商標拒絶査定不服審判
2022-002431
ハッコーノチカラコージイリモチモチゲンマイ、ハッコーノチカラ、コージイリモチモチゲンマイ、モチモチゲンマイ、モチモチ
- 審判番号
- 2022-002431
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-134512
- 請求日
- 2022年02月18日
- 審決日
- 2022年06月10日
- 公報発行日
- 2022年07月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】キッコーマン株式会社
- 【請求人代理人】涌井 謙一
- 【請求人代理人】山本 典弘
- 【請求人代理人】鈴木 一永
- 【請求人代理人】工藤 貴宏
- 【請求人代理人】三井 直人
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .13 -WY (W30) / T18 .272-WY (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-134512拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は,令和2年10月30日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年4月19日付け :拒絶理由通知書
令和3年6月2日 :意見書の提出
令和3年6月16日 :上申書の提出
令和3年12月20日付け:拒絶査定
令和4年2月18日 :審判請求書の提出
令和4年3月9日 :手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は,「発酵のちから糀入りもちもち玄米」の文字を標準文字で表してなり,第30類「穀物の加工品」を指定商品として,登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,要旨以下のとおり,認定,判断し,本願を拒絶したものである。
本願商標は「発酵のちから糀入りもちもち玄米」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中の「発酵」の文字は,「一般に,酵母・細菌などの微生物が,有機化合物を分解してアルコール・有機酸・炭酸ガスなどを生じる過程。本態は酵素反応。酒・醤油・味噌,さらにビタミン・抗生物質などはこの作用を利用して製造する。」等を意味する語であり,また,「糀」の文字は,「米・麦・豆・ふすま・糠などを蒸して,これに麹菌を繁殖させたもの。」を意味する語として広く使用されているものである。
そして,食品を取り扱う業界において,食品をより食べやすくする等の発酵の効能を利用した商品に「発酵のちから(力)」の文字が付されて販売され,そして,もちもちとした食感の玄米や,もちもちとした食感の玄米を使用した商品が,各種販売されている実情にある。
さらに,糀(麹)を使用した商品について,「糀(麹)入り」の文字が,使用され販売されている実情にあるので,本願商標全体として「発酵の効能を利用した,糀入りのもちもちとした食感の玄米」程度の意味合いを容易に理解,認識させるものである。
そうすると,本願商標は,これをその指定商品について使用するときは,「発酵の効能を利用した,糀入りのもちもちとした食感の玄米を使用した商品」ほどの意味合いを表現したものと需要者に容易に理解,認識させるものであって,単に該商品の原材料,品質を表示するにすぎないものである。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品(「発酵の効能を利用した,糀入りのもちもちとした食感の玄米を使用した商品」)以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
本願商標は,「発酵のちから糀入りもちもち玄米」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして,本願商標の構成は,まず,その前半部分が,「一般に,酵母・細菌などの微生物が,有機化合物を分解してアルコール・有機酸・炭酸ガスなどを生じる過程。本態は酵素反応。酒・醤油・味噌,さらにビタミン・抗生物質などはこの作用を利用して製造する。」等の意味を有する「発酵」の文字(語)と,「自らの力や他の物を動かし得る,筋肉の動き。」,「気力。精神力」,「能力。力量。実力。」,「ほねおり。労力。努力。」等の意味を有する「ちから」の文字(語)を,格助詞「の」で結合してなるものと容易に認識されるといえるから(いずれも「広辞苑第七版」株式会社岩波書店),当該「発酵のちから」の文字からは,各語の語義を結合した多様な,あるいは漠然とした意味合い(例えば「発酵の実力」,「発酵のききめ」など)を連想,想起させるものであり,「発酵製品・製法の効果」を暗示させる一種の造語といえる。
また,当審において職権をもって調査するも,本願の指定商品を取り扱う業界において,「発酵のちから」の文字が,商品の特定の品質等を表示する語として取引上一般的に使用されている事実は発見できず,当該文字に接する取引者,需要者が,これを商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
そうすると,本願商標は,その構成を全体としてみたときは,原審説示のような意味合いのみを連想,想起させるものとはいえず,かつ,その指定商品との関係において,商品の原材料,品質等を表示するものとして取引上一般的に使用されている事実は見あたらず,商品の出所識別標識としての機能を発揮しえないというべき事情も見あたらない。
してみれば,本願商標は,これをその指定商品に使用しても,商品の原材料,品質等を普通に用いられる方法で表示する商標とはいえず,自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであるというべきであり,かつ,商品の品質について誤認を生じるおそれもないというべきである。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとはいえないから,これを理由として本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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