特許拒絶査定不服審判
2023-005328
情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
- 審判番号
- 2023-005328
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-556148
- 請求日
- 2023年04月04日
- 審決日
- 2024年03月21日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】日本電気株式会社
- 【請求人代理人】岡部 讓
- 【請求人代理人】吉澤 弘司
- 【請求人】NECプラットフォームズ株式会社
- 【請求人代理人】岡部 讓
- 【請求人代理人】吉澤 弘司
- 審判長/審判官
- 審判長 岡田 吉美
- 審判官 濱本 禎広
- 審判官 佐藤 久則
- 分類
- P18 .571-Z (G01B) / P18 .572-Z (G01B) / P18 .573-Z (G01B) / P18 .574-Z (G01B) / P18 .575-Z (G01B) / P18 .113-Z (G01B) / P18 .121-Z (G01B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-556148「情報処理システム、情報処理方法及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 5月22日国際公開、WO2020/100956〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2019年(令和元年)11月13日を国際出願日とする日本語特許出願であって(優先権主張 平成30年11月14日)、その手続の経緯の概略は、以下のとおりである。なお、平成30年11月14日を以下「優先日」という。
令和3年 4月15日 :手続補正書の提出
令和4年 4月12日付け:拒絶理由通知書
同年 6月 8日 :意見書、手続補正書の提出
同年 9月21日付け:拒絶理由通知書(最後)
同年11月21日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年 1月25日付け:補正の却下の決定
同日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同年 2月 2日 :原査定の謄本の送達)
同年 4月 4日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和5年4月4日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和5年4月4日にされた手続補正を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 補正の内容
令和5年4月4日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲について補正するものであり、この補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和4年6月8日にされた手続補正後をいう。)の請求項1が、後記の(2)に示す本件補正後の請求項1に補正された。下線は、補正箇所を示す。
(1) 本件補正前の請求項1
「【請求項1】
荷物の3次元の寸法を測定する寸法測定部と、
前記3次元の寸法の測定の際に前記寸法測定部により前記荷物から読み取られて出力された信号に基づき、前記荷物の識別情報を取得する識別情報取得部と
を有する情報処理システム。」
(2) 本件補正後の請求項1
「【請求項1】
荷物の3次元の寸法を測定する寸法測定部と、
前記3次元の寸法の測定の際に前記寸法測定部により前記荷物から読み取られて出力された信号に基づき、前記荷物が車両の前記荷室に積載すべき正しい荷物であるか否かを判定するための前記荷物の識別情報を取得する識別情報取得部と
を有する情報処理システム。」
2 補正の目的
(1) 本件補正による補正事項
本件補正は、本件補正前の「荷物の識別情報」という語句を「前記荷物が車両の前記荷室に積載すべき正しい荷物であるか否かを判定するための前記荷物の識別情報」に変更するものである。
(2) 特許請求の範囲の減縮に該当しないことについて
上記(1)の補正事項が、特許請求の範囲の減縮に該当しないことについて、以下、本願の明細書の発明の詳細な説明を参酌しつつ検討する。
ア 「荷物の識別情報」に係る明細書の発明の詳細な説明の記載
本願明細書の発明の詳細な説明においては、「前記荷物が車両の前記荷室に積載すべき正しい荷物であるか否かを判定するための荷物の識別情報」について、以下の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。
「【0054】
荷物Gがゲート装置103の通過を開始したと判定すると(ステップS102、YES)、制御部220は、測距装置100T、100L、100Rを制御して測距装置100T、100L、100Rに距離分布情報を取得させる(ステップS104)。これにより、制御部220は、測距装置100T、100L、100Rに荷物Gの3次元の寸法を測定させる。
【0055】
また、制御部220は、測距装置100T、100L、100Rのいずれかを制御して測距装置100T、100L、100Rのいずれかに荷物Gに表示されたコードシンボルを読み取らせる(ステップS106)。距離分布情報の取得とコードシンボルの読み取りとは並行して実行することができるため、高い作業効率を実現することができる。
【0056】
荷物Gは、測距装置100T、100L、100Rにより3次元の寸法及び識別情報が取得されつつゲート装置103を通過して荷室42に積載される。
【0057】
次いで、体積計算部232は、測距装置100T、100L、100Rにより取得された距離分布情報及びゲート装置103のサイズに関するサイズ情報に基づき、ゲート装置103を通過する荷物Gの体積を計算する(ステップS108)。すなわち、体積計算部232は、測距装置100T、100L、100Rにより取得された荷物Gの3次元の寸法に基づき、ゲート装置103を通過する荷物Gの体積を計算する。
【0058】
また、識別情報取得部234は、荷物Gのコードシンボルを読み取った測距装置100T、100L、100Rのいずれかから出力された読み取り信号に基づき、荷物Gの識別情報を取得する(ステップS110)。
【0059】
次いで、制御部220は、ゲート装置103を通過して荷室42に積載された荷物Gに関する情報である荷物情報をネットワークNWを介して管理サーバ30に送信する(ステップS112)。荷物情報は、識別情報取得部234により取得された荷物Gの識別情報と、体積計算部232により計算された体積とを少なくとも含んでいる。荷物情報は、これらのほか、積載を完了した時刻、車両40が出発する予定時刻等に関する他の情報を含むこともできる。
【0060】
管理サーバ30の制御部32は、ゲートシステム2の制御装置200から荷物情報を受信すると、受信した荷物情報に含まれる識別情報と、管理DB34aに登録された荷物Gの識別情報とを照合する(ステップS114)。管理DB34aには、当該車両40に積載すべき荷物Gの識別情報、出荷元情報、出荷先情報、輸送日時その他の情報が登録されている。
