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特許拒絶査定不服審判

2022-008663

生体データ処理システム、生体データ取得装置、生体データ取得方法、生体データ取得プログラム及び生体データ取得システム

審判番号
2022-008663
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-035912外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年06月07日
審決日
2023年01月30日
公報発行日
2023年04月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A61B) / P18 .575-Z (A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018- 35912「生体データ処理システム、生体データ取得装置、生体データ取得方法、生体データ取得プログラム及び生体データ取得システム」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 9月12日出願公開、特開2019-150139〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件出願(以下「本願」と記す。)は、平成30年2月28日の出願であって、令和3年10月4日付けで拒絶理由が通知され、これに対し同年12月13日に意見書及び手続補正書が提出され、令和4年3月2日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされたところ、同年6月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 令和4年6月7日付けの手続補正についての補正の却下の決定 〔補正の却下の決定の結論〕 令和4年6月7日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 〔理由〕 1.補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲及び明細書の段落【0008】ないし【0010】を補正するものであって、その補正内容は、特許請求の範囲について、【請求項1】を 「【請求項1】 ユーザの生体データを取得して送信する生体データ取得装置と、前記生体データを受信して分析処理を行う複数の分析処理装置とがネットワークを介して接続された生体データ処理システムであって、 前記生体データ取得装置は、 前記ユーザを識別するための識別データを前記ユーザから取得する識別データ取得部と、 前記識別データに基づき前記ユーザを識別して識別ユーザとする識別部と、 前記ユーザの前記生体データを取得するセンサ部と、 前記ユーザと対応付けて何れかの前記分析処理装置を送信先URL(Uniform Resource Locator)により記憶する記憶部と、 前記識別ユーザと対応付けられている前記送信先URLを取得する送信先取得部と、 前記送信先取得部により取得した前記送信先URLへ前記生体データを送信する通信部と を具えることを特徴とする生体データ処理システム。」(下線部は補正箇所を示す。) と補正するものを含むものである。 2.本件補正の目的 本件補正のうち、請求項1についての補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である、記憶部、送信先取得部、及び通信部における「送信先」を「送信先URL(Uniform Resource Locator)」に限定するものであるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 3.独立特許要件について 本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明1」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。 (1)本願補正発明 本願補正発明1は、前記「第2 1.」に記載したとおりのものである。 (2)引用文献、引用発明等 ア 引用例1 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された、本願の出願前である平成14年9月6日に頒布された刊行物である「特開2002-251461号公報」(以下「引用例1」という。)には、図面とともに、以下の技術事項が記載されている。(下線は当審で付与した。以下同様。) (ア)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、血糖値、血圧、脈拍、体温、および体重等の生体データを自宅等で測定し、その測定結果を医療機関などに送信して利用するための、データ送受信装置、データ管理装置、およびデータ処理装置に関する。」 (イ)「【0013】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明にかかるデータ送受信装置は、複数種類の測定装置から、同一被測定者の測定データを収集するデータ入力部と、前記複数種類の測定データを含む送信データを通信媒体へ出力するデータ出力部と、データの送信先毎に、前記送信データにおける前記複数種類の測定データの送信順を登録する優先順位記憶部と、前記優先順位記憶部に記憶された送信順に従って、前記複数種類の測定データを配置することにより、前記送信データを生成する送信データ生成部とを備えたことを特徴とする。」 (ウ)「【0031】 【発明の実施の形態】(実施の形態1) 【0032】以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本実施形態の測定データ送受信システムは、携帯端末装置1(測定データ送受信装置)と、医療機関等のデータ処理装置3a~3cと、本システムの管理者のサーバ4(データ管理装置)とが、インターネット等の通信網5を介して、相互に接続される構成である。 