2022-008419
貫通孔の幾何学的パラメータ測定方法およびシステム
- 審判番号
- 2022-008419
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-567871外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年06月02日
- 審決日
- 2023年03月16日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】コーニング インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】柳田 征史
- 分類
- P18 .575-Z (G01B) / P18 .121-Z (G01B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 12項目
第1 手続の経緯
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本願は、2017年(平成29年)6月27日を国際出願日とする外国語特許出願であって(パリ条約による優先権主張外国庁受理2016年6月29日、米国)、その手続の経緯の概略は、以下のとおりである。
同年 8月27日 :意見書、手続補正書の提出
(同年 2月 2日 :原査定の謄本の送達)
同年 6月 2日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和4年6月2日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年6月2日にされた手続補正を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 補正の内容
令和4年6月2日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてした補正であり、この補正により、次の(1)に示す本件補正前の請求項1が、後記の(2)に示す本件補正後の請求項1に補正された。下線は、補正箇所を示す。
(1) 本件補正前の請求項1
「【請求項1】基板の貫通孔の幾何学的パラメータ測定方法において、イメージセンサ、および、前記基板の厚さより深い被写界深度を有するレンズを含むカメラを、測定ステーションに配置する工程であって、前記イメージセンサは少なくとも10メガピクセルの画素数および1.7マイクロメートル以下の画素サイズを有する工程と、前記基板の選択部分体積部を、前記カメラの視野内、かつ、前記被写界深度内に、配置する工程であって、前記選択部分体積部は前面、後面、および前記選択部分体積部の前面に第1の面と、前記選択部分体積部の後面に第2の面とを有する少なくとも1つの貫通孔を含む工程と、前記選択部分体積部を照らす工程と、前記選択部分体積部の画像を、前記イメージセンサに取得する工程と、前記画像を処理して、前記貫通孔の縦に沿って前記貫通孔の第1の面と第2の面との間の、前記貫通孔の少なくとも1つの最小横寸法を特定する工程と、を含む方法。」
(2) 本件補正後の請求項1
「【請求項1】基板の貫通孔の幾何学的パラメータ測定方法において、イメージセンサ、および、前記基板の厚さより深い被写界深度を有するレンズを含むカメラを、測定ステーションに配置する工程であって、前記イメージセンサは少なくとも10メガピクセルの画素数および1.7マイクロメートル以下の画素サイズを有する工程と、前記基板の選択部分体積部を、前記カメラの視野内、かつ、前記被写界深度内に、配置する工程であって、前記選択部分体積部は前面、後面、および前記選択部分体積部の前面に第1の面と、前記選択部分体積部の後面に第2の面とを有する少なくとも1つの貫通孔を含む工程と、前記選択部分体積部を照らす工程と、前記選択部分体積部の画像を、前記イメージセンサに取得する工程であって、前記画像は、前記選択部分体積部の少なくとも1つの貫通孔の濃いリングに囲まれた光スポットを含む工程と、前記画像を処理して、前記画像内の前記濃いリングおよび光スポットの少なくとも1つを用い、前記貫通孔の縦に沿って前記貫通孔の第1の面と第2の面との間の、前記貫通孔の少なくとも1つの最小横寸法を特定する工程と、を含む方法。」
2 補正の目的
本件補正は、本件補正前の「前記選択部分体積部の画像を、前記イメージセンサに取得する工程」の「選択部分体積部の画像」を、「前記選択部分体積部の少なくとも1つの貫通孔の濃いリングに囲まれた光スポットを含む」ものに限定するとともに、本件補正前の「前記画像を処理して、・・・、前記貫通孔の少なくとも1つの最小横寸法を特定する工程」について、「前記画像内の前記濃いリングおよび光スポットの少なくとも1つを用い[て]」特定するものに限定するものである。
そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
したがって、本件補正は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。
3 独立特許要件の判断