【0061】
制御部32は、識別情報の照合の結果に基づき、当該荷物Gが当該車両40の荷室42に積載すべき正しい荷物であるか否かを判定する(ステップS116)。制御部32は、荷物情報に含まれる識別情報と管理DB34aの識別情報とが一致すれば、当該荷物Gは当該車両40の荷室42に積載すべき正しい荷物であると判定する。一致しなければ、制御部32は、当該荷物Gは当該車両40の荷室42に積載すべき正しい荷物でない、すなわち、積載すべきでない誤った荷物であると判定する。」
イ 発明の詳細な説明の記載を参酌しての検討
(ア) 前記アの発明の詳細な説明の記載から、荷物が車両の荷室に積載すべき正しい荷物であるか否かは、管理サーバ30の制御部32において判定されているところ、当該判定は、荷物の識別情報と管理DB34aに登録された車両40に積載すべき荷物Gの識別情報とを照合することによって行われていることが読み取れる。
(イ) そうすると、「前記荷物が車両の前記荷室に積載すべき正しい荷物であるか否かを判定するための前記荷物の識別情報」とは、管理DB34aに登録された車両40に積載すべき荷物Gの識別情報と照合することが可能な情報であれば足りるのであって、すなわち、「荷物の識別情報」であればよいことは明らかである。
(ウ) したがって、本件補正により「荷物の識別情報」を「前記荷物が車両の前記荷室に積載すべき正しい荷物であるか否かを判定するための前記荷物の識別情報」に変更しても、これらの語句の意味に変わりはないから、当該補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものには該当しない。
(3) その他の補正の目的要件にも該当しないことについて
また、前記(1)の補正事項が、請求項の削除、誤記の訂正又は明瞭でない記載の釈明を目的とするものでないことも明らかである。
(4) 目的外補正の違法性についてのまとめ
以上検討のとおり、本件補正により特許請求の範囲についてする補正は、特許法17条の2第5項各号のいずれを目的とするものに該当しない。
よって、本件補正は、特許法17条の2第5項の規定に違反するものであるから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。
3 独立特許要件の判断
前記2(2)において検討したとおり、本件補正は、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しないものであるところ、仮に本件補正が特許請求の範囲を減縮とするものに該当したとしても、以下に検討するとおり、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)は特許出願の際独立して特許を受けることができないものであり、本件補正は同法17条の2第6項で準用する同法126条7項の規定(独立特許要件違反)に違反し、同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものであるから、本件補正が却下されるべきとの結論に変わりはない。
(1) 本件補正発明
本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。
(2) 各引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定
ア 引用文献1に記載された事項と引用発明の認定
(ア) 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に発行された文献である特開2007-102262号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。下線は当合議体により付したものであり、以下同様である。
a 【0001】~【0032】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物のサイズと重量に基づいて運送料金を算出する運送料金算出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から郵便や宅配便等を用いた荷物の輸送が一般的に行われている。郵便や宅配便等で荷物の輸送を依頼する場合、郵便局や宅配便取扱所に備え付けの輸送袋や輸送箱を用いることが可能で、その輸送袋や輸送箱等のサイズで規定される運送料金を適用することができる。しかし、定形外の荷物を輸送する場合には、荷物のサイズを測定し、そのサイズに応じた運送料金を適用する必要がある。
【0003】
通常、荷物のサイズは、メジャー等を用いて、縦横高さ等を人手により測り、基準表等を参照するなどして、例えば、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ等を決定し、その料金等を決めていた。しかし、このような作業は煩雑であり、また測定者によるばらつきや、測定の度のばらつき等が多く信頼性もあまり高くなかった。
【0004】
そこで、読み取った荷物の画像に画像処理を施して、荷物の大きさおよび重さを測定し運送料金を算出する情報読取装置が案出されている。この情報読取装置には、荷物、および荷物に貼付される表示媒体の画像を取り込むカメラが設けられており、表示媒体に印刷されているバーコードの一辺の長さを基準として表示媒体の大きさを測定し、さらに表示媒体の大きさから荷物の大きさを測定するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003-303222号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、コンビニエンスストア等に持ち込まれる個人の荷物は直方体型に限らず、例えば、袋に入れただけの荷物が持ち込まれたり、袋にすら入れないで持ち込まれたりする場合がある。
【0006】
上述した情報読取装置においては、表示媒体に印刷されているバーコードの一辺の長さを基準として荷物の大きさを測定するため、直方体でない荷物の大きさを測定することができず、直方体でない荷物の運送料金を算出することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、直方体でない荷物の運送料金を算出することができる運送料金算出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の運送料金算出装置は、非直方体を含む荷物のサイズを測定するサイズ測定手段と、前記荷物の重量を測定する重量測定手段と、前記サイズ測定手段によって測定された前記荷物のサイズと、前記重量測定手段によって測定された前記荷物の重量とに基づいて前記荷物の運送料金を算出する算出手段とを備えた構成を有している。
【0009】
この構成により、非直方体を含む荷物のサイズを測定するため、直方体でない荷物の運送料金を算出することができる。
・・・(中略)・・・
【0018】
また、本発明の運送料金算出装置は、前記撮像手段が、前記荷物に貼付された伝票を撮像し、前記サイズ測定手段が、前記撮像手段によって撮像されて得られた画像に基づいて前記荷物の送付先を決定する送付先決定手段を有し、前記算出手段が、前記サイズ測定手段によって測定された前記荷物のサイズと、前記重量測定手段によって測定された前記荷物の重量と、前記送付先決定手段によって決定された前記荷物の送付先とに基づいて前記荷物の運送料金を算出する構成を有している。
