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特許拒絶査定不服審判

2023-022060

測位方法、測位装置、測位システム

審判番号
2023-022060
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2022-510315
請求日
2023年12月26日
審決日
2025年03月07日
公報発行日
2025年05月30日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】日本電気株式会社
  • 【請求人代理人】松沼 泰史
  • 【請求人代理人】橋本 隆史
審判長/審判官
  • 審判長 中塚 直樹
  • 審判官 道祖土 新吾
  • 審判官 素川 慎司
分類
P18 .575-Z (G01B) / P18 .121-Z (G01B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2022-510315「測位方法、測位装置、測位システム」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 9月30日国際公開、WO2021/192211〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2020年(令和2年)3月27日を国際出願日とする日本語特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和4年 9月 7日 :手続補正書の提出 令和5年 6月 8日付け:拒絶理由通知書 同年 7月14日 :意見書、手続補正書の提出 同年 9月26日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同年10月 3日 :原査定の謄本の送達) 同年12月26日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和5年12月26日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和5年12月26日にされた手続補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 補正の内容 令和5年12月26日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の補正をするものであり、本件補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和5年7月14日にされた手続補正後のものをいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項1の記載は、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正された。下線は補正箇所を示す。 (1) 本件補正前 「 【請求項1】 撮影装置から移動体を撮影した画像を取得し、当該画像における前記移動体の位置を示す画像内座標を判定し、 測量装置から、実空間を移動する前記移動体の位置を示す実空間座標を取得し、 前記移動体の移動に応じた前記画像内座標と前記実空間座標との対応関係に基づいて、前記移動体の前記画像内座標を前記移動体の前記実空間座標に変換する変換規則情報を特定し、 前記変換規則情報の特定後は、前記撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の実空間座標を、当該撮影装置に対応する変換規則情報と当該撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の画像内座標とを用いて算出する 測位方法。」 (2) 本件補正後 「 【請求項1】 撮影装置から移動体を撮影した画像を取得し、当該画像における前記移動体の位置を示す画像内座標を判定し、 測量装置から、実空間を移動する前記移動体の位置を示す実空間座標を取得し、 前記移動体の移動に応じた前記画像内座標と前記実空間座標との対応関係に基づいて、前記移動体の前記画像内座標を前記移動体の前記実空間座標に変換する変換規則情報であって、前記画像内座標を前記実空間座標へ変換するための射影変換式を構成する射影変換パラメータを示す変換規則情報を複数の異なる位置に異なる撮影方向で設置された撮影装置ごとに特定し、 前記変換規則情報の特定後は、前記撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の実空間座標を、複数の撮影装置のうちの当該撮影装置に対応する変換規則情報により構成した射影変換式と当該撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の画像内座標とを用いて算出する 測位方法。」 2 補正の目的 (1) 本件補正のうち請求項1についてする補正は、次のアからウの限定をするものである。 ア 本件補正前の請求項1に記載された「撮影装置」が「複数の異なる位置に異なる撮影方向で設置された」ものであることを限定すること。 イ 本件補正前の請求項1に記載された「変換規則情報」が「前記画像内座標を前記実空間座標へ変換するための射影変換式を構成する射影変換パラメータを示す」ものであって「複数の異なる位置に異なる撮影方向で設置された撮影装置ごとに特定」されるものであることを限定すること。 ウ 本件補正前の請求項1に記載された「移動体の実空間座標」の算出において「変換規則情報」が「射影変換式」として用いられることを限定すること。 (2) そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 (3) したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。 3 独立特許要件の判断 本件補正は、前記2のとおり、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。 (1) 本件補正発明 ア 本件補正発明の認定と分説 本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。 ここで、検討の便宜上、本件補正発明の構成を次のとおり構成Xと構成Aから構成C2までに分説する。また、参考図として、本願の【図1】を符号の説明の一部記載と併せて掲載する。 <本件補正発明の分説> 【請求項1】 A 撮影装置から移動体を撮影した画像を取得し、当該画像における前記移動体の位置を示す画像内座標を判定し、 B 測量装置から、実空間を移動する前記移動体の位置を示す実空間座標を取得し、 C1 前記移動体の移動に応じた前記画像内座標と前記実空間座標との対応関係に基づいて、前記移動体の前記画像内座標を前記移動体の前記実空間座標に変換する変換規則情報であって、前記画像内座標を前記実空間座標へ変換するための射影変換式を構成する射影変換パラメータを示す変換規則情報を複数の異なる位置に異なる撮影方向で設置された撮影装置ごとに特定し、 C2 前記変換規則情報の特定後は、前記撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の実空間座標を、複数の撮影装置のうちの当該撮影装置に対応する変換規則情報により構成した射影変換式と当該撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の画像内座標とを用いて算出する X 測位方法。 <参考図> 【図1】 [図:0001422066000001.jpg] 【符号の説明】 1・・・測位装置 2・・・撮影装置 3・・・測量装置 4・・・移動体 100・・・測位システム イ 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載 本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。 (ア) 【0001】~【0011】 「 【0001】 本発明は、測位方法、測位装置、測位システムに関する。 【背景技術】 【0002】 複数の撮影装置が移動体を撮影した画像それぞれに基づいて、移動体の位置を特定することが行われている。例えば複数個所に撮影装置を設置し、異なる位置で移動体を撮影する。移動体が映る撮影画像を出力した撮影装置の位置や、撮影画像の撮影範囲等に基づいて、移動体の位置を検出することができる。 【0003】 関連する技術が特許文献1、特許文献2に開示されている。特許文献1には、撮影した位置や姿勢と被写体の三次元位置とを測定する位置測定技術において、撮影シーンの変化や撮影装置の変動による誤差を低減する技術が開示されている。特許文献2には、撮影画像において対象物体の一部が見切れても、見切れに対してロバストに物体の識別精度を向上させる技術が開示されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】特開2010-14450号公報 【特許文献2】国際公開第2019/087581号 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 ところで、撮影装置の撮影方向の光軸と、移動体が走行する走行面とのなす角度は、撮影装置が設置される位置や撮影方向に応じてそれぞれ異なる場合が多い。撮影装置の撮影方向の光軸と、移動体が走行する走行面とのなす角度の、撮影装置ごとの相違は、撮影装置の設置の方針など人為的な要因によるものではある。しかしながら、運用上、それら撮影装置の撮影方向の光軸と、移動体が走行する走行面とのなす角度を、各撮影装置について一致させることは困難である。 【0006】 ここで、異なる撮影装置の撮影した撮影画像において実空間上の位置を示す座標を特定する場合、計算で求めると特定される座標には誤差が含まれている。そのため、複数の撮影装置の画像を用いている場合には、各撮影装置で特定された座標に誤差が含まれるため、同一の対象物を撮影している場合であっても、異なる座標を示している場合がある。従って、撮影装置の出力した撮影画像の画像内座標に対応する二次元平面の実空間座標をより精度高く検知する技術が求められている。 【0007】 そこでこの発明は、上述の課題を解決する測位方法、測位装置、測位システムを提供することを目的としている。 …(中略)… 【発明の効果】 【0011】 本発明によれば、撮影装置の出力した撮影画像の画像内座標に対応する二次元平面の実空間座標をより精度高く検知することができる。」 (イ) 【0034】、【図7】 「 【0034】 図7は異なる撮影装置が生成した撮影画像に基づいて特定した実空間座標を表す第一の図である。図7は、異なる撮影装置2が生成した撮影画像に基づいて、上述の手法を用いずに、実空間座標を算出した例を示す。撮影装置2の光軸の走行面7に対する角度は撮影装置2それぞれ異なることが多い。従って撮影装置2が同じ範囲を撮影範囲に含み、撮影装置2それぞれの生成した撮影画像に基づいて、移動体4の位置を測位した場合、その測位の結果算出した実空間座標にずれが生じる。図7は撮影装置2Aと撮影装置2Bが同じ範囲を含む撮影画像を撮影した場合に、上述の手法を用いずに実空間座標を算出した場合の実空間座標の軌跡を示す。」 「【図7】 [図:0001422066000002.jpg] 」 (ウ) 【0035】、【図8】 「 【0035】 図8は異なる撮影装置が生成した撮影画像に基づいて特定した実空間座標を表す第二の図である。上述した処理に基づいて撮影装置2それぞれの射影変換パラメータに基づく射影変換式(1)を用いて、撮影装置2Aの生成した撮影画像における移動体4の画像内座標と、撮影装置2Bの生成した撮影画像における移動体4の画像内座標を、実空間座標に変換したとする。この場合図8で示すように、実空間座標はほぼ一致し移動体4の軌跡が精度高く一致する。」 「【図8】 [図:0001422066000003.jpg] 」 (エ) 【0036】 「 【0036】 上述の処理により算出した射影変換パラメータを用いる射影変換式は、測量装置3の測量した走行面7上の実空間座標を正しい情報として、各撮影装置2の撮影画像上の画像内座標を、その実空間座標に射影変換するための式である。従って、いずれの撮影装置2で生成された撮影画像の画像内座標をも、測量装置3を基準とした一つの走行面7の実空間座標に変換することができる。」 (2) 引用文献1の記載事項及び引用発明の認定 ア 引用文献1に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された文献である特開2010-236891号(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(なお、当合議体により、後記ウの引用発明の認定に用いる記載に下線を付した。)。 (ア) 特許請求の範囲 「【請求項1】 世界座標系での車両の位置座標と、時刻と、を記録して走行する車両をカメラで撮影記録するカメラ撮影手段と、 時刻情報を撮影画像の中に記録する時刻情報記録手段と、 前記カメラ撮影手段により撮影した時刻を送信する時刻送信手段と、 前記車両より送信された前記時刻における前記車両の世界座標系の位置座標を取得する取得手段と、 前記撮影手段により撮影した撮影データ内における前記車両のカメラ座標系の位置座標を求める座標算出手段と、 前記世界座標系の位置座標と、前記カメラ座標系の位置座標と、を対応づけて位置情報テーブルを作成することにより、前記カメラ座標系の位置座標を世界座標系の座標に変換して前記撮影データの座標を特定する位置情報データ作成手段と、 を有することを特徴とする路側撮影装置。 …(中略)… 【請求項9】 世界座標系での車両の位置座標と、時刻と、を記録して走行する車両をカメラで撮影記録するカメラ撮影工程と、 時刻情報を撮影画像の中に記録する時刻情報記録工程と、 前記カメラ撮影工程により撮影した時刻を送信する時刻送信工程と、 前記車両より送信された前記時刻における前記車両の世界座標系の位置座標を取得する取得工程と、 前記撮影工程により撮影した撮影データ内における前記車両のカメラ座標系の位置座標を求める座標算出工程と、 前記世界座標系の位置座標と、前記カメラ座標系の位置座標と、を対応づけて位置情報テーブルを作成する位置情報テーブル作成工程と、 前記カメラ座標系の位置座標を世界座標系の座標に変換して前記撮影データの座標を特定する位置情報データ作成工程と、 を有することを特徴とする位置座標変換方法。 (後略) 」 (イ) 段落【0001】~【0019】 「 【0001】 本発明は、道路を走行する車両の位置検出などを行うカメラ座標系と世界座標系との位置座標変換方法、車載装置、路側撮影装置及び位置座標変換システムに関する。 【背景技術】 【0002】 道路の路側に設置したカメラより車両を撮影し、そのビデオ映像に画像処理を施して車両種別やその位置、速度の自動検出を行うシステムとしては、交通流量を計測するトラヒックカウンタや、衝突事故防止などのために開発が進められているAHS、DSSSなどの安全運転支援システムが存在する(例えば非特許文献1)。このうち、特に安全運転支援システムについては、映像より測定した車両の位置や速度をもとに、TTC(Time -To-Collision:衝突余裕時間)を推定してドライバへの注意喚起や車両のブレーキ制御を行うなど、その測定には高い精度が求められている。 