【0033】携帯端末装置1は、携帯電話型端末または携帯情報端末等によって実現され、移動体通信を利用して、通信網5に接続する。また、携帯端末装置1は、各家庭にある測定装置から測定データを収集するデータ収集機能と、収集した測定データを、前記サーバ4を介して、他のコンピュータ等へ送信するデータ送信機能とを有する。なお、これらの機能以外に、従来の携帯端末装置に一般的に搭載されている、インターネット接続機能、メール送受信機能、またはスケジュール管理機能等の任意の機能を持っていてもよい。 【0034】携帯端末装置1が測定データを収集する測定装置としては、生体情報をセンサで直接測定したり、生体より取り出した血液や尿等の体液成分をセンサ等で検出したりする任意の装置を適用できる。例えば、前者の、生体情報をセンサで直接測定する測定装置の例としては、本実施形態に挙げた血圧計2bおよび体脂肪計2dの他に、体重計、心電図計、または体温計等が考えられる。また、後者の装置の例としては、本実施形態の血糖計2aおよび尿分析装置2cの他に、血液中の乳酸値を測る装置等がある。」 (エ)「【0043】図3は、携帯端末装置1の内部構成を示すブロック図である。携帯端末装置1は、制御部としてのCPU11、測定装置から送信された測定データ等を記憶するデータ記憶部12、使用者へ種々の情報を提示するための表示部13、時計14、測定装置から測定データがアナログデータとして送信された場合にこれをディジタルデータに変換するA/D変換器15、測定装置からデータを受信するための第1のデータ通信ポート16、通信網5へデータを送信するための第2のデータ通信ポート17を有する。なお、この他に、コンピュータに直接データを送信するための、さらに他のデータ通信ポート等を備えていてもよい。また、データの通信方法は、有線に限らず、赤外線通信や無線通信等でもよい。 【0044】以下、本システムの動作について説明する。 【0045】最初に、使用者が複数の測定装置で測定を行い、その測定データを携帯端末装置1に記憶させる手順について説明する。ここでは、使用者が、糖尿病患者であり、病院の指導により、血糖値および血圧の測定結果と、尿分析の結果とを、定期的に病院へ送信するものとする。 【0046】使用者は、まず、携帯端末装置1の第1のデータ通信ポート16に、ケーブルにより、血糖計2aを接続する。携帯端末装置1と血糖計2aとを接続した後、使用者は、携帯端末装置1を血糖値入力モードに設定する。 【0047】次に、使用者は、血糖計2aのセンサ挿入部に使い捨てのセンサを取り付け、センサに指先等から採取した血液を付着させる。センサに血液を付着させると、測定部21により自動的に測定が開始され、変換部22により得られた血糖値は、時計24から得られた測定日時情報と共に、血糖計2aのメモリ23に記憶される。このとき、血糖計2aの通信部26により、測定された血糖値、測定日時情報、および装置情報保持部27に記憶されている当該血糖計2aの機器IDおよび使用者IDが、携帯端末装置1へ送信される。」 (オ)「【0055】携帯端末装置1は、このデータを受信すると、時計14から日時データを取得し、受信したデータに付加して、データ記憶部12に記憶する。図6に示すデータがデータ記憶部12に記憶されるときの状態を、図7に示す。図7に示すように、携帯端末装置1は、第1ブロックの装置名の後に、測定日を表すレコードと測定時刻を表すレコードとを付加する。 【0056】以上の手順により、血糖計2a、血圧計2b、および尿分析装置2cによる測定が終了する。なお、これらの測定データは、携帯端末装置1により送信時に所定の優先順位に従って並べ替えられるので、測定の順序は任意でよい。また、血糖計2a等の測定装置と携帯端末装置1との接続は、ケーブル接続に限らず、ホームRFやBlueTooth等を利用したワイヤレス接続であってもよい。 【0057】使用者は、測定が終了すると、携帯端末装置1から病院へ測定データの送信を実行する。 【0058】なお、携帯端末装置1には、複数の使用者情報(氏名、使用者ID等)と、複数のデータ送信先情報(病院や検査機関等のアドレス)とを記憶することができるようになっている。また、使用者と送信先との組み合わせに応じて、送信するデータの項目、送信時のデータの優先順、および送信データに付加すべきIDとしていずれのIDを使用するかを、設定することができる。 【0059】具体的には、例えば、1台の携帯端末装置1を4人家族(Aさん~Dさん)で共有している場合、携帯端末装置1には、A、B、C、Dの4名の氏名や使用者IDを登録できる。例えば、Bさんのデータ送信先として、フィットネスクラブのデータ処理装置(図1に示すデータ処理装置3a)、および病院の糖尿病外来のデータ処理装置(図1に示すデータ処理装置3b)の2カ所を、登録することが可能である。」 (カ)「【0066】ここで、前述のBさんが、病院の糖尿病外来のデータ処理装置3bへ測定データを送信するものとして、携帯端末装置1の操作方法について説明する。使用者であるBさんは、まず、携帯端末装置1の動作モードを、データ送信モードに設定する。次に、図8(a)に示すように、予め登録されている使用者情報に基づいて携帯端末装置1の画面に表示される使用者名一覧101の中から、自分の氏名を選択し、決定ボタン102を選択する。 【0067】これにより、携帯端末装置1の画面表示が変わり、図8(b)に示すように、送信先を選択する画面が現れる。この画面には、Bさんの測定データの送信先として予め登録されている施設名一覧103等が表示される。Bさんは、ここで、施設名一覧103から、糖尿病外来を送信先として選択し、決定ボタン104を選択する。 【0068】これにより、携帯端末装置1の画面表示がさらに変わり、図8(c)に示すように、送信手順の確認画面が表示される。