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特許拒絶査定不服審判

2020-017490

エンジン装置

審判番号
2020-017490
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-061510外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年12月22日
審決日
2022年03月01日
公報発行日
2022年05月27日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (F02M) / P18 .537-WZ (F02M)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2017-61510「エンジン装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年10月18日出願公開、特開2018-162770〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 この出願(以下「本願」という。)は、平成29年3月27日の出願であって、令和2年1月7日付け(発送日:同年1月15日)で拒絶理由が通知され、令和2年3月11日に意見書及び手続補正書が提出され、令和2年5月8日付け(発送日:同年5月19日)で最後の拒絶理由が通知され、令和2年7月13日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和2年9月14日付け(発送日:平成30年9月23日)で令和2年7月13日付け手続補正書による補正が却下され、同日付けで拒絶査定がされた。これに対し、令和2年12月22日に拒絶査定不服審判の請求がされ、その後、当審において令和3年10月6日付け(発送日:同年10月13日)で拒絶理由を通知したところ、令和3年12月9日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願請求項1ないし3に係る発明は、令和3年12月9日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりである。 〔本願発明〕 「【請求項1】 燃料供給ポンプから供給される燃料を高圧で蓄えるコモンレールを備えたエンジン装置において、 前記コモンレールは、前記コモンレール内の燃料を燃料戻し管へ排出する減圧弁を備え、 前記燃料戻し管は、前記減圧弁から前記減圧弁よりも高い位置へ導かれており、 前記燃料戻し管の中途部が前記減圧弁よりも高い位置でエンジンに取り付けられている、 エンジン装置。」 第3 当審が通知した拒絶理由の概要 当審において令和3年10月6日付けで通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は、以下のとおりである。 理由1(明確性)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 理由2(進歩性)この出願の請求項1ないし3に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 (引用文献等については引用文献等一覧参照) ●理由1(明確性)について 請求項1ないし3に係る発明は明確でない。 ●理由2(進歩性)について (1)請求項1に係る発明に対して 引用文献1 (2)請求項2に係る発明に対して 引用文献1及び2 (3)請求項3に係る発明に対して 引用文献1及び2 <引用文献等一覧> 1.特開2012-127252号公報 2.特開2011-17257号公報 第4 引用文献の記載事項 1 引用文献 当審拒絶理由で引用した引用文献(特開2012-127252号公報)には、「内燃機関」に関して、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、下線は当審が付したものである。 