特許拒絶査定不服審判
2022-009391
高圧直噴用のレール
- 審判番号
- 2022-009391
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-178657外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年06月20日
- 審決日
- 2024年01月17日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】臼井国際産業株式会社
- 【請求人代理人】翠弁理士法人
- 分類
- P18 .121-WZ (F02M)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2017-178657「高圧直噴用のレール」拒絶査定不服審判事件〔平成31年4月4日出願公開、特開2019-52616〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特願2017-178657号(以下、「本願」という。)は、平成29年9月19日に出願されたものであり、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和3年4月2日付け :拒絶理由通知(発送日:同年4月12日)
令和3年6月9日 :意見書及び手続補正書の提出
令和3年9月13日付け :拒絶理由通知(発送日:同年9月24日)
令和3年11月15日 :意見書及び手続補正書の提出
令和4年3月16日付け :補正却下の決定、拒絶査定(発送日:同年
3月22日)
令和4年6月20日 :審判請求書及び手続補正書の提出
令和5年1月11日付け :拒絶理由通知(発送日:同年1月12日)
令和5年3月2日 :意見書及び手続補正書の提出
令和5年5月17日付け :拒絶理由通知(発送日:同年5月23日)
令和5年7月12日 :意見書及び手続補正書の提出
第2 本願発明
令和5年7月12日に提出の手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりである。
「 軸方向に伸びるとともに断面円形の燃料通路と外部とを連通させる貫通孔を壁面に開口し、この貫通孔の周縁に断面凹形の係合凹部を設けるとともに鍛造にて製作されたレール本体と、このレール本体とは別体に製作するとともに、上記貫通孔の位置にてレール本体に固定され上記燃料通路から貫通孔を通じて燃料を流通可能とする筒状の継手部材とを備え、当該継手部材の外径よりも径大な環状の接続凹部を上記貫通孔の外周に凹設するとともに上記継手部材の基端面から突出した基端部分を径小の筒状とし、当該基端面及び基端部分を上記接続凹部内に配置した状態で、上記継手部材の基端面を上記接続凹部の底面に当接配置するとともに、上記基端部分を上記レール本体の係合凹部内に挿入配置してろう付け固定し、上記レール本体の一端には、このレール本体とは別体に製作するとともに燃料通路からレール本体の一端を通じて燃料を流通可能とし、外周に上記レール本体の外径と同一径の環状突部を備えた筒状の継手部材を固定配置し、上記環状突部をレール本体の開口端面に当接させたことを特徴とする高圧直噴用のレール。」
第3 拒絶の理由
令和5年5月17日付けで当審より請求項1について通知した拒絶理由の概要は、次のとおりのものである。
1(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明並びに引用文献2にて例示される周知技術1、引用文献3、4及び5にて例示される周知技術2及び引用文献6にて例示される周知技術3に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
引用文献1:特開2004-27916号公報
引用文献2:特開平10-220320号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3:特表2009-524761号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4:特開2006-233964号公報(周知技術を示す文献)
引用文献5:特開平9-236064号公報(周知技術を示す文献)
引用文献6:特開平8-193554号公報(周知技術を示す文献)
引用文献7:特開2010-216431号公報(周知技術を示す文献)
第4 引用文献
1 引用文献1の記載及び引用発明
(1)引用文献1の記載事項
ア 引用文献1には、図面とともに、次の事項が記載されている(下線は当審で付与した。以下同じ。)。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧燃料多岐管や高圧燃料ブロックのような燃料レールにおける分岐枝管もしくは分岐継手金具等による接続体の接続構造に係り、特にディーゼル内燃機関での100MPa以上にも及ぶ高圧燃料を供給する高圧燃料レールにおける分岐接続体の接続構造に関するものである。」
(イ)「【0009】
偏平部の形成方法としては、例えば外圧方式にて押圧力を付与して内周壁面に偏平部を形成する方法、鍛造時に内周壁面に偏平部を形成する方法、押出し成形時に偏平部を形成する方法等を採用することができる。なお、外圧方式にて押圧力を付与して内周壁面に偏平部を形成する方法では、偏平部は内方に突出する円弧状面を含む面となる場合がある。したがって、偏平部は完全な平坦面出はなく円弧状面、楕円状面等、種々の曲面形状を含む。
【0010】
分岐枝管もしくは分岐継手金具からなる分岐接続体は、その先端部を貫孔の大径孔に嵌挿した状態をもって相互に接合するが、その接合手段としては銅系、Ni系等の高強度ろう材による炉中ろう着を用いるのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すれば、図1は本発明の高圧燃料レールにおける分岐接続体の接続構造に係る分岐枝管による接続部を示す一部拡大横断面図、図2は同じく分岐継手金具による接続部を示す一部拡大横断面図であって、1は本管レール、1-1は流通路、1-2は偏平部、1-3は小径孔、1-4は大径孔、2は分岐枝管、2-1は流路、3は分岐継手金具、3-1は流路、3-2は受圧座面である。
【0012】
本管レール1は、内部を流通路1-1となして管径30m/m程度以下の高圧配管用炭素鋼管あるいはステンレス鋼管等の厚肉鋼管材からなるものである。そしてこの本管レール1の軸方向にわたる周壁部の内周壁面に軸方向に間隔を保持して偏平部1-2を設け、この偏平部に接しかつ該偏平部の中心と一致させて小径孔1-3および大径孔1-4からなる貫孔を有している。ここで、前記小径孔の径をd、大径孔の径をDとした場合、偏平部1-2の径Wは1.5d~3dとし、前記小径孔dの軸方向長さhはd~2d、大径孔Dの軸方向長さHは0.8D~1.5Dとする。
【0013】
一方、分岐接続体としての分岐枝管2、分岐継手金具3は、共に管径20m/m程度以下の前記本管レール1と同種鋼管材もしくは鋼材からなるものである。
【0014】