前記2のとおり、本件補正は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。
(1) 本件補正発明
本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。
(2) 引用文献に記載された発明の認定等
ア 引用文献1に記載された事項と引用発明の認定
(ア) 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用され、本願優先日前に発行された特開2005-121417号公報(以下、原査定において引用された順番に従って、この文献を「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。下線は当合議体において付したものであり、以下同様である。
a 【0001】
「【技術分野】【0001】本発明は、プリント回路基板に設けられた貫通穴の数、位置、寸法等を光学的に検査するプリント回路基板検査装置に関するものである。」
b 【0002】~【0007】、【図4】、【図5】
「【背景技術】【0002】プリント回路基板の量産工程において、プリント回路基板に設けられた貫通穴の数、位置、寸法等を検査する場合、一般的には光学的に基板表面を検査することが行われている。従来、このような検査を行う装置として、一次元もしくは二次元の受光素子と、汎用の結像光学系を用いた検査装置が知られている。【0003】続きを表示(全16行)図4は一次元受光素子を用いた従来の検査装置の概略構成を示す図である。同図中、101はプリント回路基板、102は一次元受光素子、103は結像光学系である。一次元受光素子102と結像光学系103からなる検出部の視野はaで示され、この検出部を主走査方向bと副走査方向cに移動させることで、プリント回路基板101の全表面の検査を行うことができる。【0004】図5に上記の検出部の具体的構成を示す。111はレンズで、112はCCDなどの一次元受光素子を示している。プリント回路基板101に設けられた貫通穴113の映像は、レンズ111を通して一次元受光素子112に結像される。114はその結像された貫通穴113の画像を表している。【0005】また、二次元受光素子(CCDなど)を用いても、同様にプリント回路基板の貫通穴の位置や寸法を検査することができる。更に、レーザ光を用いてプリント回路基板の外観を検査することも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。【特許文献1】特開平8-5345号公報【発明の開示】【発明が解決しようとする課題】【0006】ところで、プリント回路基板の貫通穴の位置や寸法を保証するために、上記のようなCCD等を用いた検査装置が利用されるが、二次元受光素子を用いたものでは、検査時間が対象の穴数に比例して増加するとともに、検出部を移動させながら画像を取り込むことができないため、量産工程が要求するタクトには対応できないという問題がある。【0007】それに対し、一次元受光素子を用いた検査装置では、検査時間が対象の穴数に依存することなく、また任意の速度で移動させながら画像を取り込めることができるので、高速性に優れ、量産工程向きの装置として採用されている。」
「【図4】[図:0001401173000001.jpg]」
「【図5】[図:0001401173000002.jpg]」
c 【0014】~【0016】
「【課題を解決するための手段】【0014】本発明に係るプリント回路基板検査装置は、プリント回路基板に設けられた貫通穴を光学的に検査する検査装置であって、前記プリント回路基板を照明する照明手段と、該プリント回路基板からの光をテレセントリックレンズを通して受光する一次元受光素子を備え、前記受光素子の出力から前記プリント回路基板の貫通穴を検査するように構成したものである。【0015】また、前記テレセントリックレンズと一次元受光素子を有した検出部を複数備え、更に、前記テレセントリックレンズの被写界深度を大きく設定したものである。【発明の効果】【0016】本発明によれば、広範囲かつ高精度の一次元画像を得ることができ、量産工程に対応でき、高速かつ高精度で検査結果が得られる。」
d 【0018】~【0028】、【図1】、【図2】、【図3】
「【実施例】【0018】図1は本発明の実施例の構成を示すブロック図であり、プリント回路基板に設けられた貫通穴の数、位置、寸法等を光学的に検査するプリント回路基板検査装置の基本構成を示している。【0019】続きを表示(全23行)同図において、1はプリント回路基板、2は拡散処理機能付ガラス、3は集光装置付きの高輝度ライン照明灯で、背面側(後側)からプリント回路基板を照明する照明手段として設けられている。4はレンズと受光素子を備えた二つの検出部5a、5bを有する検出ユニット、6a、6bは各々の検出部5a、5bからの信号を処理する並列処理回路、7は各並列処理回路6a、6bからの出力に基づいて上記プリント回路基板1に設けられた貫通穴の数、位置、寸法等を演算するための統合処理回路である。また図示していないが、検出部5a、5bの視野の相対位置を検出し、合成するハードウェア及びソフトウェアを備えている。