【0003】 カメラで撮影した映像から車両の位置、速度を正確に求めるためには、その車両が写っているカメラ座標系での各画素と、それら各画素と世界座標系(緯度/経度/高度)との関連付け(位置座標変換)が予め正確に行われている必要がある。しかしながら、特に安全運転支援システムが設置される、すなわち、事故を誘発する要因のある箇所は、例えば図1に示すようなカーブ区間など、単純な直線ではなく曲率や勾配を伴っている場合が多い。このような場合、カメラ座標系に投影される道路形状は複雑に歪み、カメラ座標系と世界座標系との正確な関連付けは容易ではない。 【0004】 そこで例えば道路の路側に交通車両を監視するカメラ等を新しく設置した場合に、最初に行われることはカメラ座標系の位置座標と世界座標系の位置座標とを正確に対応づける対応テーブル(2次元座標テーブルを3次元座標テーブルに変換したテーブル)を作成することが重要なこととなる。一般的にこの関連付けを行う方法として、以下に述べる方法が主としてあげられる。 【0005】 方法1としては、一般地図、航空写真、道路図面などにより、照明柱等、カメラ視野上にある主要な目標物の世界座標系での位置を導出する方法である。そして導出した目標物の世界座標系での位置と、撮影した画像上、すなわちカメラ座標系での位置とを比較し、両者の関連付けを行うものである。また各目標物間の座標については、補間などを行い、連続的な対応テーブルを作成するものである。 【0006】 また方法2としては、トータルステーションなど、道路測量用の機材を用い、照明柱等、カメラ視野上にある主要な目標物の世界座標系での位置を導出する方法である。それら導出した目標物の世界座標系での位置と、撮影した画像上、すなわちカメラ座標系での位置とを比較し、両者の関連付けを行うものである。各目標物間の座標については、補間などを行い、連続的な対応テーブルを作成するものである。 【0007】 また方法3としては、GPS(GlobalPositioning System)/慣性航法装置やステレオカメラ、レーザレーダなどを搭載した測量車を用い、3次元での連続した世界座標系での道路形状データ(マップデータ)を導出する方法である。照明柱等、カメラ視野上にある主要な目標物のマップデータ値と、それらを撮影した画像上、すなわちカメラ座標系での位置とを比較し、両者の関連付けを行うものである。各目標物間の座標についても、マップデータを用いることにより、補間などは行わずに連続的な対応テーブルを作成するものである。 【0008】 測量車を用いる方法ではないが、上記の方法3を応用したものとして、例えば特許文献1では、車両に搭載するカメラで進行方向前方を撮像して自車両位置の計測と道路形状の計測を行い、GPSや地図情報を参照して3次元道路モデルを求めて自車両の正確な位置を計算して、安全運転支援のための警報を発生する技術について開示されている。 【0009】 また特許文献2では、交差点に設置されたカメラで交通状況を撮像し、該撮像した映像を交差点に近づく車両に搭載した車載装置に表示させて運転者に知らせる技術について開示されている。 【0010】 また特許文献3では、車両に搭載するカメラで前方を撮像した画像を処理して道路領域を認識し、実空間における道路形状を求めて、その映像を車両に搭載した表示装置に俯瞰図として表示する技術について開示されている。 ・・・(中略)・・・ 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0013】 しかしながら、方法1においては、一般地図は誤差が大きく、また、航空写真は存在しない箇所も多く、たとえ存在しても、最新ではない場合も多い。更に道路図面は必ずしも入手できるとは限らず、また施工上の都合などにより、実際の道路形状は図面通りとはなっていない場合もある。このため、精度の高い関連付けは困難な場合が多いという問題があった。 【0014】 また方法2においては、特に高速道路などの高架上にてトータルステーションによる測量を実施するためには、通常、車線規制を行う必要がある。車線規制を伴う測量はコストがかかると共に、幹線道路では、交通流を妨げる車線規制の実施が容易ではない。例えば車線間をまたぐ測量には完全な通行止めが必要な場合もあるが、通常、幹線道路で通行を止めることは困難であるという問題があった。 【0015】 また方法3においては、測量車を用いる場合は、関連付け方法2にある車線規制の問題は生じない。しかしながら、高価な機材を多数搭載した測量車を用いるためには、通常、車線規制以上のコストが必要である。また、道路勾配の計測には高度の情報が必要であるが、測量のベースとなるGPSは高さ方向の誤差が大きいため、勾配のある箇所では精度の高い関連付けが困難であるという問題があった。 【0016】 また特許文献1においては、自車両位置の計測装置及び道路形状の計測装置が必要であるという問題がある。 【0017】 また特許文献2及び特許文献3からは、撮影した映像を用いて俯瞰図を構築しているが、実際に走行している車両位置座標を求めてはいないため、構築した俯瞰図とずれが生じてしまうという問題がある。 【0018】 このように上記で述べた各手法では、カメラの視野(カメラ座標系)と実座標(世界座標系)とを関連付ける場合に、実際にはカメラの視野に映っている撮影した画像上のカメラ座標系での位置座標と、それに対応する3次元での連続した世界座標系での位置座標(緯度/経度/高度)との対応づけ(位置座標変換)を行うために道路形状などの実測量をする必要があり、測量コストやその測量精度が課題であった。 【0019】 そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、カメラ座標系と世界座標系との精度の高い位置座標変換を行うことを目的とする。」 (ウ) 段落【0035】~【0036】、【図2】 「 【0035】 次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。 【0036】 図2は、路側撮影装置の構成を示す図である。まず、図2の路側撮影装置について、各構成要素を順に説明する。道路上の車両など映像はレンズ部1により集光され、シャッター部2を介し、受光素子部3へ入力される。受光素子部3では受光した映像をアナログ電気信号へ変換して映像データ生成部4へ出力し、映像データ生成部4では、映像のA/D変換やフレーム単位への整形処理を行い、その結果を映像データ記録部7へ出力する。さらに映像データ記録部7に記録されたデータは必要に応じて演算処理された結果を外部装置へ送受信することが可能である演算処理部(図示せず)と送受信部(図示せず)とを備えるようにしても良い。」 「【図2】 [図:0001422066000004.jpg] 」 (エ) 段落【0037】~【0038】、【図3】 「 【0037】 一方、時刻同期部5では、GPS衛星やNTPサーバなどを利用して正確な時刻同期を行い、時刻情報をシャッター制御部6へ出力する。シャッター制御部6では、入力された時刻情報をもとに、例えば0.1秒ごとなど、一定間隔でシャッターを開閉する信号を生成し、それをシャッター部2、及び映像データ記録部7へ出力する。シャッター部2では、入力された信号に基づきシャッターを開閉し、受光素子部3の露光を中断する。映像データ記録部7では、映像データ生成部4の処理結果と、シャッター制御部6のシャッター開閉信号を保存する。 【0038】 図3は、車載装置の構成を示す図である。次に、図3の車載装置について、各構成を順に説明する。位置算出/時刻同期部8は、GPS衛星や車両からの車速パルス信号などを利用して正確な現在位置と時刻を算出し、その結果を車載データ記録部9へ出力する。車載データ記録部9では、入力された現在位置と時刻の情報を保存する。