商標拒絶査定不服審判
2022-008700
ミエナイキン
- 審判番号
- 2022-008700
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-145463
- 請求日
- 2022年06月07日
- 審決日
- 2023年04月10日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】杉村 憲司
- 【請求人代理人】杉村 光嗣
- 【請求人代理人】藤本 一
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W010305)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-145463拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年11月25日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年10月11日付け:拒絶理由通知書
令和3年11月25日 :意見書の提出
令和4年 3月 1日付け:拒絶査定
令和4年 6月 7日 :審判請求書の提出
令和4年11月24日付け:審尋
令和5年 1月 6日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、「見えない菌」の文字を標準文字で表してなり、別掲1のとおり、第1類、第3類及び第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、「見えない菌」の文字を標準文字で表してなるところ、その指定商品中、細菌やウイルス等を抑制する(増殖を抑える)商品を取り扱う分野において、細菌やカビ等、目に見えない菌まできれいにしたいという消費者ニーズの高まりを受けて、目に見えない菌を退治する(増殖を抑える)商品が多数取り扱われている実情が見受けられる。そして、そのような商品の特性を表すものとして「見えない菌」の語が各企業の宣伝広告で商品の特性を表すために使用されている。そうすると、本願商標をその指定商品中「細菌やカビ等、目に見えない菌へ対応するための商品」に使用しても、これに接する需要者は、当該文字を商品の特性を表したものであって、その商品の宣伝広告に使用される語句の一であると認識するにとどまるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和4年11月24日付け審尋により、別掲2に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
(1)「見えない菌」の語は、「目で見て確認できないさま、見当たらない」(=「見えない」)を含意する「菌」の語に、さらに「見えない」との語を付加した重言(二重表現、重複表現)で、文法上、自然でない語の組合せであり、日本語表現として誤用であるか、または意味合いを強調するための修辞技法として用いられるものであって、接する者に不自然さまたは強い印象を残す。
(2)審尋における判断の根拠としている証拠は、「見えない菌」の語が、文章中のごく一部で、前後に他の語を伴って用いられているにすぎないから、「見えない菌」との語がそれ単独で具体的な商品の内容を理解させるものとはいえない。また、「目に見えない菌」の語は、「目に」の文字が補われており、「見えない菌」の語は、単に「目に見えない菌」(すなわち、「菌」が「目で確認できない」という二重表現)を表すだけではなく、「目に見えない場所に付着した菌」を意味している場合があると理解されるところ、「目に見えない菌」の使用例では、「見えない菌」の前に「目に」の語があることによってはじめて、「目に見えない菌」(すなわち、「菌」が「目で確認できない」)の意味合いであることが理解されるから、「見えない菌」の語から、指定商品の内容を直接的、具体的に理解されるとはいえない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記2のとおり、「見えない菌」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「見えない」の文字は「目に映る。目で確認できる。」を意味する「見える」の語と、「動作・作用を打ち消す意を表す。」を意味する「ない」の語(いずれも「広辞苑第7版」株式会社岩波書店)を結合させたものと容易に看取し得るものであり、「菌」の文字は「さいきん。ばいきん。」の意味を有する語(前掲書)として一般に知られているものであるから、その構成全体より「(人間の)目に映らない細菌やばい菌。(人間の)目で確認できない細菌やばい菌。」の意味合いを容易に認識し得るものである。
そして、本願の指定商品を取り扱う業界では、別掲2のとおり、「見えない菌を除去する、除菌する、退治する、落とす」等とうたう「見えない菌」を対象とした商品が販売されている実情があることがうかがえる。
そうすると、本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「見えない菌(細菌やばい菌)を対象とした商品」であること、すなわち「見えない菌(細菌やばい菌)を除去、除菌、退治する若しくは落とす商品」程の商品の品質、用途を表示したものと認識、理解するにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示してなる標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
なお、原査定においては、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨、認定、判断したものであるが、本願商標は、前記のとおり、自他商品の識別標識としての機能を有するものではなく、商標法第3条第1項所定の商標登録の要件を欠くという共通の結論に至るものであるから、両者はその判断の内容において実質的に相違するものではない。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「見えない菌」の語は、単に「見えない(見えない)菌」(すなわち、「菌」が「目で確認できない」という二重表現)を表しており、不自然なだけではなく、「目に見えない場所に付着した菌」を意味している場合があると理解され、また、「目に見えない菌」の使用例では、「見えない菌」の前に「目に」の語があることによってはじめて、「目に見えない菌」(すなわち、「菌」が「目で確認できない」)の意味合いであることが理解されるから、「見えない菌」の文字から指定商品の具体的な内容が直接的、具体的に理解されるとはいえない旨主張する。
しかしながら、「見えない菌」の文字が「(人間の)目に映らない細菌やばい菌。(人間の)目で確認できない細菌やばい菌。」の意味合いを認識、理解させることは前記(1)のとおりであり、「見えない菌」の文字と「目に見えない菌」の文字は同義であるといえる。また、「見えない菌」の文字が、本願の指定商品との関係において、「目に見えない菌」若しくは「目に見えない場所に付着した菌」の意味合いを認識させるとしても、いずれも「目に見えない菌」であることには変わりなく、このような「(目に)見えない菌を除去する、除菌する、退治する、落とす」等とうたう「見えない菌」を対象とした商品が販売されている実情があることは前記(1)のとおりである。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願については、前記(1)のとおりであるから、請求人の挙げた商標登録例があることが、本願の判断を左右するものではない。
ウ したがって、請求人の前記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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