【0020】図2は上記の各検出部5a、5bの構成を示す断面図である。レンズとしてテレセントリックレンズ11を使用し、プリント回路基板1の貫通穴13の画像が結像される受光素子としてCCD等の一次元受光素子12を用いている。14はテレセントリックレンズ11を通して一次元受光素子12に結像された貫通穴13の穴画像を示している。【0021】本実施例では、検出部5a、5bの移動手段としてXY直交アクチュエータを用いており、各々の検出部5a、5bによってプリント回路基板1の全表面が走査される。そして、各検出部5a、5bの検出信号はそれぞれ並列処理回路検出部6a、6bで計算された後、統合処理回路7で合成され、この統合処理回路7の出力からプリント回路基板1に設けられた貫通穴13の数、位置、寸法等のデータを得ることができる。【0022】ここで、上記テレセントリックレンズ11は視差がゼロのレンズであるので、図2に示すように貫通穴13の精度の良い画像14が得られる。したがって、前述のように視野周辺部で正確な形が結像されない問題や、厚みの大きいプリント基板を透過光で観察した場合に穴の寸法が実際より小さく検出されたり、内部の異物を見逃すという問題が解決される(図2参照)。【0023】また、検出部視野の相対的な位置関係は組立時に光学的手段によって測定された値が個別のパラメータとして入力済であり、視差と被写界深度の問題も光学的に解決されているので、ソフトウェアの補正処理の負荷が軽減され、処理時間が短縮される。【0024】また、絞り値を大きく設計することにより、ピントの合う範囲(被写界深度)を広くし、厚みの大きいプリント回路基板1の貫通穴13においても先鋭な画像14を得ることができる。【0025】このように、本実施例では、プリント基板1の広範囲かつ高精度の一次元画像を得ることができ、量産工程に対応でき、高速かつ高精度で検査結果が得られるプリント回路基板検査装置を実現することができる。【0026】図3は上述の各検出部5a、5bの検出動作を示す図である。テレセントリックレンズ11a、11bと一次元受光素子12a、12bから構成される検出部5a、5bを複数(ここでは二つ)搭載することにより、視野を任意に拡大し、高速の検査を可能にすることができる。各検出部5a、5bの視野をA、Bとすると、全体の視野はA+Bとなる。【0027】このように、検出部5a、5bを複数設けることにより、単一の検出部の場合に比べて次のような利点がある。すなわち、視野を分割して同時に取り込むことにより、取り込み周期を短縮することができる。また、レンズ単体の光学設計における周辺部の収差補正が容易になり、結果として視野全体の結像性能を均一化することができる。【0028】なお、上記の実施例では、絞り値を大きく設計することによって受光光量が小さくなるのを補うため、集光装置付きのライン照明と拡散効果付きのガラスで構成された高輝度ライン照明を採用しているが、照明の形式はこれに限定されるものではない。」
「【図1】[図:0001401173000003.jpg]」
「【図2】[図:0001401173000004.jpg]」
「【図3】[図:0001401173000005.jpg]」
(イ) 引用発明の認定
前記(ア)の記載事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
<引用発明>
「プリント回路基板検査装置を用いて、プリント回路基板に設けられた貫通穴の数、位置、寸法等を光学的に検査する方法であって(【0018】)、当該プリント回路基板検査装置には、集光装置付きの高輝度ライン照明灯で、背面側(後側)からプリント回路基板を照明する照明手段3、レンズと受光素子を備えた二つの検出部5a、5bを有する検出ユニット4、各々の検出部5a、5bからの信号を処理する並列処理回路6a、6b、各並列処理回路6a、6bからの出力に基づいて前記プリント回路基板1に設けられた貫通穴の数、位置、寸法等を演算するための統合処理回路7が設けられており(【0018】、【0019】)、前記レンズとして被写界深度を大きく設定したテレセントリックレンズ11を使用し、プリント回路基板1の貫通穴13の画像が結像される前記受光素子としてCCD等の一次元受光素子12を用いており(【0015】、【0020】)、絞り値を大きく設計することにより、ピントの合う範囲(被写界深度)を広くし、厚みの大きいプリント回路基板1の貫通穴13においても先鋭な画像14を得ることができ(【0024】)、前記検出部5a、5bの移動手段としてXY直交アクチュエータを用いており、各々の検出部5a、5bによってプリント回路基板1の全表面が走査され、各検出部5a、5bの検出信号はそれぞれ前記並列処理回路検出部6a、6bで計算された後、前記統合処理回路7で合成され、この統合処理回路7の出力からプリント回路基板1に設けられた貫通穴13の数、位置、寸法等のデータを得る(【0021】)、方法。」
イ 引用文献3に記載された事項と技術常識の認定
(ア) 引用文献3に記載された事項
