願商標は、「オークス」の文字を標準文字で表してなり、第1類、第6類、第7類、第8類、第11類、第16類、第20類及び第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和3年5月24日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、当審における、上記1の手続補正書により、第8類「バターカッター,エッグスライサー(電気式のものを除く。),かつお節削り器,缶切,スプーン,チーズスライサー(電気式のものを除く。),ピザカッター(電気式のものを除く。),フォーク」、第16類「紙製調理用シート,家庭用食品包装フィルム」及び第21類「調理台用キッチンペーパーホルダー,ごみ袋を開口した状態で保持するごみ袋用ホルダー,オイルポット,食器類,調理用具,アイスペール,角砂糖挟み,くるみ割り器,こしょう入れ,砂糖入れ,ざる,塩振り出し容器,しゃもじ,じょうご,ストロー,膳,栓抜(電気式のものを除く。),卵立て,タルト取り分け用へら,ナプキンホルダー,ナプキンリング,鍋敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,盆,ようじ,ようじ入れ」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第3249398号商標(以下「引用商標」という。)は、「OAKS」の欧文字を横書きしてなり、平成5年1月22日登録出願、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製針箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,宝玉の原石」を指定商品として、同9年1月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、上記2のとおり、「オークス」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「競馬で3歳牝馬のクラシック-レースの一つ」を意味する「Oaks」(別掲参照)の読みを表したものと容易に理解されるものであるから、これより「オークス」の称呼を生じ、「競馬で3歳牝馬のクラシック-レースの一つ」の観念を生ずるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記3のとおり、「OAKS」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は、「競馬で3歳牝馬のクラシック-レースの一つ」(別掲参照)を意味する語であるから、これより「オークス」の称呼を生じ、「競馬で3歳牝馬のクラシック-レースの一つ」の観念を生ずるものである。また、全体が大文字で表されていることから、一文字一文字区切って発音する場合には「オオエイケイエス」の称呼を生ずるものといえる。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とは、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、外観においては、片仮名と欧文字の差異を有するものであるが、これら文字種の相違があるとしても、同一の称呼の生じる範囲内で、商標の構成文字の文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われていることを考慮すると、文字種が異なることによる本願商標と引用商標の外観の相違は、看者に対し、両商標が別異のものであると認識させるほどの強い印象を与えるものではない。
次に、称呼においては、本願商標は「オークス」の称呼を生じるのに対し、引用商標は「オークス」及び「オオエイケイエス」の称呼を生ずるところ、「オークス」の称呼と「オオエイケイエス」の称呼とを比較すると、構成音数及び音構成に明らかに差異を有するものであるから、明瞭に聴別できるものの、両者は「オークス」の称呼を共通にする。
そして、観念においては、本願商標と引用商標とは、いずれも「競馬で3歳牝馬のクラシック-レースの一つ」の観念を生じるものであるから、両者は観念を共通にする。
そうすると、本願商標と引用商標とは、複数の称呼のうち1つの称呼が明瞭に聴別できるものであるとしても、その他の称呼及び観念を共通にするものであり、外観における差異についても、称呼及び観念の共通性をしのぐほどの顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえないことから、これらを総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標とは互いに相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本願商標の指定商品中、第8類「エッグスライサー(電気式のものを除く。),かつお節削り器,缶切,スプーン,チーズスライサー(電気式のものを除く。),ピザカッター(電気式のものを除く。),フォーク」、第16類「紙製調理用シート,家庭用食品包装フィルム」及び第21類「調理台用キッチンペーパーホルダー,オイルポット,食器類,調理用具,アイスペール,角砂糖挟み,くるみ割り器,こしょう入れ,砂糖入れ,ざる,塩振り出し容器,しゃもじ,じょうご,ストロー,膳,栓抜(電気式のものを除く。),卵立て,タルト取り分け用へら,ナプキンホルダー,ナプキンリング,鍋敷き,はし,はし箱,ひしゃく,ふるい,盆,ようじ,ようじ入れ」と、引用商標の指定商品中、第14類「貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ」とは類似の商品である。
(5)小括
以上より、本願商標は引用商標と類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は、引用商標について、「ブナ科コナラ属の高木の総称の複数形。」との観念と、「競馬で3歳牝馬のクラシック・レースの一つ。毎年5月に行われ、距離は2400メートル。正式名称「優駿牝馬競走」。1938年創設。イギリスのダービー第12代伯爵が始めたレースを日本で模したもの。」との観念が生ずるから、引用商標の「OAKS」の観念は、複数の意味合いがあり、特定の観念を想起するとはいえない。加えて、「競馬で3歳牝馬のクラシック・レースの一つ。」は、一般人にとって辞書を引いてもあまり馴染みのない観念であり、馴染みのない観念の共通性を商標の類否判断の決め手にすることは妥当ではない。そして、「ブナ科コナラ属の高木の総称」という観念は、一般人にとって馴染みのある観念であり、英単語の末尾の「s」が複数形を意味することも、ほとんどの一般人が知る常識であることから、引用商標「OAKS」から生じる観念は、「ブナ科コナラ属の高木の総称の複数形」と認定するのが自然である旨主張する。
しかしながら、引用商標から「競馬で3歳牝馬のクラシック-レースの一つ」の観念を生じることは上記(2)のとおりであり、これが馴染みのない観念であるとはいえないし、さらに英和辞典における「oak」の文字の用例として、「【複】~s/-s」が掲載されているとしても、「ブナ科コナラ属の高木の総称」は「oak(オーク)」であるから、「OAKS」の文字から、直ちに「ブナ科コナラ属の高木の総称」の意味合いが認識されるとも、「ブナ科コナラ属の高木の総称の複数形」であると認識されるともいい難い。
イ 請求人は、1946年(昭和21年)に創業され、1990年(平成2年)に現在の社名であるオークス株式会社に商号変更されて以来、現在に至るまで継続して台所用品の製造販売を行っており、請求人は数多くある燕三条の台所用品のメーカーの中でも特に広く知られている(甲6)。
請求人であるオークス株式会社の会社名の英語表記は「AUXCO.,LTD.」であり、請求人の登録第2435302号商標「図形+AUX」(現在は消滅している)(甲8)を長年使用していた経緯を踏まえれば、補正後の本願商標の指定商品においては、本願商標と引用商標とは、商品の出所について混同を生じるおそれはない旨主張する。
しかしながら、提出された証拠(甲6~甲9)によれば、請求人である「オークス株式会社」の英語標記が「AUXCO.,LTD.」であり、請求人がいわゆる台所用品を取り扱っている事実がうかがえるものの、当該商品の販売地域、売上高、市場シェア、宣伝広告の方法、回数及び内容等は不明であり、「オークス」の文字から、請求人名称の英語標記である「AUX」を直ちに認識し得るといえる程に、請求人の上記登録第2435302号商標に周知性があるものとは認められないから、上記(3)のとおり、本願商標と引用商標とは互いに類似する商標というのが相当である。
ウ 請求人は、称呼は近似するが、外観、観念が別異のため、区別された審査例を提示し、本件も同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、本願商標と引用商標とは、複数の称呼のうち1つの称呼が明瞭に聴別できるものであるとしても、その他の称呼及び観念を共通にするものであり、外観における差異についても、称呼及び観念の共通性をしのぐほどの顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえないことから、これらを総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は互いに相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当であることは上記(3)のとおりであり、請求人の主張する審査例が、上記判断に影響を及ぼすものとはいえない。
エ したがって、上記アないしウの請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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