【0019】
この構成により、荷物に貼付された伝票が撮像されて得られた画像に基づいて荷物の送付先が決定されるため、荷物の運送料金を算出する際に荷物の送付先を入力する時間を削減することができる。
・・・(中略)・・・
【発明の効果】
【0032】
以上のように本発明は、直方体でない荷物の運送料金を算出することができるという効果を有する運送料金算出装置を提供するものである。」
b 【0033】~【0039】、【図1】
「【0033】
以下、本発明の実施形態における運送料金算出装置について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における運送料金算出装置を示す全体構成図である。また、図2は、本発明の第1の実施の形態における重量測定装置を示す斜視図である。
【0034】
図1および図2に示すように、運送料金算出装置1は、三次元測定装置2、重量測定装置3、処理装置4を有して構成されている。
【0035】
三次元測定装置2は、非直方体の荷物5の三次元形状を表す三次元形状データを取得する。なお、三次元測定装置2は、レーザスキャン方式の三次元形状計測器によって構成されている。また、三次元測定装置2は、ステレオ式や光切断方式等の三次元形状計測器で構成されていてもよい。
【0036】
重量測定装置3は、荷物載置部23に載置された荷物5の重量を測定し、その重量を重量表示部22に表示する。また、荷物載置部23の下方には回転駆動部21が設けられており、この回転駆動部21は、荷物載置部23および重量表示部22を回転させる。ここで、回転駆動部21は、手動で回転する機構もあるが、本実施形態では、後述する処理装置4の制御部11によって回転するものとする。
【0037】
なお、荷物5の重量を測定する重量測定機構は一般に用いられているものを使用し、本実施形態では、回転駆動部21の中に重量測定機構が存在するものとする。また、三次元測定装置2と重量測定装置3との相対位置は固定してあるものとする。
【0038】
また、特徴点24は、平坦な荷物載置部23に対して、凹凸等の特徴的な形状を持つもので、互いの位置関係等を用いて三次元データを解析することによりそれぞれの特徴点を一意に特定できる。
【0039】
処理装置4は、制御部11、データ処理部12、スタートボタン13、計測モード切替スイッチ14、表示部15を有して構成されている。」
「【図1】
[図:0001410923000001.jpg]
」
c 【0087】~【0096】、【図10】
「【0087】
(前略)
(第2の実施の形態)
図10は、本発明の第2の実施の形態における重量測定装置の平面図である。また、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して、その説明を省略する。なお、本実施の形態では、三次元測定装置2として画像ベースで測定を行う測定装置を用いて、定型荷物サイズを測定する場合について説明する。
【0088】
図10に示すように、荷物載置部23には、荷物5の載置場所を指示するための載置位置指示部25が設けられている。特徴点24は、荷物載置部23の同一平面上に存在することと、色、形や特徴点同士の位置関係を用いることにより、画像データから一意に特徴点の三次元座標を算出できる点である。また、特徴点24は、第1の実施の形態と同様、複数方向から荷物を撮影したときの、三次元測定装置2の移動量を測定する際に使用される。
【0089】
以上のように構成された運送料金算出装置1について、その動作概略を説明する。
【0090】
まず、載置位置指示部25の直角部分に直方体の荷物5の直角部をあてがうように荷物が配置された後に、三次元測定装置2は、荷物5、重量表示部22、荷物5に貼付された伝票、および特徴点24の画像を撮像する。ここで、荷物5の直角部を載置位置指示部25の直角部分にあてがうように配置させるのは、直方体の角が撮像できないように配置されてしまうことを避けることが目的である。
【0091】
データ処理部12は、三次元測定装置2によって撮像されて得られた特徴点24の画像から特徴点24の三次元位置を抽出する。
【0092】
次に、データ処理部12は、抽出した特徴点24の三次元位置と、三次元測定装置2によって撮像されて得られた荷物5の画像に基づいて、荷物5の3辺の長さ、すなわち荷物5のサイズを測定する。
【0093】
そして、データ処理部12は、三次元測定装置2によって撮像されて得られた重量表示部22の画像に基づいて荷物5の重量を決定し、荷物5のサイズと重量に基づいて荷物5の荷物タイプを決定する。
【0094】
そして、データ処理部12は、三次元測定装置2によって撮像されて得られた伝票の画像に基づいて荷物5の送付先を決定する。
【0095】
そして、データ処理部12は、荷物5の荷物タイプ、送付先、予め設定してある送付元に基づいて荷物5の運送料金を算出し、表示部15は、データ処理部12によって算出された運送料金を表示する。
【0096】
以上のように本発明の第2の実施の形態の運送料金算出装置1によれば、表示された荷物5の重量が撮像されて得られた画像に基づいて荷物5の重量を決定するため、荷物5の重量を重量測定装置3からデータ処理部12に転送することが不要となる。また、荷物5に貼付された伝票が撮像されて得られた画像に基づいて荷物5の送付先を決定するため、荷物5の運送料金を算出する際に荷物5の送付先を入力する時間を削減することができる。」
「【図10】
[図:0001410923000002.jpg]
」
(イ) 引用発明の認定
a 引用文献1の【0087】には、「本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して、その説明を省略する。」と記載されているから、段落【0087】~【0096】において説明された第2の実施形態における、「運送料金算出装置1」、「三次元測定装置2」、「重量測定装置3」及び「処理装置4(データ処理部12)」の構成のうち、段落【0087】~【0096】において説明がない構成は、【0033】から【0087】において説明された第1の実施形態と同様の構成であることが読み取れる。
b 前記(ア)の記載事項及び前記aの認定事項を総合すると、引用文献1には、第2の実施形態に係る次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、認定の根拠となる引用文献1の記載箇所の段落番号等を括弧内に示した。
<引用発明>
「三次元測定装置2、重量測定装置3、処理装置4を有して構成されている運送料金算出装置1であって、(【0034】、前記aの認定事項)
三次元測定装置2は、非直方体の荷物5の三次元形状を表す三次元形状データを取得し、(【0035】、前記aの認定事項)
処理装置4は、制御部11、データ処理部12、スタートボタン13、計測モード切替スイッチ14、表示部15を有して構成されており、(【0039】、前記aの認定事項)
三次元測定装置2は、荷物5、重量表示部22、荷物5に貼付された伝票、および特徴点24の画像を撮像し、(【0090】)
データ処理部12は、三次元測定装置2によって撮像されて得られた特徴点24の画像から特徴点24の三次元位置を抽出し、(【0091】)
