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商標拒絶査定不服審判

2024-005414

ボウグ

審判番号
2024-005414
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2023-006989
請求日
2024年03月12日
審決日
2024年08月06日
公報発行日
2024年10月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】好川産業株式会社
  • 【請求人代理人】横川 主磨
審判長/審判官
  • 審判長 高野 和行
  • 審判官 清川 恵子
  • 審判官 白鳥 幹周
分類
T18 .261-Z (W0910) / T18 .262-Z (W0910) / T18 .263-Z (W0910)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2023- 6989拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和5年1月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年 7月 3日付け:拒絶理由通知書 令和5年 7月26日 :意見書、手続補正書の提出 令和5年12月 8日付け:拒絶査定 令和6年 3月12日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類及び第10類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。そして、本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、別掲2のとおり補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(2)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第4679662号の1商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成: ボウグ (標準文字) 指定商品:第9類に属する商標登録原簿に記載の商品 登録出願日:平成11年 2月18日 設定登録日:平成15年 6月 6日 (2)登録第4693538号の1商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成: ボーグ (標準文字) 指定商品:第3類、第9類、第14類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載の商品 登録出願日:平成11年 1月 8日 設定登録日:平成15年 7月18日 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、右下に向けてとがった凸部を有するオレンジ色の円弧と、「B」の文字をモチーフにしたとおぼしき黄緑色の図形とを組み合わせてなる図形(以下「図形部分」という。)を配し、その右に「BOUGU」の文字を黄緑色で横書きし(以下「文字部分」という。)、同文字はいずれも下部がかすれたように線状に表されているものである。 そして、その構成中の図形部分と文字部分とは、重なり合うことなく明らかに分離して配置されているものであって、色彩も一部異なるものであるから、視覚上、分離して看取し得るものである。 また、同図形部分は、これが何を表したものか判然とせず、商品の出所識別標識としての明確な称呼、観念を生じるというべき事情は見当たらないものである。他方、同文字部分については、これ自体は辞書類に掲載されている語ではないものの、「(剣道・フェンシング・アメリカンフットボールなど)からだに着けて、攻撃されたときのけがを防ぐ道具。」(出典:「三省堂国語辞典 第八版」株式会社三省堂)を意味する「防具」の語の読みをローマ字で表したと理解し得るものである。そのため、本願商標構成中の図形部分と文字部分とが、観念的に結合しているともいえないものである。 そうとすると、本願商標構成中の図形部分と文字部分とは、分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているということはできず、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、取引者、需要者において、そのうちの図形部分又は文字部分のいずれか一方を要部として捉え、取引に当たる場合があるものというのが相当である。 以上のことからすれば、本願商標よりは、その構成中の文字部分(以下「本願要部」という。)に相応した「ボウグ」の称呼が生じ、また、「からだに着けて、攻撃されたときのけがを防ぐ道具」ほどの観念が生じるものといえる。 イ 引用商標について (ア)引用商標1について 引用商標1は、「ボウグ」の文字を標準文字で表してなるところ、これ自体は一般的な辞書類に掲載されている語ではないものの、上記アと同様に、「(剣道・フェンシング・アメリカンフットボールなど)からだに着けて、攻撃されたときのけがを防ぐ道具。」を意味する「防具」の語の読みを片仮名で表したと理解し得るものである。 そうとすると、引用商標1よりは、その構成文字に相応した「ボウグ」の称呼が生じ、また、「からだに着けて、攻撃されたときのけがを防ぐ道具」の観念が生じるものといえる。 (イ)引用商標2について 引用商標2は、「ボーグ」の文字を標準文字で表してなるところ、これは「流行。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)を意味する語である。 そうとすると、引用商標2よりは、その構成文字に相応した「ボーグ」の称呼が生じ、また、「流行」の観念が生じるものといえる。 ウ 本願商標と引用商標との類否について (ア)本願商標と引用商標1の類否について 本願商標と引用商標1を比較するに、外観においては、全体としては図形の有無などで明らかに相違するものであって、また、本願要部と引用商標1との比較においても、文字種や書体、色彩などを異にするものである。しかしながら、一般に、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することは広く行われているところ、本願要部を構成する「BOUGU」の文字は、引用商標の「ボウグ」の文字を欧文字で表記したものと理解し得ることからすると、その文字種を置き換えたものとして取引者、需要者に認識され得るといえるものであるといえ、これらの文字種や書体、色彩などの相違が、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとはいえないものである。 そして、称呼においては、「ボウグ」で同一であり、また、観念においても、「からだに着けて、攻撃されたときのけがを防ぐ道具」で同一である。 そうすると、本願商標と引用商標1とは、全体の外観においては相違があるものの、本願要部と引用商標の対比においては外観上の顕著な差異があるとはいい難いものであり、また、称呼と観念が同一のものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標1は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。 (イ)本願商標と引用商標2の類否について 本願商標と引用商標2を比較するに、外観においては、全体としては図形の有無などで明らかに相違するものであって、また、本願要部と引用商標2との比較においても、文字種や書体、色彩などを異にするものであり、また、上記(ア)のように、文字種を置き換えた関係にあるともいえないものであるから、明確に区別できるものといえる。 また、称呼においては、本願商標より生じる「ボウグ」と、引用商標2より生じる「ボーグ」とでは、3音という短い音構成において、中間の「ウ」と長音とで異なるものの、原審提示の情報にあるように、「ou(オウ)」のごとく母音が連続する二重母音は、「オウ」と一音ずつ分けて発音するだけでなく、「オー」と発音することも少なくないことからすれば、これらは語調、語感が近似する、類似のものといえる。 そして、観念においては、本願商標より生じる「からだに着けて、攻撃されたときのけがを防ぐ道具」と、引用商標2より生じる「流行」とは異なるものであるから、明確に区別できるものである。 してみれば、本願商標と引用商標2とは、称呼が類似するものであるとしても、外観及び観念が明確に区別できるものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標2は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 エ 本願商標と引用商標1の指定商品の類否について 本願の指定商品中、第9類「粉塵・火熱・化学物質・病原体又は放射性物質を防ぐ機能を有する事故防護用衣服,その他の事故防護用衣服,粉塵・火熱・化学物質・病原体又は放射性物質を防ぐ機能を有する事故防護用手袋,その他の事故防護用手袋,粉塵・火熱・化学物質・病原体又は放射性物質を防ぐ機能を有する事故防護用マスク,その他の事故防護用マスク,粉塵・火熱・化学物質・病原体又は放射性物質を防ぐ機能を有する事故防護用腕カバー,その他の事故防護用腕カバー,粉塵・火熱・化学物質・病原体又は放射性物質を防ぐ機能を有する事故防護用足カバー,その他の事故防護用足カバー,粉塵・火熱・化学物質・病原体又は放射性物質を防ぐ機能を有する事故防護用エプロン・前掛け,その他の事故防護用エプロン・前掛け,粉塵・火熱・化学物質・病原体又は放射性物質を防ぐ機能を有する事故防護用頭巾,その他の事故防護用頭巾,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,防災頭巾,保安用ヘルメット」及び第10類「病原体を防ぐ機能を有する医療用防護マスク,その他の医療用防護マスク」は、引用商標1の指定商品中、第9類「事故防護用手袋,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク」と同一又は類似する商品である。 オ 小括 上記アないしエによれば、本願商標は、引用商標2とは非類似の商標であるから、その指定商品について比較するまでもなく、引用商標2との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 しかしながら、本願商標は、引用商標1と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標1の指定商品と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標構成中の図形部分は、外観上目立つものであって、出所識別力が強い部分であるから、この部分を捨象することは許されるものではなく、また、同部分は、甲冑を表すロゴであるから、これと「防具」の読み方である「BOUGU」の文字部分が一体となることで、商品が「防具」のように身体を守る性能を有しているとの印象を一層強くするものといえる旨主張する。 しかしながら、本願商標構成中の図形部分は、「甲冑」を写実的に表したものとはいえず、これに接する需要者において、それが「甲冑」をモチーフにした図形であると直ちに理解、認識されるというべき事情も見当たらないものであるから、同図形部分が「甲冑を表すロゴ」であるというのは、請求人独自の見解というほかなく、これが「防具」の語の読みをローマ字で表したと理解し得る「BOUGU」の文字と観念的に結合しているとはいえないものである。 そして、本願商標構成中の図形部分と文字部分が、分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているということはできず、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、取引者、需要者において、そのうちの図形部分又は文字部分のいずれか一方を要部として捉え、取引に当たる場合があることについては、上記(1)アのとおりである。 イ 請求人は、本願商標構成中の文字部分である「BOUGU」は、身を守る道具である「防具」を意味するものであるから、これから生じる称呼は「防具」と同じアクセントや発音となるのに対し、引用商標は、いずれもファッション誌「VOUGUE」を発行するコンド・ナスト・アジア・パシフィック・インコーポレーテッド社(以下「コンド・ナスト社」という。)のものであって、その由来が、英語で人気・流行を意味する「vogue」であることが明らかであるから、引用商標から生じる称呼は、英語の「vogue」と同じアクセントや発音であるといえ、本願商標と引用商標の称呼は同一とはいえない旨主張する。 しかしながら、コンド・ナスト社の業務に係るファッション誌「VOUGUE」が、ファッション関連の業界において一定程度広く知られているとしても、同誌のことが我が国において片仮名で表現されるに際し、引用商標1を構成する「ボウグ」の片仮名が広く一般的に用いられていることを示す事実は見当たらず、また、本願の指定商品のうち、引用商標1の指定商品と同一又は類似すると考えられる商品(上記(1)エ参照。)は、ファッション関連の商品ではないことからすれば、引用商標1に接する取引者、需要者が、それをコンド・ナスト社の業務に係るファッション誌「VOUGUE」を示すものであると理解し、それを称呼するにあたって外国語の「vogue」と同じく発音することは考え難いものである。 ウ 請求人は、本願の指定商品は防護服等であって、その商品の用途などからすれば、需要者は商品の購入に関して高度な注意を払うものであり、本願商標と引用商標とが、外観に顕著な差異があり、また観念が異なるものであることからすると、仮に、両商標の称呼が類似すると評価しても、商品の取引において本願商標と引用商標が誤認混同されることはない旨主張する。 しかしながら、本願商標と引用商標1とは、全体の外観においては相違があるものの、本願要部と引用商標の対比においては外観上の顕著な差異があるとはいい難いものであり、また、称呼と観念が同一のものであることは、上記(1)ウ(ア)のとおりであるから、上記(1)エに記した商品を取り扱う分野において、商品選択の際に需要者の払う注意力が比較的高いものであるとしても、両商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。 エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-005414

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