さらに車載データ記録部9に記録されたデータは必要に応じて外部装置へ送受信することが可能である送受信部(図示せず)を備えるようにしても良い。」 「【図3】 [図:0001422066000005.jpg] 」 (オ) 段落【0039】~【0040】、【図4】 「 【0039】 さらに情報処理装置は(図示せず)、上記の図2の路側撮影装置に記録されたデータ及び図3の車載装置に記録されたデータを、それぞれ受け取って、演算処理を行って、カメラ座標系上での車両位置と、その時刻に対応する、世界座標系での位置との対応テーブルを作成し一連の位置座標変換処理を行うようにしても良い。なお路側撮影装置の映像データ記録部7に記録されたデータ及び車載データ記録部9に記録されたデータ取得方法は、例えば通信によるデータ送受信により行われることが望ましいが、これに限ることではなく、いかなる手段であっても構わない。 【0040】 図4は、カメラ座標系と世界座標系の関連付けのステップを示す図である。順を追ってその動作を説明する。まず、車載装置を搭載した車両を走行させ、その映像の路側撮影装置での撮影を開始(ステップS101)する。その際に、車載装置は位置算出/時刻同期部8により正確な位置と時刻を連続的に算出し、その結果を車載データ記録部9へ保存する(ステップS102)。」 「【図4】 [図:0001422066000006.jpg] 」 (カ) 段落【0041】~【0043】 「 【0041】 ステップS102の動作と平行して、路側撮影装置では映像データ生成部4の出力、すなわち車載装置を搭載した車両のビデオ映像を路側データ記録部7へ連続して保存する(ステップS103)。その際、路側撮影装置では時刻同期部5により得た正確な時間をもとに、シャッター制御部6がシャッター部2を定期的に開閉し、ステップS103で保存する映像上に正確なタイムスタンプを記録する(ステップS104)。 【0042】 次に、車載装置を搭載した車両がカメラの視野外か否かを判断し(ステップS105)、視野外でなければ撮影処理を継続し(ステップS105、NO)、視野外であれば(ステップS105、YES)、撮影処理を終了(ステップS106)してステップS107へ進む。 【0043】 次に、路側データ記録部7に保存した映像上において、記録されたタイムスタンプをもとに各映像フレームの正確な時刻を算出する(ステップS107)。続いて、各映像フレームにおけるカメラ座標系上での車両位置と、その時刻に対応する、車載データ記録部9に記録している世界座標系での位置との対応テーブルを作成し(ステップS108)、一連の関連付け処理を完了する。なお車載データ記録部9のデータ取得方法は、例えば通信によるデータ送受信により行われることが望ましいが、これに限ることではなく、いかなる手段であっても構わない。」 イ 引用文献1の記載から読み取れる事項の認定 引用文献1の段落【0035】~【0043】の記載内容と請求項9の記載内容を対比検討すると、段落【0043】における「対応テーブル」に関する記載は、請求項9に記載されている「位置情報テーブル」の具体的な態様を説明するものであると認められる。 ウ 引用発明の認定 前記イにおいて認定した事項及び前記アに摘記した引用文献1の記載事項から、引用文献1には、請求項9に係る発明の実施の形態として、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 <引用発明> 「 車載装置を搭載した車両を走行させ、その映像の路側撮影装置での撮影を開始し、その際に、車載装置は位置算出/時刻同期部8により、GPS衛星や車両からの車速パルス信号などを利用して正確な位置と時刻を連続的に算出し、その結果を車載データ記録部9へ保存し、(【0038】、【0040】) 路側撮影装置は車載装置を搭載した車両のビデオ映像を路側データ記録部7へ連続して保存し、その際、路側撮影装置では時刻同期部5により得た正確な時間をもとに、シャッター制御部6がシャッター部2を定期的に開閉し、保存する映像上に正確なタイムスタンプを記録し、(【0041】) 車載装置を搭載した車両がカメラの視野外か否かを判断し、視野外でなければ撮影処理を継続し、視野外であれば、撮影処理を終了し、(【0042】) 路側データ記録部7に保存した映像上において、記録されたタイムスタンプをもとに各映像フレームの正確な時刻を算出し、各映像フレームにおけるカメラ座標系上での車両位置と、その時刻に対応する、車載データ記録部9に記録している世界座標系での位置との対応テーブルを作成し、【0043】 前記カメラ座標系の位置座標を世界座標系の座標に変換して前記撮影データの座標を特定する位置情報データ作成工程と、(【請求項9】、前記イの認定事項) を有することを特徴とする位置座標変換方法。(【請求項9】)」 (3) 引用文献2、4の記載事項、引用文献2技術事項、周知技術1及び周知技術2の認定 ア 引用文献2に記載された事項及び技術事項の認定 (ア) 引用文献2に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された文献である特開2019-128175号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。 a 段落【0001】~【0006】 「【0001】 本発明は、トンネル壁面検査装置及びトンネル壁面検査プログラムに関する。 …(中略)… 【0006】 本発明は、トンネルの壁面の変状箇所を容易に把握することができるトンネル壁面検査装置及びトンネル壁面検査プログラムを提供することを目的とする。」 b 段落【0042】~【0045】、【図3】 「【0042】 図3に示されるように、トンネル100には、ワールド座標系(X,Y,Z)が設定されている。このトンネル100内に架台18を設置し、架台18上に架台座標系(xd,yd,zd)を設定する。また、架台18上に設置された赤外線画像取得装置10の上にカメラ座標系(xc,yc,zc)を、レーザ点群取得装置12の上にレーザスキャナ座標系(xL,yL,zL)をそれぞれ設定する。なお、ワールド座標系は、Y軸がトンネル100の長手方向に設定され、X軸がトンネル100の長手方向と直交する水平方向に設定され、Z軸がトンネル100の長手方向と直交する鉛直方向に設定されるような右手座標系によって表されている。 【0043】 以上の各座標系の間の変換行列は、上記式(1)、(2)に基づいて以下のように作成することができる。 【0044】 1.架台座標系をワールド座標系に変換する変換行列Md 【数3】 [図:0001422066000007.jpg] 上記変換行列Mdは、架台18上に設定した原点のワールド座標系における位置をトータルステーション等の機器を用いて計測し、架台18が水平でない(ワールド座標系に対して傾いている)場合には、傾斜計等を用いて角度(姿勢)を計測し、これらの計測結果を用いて、上記式(1)、(2)と同じ形の式としたものである。ここで、変換行列Mdに含まれる成分Rdは、ワールド座標系に対する架台18の傾き(姿勢)に相当する回転行列であり、また、Xd=(Xd,Yd,Zd)は、架台18上に設定した原点の、ワールド座標系における位置(平行移動成分)である。変換行列Mdによって架台座標系における点の座標値をワールド座標系における座標値に変換することができる。 【0045】 2.カメラ座標系をワールド座標系に変換する変換行列Mc 【数4】 [図:0001422066000008.jpg] 上記変換行列Mcは、内部標定要素が算出済みのカメラ(赤外線サーモグラフィカメラ)を用いて上記ワールド座標上に3点以上設置した基準点が写るように撮影し、基準点のワールド座標及び画像上でのそれらの投影位置(カメラ座標系における位置)に基づいて単写真標定処理等を行い、ワールド座標系におけるカメラの位置・姿勢(外部標定要素)を算出して上記式(1)、(2)と同じ形の式としたものである。