ア 「【技術分野】 【0001】 本願発明は、ディーゼルエンジン等のエンジン装置に係り、より詳しくは、コモンレールシステムが搭載されたエンジン装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来から、ディーゼルエンジンの気筒数分のインジェクタが接続されたコモンレールを有するコモンレールシステムを備え、ディーゼルエンジンの燃料供給経路中にコモンレールを組込み、ディーゼルエンジンの各気筒に燃料を効率良く供給する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】特開2007-92598号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 特許文献1のように、エンジンの外側面にコモンレールを組付ける場合、エンジンから離間して燃料戻し管が配管され、例えば、エンジン用ハーネスまたは燃料フィルタまたは潤滑油フィルタ等の、エンジンの外装品に燃料戻し管が近接して支持されやすいから、電装部品などとの接触等の懸念箇所を低減できない等の問題がある。エンジンの外装品と干渉しないように燃料戻し管を配管する必要があり、燃料戻し管の配管作業が面倒であり、燃料戻し管の組立分解作業性を向上できない等の問題がある。 【0005】 また、コモンレールにゴム製成形管体の一端側を連結し、燃料戻し管にゴム製成形管体の他端側を連結し、コモンレールを介してゴム製成形管体の一端側を固着した構造では、レール戻し管継ぎ手がゴム製成形管体の中間部や他端側よりも高位置に支持された場合、レール側管継ぎ手付近の管内部に燃料を充満させた状態で維持できないから、コモンレールに設けられた燃料戻しバルブまたはレール側管継ぎ手が、空気中の水分の侵入によって錆びやすく、腐食を簡単に防止できない等の問題がある。 【0006】 また、コモンレールにゴム製成形管体の一端側を連結し、燃料戻し管にゴム製成形管体の他端側を連結し、燃料戻し管に燃料戻し管継ぎ手を介してゴム製成形管体の他端側を固着した構造では、コモンレール支持位置よりも高い位置に燃料戻し管継ぎ手が支持された場合、燃料戻し管継ぎ手付近の管内部に燃料を充満させた状態で維持できないから、空気中の水分の侵入によって燃料戻し管継ぎ手などが錆びやすく、燃料戻し管継ぎ手などの腐食を簡単に防止できない等の問題がある。 【0007】 さらに、エンジンブロック外側面に平行に燃料戻し管の中間部を延設した場合、コモンレールまたは燃料フィルタなどに向けて燃料戻し管の両端側を複雑に折曲げて延設させる必要があり、燃料戻し管の着脱作業を簡略化できない等の問題がある。 【0008】 そこで、本願発明は、これらの現状を検討して改善を施したエンジン装置を提供しようとするものである。」 イ 「【0016】 請求項3の発明によると、前記コモンレールにゴム製成形管体の一端側を連結し、前記燃料戻し管に前記成形管体の他端側を連結し、前記燃料戻し管に燃料戻し管継ぎ手を介して前記成形管体の他端側を固着する構造であって、前記コモンレール支持位置よりも低い位置に前記燃料戻し管継ぎ手を配置したものであるから、前記燃料戻し管継ぎ手部の前記燃料戻し管内に燃料を充満させた状態で維持できる。空気中の水分の侵入によって前記燃料戻し管継ぎ手などが錆びるのを低減できる。前記燃料戻し管継ぎ手などの腐食を防止して耐久性を向上できる。」 ウ 「【0020】 以下、図1~図3を参照して、本願発明のエンジン装置に搭載した排気ガス浄化装置の実施形態を図面に基づいて説明する。図1~図3に示す如く、ディーゼルエンジン70は、排気ガス浄化装置としての連続再生式のディーゼルパティキュレートフィルタ1(以下、DPF1という)と、円筒状のコモンレール120とを備える。DPF1によって、排気ガス中の粒子状物質(PM)の除去に加え、ディーゼルエンジン70の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を低減するように構成している。 【0021】 図1~図3に示す如く、排気ガス浄化装置としてのDPF1は、排気ガス中の粒子状物質(PM)等を捕集するためのものである。ディーゼルエンジン70の出力軸としてのクランク軸74と平行に、前後方向に長く延びた略円筒形状にDPF1を構成している。ディーゼルエンジン70のシリンダヘッド72上方にDPF1を配置する。DPF1の左右両側(排気ガス移動方向一端側と同他端側)には、排気ガス入口管16(排気ガス取入れ側)と、排気ガス出口管34(排気ガス排出側)とを、ディーゼルエンジン70の前後に振分けて設ける。 【0022】 図1~図3に示す如く、DPF1は、耐熱金属材料製のガス浄化ハウジング60内に、円筒型の内側ケースを介して、例えば白金等のディーゼル酸化触媒とハニカム構造のスートフィルタが直列に並べて収容された構造である。