図1に示す接続構造は、内部を流通路1-1となした管状の内周壁面を有する本管レール1の軸方向にわたる周壁部の内周壁面に、例えば外圧方式にて押圧力を付与して偏平部1-2を設け、この偏平部1-2に接して小径孔1-3および大径孔1-4からなる貫孔を穿設し、この大径孔1-4に分岐枝管2の接続端部を嵌挿した状態をもって相互に接合(ろう着等)して構成したものである。
【0015】
図2に示す接続構造は、前記図1の本管レール1と同様、内部を流通路1-1となした管状の内周壁面を有する本管レール1の軸方向にわたる周壁部の内周壁面に、例えば外圧方式にて押圧力を付与して偏平部1-2を設け、この偏平部1-2に接して小径孔1-3および大径孔1-4からなる貫孔を穿設し、この大径孔1-4に分岐継手金具3の接続端部を嵌挿した状態をもって相互に接合(ろう着等)して構成したものである。分岐継手金具3は、軸芯部にドリル加工等の孔あけ加工により流路3-1を設け、続いて外側端部に外方にラッパ状に開口する受圧座面3-2と螺子壁3-3の加工を施してなるものである。
【0016】
なお、本願発明における分岐枝管2や分岐継手金具3からなる分岐接続体の接合手段としては、前記したように銅ろう着、ニッケルろう着等の炉中ろう着が好ましいが、分岐枝管2や分岐継手金具3からなる分岐接続体の表面と大径孔1-4の内面を高精度に仕上げ前処理により活性化させた後、好ましくはさらにニッケルや銅等のめっき被膜を施し、さらに好ましくは大径孔1-4にも予めめっき被膜を施した後分岐接続体を挿入し、拡散温度に十分な時間保持して拡散接合する方法も可能である。」
(ウ)「
[図:0001408331000001.jpg]
」(【図2】)
(2)引用発明
上記(1)を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「軸方向に伸びるとともに断面略円形の流通路1-1と外部とを連通させる小径孔1-3を周壁部に開口し、この小径孔1-3の周縁に断面凹形の大径孔1-4を設けるとともに本管レール1と、この本管レール1とは別体に製作するとともに、上記小径孔1-3の位置にて本管レール1に固定され上記流通路1-1から小径孔1-3を通じて燃料を流通可能とする分岐継手金具3とを備え、上記分岐継手金具3の基端面から突出した基端部分を径小の筒状とし、当該基端面及び基端部分を周壁部に配置した状態で、上記分岐継手金具3の基端面を周壁部に当接配置するとともに、上記基端部分を上記本管レール1の大径孔1-4内に挿入配置してろう着した高圧燃料レール。」
2 引用文献2の記載及び周知技術1
(1)引用文献2の記載事項
ア 引用文献2には、図面とともに、次の事項が記載されている。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般にディーゼル内燃機関における分岐枝管あるいは分岐金具などのような分岐接続体を締着して接続してなる高圧燃料用の多岐管からなる本管レールあるいはブロック・レールなどのようなコモンレールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のコモンレールとしては例えば図9(A)に示すように、多岐管からなる本管レール11が知られており、該本管レール11側の周壁部に設けた内部の断面円形の流通路11-1に通ずる断面円形の分岐孔11-2部を外方に開口する受圧座面11-3となし、該受圧座面附近の本管レール11の外周部を囲繞するリング状の継手金具13の使用により、端部に例えば先細円錐状の挫屈成形による拡径した分岐接続体としての分岐枝管12側の接続頭部12-2のなす押圧座面12-3を当接係合せしめ、該継手金具13に突設した螺子壁13-1部と予め枝管12側に組込んだナット14の螺合による前記接続頭部12-2首下での押圧に伴って締着して接続した方式のものや、図10(A)に示すごとくリング状の継手金具13に替えて、筒状のスリーブニップル13aを溶接やろう着などにより直接コモンレールとしての本管レール11の外周壁に取着し、枝管12側の接続頭部12-2のなす押圧座面12-3を本管レール11側の受圧座面11-3に当接係合せしめ、前記スリーブニップル13aに螺合するナット14を締着して接続する方式のものなどが知られている。また、これらの従来のコモンレールは図9(B)、図10(B)に示すごとくすべて本管レール11の断面円形の流通路11-1の中心と枝管12の流路12-1の中心とが一致した構造となっている。15はスリーブ・ワッシャーである。」
(イ)「
[図:0001408331000002.jpg]
」(【図9(B)】)
(ウ)「
[図:0001408331000003.jpg]
」(【図10(B)】)
(2)引用文献2にて例示される周知技術1
上記(1)の記載事項にて例示されるように、高圧直噴用のレールの技術分野において、本願出願前に以下は周知の技術(以下、「周知技術1」という。)である。
「燃料通路を断面円形とすること。」
3 引用文献4及び5の記載並びに周知技術2Aの1及び2Aの2
(1)引用文献4の記載事項
ア 引用文献4には、図面とともに、次の事項が記載されている。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にディーゼル内燃機関の蓄圧式燃料噴射システムにおける高圧燃料多岐管のようなコモンレールに係り、より詳しくはコモンレール本体に分岐接続体を摩擦溶接(摩擦圧接)にて固着したディーゼルエンジン用コモンレールに関するものである。」
(イ)「【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るディーゼルエンジン用コモンレールは、厚肉鋼管または中実丸棒からなるコモンレール本体に、各気筒の噴射ノズルに燃料を供給する枝管をナットにて締結する分岐接続体を摩擦溶接にて固着する方式のコモンレールにおいて、前記コモンレール本体に形成した平面となした分岐接続体固着面に摩擦溶接にて固着する前記分岐接続体のコモンレール本体対向面が、中央部が僅かに突出し、その周辺部が緩やかな円錐面となした截頭円錐形状であることを特徴とするものである。
また、本発明では、前記截頭円錐形状の円錐面を緩やかなフラット面または緩やかな曲面とすることができ、さらに前記截頭円錐形状の平坦面の直径をd、当該分岐接続体の直径をDとした場合、前記平坦面の直径dは3/5D~4/5Dが好ましい。
またさらに、本発明は、前記分岐接続体のコモンレール本体対向部に当該分岐接続体本体部の外径より大径の押圧フランジ部を有し、該押圧フランジ部のコモンレール本体対向面が、中央部が僅かに突出し、その周辺部が緩やかな円錐面となした截頭円錐形状であることを特徴とするものである。このコモンレールの場合も前記と同様、押圧フランジ部の截頭円錐形状の円錐面を緩やかなフラット面または緩やかな曲面とすることができ、前記押圧フランジ部の截頭円錐形状の平坦面の直径をd1、押圧フランジ部の直径をD1とした場合、前記平坦面の直径d1は3/5D~4/5Dが好ましい。
なお、本発明における前記截頭円錐形状の円錐面の角度θとしては、5~10度が好ましい。
さらに、本発明は、前記コモンレール本体の分岐接続体固着面の分岐接続体外側端面部と対向する部分に、凹面が緩やかなフラット面または緩やかな曲面となした環状凹部を形成したことを特徴とするものである。