当審において新たに引用され、本願優先日前に発行された特開2010-147461号公報(以下「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【技術分野】【0001】本発明は印刷回路基板及びその製造方法に関する。【背景技術】続きを表示(全16行)【0002】印刷回路基板における層間の電気的接続は、基板にホールを加工し、ホール内部を化学的/電気的にメッキする工程により行われる。印刷回路基板に用いられる多様な形態のホール中、代表的な形態としては、図1に示すように、PTH(Plated Through Hole、図1の(a))とBVH(Blind Via Hole、図1の(b))が挙げられる。【0003】PTHは印刷回路基板を完全に貫通する形態であって、ドリルビットを用いた切削加工により形成され、主に両面印刷回路基板の層間導通や多層印刷回路基板のコア層における層間導通に用いられる。ドリルビットにより加工されたPTHは、断面の大きさが一定である円柱状を有する。【0004】BVHは片面が開放されていない構造であって、レーザ加工により形成される。BVHの断面はレーザが照射される部分のホールの大きさが底面のホールよりも大きい逆台形の形状を有する。【0005】印刷回路基板がますます高密度化されることにより、回路の線幅だけでなく、ホールの大きさ、ランド(Land)の大きさの縮小への要求が高まっている。極小径(100μm未満)のホール加工においては、従来のドリルビットを用いたPTH加工方式では限界がある。これは、ドリルビットの剛性はドリル直径の2乗に比例するため、ドリルビットの大きさが小さくなるほど剛性が大きく低下するからである。ドリルビットの剛性低下を克服するためには、ドリルの回転速度を増加すればよいが、CNCドリルマシーンの主軸回転数には限界があるため、従来のドリルビットを用いたPTH加工方式では極小径のホールを加工することは困難であり、高コストになる。【0006】印刷回路基板の高密度化に必要とされる極小径のPTHを効果的かつ経済的に加工するために、ドリルビットを用いた切削加工の代わりにレーザ加工を適用したPTH加工技術の開発が望まれる。【0007】レーザを用いたホール加工においては、レーザのエネルギーが中心部になるほど高まるため、テーパ(taper)状のホールが加工される。従来のレーザを用いたPTH加工においては、BVH加工のように、レーザを片面に数回照射してテーパ状のホールを加工し、ホールの内部をメッキしてPTHを形成した。」
「【図1】[図:0001401173000006.jpg]」
(イ) 技術常識の認定
引用文献3の上記(ア)の摘記箇所の記載に例示されるように、次のa及びbに示す事項はいずれも技術常識であると認める。以下、それぞれ「技術常識A」及び「技術常識B」という。
a <技術常識A>
「印刷回路基板の高密度化のため極小径(100μm未満)の貫通孔の形成が望まれており、極小径の貫通孔はレーザーを用いて形成することが効果的かつ経済的に好ましいこと。」
b <技術常識B>
「レーザーを用いて印刷回路基板に貫通孔を形成すると、貫通孔の形状はテーパー状になること。」
(3) 対比
ア 対比分析
本件補正発明と引用発明を対比する。
(ア)a 引用発明の「プリント回路基板」及び「貫通穴の」「寸法」は、本件補正発明の「基板」及び「貫通孔の幾何学的パラメータ」に相当する。
b そして、引用発明の「貫通穴の数、位置、寸法等を光学的に検査する」ことには、貫通穴の寸法を測定することが当然含まれているから、本件補正発明の「貫通孔の幾何学的パラメータ測定」を行うことに相当する。
c よって、本件補正発明と引用発明は、「基板の貫通孔の幾何学的パラメータ測定方法」である点で一致する。
(イ)a 引用発明の「プリント回路基板1の貫通穴13の画像が結像される受光素子としてCCD等の一次元受光素子12」は、本件補正発明の「イメージセンサ」に相当する。
b 引用発明の「レンズとして被写界深度を大きく設定したテレセントリックレンズ11」は、絞り値を大きく設計することにより、ピントの合う範囲(被写界深度)を広くし、厚みの大きいプリント回路基板1の貫通穴13においても先鋭な画像14を得ることができるものであることからみて、本件補正発明の「基板の厚さより深い被写界深度を有するレンズ」に相当するものといえる。
c 引用発明の「一次元受光素子12」及び「テレセントリックレンズ11」を備えた「二つの検出部5a、5b」は、本件補正発明の「イメージセンサ」及び「レンズ」を含む「カメラ」に相当する。
d(a) 引用発明においては、検出部5a、5bの移動手段としてXY直交アクチュエータを用いており、各々の検出部5a、5bによってプリント回路基板1の全表面が走査されているところ、引用発明の「XY直交アクチュエータ」は、本件補正発明の「測定ステーション」に相当する。
(b) そして、引用発明において、「検出部5a、5bの移動手段としてXY直交アクチュエータを用い[る]」ことは、検出部5a、5bをXY直交アクチュエータに配置することを当然含むものであるから、本件補正発明の「カメラを、測定ステーションに配置する」ことに相当する。
e よって、本件補正発明と引用発明は、「イメージセンサ、および、前記基板の厚さより深い被写界深度を有するレンズを含むカメラを、測定ステーションに配置する工程」を備える点で共通する。
