商標拒絶査定不服審判
2022-007176
サムソン、サムスン、サムスング、サムサン、サムサング
- 審判番号
- 2022-007176
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-036469
- 請求日
- 2022年05月13日
- 審決日
- 2023年06月22日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】三星電子株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人R&C
- 審判長/審判官
- 審判長 矢澤 一幸
- 審判官 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 分類
- T18 .261-WY (W38) / T18 .262-WY (W38) / T18 .263-WY (W38)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 36469拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「SAMSUNG」の欧文字と「サムソン」の片仮名を2段に横書きしてなるものであり、第38類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、令和元年10月17日に登録出願された商願2019-134283に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同3年3月26日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年5月27日付けで拒絶理由の通知がされ、同年11月29日付けで意見書(以下「意見書」という。)が提出され、本願の指定役務は、意見書と同日付けの手続補正書により、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,衛星通信による無線呼出し,セルラー式電話による通信,衛星による通信,電子メールによる通信,無線による電気通信,テレビ会議通信,通信機器の貸与,無線呼出し,テレマティックによる電気通信,テレマティックネットワークによるデータの通信,国内的及び国際的なネットワーク経由による情報の送信,電気通信ネットワークによるデータベース情報の通信,無線の乗物用ナビゲーション及び追跡用のテレマティックによる車載の電気通信,人工知能を利用した音声・ビデオ・静止画・動画・文字及びデータの送信・受信」に補正されたが、同4年1月28日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年5月13日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 引用商標
本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下1及び2のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
1 登録第4089111号商標(以下「引用商標1」という。)は、「SAMSON」の欧文字と「サムソン」の片仮名を2段に横書きしてなり、平成8年2月21日に登録出願、第38類「電子計算機端末による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、同9年12月5日に設定登録されたものである。
2 登録第5046823号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成18年9月20日に登録出願、第38類「電気通信(放送を除く。),電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、同19年5月11日に設定登録されたものである。
なお、引用商標1及び引用商標2をまとめていう場合は、以下「引用商標」という。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標と引用商標は、外観における相違が両商標の差異を特段印象づけるものではなく、「サムソン」の称呼及び「旧約聖書中の人物」の観念を共通にする類似の商標であり、本願の指定役務と引用商標の指定役務は、同一又は類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当すると認定、判断したものである。
第4 当審の判断
1 本願商標について
本願商標は、上記第1のとおり、「SAMSUNG」の欧文字と「サムソン」の片仮名を2段に横書きしてなるところ、本願商標は、「SAMSUNG」の欧文字の下に「サムソン」の片仮名をまとまりよく配置しているものであり、その構成中の「サムソン」の片仮名は、「SAMSUNG」の読み方を特定したにすぎないものと無理なく認識し得るものである。
そして、本願商標の構成中の「SAMSUNG」の欧文字は、請求人(出願人)の名称である「三星電子株式会社」(以下「サムソン社」という。)の略称を欧文字で表示したものであり、別掲2のとおり、出荷台数で世界トップのスマートフォン等の同社の取り扱いに係る商品等に使用する標章として需要者の間に広く知られているものである。
また、本願の指定役務は、商品「スマートフォン」と関連を有する電気通信に関する役務である。