また、前記コモンレール本体の平面となした分岐接続体固着面に、前記分岐接続体の接続面の直径Dより3~4mm大径で、深さが1~2mmのザグリ穴を有したことを特徴とするものである。
さらにまた、本発明に係るディーゼルエンジン用コモンレールは、コモンレール本体に分岐接続体を摩擦溶接にて固着したコモンレールにおいて、前記コモンレール本体に形成した平面となした分岐接続体固着面の中央部に截頭円錐形状の突起を有し、該截頭円錐形状の突起が嵌合する当該突起より開口径、底部径および深さが僅かに小さい截頭円錐形状の凹部を分岐接続体端面の中央に有したことを特徴とするものである。
またさらに、本発明に係るディーゼルエンジン用コモンレールは、コモンレール本体に分岐接続体を摩擦溶接にて固着したコモンレールにおいて、前記コモンレール本体に形成した平面となした分岐接続体固着面の中央部に逆截頭円錐形状の凹部を有し、該逆截頭円錐形状の凹部に嵌合する当該凹部より基部径、端面径及び高さが僅かに大きい逆截頭円錐形状の突起を分岐接続体端面の中央に有したことを特徴とするものであり、また、このコモンレール本体の分岐接続体固着部の内周壁面に平坦状面を有し、分岐接続体を高疲労強度鋼製としたことを特徴とするものである。なお、このディーゼルエンジン用コモンレールにおいて、より清浄な圧接接続組織を得るために、分岐接続体またはコモンレール本体の少なくとも一方に、摩擦溶接時に空気抜きと介在物溜めのための貫孔または空気と介在物の溜り部を設けることが好ましい。」
(ウ)「【0027】
図16~図17に示すコモンレールは、図16に示すようにコモンレール本体10の外面に形成した平面部10-2の中央部に逆截頭円錐形状の凹部10-7を設け、他方、図17に示すように外周に枝管締結用ナット(図面省略)が螺合する雄ネジ12G-1を形成した当該本体の下部のコモンレール本体対向部にその対向面が平坦面となした押圧フランジ部12G-2を有する分岐接続体12Gに、前記逆截頭円錐形状の凹部10-7に嵌合する当該逆截頭円錐形状の凹部10-7より大きさが僅かに大きい逆截頭円錐形状の突起12G-3を設け、コモンレール本体10側に設けた逆截頭円錐形状の凹部10-7に分岐接続体12G側に設けた逆截頭円錐形状の突起12G-3を嵌合させて、両者を摩擦溶接(摩擦圧接)にて圧着して構成したもので、本実施例においてもコモンレール本体10側の平面部10-2と分岐接続体12G側の押圧フランジ部12G-2の平坦面の対向面間に隙間が形成されることにより、摩擦発熱を十分に伴いながら摩擦回転部からアプセットに伴い赤熱軟化表面層(汚れ、酸化物等の介在物)が前記隙間から効果的にスクイズアウトされながらコモンレール本体10と分岐接続体12Gの圧着が進行、完了するため、清浄な圧接接続組織を得ることができる。」
(エ)「【0029】
図19に示すコモンレールは、内部の流通路10-1に通ずる分岐孔10-9の周囲の内周壁面に平坦状面10-8を有するコモンレール本体10の外面に形成した平面部10-2の中央部に逆截頭円錐形状の凹部10-10を設け、他方、中央軸芯部に前記分岐孔10-9に連通する貫孔12H-4を有し、外周に枝管締結用ナット(図面省略)が螺合する雄ネジ12H-1を形成した当該本体の下部のコモンレール本体対向部にその対向面が平坦面となした押圧フランジ部12H-2を有する分岐接続体12HをSCM、SNCM、マレージング鋼等の高疲労強度鋼製とし、この分岐接続体12Hに、前記逆截頭円錐形状の凹部10-10に嵌合する当該逆截頭円錐形状の凹部10-5より基部径、端面径および高さが僅かに小さい逆截頭円錐形状の突起12H-3を設け、コモンレール本体10側に設けた逆截頭円錐形状の凹部10-10に分岐接続体12H側に設けた逆截頭円錐形状の突起12H-3を嵌合させて、両者を摩擦溶接(摩擦圧接)にて圧着して構成したもので、本実施例においてもコモンレール本体10側の平面部10-2と分岐接続体12H側の押圧フランジ部12H-2の平坦面の対向面間に隙間が形成されることにより、摩擦発熱を十分に伴いながら摩擦回転部からアプセットに伴い赤熱軟化表面層(汚れ、酸化物等の介在物)が前記隙間から効果的にスクイズアウトされながらコモンレール本体10と分岐接続体12Hの圧着が進行、完了するため、清浄な圧接接続組織を得ることができる。さらに、このコモンレールの場合は、分岐接続体12HをSCM、SNCM、マレージング鋼等の高疲労強度鋼製とし、かつ分岐孔10-9の周囲の内周壁面を平坦状面10-8としたことにより、分岐接続体12Hに噴射管(図示せず)が取付けられて高圧が作用した時に分岐孔10-9の流通路10-1開口端部に発生する最大応力発生位置Pが分岐接続体12Hの逆截頭円錐形状の突起12H-3側に移動し、耐内圧疲労特性の優れたコモンレールが得られる。」
(オ)「
[図:0001408331000004.jpg]
」(【図13】)
(カ)「
[図:0001408331000005.jpg]
」(【図16】)
(キ)「
[図:0001408331000006.jpg]
」(【図17】)
(ク)「
[図:0001408331000007.jpg]
」(【図19】)
(2)引用文献5の記載事項
ア 引用文献5には、図面とともに、次の事項が記載されている。
(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】高い内圧の負荷に耐えることができ、特に高圧蓄圧手段として共同噴射方式を備えた内燃機関エンジンに使用可能であり、分岐管の着脱可能な連結を行うための少なくとも1個の連結構造を有する燃料分配管に関する。」
(イ)「【0016】図1には、高圧蓄圧手段として共同噴射方式を備えた内燃機関エンジンに用いられる管壁の厚い燃料分配管1が示されている。この用途のため、例えばパイプは、一端(図示しない)において、ポンプからの分配導管に対する連結部を有し、そしてそれは後述する各図に示される連結構造2、分岐管3の連結部と同様に設計されている。図1及び図2に示される連結構造2は、分配管1の内部空間7から始まり、高圧に対応するための厚い管壁を貫通して、分配管1の軸方向に対して略半径方向に延長する連結孔5を含んでいる。しかしその延長方向は、各連結構造2の軸方向を限定するものではない。最後に挙げた方向において、各連結孔5は、円錐形に広がる外方部分9よりも軸方向の長さが長い円筒状の内方部分8と該外方部分9である、2つの互に隣り合う部分を構成している。
【0017】分配管1の外周面に開いた円錐形の外方部分9の開口は、例えば平面視において矩形となる凹所10により囲まれている。そしてその凹所10は、ねじ込み式ソケット12の一端面を当接して、例えば溶接14により分配管1に連結する平滑な取り付け面を形成するため、該分配管1の外周面に浅く加工されている。ねじ込み式ソケット12は、連結孔5と同軸に延びる挿入孔15を有する。そしてその挿入孔15の内径は、円錐形に拡大する連結孔5の外方部分9の最大径に略等しい。従って、分配管1に溶接されたねじ込み式ソケット12の挿入孔15は連結孔5の外方部分9と共に、該ねじ込み式ソケット12の自由端から、分岐管3の連結端に設けられた圧接シール面16が、連結孔5の円錐形の外方部分9のシール面18として機能する外周面にまで挿入できる空間を形成する。仮に圧接シール面16が球面形状であると、上記構造は当初は線接触だけを生じる。」