なお、DPF1の排気ガス取入れ側の排気ガス入口管16は、ディーゼルエンジン70の排気マニホールド71に着脱可能に連結されている。DPF1の排気ガス排出側の排気ガス出口管34にテールパイプ(図示省略)を接続させる。即ち、ディーゼルエンジン70の中の粒子状物質は、スートフィルタ3に捕集され、ディーゼル酸化触媒及びスートフィルタを通過した排気ガスが排気ガス出口管34から放出されるように構成している。 【0023】 なお、前記シリンダヘッド72の左右側に排気マニホールド71と吸気マニホールド73を設置する。排気マニホールド71にターボ過給機100を設ける。排気マニホールド71とターボ過給機100に、ハウジング支持体85の中空部を介して、ガス浄化ハウジング60の内部を連通している。 【0024】 また、図1~図3において、図中75はエンジンブロック、76は冷却ファン、77は冷却ファン駆動用Vベルト、78はフライホイールハウジング、79はフライホイール、80はエンジンオイルフィルタ、81はオイルパンである。また、ディーゼルエンジン70の吸気マニホールド73が設置された側部に、燃料ポンプ116と、燃料噴射制御用のコモンレール120と、燃料フィルタ121が設けられている。吸気マニホールド73に、排気ガス再循環用のEGR装置91が付設されている。 【0025】 さらに、図1に示す如く、エンジンハーネスとしての複数の電源ハーネス184及び複数の信号ハーネス185が、複数のハーネスコネクタ186を介して、エンジンオイルフィルタ80とコモンレール120との間のエンジンブロック75側面に配置されている。複数の電源ハーネス184の一端側に複数のハーネスコネクタ186を介して複数の信号ハーネス185が接続される一方、複数の電源ハーネス184の他端側が、図示しないエンジンコントローラに向けてそれぞれ延設されている。」 エ 「【0026】 次に、図4~図9を参照して、コモンレールシステム117とディーゼルエンジン70の燃料系統構造を説明する。図4~図9に示す如く、ディーゼルエンジン70に設けられた四気筒分の各インジェクタ115に、燃料ポンプ116とコモンレールシステム117とを介して、燃料タンク118が接続されている。各インジェクタ115は、電磁開閉制御型の燃料噴射バルブ119を有する。コモンレールシステム117は、円筒状のコモンレール120を有する。コモンレール120の上面側に締結ボス部134を一体的に形成し、吸気マニホールド73の外側面に締結ボス部134をレール取付ボルト135にて着脱可能に締結している(図8参照)。吸気マニホールド73の外側面でこの下方に吊下げた姿勢にコモンレール120が支持されるように構成している。 【0027】 図9に示す如く、燃料ポンプ116の吸入側には、燃料フィルタ121及び低圧管122を介して燃料タンク118が接続される。燃料タンク118内の燃料が燃料フィルタ121及び低圧管122を介して燃料ポンプ116に吸込まれる。一方、燃料ポンプ116の吐出側には、高圧管123を介してコモンレール120が接続される。円筒状のコモンレール120の長手方向の中間に高圧管コネクタ124を設け、高圧管コネクタ124に高圧管123の端部が高圧管コネクタナット125の螺着にて連結されている。 【0028】 また、コモンレール120には、4本の燃料噴射管126を介して四気筒分の各インジェクタ115がそれぞれ接続されている。円筒状のコモンレール120の長手方向に四気筒分の燃料噴射管コネクタ127を設け、燃料噴射管コネクタ127に燃料噴射管126の端部が燃料噴射管コネクタナット128の螺着にて連結されている。 【0029】 上記の構成により、燃料タンク118の燃料が燃料ポンプ116によってコモンレール120に圧送され、高圧の燃料がコモンレール120に蓄えられる。各燃料噴射バルブ119がそれぞれ開閉制御されることによって、コモンレール120内の高圧の燃料が各インジェクタ115からディーゼルエンジン70の各気筒に噴射される。即ち、各燃料噴射バルブ119を電子制御することによって、各インジェクタ115から供給される燃料の噴射圧力、噴射時期、噴射期間(噴射量)を高精度にコントロールできる。したがって、ディーゼルエンジン70から排出される窒素酸化物(NOx)を低減できる。ディーゼルエンジン70の騒音振動を低減できる。 【0030】 また、燃料タンク118に燃料ポンプ戻り管129を介して燃料ポンプ116を接続する。