データ処理部12は、抽出した特徴点24の三次元位置と、三次元測定装置2によって撮像されて得られた荷物5の画像に基づいて、荷物5の3辺の長さ、すなわち荷物5のサイズを測定し、(【0092】)
データ処理部12は、三次元測定装置2によって撮像されて得られた重量表示部22の画像に基づいて荷物5の重量を決定し、荷物5のサイズと重量に基づいて荷物5の荷物タイプを決定し、(【0093】)
データ処理部12は、三次元測定装置2によって撮像されて得られた伝票の画像に基づいて荷物5の送付先を決定し、(【0094】)
データ処理部12は、荷物5の荷物タイプ、送付先、予め設定してある送付元に基づいて荷物5の運送料金を算出し、表示部15は、データ処理部12によって算出された運送料金を表示する、(【0095】)
運送料金算出装置1。」
イ 引用文献2に記載された事項
(ア) 引用文献2に記載された事項
前記引用文献1が従来の技術として引用する特開2003-303222号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。
a 【0001】~【0008】
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、読み取った画像から対象物の大きさ及び重さを決定し配送料金を算出する処理を行う情報読取処理装置、その制御方法、及び情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像を取り込む機能を有する携帯用の情報読取処理装置が案出されている。このような装置においては、取り込んだ画像を即座に確認することができ、さらにその画像情報を記録媒体に記録したり、外部の機器に送出して画像を表示したり印刷することができる。また、取り込んだ画像を単に確認したり記録するだけでなく、画像処理を施すことで画像の解析を行うことも可能になっている。例えば、取り込んだ画像の中にバーコードが入っている場合、そのバーコードを画像処理によって自動的にデコードする。これにより、バーコードが印刷されているラベルの情報を得ることができ、ラベルが貼付された対象物の取り扱いが容易になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の対象物が配送品である場合、ラベルの情報を自動的に得ることができても、配送料金を決定するにあたっては、対象物の大きさと重量を計測し配送料金表にあてはめるという手作業が必要となる。特に、多数の配送品を扱う店舗においては、手作業をなるべく無くして、効率よく配送業務を行いたいという要望がある。
【0004】本発明は、このような手作業の手間を省くために鑑みてなされたもので、対象物の画像に画像処理を施して配送料金を算出しうる携帯型の情報読取処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達するために本発明に係る情報読取処理装置の一つの態様は、対象物の画像を取り込む画像取込手段と、画像に基づいて対象物の大きさと重さを決定する画像処理手段と、大きさ及び重さから対象物の配送料金を算出する料金算出手段とを有することを特徴とする。これにより、対象物の画像を取り込むだけで、対象物の配送料金を容易に決定することができる。
【0006】本発明に係る情報読取処理装置の別の態様は、画像取込手段は、表示媒体とともに対象物の第1面を含む第1の画像、及び重量計とともに対象物の第2面を含む第2の画像、を取り込むことを特徴とする。これにより、対象物の画像を別々の方向から取り込み対象物の立体画像を把握することができる。
【0007】本発明に係る情報読取処理装置の別の態様は、画像処理手段は、第1の画像から表示媒体の大きさを決定するとともに前記第1面の大きさを決定すること、及び、第2の画像から第1面の大きさに基づいて第2面の大きさを決定するとともに重量計が表示する重さを決定することを特徴とする。これにより、対象物の大きさと重さを把握することができる。
【0008】本発明に係る情報読取処理装置の別の態様は、料金算出手段は、第1面の大きさ及び第2面の大きさから、対象物の立体寸法を算出し、あらかじめ決められた料金表に立体寸法及び重さをあてはめて対象物の配送料金を決定することを特徴とする。これにより、従来のように配送料金表を手作業で参照することとなく、配送料金を容易に算出することができる。」
b 【0011】~【0014】、【図1】
「【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る携帯型情報読取処理装置の好ましい実施の形態を説明する。
【0012】図1は、本実施の形態における携帯型情報読取処理装置(以下、情報読取処理装置という)1の外観を示す図である。
【0013】図1に示すように、情報読取処理装置1は、人間の手でつかむことができる大きさを有しており長尺の形状に形成されている。情報読取処理装置1の一端の内部には、例えば、バーコードを印刷した表示媒体5であるラベルを貼付した荷物6を取り込むためのカメラ2(画像取込手段)が設けられている。ここで、カメラ2としては、CCDまたはCMOSセンサといった光電変換媒体にレンズを取り付けたもので構成される。なお、カメラ2は35万画素以上の画素数を有するものが望ましい。一方、情報読取処理装置1の表面には、カメラ2で取り込んだ画像を表示するための表示パネル3(画像表示手段)が設けられている。この表示パネル3としては、例えば、液晶表示装置が用いられる。さらに、情報読取処理装置1の表面には、後述する処理を行うための操作パネル4(操作手段)が設けられている。操作パネル4としては、例えば、複数のプッシュボタン又は表示パネル3上に取り付けられたタッチパネルとペン(共に図示せず)により構成される。
【0014】次に、カメラ2が取り込む被写体について説明する。図1に示すように、被写体は、表示媒体5が貼付された荷物6(対象物)及び荷物6の重さを計測する重量計7から構成される。重量計7は重さを表示する表示部8を有しており、例えば、0950gのようにデジタル方式により重さを表示する。カメラ2は、被写体の画像を2方向(A方向及びB方向)から取り込む。A方向は表示媒体5を含むような対象物の一つの面(第1面)からみた方向であり、B方向は重量計7の表示部8を含むような対象物の別の面(第2面)からみた方向である。」
「【図1】
[図:0001410923000003.jpg]
」
c 【0015】~【0016】、【図2】
「【0015】図2は、表示パネル3の取り込み画像の様子を示す図である。図2(a)はA方向から被写体の画像を取り込んだ図であり、図2(b)はB方向から被写体の画像を取り込んだ図である。
【0016】図2(a)に示すように、A方向からの画像には、少なくとも表示媒体5及び荷物6が含まれている。また、図2(b)に示すように、B方向からの画像には、少なくとも荷物6及び重量計7の表示部8が含まれている。なお、画像を取り込む際には、情報読取処理装置1の操作パネル4を操作するが、表示パネル3に上記(a) (b)の画像が取り込めていない場合は、カメラ2の方向を変えたのち操作パネル4を操作し直して適切な画像を取り込む。」
「【図2】
[図:0001410923000004.jpg]
」
d 【0019】~【0021】、【図4】
