商標拒絶査定不服審判
2021-006932
ボーイ、ビイオオワイ
- 審判番号
- 2021-006932
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2019-072343
- 請求日
- 2021年05月28日
- 審決日
- 2022年05月17日
- 公報発行日
- 2022年11月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】アングロフランチャイズ リミテッド
- 【請求人代理人】豊崎 玲子
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 大森 友子
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .261-Z (W03) / T18 .262-Z (W03) / T18 .263-Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2019- 72343拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は,令和元年5月22日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年6月17日付け:拒絶理由通知
令和2年9月18日 :意見書の提出
令和3年2月1日付け :拒絶査定
令和3年5月28日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は,別掲のとおりの構成よりなり,第3類「口臭用消臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛,洗顔料,シャワージェル,ティッシュに浸み込ませた肌清浄用化粧品,ボディスクラブ,身体及び顔の装飾用シール」を指定商品として,登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録第5860739号商標(以下「引用商標」という。)は,「BOY」の文字を標準文字で表してなり,平成28年5月11日に登録出願,第3類「皮膚・頭皮・頭髪・爪の手入れ用剤,皮膚・頭皮・頭髪・爪に塗布する化粧品,せっけん類,香料・薫料及び香水類,香水類,エッセンシャルオイル,化粧品,医療用でない化粧品,タルカムパウダー,身体防臭用化粧品及び制汗用化粧品,つけづめ固定用の接着剤,一時的な入れ墨(化粧用転写シール),家庭用芳香剤,芳香剤,ポプリ」を指定商品として,同年6月24日に設定登録されたものであり,その商標権は,現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は,別掲のとおり,「BOY」の欧文字(以下「本願文字部分」という。)を大きく横書きし,その上部中央に「O」の文字の上端に接するように,猛きん類とおぼしき鳥をモチーフとした図形(以下「本願図形部分」という。)を配してなるところ,その構成中,本願文字部分は,「少年。男児。」等の意味を有する英語(「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)であるから,本願文字部分は,その構成文字に相応して「ボーイ」の称呼及び「少年。男児。」の観念を生じるものである。
一方,本願図形部分は,猛きん類とおぼしき鳥をモチーフとした図形と認識され得るものではあるものの,特定の事物を表したもの,又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているというべき事情は認められないことから,本願図形部分は,特定の称呼及び観念は生じないものである。
そして,本願文字部分と本願図形部分(以下,これらをまとめて「両部分」という。)は,本願図形部分が「O」の文字の上端に接するように表されているものの,本願文字部分が本願商標の中央下部において大きく目立つように記載されていること及び,本願図形図部分と本願文字部分の接する箇所がわずかであることから,両部分は視覚上分離して看取され得る。
また,両部分は,観念的に関連性を有しているものではないし,一連一体となって何らかの称呼が生じるともいえないもので,その他に両部分を常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情は見いだせない。
そして,本願文字部分又は本願図形部分が,本願の指定商品との関係において,当該商品の品質等を表すものともいえないし,ほかに両部分が単独では商品の出所識別機能を有しないと認めるに足りる事情も見あたらないうえ,いずれかの部分が,取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというべき事情も見いだせない。
そうすると,両部分は,それぞれが独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえるから,本願文字部分を要部として抽出し,他の商標と比較して商標の類否を判断することができるものである。
したがって,本願商標は,その構成中,独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得る本願文字部分の構成文字に相応して,「ボーイ」の称呼及び「少年。男児。」の観念を生じるものである。
イ 引用商標について
引用商標は,上記3のとおり,「BOY」の文字を標準文字で表してなるところ,当該文字は,上記アのとおり,「少年。男児。」等の意味を有する英語である。
したがって,引用商標は,その構成文字に相応して,「ボーイ」の称呼及び「少年。男児。」の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標の類比について
本願商標の要部の一つである本願文字部分と,引用商標を比較すると,外観においては,本願文字部分を構成する文字はゴシック体風のフォントで表されているのに対し,引用商標は標準文字で表されているという違いはあるものの,それぞれ一般的な書体であって,文字のつづりを共通にするものであるから,両者は外観において類似するものである。
また,称呼においては,本願文字部分と引用商標は,ともに「ボーイ」の称呼を生じるから,両者は,称呼上,同一である。
さらに,観念においては,本願文字部分と引用商標は,ともに「少年。男児。」の観念を生じるから,両者は,観念上,同一である。
以上によれば,本願文字部分と引用商標は,外観が類似するものであって,称呼及び観念を同一とするものであるから,その外観,称呼及び観念が取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合すれば,両商標は,商品の出所について誤認を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
エ 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と,その需要者,用途等を共通にする同一又は類似の商品を含むものである。
オ 小括
本願商標と引用商標とは,相紛れるおそれのある類似の商標であり,かつ,本願商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,「本願文字部分中,中央に配された「O」の文字は,「B」及び「Y」の文字に比して,横幅を広くとり,球体を模したデザイン文字となっている。鷲の図形と文字の間には隙間はない。球体デザイン文字「O」の上に鷲が足を載せ,広げた両翼の下にバランスよく「B」及び「Y」の文字が配されている。本願商標は,こうした構成のため,看者をして鷲が本願文字部分を足でがっしりと掴んでいるという一体的な印象を与える。そして,本願図形部分は,一見して容易に「鷲」と看取されるものであるから,本願商標に接する需要者は,本願図形部分と本願文字部分を切り離して把握することはせず,「鷲とBOY」,「鷲と男の子」として一体的に理解する。よって,本願商標より生じる観念は「鷲とBOY」,あるいは「鷲と男の子」である。」旨を主張している。
しかしながら,本願商標の構成中「BOY」の文字部分の「O」の文字が「B」の文字及び「Y」の文字よりも横長になっているとしても,その差はごくわずかであって,本願文字部分は無理なく「BOY」と読めるものであるから,「O」の文字は,球体を模したデザイン文字であると認識されるものとはいいがたい。
また,本願図形部分の構成中,本願文字部分中の「O」の文字に接する部分をみても,本願図形部分の末端が,単に「O」の文字にかろうじて触れている程度であって,本願図形部分が本願文字部分をがっしりとつかんでいる様子を表すものとはいえず,両部分はいまだ視覚上分離して看取され得るものというべきである。
そして,本願図形部分は,特定の事物を表したもの,又は意味合いを表すものとして認識され,親しまれているというべき事情は認められないもので,特定の称呼及び観念は生じないものであること,また,両部分は,それぞれが独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえることは,上記(1)アで述べたとおりである。
したがって,請求人の主張は採用できない。
イ 請求人は,「本願文字部分については,本願の指定商品である「化粧品等」は,男性用の化粧品が多く取り扱われる昨今の消費動向を鑑みれば,当該語の潜在的識別力はやや弱いといわざるを得ない。よって,需要者は,必然的に識別力の強い鷲の図形に注視することは明らかである。」旨主張している。
しかしながら,本願の指定商品中「化粧品」等を取り扱う業界において,男性用の商品が多く取り扱われているとしても,それによって,直ちに本願文字部分における商品の出所識別標識としての機能が弱いということはできないし,そのことを裏付ける証拠の提出もなく,ほかに本願文字部分の商品の出所識別標識としての機能が弱いことを認めるべき事情も見あたらないから,上記(1)アで述べたとおり,両部分は,それぞれが独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものと判断するのが相当である。
したがって,請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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