なお、上記基準点の座標値は、トータルステーション等を用いて計測する。」 「【図3】 [図:0001422066000009.jpg] 」 (イ) 引用文献2技術事項の認定 前記(ア)に摘記した引用文献2の記載事項を総合すると、引用文献2には、次の技術事項(以下「引用文献2技術事項」という。)が記載されていると認められる。 <引用文献2技術事項> 「カメラ座標系をワールド座標系に変換する変換行列を作成するために用いる基準点のワールド座標の座標値を、トータルステーション等を用いて計測すること。」 イ 引用文献4に記載された事項及び周知技術の認定 (ア) 引用文献4に記載された事項 当審において新たに引用する、本願の出願前に発行された文献である特開2010-20729号公報(以下「引用文献4」という。)には、次の記載がある。 a 段落【0001】~【0004】 「【0001】 本発明は、車両走行軌跡観測システム、車両走行軌跡観測方法、およびそのプログラムに関する。 【背景技術】 【0002】 従来の車両走行軌跡観測装置は、複数のビデオカメラを観測区間に配置し、ビデオカメラ各々の撮像結果から得られた走行車両の軌跡を合成することで、長い観測区間の観測を可能としている(例えば、特許文献1参照)。 また、ビデオカメラと、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)、加速度計、3軸ジャイロなどの測定機器と搭載し、走行しながら周囲の走行車両の撮影と、自車両の位置および姿勢角を測定とを行い、周囲の走行車両の観測をしているものもある(例えば、特許文献2参照)。 【特許文献1】特開2003-085685号公報 【特許文献2】特開2007-148615号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、特許文献1に示す車両走行軌跡観測装置にあっては、ビデオカメラが撮影した撮影画像から走行車両の位置を算出するための座標変換式を生成するために、撮影画像中の少なくとも4つの標定点の実空間での位置を必要とするが、路面に適当な目標物が無く標定点が決められない、あるいは、標定点の実空間での位置を得るために測量を行おうとしても高速道路など人が立ち入ることができず測量ができず得られない、航空測量を行おうとしてもトンネル内である、標定点の上に橋梁があるなど観測区間の上に構造物があるために標定点の実空間での位置を得るための航空測量が行えず、座標変換式を生成できないという問題がある。 【0004】 本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、撮影画像から走行車両の位置を算出するための座標変換式を、容易に生成できる車両走行軌跡観測装置、車両走行軌跡観測方法、およびそのプログラムを提供することにある。」 b 段落【0026】~【0031】、【図2】 「【0026】 ここで、座標変換式を生成するとは、観測区間を分割した領域各々について、各領域の標定点の情報に基づき座標変換式である式(1)、(1)-1のパラメータα、β、γ、δ、b1~b8を算出することである。本実施形態における座標変換式の詳細については後述する。図2は、本実施形態における座標変換式のうちの式(1)による、追跡点の路面からの高さの補正方法を説明する図である。図2に示すように、Xc、Ycは、路側カメラ13の実空間での位置を表す座標のうちのX座標とY座標の値であり、路側カメラ位置算出部103から得られる。hは、路側カメラ13で撮影した撮影画像から車両検出部100が走行車両を検出する追跡点T(例えば、ナンバープレート)の路面からの高さであり、初期値として予め固定値を決めておき、本実施形態では、後述する座標変換部107が推定する。なお、高さhの初期値は、車種毎に予め固定値を決めておき、走行車両の車種に応じて選択した固定値を用いてもよい。図2には表れないが、x、yは、路側カメラ13による撮影画像上の走行車両などの追跡点Tの座標であり、車両検出部100から得られる。また、路側カメラ13と追跡点Tを通る直線と路面との交点である投影点PのXY座標(Xp、Yp)は、走行車両などの追跡点Tの座標路の撮影画像上の座標(x、y)を用いて、2次元射影変換式である式(1)-1により表される。 【0027】 【数1】 [図:0001422066000010.jpg] 【0028】 式(1)のパラメータα、β、γ、δは、標定点選択部102が選択した標定点H1~3を含む平面、すなわち路面を近似した平面を表す正規化された式(2)を満たす値である。座標変換式生成部104は、これらα、β、γ、δの値を、観測区間を分割した領域各々に対して標定点選択部102が選択した3つの標定点の実空間での位置を表す座標から求める。 【0029】 【数2】 [図:0001422066000011.jpg] 【0030】 さらに、撮影画像上の座標(x、y)と実空間における位置のXY座標値(Xp、Yp)との関係を表す式である式(1)-1を、x、yについて解くと式(3)が得られる。座標変換式生成部104は、この式(3)に標定点の値(撮影画像上の座標(x、y)と実空間における位置のXY座標値(Xp、Yp))を代入すると得られるb1~b8を未知数とした方程式を、最小二乗法などを用いて解き、b1~b8の値を得る。このとき、未知数は8つあるので、2つの式からなる式(3)を解くには、最少でも4つの標定点の値が必要となる。そこで、本実施形態では、座標変換式生成部104は、観測区間を分割した領域各々に対して標定点選択部102が選択した3つの標定点に加えて、隣接する領域の標定点のうち、前述の3つの標定点と一致せず、かつ、標定点選択部102が選択した3つの標定点が成す3次元平面(式(2)の平面)からのZ軸方向(鉛直方向)の差が最小の標定点の値を用いて、式(3)を解く。 【0031】 【数3】 [図:0001422066000012.jpg] 」 「【図2】 [図:0001422066000013.jpg] 」 c 段落【0043】、【図4】 「【0043】 図5は、本実施形態における車両走行軌跡観測システムの動作を説明するフローチャートである。まず、計測車両11が、GPS時計111が受信するGPS信号により同期された車載カメラ110による撮影と自車位置測定器112による測定とを行いながら観測区間を走行し、GPS時計12が受信するGPS信号により同期された路側カメラ13が、その計測車両11を撮影する(S1)。ここでは、このステップS1を観測区間にある全ての車線について行う。」 「【図4】 [図:0001422066000014.jpg] 」 d 段落【0044】~【0048】 「【0044】 次に、路側カメラ13の撮影結果を車両検出部100に入力し、自車位置測定器112の測定結果を計測車両位置算出部101に入力する。自車位置測定器112の測定結果を受けて、計測車両位置算出部101は、計測車両11の状態遷移方程式と観測方程式とに対して、拡張カルマンスムーザを適用して、各タイムコードにおける計測車両11の実空間での位置(世界座標系での座標値)と姿勢角とを算出する(S2)。 【0045】 次に、車載カメラ110の撮影結果を路側カメラ位置算出部103に入力する。路側カメラ位置算出部103は、車載カメラ110の撮影結果と、ステップS2で算出した計測車両11の位置・姿勢角とから、路側カメラ13の実空間での位置を算出する(S3)。次に、標定点選択部102は、計測車両位置算出部101が算出した各タイムコードにおける計測車両11の位置、すなわち計測車両11の走行軌跡から、標定点を選択する(S4)。このとき、標定点を頂点とする正三角形にできるだけ近い形の領域で観測区間を分割できるように標定点を選択する。 