「【0019】図4は、本実施の形態における機能系の構成を示す図である。
【0020】画像取込手段14は、カメラ2で被写体の画像を取り込みRAM12に画像データとして保存する機能を有する。画像表示手段15は、RAM12の画像データを表示するほか、後述の料金算出手段18からの料金データを表示する等、各種のデータを表示パネル3に表示する機能を有している。
【0021】画像処理手段16は、画像取込手段14で取り込まれたA方向からの画像データ(第1の画像)及びB方向からの画像データ(第2の画像)を、RAM12から取り出して荷物6の大きさ及び重さを決定する。まず、第1の画像において、表示媒体5及び荷物6の第1面の大きさを決定する。この決定にあたっては、表示媒体5に印刷されている特定のバーコードを認識することで実現する。例えば、Maxiコードが印刷されている場合、そのコードの大きさは一辺が1インチの正方形とわかるので、第1の画像中のバーコードと表示媒体5との長さ比率から表示媒体5の大きさを決定することができる。同様に、第1の画像中の表示媒体5と荷物6との長さ比率から荷物6の第1面の大きさを決定することができる。次に、第2の画像において、荷物6の第2面の大きさ及び重さを決定する。第2面の大きさを決定するにあたっては、第2の画像中の第2面と第1面が接する辺を基準に、第2面と第1面の大きさとの長さ比率から決定することができる。また、第2の画像中に表示されている重量計7の表示部8の文字を認識することで、荷物6の重さを決定することができる。」
「【図4】
[図:0001410923000005.jpg]
」
e 【0024】~【0032】、【図5】
「【0024】図5は、本実施の形態における処理手順を示すフローチャートの図である。
(中略)
【0031】ステップS7では、上述の大きさと重さの情報をもとに配送料金を算出する。まず、第1面及び第2面の大きさ情報から、単純な数値計算により荷物6の立体寸法を算出する。次に、荷物6の立体寸法と重さから、あらかじめROM11に記憶された配送料金のデータベースを検索して荷物6の配送料金を決定する。なお、ステップS5においてMaxiコードをデコードすることで、配送先の住所情報を取得することができるため、この住所情報を配送料金のデータベースにあてはめて、配送先に応じた配送料金を決定することもできる。
(後略)」
「【図5】
[図:0001410923000006.jpg]
」
f 【0033】
「【0033】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、対象物、表示媒体および重量計の画像を撮影することにより、自動的に配送料金を算出しうる携帯型情報読取処理装置を提供することができる。また、表示媒体のバーコード情報から配送先の住所を取得して、配送料金の算出に用いることができる。更には、算出された配送料金をPOS端末など他の情報処理装置へ転送して会計処理に活用することができる。
(イ) 引用文献2記載事項の認定
引用文献2には、次の技術事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されていると認められる。
<引用文献2記載事項>
「バーコードを印刷した表示媒体5であるラベルを貼付した荷物6をカメラ(画像取込手段)で取り込み、デコードすることで、バーコード情報から配送先の住所を取得すること。」
ウ 引用文献3及び4に記載された事項と技術常識Aの認定
(ア) 引用文献3に記載された事項
当審において新たに引用する、本願の優先日前に発行された文献である特開2016-139346号公報(以下「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【0036】
図3に本実施形態の配送情報管理装置を用いた配送情報管理システムの構成例を示す。
【0037】
配送先情報管理システムは、配送情報管理装置101、伝票401および運搬者端末30から構成される。図3では、一つの配送情報管理装置101に対して配送情報入力端末20、伝票401および運搬者端末30を一つずつ記載しているが、配送情報入力端末20、伝票401および運搬者端末30は、それぞれ独立に、複数存在することが可能である。
【0038】
配送情報管理装置101は、配送情報受付部13、配送情報記憶部14および照会応答部15から構成される。
【0039】
配送情報受付部13は、配送情報入力端末20から配送情報を受け付ける部分である。配送情報は、配送を依頼する荷物に添付する伝票とその配送先を指定する情報であり、すくなくとも、伝票個体ID11と配送先情報12を含む。
【0040】
伝票個体ID11は、配送を依頼する荷物に添付する各伝票と一意に対応するID(identification)である。この伝票は、配送を依頼する依頼者に対してあらかじめ配布され、発送者はこの伝票を荷物に添付する。この時、荷物は依頼者の手元になくても良い。言い換えると、依頼者と発送者は同一でなくても良い。あらかじめ依頼者から発送者に伝票を渡しておくことで、荷物を発送する発送者や配送先の荷受者以外でも、依頼者が配送を依頼することが可能である。また、この伝票は、1回の配送のみに使用されるのではなく、繰り返し使用できるよう、耐久性を備えていることが望ましい。
【0041】
配送先情報12は、配送先の場所と一意に対応する情報である。配送先情報12としては、荷物の配送先の場所が一意に決まる情報ならばどのような情報を用いても良い。たとえば、配送先の住所、ビル名、緯度経度、フロア番号、地図等の場所を特定する情報を用いても良いし、場所を特定する情報に対して一意に付与された配送先IDを用いても良い。
【0042】
配送情報入力端末20は、依頼者が配送業者へ荷物の配送を依頼するための端末である。配送情報入力端末20と配送情報管理装置101は、インターネット等の通信回線によって接続されている。
【0043】
配送情報記憶部14は、配送情報受付部13で受け付けた配送情報を記憶する部分である。
【0044】
照会応答部15は、運搬者端末30から配送先の場所の照会要求を受け付け、照会要求で指定された配送識別IDに対応する配送先情報を配送情報記憶部14から取得し、配送先情報から特定される配送先の場所を運搬者端末へ回答する部分である。
【0045】
運搬者端末30は、配送業者の運搬者が、荷物の配送情報を照会するための端末である。配送情報管理装置101と運搬者端末30は、携帯電話回線等の通信回線によって接続されている。
【0046】
運搬者端末30は、ID認識部31、配送先照会部32および表示部33から構成される。
【0047】
ID認識部31は、伝票401上の配送識別IDを読み取る部分である。配送識別IDは、その伝票が添付された荷物の配送先を一意に特定することができるIDである。具体的には、伝票それぞれを識別するための伝票個体ID、配送情報記憶部14に記憶した配送情報単位に付与された配送番号、配送先単位に付与された配送先ID等、荷物の配送先を一意に特定できる情報であれば何を使用しても良い。本実施形態では、配送識別IDとして伝票個体IDを使用する。
【0048】
また、配送識別IDの読み取り方法にはどのような方法を使用しても良い。たとえば、伝票からの無線信号に含まれる配送識別IDを取得する、運搬者が目視で読み取った配送識別IDを入力する、あるいは、伝票上に表示された文字列やバーコード等の画像を認識する、といった方法が考えられる。