円筒状のコモンレール120の長手方向の端部に、コモンレール120内の燃料の圧力を制限する戻り管コネクタ130を介して、コモンレール燃料戻し管131を接続する。即ち、燃料ポンプ116の余剰燃料とコモンレール120の余剰燃料が、燃料ポンプ戻り管129とコモンレール燃料戻し管131を介して、燃料タンク118に回収される。なお、コモンレール120の余剰燃料を戻すための燃料戻しバルブ(図示省略)が戻り管コネクタ130に内設されている。 【0031】 鋼管などの金属管によってコモンレール燃料戻し管131を形成し、コモンレール燃料戻し管131の中間部に戻し管ブラケット141の一端側を溶接固着する。エンジンブロック75側面に戻し管ブラケット141の他端側をボルト142締結する。エンジンブロック75とコモンレール120の間で、エンジンブロック75外側面とコモンレール120とに平行にコモンレール燃料戻し管131の中間部が延設される。なお、コモンレール120とコモンレール燃料戻し管131の中間直線部は、エンジンブロック75の外側方で同一高さ位置に支持される。 【0032】 また、コモンレール120の下方から外側方にコモンレール燃料戻し管131の一端側を延設する。コモンレール燃料戻し管131の一端側に、合成ゴム製の上流側成形管体137を介して、前記コモンレール120を接続する。一方、コモンレール120の延長方向(燃料フィルタ121設置方向)にコモンレール燃料戻し管131の他端側を突出させる。コモンレール燃料戻し管131の他端側に、合成ゴム製の下流側成形管体138を介して、燃料フィルタ121を接続する。 【0033】 コモンレール燃料戻し管131に上流側成形管体137の他端側を連結する。戻り管コネクタ130にレール戻し管継ぎ手143を設け、レール戻し管継ぎ手143に上流側成形管体137の一端側を締付けバンド144締結にて固着する。上流側成形管体137の中間部を上向きに折曲げて配管し、レール戻し管継ぎ手143よりも高位置に上流側成形管体137の中間部を支持する。即ち、上流側成形管体137内に外部から侵入した空気Kuが燃料Neから分離したときに、上流側成形管体137の中間部にその空気Kuが溜まり、その空気Ku中の水分によってレール戻し管継ぎ手143が錆びるのを防止するように構成している。」 オ 「【0034】 また、コモンレール120に上流側成形管体137の一端側を連結し、コモンレール燃料戻し管131に上流側成形管体137の他端側を連結し、コモンレール燃料戻し管131に燃料戻し管継ぎ手145を形成する。燃料戻し管継ぎ手145に上流側成形管体137の他端側を締付けバンド146締結にて固着する。コモンレール120支持位置よりも低い位置に燃料戻し管継ぎ手145を配置し、レール戻し管継ぎ手143及び燃料戻し管継ぎ手145の両方が燃料Neに常時浸るように構成している。 【0035】 図1、図4~図9に示す如く、エンジンブロック75と、シリンダヘッド72と、シリンダヘッド72の一側方に配置する吸気マニホールド73と、シリンダヘッド72の他側方に配置する排気マニホールド71と、燃料戻し管131が接続されたコモンレール120を有するコモンレールシステム117とを備えてなるエンジン装置において、前記エンジンブロック75側面部に戻し管ブラケット141を介して燃料戻し管131を取付け、エンジンブロック75とコモンレール120の間に(コモンレール120と平行に)燃料戻し管131の中間部を延設したものであるから、コモンレール120の外側方に設けられた電装部品など他の付設部品に燃料戻し管131が干渉するのを防止でき、電装部品としての電源ハーネス184や信号ハーネス185やハーネスコネクタ186など他の付設部品を簡単に配置できる。燃料戻し管131に対して電装部品などを離間させて支持でき、電装部品としての電源ハーネス184や信号ハーネス185やハーネスコネクタ186などとの接触によって燃料戻し管131が損傷する等の懸念箇所を低減できる。エンジンブロック75に燃料戻し管131を支持でき、燃料戻し管131の組付け信頼性を向上できる。 【0036】 図4~図9に示す如く、コモンレール120にゴム製上流側成形管体137の一端側を連結し、燃料戻し管131に上流側成形管体137の他端側を連結し、前記コモンレール120にレール戻し管継ぎ手143を介して上流側成形管体137の一端側を固着する構造であって、上流側成形管体137の中間部を上向きに折曲げて配管し、前記レール戻し管継ぎ手143よりも高位置に上流側成形管体137の中間部を支持するように構成したものであるから、レール戻し管継ぎ手143部の燃料戻し管131内に燃料を充満させた状態で維持できる。