この確認画面は、測定データの送信先の名称等を表示する送信先表示欄105、送信される測定データの順番を表示する送信順表示欄106、送信される測定データを識別するために用いられるIDを表示する送信時ID表示欄107、決定ボタン108、および変更ボタン109を含む。 【0069】図8(c)の確認画面において、Bさんがデータの送信順や送信時IDを変更したい場合には、変更ボタン109を選択することにより、これらを変更するための画面を表示させることができる。一方、図8(c)の確認画面でBさんが決定ボタン108を選択した場合には、携帯端末装置1に記憶されているBさんの測定データが、通信網5およびサーバ4を介して、病院の糖尿病外来のデータ処理装置3bへ送信される。 【0070】この場合、送信時IDとして、血糖計2aに登録されている使用者IDを用いるように設定されているので、携帯端末装置1は、血糖計2aから送信された測定データ(図4参照)に含まれる使用者IDを先頭として、設定された優先順に従って、すなわち、血糖値、尿分析結果、血圧の順に測定データを結合して、図9に示すような送信用データを作成する。 【0071】この送信用データは、通信網5およびサーバ4を介して、宛先である糖尿病外来のデータ処理装置3bへ送られ、受信される。データ処理装置3bでは、送信されたデータの先頭に付加されているIDが、この糖尿病外来から患者に貸与している血糖計2aの使用者IDすなわち患者IDであるので、送信されたデータがどの患者から送られたものであるかを容易に識別することができる。また、送信されたデータは、受信側で重要視されると思われる順に、測定データが配置されているので、特に、送信されたデータをテキスト形式のまま画面表示または印刷出力した場合等に、医師等が当該データを識別することが容易となる。」 (キ)「【0084】本発明のデータ管理装置およびデータ処理装置についても、同様に、当該機能を実行させるプログラムを作製し、一般的なパーソナルコンピュータ、ワークステーション、またはホストコンピュータ等の任意のコンピュータに、このプログラムを読み込んで実行させることにより、実現することができる。」 (ク)「【0085】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれば、複数種類の測定装置による測定データを効率よく利用するデータ処理装置と、前記複数種類の測定データを、利用し易い形式で前記データ処理装置へ提供するデータ送受信装置およびデータ管理装置とを提供できる。」 (ケ)「【図1】 [図:0001396119000001.jpg] 」 (コ)「【図3】 [図:0001396119000002.jpg] 」 (サ)「【図8】 [図:0001396119000003.jpg] 」 (シ)上記引用例1の記載事項及び図面を総合勘案すると、引用例1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「測定データ送受信装置である携帯端末装置1と、一般的なパーソナルコンピュータ、ワークステーション、またはホストコンピュータ等の任意のコンピュータで構成され測定データを医師等が当該データを識別することが容易になるよう画面表示または印刷出力するなど効率よく利用する医療機関等のデータ処理装置3a~3cと、データ管理装置である本システムの管理者のサーバ4とが、インターネット等の通信網5を介して、相互に接続される構成である測定データ送受信システムにおいて、 携帯端末装置1は、各家庭にある測定装置から測定データを収集するデータ収集機能と、収集した測定データを、前記サーバ4を介して、他のコンピュータ等へ送信するデータ送信機能とを有し、 携帯端末装置1は、携帯電話型端末または携帯情報端末等によって実現され、移動体通信を利用して、通信網5に接続し、 携帯端末装置1は、制御部としてのCPU11、測定装置から送信された測定データ等を記憶するデータ記憶部12、使用者へ種々の情報を提示するための表示部13、時計14、測定装置から測定データがアナログデータとして送信された場合にこれをディジタルデータに変換するA/D変換器15、測定装置からデータを受信するための第1のデータ通信ポート16、通信網5へデータを送信するための第2のデータ通信ポート17を有し、 携帯端末装置1が測定データを収集する測定装置としては、生体情報をセンサで直接測定したり、生体より取り出した血液や尿等の体液成分をセンサ等で検出したりする任意の装置を適用でき、 携帯端末装置1の第1のデータ通信ポート16に、ケーブルにより、血糖計2aを接続し、血糖計2aの通信部26により、測定された血糖値、測定日時情報、および装置情報保持部27に記憶されている当該血糖計2aの機器IDおよび使用者IDが、携帯端末装置1へ送信され、携帯端末装置1は、このデータを受信すると、時計14から日時データを取得し、受信したデータに付加して、データ記憶部12に記憶し、 携帯端末装置1には、複数の使用者情報(氏名、使用者ID等)と、複数のデータ送信先情報(病院や検査機関等のアドレス)とを記憶することができるようになっており、例えば、Bさんのデータ送信先として、フィットネスクラブのデータ処理装置3a、および病院の糖尿病外来のデータ処理装置3bの2カ所を、登録することが可能であり、ここで、前述のBさんが、病院の糖尿病外来のデータ処理装置3bへ測定データを送信する場合、使用者であるBさんは、まず、携帯端末装置1の動作モードを、データ送信モードに設定し、次に、予め登録されている使用者情報に基づいて携帯端末装置1の画面に表示される使用者名一覧101の中から、自分の氏名を選択し、決定ボタン102を選択し、これにより、携帯端末装置1の画面表示が変わり送信先を選択する画面が現れ、この画面には、Bさんの測定データの送信先として予め登録されている施設名一覧103等が表示され、Bさんは、ここで、施設名一覧103から、糖尿病外来を送信先として選択し、決定ボタン104を選択し、これにより、携帯端末装置1の画面表示がさらに変わり、送信手順の確認画面が表示され、Bさんが決定ボタン108を選択した場合には、携帯端末装置1に記憶されているBさんの測定データが、通信網5およびサーバ4を介して、病院の糖尿病外来のデータ処理装置3bへ送信され、受信される、 測定データ送受信システム。」 