【0049】
配送先照会部32は、ID認識部31で読み取った配送識別IDに対応する配送先の場所の照会要求を配送情報管理装置101へ送信し、配送先の場所を特定する情報を配送情報管理装置から受信する部分である。
【0050】
表示部33は、配送先照会部32が受信した配送先の場所を表示する部分である。
【0051】
このように配送情報管理システムを構成することによって、伝票上に住所を表示せず、かつ、発送者以外が配送を依頼することが可能になる。」
「【図3】
[図:0001410923000007.jpg]
」
(イ) 引用文献4に記載された事項
当審において新たに引用する、本願の優先日前に発行された文献である特開2014-59770号公報(以下「引用文献4」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【0014】
次に、宅配便区分時の基本処理について図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0015】
まず、配送を目的とする宅配便は、差出人により1次受取場所を経由し配送業者によって、宅配便区分センタ51へ集められる。この宅配便区分センタ51は、配送先ごとに宅配便を区分するための処理場であり、他地域から自地域向けに配送されてきた宅配便も処理対象となる。ここまでがステップ1の「区分センタに宅配便到着」にあたる。
【0016】
次に、宅配便区分センタ51では、宅配便が宅配便搬送機構61に乗せられ、スキャナ62へ搬送されることで、宅配便表面の画像が取得される(読取られる)。この場合、スキャナ62は宅配便の表面を複数の方向から撮像できるように複数台の構成でも構わない。以上がステップ2の「画像取得処理」である。
【0017】
ステップ2で取得された宅配便の画像は、バーコード認識部63や住所認識部64で使用される他に、固有の識別情報(画像ID)を付与されて宅配便情報管理サーバ67へ送信され蓄積(登録)される。宅配便情報管理サーバ67へ送信される画像は、後述する受取人側の閲覧のために蓄積されるものである。そのため、当該宅配便の画像は、宅配便に大きな破損が発生していないかを確認する用途として用いる場合などでは低解像度で圧縮されている状態でも構わないし、宅配便の表面の細かな汚れなどを確認する用途の場合には高解像度のまま送信しても構わない。
【0018】
次に、ステップ3のバーコード認識処理へ進む。バーコード認識処理は、バーコード認識部63により行なわれるもので、ステップ2で取得された宅配便の画像を用いたものであってもよいし、レーザ式のバーコード認識装置を用いてもよい。バーコードで認識できる情報は、宅配便の宅配便固有識別コード(配達物固有識別情報)、配送先情報、宅配便属性情報のうち、最低でもいずれか1つが含まれているものとする。
【0019】
宅配便固有識別コードは、宅配便に一意に付与されるコードのことで、たとえば、宅配便に貼付されている伝票の伝票番号をコード化したものなどが該当する。配送先情報は、宅配便が配送される住所や氏名などの情報がコード化されたものを指す。また、属性情報は、お届け先への宅配希望時間帯の情報や、宅配便が冷凍・冷蔵便などの特殊な属性を持つ場合に、それらの情報をコード化したものとする。なお、それぞれのコード情報が別のバーコードとして記載されていてもよいし、各コードの複数の情報をまとめてバーコードとして記載する体系であっても構わない。」
「【図3】
[図:0001410923000008.jpg]
」
(ウ) 技術常識Aの認定
前記引用文献3及び4に例示されているように、次の事項は技術常識(以下「技術常識A」という。)であると認められる。
<技術常識A>
「荷物に貼付されている伝票に示されたバーコードを読み取って、荷物に一意に付与される識別コードや荷物の送付先を特定すること。」
エ 引用文献5に記載された事項と周知技術Bの認定
(ア) 引用文献5に記載された事項
当審において新たに引用する、本願の優先日前に発行された文献である特開平9-115096号公報(以下「引用文献5」という。)には、以下の事項が記載されている。
a 【0001】
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貨物自動車等の車両によって荷物を配送するにあたって、荷物の配送を管理するシステムに関するものである。」
b 【0018】~【0019】
「【0018】次に、このように仕分けされた荷物を配送地域の集配基地に運送するにあたっては、まず配送先地域の集配基地に荷物1を運送する車両の記憶装置5に、この集配基地に運送する荷物1の認識コード及びこの認識コードに付随するデータや情報等を仕分けて編集したデータを格納した記録媒体9をセットし、記録媒体9に格納したデータや情報を記憶装置5に読み取らせる。この後に、仕分けた荷物1をこの車両に積み込む。このように車両の荷台に荷物1を積み込む際に荷物1は荷物出し入れ口を通過するので、物品識別ラベル2から発信される認識コードのデータがアンテナ8で受信されて読み取り装置3で読み取られ、この認識コードのデータが読み取られた時点での緯度・経度の位置情報と時刻情報が演算処理装置6から記憶装置5に出力され、荷物1の認識コードに付随してこの位置情報や時刻情報が記憶装置5に記憶されると共に記録媒体9に記録される。従って、荷物1の認識データに付随して、荷物1を積み込んだ集配基地を位置情報に基づいて記録することができると共に荷物を積み込んだ時刻を時刻情報に基づいて記録することができる。
【0019】また、このように荷物1を車両に積み込む際に読み取られる荷物1の認識コードと記憶装置5に上記のように格納されている認識コードとを演算処理装置6によって照合し、間違った荷物1が車両に積み込まれると警報装置22によって警報を発して報知したり、ディスプレー21に積み込み間違いを表示するようになっている。さらに車両に積み込むべき荷物1が積み込まれないと、記憶装置5に格納されている認識コードに照合残りが生じるので荷物1の積み込み不足を検知することができ、ディスプレー21に積み込まれていない荷物1の認識コードを表示するようになっている。このようにして、車両への荷物1の積み込み間違いや積み込み不足を検知することができ、積み込み間違いや積み込み不足を防ぐことができるものである。」
c 【0026】
「【0026】上記の各例では、物品識別ラベル2として認識コードを非接触で送信するように形成したものを用い、読み取り装置3として物品識別ラベル2から送信された認識コードを非接触で受信するように形成したものを用いるようにしているが、請求項4の発明では、認識コードをバーコードとして入力した物品識別ラベル2を用いるようにしている。従ってこの場合には、読み取り装置3はバーコードリーダーを備えて物品識別ラベル2の認識コードを光学的に読み取るように形成したものを用いることになる。上記のように認識コードを送受信する場合には、電磁波ノイズ等による影響を受け、信頼性に問題が生じることもあるが、このように認識コードをバーコードにする場合には、このノイズ等の問題はない。ただこの場合には、荷物1を読み取り装置3のバーコードリーダーに近付けてバーコードを読み取らせるようにする必要がある。」
(イ) 周知技術Bの認定