【0046】 次に、座標変換式生成部104は、路側カメラ13の位置と、観測区間を分割した領域毎に、標定点選択部102が選択した該領域の標定点の撮影画像における座標と、実空間における位置とに基づき、撮影画像中の座標から位置を算出する座標変換式を生成し、該座標変換式のパラメータを座標変換式記憶部105に記憶させる(S5)。次に、走行車両を、観測区間を走行させ、路側カメラ13が、これを撮影する(S6)。 【0047】 路側カメラ13の撮影結果を車両検出部100に入力する。車両検出部100は、撮影画像中の走行車両の座標を検出する(S7)。座標変換式選択部106は、車両検出部100から撮影画像中の走行車両の座標を受けて、該座標を含む領域の座標変換式のパラメータを座標変換式記憶部105が記憶するパラメータから選択する。続いて、車両検出部100は、読み出したパラメータの座標変換式で走行車両の座標を変換し、走行車両の実空間での位置を算出する(S8)。この走行車両の実空間での位置を繋いで、走行車両の走行軌跡を表示する。 【0048】 このように、自車位置測定器112を備えた計測車両11が、自車の位置を測定しながら観測区間を走行し、該走行を路側カメラ13が撮影することで、路側カメラ13が撮影した複数の撮影画像各々における計測車両11の座標と、計測車両11が検出した自車両の位置を表す情報であって、複数の撮影画像各々の撮影時刻の位置を表す情報とに基づき、すなわち計測車両11の走行軌跡から選択した標定点に基づき、路側カメラ13の撮影画像中の座標から位置を算出する座標変換式を、容易に生成することができる。 また、計測車両11に車載カメラ110を搭載し、計測車両11が、自車の位置と姿勢角とを測定しながら観測区間を走行し、該走行中に車載カメラ110で路側カメラ13を撮影しつつ、路側カメラ13までの距離を測定することで、路側カメラ13の位置を算出し、路側カメラ13の撮影画像から位置を算出するための座標変換式を容易に生成することができる。」 e 段落【0104】 「【0104】 なお、本実施形態において路側カメラ13は一つであるとして説明したが、複数の路側カメラ13を備え、各路側カメラ13について観測区間を分割した領域毎に座標変換式を生成し、これらの座標変換式を用いて算出した走行車両の走行軌跡を合成するようにしてもよい。」 (イ) 周知技術1の認定 引用文献4(前記(ア)bに摘記した事項を参照)に例示されるように、次の技術事項は当業者にとって周知のものであったと認められる(以下「周知技術1」という。)。 <周知技術1> 「異なる座標系の間で座標変換を行う場合に、射影変換式を用いること。」 (ウ) 周知技術2の認定 引用文献4(前記(ア)a及びeに摘記した事項を参照)に例示されるように、次の技術事項は当業者にとって周知のものであったと認められる(以下「周知技術2」という。)。 <周知技術2> 「長い観測区間の観測を可能とするために移動体を撮影するカメラを複数設けること。」 (4) 本件補正発明と引用発明の対比 ア 対比分析 本件補正発明と引用発明を対比する。 (ア) 構成Xの観点(測位方法) 引用発明は、「位置上方データ作成工程」において世界座標系での車両の位置座標を特定しており、車両という移動体の位置を測定する「測位方法」の発明であるといえる。 したがって、本件補正発明と引用発明は「測位方法」の発明である点において一致する。 (イ) 構成Aの観点 a 構成Aは、「撮影装置から移動体を撮影した画像を取得し、当該画像における前記移動体の位置を示す画像内座標を判定」することである。 b 引用発明の「車両」、「路側撮影装置」、「カメラ座標系」の「位置座標」及び「映像フレーム」は、本件補正発明の「移動体」、「撮影装置」、「画像内座標」及び「画像」にそれぞれ相当する。そして、引用発明の「映像フレーム」は「路側撮影装置」によって撮影された「車両のビデオ映像」から得られるものであるから、本件補正発明と引用発明とは「撮影装置から移動体を撮影した画像を取得」する点で共通する。 さらに、引用発明は「対応テーブル」を作成するために「各映像フレームにおけるカメラ座標系上での車両位置」を用いるのであるから、本件補正発明と引用発明とは「当該画像における前記移動体の位置を示す画像内座標を判定」する点で共通するものといえる。 c してみれば、本件補正発明と引用発明とは、「撮影装置から移動体を撮影した画像を取得し、当該画像における前記移動体の位置を示す画像内座標を判定」する点で一致する。 (ウ) 構成Bの観点 a 構成Bは「測量装置から、実空間を移動する前記移動体の位置を示す実空間座標を取得」することである。 b 引用発明の「世界座標」は本件補正発明の「実空間座標」に相当する。また、引用発明のにおいては、「走行」する「車両」の「正確な位置と時刻を連続的に算出し、その結果を車載データ記録部9へ保存」されており、このことは本件補正発明において「実空間を移動する前記移動体の位置を示す実空間座標を取得」することに相当する。 c 上記a、bを踏まえると、本件補正発明と引用発明は、構成Bの観点に関して、次の(a)に示す構成Bの観点での一致点において共通し、(b)に示す構成Bの観点での一応の相違点において一応相違する。 (a) 構成Bの観点での一致点 「実空間を移動する前記移動体の位置を示す実空間座標を取得」する点。 (b) 構成Bの観点での一応の相違点 「実空間を移動する前記移動体の位置を示す実空間座標を取得」するにあたり、本件補正発明は「測量装置」から取得するのに対し、引用発明は「車載装置」が行う点。 (エ) 構成C1及びC2の観点(座標変換の観点) a 構成C1について (a) 構成C1は「前記移動体の移動に応じた前記画像内座標と前記実空間座標との対応関係に基づいて、前記移動体の前記画像内座標を前記移動体の前記実空間座標に変換する変換規則情報であって、前記画像内座標を前記実空間座標へ変換するための射影変換式を構成する射影変換パラメータを示す変換規則情報を複数の異なる位置に異なる撮影方向で設置された撮影装置ごとに特定」することである。 (b) 構成C1のうち「異なる撮影方向で設置された撮影装置」との記載は、請求人が審判請求書において補正の根拠とする段落【0020】、【0027】~【0029】を含む本件明細書の全記載をみても存在しないが、段落【0005】の「撮影装置の撮影方向の光軸と、移動体が走行する走行面とのなす角度は、撮影装置が設置される位置や撮影方向に応じてそれぞれ異なる場合が多い」との記載や、本件発明の測位システムを示す図1の記載からみて、前記記載は、撮影装置から移動体を撮影する場合の撮影方向と移動体が走行する走行面とのなす角が撮影装置ごとに異なることを意味しているものと解される。 (c) 引用発明は、「車両を走行させ」、「車両がカメラの視野外か否かを判断し、視野外でなければ撮影処理を継続し、視野外であれば撮影処理を終了」するのであるから、カメラの視野内における「車両」の移動に応じて撮影処理が行われ、当該移動に応じた車両の「カメラ座標系上での位置」の判定や「世界座標系での位置」の取得が行われているものと認められる。 また、引用発明は「カメラ座標系での車両の位置」と「世界座標系での位置との対応テーブルを作成し」ているから、構成C1の「前記画像内座標と前記実空間座標との対応関係に基づいて、前記移動体の前記画像内座標を前記移動体の前記実空間座標に変換する変換規則情報」を「特定」しているとの要件を満たすものと認められる。 一方、引用発明の「路側撮影装置」は複数存在することは特定されておらず、また、変換規則情報として「射影変換式を構成する射影変換パラメータを示す」ものではなく「対応テーブル」を用いている。 (d) したがって、本件補正発明と引用発明は、構成C1の観点に関して、次のiに示す構成C1の観点での一致点において共通し、iiに示す構成C1の観点での相違点において相違する。 