そうすると、本願商標は、その構成文字全体を捉えて取引に資されるもの、又は、「SAMSUNG」の読み方を特定したにすぎない「サムソン」の片仮名を捨象し、サムソン社の取り扱いに係る商品等に使用する標章として需要者の間に広く知られている「SAMSUNG」の欧文字のみを捉えて取引に資されるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、その構成文字に相応して「サムソン」の称呼が生じ、「SAMSUNG」の欧文字より、サムソン社又はサムソン社のブランドの観念が生じるものである。
2 引用商標について
(1)引用商標1について
引用商標1は、上記第2の1のとおり、「SAMSON」の欧文字と「サムソン」の片仮名を2段に横書きしてなるところ、引用商標1は、「SAMSON」の欧文字の下に「サムソン」の片仮名をまとまりよく配置しているものであり、その構成中の「サムソン」の片仮名は、「SAMSON」の読み方を特定したにすぎないものと無理なく認識し得るものである。
そうすると、引用商標1は、その構成文字全体を捉えて取引に資されるもの、又は、「SAMSON」の読み方を特定したにすぎない「サムソン」の片仮名を捨象し、「SAMSON」の欧文字のみを捉えて取引に資されるものと判断するのが相当である。
したがって、引用商標1は、その構成文字に相応して「サムソン」の称呼が生じ、「SAMSON」の欧文字は、別掲3のとおり、「旧約聖書中の人物」(出典:デジタル大辞泉)の観念が生じるものである。
(2)引用商標2について
引用商標2は、別掲1のとおり、内側楕円部分を黒塗りした3重楕円図形(以下「楕円図形」という。)内に「SAMSON」の欧文字(「SAMSON」の欧文字はグラデーションが施されている。)を横書きしてなるところ、その構成中の楕円図形は、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないため、特定の称呼及び観念は生じないものである。
そうすると、引用商標2は、本願商標との類否を判断するに当たって、引用商標2の構成中の「SAMSON」の欧文字を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、引用商標2は、その構成中の「SAMSON」の欧文字に相応して「サムソン」の称呼が生じ、「SAMSON」の欧文字より、「旧約聖書中の人物」の観念が生じるものである。
3 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標と引用商標1の類否について
本願商標は、「SAMSUNG」の欧文字と「サムソン」の片仮名を2段に横書きしてなるものであり、引用商標1は、「SAMSON」の欧文字と「サムソン」の片仮名を2段に横書きしてなるところ、これらは、「サムソン」の片仮名を共通にするとしても、本願商標の要部である「SAMSUNG」の欧文字と引用商標1の要部である「SAMSON」の欧文字は、7文字構成と6文字構成という構成文字数が相違するとともに、「SAMS」の欧文字に次ぐ「UNG」の文字と「ON」の文字に差異を有することから、両商標は、全体観察及び要部観察をしてみても、外観上、明確に区別し得るものである。
また、本願商標より生じるサムソン社又はサムソン社のブランドの観念と引用商標1より生じる「旧約聖書中の人物」の観念は、明らかに相違する。
そうすると、本願商標と引用商標1は、外観上、明確に区別し得るものであり、これらの観念は明らかに相違することからすると、両商標より生じる「サムソン」の称呼を共通にしたとしても、これらの外観、称呼及び観念等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(2)本願商標と引用商標2の類否について
本願商標は、「SAMSUNG」の欧文字と「サムソン」の片仮名を2段に横書きしてなるものであり、引用商標2は、別掲1のとおり、楕円図形内に「SAMSON」の欧文字を横書きしてなるところ、これらは、「サムソン」の片仮名の有無、楕円図形の有無という明らかな差異を有し、本願商標の要部である「SAMSUNG」の欧文字と引用商標2の要部である「SAMSON」の欧文字を比較しても、7文字構成と6文字構成という構成文字数が相違するとともに、「SAMS」の欧文字に次ぐ「UNG」の文字と「ON」の文字に差異を有することから、両商標は、全体観察及び要部観察をしてみても、外観上、明確に区別し得るものである。
また、本願商標より生じるサムソン社又はサムソン社のブランドの観念と引用商標2より生じる「旧約聖書中の人物」の観念は、明らかに相違する。
そうすると、本願商標と引用商標2は、外観上、明確に区別し得るものであり、これらの観念は明らかに相違することからすると、両商標より生じる「サムソン」の称呼を共通にしたとしても、これらの外観、称呼及び観念等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(3)小括
上記(1)及び(2)のとおり、本願商標と引用商標とは、「サムソン」の称呼を共通にしたとしても、これらの外観、称呼及び観念等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本願の指定役務と引用商標の指定役務とは、同一又は類似するものであるとしても、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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