イ 引用例2 周知技術の例として提示する文献である、本願の出願前である平成14年12月26日に頒布された刊行物である「特開2002-374365号公報」(以下「引用例2」という。)には、以下の技術事項が記載されている。 (ア)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、生体情報管理に用いるための生体情報データを生体情報測定機器から中継するための生体情報中継器に関するものである。」 (イ)「【0033】生体情報中継器100の生体情報データの遠隔端末401への送信は、生体情報中継器100を携帯電話400に接続することによって行う。 【0034】生体情報中継器100の生体情報送信部104のコネクタを携帯電話400の携帯機インターフェースであるレセプタクルに接続し、中継器操作部106の生体情報データ送信ボタン106bを押して、制御部105へ生体情報データの送信を要求すると、制御部105は生体情報記憶部103より生体情報データを読み出して生体情報送信部104に受け渡す。生体情報送信部104は、生体情報データを受けると、携帯電話400に遠隔端末401へのダイヤリングを行うコマンドを送る。携帯電話400が遠隔端末401との接続を行うと、生体情報データを遠隔端末401に対して送信する。送信内容は、図5(B)や図6に示す受信/測定日時、項目および測定値の中継情報記憶部102に記憶している全ての生体情報データである。 【0035】生体情報送信部103は、生体情報データの送信が終了すると制御部105へ送信終了を通知し、制御部105は、ブザー107を制御して送信終了を示す信号として高音でブザー音を1回鳴らす。また、制御部105は、一定時間以内に生体情報送信部103より送信終了が通知されなければ、送信失敗とみなして生体情報送信部103へ送信キャンセルを通知し、ブザー107を制御して送信失敗を示す信号として低音でブザー音を1回鳴らす。 【0036】遠隔端末401は生体情報データを受信すると、ハードディスク等の記憶媒体にデータベースファイルとして記憶する。既に過去に生体情報中継器100より受信した生体情報データがある場合は、同じデータベースに追記していくことで1つの生体情報記録データベースを作ることができる。このデータベースを用いて、生体情報管理プログラムによって、生体情報トレンドのグラフ表示や健康度評価などを行うことによって生体情報中継器100の使用者の生体情報管理や生活習慣改善指導のサービスを行う。」 (ウ)「【0047】また、本発明の実施例において、通信機器による遠隔端末への接続を行う場合に、生体情報受信部より相手先アドレス(遠隔端末の電話番号、インターネットのプロバイダーの電話番号と遠隔端末のURLなど)を受信して制御部を介して生体情報送信部に記憶させ、生体情報データの送信時に記憶した電話番号にダイヤリングするように携帯電話へ通知することで遠隔端末に接続することとすれば、遠隔端末の設置場所が変更されても相手先アドレスを生体情報中継器に設定することができる。 【0048】また、本発明の実施例において、生体情報測定機器からの生体情報データを受信するときに、さらに遠隔端末のアドレス(遠隔端末の電話番号、インターネットのプロバイダーの電話番号と遠隔端末のURLなど)を受信して制御部を介して生体情報送信部に記憶させ、生体情報データの送信時に記憶した電話番号にダイヤリングするように携帯電話へ通知することで遠隔端末に接続することとすれば、生体情報測定機器毎に指定した遠隔端末へ接続して生体情報データを送信することができる。」 (エ)上記引用例2の記載事項を総合勘案すると、引用例2には、次の装置(以下「引用例2装置」という。)が記載されていると認められる。 「生体情報管理に用いるための生体情報データを生体情報測定機器から中継して遠隔端末401へ送信するための生体情報中継器100において、 遠隔端末401は生体情報データを受信すると、ハードディスク等の記憶媒体にデータベースファイルとして記憶し、このデータベースを用いて、生体情報管理プログラムによって、生体情報トレンドのグラフ表示や健康度評価などを行うことによって生体情報中継器100の使用者の生体情報管理や生活習慣改善指導のサービスを行い、 生体情報中継器100の生体情報データの遠隔端末401への送信は、生体情報中継器100を携帯電話400に接続することによって行い、 通信機器による遠隔端末への接続を行う場合に、生体情報受信部より相手先アドレス(遠隔端末の電話番号、インターネットのプロバイダーの電話番号と遠隔端末のURLなど)を受信して制御部を介して生体情報送信部に記憶させ、生体情報データの送信時に記憶した電話番号にダイヤリングするように携帯電話へ通知することで遠隔端末に接続すること、または、生体情報測定機器からの生体情報データを受信するときに、さらに遠隔端末のアドレス(遠隔端末の電話番号、インターネットのプロバイダーの電話番号と遠隔端末のURLなど)を受信して制御部を介して生体情報送信部に記憶させ、生体情報データの送信時に記憶した電話番号にダイヤリングするように携帯電話へ通知することで遠隔端末に接続すること、を行う、 生体情報中継器100。」 (オ)以上のことから、引用例2装置は次の周知技術(以下「引用例2周知技術」という。)を備えていると認められる。 「生体情報データを生体情報測定機器から中継して、生体情報管理プログラムによって生体情報トレンドのグラフ表示や健康度評価などを行う遠隔端末へ送信するための生体情報中継器において、遠隔端末に接続するために、相手先アドレス(遠隔端末の電話番号、インターネットのプロバイダーの電話番号と遠隔端末のURLなど)を記憶し、記憶した相手先アドレスを用いる技術。」 