コモンレール120に設けられた燃料戻しバルブまたはレール戻し管継ぎ手143が、空気中の水分の侵入によって錆びるのを低減できる。燃料戻しバルブまたはレール戻し管継ぎ手143の腐食を防止して耐久性を向上できる。 【0037】 図4~図9に示す如く、コモンレール120にゴム製上流側成形管体137の一端側を連結し、コモンレール燃料戻し管131に上流側成形管体137の他端側を連結し、コモンレール燃料戻し管131に燃料戻し管継ぎ手145を介して上流側成形管体137の他端側を固着する構造であって、コモンレール120支持位置よりも低い位置に前記燃料戻し管継ぎ手145を配置したものであるから、燃料戻し管継ぎ手145部の燃料戻し管131内に燃料を充満させた状態で維持できる。空気中の水分の侵入によって燃料戻し管継ぎ手145などが錆びるのを低減できる。燃料戻し管継ぎ手145などの腐食を防止して耐久性を向上できる。 【0038】 図4~図9に示す如く、コモンレール燃料戻し管131を金属管にて形成し、燃料戻し管131の中間部に戻し管ブラケット141の一端側を溶接固着し、エンジンブロック75とコモンレール120の間で、エンジンブロック75外側面とコモンレール120とに平行に燃料戻し管131の中間部を延設し、コモンレール燃料戻し管131の両端側に、上流側成形管体137と下流側成形管体138を介して、コモンレール120と燃料フィルタ121とをそれぞれ接続したものであるから、エンジンブロック75と前記コモンレール120の間で、それらに対して所定間隔を維持した位置に前記燃料戻し管131を延設できる。エンジンブロック75外側面に近接させてコモンレール燃料戻し管131をコンパクトに組付けることができるものでありながら、コモンレール燃料戻し管131の折曲げ形状を簡略化でき、かつコモンレール120または燃料フィルタ121に上流側成形管体137と下流側成形管体138を介して燃料戻し管131を簡単に接続でき、コモンレール燃料戻し管131の着脱作業性を向上できる。 【0039】 図4~図9に示す如く、前記エンジンブロック75とコモンレール120の間で、前記エンジンブロック75の側面またはコモンレール120の長て方向(延長方向)と平行に燃料戻し管131の中間部を延設したものであるから、燃料戻し管131に対して電装部品などを離間させて支持でき、電装部品との接触によって燃料戻し管131が損傷する等の懸念箇所を低減できる。簡単な取付構造で前記エンジンブロック75に燃料戻し管131を支持でき、燃料戻し管131の組付け信頼性を向上できる。」 カ 図7 [図:0001383659000001.jpg] キ 図8 [図:0001383659000002.jpg] ク 上記段落【0030】の「円筒状のコモンレール120の長手方向の端部に、コモンレール120内の燃料の圧力を制限する戻り管コネクタ130を介して、コモンレール燃料戻し管131を接続する。即ち、燃料ポンプ116の余剰燃料とコモンレール120の余剰燃料が、燃料ポンプ戻り管129とコモンレール燃料戻し管131を介して、燃料タンク118に回収される。なお、コモンレール120の余剰燃料を戻すための燃料戻しバルブ(図示省略)が戻り管コネクタ130に内設されている。」という記載、及び段落【0036】の「燃料戻し管131に上流側成形管体137の他端側を連結し、前記コモンレール120にレール戻し管継ぎ手143を介して上流側成形管体137の一端側を固着する構造であって、上流側成形管体137の中間部を上向きに折曲げて配管し、前記レール戻し管継ぎ手143よりも高位置に上流側成形管体137の中間部を支持するように構成したものであるから、レール戻し管継ぎ手143部の燃料戻し管131内に燃料を充満させた状態で維持できる。コモンレール120に設けられた燃料戻しバルブまたはレール戻し管継ぎ手143が、空気中の水分の侵入によって錆びるのを低減できる。燃料戻しバルブまたはレール戻し管継ぎ手143の腐食を防止して耐久性を向上できる。」という記載、並びに図7及び図8の図示内容から、燃料戻し管131に連結された上流側成形管体137は、前記戻り管コネクタ130に内設された燃料戻しバルブから前記戻り管コネクタ130に内設された燃料戻しバルブよりも高い位置の上流側成形管体137へ導かれているといえる。 