(ウ)「
[図:0001408331000008.jpg]
」(【図1】)
(エ)「
[図:0001408331000009.jpg]
」(【図2】)
(3)引用文献4及び5にて例示される周知技術2Aの1
上記(1)及び(2)の記載事項にて例示されるように、高圧直噴用のレールの技術分野において、本願出願前に以下は周知の技術(以下、「周知技術2Aの1」という。)である。
「継手部材の外径よりも径大な接続凹部を貫通孔の外周に凹設するとともに、継手部材の基端面を接続凹部内に配置した状態で、継手部材の基端面を接続凹部の底面に当接配置して固定すること。」
(4)引用文献4にて例示される周知技術2Aの2
上記(1)の記載事項にて例示されるように、高圧直噴用のレールの技術分野において、本願出願前に以下は周知の技術(以下、「周知技術2Aの2」という。)である。
「接続凹部を貫通孔の外周に凹設するとともに、継手部材の基端面から突出した基端部分を径小の筒状とし、当該基端面及び基端部分を接続凹部内に配置した状態で、継手部材の基端面を接続凹部の底面に当接配置するとともに、上記基端部分を上記レール本体の係合凹部内に挿入配置して固定すること。」
4 引用文献8及び9の記載並びに周知技術2B
(1)引用文献8の記載事項
ア 本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である国際公開第2005/078272号(以下、「引用文献8」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
(ア)「技術分野
[0001] 本発明は、自動車のエンジンにおいて燃料噴射装置供給部に用いられるフューエルインジェクションレールに関する。
背景技術
[0002] 自動車のエンジンに燃料を供給する燃料供給系では、ポンプから燃料供給管を 通して燃料をフューエルインジェクションレールに送り、このフューエルインジェクションレールに取り付けられているインジェクタに燃料を分配して、各インジエタタからエンジンのインテークマニホールドに噴射している。」
(イ)「発明を実施するための最良の形態
[0015] 以下、本発明によるフューエルインジェクションレールの一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態によるフューエルインジェクションレールを示す。
図1において、参照番号20は、フューエルインジェクションレールの本体を示す。このフューエルインジェクションレールの本体 20を構成するケースは、第1のケース22aと第2のケース22bとからなり、両者とも板金を素材にプレス成形により加工された ものが用いられている。
[0016] これら第1ケース22a、第2ケース22bには、両者とも板金素材をプレス加工により成形したものが使われている。そして、第1ケース22aと第2ケース22bは、重なり部分をロウ付けすることにより一体的に接合される。
[0017] これら第1ケース22a、第2ケース22bからなる本体20の横断面はL字形であり、このうち、片側が高い膨出部になっている形状の第1ケース22aの正面23が、インジェクタを装着するためのインジェクタカップ24が取り付けられる面になっている。インジェクタカップ24は所定の間隔で配列して4個取り付けられている。なお参照番号25は燃料供給管14を示している。
[0018] 図2は、インジェクタカップ24の取付座の構造を示す断面図である。第1ケース22aの正面23には、インジェクタカップ24の後端部が嵌合する装着穴が形成されている。この装着穴を含みその周縁部が取付座26として構成されている。インジェクタカップ24は、取付座26に着座した状態で装着穴の回りをロウ付けされている。
[0019] そして、取付座26の周囲は、インジェクタカップの高さや取付角度などの寸法が公差内に入らなかったような場合に位置修正をしたときの変位を吸収する緩衝帯27が形成されている。本実施形態では、緩衝帯27は、装着穴と同心状の波形に起伏する非平面構造からなっており、第1ケース22aをプレス成形するときに同時に成形することができる。
[0020] このような緩衝帯27は、図1に示されるように、 4力所のインジェクタカップ24のそれぞれの回りに形成され、これにより、隣り合う取付座26の間での平面連続性を分断する構造となっている。
[0021] 本実施形態によるフューエルインジェクションレールは、以上のように構成されるものであり、次に、その作用について説明する。
[0022] フューエルインジェクションレールの本体20をロウ付けした結果、本体20に僅かに変形が生じインジェクタカップ24の高さが規定された寸法公差外となることがある。
[0023] インジェクタカップ24の高さ寸法が公差外とされたものについては、以下のようにし て、取付座26の回りの緩衝帯27を変形させることで高さを修正することができる。
[0024] 図3において、インジェクタカップ24のうち、例えば、左側のインジェクタカップ24の高さを寸法公差外のH1とし、それ以外のインジェクタカップ24の高さは寸法公差内のHとする。この場合、左側のインジェクタカップ24の高さは他のインジェクタカップ24に較べて僅かながら低かったものとする。
[0025] そこで、左側のインジェクタカップ24の高さを修正するには、緩衝帯27を変形させることで高さ修正に伴う変位を緩衝帯27に吸収させればよい。
[0026] このとき、隣のインジェクタカップ24との関係では、緩衝帯27があることで、それぞれの取付座26、26は平面的連続性が分断されているので、左側のインジェクタカップ24の高さを修正しても、その変位は隣のインジェクタカップ24の取付座26にほとんど影響することがない。したがって、第1ケース 22aは一枚板の一体構造でありながらも、各取付座26を形状修正の面からは独立した構造とできるので、従来のように一つを修正すると別のインジェクタカップが変位し、それを修正するとせっかく修正したはずのインジェクタカップの位置がずれるというようなことがなく、公差外のものだけを修正するだけで済み、寸法公差内に揃える修正を効率良く行うことができる。
[0027] 以上は、インジェクタカップ24の高さ方向の修正であるが、本実施形態のような波形の緩衝帯27では、高さ方向だけではなくインジェクタカップ24の半径方向に向かう全方位の位置修正や取付角度の修正についても、各取付座26ごとに緩衝帯27で独立的に変位を吸収できるので、修正を効率よく行うことが可能となる。」
(ウ)「
[図:0001408331000010.jpg]
」([図1])
(エ)「
[図:0001408331000011.jpg]
」([図2])
(オ)「
[図:0001408331000012.jpg]
」([図3])
(2)引用文献9の記載事項