(ウ)a 引用発明における、プリント回路基板1の貫通穴13及びその周辺の前面及び後面からなる体積部分は、本件補正発明の「前面、後面、および前記選択部分体積部の前面に第1の面と、前記選択部分体積部の後面に第2の面とを有する少なくとも1つの貫通孔を含む」「選択部分体積部」に相当する。
b 引用発明においては、レンズと受光素子を備えた二つの検出部5a、5bを走査することにより、プリント回路基板1の貫通穴13の画像を得ているから、引用発明の「二つの検出部5a、5b」の視野内に、貫通穴13及びその周辺のプリント回路基板を配置する工程を有していることは明らかである。
c また、前記(イ)bに示したとおり、引用発明においては、絞り値を大きく設計することにより、ピントの合う範囲(被写界深度)を広くし、厚みの大きいプリント回路基板1の貫通穴13においても先鋭な画像14を得ていることからみて、引用発明の「二つの検出部5a、5b」が、その被写界深度内に、本件補正発明の「選択部分体積部」に相当する箇所が含まれるように配置される工程を有していることも明らかである。
d よって、本件補正発明と引用発明は、「前記基板の選択部分体積部を、前記カメラの視野内、かつ、前記被写界深度内に、配置する工程であって、前記選択部分体積部は前面、後面、および前記選択部分体積部の前面に第1の面と、前記選択部分体積部の後面に第2の面とを有する少なくとも1つの貫通孔を含む工程」を備える点で一致する。
(エ) 引用発明においては、集光装置付きの高輝度ライン照明灯で、背面側(後側)からプリント回路基板を照明しており、照明されるプリント回路基板に、本件補正発明の「選択部分体積部」に相当する箇所が含まれていることは明らかであるところ、引用発明の「プリント回路基板1」の「背面」は、本件補正発明の「(選択部分体積部を含む)基板」の「後面」に相当する。
よって、本件補正発明と引用発明は、「前記選択部分体積部の後面を照らす工程」を備える点で共通する。
(オ) 引用発明においては、検出部5a、5bによってプリント回路基板1の全表面が走査され、前記検出部5a、5bの一次元受光素子12により、「プリント回路基板1の貫通穴13の画像」を得ているところ、前記(ウ)を踏まえると、「プリント回路基板1の貫通穴13の画像」を得たときには、「貫通穴13」のみならず、その周辺の画像も含まれていることは明らかであるから、引用発明の「プリント回路基板1の貫通穴13の画像」は、本件補正発明の「(選択部分体積部を含む)基板」の「前面」の「画像」に相当する。
よって、本件補正発明と引用発明は、「前記選択部分体積部の前面の画像を、前記イメージセンサに取得する工程」を備える点で共通する。
(カ)a 引用発明においては、プリント回路基板1の貫通穴13の画像を取得して、その画像から貫通穴13の寸法のデータを得ているところ、その貫通穴13の寸法に内径が含まれていることは明らかであり、当該内径は、貫通穴13の縦に沿った両端面の間の横寸法といえる。
b よって、本件補正発明と引用発明は、「前記画像を処理して、前記貫通孔の縦に沿って前記貫通孔の第1の面と第2の面との間の、前記貫通孔の横寸法を特定する工程」を備える点で共通する。
イ 一致点及び相違点
前記アの対比分析の検討結果を総合すると、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、それぞれ次に示すとおりである。
(ア) 一致点
基板の貫通孔の幾何学的パラメータ測定方法において、
イメージセンサ、および、前記基板の厚さより深い被写界深度を有するレンズを含むカメラを、測定ステーションに配置する工程と、
前記基板の選択部分体積部を、前記カメラの視野内、かつ、前記被写界深度内に、配置する工程であって、前記選択部分体積部は前面、後面、および前記選択部分体積部の前面に第1の面と、前記選択部分体積部の後面に第2の面とを有する少なくとも1つの貫通孔を含む工程と、
前記選択部分体積部の後面を照らす工程と、
前記選択部分体積部の前面の画像を、前記イメージセンサに取得する工程と、
前記画像を処理して、前記貫通孔の縦に沿って前記貫通孔の第1の面と第2の面との間の、前記貫通孔の横寸法を特定する工程と、
を含む方法、である点。
(イ) 相違点
a 相違点1
本件補正発明においては、「イメージセンサは少なくとも10メガピクセルの画素数および1.7マイクロメートル以下の画素サイズを有[し]」ているのに対して、
引用発明においては、一次元受光素子12を用いているところ、その画素数及び画素サイズが不明な点。
b 相違点2
本件補正発明においては、
「前記選択部分体積部を照らす工程」と「前記選択部分体積部の画像を、前記イメージセンサに取得する工程」を備えているのに対して、
引用発明においては、
「背面側(後側)からプリント回路基板を照明する」工程と、「プリント回路基板1の貫通穴13の画像を取得する」工程を備えている点。
c 相違点3
本件補正発明においては、
「前記選択部分体積部の画像を、前記イメージセンサに取得する工程であって、前記画像は、前記選択部分体積部の少なくとも1つの貫通孔の濃いリングに囲まれた光スポットを含む工程」と、