上記の記載及び図面より、引用文献には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。 〔引用発明〕 「燃料ポンプ116から供給される燃料を高圧で蓄えるコモンレール120を備えたディーゼルエンジン70において、 前記コモンレール120は、前記コモンレール120内の燃料を燃料戻し管131へ排出する燃料戻しバルブを内設した戻り管コネクタ130を備え、 前記燃料戻し管131に連結された上流側成形管体137は、前記戻り管コネクタ130に内設された燃料戻しバルブから前記戻り管コネクタ130に内設された燃料戻しバルブよりも高い位置の上流側成形管体137へ導かれており、 前記燃料戻し管131の中間部は、エンジンブロック75とコモンレール120の間でエンジンブロック75外側面とコモンレール120とに平行に延設されてエンジンブロック75に取り付けられている、 ディーゼルエンジン70。」 第5 対比・判断 引用発明の「燃料ポンプ116」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本願発明の「燃料供給ポンプ」に相当し、以下同様に、「コモンレール120」は「コモンレール」に、「ディーゼルエンジン70」は「エンジン装置」に、「燃料戻し管131」は「燃料戻し管」に、「中間部」は「中途部」に、「エンジンブロック75」は「エンジン部品」に、それぞれ相当する。 また、引用発明の「戻り管コネクタ130に内設された燃料戻しバルブ」は、コモンレール120内の燃料の圧力を制限するものであるから、本願発明の「減圧弁」に相当する。 また、引用発明の「上流側成形管体137」は、本願発明における燃料戻し管としての機能を有しているから、本願発明の「燃料戻し管」の上流側に相当し、引用発明の「前記燃料戻し管131に連結された上流側成形管体137は、前記戻り管コネクタ130に内設された燃料戻しバルブから前記戻り管コネクタ130に内設された燃料戻しバルブよりも高い位置の上流側成形管体137へ導かれており」は、本願発明の「前記燃料戻し管は、前記減圧弁から前記減圧弁よりも高い位置へ導かれており」に相当する。 また、引用発明の「前記燃料戻し管131の中間部は、エンジンブロック75とコモンレール120の間でエンジンブロック75外側面とコモンレール120とに平行に延設されてエンジンブロック75に取り付けられている」と、本願発明の「前記燃料戻し管の中途部が前記減圧弁よりも高い位置でエンジンに取り付けられている」とは、「前記燃料戻し管の中途部は、エンジンに取り付けられている」の限りで一致する。 したがって、両者は、次の点で一致する。 <一致点> 「燃料供給ポンプから供給される燃料を高圧で蓄えるコモンレールを備えたエンジン装置において、 前記コモンレールは、前記コモンレール内の燃料を燃料戻し管へ排出する減圧弁を備え、 前記燃料戻し管は、前記減圧弁から前記減圧弁よりも高い位置へ導かれており、 前記燃料戻し管の中途部は、エンジンに取り付けられている、 エンジン装置。」 そして、両者は次の点で相違する。 <相違点> 「前記燃料戻し管の中途部は、エンジンに取り付けられている」に関して、本願発明においては、前記燃料戻し管の中途部が「前記減圧弁よりも高い位置で」エンジンに取り付けられているのに対し、引用発明においては、前記燃料戻し管131の中間部は「エンジンブロック75とコモンレール120の間でエンジンブロック75外側面とコモンレール120とに平行に延設されて」エンジンブロック75に取り付けられている点。 上記相違点について検討する。 引用発明は、燃料戻し管を、前記戻り管コネクタ130に内設された燃料戻しバルブから、前記戻り管コネクタ130に内設された燃料戻しバルブよりも高い位置へ導くものであるところ、一般的に、管を保持するときに、その管の高い部分を保持することは、よく行われていることであるから、引用発明において、燃料戻し管をエンジンに取り付けるに当たり、燃料戻し管の高い部分、すなわち燃料戻しバルブよりも高い位置で保持することは、当業者が容易に想到できたことである。 したがって、引用発明において、燃料戻し管を、燃料戻しバルブよりも高い位置でエンジンに取り付けることは、当業者が容易に想到できたことである。 <効果について> 本願発明は、全体としてみても、引用発明から予測し得ない格別な効果を奏するものではない。 したがって、本願発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その他の請求項、及びその他の理由について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2020-017490