ア 本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である特開2003-293901号公報(以下、「引用文献9」という。)には、図面とともに、次の事項が記載されている。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子燃料噴射式自動車用エンジンの燃料加圧ポンプから送給された燃料をエンジンの各吸気通路あるいは気筒内に直接噴射する燃料インジェクタ(噴射ノズル)を介して供給するためのフユーエルデリバリパイプの改良に関し、特に燃料通路を有する連通管の断面構造及び連通管の外部構造に係るものである。」
(イ)「【0014】
【発明の実施の形態】図1A~Cは本発明の第1の態様によるフユーエルデリバリパイプ10を表しており、図1Aは全体の斜視図、図1Bは連通管部分での断面図、図1Cはソケット部分での断面図である。クランク軸方向に沿って延伸する連通管11の底面11bには、噴射ノズルの先端を受け入れるためのソケット3が、例えば4気筒エンジンであれば4個が所定の間隔と角度で取り付けられている。連通管11には、さらにフユーエルデリバリパイプ10をエンジン本体に取り付けるための厚肉で堅固なブラケット4が2個横方向に架け渡されている。燃料は矢印の方向へと流れ、ソケット3から燃料インジェクタを介して各吸気通路あるいは気筒内へ直接噴射される。
【0015】内部に燃料通路12を有する連通管11の端部にはコネクタ(図示せず)を介して燃料導入管5がろう付けや溶接で固定されている。連通管11の端部には燃料タンクに戻るための戻り管を設けることができるが、リターンレスタイプのフユーエルデリバリパイプでは、戻り管は設けられていない。
【0016】図1B,Cに示すように、この例では連通管11は円形断面の炭素鋼・ステンレス鋼などのパイプをつぶして形成した偏平長方形断面の下面を凹所15に変形した形状に作られている。連通管11の縦横寸法は、例えば板厚1.2mmの平板で、高さを12mm、幅を32mm程度に設定することができる。図1の例ではさらに、連通管11の外壁部でソケット取付面11bに対向する上面11aが可撓性のアブゾーブ面を提供し、このアブゾーブ面はソケット3の燃料流入口13に対向しているため、燃料噴射の際の振動や衝撃を吸収する働きをする。このように、ソケット取付面11bは平坦面ではなく凹所付きの段付き面に作られているので、他の面よりも剛性が高くなっており、燃料インジェクタの開閉に伴う金属音がソケット取付部分の燃料流入口13付近から発生していたのが、ソケット取付面の高剛性面で低減させられ、異音の伝達・伝播・放射が抑制されることになる。」
(ウ)「【0018】図3A,Bはさらに他の実施例によるフユーエルデリバリパイプ30を一部省略して表している。図3Aは連通管31の水平断面図、図3Bは連通管31の底面31bのソケット部分の縦断面図である。本発明の特徴に従い、ソケット取付面31bにおいてソケット3の付近に波形の凹凸形状部分34,35,36,37が形成されている。凹凸形状部分34,35は下向きの凸形状、凹凸形状部分36,37は上向きの凸形状に加工されている。これらの凹凸形状部分はソケットを中心とした同心円状に加工することもできる。従って、ソケット取付面31bは平坦面ではなく凹凸面形状に作られているので、他の面よりも剛性が高くなっており、燃料インジェクタの開閉に伴う金属音がソケット取付部分の燃料流入口13付近から発生していたのが、ソケット取付面の高剛性面で低減させられ、異音の伝達・伝播・放射が抑制されることになる。」
(エ)「
[図:0001408331000013.jpg]
」(【図1】)
(オ)「
[図:0001408331000014.jpg]
」(【図3】)
(3)引用文献8及び9にて例示される周知技術2B
上記(1)及び(2)の記載事項にて例示されるように、燃料噴射用のレールの技術分野において、本願出願前に以下は周知の技術(以下、「周知技術2B」という。)である。
「継手部材の外径よりも径大な環状の接続凹部を貫通孔の外周に凹設するとともに、継手部材の基端面から突出した基端部分を径小の筒状とし、当該基端面及び基端部分を接続凹部内に全方位を囲まれた状態で配置した状態で、継手部材の基端面を接続凹部の底面に当接配置するとともに、基端部分を上記レール本体の貫通孔内に挿入配置して固定すること。」
5 引用文献6の記載及び周知技術3
(1)引用文献6の記載事項
ア 引用文献6には、図面とともに、次の事項が記載されている。
(ア)「【0009】
【実施例】以下、本発明になる内燃機関における燃料供給装置の一実施例を図1、図2により説明する。図1は、燃料噴射弁が取着された燃料分配管の縦断面図。図2は図1のA-A線における縦断面図。1は、図1において左右方向に延びる燃料分配管であり、その内方には燃料流路2が穿設され、その左方の開口には、燃料ジョイントFが取着される。そして、燃料分配管1には燃料流路2内に開口する燃料噴射弁取付け孔3が穿設されるもので、本実施例における燃料噴射弁取付け孔3は、燃料分配管1の右方から左方に向かい、一番目の燃料噴射弁取付け孔3から四番目の燃料噴射弁取付け孔3迄、4個穿設された。Jは前記燃料噴射弁取付け孔3に取着される公知の燃料噴射弁であり、燃料噴射弁Jの上流側は、上流側流路J1をもって上方に開口する。」
(イ)「【0015】次にその作用について説明する。機関の運転時において、燃料ポンプ19から給送される燃料は、燃料ジョイントFから燃料分配管1の燃料流路2内へ流入し、次いでスリーブ4の連通孔4G及びスリーブ4の上端からスリーブ4の内方流路4D内へ流入するとともにフィルターTを備えたフィルター流路4Hをへて燃料噴射弁Jの上流側流路J1へと流れ、然る後に燃料噴射弁Jにてその量が制御されて吸気管15内へと噴射される。」
(ウ)「
[図:0001408331000015.jpg]
」(【図1】)
(2)引用文献6にて例示される周知技術3
上記(1)の記載事項にて例示されるように、燃料噴射用のレールの技術分野において、本願出願前に以下は周知の技術(以下、「周知技術3」という。)である。
「燃料レールにおいて、レール本体の一端に、レール本体とは別体に製作するとともに燃料通路からレール本体の一端を通じて燃料を流通可能とし、外周にレール本体の外径と同一径の環状突部を備えた筒状の継手部材を固定配置し、環状突部をレール本体の開口端面に当接させること。」
第5 対比
1 本願発明と引用発明とを対比する。
(1)「レール本体」に関して
引用発明における「流通路1-1」は、軸方向に伸びるとともに断面略円形であることから、本願発明における「燃料通路」と、「軸方向に伸びるとともに断面略円形の燃料通路」という限りで一致し、そうすると、引用発明における「小径孔1-3」は本願発明における「貫通孔」と、「軸方向に伸びるとともに断面略円形の燃料通路と外部とを連通させる貫通孔という限りで一致する。また、引用発明における「周壁部」は本願発明における「壁面」に相当することから、引用発明における「周壁部に開口」することは本願発明における「壁面に開口」することに相当する。
また、引用発明における「大径孔1-4」は、小径孔1-3の周縁に設けられ、断面凹形であることから、本願発明における「係合凹部」に相当する。