ウ 引用例3 原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として、引用文献6として引用された、本願の出願前である平成18年2月16日に頒布された刊行物である「特開2006-48208号公報」(以下「引用例3」という。)には、以下の技術事項が記載されている。 「【0030】 生体識別情報入力部40は、ユーザが生体識別情報を入力するための装置である。生体識別情報には、声紋、指紋、虹彩など様々なものが考えられる。生体識別情報として声紋を用いる場合には、生体識別情報入力部40は、ユーザの声を入力するためのマイクにより構成されることとなり、指紋を用いる場合には、生体識別情報入力部40は、ユーザの指紋を読み取るスキャナにより構成されることとなり、虹彩を用いる場合には、生体識別情報入力部40は、ユーザの目から虹彩を読み取るスキャナにより構成されることとなる。本実施形態では、例えば、声紋を生体識別情報として用いることとする。 【0031】 特徴パターン抽出部41は、生体識別情報入力部40で入力された音声の声紋を解析して、声紋の特徴パターンを抽出する。このように特徴パターンを抽出することにより、生体識別情報のデータ量を削減することができるので、マッチング判定を効率良く行うことができる。但し、声紋の特徴パターンを抽出せずに、声紋そのもののデータを生体識別情報とすることも可能である。」 エ 引用例4 原査定の拒絶の理由に周知技術を示す文献として、引用文献7として引用された、本願の出願前である2016年(平成28年)11月17日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった「国際公開第2016/183020号」(以下「引用例4」という。)には、以下の技術事項が記載されている。(訳は当審訳である。) 「[0032] More pertinent to the current disclosures, user identification devices (or AR systems having user identification applications) similar to those described in Figures 1A-1D provide unique access to a user's eyes. Given that the user identification/ AR device interacts crucially with the user's eye to allow the user to perceive 3-D virtual content, and in many embodiments, tracks various biometrics related to the user's eyes (e.g., iris patterns, eye vergence, eye motion, patterns of cones and rods, patterns of eye movements, etc.), the resultant tracked data may be advantageously used in user identification applications. Thus, this unprecedented access to the user's eyes naturally lends itself to various user identification applications. [0033] In one or more embodiments, the augmented reality display system may be used as a user-worn user identification device or system. Such user identification devices and systems capture images of a user's eye and track a user's eye movements to obtain data for user identification. Traditionally, user identification devices require a user to remain stationary because the devices to which the user is temporarily attached are stationary. Typically, the use is confined to the user identification instrument or device (e.g., face on a face resting component of user identification device with head forward, and/or finger in a fingerprint reading device, etc.) until the device has completed the data acquisition. Thus, current user identification approaches have a number of limitations. [0034] In addition to restricting user movement during the user identification data acquisition, the traditional approaches may result in image capture errors, leading to user identification errors. Further, existing image (e.g., iris or