「前記画像を処理して、前記画像内の前記濃いリングおよび光スポットの少なくとも1つを用い、前記貫通孔の縦に沿って前記貫通孔の第1の面と第2の面との間の、前記貫通孔の少なくとも1つの最小横寸法を特定する工程」を備えているのに対して、
引用発明においては、一次元受光素子12が取得するプリント回路基板1の貫通穴13の画像が、どのような画像であるのか明示の特定がなく、当該画像から特定している貫通穴13の横寸法が、最小横寸法であるのか不明な点。
(4) 当審の判断
ア 相違点1について
前記相違点1について検討する。
(ア) 引用文献1の【0002】には、プリント回路基板に設けられた貫通穴の数、位置、寸法等の検査を行う装置として、一次元もしくは二次元の受光素子を用いた検査装置が知られていることが記載されているから、当該記載に倣って、引用発明の「一次元受光素子12」を、二次元受光素子とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
その際、二次元受光素子の画素数及び画素サイズをどの程度とするかは、貫通穴の寸法や、プリント回路基板の大きさに応じて、当業者が適宜に定める設計事項にすぎないところ、前記(2)イ(イ)aにおいて技術常識Aとして示したとおり、印刷回路基板の高密度化のため極小径(100μm未満)の貫通孔の形成が望まれていることは技術常識であるから、「イメージセンサは少なくとも10メガピクセルの画素数および1.7マイクロメートル以下の画素サイズを有[し]」ているように設計することは、当業者が通常の創作能力の発揮によりなし得ることである。
(イ) なお、引用文献1の【0006】には、「二次元受光素子を用いたものでは、検査時間が対象の穴数に比例して増加するとともに、検出部を移動させながら画像を取り込むことができないため、量産工程が要求するタクトには対応できないという問題がある。」と記載されているが、検査時間が対象の穴数に比例して増加するのは一次元受光素子においても同様であるし、検出部を移動させながら画像を取り込むことは二次元受光素子であっても可能であるから、当該記載は、一次元受光素子と二次元受光素子を特定の観点から比較した際の相対的な優劣評価を記述したものにすぎず、かかる特定の観点からみた評価のみに基づいて、一次元受光素子から二次元受光素子に置換することが技術的に困難であると考えるのは適当ではない。むしろ、一次元受光素子及び二次元受光素子のいずれも撮像手段としては極くありふれたものであるから、上記記載は両者の置換可能性を否定したものではないというべきである。そうすると、当該記載のみをもって、引用発明において二次元受光素子を用いることを阻害するものとは認められない。
(ウ) よって、引用発明において、前記相違点1に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
イ 相違点2について
前記相違点2について検討する。
(ア)a 前記相違点2については、「基板」の種類によっては、「前記選択部分体積部を照らす工程」が、選択部分体積部の内部を光が透過するように照らす工程であると解釈し得る余地があり、「前記選択部分体積部の画像を、前記イメージセンサに取得する工程」が、選択部分体積部の内部を含む透過画像を取得する工程であると解釈し得る余地がある。
b この場合、引用発明においては、プリント回路基板1の内部を光が透過するように照らしておらず、透過画像を取得していないので、本件補正発明と引用発明には相違点があることとなる。
c 次の(イ)において、上記の点について検討する。
(イ)a 本願明細書の段落【0037】及び【図2A】には、次のとおり示されている。
「【0037】図2Aと図4に示した照明配列部の両方を、ガラスなどの透明基板の貫通孔のパラメータを測定する場合に使用しうる。図2Aと図4に示した照明配列部の両方は、不透明な基板と共に用いるのにも適している。しかしながら、図2Aに示した照明配列部の方が、コントラストが高いので、不透明な基板の場合には、よりよく作動しうる。図4に示した照明配列部は、基板が固体チャックに置かれた場合、または、基板の後面の後方に、バックライト照射部を配置するのに十分な空間がない場合など、基板の後面へ接近できない場合に有利である。」
「【図2A】[図:0001401173000007.jpg]」
b 本願明細書の【図2A】には、バックライト照射部108が、基板100の後面100Bを照らし、イメージセンサ110が、基板100の前面100Aの貫通孔102の画像を取得していることが示されており、段落【0037】には、【図2A】に示された照明配列部は、ガラスなどの透明基板に限らず、不透明な基板に用いるのにも適していることが記載されている。
したがって、本件補正発明においては、測定対象である「基板」について、透明基板であるとも、不透明な基板であるとも特定されていないところ、段落【0037】の前記記載を参酌すると、本件補正発明の「基板」には、不透明な基板も含まれるものと認められる。
