商標拒絶査定不服審判
2022-009991
エクスパー、エクススパー、エキスパー、エキススパー
- 審判番号
- 2022-009991
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-003399
- 請求日
- 2022年06月29日
- 審決日
- 2023年06月09日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人清水・醍醐事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 藤村 浩二
- 分類
- T18 .261-WY (W0910) / T18 .262-WY (W0910) / T18 .263-WY (W0910)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-3399拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年1月14日に出願されたものであり、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年10月18日付け:拒絶理由通知書
令和3年12月6日 :意見書の提出
令和4年3月28日付け :拒絶査定
令和4年6月29日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「Exsper」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類及び第10類に属する別掲1の商品を指定商品として登録出願されたものである。
3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり(以下、まとめて「引用商標」という場合がある。)、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5966720号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成 別掲2のとおり
登録出願日 平成28年12月8日
設定登録日 平成29年7月28日
指定商品及び指定役務 第9類「アプリケーションプログラム,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品」を含む第9類、第36類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
(2)登録第6175323号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成 「エキスパ」(標準文字)
登録出願日 平成30年11月15日
設定登録日 令和元年8月30日
指定商品及び指定役務 第9類「腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,アプリケーションプログラム,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品」を含む第9類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
(3)登録第6175324号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成 別掲3のとおり
登録出願日 平成30年11月15日
設定登録日 令和元年8月30日
指定商品及び指定役務 第9類「腕時計型携帯情報端末,スマートフォン,アプリケーションプログラム,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品」を含む第9類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
4 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、「Exsper」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書等に載録された既成語ではないから、特定の意味合いが生じない造語と認められるものである。
ここで、特定の意味合いが生じない欧文字からなる造語の場合、これに接する者は、これを我が国において親しまれたローマ字読み又は英語の発音に倣って読むのが通常であるところ、「Exsper」の欧文字の構成中語頭の「Ex」の部分について、「エキスパート(expert)」や「エキストラ(extra)」(コンサイスカタカナ語辞典第5版、三省堂)等のように「ex」の部分を「エキス」と発音する事例がある一方、「エクスカーション(excursion)」や「エクステリア(exterior)」(前掲書)等のように「ex」の部分を「エクス」と発音する事例があること、及び、「x」の後に続く「s」の音を発音するか省略するかについて明確な法則は確認できないことを鑑みれば、そのつづりからして、「エクスパー」、「エクススパー」、「エキスパー」又は「エキススパー」と読まれる場合のいずれもあり得るというべきである。
したがって、本願商標は、その構成文字に相応して、「エクスパー」、「エクススパー」、「エキスパー」、「エキススパー」の複数の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標1
引用商標1は、別掲2のとおり、「E」、「X」、「P」及び「A」の欧文字を、各文字に色彩を付すとともに、丸みを帯びた統一感のある書体にて横書きしてなるところ、当該文字は、辞書等に載録された既成語ではないから、特定の意味合いが生じない造語と認められるものであって、上記(1)と同様、ローマ字読み又は英語の発音に倣って、その構成文字に相応して「エクスパ」又は「エキスパ」の称呼が生ずるものである。
したがって、引用商標1は、「エクスパ」又は「エキスパ」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)引用商標2及び引用商標3
引用商標2は、「エキスパ」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して、「エキスパ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
また、引用商標3は、「エキスパ」の片仮名を、各文字に色彩を付すとともに、丸みを帯びた統一感のある書体にて横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「エキスパ」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。
(4)本願商標と引用商標の類否
ア 本願商標と引用商標1の類否
本願商標と引用商標1の外観を比較すると、両者は、色彩の有無の差異に加えて、構成文字数、文字つづり及び文字の態様が大きく異なり、外観上、判然と区別し得るものである。
次に、称呼については、本願商標からは、「エクスパー」、「エクススパー」、「エキスパー」、「エキススパー」という多様な称呼が生じるのに対し、引用商標1からは、「エクスパ」又は「エキスパ」の称呼を生じるものであるところ、本願商標から「エクスパー」又は「エキスパー」の称呼が生じる場合には、両者の称呼は、長音の有無の差異を有するにすぎないから、類似するといえる。
他方で、本願商標から「エクススパー」又は「エキススパー」の称呼が生じる場合には、両商標の称呼は、語調、語感が明らかに異なり、明瞭に聴別し得るものである。
したがって、本願商標と引用商標1は、称呼上、類似する場合と、異なる場合があり得る。
また、観念については、本願商標及び引用商標1からは、特定の観念を生じないものであるから、両者の観念を比較することはできない。
そうすると、本願商標と引用商標1とは、外観上、判然と区別し得るものである上、称呼上も、類似する場合だけでなく異なる場合もあるから、観念において比較することはできないとしても、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、商品及び役務の出所について誤認混同を生じるおそれのない、互いに非類似の商標というのが相当である。
イ 本願商標と引用商標2及び引用商標3の類否
本願商標と引用商標2及び引用商標3の外観を比較すると、本願商標が欧文字6文字からなるのに対し、引用商標2及び引用商標3はいずれも片仮名4文字からなるものであって(さらに、引用商標3は書体も異なる。)、両者は視覚的な印象が大きく異なり、外観上、判然と区別し得るものである。
次に、称呼については、本願商標からは、「エクスパー」、「エクススパー」、「エキスパー」、「エキススパー」という多様な称呼が生じるのに対し、引用商標2及び引用商標3からは、「エキスパ」の称呼を生じるものであるところ、本願商標から「エキスパー」の称呼が生じる場合には、両者の称呼は、長音の有無の差異を有するにすぎないから、類似するといえる。
他方で、本願商標から「エクスパー」、「エクススパー」又は「エキススパー」の称呼が生じる場合には、両者の称呼は、語調、語感が明らかに異なり、明瞭に聴別し得るものである。
したがって、本願商標と引用商標2及び引用商標3は、称呼上、類似する場合と、異なる場合があり得る。
また、観念については、本願商標並びに引用商標2及び引用商標3からは、特定の観念を生じないものであるから、両者の観念を比較することはできない。
そうすると、本願商標と引用商標2及び引用商標3とは、外観上、判然と区別し得るものである上、称呼上も、類似する場合だけでなく異なる場合もあるから、観念において比較することはできないとしても、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、商品及び役務の出所について誤認混同を生じるおそれのない、互いに非類似の商標というのが相当である。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務が同一又は類似するものであるとしても、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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