前記(ア)に摘記した引用文献5の記載事項に例示されるように、次の技術事項は周知の技術(以下「周知技術B」という。)であると認められる。
<周知技術B>
「バーコードとして入力した物品識別ラベルから認識される荷物の認識コードを、間違った荷物が車両に積み込まれていないかの判定に用いること。」
(3) 対比
ア 対比分析
本件補正発明と引用発明を対比する。
(ア) 「情報処理システム」の発明に関して
a 引用発明の「運送料金算出装置1」は、三次元測定装置2によって撮像されて得られた荷物5の画像に基づいて、荷物5のサイズ及び重量を決定し、荷物5のサイズと重量に基づいて荷物5の荷物タイプを決定し、三次元測定装置2によって撮像されて得られた伝票の画像に基づいて荷物5の送付先を決定し、データ処理部12は、荷物5の荷物タイプ、送付先、予め設定してある送付元に基づいて荷物5の運送料金を算出するものであり、情報を処理しているものであるから、「情報処理システム」であるといえる。
b したがって、「情報処理システム」の発明である本件補正発明と「運送料金算出装置」の発明である引用発明は、「情報処理システム」の発明である点において一致する。
(イ) 「荷物の3次元の寸法を測定する寸法測定部」に関して
a 引用発明の「三次元測定装置2」は、荷物5の三次元形状を表す三次元形状データを取得するものであるから、本件補正発明の「荷物の3次元の寸法を測定する寸法測定部」に相当する。
b したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。
「荷物の3次元の寸法を測定する寸法測定部」を有する点。
(ウ) 「前記3次元の寸法の測定の際に前記寸法測定部により前記荷物から読み取られて出力された信号に基づき、前記荷物が車両の前記荷室に積載すべき正しい荷物であるか否かを判定するための前記荷物の識別情報を取得する識別情報取得部」に関して
a 引用発明の「データ処理部12」は、三次元測定装置2によって撮像されて得られた伝票の画像に基づいて荷物5の送付先を決定しているところ、荷物5の送付先を決定するためには、「三次元測定装置2によって撮像されて得られた伝票の画像」から何らかの情報を読み取り、読み取った信号に基づいて荷物5の送付先を決定していることは明らかである。
b そうすると、引用発明が、本件補正発明の「前記3次元の寸法の測定の際に前記寸法測定部により前記荷物から読み取られて出力された信号」に相当する構成を備えることは明らかである。
c そして、引用発明の「荷物5の送付先を決定[する]」「データ処理部12」と、本件補正発明の「前記荷物が車両の前記荷室に積載すべき正しい荷物であるか否かを判定するための前記荷物の識別情報を取得する識別情報取得部」は、「前記荷物の3次元の寸法以外の情報を取得する情報取得部」である点において共通する。
d 前記a~cの検討結果をまとめると、本件補正発明と引用発明は、次の点(a)において共通し、(b)において相違すると認められる。
(a) 「前記3次元の寸法の測定の際に前記寸法測定部により前記荷物から読み取られて出力された情報に基づき、前記荷物の3次元の寸法以外の情報を取得する情報取得部」を有する点。
(b) 「前記3次元の寸法の測定の際に前記寸法測定部により前記荷物から読み取られて出力取得された情報に基づき、情報取得部によって取得される前記荷物の3次元の寸法以外の情報」が、
本件補正発明においては、「前記荷物が車両の前記荷室に積載すべき正しい荷物であるか否かを判定するための前記荷物の識別情報」であるのに対して、
引用発明においては、荷物5の送付先を決定するための情報である点。
イ 一致点及び相違点
前記アの対比分析の検討結果をまとめると、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、それぞれ次の(ア)及び(イ)に示すとおりである。
(ア) 一致点
荷物の3次元の寸法を測定する寸法測定部と、
前記3次元の寸法の測定の際に前記寸法測定部により前記荷物から読み取られて出力された信号に基づき、前記荷物の3次元の寸法以外の情報を取得する情報取得部と
を有する情報処理システム、である点。
(イ) 相違点
「前記3次元の寸法の測定の際に前記寸法測定部により前記荷物から読み取られて出力取得された情報に基づき、情報取得部によって取得される前記荷物の3次元の寸法以外の情報」が、
本件補正発明においては、
「前記荷物が車両の前記荷室に積載すべき正しい荷物であるか否かを判定するための前記荷物の識別情報」であるのに対して、
引用発明においては、荷物5の送付先を決定するための情報である点。
(4) 当審の判断
ア 相違点に係る構成を備えることの想到容易性について
(ア) 荷物の識別情報について
a 引用文献1の段落【0087】~【0096】の第2の実施形態についての説明においては、荷物5の送付先を決定するための情報が何であるのかについて明示の説明はない。
b(a) しかし、引用文献1は、引用文献2の「特開2003-303222号公報」を従来の技術を示す文献として引用し、【0021】等において、次のとおり説明している。
「この情報読取装置には、荷物、および荷物に貼付される表示媒体の画像を取り込むカメラが設けられており、表示媒体に印刷されているバーコードの一辺の長さを基準として表示媒体の大きさを測定し、さらに表示媒体の大きさから荷物の大きさを測定するようになっている。」
(b) 実際に引用文献2においては、前記(2)イ(ア)に摘記した事項が記載され、前記(2)イ(イ)において「引用文献2記載事項の認定」として認定した次の事項が記載されている。
「バーコードを印刷した表示媒体5であるラベルを貼付した荷物6をカメラ(画像取込手段)で取り込み、デコードすることで、バーコード情報から配送先の住所を取得すること。」
(c) 引用発明は、引用文献2に記載された発明の改良を目的とするものであるから、引用発明において「荷物5の送付先を決定するための情報」は、引用文献1において従来の技術を示す献として引用された引用文献2と同様に「バーコード情報」であることは、引用文献1の全体の記載から、当業者が認識できることである。
c また、前記(2)ウ(ウ)において示したとおり、次の事項は技術常識である(「技術常識A」)。
「荷物に貼付されている伝票に示されたバーコードを読み取って、荷物に一意に付与される識別コードや、荷物の送付先を特定すること。」
d してみれば、引用発明の「データ処理部12」は、三次元測定装置2によって撮像されて得られた伝票の画像に基づいて荷物5の送付先を決定しているところ、引用文献1が引用文献2を引用して説明した引用文献1の全体の記述ぶり及び前記技術常識Aを踏まえれば、当業者は、引用発明においても、伝票の画像に基づいて荷物5の送付先を決定する際には、撮像された伝票の画像に示されたバーコードを読み取って、荷物に一意に付与される識別コードや、荷物の送付先を特定しているものと認識すると考えるのが相当である。
e したがって、前記相違点のうち、「前記3次元の寸法の測定の際に前記寸法測定部により前記荷物から読み取られて出力取得された情報に基づき、情報取得部によって取得される前記荷物の3次元の寸法以外の情報」が、「前記荷物の識別情報」である点(以下「部分相違点」という。)については、実質的な相違点ではなく、少なくとも当業者には自明である。
(イ) 荷物が車両の荷室に積載すべき正しい荷物であるか否かを判定することについて