そして、引用発明における「本管レール1」は、引用文献1の段落【0009】の記載からみて鍛造にて製作されるものであるといえることから、本願発明における「レール本体」と、「軸方向に伸びるとともに断面略円形の燃料通路と外部とを連通させる貫通孔を壁面に開口し、この貫通孔の周縁に断面凹形の係合凹部を設けるとともに鍛造にて製作されたレール本体」という限りで一致する。
(2)「筒状の継手部材」に関して
引用発明における「分岐継手金具3」は、本管レール1とは別体に製作するとともに、小径孔1-3の位置にて本管レール1に固定され流通路1-1から小径孔1-3を通じて燃料を流通可能とし、分岐継手金具3の基端面から突出した基端部分を径小の筒状としたものであることから、本願発明における「筒状の継手部材」に相当する。
(3)「筒状の継手部材」を「レール本体」に「ろう付け固定」することに関して
引用発明における「周壁部」は、本願発明における「接続凹部内」と、「燃料通路の外周」という限りで一致する。そして、引用発明における「当該基端面及び基端部分を周壁部に配置した状態」は、本願発明における「当該基端面及び基端部分を上記接続凹部内に配置した状態」と、「当該基端面及び基端部分を燃料通路の外周に配置した状態」という限りで一致する。
また、引用発明における「周壁部」は、本願発明における「接続凹部の底面」と、「燃料通路の外周の壁面」という限りで一致する。そして、引用発明における「分岐継手金具3の基端面を周壁部に当接配置する」ことは、本願発明における「継手部材の基端面を接続凹部の底面に当接配置する」ことと、「継手部材の基端面を燃料通路の外周の壁面に当接配置する」ことという限りで一致する。
さらに、引用発明における「基端部分を本管レール1の大径孔1-4内に挿入配置」することは、本願発明における「基端部分をレール本体の係合凹部内に挿入配置」することに相当する。
そして、引用発明における「ろう着」することは、本願発明における「ろう付け固定」することに相当する。
(4)「高圧直噴用のレール」に関して
引用発明における「高圧燃料レール」は、本願発明における「高圧直噴用のレール」と、上記(1)ないし(3)の限りで一致する。
2 一致点、相違点
したがって、本願発明と引用発明は、
「軸方向に伸びるとともに断面略円形の燃料通路と外部とを連通させる貫通孔を壁面に開口し、この貫通孔の周縁に断面凹形の係合凹部を設けるとともに鍛造にて製作されたレール本体と、このレール本体とは別体に製作するとともに、上記貫通孔の位置にてレール本体に固定され上記燃料通路から貫通孔を通じて燃料を流通可能とする筒状の継手部材とを備え、上記継手部材の基端面から突出した基端部分を径小の筒状とし、当該基端面及び基端部分を燃料通路の外周に配置した状態で、上記継手部材の基端面を燃料通路の外周の壁面に当接配置するとともに、上記基端部分を上記レール本体の係合凹部内に挿入配置してろう付け固定した高圧直噴用のレール。」
である点で一致し、次の点において相違する。
<相違点1>
「燃料通路」について、本願発明は、「断面円形」であるのに対し、引用発明は、「断面略円形」である点。
<相違点2>
本願発明は、「継手部材の外径よりも径大な環状の接続凹部を貫通孔の外周に凹設する」とともに、継手部材の基端面及び基端部分を「接続凹部内」に配置した状態で、継手部材の基端面を「接続凹部の底面」に当接配置するとともに、上記基端部分を上記レール本体の係合凹部内に挿入配置してろう付け固定ものであるのに対し、引用発明は、そのようなものではない点。
<相違点3>
本願発明は、「レール本体の一端には、このレール本体とは別体に製作するとともに燃料通路からレール本体の一端を通じて燃料を流通可能とし、外周に上記レール本体の外径と同一径の環状突部を備えた筒状の継手部材を固定配置し、上記環状突部をレール本体の開口端面に当接させ」たものであるのに対し、引用発明は、そのようなものではない点。
第6 判断
1 相違点の検討
上記相違点について検討する。
(1)相違点1について
上記第4の2(2)のとおり、「燃料通路を断面円形とすること。」は周知の技術(周知技術1)である。
そして、引用発明の高圧燃料レール(高圧直噴用のレール)における流通路1-1(燃料通路)の断面形状について、設計の自由度の範囲内で、周知技術1のような「断面円形」を適宜採用することにより、相違点1に係る本願発明の発明特定事項に想到することは、当業者が容易になし得るものである。
なお、引用文献1の段落【0008】には「偏平部の直径Wを1.5d~3dとした」のは「開口部の応力集中を防止するため」である旨が記載されているが、機械分野の通常の知識を有する当業者にとって、流通路1-1(燃料通路)の断面形状を、必要な耐久性を確保する措置を講じつつ決定することは、信頼性及び安全性が当然に求められる機械構造物の製造において必須のことであり、かかる記載がそのような措置を講じつつ該断面形状を「断面円形」とすることを阻害するものとまでは認められない。
(2)相違点2について
上記第4の3(3)のとおり、「継手部材の外径よりも径大な接続凹部を貫通孔の外周に凹設するとともに、継手部材の基端面を接続凹部内に配置した状態で、継手部材の基端面を接続凹部の底面に当接配置して固定すること。」は周知の技術(周知技術2Aの1)である。
また、上記第4の3(4)のとおり、「接続凹部を貫通孔の外周に凹設するとともに、継手部材の基端面から突出した基端部分を径小の筒状とし、当該基端面及び基端部分を接続凹部内に配置した状態で、継手部材の基端面を接続凹部の底面に当接配置するとともに、上記基端部分を上記レール本体の係合凹部内に挿入配置して固定すること。」も周知の技術(周知技術2Aの2)である。
そして、引用発明の高圧燃料レール(高圧直噴用のレール)において、分岐継手金具3(筒状の継手部材)を本管レール1(レール本体)に接続固定するにあたり、周知技術2Aの1または周知技術2Aの2を参酌して、管径20m/m程度以下(引用文献1の段落【0013】)の分岐継手金具3(継手部材)の外径よりも径大な接続凹部を小径孔1-3(貫通孔)の外周に凹設し、その際、分岐継手金具3(継手部材)の外周形態を適宜踏まえて、接続凹部を環状とし、該分岐継手金具3(継手部材)の基端面及び基端部分を周壁部の代わりに燃料通路の外周となる接続凹部内に配置した状態で、分岐継手金具3(継手部材)の基端面を周壁部の代わりに燃料通路の外周の壁面となる接続凹部の底面に当接配置するとともに、上記基端部分を本管レール1(レール本体)の大径孔1-4(係合凹部)内に挿入配置してろう着(ろう付け固定)するように構成することにより、相違点2に係る本願発明の発明特定事項に想到することは、当業者が容易になし得るものである。
また、本願発明における「当該基端面及び基端部分を上記接続凹部内に配置した状態」を仮に「接続凹部内」に全方位を囲まれた状態で配置した状態を意味すると解した場合について以下に予備的に検討する。
上記第4の4(3)のとおり、「継手部材の外径よりも径大な環状の接続凹部を貫通孔の外周に凹設するとともに、継手部材の基端面から突出した基端部分を径小の筒状とし、当該基端面及び基端部分を接続凹部内に全方位を囲まれた状態で配置した状態で、継手部材の基端面を接続凹部の底面に当接配置するとともに、基端部分を上記レール本体の貫通孔<係合凹部>内に挿入配置して固定すること。」は周知の技術(周知技術2B)である。