fingerprint) analysis algorithms can result in user identification errors. For instance, most existing image analysis algorithms are designed and/or calibrated to balance user identification accuracy and precision with computer system requirements. Therefore, when a third party shares a sufficient amount of user characteristics with a user, an existing image analysis algorithm may mistakenly identify the third party as the user.」 (当審訳: 【0032】 本開示により関連して、図1A-1Dに説明されるものに類似するユーザ識別デバイス(またはユーザ識別用途を有するARシステム)は、ユーザの眼への固有のアクセスを提供する。ユーザ識別/ARデバイスが、ユーザが3-D仮想コンテンツを知覚することを可能にするためにユーザの眼と重要な相互作用を果たし、多くの実施形態において、ユーザの眼に関連する種々のバイオメトリック(例えば、虹彩パターン、両眼離反運動、眼の運動、桿体細胞および錐体細胞のパターン、眼の移動のパターン等)を追跡するならば、得られる追跡データは、ユーザ識別用途において有利に使用され得る。したがって、ユーザの眼へのこの先例のないアクセスは、当然、種々のユーザ識別用途に適している。 【0033】 1つ以上の実施形態では、拡張現実ディスプレイシステムは、ユーザ装着型ユーザ識別デバイスまたはシステムとして使用され得る。そのようなユーザ識別デバイスおよびシステムは、ユーザの眼の画像を捕捉し、ユーザの眼の移動を追跡し、ユーザ識別のためのデータを得る。従来、ユーザ識別デバイスは、ユーザが一時的に取り付けられるデバイスが静止しているので、ユーザが静止したままであることを要求する。典型的には、ユーザは、デバイスがデータ取得を完了するまで、ユーザ識別器具またはデバイスに拘束される(例えば、顔を正面に向けた状態でのユーザ識別デバイスの顔を載せるコンポーネント上の顔、および/または指紋読み取りデバイスにおける指等)。したがって、現在のユーザ識別アプローチは、いくつかの限界を有する。 【0034】 ユーザ識別データ取得中のユーザ移動を制限することに加え、従来のアプローチは、画像捕捉エラーをもたらし、それは、ユーザ識別エラーにつながり得る。さらに、既存の画像(例えば、虹彩または指紋)分析アルゴリズムも、ユーザ識別エラーをもたらし得る。例えば、大部分の既存の画像分析アルゴリズムは、ユーザ識別正確度および精度とコンピュータシステム要件のバランスを取るように設計ならびに/または較正される。したがって、第三者が十分な量のユーザ特性をユーザと共有している場合、既存の画像分析アルゴリズムは、誤って、第三者をユーザとして識別し得る。) (3)対比 本願補正発明1を、引用発明1と比較する。 (ア)引用発明1の「使用者であるBさん」は、本願補正発明1の「ユーザ」に相当する。 (イ)引用発明1の「Bさんの測定データ」は、データ記憶部12に記憶された、血糖計2aから携帯端末装置1に送信された測定された血糖値、測定日時情報、および装置情報保持部27に記憶されている当該血糖計2aの機器IDおよび使用者IDと、そのデータに付加された日時データであるから、本願補正発明1の「ユーザ」の「生体データ」に相当する。 (ウ)引用発明1の「血糖計2a」は、測定された血糖値を携帯端末装置1に送信することから、血糖計2aにおいて、使用者の血糖値を測定していることは明らかである。したがって、引用発明1の「血糖計2a」を含む「測定データを収集する測定装置」は、本願補正発明1の「ユーザ」の「生体データを取得するセンサ部」に相当する。 (エ)引用発明1の「血糖計2a」を含む「測定データを収集する測定装置」と「携帯端末装置1」を合わせたものは、Bさんの血糖値を測定して取得し、通信網5およびサーバ4を介して、病院の糖尿病外来のデータ処理装置3bへ送信するものであるから、本願補正発明1の「ユーザの生体データを取得して送信する生体データ取得装置」に相当する (オ)引用発明1の「一般的なパーソナルコンピュータ、ワークステーション、またはホストコンピュータ等の任意のコンピュータで構成され測定データを医師等が当該データを識別することが容易になるよう画面表示または印刷出力するなど効率よく利用する医療機関等のデータ処理装置3a~3c」は、Bさんの測定データの送信先として選択され、Bさんの測定データを受信し、コンピュータにてBさんの測定データの各種処理を行うものであるから、Bさんの測定データを受信して処理を行う装置であり、医療機関等でのコンピュータによる生体の測定データの処理には、医師に診断を行うための根拠(材料)となる処理結果を提供するための、経過観察や異常値判別等の分析処理を伴うものであることは技術常識であることから、Bさんの測定データの分析処理装置であると認められる。よって、引用発明1の「データ処理装置3a~3c」は、本願補正発明1における「ユーザ」の「生体データを受信して分析処理を行う複数の分析処理装置」に相当する。 (カ)引用発明1の「インターネット等の通信網5」は、本願補正発明1の「ネットワーク」に相当する。 (キ)引用発明1の「測定データ送受信装置である携帯端末装置1と、測定データを効率よく利用する医療機関等のデータ処理装置3a~3cと、データ管理装置である本システムの管理者のサーバ4とが、インターネット等の通信網5を介して、相互に接続される構成である測定データ送受信システム」は、本願補正発明1の「ユーザの生体データを取得して送信する生体データ取得装置と、前記生体データを受信して分析処理を行う複数の分析処理装置とがネットワークを介して接続された生体データ処理システム」に相当する。 (ク)引用発明1の「携帯端末装置1」は、「使用者であるBさん」が「予め登録されている使用者情報に基づいて携帯端末装置1の画面に表示される使用者名一覧101の中から、自分の氏名を選択し、決定ボタン102を選択し、これにより、携帯端末装置1の画面表示が変わり送信先を選択する画面が現れ、この画面には、Bさんの測定データの送信先として予め登録されている施設名一覧103等が表示され」ることから、使用者であるBさんを画面上で選択されたデータを基に識別している。したがって引用発明1の「携帯端末装置1」と、本願補正発明1の「生体データ取得装置」とは、「ユーザを識別するための識別データを」「ユーザから取得する識別データ取得部と、前記識別データに基づき前記ユーザを識別して識別ユーザとする識別部と」を具える点で共通する。 (ケ)引用発明1の「携帯端末装置1」では、「複数の使用者情報(氏名、使用者ID等)と、複数のデータ送信先情報(病院や検査機関等のアドレス)とを記憶することができるようになって」おり、「例えば、Bさんのデータ送信先として、フィットネスクラブのデータ処理装置3a、および病院の糖尿病外来のデータ処理装置3bの2カ所を、登録することが可能であ」る。したがって、引用発明1の「携帯端末装置1」の「測定装置から送信された測定データ等を記憶するデータ記憶部12」と、本願補正発明1の「生体データ取得装置」の「記憶部」とは、「ユーザと対応付けて何れかの」「分析処理装置を送信先」として「記憶する」点で共通する。 (コ)引用発明1の「携帯端末装置1」では、「送信先を選択する画面が現れ、この画面には、Bさんの測定データの送信先として予め登録されている施設名一覧103等が表示され、Bさんは、ここで、施設名一覧103から、糖尿病外来を送信先として選択し、決定ボタン104を選択し、これにより、携帯端末装置1の画面表示がさらに変わり、送信手順の確認画面が表示され、Bさんが決定ボタン108を選択した場合には、携帯端末装置1に記憶されているBさんの測定データが、」「通信網5へデータを送信するための第2のデータ通信ポート17」から「通信網5およびサーバ4を介して、病院の糖尿病外来のデータ処理装置3bへ送信され、受信される」ことから、Bさんの測定データの送信先として予め登録されている施設名一覧103等が表示された画面上での送信先の選択のデータを基にBさんの測定データが選択された病院の糖尿病外来のデータ処理装置3bへ送信されるものである。したがって、引用発明1の「携帯端末装置1」と、本願補正発明1の「生体データ取得装置」とは、「識別ユーザと対応付けられている」「送信先」「を取得する送信先取得部と、前記送信先取得部により取得した前記送信先」「へ生体データを送信する通信部」を具える点で共通する。 すると、本願補正発明1と、引用発明1とは、次の点で一致する。 <一致点> 「ユーザの生体データを取得して送信する生体データ取得装置と、前記生体データを受信して分析処理を行う複数の分析処理装置とがネットワークを介して接続された生体データ処理システムであって、 前記生体データ取得装置は、 前記ユーザを識別するための識別データを前記ユーザから取得する識別データ取得部と、 前記識別データに基づき前記ユーザを識別して識別ユーザとする識別部と、 前記ユーザの前記生体データを取得するセンサ部と、 前記ユーザと対応付けて何れかの前記分析処理装置を送信先として記憶する記憶部と、 前記識別ユーザと対応付けられている前記送信先を取得する送信先取得部と、 前記送信先取得部により取得した前記送信先へ前記生体データを送信する通信部と を具える生体データ処理システム。」 一方で、両者は、次の点で相違する。 <相違点1> 記憶部により記憶される送信先が、本願補正発明1では「分析処理装置」の「URL(Uniform Resource Locator)」であるのに対し、引用発明1では、データ送信先情報(病院や検査機関等のアドレス)ではあるが、「アドレス」がURL(Uniform Resource Locator)であるか不明である点。 (4)判断 ア 相違点1についての検討 (ア)上記「(2)イ(ウ)」より、本願出願前に頒布された刊行物である引用例2には、生体情報データの送信先である遠隔端末の相手先アドレスとして「遠隔端末の電話番号、インターネットのプロバイダーの電話番号と遠隔端末のURLなど」が例示されている。したがって、インターネット等の通信網で接続された機器を送信先としてデータを送信する場合の送信先アドレスとしてURLが含まれうることは、本願出願前において技術常識である。 (イ)また、上記「(2)イ」より、本願出願前に頒布された刊行物である引用例2には、引用例2周知技術が開示されており、生体情報中継器において、生体情報管理プログラムによって生体情報トレンドのグラフ表示や健康度評価などを行う遠隔端末へ生体情報データを送信する際の相手先のアドレスとして、遠隔端末のURLを記憶して送信時にそのURLを用いる技術が本願出願前に周知の技術であることが示されている。 (ウ)上記「(ア)及び(イ)」の知見を基に、引用発明1の「データ送信先情報(病院や検査機関等のアドレス)」として、「URL(Uniform Resource Locator)」を採用して、上記相違点1に係る発明特定事項を導き出すことは、当業者ならば容易になしえたことである。 イ 「前記ユーザを識別するための識別データを前記ユーザから取得する識別データ取得部と、前記識別データに基づき前記ユーザを識別して識別ユーザとする識別部と」が相違点である場合についての検討 (ア)引用発明1では、使用者による携帯端末装置1の画面上での選択によりユーザから識別データを取得してユーザを識別しているが、仮に本件補正発明1の「前記ユーザを識別するための識別データを前記ユーザから取得する識別データ取得部と、前記識別データに基づき前記ユーザを識別して識別ユーザとする識別部と」が、本願の実施例(本願明細書の段落【0033】ないし【0035】参照)のような、指紋センサ51や声紋センサ52などの個人識別センサ13を用いてユーザから識別データを取得してユーザ識別するものである場合について検討する。 (イ)上記「(2)ウ及びエ」より、声紋、指紋、虹彩、眼の画像などをユーザから取得し、生体識別を行う技術は、引用例3及び4に開示されているように、本願出願前に周知の技術である。 (ウ)上記「(イ)」の知見を基に、引用発明1において、使用者であるBさんを画面上での選択の結果のデータに基づき識別する技術に代えて、上記周知の技術を採用して、指紋センサ51や声紋センサ52などの個人識別センサ13を用いてユーザから識別データを取得してユーザ識別する技術を採用することは、当業者ならば容易になしえたことである。 ウ 令和4年6月7日受付の審判請求書における請求人の主張について 請求人は、令和4年6月7日受付の審判請求書において、第2の特徴点である「ユーザと対応付けて、複数の分析処理装置のうち何れかを送信先URLにより記憶」する点、及び第4の特徴点である「識別ユーザと対応付けられている送信先URLへ生体データを送信する」点については、原査定で引用された引用文献1ないし7には開示されておらず、当該引用文献1ないし7に開示された技術を組み合わせたとしても、上記第2及び第4の特徴点について容易に想到できたとは考えられない旨主張する。 しかしながら、上記「ア」で検討したとおり、本願出願前の技術常識及び周知技術の知見を基に、引用発明1の「データ送信先情報(病院や検査機関等のアドレス)」として、「URL(Uniform Resource Locator)」を採用して、上記第2及び第4の特徴点に対応する技術を備えるようにすることは、当業者ならば容易になしえたことである。 よって、請求人の上記主張は採用することができない。 エ 本願補正発明1の効果について 本願補正発明1の効果は、引用発明1及び引用例2ないし4に開示された周知技術から、当業者が予測しうる程度のものにすぎない。 (5)小括 したがって、本願補正発明1は、引用発明1及び引用例2ないし4に開示された周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4.むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について (1)本願発明1 令和4年6月7日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし15に係る発明は、令和3年12月13日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明1」という。)は、次のとおりのものである。 「【請求項1】 ユーザの生体データを取得して送信する生体データ取得装置と、前記生体データを受信して分析処理を行う複数の分析処理装置とがネットワークを介して接続された生体データ処理システムであって、 前記生体データ取得装置は、 前記ユーザを識別するための識別データを前記ユーザから取得する識別データ取得部と、 前記識別データに基づき前記ユーザを識別して識別ユーザとする識別部と、 前記ユーザの前記生体データを取得するセンサ部と、 前記ユーザと対応付けて何れかの前記分析処理装置を送信先として記憶する記憶部と、 前記識別ユーザと対応付けられている前記送信先を取得する送信先取得部と、 前記送信先取得部により取得した前記送信先へ前記生体データを送信する通信部と を具えることを特徴とする生体データ処理システム。」 (2)原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1ないし15に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物である引用文献1、2,4ないし6に記載された発明と電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献3及び7に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。 引用文献1:特開2002-251461号公報 引用文献2:特開2005-279051号公報 引用文献3:国際公開第2014/049984号(周知技術を示す文献) 引用文献4:特開2007-282701号公報(周知技術を示す文献) 引用文献5:特開2005-168834号公報(周知技術を示す文献) 引用文献6:特開2006-48208号公報(周知技術を示す文献) 引用文献7:国際公開第2016/183020号(周知技術を示す文献) (3)引用された刊行物に記載された発明及び周知技術 原査定の拒絶の理由で引用された引用例1の発明並びに引用例1、引用例3及び引用例4の記載事項は、上記「第2 3.(2)ア、ウ及びエ」に記載したとおりである。 (4)対比・判断 ア 本願発明1は、上記「第2 3.」で検討した本願補正発明1から、記憶部、送信先取得部及び通信部における「送信先URL」を単に「送信先」として限定を外したものである。 イ 上記「第2 3.」で検討したとおり、本願補正発明1は、引用発明1及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであることから、本願補正発明1の「送信先URL」を単に「送信先」として限定を外した本願発明1もまた、上記「第2 3.(3)ないし(5)」と同様の理由により、引用発明1及び引用例3及び4にも開示された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用発明1及び引用例3及び4にも開示された周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-008663

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