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    同じ当事者: ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
  • 2025-008816拒絶査定不服審判 / 2026-07-13 / 原査定取消(特許/登録すべき)自動走行システムおよび表示方法
    同じ当事者: ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
  • 2024-006959拒絶査定不服審判 / 2026-06-22 / 原査定取消(特許/登録すべき)領域調整システム
    同じ当事者: ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
  • 2025-000681拒絶査定不服審判 / 2026-06-08 / 原査定取消(特許/登録すべき)魚計数システム、魚計数方法及びプログラム
    同じ当事者: ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
  • 2024-009061拒絶査定不服審判 / 2026-06-08 / 請求不成立作業車両
    同じ当事者: ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
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同じ根拠条文の審決7,656件(特許法29条2項)
  • 2020-012304拒絶査定不服審判 / 2021-05-11 / 請求不成立エンジン装置
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2018-016112拒絶査定不服審判 / 2020-05-08 / 請求不成立内燃機関の運転方法および空気供給装置
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2024-000501拒絶査定不服審判 / 2024-10-23 / 請求不成立内燃機関及び内燃機関のためのモジュラーシステム
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2023-014037拒絶査定不服審判 / 2024-05-28 / 請求不成立エンジン装置
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2022-009391拒絶査定不服審判 / 2024-01-17 / 請求不成立高圧直噴用のレール
    共通の条文: 特許法29条2項
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同じ論点・分野の審決(審決分類)116件(121・F02M、537・F02M)
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    共通の審決分類: 121・F02M、537・F02M
  • 2024-011886拒絶査定不服審判 / 2026-03-31 / 原査定取消(特許/登録すべき)大型2ストローク圧縮点火高圧ガス噴射内燃エンジンのための燃料供給システム
    共通の審決分類: 121・F02M、537・F02M
  • 2024-005141拒絶査定不服審判 / 2025-09-30 / 原査定取消(特許/登録すべき)エンジン装置
    共通の審決分類: 121・F02M、537・F02M
  • 2023-020609拒絶査定不服審判 / 2025-09-09 / 原査定取消(特許/登録すべき)内燃機関の微小液滴噴射装置
    共通の審決分類: 121・F02M、537・F02M
  • 2024-003999拒絶査定不服審判 / 2025-06-04 / 原査定取消(特許/登録すべき)触媒蒸発器を動作させるための方法、およびその方法の使用
    共通の審決分類: 121・F02M、537・F02M

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