a 前記(2)エ(イ)において認定したとおり、次の技術事項は、周知の技術である。
「バーコードとして入力した物品識別ラベルから認識される荷物の認識コードを、間違った荷物が車両に積み込まれていないかの判定に用いること。」
b したがって、引用発明において、伝票の画像に基づいて取得される荷物5の送付先を決定するための情報(バーコードから認識される識別コード)を、間違った荷物が車両に積み込まれていないかの判定に用いることは、当業者にとっては自明のことである。
c よって、「前記荷物が車両の前記荷室に積載すべき正しい荷物であるか否かを判定するため」に用い得る点は、当業者が容易に想到し得たことである。
イ 本件補正発明の想到容易性についてのむすび
前記アにおいて検討したとおり、引用発明において前記相違点に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
そして、本件補正発明の奏する作用効果としては、当該構成のものとして当業者が予測困難であり、かつ、格別顕著なものは、認めることができない。
したがって、本件補正発明は、引用発明、技術常識A及び周知技術Bに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
ウ 請求人の主張について
(ア) 請求人の主張の内容
請求人は、審判請求の理由において、概略次の主張をしている。
本件補正発明は、「前記荷物が車両の前記荷室に積載すべき正しい荷物であるか否かを判定するための前記荷物の識別情報」を取得するものである。
引用発明の「荷物タイプ」は、運送料金の決定に用いるのがせいぜいであって、「前記荷物が車両の前記荷室に積載すべき正しい荷物であるか否か」という判定とは無関係である。引用文献1は、本件補正発明における「識別情報」を開示も示唆もするものではない。また、運送料金算出装置という車両の荷室への荷物の積載に関わる判定とは無関係な引用発明では、「前記荷物が車両の前記荷室に積載すべき正しい荷物であるか否かを判定するための前記荷物の識別情報」との事項に当業者が想到することは容易ではない。
(イ) 請求人の主張についての検討
請求人の主張について検討する。
そもそも、本件補正は、見かけ上特許請求の範囲の減縮を行うように見えても、これが、特許請求の範囲の減縮に該当しないことは、前記2(2)において説示したとおりであるから、請求人の主張はそもそも採用することができない。
この点を措(お)くとしても、前記ア(ア)において示したとおり、引用文献1が引用文献2を引用して説明した引用文献1の全体の記述ぶり及び技術常識Aを踏まえれば、当業者は、引用発明においても荷物の識別情報を取得しているものと理解される。
そして、前記ア(イ)において示したとおり、識別コードを車両の荷室に積載すべき正しい荷物であるか否かを判定するためのものとすることは、周知技術Bに基づいて当業者が容易に想到し得たことである。
よって、請求人の前記主張は採用できない。
(5) 独立特許要件についてのまとめ
以上検討のとおり、本件補正発明は、引用発明、技術常識A及び周知技術Bに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4 本件補正の適否についてのまとめ
前記2で示したとおり、本件補正は、特許法17条の2第5項の規定に違反するもの(目的要件違反)であるから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。
また仮に、本件補正が、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するとしても、前記3において示したとおり、本件補正は、同法17条の2第6項で準用する同法126条7項の規定に違反するもの(独立特許要件違反)であるから、同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。
よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明の認定
本件補正は、前記第2に示したとおり却下したので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和4年6月8日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項(前記第2の1(1)参照)により特定されるとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由のうち、本願発明に対する理由1及び理由2の概要は、次のとおりである。
理由1.(新規性の欠如)本願発明は、本願の優先日前に発行された下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができない。
理由2.(進歩性の欠如)本願発明は、本願の優先日前に発行された下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、本願の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1.特開2007-102262号公報
3 各引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定
引用文献1~4に記載された事項並びに引用発明、引用文献2記載事項及び技術常識Aの認定は、前記第2の3(2)アからウにおいて示したとおりである。
4 対比
前記第2の3(3)の検討事項を踏まえると、本願発明と引用発明の一致点及び(一応の)相違点は、それぞれ次に示すとおりである。
(1) 一致点
荷物の3次元の寸法を測定する寸法測定部と、
前記3次元の寸法の測定の際に前記寸法測定部により前記荷物から読み取られて出力された信号に基づき、前記荷物の3次元の寸法以外の情報を取得する情報取得部と
を有する情報処理システム、である点。
(2) (一応の)相違点
「前記3次元の寸法の測定の際に前記寸法測定部により前記荷物から読み取られて出力取得された情報に基づき、情報取得部によって取得される前記荷物の3次元の寸法以外の情報」が、
本願発明においては、「前記荷物の識別情報」であるのに対して、
引用発明においては、荷物5の送付先を決定するための情報である点。
5 当審の判断
上記の(一応の)相違点は、前記第2の3(4)ア(ア)eで定義した「部分相違点」と同一である。
そして、「部分相違点」は、第2の3(4)ア(ア)aからdにおいて検討し、eにおいて結論したとおり、引用文献1引用文献2を引用して説明した引用文献1の全体の記述ぶり及び前記技術常識Aを踏まえれば、当業者が引用文献1の記載から認識できるものであり、実質的な相違点ではなく、少なくとも当業者には自明である。
したがって、本願発明は、引用文献1に記載された発明であり、少なくとも、引用発明及び技術常識Aに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明であり、特許法29条1項3号に該当するものであるから、特許を受けることができない。
また、本願発明は、少なくとも、引用発明及び技術常識Aに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-005328