i 構成C1の観点での一致点 「前記移動体の移動に応じた前記画像内座標と前記実空間座標との対応関係に基づいて、前記移動体の前記画像内座標を前記移動体の前記実空間座標に変換する変換規則情報」を特定する点。 ii 構成C1の観点での相違点 移動体の移動に応じた画像内座標と実空間座標との対応関係に基づいて特定される変換規則情報が、 本件補正発明では「前記画像内座標を前記実空間座標へ変換するための射影変換式を構成する射影変換パラメータを示す変換規則情報を複数の異なる位置に異なる撮影方向で設置された撮影装置ごとに特定」されるものであるのに対し、 引用発明は、路側撮影装置が複数存在することは特定されておらず、交換規則情報が「カメラ座標系上での車両位置」と「世界座標系での位置との対応テーブル」である点。 b 構成C2の観点 (a) 構成C2は「前記変換規則情報の特定後は、前記撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の実空間座標を、複数の撮影装置のうちの当該撮影装置に対応する変換規則情報により構成した射影変換式と当該撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の画像内座標とを用いて算出する」ことである。 (b) 引用発明において、「位置情報データ作成工程」は「対応テーブル」の作成後に行われる工程であるから、同工程が「対応テーブル」を用いて行われることは明らかである。そうすると、引用発明は対応テーブルを用いて、「カメラ座標系上での位置座標を、世界座標系での座標に変換して前記撮影データの座標を特定する」のであるから、本件補正発明と引用発明は「前記撮像装置から取得した画像に写る前記移動体の実空間座標を」「変換規則情報」と「当該撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の画像内座標とを用いて算出する」点で共通する。 (c) したがって、本件補正発明と引用発明は、構成C2の観点に関して、次のiに示す構成C2の観点での一致点において共通し、iiに示す構成C2の観点での相違点において相違する。 i 構成C2の観点での一致点 「前記変換規則情報の特定後は、前記撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の実空間座標を、変換規則情報と当該撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の画像内座標とを用いて算出する」点。 ii 構成C2の観点での相違点 移動体の実空間座標を算出するにあたり、 本件補正発明は「複数の撮影装置のうちの当該撮影装置に対応する変換規則情報により構成した射影変換式」を用いるのに対し、 引用発明は、路側撮影装置が複数存在することは特定されておらず、(1つの)路側撮影装置に対応した「対応テーブル」を用いる点。 c 上記a、bの構成C1及びC2の分析結果をまとめると、本件補正発明と引用発明は、構成C1及びC2の観点に関して、次の(a)に示す構成C1及びC2の観点での一致点において共通し、(b)に示す構成C1及びC2の観点での相違点において相違する。 (a) 構成C1及びC2の観点での一致点 「前記移動体の移動に応じた前記画像内座標と前記実空間座標との対応関係に基づいて、前記移動体の前記画像内座標を前記移動体の前記実空間座標に変換する変換規則情報」を「特定し、前記変換規則情報の特定後は、前記撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の実空間座標を、変換規則情報と当該撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の画像内座標とを用いて算出する」点。 (b) 構成C1及びC2の観点での相違点 移動体の実空間座標を算出するにあたり、 本件補正発明は、「前記画像内座標を前記実空間座標へ変換するための射影変換式を構成する射影変換パラメータを示す変換規則情報を複数の異なる位置に異なる撮影方向で設置された撮影装置ごとに特定し、前記変換規則情報の特定後は、前記撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の実空間座標を、複数の撮影装置のうちの当該撮影装置に対応する変換規則情報により構成した射影変換式と当該撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の画像内座標とを用い」るのに対し、 引用発明は、路側撮影装置が複数存在することは特定されておらず、交換規則情報が「カメラ座標系上での車両位置」と「世界座標系での位置との対応テーブル」であって、前記算出にあたっては、(1つの)路側撮影装置に対応した前記「テーブル」を用いる点。 イ 一致点及び相違点 前記アの対比分析の結果をまとめると、本件補正発明と引用発明の一致点並びに相違点及び一応の相違点は、それぞれ次の(ア)及び(イ)に示すとおりである。 (ア) 一致点 「 撮影装置から移動体を撮影した画像を取得し、当該画像における前記移動体の位置を示す画像内座標を判定し、 実空間を移動する前記移動体の位置を示す実空間座標を取得し、 前記移動体の移動に応じた前記画像内座標と前記実空間座標との対応関係に基づいて、前記移動体の前記画像内座標を前記移動体の前記実空間座標に変換する変換規則情報を特定し、 前記変換規則情報の特定後は、前記撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の実空間座標を、当該撮影装置に対応する変換規則情報と当該撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の画像内座標とを用いて算出する 測位方法」である点。 (イ) 相違点 a 相違点1(座標変換に関する相違点) 移動体の実空間座標を算出するにあたり、 本件補正発明は、「前記画像内座標を前記実空間座標へ変換するための射影変換式を構成する射影変換パラメータを示す変換規則情報を複数の異なる位置に異なる撮影方向で設置された撮影装置ごとに特定し、前記変換規則情報の特定後は、前記撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の実空間座標を、複数の撮影装置のうちの当該撮影装置に対応する変換規則情報により構成した射影変換式と当該撮影装置から取得した画像に写る前記移動体の画像内座標とを用い」るのに対し、 引用発明は、路側撮影装置が複数存在することは特定されておらず、交換規則情報が「カメラ座標系上での車両位置[と]」「世界座標系での位置との対応テーブル」であって、前記算出にあたっては、(1つの)路側撮影装置に対応した前記「テーブル」を用いる点。 b 一応の相違点2(測量装置に関する相違点) 「実空間を移動する前記移動体の位置を示す実空間座標を取得」するにあたり、 本件補正発明は「測量装置」から取得するのに対し、 引用発明は「車載装置」が行う点。 (5) 判断 ア 相違点1について (ア) 上記(3)イ(イ)で検討したとおり、「異なる座標系の間で座標変換を行う場合に、射影変換式を用いること。」(前記周知技術1)は当業者にとって周知の技術事項である。 そして、カメラ座標系から世界座標系への座標変換を射影変換式を用いて行う場合に、射影変換式の射影変換パラメータを特定する必要があることは明らかである。すなわち、周知技術1を適用する際には、特定される変換規則情報が、カメラ座標系から世界座標系へ変換するための射影変換式を構成する射影変換パラメータを示すものとなることは当然である (イ) そして、上記(3)イ(ウ)で検討したとおり、「長い観測区間の観測を可能とするために移動体を撮影するカメラを複数設けること」(前記周知技術2)は当業者にとって周知の技術事項であり、引用発明も「長い観測区間を可能とする」という課題を当然に内在しているものと認められる。 