c その場合、基板100は不透明であるから、基板100の後面100Bを照らすバックライト照射部108が、基板100の内部を光が透過するように照らすことはなく、基板100の前面100Aの貫通孔102の画像を取得するイメージセンサ110が、基板100の内部を含む透過画像を取得することはないから、本件補正発明の「前記選択部分体積部を照らす工程」には、選択部分体積部の後面のみを照らす工程も含まれており、「前記選択部分体積部の画像を、前記イメージセンサに取得する工程」には、選択部分体積部の前面の画像のみを取得する工程も含まれているものと解釈するのが相当である。
d そうすると、引用発明においても前記相違点2に係る本件補正発明の構成を備えているから、前記相違点2は実質的な相違点であるとは認められない。
(ウ) なお、仮に、本件補正発明において、測定対象の「基板」がガラスなどの透明基板であり、バックライト照射部108が、後面100Bのみならず透過基板内部を光が透過するように照らし、イメージセンサ110が、前面100Aのみならず透過基板の内部を含む透過画像を取得するものであったとしても、例えば、本願優先日前に発行された特開2016-53545号公報の【0001】に記載されているように、ガラス基板の貫通孔を検査することは周知であるから、引用発明において、測定対象の基板を、ガラスなどの透明基板とすることに、格別の困難性は認められない。
ウ 相違点3について
前記相違点3について検討する。
(ア) 前記(2)イ(イ)bにおいて技術常識Bとして示したとおり、レーザーを用いて印刷回路基板に貫通孔を形成すると、貫通孔の形状はテーパー状になることは技術常識である。
(イ)a 前記技術常識Bを踏まえると、引用発明において、レーザーを用いて形成した貫通孔も、その検査対象に含まれていることは当業者には明らかであるといえ、そうすると、引用発明の検査対象には、テーパー状の貫通孔が当然に含まれることになる。
b そして、引用発明においては、プリント回路基板の前面側から照明しているかどうか明示の特定はないものの、前面側を照らす外光が全く存在しない暗室において作業すると考えることは常識的でないから、明示的な照明光源は背面側(後側)のみ特定されているとしても、プリント回路基板の前面側から、当該基板が視認し得る程度の照明がなされていると認められる。
c そうすると、プリント回路基板に設けられた貫通穴がテーパー状であることから、当該貫通穴の画像は、プリント回路基板の背面側から貫通穴を通って検出される透過光と、プリント回路基板の前面側から貫通穴以外の基板上の部分で散乱反射された光が検出された画像になり、テーパー状の貫通穴の内壁部分で反射された光は直接検出されないから、内壁部分の反射画像は相対的に暗いリング状の画像となり、その暗いリング状画像の内に相対的に明るい透過光画像が含まれていることとなり、濃いリングに囲まれた光スポットの画像になることは明らかである。
(ウ) そして、テーパー状である貫通穴の寸法を検査する場合は、最大横寸法と最小横寸法の両方を測定しなければ、テーパー形状の貫通孔の形状を特定することにならないから、最大横寸法と最小横寸法の両方を測定すべきことは明らかであるところ、最小横寸法を、濃いリングに囲まれた光スポットの画像から得る場合は、濃いリングの内径か、濃いリングに囲まれた光スポットの外径を測定することになることも明らかである。
(エ) よって、前記技術常識Bを踏まえると、前記相違点3は実質的な相違点ではないし、仮に相違点であったとしても、引用発明において前記相違点3に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
エ 総合検討
前記ア~ウにおいて検討したとおり、引用発明において前記相違点1から相違点3に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
そして、前記相違点1から相違点3を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果としては、引用発明並びに技術常識A及びBから予測されるものを超え、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。
したがって、本件補正発明は、引用発明並びに技術常識A及びBに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
オ 請求人の主張について
(ア) 請求人の主張
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請求人は、審判請求書において、概略次の主張をしている。
補正後の請求項1の発明は、「画像」が、「前記選択部分体積部の少なくとも1つの貫通孔の濃いリングに囲まれた光スポットを含む」こと、及び、「貫通孔の少なくとも1つの最小横寸法」を「画像内の前記濃いリングおよび光スポットの少なくとも1つを用い」て特定することを構成として備えているのに対して、引用文献1には、かかる構成は開示も示唆もない。
本願発明は、以上の構成を備えることにより、自動化してわずか数分で、数百から数千個の孔を検査することができ、直線状、先細、砂時計のようにくびれた形状など、全てのタイプの孔のプロファイルの有効口径サイズなどの幾何学的パラメータを、測定することができるという引用文献1には何ら言及されていない格別な効果を奏する。