そして、引用発明の高圧燃料レール(高圧直噴用のレール)において、分岐継手金具3(筒状の継手部材)を本管レール1(レール本体)に接続固定するにあたり、周知技術2Bを参酌して、管径20m/m程度以下(引用文献1の段落【0013】)の分岐継手金具3(継手部材)の外径よりも径大な接続凹部を小径孔1-3(貫通孔)の外周に凹設し、その際、分岐継手金具3(継手部材)の外周形態を適宜踏まえて、接続凹部を環状とし、該分岐継手金具3(継手部材)の基端面及び基端部分を周壁部の代わりに燃料通路の外周となる接続凹部内に全方位を囲まれた状態で配置した状態で、分岐継手金具3(継手部材)の基端面を周壁部の代わりに燃料通路の外周の壁面となる接続凹部の底面に当接配置するとともに、上記基端部分を本管レール1(レール本体)の大径孔1-4(係合凹部)内に挿入配置してろう着(ろう付け固定)するように構成することにより、相違点2に係る本願発明の発明特定事項に想到することは、当業者が容易になし得るものである。
(3)相違点3について
上記第4の5(2)のとおり、「燃料レールにおいて、レール本体の一端に、レール本体とは別体に製作するとともに燃料通路からレール本体の一端を通じて燃料を流通可能とし、外周にレール本体の外径と同一径の環状突部を備えた筒状の継手部材を固定配置し、環状突部をレール本体の開口端面に当接させること。」は周知の技術(周知技術3)である。
そして、引用発明の高圧直噴用のレール(「高圧燃料レール」)において、燃料供給形態の必要性に応じて、周知技術3を採用することにより、相違点3に係る本願発明の発明特定事項に想到することは、当業者が容易になし得るものである。
そして、本願発明が奏する効果は、全体としてみても、引用発明並びに周知技術1、周知技術2Aの1及び周知技術3、引用発明並びに周知技術1、周知技術2Aの2及び周知技術3または引用発明並びに周知技術1、周知技術2B及び周知技術3から当業者が予測し得る程度のものである。
2 小括
したがって、本願発明は、引用発明並びに周知技術1、周知技術2Aの1及び周知技術3、引用発明並びに周知技術1、周知技術2Aの2及び周知技術3または引用発明並びに周知技術1、周知技術2B及び周知技術3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 審判請求人の主張について
1 審判請求人の意見書における主張
審判請求人は、令和5年7月12日に提出された意見書において、令和5年5月17日付けの拒絶理由通知書の「●理由1(進歩性)について」に対して次のように主張している(下線は当審において付した。)。
(1)「本願発明は上記の通り、「当該基端面及び基端部分を上記接続凹部内に配置した状態で、上記継手部材の基端面を上記接続凹部の底面に当接配置するとともに、上記基端部分を上記レール本体の係合凹部内に挿入配置してろう付け固定し」たことを必須の要件とするものです。」(上記意見書の3.の「(1)本願発明と引用文献1に記載の発明との対比」欄)
(2)「上記構成とすることにより、接続凹部の底面と継手部材の基端面、及びレール本体の凹部と継手部材の基端部分とにおいて、ろう付け固定されるものです。このろう付け固定により、上記レール本体と継手部材との接続部分がろう材によって液密的に密閉されるものとなり、当該接続部分の液漏れを効果的に防ぐことができるという効果を得ることができるものです。」(上記意見書の3.の「(1)本願発明と引用文献1に記載の発明との対比」欄)
(3)「また接続凹部内に継手部材の基端面及び基端部分が配置されるため、上記レール本体と継手部材の接続部分が当該接続凹部内に位置するものとなります。そのため、上記ろう付け固定が行われた際にろう材をレール本体の表面に流出させることなく上記接続凹部内に留まらせることができるとともに、上記接続部分を上記接続凹部内において効果的に保護することができるものです。」(上記意見書の3.の「(1)本願発明と引用文献1に記載の発明との対比」欄)
(4)「一方引用文献1に記載の発明は、本件拒絶理由の「相違点2」にてご指摘の通り、「継手部材の外径よりも径大な環状の接続凹部を貫通孔の外周に凹設し、接続凹部に継手部材を接続固定する」ものではなく、引用文献1には「当該基端面及び基端部分を上記係合凹部内に配置した状態で、上記継手部材の基端面を上記接続凹部の底面に当接配置するとともに、上記基端部分を上記レール本体の係合凹部内に挿入配置してろう付け固定し」について全く開示も示唆もされておりません。」(上記意見書の3.の「(1)本願発明と引用文献1に記載の発明との対比」欄)(審決注:下線を付した「係合」は、上記(1)の記載及び本願発明1の発明特定事項からみて、「接続」の誤記と認める。)
(5)「また本件拒絶理由では上記の如く、「『継手部材の外径よりも径大な接続凹部を貫通孔の外周に凹設し、接続凹部に継手部材を接続固定すること。』は周知の技術…である。」とのご指摘です。しかしながら、周知技術2である引用文献3~5には本願発明の必須の要件である「当該基端面及び基端部分を上記係合凹部内に配置した状態で、上記継手部材の基端面を上記接続凹部の底面に当接配置するとともに、上記基端部分を上記レール本体の係合凹部内に挿入配置してろう付け固定し」たことについて全く開示も示唆もされておらず上記本願発明の必須の要件は周知技術とは言えないものです。」(上記意見書の3.の「(1)本願発明と引用文献1に記載の発明との対比」欄)(審決注:下線を付した「係合」は、上記(1)の記載及び本願発明1の発明特定事項からみて、「接続」の誤記と認める。)
(6)「また引用文献4、5については、引用文献4の図17および引用文献5の図2に開示の通り、継手部材の基端面が部分的に凹部内に配置された状態ではないことから、引用文献4、5には、本願発明の必須の要件である「当該基端面及び基端部分を上記係合凹部内に配置した状態」について開示しているとは言えないものです。」(上記意見書の3.の「(1)本願発明と引用文献1に記載の発明との対比」欄)
(7)「以上より、引用文献3~5に記載の発明は、本願発明における「当該基端面及び基端部分を上記係合凹部内に配置した状態で、上記継手部材の基端面を上記接続凹部の底面に当接配置するとともに、上記基端部分を上記レール本体の係合凹部内に挿入配置してろう付け固定し」たことが周知技術であるという根拠とはなり得ないものと思料されます。」(上記意見書の3.の「(1)本願発明と引用文献1に記載の発明との対比」欄)(審決注:下線を付した「係合」は、上記(1)の記載及び本願発明1の発明特定事項からみて、「接続」の誤記と認める。)
(8)「また上記と同様に、引用文献2、6、7についても、本願発明の必須の要件である「当該基端面及び基端部分を上記係合凹部内に配置した状態で、上記継手部材の基端面を上記接続凹部の底面に当接配置するとともに、上記基端部分を上記レール本体の係合凹部内に挿入配置してろう付け固定し」たことについて全く開示も示唆もされておりません。」(上記意見書の3.の「(1)本願発明と引用文献1に記載の発明との対比」欄)
2 審判請求人の主張の検討
以下、上記主張について検討する。
(1)上記1(1)及び(2)の主張について