ここで、路側撮影装置を複数設ける場合には、当該複数の路側撮影装置は当然に「複数の異なる位置」に設置されるものと認められ、その際には、本件補正発明と同様に、路側撮影装置から車両を撮影する場合の撮影方向と車両が走行する走行面とのなす角は複数の路側撮影装置ごとに異なるものと認められる。そして、路側撮影装置が複数設置される場合、それぞれの路側撮影装置ごとに異なる「カメラ座標系」が存在するのであるから、それぞれの「路側撮影装置」ごとに変換規則情報を特定する必要があることは明らかである。さらに、車両のカメラ座標系での座標から世界座標系での座標を得るにあたっては、前記カメラ座標系を構成する「路側撮影装置」に対応した変換規則情報より構成した射影変換式を用いなければならないこともまた、明らかであるといえる。 (ウ) してみれば、引用発明に周知技術1及び周知技術2を適用し、相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到できたことである。 イ 一応の相違点2について (ア) 引用発明の「車載装置」は、「GPS衛星や車両からの車速パルス信号などを利用して」車両の「世界座標系での位置」を特定するのであるから、車両位置の「測量」を行っているものといえる。してみれば、引用発明の「車載装置」は、本件補正発明の「測量装置」に相当するから、当該相違点2は実質的な相違点ではない。 (イ) また仮に相違点であるとしても、以下のような理由から、相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 a 引用文献2には「カメラ座標系とワールド座標系に変換する変換行列を作成するために用いる基準点のワールド座標の座標値を、トータルステーション等を用いて計測すること。」(引用文献2技術事項)が記載されており、引用文献2技術事項の「ワールド座標」及び「トータルステーション」は、本件補正発明の「実空間座標」及び「測量装置」に相当するものと認められる。 b そして、引用発明の「車載装置」と引用文献2技術事項の「トータルステーション」は、物体の実空間座標における位置を取得するとの点で作用、機能が共通するところ、引用発明の「車載装置」に代えて引用文献2記載技術の「トータルステーション」を使用することとして、相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 (ウ) してみれば、一応の相違点2は実質的な相違点ではないか、又は、相違点2に係る本件補正発明の構成は、引用発明及び引用文献2技術事項から当業者が容易に想到し得たものである。 ウ 総合評価 前記ア、イにおいて検討したとおり、引用発明において前記相違点1及び一応の相違点2に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、引用発明、引用文献2記載技術、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。 そして、相違点1及び一応の相違点2を総合的に勘案しても、本件補正発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。 したがって、本件補正発明は、引用発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて、又は引用発明、引用文献2技術事項、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 エ 請求人の主張について (ア) 請求人の主張の内容 請求人は、概略、本件補正発明はテーブルを用いずに射影変換式により画像における移動体の実空間座標を算出できるため、実空間に対応する平面における移動体の位置を示す情報を生成して表示する処理を高速に行うことができる旨主張している。 (イ) 請求人の主張についての検討 上記主張について検討するに、そもそも本願明細書の発明の詳細な説明には上記効果の開示が認められない。また、テーブルを用いるよりも射影変換式による関数計算を行った方が結果を早く算出できるという技術常識の存在も認められない。また仮に、そのような技術常識が存在し、本件補正発明が請求人の主張するような効果を奏するものだとしても、結果を早く算出できるとの効果は射影変換式を利用する上記周知技術2自体が既に有していることとなるから、請求人が主張する効果は、引用発明に当該周知技術2を適用した結果当然得られる効果にすぎないものと認められる。 オ 独立特許要件の判断のまとめ 以上検討のとおり、本願補正発明は、引用発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて、又は引用発明、引用文献2技術事項、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合しない。 4 本件補正の却下の決定の理由のむすび 前記3(5)オのとおり、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明について 本件補正は、前記第2のとおり却下したので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1(前記第2の1(1)参照)に記載された事項により特定されるとおりのものである。 2 原査定における拒絶の理由の概要 原査定の本願発明に対する拒絶の理由のうち理由4(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。 理由4(進歩性の欠如) 本願発明は、出願前に発行された下記の引用文献に記載された発明に基づいて、出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1.特開2010-236891号公報(主たる引用文献) 引用文献2.特開2019-128175号公報 3 各引用文献に記載された事項及び引用発明の認定等 引用文献1、2に記載された事項並びに引用発明、引用文献2技術事項、周知技術1及び周知技術2は、前記第2の3(2)ア、(3)ア(ア)並びに(2)ウ、(3)ア(イ)、(3)イ(イ)及び(3)イ(ウ)において示したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の2において検討したとおり、本件補正発明から「撮像装置」が「複数の異なる位置に異なる撮影方向で設置された」ものであること、「変換規則情報」が「前記画像内座標を前記実空間座標へ変換するための射影変換式を構成する射影変換パラメータを示す」ものであって「複数の異なる位置に異なる撮影方向で設置された撮影装置ごとに特定」されるものであること、及び「移動体の実空間座標」の算出において「変換規則情報」が「射影変換式」として用いられること、の限定を省いたものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、その発明特定事項の一部を限定したものに相当する本件補正発明が、前記第2の3(5)において説示したとおり、引用発明、引用文献2技術事項、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により引用発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて、又は引用発明、引用文献2技術事項、周知技術1及び周知技術2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-022060

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