また、本願発明により、濃いリングに囲まれた光スポットを用いて有効口径サイズとして最小横寸法を特定することが可能となるが、以上の効果についても引用文献1には何ら言及がない。
引用文献1のCCDは、濃いリングに囲まれた光スポットについては一切開示していないが、これは、引用文献1の貫通孔が図2を参照すれば理解できるように直線的に貫通した孔であり、その目的は単にこのような貫通孔の数、位置、寸法を定めれば達成可能なものであって、本願発明のような先細、砂時計のようにくびれた形状など非直線的な孔に対応する必要がないからである。このように、本願発明の、幾何学的パラメータとして画像内の濃いリング及び光スポットの少なくとも一つを用いて最小横寸法を規定するとともに、この測定に必要なイメージセンサの具体的なスペックを定めることは、引用文献1を参照しても当業者が容易に想到できたものではないことは明らかである。
(イ) 請求人の主張についての検討
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請求人の主張は、要するに、引用文献1には、「画像」が、「選択部分体積部の少なくとも1つの貫通孔の濃いリングに囲まれた光スポットを含む」という構成、及び、「貫通孔の少なくとも1つの最小横寸法」を「画像内の前記濃いリングおよび光スポットの少なくとも1つを用い」て特定するという構成が開示も示唆もされていないというものである。
しかしながら、前記ウにおいて説示したとおり、前記技術常識Bを踏まえると、引用発明において前記構成を備えていることは明らかであるか、そうでないとしても、引用発明において前記構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
よって、請求人の主張は、前記エの結論を左右するものではない。
(5) 独立特許要件についてのまとめ
以上検討のとおり、本件補正発明は、引用発明並びに技術常識A及びBに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4 本件補正の適否についてのまとめ
前記3において検討したとおり、本件補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法17条の2第6項で準用する同法126条7項の規定に違反するものであり、同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。
よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明の認定
本件補正は、前記第2に示したとおり却下したので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和3年8月27日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項(前記第2の1(1)参照)により特定されるとおりのものである。
2 原査定における拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由のうち、本願発明についての理由は、次のとおりである。
本願発明は、下記引用文献1に記載された発明に基づいて、本願優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1 特開2005-121417号公報
3 引用文献1、3に記載された事項、引用発明及び技術常識の認定
引用文献1、3に記載された事項、引用発明並びに技術常識A及びBの認定は、前記第2の3(2)ア及びイにおいて示したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、本件補正発明の「前記選択部分体積部の画像を、前記イメージセンサに取得する工程であって、前記画像は、前記選択部分体積部の少なくとも1つの貫通孔の濃いリングに囲まれた光スポットを含む工程」から、「前記画像は、前記選択部分体積部の少なくとも1つの貫通孔の濃いリングに囲まれた光スポットを含む」という限定を省くとともに、
本件補正発明の「前記画像を処理して、前記画像内の前記濃いリングおよび光スポットの少なくとも1つを用い、・・・、前記貫通孔の少なくとも1つの最小横寸法を特定する工程」から、「前記画像内の前記濃いリングおよび光スポットの少なくとも1つを用い[る]」という限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、当該発明特定事項の一部を限定したものに相当する本件補正発明が、前記第2の3(3)、(4)において説示したとおり、引用発明並びに技術常識A及びBに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、同様の理由により、本願発明も、引用発明並びに技術常識A及びBに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明並びに技術常識A及びBに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-008419