上記第4の1(2)のとおり、引用発明は、分岐継手金具3(継手部材)の基端面から突出した基端部分を径小の筒状とし、当該基端面及び基端部分を燃料通路の外周である周壁部に配置した状態で、分岐継手金具3(上記継手部材)の基端面を燃料通路の外周の壁面である周壁部に当接配置するとともに、上記基端部分を上記本管レール1(レール本体)の大径孔1-4(係合凹部)内に挿入配置してろう着(ろう付け固定)するものであり、上記第6の1(2)のとおり、引用発明の高圧燃料レール(高圧直噴用のレール)において、分岐継手金具3(筒状の継手部材)を本管レール1(レール本体)に接続固定するにあたり、周知技術2Aの1、周知技術2Aの2または周知技術2Bを参酌して、管径20m/m程度以下の分岐継手金具3(継手部材)の外径よりも径大な接続凹部を小径孔1-3(貫通孔)の外周に凹設し、分岐継手金具3(継手部材)の基端面及び基端部分を周壁部の代わりに燃料通路の外周となる接続凹部内に配置した状態で、分岐継手金具3(継手部材)の基端面を周壁部の代わりに燃料通路の外周の壁面となる接続凹部の底面に当接配置するとともに、上記基端部分を本管レール1(レール本体)の大径孔1-4(係合凹部)内に挿入配置してろう着(ろう付け固定)するように構成することにより、上記1(1)の主張において必須の要件と主張される相違点2に係る本願発明の発明特定事項に想到することは、当業者が容易になし得るものである。
そして、上記1(2)の主張における効果は、引用文献1の段落【0015】に「この大径孔1-4に分岐継手金具3の接続端部を嵌挿した状態をもって相互に接合(ろう着等)して構成したものである。」と記載され、本管レール1(レール本体)と分岐継手金具3(筒状の継手部材)との接続部分を接合(ろう着等)(ろう材)によって液密的に密閉し、当該接続部分の液漏れを防ぐことは、当該部位において当然に必要とされる必須の効果であり、上記のとおり、分岐継手金具3(継手部材)の基端面及び基端部分を周壁部の代わりに燃料通路の外周となる接続凹部内に配置した状態で、分岐継手金具3(継手部材)の基端面を周壁部の代わりに燃料通路の外周の壁面となる接続凹部の底面に当接配置するとともに、上記基端部分を本管レール1(レール本体)の大径孔1-4(係合凹部)内に挿入配置してろう着(ろう付け固定)するように構成した場合においても当然に必要とされる必須の効果であり、当業者であれば当該効果を奏するように構成することは当然に予測し得るものである。
すなわち、上記1(2)の主張における効果は、上記第6の1(2)のとおり、引用発明並びに周知技術1、周知技術2Aの1及び周知技術3、引用発明並びに周知技術1、周知技術2Aの2及び周知技術3または引用発明並びに周知技術1、周知技術2B及び周知技術3から当業者が予測し得る程度のものである。
(2)上記1(1)及び(3)の主張について
まず、上記1(3)の主張における効果は、本願の願書に最初に添付した明細書等に記載されたものではない。
また、本願の【図1】や【図3】に図示されているように継手部材及び接続凹部が重力方向に対して様々な方向を向いた態様において、特に、略重力方向を向いた継手部材及び接続凹部に関して、接続凹部等の各部位の構成とどのような機序のもとでどのような相互作用により上記1(3)の主張における効果を奏するとするのかは明らかでない。
上記1(3)の主張における効果は、このようなものではあるが、仮に、上記第6の1(2)において予備的に検討したように、本願発明における「当該基端面及び基端部分を上記接続凹部内に配置した状態」を仮に「接続凹部内」に全方位を囲まれた状態で配置した状態を意味すると解し、そのような構成により生じる効果として主張していると解したとしても、上記第6の1(2)のとおり、当該構成に想到することは当業者が容易になし得るものであり、その効果についても、本願発明と同様な構成となることにより、上記1(3)の主張における効果は当然に奏するものであるといえる。
(3)上記1(4)の主張について
上記1(4)の主張については、上記第5の2における相違点2のとおりである。
(4)上記1(5)ないし(8)の主張について
上記1(6)の主張における「引用文献4の図17および引用文献5の図2に開示の通り、継手部材の基端面が部分的に凹部内に配置された状態ではない」なる点について検討する。
まず、引用文献4について、上記第4の3(1)の記載事項からみて、上記第4の3(3)において周知技術2Aの1として、また、上記第4の3(4)において周知技術2Aの2として示したように、引用文献4に記載された分岐接続体12G、12H(継手部材)の基端面は全て平面部10-2及び側壁により隔成された部位(接続凹部内)に配置した状態であって、平面部10-2及び側壁により隔成された部位(接続凹部内)を超える範囲に位置するものではないものと認められる。
また、引用文献5について、上記第4の3(2)の記載事項からみて、上記第4の3(3)において周知技術2Aの1として示したように、引用文献5に記載された連結構造2(継手部材)の基端面は全て凹所10(接続凹部内)に配置した状態であって、凹所10(接続凹部内)を超える範囲に位置するものではないものと認められる。
そして、上記第4の3(3)及び上記第4の3(4)のとおり、「継手部材の基端面を接続凹部内に配置した状態で、継手部材の基端面を接続凹部の底面に当接配置して固定すること。」は周知の技術(引用文献4及び5にて例示される周知技術2Aの1または引用文献4にて例示される周知技術2Aの2)であり、また、「当該基端面及び基端部分を接続凹部内に配置した状態で、継手部材の基端面を接続凹部の底面に当接配置するとともに、上記基端部分を上記レール本体の係合凹部内に挿入配置して固定すること。」も周知の技術(引用文献4にて例示される周知技術2Aの2)である。
また、仮に、上記第6の1(2)において予備的に検討したように、本願発明における「当該基端面及び基端部分を上記接続凹部内に配置した状態」を仮に「接続凹部内」に全方位を囲まれた状態で配置した状態を意味するとして主張していると解したとしても、上記第4の4(4)のとおり、周知の技術(周知技術2B)であり、上記第6の1(2)のとおり、当該構成に想到することは当業者が容易になし得るものである。
したがって、上記1の主張は採用することができない。
3 小括
したがって、審判請求人による主張を考慮に入れたとしても、上記第6の1のとおり、本願発明は、引用発明並びに周知技術1、周知技術2Aの1及び周知技術3、引用発明並びに周知技術1、周知技術2Aの2及び周知技術3または引用発明並びに周知技術1、周知技術2B及び周知技術3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、審判請求人の主張は結論において採用できない。
第8 むすび
以上のとおり、本願発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明並びに周知技術1、周知技術2Aの1及び周知技術3、引用発明並びに周知技術1、周知技術2Aの2及び周知技術3または引用発明並びに周知技術1、周知技術2B及び周知技術3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-009391